JPH06183874A - シリコン単結晶製造装置およびシリコン単結晶の製造方法 - Google Patents

シリコン単結晶製造装置およびシリコン単結晶の製造方法

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JPH06183874A
JPH06183874A JP35390392A JP35390392A JPH06183874A JP H06183874 A JPH06183874 A JP H06183874A JP 35390392 A JP35390392 A JP 35390392A JP 35390392 A JP35390392 A JP 35390392A JP H06183874 A JPH06183874 A JP H06183874A
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gas
pipe
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silicon single
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Shinji Higo
信司 肥後
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Komatsu Electronic Metals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 シリコン単結晶の引き上げに当たり、酸化珪
素、重金属等の粉塵の融液面への落下を防止することに
よって無転位結晶化を促進するとともに、単結晶インゴ
ットの軸方向の酸素濃度を均一にする。 【構成】 シリコン単結晶の下部を取り巻く環状のガス
噴出管を、外筒9a、内筒9bの二重構造部と、各外筒
9aを接続する曲管とによって構成する。内筒9bにガ
ス噴出孔9d,9e,9fを設け、外筒9aにガス噴出
用の切り欠き溝9gを設ける。曲管に接続したガス供給
管から前記ガス噴出管に導入された不活性ガスは、各ガ
ス噴出孔から単結晶、固液界面、融液面に吹きつけら
れ、融液および固液界面に落下する不純物を排除する。
引き上げ単結晶の成長段階に応じて内筒9bを回転さ
せ、ガス噴出方向を調整することにより、融液からの酸
化珪素の蒸発量を制御することができ、単結晶の酸素濃
度の均一化が可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、チョクラルスキー法に
よる半導体単結晶製造装置および製造方法に係り、特に
単結晶引き上げ時に不活性ガスを固液界面等に吹きつけ
て単結晶に含まれる酸素濃度を制御するシリコン単結晶
製造装置および製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体集積回路素子の基板には主として
高純度のシリコン単結晶が用いられているが、このシリ
コン単結晶の製造方法の一つとして、るつぼ内の原料融
液から円柱状の単結晶を引き上げるチョクラルスキー法
(以下CZ法という)が用いられている。CZ法におい
ては、単結晶製造装置のメインチャンバ内に設置した石
英るつぼに高純度の多結晶シリコンを充填し、前記るつ
ぼの外周に設けたヒータによって多結晶シリコンを加熱
溶解した上、シードチャックに取り付けた種子結晶を融
液に浸漬し、シードチャックおよびるつぼを同方向また
は逆方向に回転させながら工業的には2mm/分以下の
シード移動速度でシードチャックを引き上げてシリコン
単結晶を成長させる。このようなシリコン単結晶の引き
上げ工程において、融液面から酸化珪素(SiOx:x
=1〜2)やアモルファスシリコンが蒸発する。これら
の蒸気は水冷式引き上げ炉のアッパチャンバ内壁やるつ
ぼの上端で冷却され、粉状もしくは針状に析出し、引き
上げ工程中にしばしば融液面に落下して単結晶化を阻害
する。また、主として黒鉛るつぼから発生する重金属蒸
気も融液を汚染する。
【0003】CZ法による単結晶の引き上げにおいて、
赤外線を反射し得る金属材料もしくは金属表面を有する
材料で構成された輻射スクリーンをるつぼの上方に設置
