JPH06183840A - 窒化珪素−炭化珪素系反応焼結体 - Google Patents
窒化珪素−炭化珪素系反応焼結体Info
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- JPH06183840A JPH06183840A JP4356291A JP35629192A JPH06183840A JP H06183840 A JPH06183840 A JP H06183840A JP 4356291 A JP4356291 A JP 4356291A JP 35629192 A JP35629192 A JP 35629192A JP H06183840 A JPH06183840 A JP H06183840A
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Abstract
に高温強度に優れる窒化珪素−炭化珪素系反応焼結体を
提供する。 【構成】 5〜40重量部の炭化珪素粉末と残部を占め
るシリコン粉末とからなる配合粉末100重量部に対し
て、周期律表Va及びVIa族元素化合物のうちの1種
以上よりなる焼結助剤を0.3〜10重量部の割合にて
添加し混合し、その後これらの原料混合粉末を所定形状
に成形し、更に窒化雰囲気中で反応焼結させて製造さ
れ、気孔率が30%以下であることを特徴とする。ま
た、上記炭化珪素粉末の平均粒径は20μm以下とする
のが好ましい。更に、この窒化珪素−炭化珪素系反応焼
結体の室温下における曲げ強度は300MPa以上、1
400℃における曲げ強度は400MPa以上とするこ
とができる。
Description
反応焼結体に関し、更に、詳しく言えば、常温、高温を
問わず、優れた強度を有し、特に高温下において優れた
強度を有する窒化珪素−炭化珪素系反応焼結体に関する
ものである。
た高温で高強度が求められる構造部材用セラミックスと
して、窒化珪素や炭化珪素が有望であることが知られて
いる。また、特開昭62−223065号公報等に見ら
れるように両者を複合させてより高強度化を狙った複合
材料も開発されている。更に、この複合材料の中にも、
比較的多量の焼結助剤を添加し焼結させて得られる緻
密体と、シリコンを窒化雰囲気中で窒化させて得られ
る窒化珪素結合体、即ち、反応焼結窒化珪素と呼ばれる
ポーラス体とがある。
体では、助剤の添加量が多いため、高温での強度劣化が
大きく、高温強度は十分とはいえない。一方、上記の
ポーラス体は、上記の緻密体に比べ助剤の添加量が、
ごく僅かであるため高温での強度劣化は少ないが、もと
もと常温強度レベルが150〜300MPaと低く、十
分な常温及び高温強度を有するとはいえない。
り、常温及び高温を通じて十分な強度を有し、特に高温
強度に優れる窒化珪素−炭化珪素系反応焼結体を提供す
ることを目的とする。
炭化珪素系反応焼結体(以下、「焼結体」という。)
は、5〜40重量部(以下、「部」という。)の炭化珪
素粉末と残部を占めるシリコン粉末とからなる配合粉末
100重量部に対して、周期律表Va及びVIa族元素
化合物のうちの1種以上よりなる焼結助剤を0.3〜1
0重量部の割合にて添加し混合し、その後、これらの原
料混合粉末を所定形状に成形し、更に、窒化雰囲気中で
反応焼結させて製造され、気孔率が30%以下であるこ
とを特徴とする。
の混合割合を定めるのは、炭化珪素粉末の添加量が5部
未満では、炭化珪素粉末を添加した効果がなく(強度の
向上を殆ど期待できず)、40部を越える場合には、添
加した炭化珪素同志の接触部分が多く現れ、これが破壊
起源となる様な欠陥となり焼結体の強度の低下を招くか
らである。尚、上記混合割合のうちで、特に好ましいの
は、炭化珪素粉末の添加量が10〜30部の場合であ
る。また、この炭化珪素粉末の平均粒径は、本第2発明
に示す様に、20μm以下であるのが好ましい。20μ
mを越える大きな粒径の場合には、破壊起源となる様な
欠陥を作り易くなり、焼結体の強度低下を招くからであ
る。尚、この炭化珪素粉末を構成する炭化珪素の結晶構
造は、α型でもβ型でもよい。一方、上記「シリコン粉
末」の粒径は、窒化に要する時間の短縮化のためには、
10μm以下とするのが望ましいが、これに限るもので
はない。
て、Va及びVIa族元素化合物のうちの1種以上を用
いるのは、これらの化合物がシリコンの窒化を促進する
と同時に、炭化珪素との組合せで焼結体の高温強度の向
上を果たすからである。また、この助剤量を上記の様に
設定したのは、0.3部未満では助剤を添加する効果が
なく、10部を越えると焼結体の高温強度の低下を招く
ためである。更に、焼結体の気孔率を30%以下とした
のは、30%を越える気孔率の場合には焼結体の強度が
低下するからである。また、本第3発明に示す様に、室
温下における曲げ強度を300MPa以上、1400℃
