JPH06184494A - 絶縁電線用塗料組成物 - Google Patents

絶縁電線用塗料組成物

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JPH06184494A
JPH06184494A JP33591192A JP33591192A JPH06184494A JP H06184494 A JPH06184494 A JP H06184494A JP 33591192 A JP33591192 A JP 33591192A JP 33591192 A JP33591192 A JP 33591192A JP H06184494 A JPH06184494 A JP H06184494A
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JP
Japan
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weight
aromatic polysulfone
electric wire
resin
composition
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JP33591192A
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English (en)
Inventor
Tomohiro Fukai
知裕 深井
Yasuhiko Nagai
康彦 永井
Yasushi Nakayama
靖士 中山
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電気電子材料、自動車部品などの分野におい
て、自己融着性絶縁電線などの最外層の接着層を形成す
るために使用される、耐熱性および高温時の固着力に優
れた塗料組成物を提供すること。 【構成】 下式(I)で示される繰り返し単位を有し、
かつその還元粘度が、N,N−ジメチルホルムアミド
中、濃度1g/dl、温度30℃で測定したとき、0.
35〜0.6dl/gである芳香族ポリスルホン10〜
200重量部、ポリヒドロキシポリエーテル樹脂100
重量部およびチタンキレート化合物をチタン重量として
0.3〜6.0重量部からなる組成物が、m−クレゾー
ル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチル
アセトアミドおよびN−メチル−2−ピロリドンからな
る群より選択される少なくとも一種の有機溶剤中に30
重量%以下の濃度で溶解されてなる絶縁電線用塗料組成
物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電気電子材料、自動車
部品などの分野において、自己融着性絶縁電線などの最
外層の接着層を形成するために使用される、耐熱性およ
び高温時の固着力に優れた塗料組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より用いられている自己融着性絶縁
電線の最外層に設けられる接着層は、ポリビニルブチラ
ール樹脂、アルコール可溶性ナイロン、フェノキシ樹脂
などの樹脂からなり、コイル成形後、含浸ワニスを使用
することなく、コイル成形体をそのまま加熱することに
より、線間を融着、一体化することができるため、その
コイル加工工程が極めて簡略化され、かつ大幅な省力化
が可能であるなど、多大なメリットを有する。しかし、
このような従来の自己融着性絶縁電線の最外層に設けら
れる接着層は、熱軟化温度の低い樹脂により形成されて
いるため、形成された接着層は高温時において十分な接
着強度を保持することができず、その使用温度は、約1
00℃以下であった。
【0003】従って、従来の自己融着性絶縁電線の用途
は、トランスあるいはテレビのヨークコイルなどのよう
に、比較的低い温度において使用される静止機器などの
狭い範囲に限られていた。
【0004】このような問題点を解決する方法として、
特開昭61−168668号公報には、ポリヒドロキシ
ポリエーテル樹脂、ポリエーテルスルホン、チタンキレ
ート化合物からなる樹脂組成物を接着層に用いることに
よって、高温時の固着力を向上する方法が開示されてい
