JPH06184435A - 熱可塑性樹脂組成物およびその製法 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物およびその製法

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JPH06184435A
JPH06184435A JP36176592A JP36176592A JPH06184435A JP H06184435 A JPH06184435 A JP H06184435A JP 36176592 A JP36176592 A JP 36176592A JP 36176592 A JP36176592 A JP 36176592A JP H06184435 A JPH06184435 A JP H06184435A
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JP
Japan
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compound
group
resin
acid
thermoplastic resin
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Application number
JP36176592A
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English (en)
Inventor
Masahiro Wakayama
昌弘 若山
Mihoko Abe
美穂子 阿部
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Eneos Corp
Original Assignee
Nippon Petrochemicals Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 複数のエンジニアリングプラスチックを組合
せて加工性を損なうことなく各成分樹脂の特性を最大限
に発揮させる手段を提供する。 【構成】 下記の(A)〜(D)の成分を溶融混練す
る。 (A)ポリアミド系樹脂(A1)、ポリフェニレンスル
フイド樹脂(A2)、ポリフェニレンエーテル樹脂(A
3)の中から選ばれた少なくとも1種類の熱可塑性樹脂 (B)ポリエステル樹脂 (C)下記の(C1)〜(C4)から選ばれた少なくと
も1種の化合物 C1:ジヒドロ芳香族系化合物またはその重合体 C2:エーテル系化合物 C3:テトラヒドロ芳香族系化合物 C4:シクロペンタン系化合物 (D)下記の(D1)〜(D6)の官能基を含有する少
なくとも1種の化合物 D1:カルボニル基 D2:環状イミノエーテル基 D3:エポキシ基 D4:ヒドロキシ基 D5:アミノ基 D6:ニトリル基

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は変性熱可塑性樹脂組成物
およびその製法に関する。詳しくは変性剤として添加さ
れるジヒドロ芳香族系化合物またはその重合体、エーテ
ル系化合物、テトラヒドロ芳香族系化合物、シクロペン
タン系化合物から選択された少なくとも1種の化合物と
カルボニル基、環状イミノエーテル基、エポキシ基、ヒ
ドロキシ基、アミノ基、ニトリル基などの官能基を有す
る単量体(以下官能基を含有する化合物と呼ぶ)、およ
び必要によりラジカル発生剤の存在下で、ポリアミド系
樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリフェニレン
エーテル樹脂の中から選ばれた少なくとも1種類の熱可
塑性樹脂およびポリエステル系樹脂とをその融点または
軟化点以上の温度で変性したことを特徴とする変性熱可
塑性樹脂組成物およびその製法に関する。
【0002】
【従来の技術および課題】ナイロン6、ナイロン66な
どに代表されるポリアミド系樹脂は、剛性、耐熱性、難
燃性などに優れた樹脂であるが、衝撃強度がやや不足し
ており、用途が制限されている。また、分子内にアミド
結合に起因する極性基を持ち、吸水しやすい。吸水した
ポリアミド系樹脂は、衝撃強度が若干向上するものの、
剛性の低下が著しく好ましいものではない。
【0003】また、ポリフェニレンスルフィド樹脂は、
剛性、耐熱性、耐薬品性、難燃性、寸法安定性に優れた
樹脂であるが、衝撃強度がやや不足している。また、接
着性、塗装性などもよくない。
【0004】ポリフェニレンエーテル樹脂は、剛性、耐
熱性、耐摩耗性に加え、優れた耐溶剤性、耐熱水性を有
するが、比重が高い、酸に弱い、難燃性を付与できな
い、成形収縮が大きいなどの欠点を持つ。
【0005】これに対して、ポリエステル系樹脂もま
た、優れた成形性、剛性、耐熱性をもつが、耐衝撃性、
難燃性で劣っている。
【0006】従って、上記3種類の熱可塑性樹脂とポリ
エステル系樹脂とをブレンドすることによって、熱可塑
性樹脂のもつ剛性および耐熱性を保持したまま、成形性
その他の性質を向上させようとする試みがなされている
【0007】ところが一般には、種類の異なった樹脂同
士はそのままでは相溶しないことが多く、相溶化剤とし
て第3の成分を加えているのが普通である。
【0008】従来より熱可塑性樹脂の改質を目的とし
て、官能基を含有する化合物をグラフトする方法が公知
である。
【0009】特にカルボン酸、カルボン酸エステル、カ
ルボン酸アミド、酸無水物、酸ハロゲン化物などのカル
ボン酸またはその誘導体、ケトン、アルデヒド、ラクト
ン、ラクタムといったカルボニル基またはそれらの誘導
体を含有したモノマー、エポキシ含有モノマー、ヒドロ
キシ基含有モノマー、アミノ基含有モノマー、ニトリル