することにより、単結晶化が促進され、引き上げ速度を
早めることができるほか、単結晶中の炭素濃度を抑える
ことが知られている(特公昭57−40119参照)。
また、引き上げ単結晶を同軸に囲む耐熱性断熱材表層か
らなる多層構造の先細管状体を通して単結晶の引き上げ
を行うことにより、酸化珪素の析出を防止するとともに
シリコン融液面およびるつぼ壁面からの輻射熱を遮断
し、更に前記先細管状体の内側を流れるアルゴンガスに
より単結晶を冷却して引き上げ速度を早めることが知ら
れている(特開昭62−138384参照)。その他、
引き上げ単結晶を取り囲む逆円錐形の断熱複層構造の輻
射スクリーンをるつぼの上方に設けることにより、シリ
コン融液面から蒸発した酸化珪素がCZ炉内に析出して
融液面に落下するのを防止する特開昭62−13838
6の提案、石英るつぼ内のシリコン融液上方に設置され
た円環体と、この円環体の内縁部に載置される透明石英
製の円筒体とによって石英るつぼ内から発生する一酸化
珪素の上昇を阻止し、速やかに排出する特開平1−16
0891の提案、雰囲気ガスの流量および流れ方向を一
定の減圧度において制御することを特徴とする、単結晶
棒軸方向に任意かつ断面内に均一なアンチモン濃度分布
をもつシリコン単結晶の製造方法(特開昭61−227
986参照)等が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記の赤外線を反射し
得る輻射スクリーンや断熱複層構造の輻射スクリーンあ
るいは多層構造の先細管状体をるつぼの上方に設置した
場合、単結晶化が促進され、引き上げ速度を早めること
ができるとともに単結晶中の炭素濃度を抑える効果があ
る。しかしながら、融液面から蒸発する酸化珪素やアモ
ルファスシリコン、あるいは黒鉛るつぼから発生する重
金属蒸気を完全に抑えることはできず、アッパチャンバ
の内壁あるいは輻射スクリーンに付着した酸化珪素、ア
モルファスシリコン、重金属、黒鉛等の粉塵が融液面に
落下して単結晶化を阻害する不具合、特に単結晶引き上
げの後期において発生しやすい結晶の崩れを防止するこ
ともできない。また、従来の単結晶製造装置を用いて製
造したシリコン単結晶は、輻射スクリーン使用の有無に
かかわらずインゴットの軸方向の酸素濃度のばらつきが
大きく、再現性に乏しい。シリコン融液上方に円環体と
透明石英製の円筒体とを設置した場合も酸素濃度の均一
化には寄与せず、雰囲気ガスの流量および流れ方向を一
定の減圧度において制御するシリコン単結晶の製造方法
では、単結晶の成長に伴って雰囲気ガスの流量と流れ方
向とを微調節することができないので、酸素濃度の均一
化に十分に寄与することができない。本発明は上記従来
の問題点に着目してなされたもので、前記酸化珪素、重
金属等の粉塵の融液面への落下を防止することによって
無転位結晶化を促進するとともに、単結晶インゴットの
軸方向の酸素濃度を均一にすることができるようなシリ
コン単結晶製造装置および製造方法を提供することを目
的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明に係るシリコン単結晶製造装置は、引き上げ
中のシリコン単結晶の下部を取り巻く環状のガス噴出管
と、下端が前記ガス噴出管に接続され、上端がチャンバ
上部において外部に開口するガス供給管とからなる不活
性ガス噴出機構を設け、前記ガス噴出管に、噴出方向が
鉛直面内で調整可能な複数個のガス噴出孔を備える構成
とし、このような構成において、円周上に等ピッチに複
数個配設した直管からなる外筒と、前記外筒を互いに接
続する曲管または直管と、前記外筒の内周面に沿って自
在に回動する直管からなる内筒とによって環状のガス噴
出管を構成し、前記内筒に、ガス噴出管の中心に向かっ
て開口する水平方向のガス噴出孔および垂直下向きのガ
ス噴出孔と、これらの二つのガス噴出孔の中間に位置す
る45°方向のガス噴出孔とを設け、前記外筒に前記ガ
ス噴出孔を露出させる切り欠き溝を設けるものとした。
また、環状のガス噴出管の外方に向かって斜め上方向に
開口するガス噴出孔を、前記ガス噴出管の曲管または直
管に複数個設けてもよく、不活性ガス噴出機構がチャン
バ内において上下動自在である構造としてもよい。本発