る。しかし、150℃で常温時の30%、180℃で1
5%程度の固着力しか保持されず、180℃以上の温度
に曝される用途においては、利用が制限されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
課題を解決するものであり、その目的とするところは、
自己融着性絶縁電線などの最外層の接着層を形成するた
めに使用される、耐熱性および高温時の固着力に優れた
塗料組成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記問題点
を解決するために、鋭意研究を行った結果、特定の構造
を有する芳香族ポリスルホンを、ポリヒドロキシポリエ
ーテル樹脂、およびチタンキレート化合物と配合して塗
料組成物を調製することにより、得られた組成物から形
成される接着層の高温時の固着力が向上することを見い
出し、本発明を完成した。
【0007】本発明の絶縁電線用塗料組成物は、下式
(I)で示される繰り返し単位を有し、かつその還元粘
度が、N,N−ジメチルホルムアミド中、濃度1g/d
l、温度30℃で測定したとき、0.35〜0.6dl
/gである芳香族ポリスルホン10〜200重量部、ポ
リヒドロキシポリエーテル樹脂100重量部およびチタ
ンキレート化合物をチタン重量として0.3〜6.0重
量部からなる組成物が、m−クレゾール、N,N−ジメ
チルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドおよ
びN−メチル−2−ピロリドンからなる群より選択され
る少なくとも一種の有機溶剤中に30重量%以下の濃度
で溶解されてなる。
【0008】
【化2】
【0009】上記芳香族ポリスルホンは、上式(I)で
示される繰り返し単位のみを有するものでもよいし、あ
るいは上式(I)で示される繰り返し単位と下式(II)
〜(XVII)で示される繰り返し単位とを有するものであ
ってもよい。この場合、上式(I)で示される繰り返し
単位を有するモノマーと他のモノマーとを共重合して芳
香族ポリスルホンが得られる。該芳香族ポリスルホンが
共重合体である場合には、式(I)で示される繰り返し
単位を50モル%以上の割合で含有し、そして、下式
(II)〜(XVII)で示される繰り返し単位からなる群よ
り選択される少なくとも1種の繰り返し単位を50モル
%以下の割合で含有することが好ましい。式(I)で示
される繰り返し単位の含有量が50モル%未満では、塗
料組成物を使用して形成された塗膜の耐熱性が劣る。さ
らに好ましくは、上式(I)で示される繰り返し単位を
50モル%以上および下式(II)で示される繰り返し単
位を5〜30モル%含有する。式(II)で示される繰り
返し単位の含有量が5モル%未満である場合には、塗料
組成物を使用して形成された塗膜の耐熱性が低くなる傾
向にあり、30モル%を越える場合には、芳香族ポリス
ルホンの溶解性が悪くなり、塗料組成物の安定性が劣
る。該芳香族ポリスルホンの分子量は還元粘度を目安と
して表すことができ、その還元粘度は、ジメチルホルム
アミド中、30℃において1g/dlの濃度で測定した
とき、0.35〜0.6dl/gであることが必要であ
る。還元粘度が0.35dl/g未満では、塗料組成物
を使用して形成された塗膜の力学物性が低下し、0.6
dl/gを越えると塗装時の粘度が上昇するため、塗装
性が低下し、実用的でない。
【0010】
【化3】
【0011】
【化4】
【0012】本発明で使用される芳香族ポリスルホンの
好適な製造法としては、アルカリ金属もしくは金属塩の
存在下、極性溶媒中で、水酸基を有するモノマーおよび
ハロゲン基を有するモノマー(これらのうち少なくとも
一方がスルホニル基を有する)(水酸基およびハロゲン
基を有するモノマーを用いてもよい)を重合させる求核
置換重縮合法が用いられ、例えば、アルカリ金属炭酸塩
の存在下非プロトン性極性溶媒中でこれらのモノマーを
重合させる方法があげられる。
【0013】上記アルカリ金属炭酸塩は、前式(I)、
または(I)と(II)〜(XVII)で示される繰り返し単
位を形成するための上記モノマーのうちの水酸基を有す
るモノマーと反応してアルカリ金属塩を形成し得るもの
