JPH08133886A - 単結晶の製造方法 - Google Patents

単結晶の製造方法

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JPH08133886A
JPH08133886A JP26878894A JP26878894A JPH08133886A JP H08133886 A JPH08133886 A JP H08133886A JP 26878894 A JP26878894 A JP 26878894A JP 26878894 A JP26878894 A JP 26878894A JP H08133886 A JPH08133886 A JP H08133886A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】酸素濃度が低く、かつ引上げ方向の酸素濃度分
布が均一な単結晶の製造方法を提供する。 【構成】坩堝内の溶融液の上方であって、単結晶の引上
げ域の周囲に輻射熱遮断スクリーンを配設して単結晶を
製造する方法において、単結晶の引上げ初期段階には引
上炉内を低圧力雰囲気にするとともに坩堝の回転を低速
にして、単結晶の引上げの進行に応じて引上炉内の圧力
を高めて行き、引上炉内が所定の高圧力雰囲気に到達し
た後、坩堝の回転を増加させて行くことを特徴とする単
結晶の製造方法。上記の低圧力雰囲気における初期設定
の引上炉内圧力は5〜10Torrとし、高圧力雰囲気におけ
る引上炉内圧力は25〜40Torrとするのが好ましい。さら
に、単結晶の引上げ初期段階には坩堝の回転を0〜5rp
m の低速にして、引上炉内が所定の高圧力雰囲気に到達
した後、坩堝の回転を6〜20rpm の範囲に増加させるこ
とが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、チョクラルスキー法に
よって単結晶を製造する方法に関し、さらに詳しくは酸
素濃度が低く、かつ引上げ方向の酸素濃度分布が均一な
単結晶を製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】単結晶の製造方法は種々あるが、なかで
も単結晶の工業的な量産が可能な方式として、いわゆる
チョクラルスキー法が汎く用いられている。このチョク
ラルスキー法による単結晶の製造は、例えば引上炉内に
配設した坩堝内に結晶用原料を投入し、これをヒーター
によって加熱溶融させたのち、この溶融液中に種結晶を
浸し、これを回転させつつ上方に引上げて種結晶下端に
単結晶を成長させることによって行われる。
【0003】単結晶の引上げにおいては、その引上速度
は引上げられる単結晶の引上げ方向における温度勾配と
密接な関係があり、温度勾配を大きくすることによって
引上速度を速くすることができる。このため、工業的な
量産を行う場合には、引き上げられる単結晶の周囲を囲
撓するようにスクリーンを配設し、坩堝、加熱ヒーター
および溶融液からの輻射熱を遮断し、単結晶の引上げ方
向における温度勾配を大きくする方法が採用されてい
る。
【0004】図2は、後述する輻射熱遮断スクリーン
(以下、単に「輻射スクリーン」という)を配設してシ
リコン単結晶を製造する装置の縦断面図である。通常、
シリコン単結晶の製造に使用される坩堝2は二重構造で
あって、内側の石英容器2aと、外側の黒鉛容器2bとで構
成される。坩堝2の外側には加熱ヒーター3が設けら
れ、坩堝2内にはこの加熱ヒーターによって溶融された
シリコン溶融液5が収容されており、溶融液5上ではシ
リコン単結晶を囲撓するように輻射スクリーン9が配設
されている。この輻射スクリーン9によって加熱ヒータ
ー3および溶融液5からの輻射熱が遮断され、引上げら
れる単結晶8の温度勾配が大きくなる。このとき、引上
炉1の上方の中央部から常時不活性ガス(例えば、Arガ