明に係るシリコン単結晶の製造方法は、シリコン単結晶
の引き上げに際し、ガス供給管を介してガス噴出管から
不活性ガスを前記単結晶の外周、単結晶と融液との固液
界面および融液面に吹きつけるとともに、シリコン単結
晶の成長に伴って前記各部に吹きつける不活性ガスの噴
出方向、または前記噴出方向とガス噴出管に導入する不
活性ガスの流量とを変化させるものとし、具体的には、
単結晶の成長初期においては単結晶からるつぼの内周方
向に向かう不活性ガスの流れを強め、成長後期において
は単結晶の外周に沿って上方に向かう不活性ガスの流れ
を強めるようにガス噴出管の不活性ガス噴出方向を制御
することにした。また、シリコン単結晶の引き上げに際
し、環状のガス噴出管の外方に向かって斜め上方向に開
口するガス噴出孔から不活性ガスを噴出させることによ
り、融液面からるつぼ内壁および引き上げ単結晶の外周
に沿って上昇する不活性ガスの流れを整流するようにし
てもよい。
【0006】
【作用】上記構成によれば、シリコン単結晶の下部を取
り巻く環状のガス噴出管の不活性ガス噴出部を外筒、内
筒の二重構造とし、内筒を円周方向に回動自在としたの
で、前記内筒を回動させることによって内筒に設けられ
た3方向のガス噴出孔の向きを変えることができる。単
結晶の引き上げ初期においては、炉内の不活性ガス流は
ゆるやかである。従って、炉内上方からの酸化珪素ある
いは重金属等の粉塵の融液面への落下はあまり考える必
要がない。一方、通常のシリコン単結晶において、結晶
成長方向の酸素濃度プロファイルは、結晶成長初期には
高く、成長後期には低くなる。これらの点から結晶成長
初期においては、単結晶からるつぼの内周方向に向かう
不活性ガスの流れが強くなるようにガスの噴出方向を制
御することが望ましい。これにより融液からの酸化珪素
の蒸発を活発化させ、融液中の酸素濃度を低下させるこ
とができる。従って、単結晶中に取り込まれる酸素量は
低下する。
【0007】単結晶の引き上げ後期においては、引き上
げ単結晶によってチャンバ上部の引き上げ口の開口面積
が小さくなるため、不活性ガス流が高速になる。また、
析出した酸化珪素の量も多くなるので、前記酸化珪素が
固液界面に付着して結晶が崩れやすくなるとともに、単
結晶の酸素濃度が低くなる。これらの点から結晶成長後
期においては、引き上げ単結晶の外周に沿って上方に向
かう流れが強くなるように不活性ガスの噴出方向を制御
することが望ましい。これにより単結晶の崩れが少なく
なり、酸素濃度プロファイルも均一となる。なお、ガス
供給管を介してガス噴出管に導入される不活性ガスの流
量を調節することにより、前記ガス噴出孔から吹き出す
ガスの流量が変化し、融液からの酸素蒸発量を制御する
ことができる。
【0008】また、ガス噴出管の外方に向かって斜め上
方向に開口する噴出方向固定のガス噴出孔を前記ガス噴
出管の曲管に複数個設け、単結晶引き上げ時に上記3方
向へのガス噴出とともに斜め上方向にも不活性ガスを噴
出させることにより、るつぼ内からメインチャンバ底部
に向かう不活性ガス流を整流し、酸化珪素等のガス噴出
管への付着を防止することができる。更に、不活性ガス
噴出機構をチャンバ内において上下動自在とすることに
より、原料多結晶の溶解時など必要に応じて前記噴出機
構をチャンバ内上方に引き上げ、ガス噴出管との干渉を
回避することができる。
【0009】
【実施例】以下に、本発明に係るシリコン単結晶製造装
置およびシリコン単結晶の製造方法の実施例について、
図面を参照して説明する。図1は、請求項1のシリコン
単結晶製造装置の概略構成を模式的に示す断面図であ
る。同図において、1はメインチャンバ、2はアッパチ
ャンバで、メインチャンバ1内に設置された黒鉛るつぼ
3に石英るつぼ4が嵌着され、この石英るつぼ4内に貯
留された融液5からシリコン単結晶6が引き上げられて
いる。7は黒鉛ヒータ、8は断熱筒である。前記シリコ
ン単結晶6の下部をガス噴出管9が同心円状に取り巻
き、このガス噴出管9には少なくとも2本のガス供給管
10の下端が接続されている。ガス供給管10の上端は
アッパチャンバ2の上部で外部に開口し、図示しない不
活性ガス配管に接続されている。前記ガス供給管10は
ガス噴出管9に不活性ガスを導入するとともに、ガス噴