基含有モノマー、環状イミノエーテル基含有モノマーま
たはその誘導体などをグラフト変性したポリマーは、反
応性に富むことから接着剤、衝撃改良剤、相溶化剤など
として使用されている。
【0010】またこれら変性された熱可塑性樹脂は塗装
性にも優れ、プライマーなどの下処理なしで塗装が可能
となり、バンパー用など自動車部品、家電、電子用とし
て有用に活用されるものである。
【0011】このような官能基を含有する化合物を用い
てグラフト変性する方法としては、従来より一般的には
有機過酸化物が用いられているが(例えば、米国特許
4,147,740、同4,639,495、同4,7
88,264など)、有機過酸化物は非常に活性の強い
ラジカル発生剤であるので、所望のグラフト反応等の他
に様々な副反応が生じる。
【0012】例えばナイロン樹脂においては、メチレン
鎖の極端な架橋反応や均一でない架橋反応が進行し、流
動性の著しい低下が起こり、場合によっては加工が不可
能となってしまう。
【0013】また残存する過酸化物が熱安定性、耐候性
を劣化させる。更にこれらの組成物を押出成形した場
合、分子切断反応による耐ドローダウン性の劣化、極端
な架橋反応による成形物表面の肌あれ、伸びの不足が問
題とされている。さらにフリーラジカル発生剤の貯蔵
時、変性時の安定性、安全性、加熱された加工機内壁へ
の付着による熱分解ロスなども必ず付随する問題であ
る。
【0014】従って過酸化物のみを用いて変性を施す手
法では、機械的強度などの実用上充分に満足できるもの
ではなく、より優れた変性物、変性方法の開発が望まれ
ていた。
【0015】本発明は上記の点に鑑み、過度の架橋反応
や分子切断反応等が伴う過酸化物を用いた変性法の欠点
を改良するものであって、温和な変性反応を示す成分と
してジヒドロ芳香族系化合物またはその重合体、エーテ
ル系化合物、テトラヒドロ芳香族系化合物、シクロペン
タン系化合物、必要により機械的特性と加工性を損なわ
ない程度の少量のラジカル発生剤を用い、ポリアミド系
樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリフェニレン
エーテル樹脂の中から選ばれた少なくとも1種類の熱可
塑性樹脂およびポリエステル系樹脂を官能基を含有する
化合物の存在下でグラフト変性および/または架橋変性
した変性物および該変性物を含む熱可塑性樹脂組成物で
あり、熱可塑性樹脂のもつ剛性、耐熱性、耐衝撃性、難
燃性その他の優れた物性を保持したまま、ポリエステル
系樹脂との相溶化を促進し、相互の特性を発揮しうる熱
可塑性樹脂組成物を提供するものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の問題
に沿って鋭意検討した結果、本発明に至ったものであ
る。すなわち本発明の1は、下記の(A)〜(D)の成
分を溶融混練生成物からなることを特徴とする熱可塑性
樹脂組成物: (A)ポリアミド系樹脂(A1)、ポリフェニレンスル
フィド樹脂(A2)、ポリフェニレンエーテル樹脂(A
3)の中から選ばれた少なくとも1種類の熱可塑性樹脂 (B)ポリエステル系樹脂 (C)下記の(C1)〜(C4)から選ばれた少なくと
も1種の化合物 C1:ジヒドロ芳香族系化合物またはその重合体 C2:エーテル系化合物 C3:テトラヒドロ芳香族系化合物 C4:シクロペンタン系化合物 (D)下記の(D1)〜(D6)の官能基を含有する少
なくとも1種の化合物 D1:カルボニル基 D2:環状イミノエーテル基 D3:エポキシ基 D4:ヒドロキシ基 D5:アミノ基 D6:ニトリル基、 であり、本発明の2は、下記の(A)〜(D)の成分を
溶融混練することを特徴とする熱可塑性樹脂組成物の製
造方法: (A)ポリアミド系樹脂(A1)、ポリフェニレンスル
フィド樹脂(A2)、ポリフェニレンエーテル樹脂(A
3)の中から選ばれた少なくとも1種類の熱可塑性樹脂 (B)ポリエステル系樹脂 (C)下記の(C1)〜(C4)から選ばれた少なくと
も1種の化合物 C1:ジヒドロ芳香族系化合物またはその重合体 C2:エーテル系化合物 C3:テトラヒドロ芳香族系化合物 C4:シクロペンタン系化合物 (D)下記の(D1)〜(D6)の官能基を含有する少
なくとも1種の化合物 D1:カルボニル基 D2:環状イミノエーテル基 D3:エポキシ基 D4:ヒドロキシ基 D5:アミノ基 D6:ニトリル基、 である。
【0017】以下本発明について詳細に説明する。本発
明に用いる(A1)ポリアミド系樹脂とは、ジアミンと
ジカルボン酸との重縮合、ω−アミノ酸の自己縮合、ラ
クタム類の開環重合などにより得られるものである。こ
のようなポリアミドとしては、ナイロン6、ナイロン6
6、ナイロン46、ナイロン69、ナイロン610、ナ
イロン11、ナイロン12、ナイロン1212などの脂
肪族ナイロン、およびナイロンMXD6などの、一部ま
たは全部が芳香族環からなるナイロンがあり、これらは
単独でも混合物でもよい。
【0018】本発明に用いる(A2)ポリフェニレンス
ルフィド樹脂とは、一般式
【0019】
【化1】
【0020】で表される重合体であり、分子量10,0
00〜50,000、融点270〜300℃のものが好
ましく使用される。なお、上記一般式において、−Ph
−は
【0021】
【化2】
【0022】などであり、QはF、C1、BrまたはC
、mは1〜4の整数を示す。中でも一般式
【0023】
【化3】
【0024】で表されるポリフェニレンスルフィドが好
ましく用いられる。
【0025】ポリフェニレンスルフィドに含まれる不純
物を除去するため、酸処理あるいは熱処理などの処理を
用いることができる。これらの方法としては、例えば、
酢酸、塩酸、硫酸、燐酸、珪酸、炭酸、プロピル酸など
の酸またはその水溶液にPPSを浸漬し、必要により適