ス)を流して、シリコン溶融液5の表面から蒸発する一
酸化珪素( SiO)を坩堝2の周縁部側に導き、坩堝の下
方から排出するようにしている。
【0005】チョクラルスキー法によって製造されたシ
リコン単結晶は、前述の通り、石英坩堝内のシリコン溶
融液から引き上げて成長させるため、成長した単結晶内
には坩堝の石英(SiO2)から融出した多くの酸素を含んで
いる。このため、この単結晶から製造されたウエーハ
は、ICやLSI の製造プロセスにおいて繰返し熱処理を受
けても、スリップや反りを発生しにくい。更に、内部の
酸素析出物は、1000℃近傍の熱処理で高密度欠陥層を形
成し、ウエーハの表面領域に存在する不純物を低減する
作用(いわゆるイントリンシックゲッタリング) を有す
る等の利点がある。しかしながら、このような利点を有
効に発揮させるには、シリコン単結晶中の酸素濃度を用
途に応じて調整する必要がある。そのため、単結晶の製
造においては、所定の酸素濃度であって均一な濃度分布
を示す単結晶を得ることが重要となる。
【0006】次に、チョクラルスキー法によって製造さ
れたシリコン単結晶の実際の酸素濃度分布について説明
する。引上げの初期段階としてネック工程が採られ単結
晶の上端にショルダー(肩)が形成されて、その後一定
径の直胴部を有するシリコン単結晶が引上げられる。単
結晶の直胴部を引上げる場合、坩堝の回転および引上げ
単結晶の回転が一定に保たれていれば、引上げ初期、す
なわち単結晶のトップ側では坩堝内の溶融液が多く、溶
融液と石英坩堝との接触面積が大きいために、溶融液に
溶けだす酸素量が多くなり単結晶中の酸素濃度が高くな
る。一方、引上げ後半、すなわち単結晶のテイル側では
坩堝内の溶融液が少なくなり、溶融液と石英坩堝との接
触面積が小さくなるために、溶融液中に溶けだす酸素が
少なくなって、トップ側と比べて酸素濃度が低くなる。
したがって、単結晶のトップ側からテイル側に向けて引
上げ方向の酸素濃度が漸減することになり、均一な酸素
濃度分布をもつ単結晶が製造できないという問題があ
る。
【0007】上記の問題を解決するため、従来から、次
の〜の方法が試みられている。
【0008】 単結晶の引上げの進行に応じて、坩堝
の回転数を適宜増加させることによって、石英坩堝とシ
リコン溶融液との相対速度を増大させ、石英坩堝から溶
けだす酸素量を積極的に増やして、引上げ後半における
単結晶のテイル側での酸素濃度低下を抑制する方法。
【0009】この方法では、中酸素または高酸素レベル
での酸素濃度の均一化が図れるものの、低酸素レベル
(例えば、11.5〜13.5×1017atoms/cm3 )の単結晶を得
ようとする場合、引上げ前半(単結晶のトップ側) で坩
堝の回転を十分に遅くしても、所期の低酸素濃度に比べ
その濃度は依然として高く、低酸素濃度の許容範囲内に
なるのは相当引上げを行った後となる。このため、低酸
素濃度の単結晶製品として使用できる単結晶の範囲が少
なくなり、歩留が低下するという問題がある。
【0010】 輻射スクリーン内に供給するArガス流
量を増大させることにより、輻射スクリーン下端とシリ
コン溶融液の表面との間を流れるArガスの流速を速め
て、溶融液の表面から蒸発する SiOの蒸発量を増大さ
せ、引き上げ前半(単結晶のトップ側) での酸素濃度を
低下させる方法(例えば特開昭64− 61383号公報、特開
平1−160893号公報参照)。
【0011】この提案の方法では、引上げ前半(単結晶
のトップ側) における酸素濃度を低酸素レベルにするこ
とができるものの、多量のArガスを使用するので、費用
が割高となる。さらに輻射スクリーン内に供給するArガ
スの流量を増大(例えば、60リットル/min程度)させる
と、供給された多量のArガスによってシリコン溶融液の
表面が冷却され、融液表面が固化し結晶成長が行えない