で、具体的には炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ル
ビジウム、炭酸セシウム等が挙げられる。特に好ましく
は、炭酸カリウムもしくは炭酸ナトリウムである。ま
た、重炭酸カリウムもしくは重炭酸ナトリウムも下式に
示す熱分解反応により炭酸塩を生成するため用いること
ができる。
【0014】
【化5】
【0015】(式中、Mはアルカリ金属である。) アルカリ金属炭酸塩の使用量は高分子量のポリマーを得
るため、および重合反応速度を高めるために、上記水酸
基を有するモノマーの合計モル量に対して過剰モル量と
することが好ましい。アルカリ金属炭酸塩の使用量が少
ない場合には、フリーな水酸基が多く存在するために低
分子量の生成物しか得られないので好ましくない。
【0016】重合に際して、式(I)〜(XVII)の繰り
返し単位を形成し得るモノマー(上記水酸基を有するモ
ノマーおよびハロゲン基を有するモノマー)の配合は、
これらのモノマー全体が有する水酸基に対してモノマー
全体のハロゲン基が90〜110モル%となるような範
囲内で行うのが好ましい。より高分子のポリマーを得る
ためには95〜105モル%の範囲内で使用するのが好
ましい。
【0017】上記非プロトン性極性溶媒としては、例え
ば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチル
アセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−
ジメチル−2−イミダゾリジノン、ジメチルイミダゾリ
ン等のアミド系溶媒、もしくは、ジメチルスルホキシ
ド、スルホラン、ジフェニルスルホン等のスルホン系溶
媒を挙げることができる。必要に応じて共沸脱水溶剤、
例えばベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼ
ン、モノクロロエタン、ジクロロエタン、トリクロロエ
タン、テトラクロロエタン、モノクロロエチレン、ジク
ロロエチレン、トリクロロエチレンなどが添加され得
る。
【0018】該芳香族ポリスルホンの製造において重合
反応温度は、反応原料、成分の種類、重合反応の形式等
により変化するが、通常80〜400℃の範囲であり、
好ましくは100〜350℃の範囲で実施される。上記
の温度範囲より反応温度が低い場合には、目的とする重
合反応は実用に耐える速度で進行せず、必要とする分子
量のポリマーを得ることが困難である。一方上記の範囲
より反応温度が高い場合は、目的とする重合反応以外の
副反応が無視できなくなり、得られるポリマーの着色も
著しくなる。重合反応に要する時間は反応原料成分の種
類、重合反応の形式等により変化するが通常10分〜1
00時間の範囲であり、好ましくは1時間〜24時間の
範囲で実施される。
【0019】該芳香族ポリスルホンの製造において、反
応を行う際の雰囲気としては、酸素が存在しないことが
好ましく、窒素もしくはその他の不活性ガス中で行う
と、良い結果が得られる。これは、水酸基と反応したア
ルカリ金属塩が、酸素の存在下で加熱すると酸化されや
すく、目的とする重合反応が妨げられ、高分子量化が困
難になる他、生成重合体の着色の原因ともなるからであ
る。
【0020】該芳香族ポリスルホンの製造において、重
合反応を停止させるには、通常反応混合物を冷却すれば
よい。さらに、ポリマーの末端に存在する可能性のある
フェノキサイド基を安定化させて重合反応を停止させる
ために、脂肪族ハロゲン化物、芳香族ハロゲン化物等を
添加反応させることも必要に応じ実施される。上記ハロ
ゲン化物の具体的な代表例としては、メチルクロライ
ド、エチルクロライド、メチルブロマイド、4−クロロ
ジフェニルスルホン、4−クロロベンゾフェノン、4,
4’−ジクロロフェニルスルホン、4−クロロニトロベ
ンゼン等を挙げることができる。
【0021】該芳香族ポリスルホンの製造において、生
成したポリマーの分離、精製方法としては公知の方法を
適用できる。例えば、反応溶媒中に析出した塩および過
剰のアルカリ金属炭酸塩を濾過した後、濾液であるポリ
マー溶液を通常はポリマーの非溶媒に滴下するか、逆に
ポリマーの非溶媒をポリマー溶液中に加えることによ
り、目的とするポリマーを析出させることができる。ポ
リマーの非溶媒として通常用いられるものの代表例とし