出管9を所定の位置に釣支する機能を有している。
【0010】図2はガス噴出管の平面図、図3は図2の
A−A断面図、図4はガス噴出管の部分斜視図である。
前記ガス噴出管9は、円周上に直管からなる外筒9aを
等ピッチに複数個配設し、これらの外筒9aの中に直管
からなる内筒9bをそれぞれ挿嵌した上、前記外筒9a
を曲管9cで接続して環状としたものである。前記内筒
9bは外筒9aの内周面に沿って自在に回動することが
できる。内筒9bには図3に示すように、ガス噴出管9
の中心に向かって開口するガス噴出孔9dと、斜め下4
5°方向に開口するガス噴出孔9eと、下方向に開口す
るガス噴出孔9fとが穿設されている。また、外筒9a
には図3および図4に示すように、前記ガス噴出孔9
d,9e,9fを露出させる切り欠き溝9gが設けら
れ、この切り欠き溝9gの開口角度はほぼ145°であ
る。11,12はガス噴出方向制御ワイヤで、これらの
ワイヤの一端はそれぞれ内筒9bに固着されている。ワ
イヤの他端はガス供給管10に沿ってアッパチャンバ2
の上部で外部に導かれ、図示しない制御装置に接続して
いる。これらのワイヤの一方、たとえば11を緩め、他
方のワイヤ12を引っ張ることにより内筒9bを外筒9
a内で回転させることができる。なお、ガス供給管10
の下端は前記曲管9cの上面に接続されている。本実施
例では外筒9aを曲管9cで互いに接続したが、曲管に
限るものではなく、直管で接続して多角形のガス噴出管
を構成してもよい。
【0011】次に、上記ガス噴出管を備えたシリコン単
結晶製造装置によるシリコン単結晶製造方法、特に酸素
濃度制御方法について図5を用いて説明する。原料多結
晶の溶解からショルダ形成完了までの間はプルチャンバ
からのみ不活性ガスが導入され、ガス噴出管からの不活
性ガス噴出はない。直胴工程に入ったところでガス供給
管10を介してガス噴出管9に不活性ガスを導入し、ガ
ス噴出管9からも不活性ガスを噴出させる。シリコン単
結晶6の引き上げ初期の段階においては図5(a)に示
すように、融液面にほぼ垂直方向およびその両側にほぼ
45°方向の3方向に不活性ガスを噴出させる。すなわ
ち、図3において内筒9bを約45°左回転させる。こ
の操作により、不活性ガスは固液界面方向と、融液面に
ほぼ垂直な方向および石英るつぼ4の内壁側にほぼ45
°方向の3方向に吹きつけられる。シリコン単結晶6か
ら石英るつぼ4の内壁側に向かう不活性ガス流を強める
ことにより、融液5からの酸化珪素の蒸発を活発化さ
せ、融液中の酸素濃度を低下させることができるので、
シリコン単結晶6に取り込まれる酸素量も低下する。前
記内筒9bの回転角θ1 は、シリコン単結晶6の引き上
げ長さの増大に伴ってほぼ45°からほぼ15°まで徐
々に変化させる。
【0012】シリコン単結晶6の引き上げ中期において
は、図3の内筒9bをほぼ15°左回転させた状態を維
持する。すなわち、図5(b)に示すようにθ2 =15
°の不活性ガス吹きつけ角度である。シリコン単結晶6
の引き上げ後期においては図5(c)に示すように、内
筒9bの回転角θ3 をほぼ15°から0°まで徐々に変
化させ、固液界面への不活性ガス吹きつけと単結晶に沿
って上方に向かう不活性ガス流を強めることによって、
酸化珪素の固液界面への付着防止とシリコン単結晶6に
取り込まれる酸素量の増加を図る。
【0013】上記製造方法により、直径6インチ、直胴
部長さ800mmのシリコン単結晶を製造した。使用し
た石英るつぼは16インチで、原料多結晶のチャージ量
は45kgとし、不活性ガスとしてArガスを用い、ア
ッパチャンバ上方から30l/分導入した。炉内圧力を
10mbarに保持し、ガス噴出管とシリコン融液との
間隔は20mmとした。直胴工程に入ったところで、ガ
ス噴出管から10l/分のArガスを3方向に吹きつけ
た。シリコン単結晶の引き上げ長さが100mmに達す
るまでの間は、ガス噴出方向を図5(a)に示した角
度、引き上げ長さが100〜500mmの間は図5
(b)に示した角度、引き上げ長さが500〜800m
mの間は図5(c)に示した角度を維持した。このシリ
コン単結晶の酸素濃度は1.65×1017〜1.55×
1017atoms/ccとなり、前記ガス噴出管を用い