という問題を生じる。
【0012】また、引上げ中にArガス流量を極端に変化
させてArガスの流速を調節すると、溶融液の温度変化が
大きくなり、無転位単結晶が得られないという問題もあ
る。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】従来の方法は、前記の
ように低酸素濃度のレベル(例えば、11.5〜13.5×1017
atoms/cm3 ) であって、均一な酸素濃度分布を示す単結
晶が製造できないという問題を有していた。
【0014】本発明は、この問題に鑑み、低酸素濃度の
レベルであっても、均一な酸素濃度分布を示す単結晶の
引上げが可能となる製造方法を提供することを目的とす
る。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記の単結晶
の製造方法を要旨とする。
【0016】単結晶の引上げ域の周囲に輻射スクリーン
を配設して単結晶を製造する方法において、単結晶の引
上げ初期段階には引上炉内を低圧力雰囲気にするととも
に坩堝の回転を低速にして、単結晶の引上げの進行に応
じて引上炉内の圧力を高めて行き、引上炉内が所定の高
圧力雰囲気に到達した後、坩堝の回転を増加させて行く
ことを特徴とする単結晶の製造方法。
【0017】上記の低圧力雰囲気における初期設定の引
上炉内圧力は5〜10Torrとし、高圧力雰囲気における引
上炉内圧力は25〜40Torrとするのが好ましい。
【0018】さらに、単結晶の引上げ初期段階には坩堝
の回転を0〜5rpm の低速にして、引上炉内が所定の高
圧力雰囲気に到達した後、坩堝の回転を6〜20rpm の範
囲に増加させることが好ましい。
【0019】
【作用】図1は、本発明にかかる単結晶の製造方法の特
徴を示す引上炉内圧力と坩堝回転との関係の一例を説明
する図である。図1に示すように、本発明においては、
単結晶中の酸素濃度を低酸素レベル(例えば、11.5〜1
3.5×1017atoms/cm3 ) で均一に成長させるため、単結
晶の引上げ域の周囲に輻射スクリーンを配設して単結晶
を製造する方法において、単結晶の引上げ初期段階で
は、引上炉内圧力を低圧力にするとともに坩堝の回転を
低速にする。その後、単結晶の引上げの進行に応じて引
上炉内の圧力を高めて行き、炉内圧力が所定の高圧力に
到達した後、坩堝の回転を増加させて行くことを特徴と
している。ここで、単結晶の引上げ初期段階とは、単結
晶の上端にショルダー(肩)を形成後、一定径の直胴部
を有する単結晶の引上げを開始して炉内圧力が所定の高
圧力に到達するまでをいう。
【0020】単結晶の引上げ初期段階において、引上炉
内圧力を低圧力にすることとしているのは、次の理由に
よる。すなわち、引上炉内の圧力を低圧力に保持するこ
とによって、溶融液の表面上の SiO分圧が平衡分圧より
低い状態となり、シリコン溶融液表面から蒸発する SiO
の蒸発量が増大し、シリコン融液中の酸素量が減少す
る。また、シリコン溶融液の表面上を通過するArガスの
流速を速めて、表面からの SiO蒸発を促進する。
【0021】引上炉内におけるArガスの流速Vgは、ガ
ス供給圧力Pg、ガス流量Qgおよびガス通過空間断面
積Agの影響を受けるとともに炉内圧力Pfに依存し、
次の(1)式によって表される。
【0022】 Vg=(Qg/Ag)×(Pg/Pf) ・・・(1) したがって、ガス供給圧力Pg、ガス流量Qgおよびガ
ス通過空間断面積Ag(輻射スクリーン下端とシリコン
融液表面とで形成する断面積)が一定の条件のもとで炉
内圧力Pfを小さくすると、輻射スクリーン下端とシリ
コン融液表面との間を流れるArガスの流速が速められ、
シリコン溶融液の表面から蒸発する SiOが一層増加し、
シリコン融液中の酸素量を著しく減少させることができ
る。