ては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ア
セトン、メチルエチルケトン、水等を挙げることができ
るが、これらは単独でも、また二種以上の混合物として
使用してもよい。
【0022】本発明に用いられるポリヒドロキシポリエ
ーテル樹脂は、下記一般式(XVIII)で示されるもので
ある。
【0023】
【化6】
【0024】(ここで、nは正の整数を表し、R1は、
−O−、−S−、−SO2−、−CH2−、または
【0025】
【化7】
【0026】であり、そして、R2〜R6は、それぞれ独
立して水素または低級アルキル基である。)。
【0027】このようなポリヒドロキシポリエーテル樹
脂の市販品としては、PKHH(商品名)(米国ユニオ
ンカーバイド社製)、YP−50(商品名)(東都化成
社製)などが挙げられる。
【0028】本発明に用いられるポリヒドロキシポリエ
ーテル樹脂の分子量は、10,000以上が好ましい。
この分子量が10,000未満の場合には、塗料組成物
から形成される塗膜の可撓性が乏しくなる。
【0029】本発明で用いられるチタンキレート化合物
は、ポリヒドロキシポリエーテル樹脂の水酸基と反応
し、架橋点を形成し得る化合物であり、1つのチタンキ
レート化合物が4つの架橋点を形成し得る。このような
チタンキレート化合物としては、例えば、チタン酸の低
級アルキルエステルを、エチレングリコール、トリエタ
ノールアミン、ジエチレングリコール、オクチレングリ
コール、アセト酢酸エステルなどと反応させたチタンキ
レート化合物が挙げられる。
【0030】オクチレングリコールのチタンキレート化
合物としては、オルガチックスTC−200(商品名)
(70%ブタノール溶液、チタン含有量5.2±0.5
重量%、松本製薬工業社製)がある。
【0031】トリエタノールアミンのチタンキレート化
合物としては、オルガチックスTC−400(商品名)
(80%イソプロピルアルコール溶液、チタン含有量
8.3±0.5%、松本製薬工業社製)がある。
【0032】本発明に用いられる有機溶剤は、m−クレ
ゾール、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメ
チルアセトアミドおよびN−メチル−2−ピロリドンか
らなる群より選択される一種である。このような有機溶
剤は、芳香族ポリスルホンおよびポリヒドロキシポリエ
ーテル樹脂の溶解性、塗膜形成性などの点において好ま
しい。
【0033】本発明の塗料組成物は、芳香族ポリスルホ
ン10〜200重量部、ポリヒドロキシポリエーテル樹
脂100重量部、およびチタンキレート化合物をチタン
重量として0.3〜6.0重量部を、上記有機溶剤中に
30重量%以下の濃度で均一に溶解することによって得
ることができる。
【0034】芳香族ポリスルホンの含有量が、ポリヒド
ロキシポリエーテル樹脂100重量部に対して、10重
量部未満の場合には、接着層の皮膜が高温時において十
分な接着強度を示さず、200重量部を越える場合に
は、接着に要する温度が高くなりすぎ、実用上適さな
い。チタンキレート化合物の含有量がチタン重量とし
て、ポリヒドロキシポリエーテル樹脂100重量部に対
して0.3重量部未満の場合には、ポリヒドロキシポリ
エーテル樹脂を架橋化する効果が乏しく、6.0重量部
を越える場合には、架橋化が進みすぎ、得られたコイル
成形体の線間の接着強度の低下を招く。上記芳香族ポリ
スルホン、ポリヒドロキシポリエーテル樹脂、およびチ
タンキレート化合物の合計の濃度が、上記有機溶剤中3
0%を越える場合には、得られる塗料の粘度が上昇し、
塗装性が低下する。
【0035】本発明の塗料組成物には、ポリエステル樹
脂、ポリスルホン樹脂、ポリアミド樹脂などの熱可塑性
樹脂;またはポリイソシアネート、フェノール樹脂、メ
ラミン樹脂、尿素樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂な
どの熱硬化性樹脂をさらに加えることができる。さら
に、染料、有機フィラーおよび無機フィラーを適量添加
することもできる。これらの添加剤を加えることによ
り、電線特性に多少の改善効果を与えることができる。
【0036】本発明の樹脂組成物の各成分を混合する手