宜、加熱、攪拌する方法、圧力容器中で熱水処理する方
法、あるいはこれらを組み合わせた方法などが挙げられ
る。これらの処理を行った場合、残存している酸、塩な
どを除去するため、温水で数回洗浄するのが好ましい。
【0026】本発明に用いる(A3)ポリフェニレンエ
ーテル樹脂とは、一般式
【0027】
【化4】
【0028】〔式中、R〜Rは水素、ハロゲン原
子、炭化水素基、もしくは置換炭化水素基から選択さ
れ、そのうち必ず1個は水素原子である〕にて表される
フェノール化合物をカップリング触媒を用いて酸素また
は酸素含有ガスで酸化重合させて得られた重合体であ
る。
【0029】上記一般式におけるR〜Rの具体例と
しては、水素、塩素、フッ素、ヨウ素、メチル、エチ
ル、プロピル、ブチル、クロロエチル、ヒドロキシエチ
ル、フェニルエチル、ベンジル、ヒドロキシメチル、カ
ルボキシエチル、メトキシカルボニルエチル、シアノエ
チル、フェニル、クロロフェニル、メチルフェニル、ジ
メチルフェニル、エチルフェニルなどが挙げられる。
【0030】上記一般式の具体例としては、フェノー
ル、o,mまたはp−クレゾール、2,6−、2,5
−、2,4−、または3,5−ジメチルフェノール、2
−メチル−6−フェニルフェノール、2,6−ジフェニ
ルフェノール、2−メチル−6−エチルフェノール、
2,3,5−、2,3,6−および2,4,6−トリメ
チルフェノールなどが挙げられる。これらのフェノール
化合物は2種類以上用いることができる。
【0031】また、上記一般式以外のフェノール化合
物、例えばビスフェノールA、テトラブロモビスフェノ
ールA、レゾルシン、ハイドロキノンなどのような2価
フェノール類と上記一般式のフェノール化合物との共重
合体でも良い。
【0032】本発明に用いる(B)ポリエステル系樹脂
とは、分子の主鎖にエステル結合を持つ高分子量の熱可
塑性樹脂を言い、具体的にはジカルボン酸またはその誘
導体と2価アルコールとから得られる重縮合生成物;ジ
カルボン酸またはその誘導体と環状エーテル化合物とか
ら得られる重縮合物;ジカルボン酸の金属塩とジハロゲ
ン化合物とから得られる重縮合物;環状エステル化合物
の開環重合物が挙げられる。ここでジカルボン酸の誘導
体とは、酸無水物、エステル化物あるいは酸塩化物を言
う。ジカルボン酸は、脂肪族であっても芳香族であって
もよく、芳香族ジカルボン酸としては、例えばテレフタ
ル酸、イソフタル酸、フタル酸、クロルフタル酸、ニト
ロフタル酸、p−カルボキシルフェニル酢酸、p−フェ
ニレンジ酢酸、m−フェニレンジグリコール酸、p−フ
ェニレンジグリコール酸、ジフェニルジ酢酸、ジフェニ
ル−p,p′−ジカルボン酸、ジフェニル−m,m′−
ジカルボン酸、ジフェニル−4,4′−ジ酢酸、ジフェ
ニルメタン−p,p′−ジカルボン酸、ジフェニルエタ
ン−m,m′−ジカルボン酸、スチルベンジカルボン
酸、ジフェニルブタン−p,p′−ジカルボン酸、ベン
ゾフェノン−4,4′−ジカルボン酸、ナフタリン−
1,5−ジカルボン酸、ナフタリン−2,6−ジカルボ
ン酸、ナフタリン−2,7−ジカルボン酸、p−カルボ
キシフェノキシ酢酸、p−カルボキシフェノキシブチル
酸、1,2−ジフェノキシプロパン−p,p′−ジカル
ボン酸、1,3−ジフェノキシプロパン−p,p′−ジ
カルボン酸、1,4−ジフェノキシプロパン−p,p′
−ジカルボン酸、1,5−ジフェノキシペンタン−p,
p′−ジカルボン酸、1,6−ジフェノキシヘキサン−
p,p′−ジカルボン酸、p−(p−カルボキシフェノ
キシ)安息香酸、1,2−ビス(2−メトキシフェノキ
シ)−エタン−p,p′−ジカルボン酸、1,3−ビス
(2−メトキシフェノキシ)−プロパン−p,p′−ジ
カルボン酸、1,4−ビス(2−メトキシフェノキシ)
−ブタン−p,p′−ジカルボン酸、1,5−ビス(2
−メトキシフェノキシ)−3−オキサペンタン−p,
p′−ジカルボン酸などを挙げることができ、また脂肪
族ジカルボン酸としては、例えばシュウ酸、コハク酸、
アジピン酸、コルク酸、アゼライン酸、セバシン酸、ド
デカンジカルボン酸、ウンデカンジカルボン酸、マレイ
ン酸、フマル酸などが挙げられる。好ましいジカルボン
酸の例は、芳香族ジカルボン酸であり、さらに好ましく
は、テレフタル酸、イソフタル酸あるいはフタル酸を挙
げることができる。
【0033】2価アルコールとしては、例えばエチレン
グリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリ
コール、ブタン−1,3−ジオール、ブタン−1,4−
ジオール、2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジオー
ル、cis−2−ブテン−1,4−ジオール、tran
s−2−ブテン−1,4−ジオール、テトラメチレング
リコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレン
グリコール、ヘプタメチレングリコール、オクタメチレ
ングリコール、デカメチレングリコールなどが挙げられ
る。好ましい2価アルコールの例は、エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、
ブタン−1,3−ジオール、あるいはブタン−1,4−
ジオールであるが、さらに好ましくは、エチレングリコ
ールとブタン−1,4−ジオールを挙げることができ
る。2価フェノール化合物としては、例えばヒドロキノ
ン、レゾルシノール、ビスフェノールAなどを挙げるこ
とができる。
【0034】前記環状エーテル化合物としては、エチレ
ンオキサイドやプロピレンオキサイドを挙げることがで
き、また前記環状エステル化合物としては、δ−バレロ
ラクトンや、ε−カブロラクトンを挙げることができ