【0023】同時に、単結晶の引上げ初期段階において
は、坩堝の回転を低速回転にする必要がある。これは、
石英坩堝からシリコン融液への酸素溶け込み量を少なく
するためである。このように引上炉内を低圧力雰囲気に
すると同時に坩堝の回転を低速にすることによって、こ
れらの作用が相まって、単結晶の直胴部の引上げ初期に
おいても、直ちに単結晶中の酸素濃度を低酸素レベルに
することができる。
【0024】その後、引上げの進行とともに坩堝内の溶
融液が少なくなり、溶融液と石英坩堝との接触面積が小
さくなり溶けだす酸素量が減少してくる。そこで、溶融
液内の酸素濃度の低下を防止するため、単結晶の成長に
応じて引上炉内の圧力を高めて、Arガスの流速Vgを遅
くすること、または坩堝の回転を速くして、石英坩堝と
シリコン溶融液との相対速度を高めることが必要とな
る。しかし、坩堝の回転を速くするには、引上炉内を所
定の高圧力雰囲気に保持することが前提となる。
【0025】引上炉内が所定の圧力に達しない状態で坩
堝の回転を速くすると、引上げられた単結晶のテイル側
で酸素濃度が一層低下するという現象が発生する。これ
は、単結晶中の酸素濃度の調整にあたって、坩堝の回転
を速くすることによる溶融液内の酸素濃度の上昇より
も、引上炉内の低圧力雰囲気に伴うシリコン溶融液から
の SiO蒸発の方が大きいからである。すなわち、坩堝の
回転を速めることによって、シリコン溶融液中の強制対
流が増強されるが、低圧力雰囲気によって速められたAr
ガスの流れの影響を受けて極低酸素化したシリコン溶融
液の表面層がより多く結晶成長界面に運ばれて、得られ
る単結晶中の酸素濃度が低下するのである。このため、
坩堝回転の増加は、引上炉内が所定の高圧力雰囲気に到
達した後に行わなければならない。さらにArガスの流速
を一定値以下に制限するのが好ましい。
【0026】本発明において、単結晶の引上げ初期段階
の低圧力雰囲気における初期設定の引上炉内圧力を5〜
10Torrとするのが好ましい。炉内圧力が5Torr未満であ
ると、輻射スクリーンと融液表面との間を流れるArガス
の流速が速くなりすぎて、溶融液表面が振動し無転位の
単結晶が引上げられない。一方、引上げ初期段階で10To
rrを超えると、溶融液表面からの SiOの蒸発量が少なく
なり、所定の低酸素濃度レベルの単結晶を得るための製
品歩留が悪化する。
【0027】また、高圧力雰囲気における引上炉内圧力
は25〜40Torrとするのが好ましい。
【0028】炉内圧力が25Torr未満の場合には、坩堝回
転を増加しても引上げ方向に均一な酸素濃度分布を示す
単結晶が得られない。炉内圧力が40Torrを超す場合に
は、単結晶中の酸素濃度が低レベルにならない。
【0029】なお、低圧力雰囲気における初期設定の炉
内圧力から高圧力雰囲気における炉内圧力に至るまでの
圧力調整は、シリコン溶融液に急激な温度変化を与えな
いように留意して行われる。
【0030】坩堝の回転は、単結晶の引上げ初期段階に
おいて0〜5rpm の低速にするのが好ましい。坩堝の回
転数が5rpm を超えると、坩堝から溶融液への酸素の溶
け込み量が多くなりすぎて、単結晶中の酸素濃度が低レ
ベルにならないからである。
【0031】また、坩堝の回転数が5rpm を大幅に超え
る場合には、逆に酸素濃度が下がり過ぎるという不安定
な状態が生じることもある。
【0032】炉内圧力が高圧力雰囲気に到達した後、単
結晶の引上げの進行に応じて坩堝の回転数を6〜20rpm
の範囲に増加させるのが好ましい。このとき、坩堝の回
転数が6rpm 未満では、坩堝から溶融液への酸素の溶け
込み量が不足し、単結晶中の酸素濃度が低下しすぎて、
所定の酸素濃度レベルが得られない。一方、坩堝の回転
数が20rpm を超える場合には、坩堝から溶融液への酸素
の溶け込み量が多くなりすぎて、単結晶のテイル側の酸
素濃度が低酸素濃度レベルに達しなくなる。