段は特に限定されず、種々の公知の方法を採用すること
ができ、上記有機溶剤に溶解して塗料が得られる。得ら
れた塗料を、図1に示すように電線1をコートするよう
に形成された絶縁層2の外側に塗布し、塗膜を得、この
塗膜を焼成することにより、接着層3を形成する。塗膜
を焼成する方法としては、例えば、温度250〜350
℃に保たれた焼成炉中を被焼成物を移動する方法があげ
られる。このときの焼成時間としては、5秒〜5分間が
好ましい。
【0037】上記最内層を形成し得る絶縁層としては従
来用いられるいかなる樹脂でもよく、例えば、ポリウレ
タン、ポリビニルホルマール、ポリエステル、ポリエス
テルイミド、ポリヒダントイン、ポリアミドイミド、ポ
リエステルアミドイミド、ポリイミド、ポリヒダントイ
ンエステル、ポリエステルアミドなどが挙げられる。
【0038】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明するがこれ
らは単なる例示であり、本発明はこれらに限定されるも
のではない。
【0039】(実施例1) 〔芳香族ポリスルホン(a)の製法〕攪拌機、ガス導入
管、温度計および先端に受器を付した凝縮器を備えた重
合反応容器内に、4−クロロ―4’−(p−ヒドロキシ
フェニル)ジフェニルスルホン100重量部(100モ
ル%)、無水炭酸カリウム22.1重量部、およびスル
ホラン290重量部を仕込み、窒素置換を行った。次に
窒素雰囲気下で攪拌および昇温を開始し、系の温度を2
20℃にて1時間、230℃にて30分、240℃にて
3時間保持し、反応を行った。反応終了後、反応液を室
温まで冷却し、反応液中に析出した塩化カリウムを濾別
除去し、濾液を多量のメタノール中に注いでポリマー粉
末を析出させた。得られたポリマーの還元粘度は0.4
dl/g(30℃、ジメチルホルムアミド中1g/dl)で
あった。
【0040】〔塗料の作成〕上記の方法で得られた芳香
族ポリスルホン(a)と、ポリヒドロキシポリエーテル
樹脂(東都化成社製YP−50(商品名))とチタンキ
レート化合物(松本製薬業社製オルガチックスTC−2
00(商品名))とを表1に示す配合にてm−クレゾー
ル中に20重量%の濃度となるように溶解し、塗料を得
た。
【0041】〔自己融着性絶縁電線の作成〕直径0.5
mmの銅線にポリエステルイミドワニス(日触スケネク
タディ社製アイソミッド(商品名))を塗布し焼付けて
厚み25μmの皮膜を形成した。この皮膜上に上記で作
成した塗料を塗布し、炉長3m、温度300℃の焼成炉
を用いて15m/分の速度で焼付けし、厚み12μmの
接着層を形成して自己融着性絶縁電線を得た。
【0042】〔接着性の評価〕得られた自己融着性絶縁
電線を直径5mmの丸棒に密に巻き付けて長さ70mm
の螺旋状コイルを形成した後、270℃で30分間加熱
融着させた。このフィルムについて、ASTM−D−2
519の規定に基づき、常温(25℃)、180℃、お
よび220℃における接着強度を測定した。その結果を
表1に示す。
【0043】(実施例2〜4、および比較例1〜3)芳
香族ポリスルホン(a)とポリヒドロキシポリエーテル
樹脂とを表1に示す組成比で配合したこと以外は実施例
1と同様にして自己融着性絶縁電線を得た。この自己融
着性絶縁電線を用いて実施例1と同様の試験を行った。
【0044】(実施例5) 〔芳香族ポリスルホン(b)の製法〕4−クロロ―4’
−(p−ヒドロキシフェニル)ジフェニルスルホン10
0重量部(60モル%)、4,4’’’−ジヒドロキシ
−p−クォーターフェニル32.8重量部(20モル
%)、4,4−ジクロロジフェニルスルホン27.9重
量部(20モル%)、無水炭酸カリウム33.0重量
部、およびスルホラン290重量部を実施例1と同様の
方法で重合し、芳香族ポリスルホンを得た。得られたポ
リマーの還元粘度は0.40dl/g(30℃、ジメチル
ホルムアミド中1g/dl)であった。
【0045】〔塗料および自己融着性絶縁電線の作成〕
芳香族ポリスルホン(b)とポリヒドロキシポリエーテ
ル樹脂とを表1に示す組成比で配合したこと以外は実施
例1と同様にして自己融着性絶縁電線を得た。この自己
融着性絶縁電線を用いて実施例1と同様の試験を行っ
た。
【0046】(実施例6〜8、および比較例4〜6)芳