る。ジカルボン酸金属塩と反応させるジハロゲン化合物
とは、上記2価アルコールまたは2価フェノール化合物
の2つの水酸基を塩素または臭素といったハロゲン原子
で置換することによって得られる化合物を言う。
【0035】本発明の樹脂組成物において用いられるポ
リエステル樹脂は、上掲の原料を用いて公知の方法によ
って製造されれば良く、これらは単独でも混合物でもよ
い。
【0036】本発明において(C)成分の化合物として
添加される(C1)ジヒドロ芳香族化合物またはその重
合体とは、1個以上の芳香環を含む化合物であって少な
くとも1つの芳香環がジヒドロ化されたものをいう。な
お、ここでいう芳香環とは、芳香族性の定義(例えば、
後藤俊夫 訳「有機化学の基礎」105頁〜106頁、
(株)東京化学同人(1976)[Richard
S.Mon−son &John C.Shelto
n;Fundamentals of Organic
Chemistry,MacGraW−Hill,I
NC(1974)]に示されるπ−電子の数が4n+2
(nは整数)個である環構造)を指し、例えばピリジ
ン、キノリンなども含まれる。
【0037】したがって、本発明で用いるジヒドロ芳香
族化合物はキノリンのジヒドロ誘導体も含む。
【0038】また本発明で用いるジヒドロ芳香族化合物
には置換基があってもよく、アルキル基による置換体そ
の他各種の元素、官能基による置換誘導体が使用され
る。このようなジヒドロ芳香族化合物は公知の化学反応
を応用することにより任意に合成しうるが、現在入手し
うるものを例示すれば、1,2−ジヒドロベンゼン、c
is−1,2−ジヒドロカテコール、1,2−ジヒドロ
ナフタレン、9,10−ジヒドロフェナントレンなどの
他、6−デシル−2,2,4−トリメチル−1,2−ジ
ヒドロキノリン、6−エトキシ−2,2,4−トリメチ
ル−1,2−ジヒドロキノリン、2,2,4−トリメチ
ル−1,2−ジヒドロキノリン系化合物が挙げられる。
またこれらの化合物の重合体であってもよい。
【0039】本発明のジヒドロ芳香族化合物の中には、
従来、老化防止剤として知られているものがあるが、こ
れは本発明、すなわちジヒドロ芳香族化合物およびその
重合体がラジカルを誘起するという認識、あるいは該ジ
ヒドロ芳香族化合物と官能基を含有する化合物を併用す
ることにより温和な変性反応を進行させるという効果を
認識するには至っていない。
【0040】本発明において(C2)エーテル系化合物
は直鎖状のものでも環状のものでもよく、さらにこれら
に置換基があってもよい。具体例としては1,3−ジオ
キソラン、1,4−ジオキサンなどの環状エーテル類、
エチルエーテル、イソプロピルエーテルなどの直鎖状エ
ーテル類、3,4−ジヒドロ−2−ピラン、4H−クロ
メンに代表される非芳香族系環状ビニルエーテル、フル
フリルアルコール、フルフリルアルデヒド、ベンゾフラ
ン、酢酸フルフリルに代表されるフラン誘導体、n−オ
クタデシルビニルエーテル、エチルビニルエーテルに代
表される直鎖状ビニルエーテル系化合物、ケテンアセタ
ール、酢酸イソプロペニル、酢酸ビニル、1−アミノ−
1−メトキシエチレンに代表されるケトン、エステル、
ラクトン、アルデヒド、アミド、ラクタムなどのカルボ
ニル化合物のエノールエーテル、エノールエステルであ
る。これらには置換基があってもよく、アルキル基によ
る置換体その他各種の元素、官能基による置換誘導体が
使用される。またこれらは単独でも混合物でもよい。好
ましくはビニルまたはアルケニルエーテルである。
【0041】また本発明において使用される(C3)テ
トラヒドロ芳香族化合物は、少なくとも1つの芳香環が
テトラヒドロ化されたものをいう。なおここでいう芳香
族環とは、前述の芳香族性の定義と同じで、例えばフラ
ン、ベンゼン、ナフタレンなどが含まれる。またピラン
などは除外される。したがって本発明で用いるテトラヒ
ドロ芳香族化合物はナフタレンのテトラヒドロ誘導体も
含む。また本発明で用いるテトラヒドロ芳香族化合物に
は置換基があってもよく、アルキル基による置換体その
他各種の元素、官能基による置換誘導体が使用される。
このようなテトラヒドロ芳香族化合物は公知の化学反応
を応用することにより任意に合成しうるが、現在入手し
うるものを例示すれば、1,2,3,4−テトラヒドロ
ナフタレン、テトラヒドロベンゼン、テトラヒドロフラ
ンが挙げられる。またこれらの化合物の重合体であって
もよい。
【0042】また本発明で(C4)シクロペンタン系化
合物は、少なくとも1つ以上のシクロペンタン、シクロ
ペンテンあるいはシクロペンタジエン骨格を含む化合
物、すなわち炭素原子のみから環が構築されている5員
環化合物である。具体的にはシクロペンタン、シクロペ
ンテン、シクロペンタジエン、ジシクロペンタジエン、
インデン、インダン、フルオレンなどがこれに含まれ
る。これらにはもちろん置換基があってもよく、アルキ
ル基による置換体その他各種の元素、官能基による置換
誘導体が使用される。これらは単独でも混合物でもよ
い。
【0043】本発明において使用される(D)官能基を
有する化合物は前記(D1)〜(D6)の官能基を有す
る化合物であれば該官能基以外の部分は本質的にはいづ
れでもよく、たとえば脂肪族基、脂環族基、芳香族基又
はそれらの組合せ等でありうるが、特にオレフィン性二
重結合を有する化合物(以下モノマーと称する場合があ
る)が好ましい。通常少なくとも1個のオレフィン性二
重結合を有する脂肪族基、脂環族基、芳香族基又はそれ
らの組合せからなる基であるものが用いられる。これら
の炭素数も特に限定されないが通常2〜12程度であ
る。またたとえば無水マレイン酸を用いてオレフィン系
ポリマーを変性する等これらモノマー類を予め他の重合
体に付加して本発明に供することもできる。尚オレフィ