における曲げ強度が400MPa以上であるのが好まし
い。高温構造部材として使用するには、上記各温度下
で、この程度の強度を有するのが好ましいと共に、この
様に、常温強度よりも高温強度が大きい場合には、高温
構造部材として、信頼性が高くなると同時にその用途が
広がるからである。
粉末とシリコン粉末からなる原料混合粉末に、適量のV
a族元素化合物等からなる焼結助剤を添加した後、所定
形状に成形し、更に窒化雰囲気中で反応焼結させて製造
され、気孔率が30%以下に抑えられる。この様に、原
料混合粉末の組成、焼結助剤の種類と添加量、焼結体の
気孔率を制御することにより、焼結体の強度劣化の大き
な要因が除去され、本発明により提供される焼結体の常
温から高温までの強度が高くなると共に、高温下では常
温下よりも更に強度が向上する。また、上記炭化珪素粉
末の平均粒径を20μm以下とすることにより、焼結体
の強度(例えば、室温下における曲げ強度が300MP
a以上、1400℃における曲げ強度が450MPa以
上)を優れたものとすることができる。
る。 実施例1 本実施例は、シリコン粉末と炭化珪素との配合割合(以
下、混合割合という。)が、焼結体の強度に与える影響
を調べたものである。先ず、表1に示す様な割合で、シ
リコン粉末(平均粒径;3μm、純度;99.8%)と
炭化珪素(β型、平均粒径;0.3μm)とを配合し、
次いで、この各混合粉末100部に対して、酸化第2ク
ロム(純度;99%)を1.0部の割合にて添加して、
試験品No.1〜8の原料混合粉末を得た。この各混合
粉末を窒化珪素製のポット及び球石を用い、アセトン
(試薬特級)による湿式粉砕混合を40時間行い、更に
乾燥して混合微粉末(平均粒径;約2μm)を得た。
成形型に収納し、50MPaの圧力で一軸プレスを行
い、四角板形状の仮成形体(6mm×50mm×60m
m)とした。次いで、各仮成形体を窒素中、600℃の
下で脱脂した後、392MPaの圧力で静水圧プレスを
施して成形体とした。更に、これらの成形体を、窒素と
水素の混合気流(その混合容積比;窒素/水素=9/
1)中で、最高温度1450℃の下、加熱処理を行い試
験品No.1〜8の焼結体を得た。そして、各焼結体の
室温及び1400℃(高温)に於ける強度を測定した。
その結果を表1に示す。
験片(3mm×4mm×36mm)を切り出し、JIS
R1601の4点曲げ試験法に準じて測定した曲げ強
度である。以上の結果によれば、炭化珪素粉末を用いな
かった試験品No.1の焼結体と、過剰(40部を越え
る炭化珪素粉末)の炭化珪素粉末を用いた試験品No.
7及び8の焼結体においては、室温強度、高温強度とも
に、低い値を示した。一方、適量(5〜40部)の炭化
珪素粉末を用いた試験品No.2〜6においては、室温
強度、高温強度ともに、高い値(上記試験品No.1、
7及び8の1.5〜2倍程度)を示した。また、これら
の焼結体では、いずれも室温強度よりも高温強度の方
が、更に高い値を示した。尚、炭化珪素粉の添加量が1
0〜30部の試験品No.3〜5の焼結体では、常温で
400MPa以上、高温で560MPa以上の特に高い
値を示した。
である。上記試験品No.3の混合粉末と同様な混合粉
末を用い、静水圧プレス時の圧力を29.4MPa〜7
84MPaの範囲内で、適宜選択することにより、表2
に示す様な気孔率の異なる試験品No.11〜16の焼
結体を作成した。尚、これらの焼結体の気孔率はアルキ
メデス法により測定した全気孔率である。また、これら
の焼結体は、静水圧プレス時の圧力が異なること以外
は、上記試験品No.3の焼結体と同様な方法により作
成した。以上の各焼結体の室温及高温強度を、実施例1
と同様の方法で測定した。その結果を表2に示す。
える試験品No.15及び16の焼結体においては、室
温強度、高温強度ともに、低い値を示した。特に、気孔
率が40%の試験品No.16では、室温強度、高温強
度ともに、130MPaと低い値を示し、高温構造部材
としての使用に耐えられない。一方、気孔率が30%以
下の試験品No.11〜14の焼結体では、室温強度、
高温強度ともに、高い値を示した。特に、気孔率を低く
抑えた試験例11及び12では、常温強度が430以
上、高温強度が580以上と良好な値を示した。
強度の関係を調べたものである。原料混合粉末が、表3
に示す様なシリコン粉末と炭化珪素の混合割合を有し、
且つ、該混合粉末中の炭化珪素が同表に示す平均粒径を
有するα−炭化珪素若しくはβ炭化珪素であること以外
は、実施例1と同様の方法により試験品No.21〜3
0の焼結体を作成した。以上の各焼結体の室温及高温強
度を、実施例1と同様の方法で測定した。その結果を表
3に示す。
が大きい試験品No.28〜30の焼結体においては、
室温強度、高温強度ともに、低い値を示した。一方、平
均粒径が20μm以下の炭化珪素を用いた試験品No.