【0033】本発明において、単結晶の引上げ中に引上
炉内に供給されるArガスの供給圧力および流量は一定と
するのが良い。そうすると、輻射スクリーンの下端と溶
融液の表面との間を流れるArの流速は炉内圧力によって
調整される。発明者らの検討結果によれば、本発明で規
定する圧力変動の範囲内であって、輻射スクリーンの下
端と溶融液の表面との間隔を30mm以下とする場合には、
供給されるArガスの供給流量を45リットル/min以下にす
れば、単結晶の引上中、溶融液に温度変化を与えること
がなく、溶融液表面の固化を回避できて、無転位単結晶
を得ることができる。また、引上げ炉内に供給されるAr
ガス流量も少量となるので、経済的に単結晶を製造する
ことができる。
【0034】なお、本発明の製造方法で得られた単結晶
は、均一な低酸素濃度の単結晶が得られるだけではな
く、単結晶中の不純物(例えば、炭素) を低減すること
ができる。これは、単結晶の引上げ初期段階においてAr
ガスの流速が速いために、炭素の混入を積極的に防止で
きて、その後の炭素等の不純物量の溶け込みを抑制して
いるからである。
【0035】
【実施例】以下、本発明の効果を、単結晶の全長にわた
る酸素濃度の分布状況の調査(実施例1)および種々の
製造条件を変化させた場合の製品歩留の調査(実施例
2)の結果に基づいて説明する。
【0036】図2は、本発明の単結晶の製造方法を実施
するための製造装置の構造例を説明する縦断面図であ
る。引上炉1の内部には保温筒4が設けられ、これらの
中心部には坩堝2が配設され、坩堝2の外周であって保
温壁4との間にはヒーター3が同心状に配される。坩堝
2は石英容器2aと黒鉛容器2bとで構成され、その下底部
中央を坩堝昇降軸10で支持されて、坩堝2の上方には下
端に種結晶6を固定した引上軸7が垂直に配設されてい
る。そして坩堝2内の溶融液5の表面上方には、単結晶
8を囲続するように逆円錐筒形の輻射スクリーン9が設
けられている。
【0037】さらに図示する製造装置には、輻射スクリ
ーン9内に供給するArガスの流量を調整するマスフロー
コントローラ11、炉内圧力を調整する圧力コントローラ
12およびシリコン溶融液の表面位置を検出する手段13が
設置されている。制御盤14にはマスフローコントローラ
11、圧力コントローラ12および坩堝2の回転や昇降位置
等を調整する自動制御回路(図示せず)を備えられてお
り、マスフロコントローラ11、圧力コントローラ12およ
び溶融液の表面位置検出手段13等からの各出力値をコン
ピュータ15に送信し、コンピュータ15の指令に基づき、
炉内圧力および坩堝の回転が調整される。
【0038】(実施例1)図2に示す製造装置を用いて
本発明例と比較例とにより単結晶を製造し、引上げ方向
の全長にわたる酸素濃度分布を比較した。製造した単結
晶は、いずれも外径は 204mmで、引上げ長さは 750mmと
して、本発明例では図1に示す製造条件を採用し、比較
例では炉内圧力を30Torr一定で、引上げの進行に応じて
坩堝の回転数を4rpm から6rpm まで増加させた。ま
た、Arガスの流量は、いずれも30リットル/minとしてい
る。
【0039】図3は、本発明例における引上げ方向の酸
素濃度分布を示しているが、単結晶引上げ直後(直胴部
の先端)から所望の低酸素レベル(11.5〜13.5×1017at
oms/cm3 ) に達しており、さらに引上げ方向の全長にわ
たって均一であることが明らかである。
【0040】図4は、比較例における引上げ方向の酸素
濃度分布を示しているが、低酸素レベルを満足するのは
単結晶のトップ側から約 270mm引上げた部分からであ
り、製品単結晶として使用できる範囲が少なく、製品歩
留が悪いことが分かる。
【0041】さらに単結晶中の炭素濃度も測定したが、