ン性二重結合をもたない化合物を用いる場合には後記す
る多官能性モノマーを併用することが好ましい。
【0044】(D1)カルボニル基含有モノマーとして
は、カルボン酸、カルボン酸エステル、カルボン酸アミ
ド、酸ハロゲン化物、酸無水物などのカルボン酸または
その誘導体、ケトン、アルデヒド、ラクトン、ラクタム
といったカルボニル基またはそれらの誘導体を含有した
モノマーがある。
【0045】具体的にはメチルビニルケトンなどのα,
β−不飽和ケトン、アクロレインなどのα,β−不飽和
アルデヒド、δあるいはγ−バレロラクタム、γ−ブテ
ノラクタムなどのα,β−不飽和ラクタム誘導体などに
代表されるケトン、アルデヒド、ラクトン、ラクタムと
いったカルボニル基またはそれらの誘導体とは、マレイ
ン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、5−ノル
ボルネン−2,3−ジカルボン酸、1,2,3,6−テ
トラヒドロフタル酸などのα,β−不飽和ジカルボン
酸、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、ブテン
酸、ペンテン酸などの不飽和モノカルボン酸、これらの
エステル、アミド、さらにジカルボン酸の場合は無水
物、ハーフエステル、金属塩である。
【0046】(D2)環状イミノエーテル基含有モノマ
ーとしては、以下の構造式で表されるアルケニル環状イ
ミノエーテルまたはその誘導体がある。
【0047】
【化5】
【0048】ここでnは1、2および3であり、好まし
くは2および3、より好ましくは2である。またR
,R,RはそれぞれC〜C12の不活性なアル
キル基および/または水素を示し、アルキル基にはそれ
ぞれ不活性な置換基があってもよい。ここでいう不活性
とはグラフト反応やその生成物の機能に悪影響を及ぼさ
ないことを意味する。またRはすべて同一である必要は
ない。好ましくはR=R=H,R=HあるいはM
e,R=Hすなわち、2−ビニルまたは2−イソプロペ
ニル−2−オキサゾリン、2−ビニルまたは2−イソプ
ロペニル−2−オキサゾリン、2−ビニルまたは2−イ
ソプロペニル−5,6−ジヒドロ−4H−1,3−オキ
サジンである。これらは単独でも混合物でもよい。この
中でも特に2−ビニルおよび2−イソプロペニル−2−
オキサゾリンが好ましい。
【0049】(D3)エポキシ含有モノマーとしては、
グリシジル(メタ)アクリレート、ブタジエンオキサイ
ド、イソプレンオキサイドなどがある。
【0050】(D4)ヒドロキシ基含有モノマーとして
は、1−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2
−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキ
シエチル(メタ)アクリレートなどがある。
【0051】(D5)アミノ基含有モノマーとしては、
アミノエチル(メタ)アクリレートなどがある。
【0052】(D6)ニトリル基含有モノマーとして
は、アクリロニトリルなどがある。
【0053】上述の各種官能基を含有する化合物は直鎖
状でも環状でもよく、また変性反応を阻害しない置換基
があってもよく、変性反応を阻害しないものどうしの混
合物でもよい。またこれらの誘導体であってもよい。
【0054】また上記官能基を含有する化合物を使用し
て変性する時に他の不飽和単量体を共存させてもよい。
上記他の不飽和単量体としては、プロピレン、1−ブテ
ン、1−ヘキセン、1−デセン、1−オクテン、スチレ
ンなどのオレフィン類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニ
ル、ビニルベンゾエートなどのビニルエステル類;塩化
ビニル;ビニルメチルエーテル;ビニルエチルエーテル
などのビニルエーテル類などが挙げられる。
【0055】これら(D)官能性を含有する化合物は
(C1)〜(C4)から選ばれた少なくとも1種の変性
剤と併用されることによってグラフトまたは架橋あるい
はその両方が進行し、接着性および反応性を付与するこ
とが可能となり、その変性物または該変性物を含む組成
物は接着剤、衝撃改良剤および相溶化剤などに好適に使
用される。
【0056】これら中でも特に無水マレイン酸に代表さ
れる不飽和(ジ)カルボン酸は(C)成分の化合物との
併用時において反応性に富み好ましい。
【0057】またアルケニル環状イミノエーテルまたは
その誘導体も各種官能基との反応性に富み、接着性およ
び反応性が高く、接着剤や相溶化剤などとしての効果が
高いので好ましい。
【0058】本発明において上記変性物を得るときに更
に少量の(E)ラジカル発生剤を併用することができ
る。
【0059】上記(E)ラジカル発生剤は、通常のラジ
カル発生剤でよく、例えば有機過酸化物、アゾニトリ
ル、酸素、オゾンなどを挙げることができる。
【0060】有機過酸化物としては、アルキルペルオキ
シド、アリールペルオキシド、アシルペルオキシド、ケ
トンペルオキシド、ペルオキシカーボネート、ペルオキ
シカルボキシレートなどが含まれる。アルキルペルオキ
シドとしてはジイソプロピルペルオキシド、ジターシャ
リーブチルハイドロペルオキシド、ターシャリーブチル
ハイドロペルオキシド、α,α′−ビス−(ターシャリ
ーブチルペルオキシイソプロピル)−ベンゼン、アリー
ルペルオキシドとしてはジクミルペルオキシド、クミル
ハイドロペルオキシド、アシルペルオキシドとしてはラ
ウロイルペルオキシド、アロイルペルオキシドとしては
ジベンゾイルペルオキシド、ケトンペルオキシドとして
は、メチルエチルケトンペルオキシド、シクロヘキサノ
ンペルオキシドなどを挙げることができる。アゾニトリ