ない従来の単結晶の酸素濃度1.75×1017〜1.4
5×1017atoms/ccと比較して極めて濃度範囲
の狭い均一な単結晶が得られた。
【0014】ガス供給管10を介してガス噴出管9に導
入される不活性ガスの流量を調節することにより、ガス
噴出孔9d,9e,9fから吹き出す不活性ガスの流量
が変化する。特に、融液5の表面に沿って流れる不活性
ガスの流量が変化することにより、融液からの酸化珪素
の蒸発量が変化するので、融液中の酸素濃度を制御する
ことができ、シリコン単結晶中の酸素濃度を間接的に制
御することになる。ガス噴出管に導入する不活性ガスの
流量とアッパチャンバの上方から導入する不活性ガス流
量との比率、ガス噴出管に導入する不活性ガス流量の調
節量ならびに調節時期は、単結晶製造装置の仕様、単結
晶の要求品質等に基づいて個別に定めるものとする。
【0015】図6は、請求項3のシリコン単結晶製造装
置におけるガス噴出管近傍の部分断面図である。この単
結晶製造装置に用いられるガス噴出管は、図3に示した
通り内筒9bに3方向のガス噴出孔9d,9e,9fを
設けるとともに、図2に示した曲管9cに、ガス噴出管
の外方に向かって開口する斜め上45°方向のガス噴出
孔9hを等ピッチで複数個穿設したものである。ガス噴
出孔9hの直径はガス噴出孔9d,9e,9fの直径よ
り小さく、ガスの吹き出し方向は固定されている。単結
晶引き上げ時、前記ガス噴出孔9hから不活性ガスを吹
き出すことにより、石英るつぼ4の内面およびシリコン
単結晶6の外周に沿って上昇した後メインチャンバの底
部から排出される不活性ガスの流れを整流し、ガス噴出
管の上面に酸化珪素等が付着することを防止する。
【0016】図7は、請求項4のシリコン単結晶製造装
置の概略構成を模式的に示す断面図である。同図におい
てガス供給管10は、アッパチャンバ2に図示しない昇
降機構を用いて上下動自在に取り付けられ、ガス噴出管
9はガス供給管10を介して昇降可能となっている。従
って、原料多結晶の充填、溶解時あるいはホットゾーン
パーツの清掃、点検時など必要に応じてガス噴出管9を
上方に退避させることができる。
【0017】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、シ
リコン単結晶の下部を取り巻く環状のガス噴出管を設
け、このガス噴出管から成長中の単結晶、固液界面、融
液の3方向に不活性ガスを吹きつけ、更に、結晶成長の
進捗に応じて不活性ガスの噴出方向を調整可能としたの
で、融液からの酸化珪素の蒸発量を制御することができ
る。また、単結晶の育成で問題点の一つとなっている引
き上げ後期の単結晶の崩れを効果的に防止することが可
能となる。前記ガス噴出管の外方に向かって斜め上方向
に開口する噴出方向固定のガス噴出孔を設けた場合は、
るつぼ内からメインチャンバ底部に向かう不活性ガス流
を整流し、酸化珪素等のガス噴出管への付着を防止する
ことができる。このような不活性ガス噴出機構を用いる
ことにより、酸素濃度の均一な高純度のシリコン単結晶
の効率的な製造が可能となる。更に、不活性ガス噴出機
構をチャンバ内において上下動自在とすることにより、
原料多結晶の溶解時など必要に応じて前記噴出機構をチ
ャンバ内上方に引き上げ、ガス噴出管との干渉を回避す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1のシリコン単結晶製造装置の概略構成
を模式的に示す部分断面図である。
【図2】ガス噴出管の平面図である。
【図3】図2のA−A断面図である。
【図4】ガス噴出管の部分斜視図である。
【図5】不活性ガス噴出方向の変化を示す説明図で、
(a)は単結晶引き上げ初期、(b)は引き上げ中期、
(c)は引き上げ後期の状態を示す。
【図6】請求項3のシリコン単結晶製造装置におけるガ
ス噴出管近傍の部分断面図である。
【図7】請求項4のシリコン単結晶製造装置の概略構成
を模式的に示す部分断面図である。
【符号の説明】
1 メインチャンバ 2 アッパチャンバ 4 石英るつぼ 5 融液 6 シリコン単結晶 9 ガス噴出管 9a 外筒 9b 内筒 9c 曲管 9d,9e,9f,9h ガス噴出孔 9g 切り欠き溝 10 ガス供給管