21〜27の焼結体においては、室温強度、高温強度と
もに、良好な値を示した。
調べたものである。表4に示す焼結助剤〔V2 O5 、N
b2 O3 、Ta2 O3 、Cr2 O3 、MoO3 、WO3
のうちの1種又は2種(但し、各純度は99%以上であ
る)〕を、同表の括弧内に示す量だけ用いたこと以外
は、試験品No.3の焼結体と同様な方法により試験品
No.31〜43の焼結体を作成した。尚、この括弧内
の数値は、シリコン粉末と炭化珪素からなる原料混合粉
末100部に対する焼結助剤の添加量(部)である。以
上の各焼結体の室温及高温強度を、実施例1と同様の方
法で測定した。その結果を表4に示す。
多い試験品No.42及び添加量の少ない試験品No.
43においては、室温強度、高温強度ともに、低い値を
示した。一方、適量の焼結助剤が添加された試験品N
o.31〜41においては、室温強度、高温強度とも
に、良好な値を示した。尚、本発明においては、前記具
体的実施例に示すものに限られず、目的、用途に応じて
本発明の範囲内で種々変更した実施例とすることができ
る。
素系反応焼結体は、常温から高温まで高い強度を有する
と共に、高温下では常温下よりも更に強度が向上する。
従って、高温構造部材として、信頼性が高くなると同時
にその用途が広がる。
Claims (3)
- 【請求項1】 5〜40重量部の炭化珪素粉末と残部を
占めるシリコン粉末とからなる配合粉末100重量部に
対して、周期律表Va及びVIa族元素化合物のうちの
1種以上よりなる焼結助剤を0.3〜10重量部の割合
にて添加し混合し、その後、これらの原料混合粉末を所
定形状に成形し、更に、窒化雰囲気中で反応焼結させて
製造され、気孔率が30%以下であることを特徴とする
窒化珪素−炭化珪素系反応焼結体。 - 【請求項2】 上記炭化珪素粉末の平均粒径は20μm
以下である請求項1記載の窒化珪素−炭化珪素系反応焼
結体。 - 【請求項3】 室温下における曲げ強度が300MPa
以上、1400℃における曲げ強度が400MPa以上
である請求項1又は2記載の窒化珪素−炭化珪素系反応
焼結体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4356291A JPH06183840A (ja) | 1992-12-21 | 1992-12-21 | 窒化珪素−炭化珪素系反応焼結体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4356291A JPH06183840A (ja) | 1992-12-21 | 1992-12-21 | 窒化珪素−炭化珪素系反応焼結体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06183840A true JPH06183840A (ja) | 1994-07-05 |
Family
ID=18448300
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4356291A Pending JPH06183840A (ja) | 1992-12-21 | 1992-12-21 | 窒化珪素−炭化珪素系反応焼結体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06183840A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008024531A (ja) * | 2006-07-18 | 2008-02-07 | National Institute Of Advanced Industrial & Technology | セラミック構造体及びその製造方法 |
CN110590370A (zh) * | 2019-09-19 | 2019-12-20 | 保定亿嘉特种陶瓷制造有限公司 | 一种特种陶瓷水泵过流件的制造工艺 |
-
1992
- 1992-12-21 JP JP4356291A patent/JPH06183840A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008024531A (ja) * | 2006-07-18 | 2008-02-07 | National Institute Of Advanced Industrial & Technology | セラミック構造体及びその製造方法 |
JP4714816B2 (ja) * | 2006-07-18 | 2011-06-29 | 独立行政法人産業技術総合研究所 | セラミック構造体及びその製造方法 |
CN110590370A (zh) * | 2019-09-19 | 2019-12-20 | 保定亿嘉特种陶瓷制造有限公司 | 一种特种陶瓷水泵过流件的制造工艺 |
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