ルとしては、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスイ
ソプロピオニトリルなどを例示できる。これらは単独で
も混合物でもよい。この(E)ラジカル発生剤の適量を
組み合わせることで接着剤や相溶化剤としての機能が著
しく向上する。
【0061】また本発明におては、さらに周期律表Ia
またはIIa族の金属の炭酸塩または酸化物、例えば炭
酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、炭酸マグ
ネシウム、炭酸カルシウム、酸化カルシウム、酸化ナト
リウム、酸化カリウム、酸化マグネシウム、酸化リチウ
ムなどの上記の変性時および変性後に配合し、変性せし
めてもよい。
【0062】また必要に応じてさらに、多官能性モノマ
ー、例えばトリメチロールプロパントリメタクリレー
ト、エチレングリコールジメタクリレートに代表される
メタクリル酸エステル類、ジビニルベンゼン、トリアリ
ルイソシアヌレート、ジアリルフタレートに代表される
ビニルモノマー類、N,N′−m−フェニレンビスマレ
イミド、N,N′−m−エチレンビスマレイミドに代表
されるビスイミドを配合し、変性と同時に架橋せしめて
機械的物性の増強、耐熱性の向上が可能である。これら
は単独でも混合物でもよいが、中でもビスマレイミド類
は、反応性を高めるのみならず、接着性付与にも役立つ
ので好ましい。
【0063】上記の変性は、樹脂の融点または軟化点以
上、かつ分解点以下の温度範囲で、動的熱処理などの溶
融混練や溶媒中で反応させてもよく、特に限定されな
い。
【0064】また溶融混練に当たっては高剪断速度を与
える混合機を用いて、混合物中にラジカルが発生しやす
くなることが好ましい。
【0065】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、(A)ポ
リアミド系樹脂(A1)、ポリフェニレンスルフィド樹
脂(A2)、ポリフェニレンエーテル樹脂(A3)の中
から選ばれた少なくとも1種類の熱可塑性樹脂と、
(B)ポリエステル系樹脂の配合比を適宜選択すること
により、例えば99〜1/1〜99、好ましくは95〜
5/5〜95、更に好ましくは、90〜10/10〜9
0の範囲で併用されることにより、広範囲の要求物性を
満足することができる。
【0066】本発明の(C)成分の配合量は、熱可塑性
樹脂100重量部に対して、0.001〜8重量部であ
り、好ましくは、0.01〜5重量部である。
【0067】該添加量が0.001重量部未満の場合
は、変性反応が充分に進行せず、8重量部を超えると樹
脂の着色あるいはコストの増大などを招くので好ましく
ない。
【0068】また(D)成分の配合量は熱可塑性樹脂1
00重量部に対して、0.01〜30重量部の範囲で選
択される。
【0069】該添加量が0.01未満では、接着性、反
応性などの効果が低く、30重量部を超える量を添加し
ても接着性がそれ以上向上しないうえ、極端に反応性が
向上し、硬化を起こしたり、樹脂の変色などが起こる懸
念を生じるので好ましくない。
【0070】また(E)ラジカル発生剤を使用すると
き、その配合量は熱可塑性樹脂100重量部に対して5
重量部以下である。添加量が5重量部を超えると、変性
反応だけではなく樹脂の分子切断反応や過度の架橋反応
が進行するため、流動性の低下や機械的特性の低下が起
こるので好ましくない。
【0071】本発明においては熱処理時および/または
熱処理後に軟化剤を配合してもよい。
【0072】該軟化剤としては、パラフィン系、ナフテ
ン系および芳香族系などの油、更にこれらの石油留分に
限らず、液状ポリイソブテンのような合成油も使用でき
る。
【0073】該軟化剤の配合量は、目的、用途などによ
り異なるものの、通例は樹脂100重量部に対して、1
00重量部まで配合される。
【0074】本発明においては、上記樹脂組成物に未変
性のポリアミド系樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹
脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリエステル系樹脂
などを適宜配合することができる。
【0075】また上記変性熱可塑性樹脂組成物を接着剤
として使用する場合においては、組成物中の(D)官能
基を含有する化合物の濃度が、熱可塑性樹脂成分に対し
て、0.001〜20重量%の範囲に入るように調製さ
れることが望ましい。
【0076】該濃度が0.001重量%未満では、接着
強度が十分でなく、濃度が20重量%を超える場合は、
接着性がそれ以上向上しないうえ、樹脂の変色などが起
こる懸念を生じるので好ましくない。
【0077】本発明の変性物または変性熱可塑性樹脂組
成物は、非常に反応性に富んだ官能基を有しているので
さまざまな樹脂の衝撃改良剤や相溶化剤として有効であ
る。
【0078】また本発明の変性熱可塑性樹脂組成物、あ
るいはそれを用いた組成物には必要に応じて安定剤、酸
化防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、発泡剤、帯電防止剤、
難燃剤、充填剤、可塑剤、染料、含量などを適宜配合す
ることができる。
【0079】これらの添加成分は有機化合物でも無機化
合物でもよく、また形状も粉粒状、鱗片状、針状、球
状、中空状および繊維状のものいずれも使用できる。
【0080】より具体的にはヒンダードフェノール系化
合物、ベンゾトリアゾール系化合物、ヒンダードアミン
系化合物、アミド系化合物の代表される安定剤;水酸化
マグネシウム、水酸化アルミニウムなどの無機難燃剤;
炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸カルシウム、