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 チョクラルスキー法によるシリコン単結
    晶製造装置において、引き上げ中のシリコン単結晶の下
    部を取り巻く環状のガス噴出管と、下端が前記ガス噴出
    管に接続され、上端がチャンバ上部において外部に開口
    するガス供給管とからなる不活性ガス噴出機構を設け、
    前記ガス噴出管に、噴出方向が鉛直面内で調整可能な複
    数個のガス噴出孔を備えたことを特徴とするシリコン単
    結晶製造装置。
  2. 【請求項2】 円周上に等ピッチに複数個配設した直管
    からなる外筒と、前記外筒を互いに接続する曲管または
    直管と、前記外筒の内周面に沿って自在に回動する直管
    からなる内筒とによって環状のガス噴出管を構成し、前
    記内筒に、ガス噴出管の中心に向かって開口する水平方
    向のガス噴出孔および垂直下向きのガス噴出孔と、これ
    らの二つのガス噴出孔の中間に位置する45°方向のガ
    ス噴出孔とを設け、前記外筒に前記ガス噴出孔を露出さ
    せる切り欠き溝を設けたことを特徴とする請求項1のシ
    リコン単結晶製造装置。
  3. 【請求項3】 環状のガス噴出管の外方に向かって斜め
    上方向に開口するガス噴出孔を、前記ガス噴出管の曲管
    または直管に複数個設けたことを特徴とする請求項2の
    シリコン単結晶製造装置。
  4. 【請求項4】 不活性ガス噴出機構がチャンバ内におい
    て上下動自在であることを特徴とする請求項1のシリコ
    ン単結晶製造装置。
  5. 【請求項5】 シリコン単結晶の引き上げに際し、ガス
    供給管を介してガス噴出管から不活性ガスを前記単結晶
    の外周、単結晶と融液との固液界面および融液面に吹き
    つけるとともに、シリコン単結晶の成長に伴って前記各
    部に吹きつける不活性ガスの噴出方向、または前記噴出
    方向とガス噴出管に導入する不活性ガスの流量とを変化
    させることを特徴とするシリコン単結晶の製造方法。
  6. 【請求項6】 単結晶の成長初期においては単結晶から
    るつぼの内周方向に向かう不活性ガスの流れを強め、成
    長後期においては単結晶の外周に沿って上方に向かう不
    活性ガスの流れを強めるようにガス噴出管の不活性ガス
    噴出方向を制御することを特徴とする請求項5のシリコ
    ン単結晶の製造方法。
  7. 【請求項7】 シリコン単結晶の引き上げに際し、環状
    のガス噴出管の外方に向かって斜め上方向に開口するガ
    ス噴出孔から不活性ガスを噴出させることにより、融液
    面からるつぼ内壁および引き上げ単結晶の外周に沿って
    上昇する不活性ガスの流れを整流することを特徴とする
    請求項6のシリコン単結晶の製造方法。
JP35390392A 1992-12-16 1992-12-16 シリコン単結晶製造装置およびシリコン単結晶の製造方法 Pending JPH06183874A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN113249780A (zh) * 2021-06-07 2021-08-13 浙江晶科能源有限公司 导流装置、单晶炉及导流控制方法
CN114150371A (zh) * 2021-12-06 2022-03-08 徐州鑫晶半导体科技有限公司 冷却组件及其控制方法、晶体生长装置
WO2023185536A1 (zh) * 2022-03-31 2023-10-05 Tcl中环新能源科技股份有限公司 一种直拉单晶用导流筒及设有该导流筒的单晶炉
US20230332323A1 (en) * 2019-12-13 2023-10-19 Siltronic Ag Method and device for producing a single crystal of silicon, which single crystal is doped with n-type dopant

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