香族ポリスルホン(b)とポリヒドロキシポリエーテル
樹脂とを表1に示す組成比で配合したこと以外は実施例
1と同様にして自己融着性絶縁電線を得た。この自己融
着性絶縁電線を用いて実施例1と同様の試験を行った。
【0047】(実施例9) 〔芳香族ポリスルホン(c)の製法〕4−クロロ―4’
−(p−ヒドロキシフェニル)ジフェニルスルホン10
0重量部(50モル%)、4−クロロ−4’−ヒドロキ
シフェニルスルホン77.9重量部(50モル%)、無
水炭酸カリウム44.1重量部、およびスルホラン29
0重量部を実施例1と同様の方法で重合し、芳香族ポリ
スルホンを得た。得られたポリマーの還元粘度は0.4
2dl/g(30℃、ジメチルホルムアミド中1g/dl)
であった。
【0048】〔塗料および自己融着性絶縁電線の作成〕
芳香族ポリスルホン(c)とポリヒドロキシポリエーテ
ル樹脂とを表1に示す組成比で配合したこと以外は実施
例1と同様にして自己融着性絶縁電線を得た。この自己
融着性絶縁電線を用いて実施例1と同様の試験を行っ
た。
【0049】(実施例10〜12、および比較例7〜
9)芳香族ポリスルホン(b)とポリヒドロキシポリエ
ーテル樹脂とを表1に示す組成比で配合したこと以外は
実施例1と同様にして自己融着性絶縁電線を得た。この
自己融着性絶縁電線を用いて実施例1と同様の試験を行
った。
【0050】実施例2〜12、および比較例1〜9の結
果を表1に示す。
【0051】(比較例11〜13)芳香族ポリスルホン
としてICI社製 VICTREX PES P−20
0(商品名)を用いて、ポリヒドロキシオイルエーテル
樹脂と、表2に示す組成にて配合したこと以外は実施例
1と同様にして自己融着性絶縁電線を得た。この自己融
着性絶縁電線を用いて実施例1と同様の試験を行った。
【0052】比較例1〜13の結果を表2に示す。
【0053】(比較例14)実施例1の組成にて、上記
芳香族ポリスルホン(a)、ポリヒドロキシポリエーテ
ル樹脂およびチタンキレート化合物が、m−クレゾール
中に40重量%となるように塗料を作成し、電線被覆を
行ったが、塗料の粘度が高いために良好な塗膜が得られ
なかった。
【0054】
【表1】
【0055】
【表2】
【0056】表1および表2において、A〜Gは次の事
柄を示す。
【0057】A:4−クロロ−4’(p−ヒドロキシフ
ェニル)ジフェニルスルホンのモル分率 B:4,4’’’−ジヒドロキシ−p−クォーターフェ
ニルのモル分率 C:4,4’−ジクロロジフェニルスルホンのモル分率 D:4−クロロ−4’−ヒドロキシフェニルスルホンの
モル分率 E:芳香族ポリスルホンの重量部 F:ポリヒドロキシポリエーテル樹脂の重量部 G:チタンキレート化合物中のチタンの重量部
【0058】
【発明の効果】本発明によって、高温時の固着性に優れ
た接着層を得ることができる絶縁電線用塗料組成物が得
られる。従って、本発明の組成物は、比較的高温にされ
される電気・電子材料、自動車部品などに使用されるコ
イルなどの絶縁電線の塗装に好適に適用され得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】絶縁電線の断面図を示す。
【符号の説明】
1 電線 2 絶縁層 3 接着層

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下式(I)で示される繰り返し単位を有
    し、かつその還元粘度が、N,N−ジメチルホルムアミ
    ド中、濃度1g/dl、温度30℃で測定したとき、
    0.35〜0.6dl/gである芳香族ポリスルホン1
    0〜200重量部、ポリヒドロキシポリエーテル樹脂1
    00重量部およびチタンキレート化合物をチタン重量と
    して0.3〜6.0重量部からなる組成物が、m−クレ
    ゾール、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメ
    チルアセトアミドおよびN−メチル−2−ピロリドンか
    らなる群より選択される少なくとも一種の有機溶剤中に
    30重量%以下の濃度で溶解されてなる絶縁電線用塗料
    組成物。 【化1】
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