珪酸カルシウム、クレー、珪藻土、タルク、アルミナ、
ガラス粉、酸化鉄、金属粉、グラファイト、炭化珪素、
シリカ、窒化ホウソ、窒化アルミニウム、カーボンブラ
ック、雲母、ガラス板、セリサイト、パイロフィライ
ト、アルミフレーク、黒鉛、シラスバルーン、金属バル
ーン、軽石、ガラス繊維、炭素繊維、グラファイト繊
維、ウィスカー、金属繊維、シリコーンカーバイド繊
維、アスベスト、ウォラストナイトなどに代表される無
機充填剤;アゾ染料、インジゴ染料などの染料;ベンガ
ラなどの顔料などを使用することができる。
【0081】特に上述の無機化合物を充填する際は、シ
ランカップリング剤や有機チタネートカップリング剤や
金属塩などで表面処理したものを使用してもよい。
【0082】また本発明の手法により、特に不飽和カル
ボン酸またはその誘導体で変性された変性物または変性
熱可塑性樹脂組成物は、特に極性基を持っていることか
ら無機充填剤などの配合剤の高充填が可能である。
【0083】これらの充填剤成分はいつでも配合できる
が、溶融混練時に同時に混練することが望ましい。
【0084】また本発明の熱可塑性樹脂組成物は塗装性
に優れているが、さらにその効果を向上させるため、紫
外線やプラズマなど高エネルギー光線を照射してもよ
い。
【0085】
【本発明の用途】本発明における変性物、該変性物を含
む変性熱可塑性樹脂組成物は接着性に優れるため、塗
装、印刷および接着を要する用途での樹脂材料として用
いることができる。また該変性物、該変性物を含む変性
熱可塑性樹脂組成物を用いた熱可塑性樹脂は、優れた特
性を有し、例えば、繊維、電気、電子、自動車、船舶、
航空機、建築、土木などの様々な分野でパネル、包装資
材、家具、家庭用品などとして活用され、射出成形法、
押出成形法および圧縮成形法などのプラスチックのあら
ゆる成形法により成形しうる。より具体的には、 (1) リアフィニッシャー、シル、リアコーターパネ
ル、エンジンフード、トランクリッド、フェンダー、ド
アパネル、プロテクター、バンパーフェイシャー、エネ
ルギー吸収体、エアースポイラー、サイドモール、ウエ
ザーストリップ、ショックアブソーバーダストブーツ、
バキュームオネクター、ラックアンドピニオンブーツ、
インストルメントパネル、アームレスト、ドアライナ
ー、シートバック、ダクトカバー、マッドガードなどの
自動車部品など (2) クーラー、冷蔵庫の内装および外装などの家電
部品など (3) ルーフパネル、断熱壁などの住宅用材料など (4) 食卓、机の表面、家具パネル、台所キャビネッ
ト、アイスボックスなどの日用品、家具など (5) その他 他にシート、フィルムなどの押出成形品、射出成形品な
どの成形用途向け樹脂組成物またはマスターバッチなど
として利用されるものである。
【0086】また、当該変性物または変性熱可塑性樹脂
組成物を接着性樹脂として溶融状態で他の材料(例え
ば、金属、無機材料、プラスチックなど)と貼合するこ
とによって強固の接着した積層構造とすることが可能と
なる。
【0087】
【実施例および比較例】以下、本発明を実施例により具
体的に説明するが、本発明はこれらによって限定される
ものではない。
【0088】実施例1〜12、比較例1〜12 表1〜2に示した割合で、(A1)ポリアミド系樹脂、
(B)ポリエステル系樹脂、(C)成分の化合物および
(D)官能基を有する化合物、必要に応じて(E)ラジ
カル発生剤を溶融混練した。試験片は特に記載のないか
ぎり、射出成形によって得られたものをアニーリング処
理して使用した。
【0089】組成物の製造方法、射出成形による試験片
の製作条件および試験方法は以下の通りである。
【0090】組成物の製造方法 1)(A)ポリアミド系樹脂、および(B)ポリエステ
ル系樹脂と(C)成分の化合物および(D)官能基を有
する化合物、必要に応じて(E)ラジカル発生剤を配合
割合に調合しヘンシェルミキサーで混合した。 2)上記で得られた混合物を2軸連続混練押出機(30
mmφ、プラスチック工学研究所(株)製)を用いて、
樹脂温度240〜300℃、回転数200rpmで溶融
混練し、ペレット化した。なお混練の際にはベント(−
700mmHg)により未反応モノマーを完全に除去し
た。なお軟化剤の注入が必要な場合は、ベント口に連結
した往復動定量ポンプから添加した。
【0091】射出成形の条件 成形機 IS−90B(東芝機械(株)製) 射出圧力 1,000kg/cm 成形温度 230〜290℃ 金型温度 70〜90℃
【0092】試験・測定方法 1.曲げ弾性率 ASTM D−790に従って測定した。 2.アイゾット衝撃強度 JIS K−6758に従って測定した。 3.荷重たわみ温度(HDT) JIS K−7207に従って測定した。 4.吸水性 ASTM D−570に従って測定した。 5.フローマーク 100mm×200mm×3mmの形状を持つ金型に、
次に示す条件で試料を射出成形し、成形物を目視で判断
した。
【0093】射出成形の条件 成形機 IS−90B(東芝機械(株)製) 射出圧力 1,000kg/cm 成形温度 220〜290℃ 金型温度 70〜90℃ 目視の判断として、よい順番に◎○△×までの4段階評
価とした。
【0094】実施例13〜24、比較例13〜24 ポリアミド系樹脂のかわりとして(A2)ポリフェニレ
ンスルフィド樹脂を用いた以外は、実施例および比較例
1〜12に準ずる。
【0095】試験・測定方法 1.曲げ弾性率 ASTM D−790に従って測定した。 2.アイゾット衝撃強度 JIS K−6758に従って測定した。 3.荷重たわみ温度(HDT) JIS K−7207に従って測定した。 4.耐加水分解性 3mm厚の射出成形板から、40mm×50mmのサン
プル片を切り出し、90℃、40wt%のNaOH水溶