比較例では炭素濃度は平均で0.53×1016atoms/cm3 であ
ったのに対し、本発明例では平均で0.15×1016atoms/cm
3 であった。
【0042】(実施例2)図2に示す製造装置を用い
て、炉内圧力、坩堝の回転等の製造条件を変化させたと
きの低酸素レベル(11.5〜13.5×1017atoms/cm3 ) を満
足する単結晶の製品歩留を調査した。本発明例と比較例
の製造条件および調査結果を表1に示す。
【0043】
【表1】
【0044】表1から明らかなように、比較例に比べ、
いずれの本発明例でも低酸素レベルを満足する製品歩留
が良好となっている。本発明例のうち、引上初期の炉内
圧力が5〜10Torr、引上後期の炉内圧力が25〜40Torrま
たは引上初期の坩堝回転が0〜5rpm 、引上後期の坩堝
回転が6〜20rpm の範囲を外れるNo1、No4およびNo8
は、他の本発明例に比べ製品歩留が若干低下している。
【0045】
【発明の効果】本発明によれば、従来は製造が困難であ
った低酸素レベルで、かつ引上げ方向の酸素濃度分布が
均一な単結晶を容易に製造することができる。これによ
って低酸素レベルの単結晶の製品歩留を大幅に向上させ
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる単結晶の製造方法の特徴を示す
引上炉内圧力と坩堝回転との関係の一例を説明する図で
ある。
【図2】本発明の単結晶の製造方法を実施するための製
造装置の構造例を説明する縦断面図である。
【図3】本発明例における単結晶の引上げ方向の酸素濃
度分布を示す図である。
【図4】比較例における単結晶の引上げ方向の酸素濃度
分布を示す図である。
【符号の説明】
1…引上炉、 2…坩堝、 2a…石英製容器、 2b…黒
鉛製容器 3…加熱ヒーター、 4…保温筒、 5…溶融液、 6
…種結晶 7…引上軸、 8…単結晶、 9…輻射スクリーン(輻
射熱遮断スクリーン) 10…坩堝昇降軸、 11…マスフローコントローラ、 12
…圧力コントローラ 13…溶融液表面の位置検出手段、 14…制御盤、 15…
コンピュータ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】単結晶の引上げ域の周囲に輻射熱遮断スク
    リーンを配設して単結晶を製造する方法において、単結
    晶の引上げ初期段階には引上炉内を低圧力雰囲気にする
    とともに坩堝の回転を低速にして、単結晶の引上げの進
    行に応じて引上炉内の圧力を高めて行き、引上炉内が所
    定の高圧力雰囲気に到達した後、坩堝の回転を増加させ
    て行くことを特徴とする単結晶の製造方法。
  2. 【請求項2】前記の低圧力雰囲気における初期設定の引
    上炉内圧力が5〜10Torrであり、前記の高圧力雰囲気に
    おける引上炉内圧力が25〜40Torrであることを特徴とす
    る請求項1記載の単結晶の製造方法。
  3. 【請求項3】単結晶の引上げ初期段階には坩堝の回転を
    0〜5rpm の低速にして、引上炉内を所定の高圧力雰囲
    気に保持した後、坩堝の回転を6〜20rpm の範囲に増加
    させて行くことを特徴とする請求項1または請求項2記
    載の単結晶の製造方法。
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US5942032A (en) * 1997-08-01 1999-08-24 Memc Electronic Materials, Inc. Heat shield assembly and method of growing vacancy rich single crystal silicon
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