液中に72時間浸漬し、ひずみおよび表面状態を観察し
た。目視の判断として、よい順番に◎○△×までの4段
階評価とした。 5.フローマーク 100mm×200mm×3mmの形状を持つ金型に、
次に示す条件で試料を射出成形し、成形物を目視で判断
した。
【0096】射出成形の条件 成形機 IS−90B(東芝機械(株)製) 射出圧力 1,000kg/cm 成形温度 220〜290℃ 金型温度 70〜90℃ 目視の判断として、よい順番に◎○△×までの4段階評
価とした。
【0097】実施例25〜36、比較例25〜36 ポリアミド系樹脂のかわりとして(A3)ポリフェニレ
ンエーテル樹脂を用いた以外は、実施例および比較例1
〜12に準ずる。
【0098】試験・測定方法 1.曲げ弾性率 ASTM D−790に従って測定した。 2.アイゾット衝撃強度 JIS K−6758に従って測定した。 3.荷重たわみ温度(HDT) JIS K−7207に従って測定した。 4.耐溶剤性 95Vol%アセトン中に48時間浸漬し、成形物を目
視で判断した。目視の判断として、よい順番に◎○△×
までの4段階評価とした。 5.フローマーク 100mm×200mm×3mmの形状を持つ金型に、
次に示す条件で試料を射出成形し、成形物を目視で判断
した。
【0099】射出成形の条件 成形機 IS−90B(東芝機械(株)製) 射出圧力 1,000kg/cm 成形温度 220〜290℃ 金型温度 70〜90℃
【0100】
【発明の効果】上述のように本発明によって得られる変
性熱可塑性樹脂組成物は、ポリアミド系樹脂、ポリフェ
ニレンスルフィド樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂の
中から選ばれた少なくとも1種類の熱可塑性樹脂および
ポリエステル系樹脂をジヒドロ芳香族系化合物またはそ
の重合体、エーテル系化合物、テトラヒドロ芳香族系化
合物、シクロペンタン系化合物、および必要によりラジ
カル発生剤の存在下で、官能性基を含有する化合物を使
用して変性させることによって、熱可塑性樹脂自身の優
れた機械的強度および熱的性質および成形加工性を保持
しつつ、ポリアミド系樹脂に対しては耐衝撃性および低
吸水性を、ポリフェニレンスルフィド樹脂に対しては耐
衝撃性および成形性を、ポリフェニレンエーテル樹脂に
対しては耐溶剤性を向上させ、接着剤や相溶化剤などと
しての性質に著しく優れ、また塗装性も著しく改良する
ことができる。
【0101】
【表1】
【0102】
【表2】
【0103】
【表3】
【0104】
【表4】
【0105】
【表5】
【0106】
【表6】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08K 5/10 KKV 7242−4J 5/15 KKW 7242−4J 5/20 KKX 7242−4J 5/3412 KKZ 7242−4J 5/3432 KKZ 7242−4J C08L 67/00 LNZ 8933−4J 71/12 LQM 9167−4J LQP 9167−4J 81/02 LRG 7308−4J

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の(A)〜(D)の成分を溶融混練
    生成物からなることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。 (A)ポリアミド系樹脂(A1)、ポリフェニレンスル
    フィド樹脂(A2)、ポリフェニレンエーテル樹脂(A
    3)の中から選ばれた少なくとも1種類の熱可塑性樹脂 (B)ポリエステル系樹脂 (C)下記の(C1)〜(C4)から選ばれた少なくと
    も1種の化合物 C1:ジヒドロ芳香族系化合物またはその重合体 C2:エーテル系化合物 C3:テトラヒドロ芳香族系化合物 C4:シクロペンタン系化合物 (D)下記の(D1)〜(D6)の官能基を含有する少
    なくとも1種の化合物 D1:カルボニル基 D2:環状イミノエーテル基 D3:エポキシ基 D4:ヒドロキシ基 D5:アミノ基 D6:ニトリル基
  2. 【請求項2】 下記の(A)〜(D)の成分を溶融混練
    することを特徴とする熱可塑性樹脂組成物の製法。 (A)ポリアミド系樹脂(A1)、ポリフェニレンスル
    フィド樹脂(A2)、ポリフェニレンエーテル樹脂(A
    3)の中から選ばれた少なくとも1種類の熱可塑性樹脂 (B)ポリエステル系樹脂 (C)下記の(C1)〜(C4)から選ばれた少なくと
    も1種の化合物 C1:ジヒドロ芳香族系化合物またはその重合体 C2:エーテル系化合物 C3:テトラヒドロ芳香族系化合物 C4:シクロペンタン系化合物 (D)下記の(D1)〜(D6)の官能基を含有する少
    なくとも1種の化合物 D1:カルボニル基 D2:環状イミノエーテル基 D3:エポキシ基 D4:ヒドロキシ基 D5:アミノ基 D6:ニトリル基
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002060491A (ja) * 2000-08-16 2002-02-26 Nippon Mitsubishi Oil Corp 硫黄結合材の製造方法、硫黄結合材及び硫黄組成物の製造方法

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JP2002060491A (ja) * 2000-08-16 2002-02-26 Nippon Mitsubishi Oil Corp 硫黄結合材の製造方法、硫黄結合材及び硫黄組成物の製造方法

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