JPH06181422A - 適応信号処理装置 - Google Patents

適応信号処理装置

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JPH06181422A
JPH06181422A JP35354292A JP35354292A JPH06181422A JP H06181422 A JPH06181422 A JP H06181422A JP 35354292 A JP35354292 A JP 35354292A JP 35354292 A JP35354292 A JP 35354292A JP H06181422 A JPH06181422 A JP H06181422A
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JP
Japan
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signal
circuit
adaptive
filter circuit
adaptive filter
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JP35354292A
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English (en)
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Takayuki Mizuuchi
崇行 水内
Toru Sasaki
徹 佐々木
Hitoshi Okubo
仁 大久保
Kaoru Gyotoku
薫 行徳
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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  • Cable Transmission Systems, Equalization Of Radio And Reduction Of Echo (AREA)
  • Filters That Use Time-Delay Elements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 等価的に周波数ごとの低減処理能力に自由に
重み付けをできるようにして、目的に合わせた信号処理
を可能にする。 【構成】 主要入力信号中の低減対象信号と相関が強い
参照入力信号から前記低減対象信号に近似する信号を得
る適応フィルタ回路24と、前記主要入力信号から、適
応フィルタ回路24の出力信号を減算する合成回路15
とを備える。合成回路15の出力誤差信号が、その周波
数特性を制御する回路17、19あるいは31を介し
て、適応フィルタ回路24にフィードバックされる。適
応フィルタ回路24では、合成回路15の出力誤差信号
のパワーが最小になるように適応処理を行なう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、主要入力信号中から
低減対象信号のみを適応的に低減するようにする適応信
号処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から雑音等の低減対象信号のみを適
応的に低減する適応信号処理装置として、図8に示すよ
うな適応型雑音低減装置が知られている。図8におい
て、1は主要入力端子、2は参照入力端子であって、主
要入力端子1を通じて入力された信号は遅延回路3を介
して合成回路4に供給される。また、参照入力端子2を
通じて入力された信号は、適応フィルタ回路5を介して
合成回路4に供給され、遅延回路3からの信号から減算
される。この合成回路4の出力は、適応フィルタ回路5
にフィードバックされると共に、出力端子6に導出され
る。
【0003】この雑音低減装置においては、主要入力端
子1には、希望信号sと、これと無相関の雑音信号(低
減対象信号)n0 との混合信号が入力される。一方、参
照入力端子2には、希望信号とは無相関であるが、低減
対象の雑音信号n0 とは相関がある雑音信号n1 が入力
される。
【0004】適応フィルタ回路5は、参照入力雑音信号
n1 をフィルタリングして、雑音信号n0 に近似する信
号yを出力する。この適応フィルタ回路5の出力信号y
として、雑音信号n0 と逆相、等振幅の信号を得るよう
にすることもできる。遅延回路3は、適応フィルタ回路
5での処理時間を考慮して、減算処理する信号の時間合
わせをするためのものである。
【0005】適応フィルタ回路5における適応のアルゴ
リズムは、合成回路4の出力である減算出力(残差出
力)eを最小にするように働く。すなわち、今、s,n
0 ,n1 ,yが統計的に定常であり、平均値が0である
と仮定すると残差出力eは、 e=s+n0 −y となる。これを二乗したものの期待値は、sがn0 と、
また、yと無相関であるから、 E[e2 ]=E[s2 ]+E[(n0 −y)2 ]+2E
[s(n0 −y)] =E[s2 ]+E[(n0 −y)2 ] となる。適応フィルタ回路5が収束するものとすれば、
適応フィルタ回路5は、E[e2 ]が最小になるように
調整されるものである。このとき、E[s2 ]は影響を
受けないので、 Emin [e2 ]=E[s2 ]+Emin [(n0 −
y)2 ] となる。すなわち、E[e2 ]が最小化されることによ
ってE[(n0 −y)2]が最小化され、適応フィルタ
回路5の出力yは、雑音信号n0 の推定量になる。そし
て、合成回路4からの出力の期待値は、希望信号sのみ
となる。すなわち、適応フィルタ回路5を調整して全出
力パワーを最小化することは、減算出力eが、希望音声
信号sの最小二乗推定値になることに等しい。
【0006】なお、適応フィルタ回路5はアナログ信号
処理回路で実現する場合とデジタル信号処理回路で実現
する場合の、いずれでも可能である。適応フィルタ回路
5を、デジタルフィルタを用いて実現した場合の例を図
9に示す。この例は、適応のアルゴリズムとして、いわ
ゆるLMS(最小平均自乗)法を使用する。
【0007】図9に示すように、この例では、FIRフ
ィルタ型の適応線形結合器300を使用する。これは、
それぞれ単位サンプリング時間の遅延時間Z-1を有する
複数個の遅延回路DL1,DL2,……DLm(mは正
の整数)と、入力雑音n1 及び各遅延回路DL1,DL
2,……DLmの出力信号と加重係数との掛け算を行う
加重回路MX0,MX1,MX2,……MXmと、加重
回路MX0〜MXmの出力を加算する加算回路310を
備える。加算回路310の出力はyである。
【0008】加重回路MX0〜MXmに供給する加重係
数は、例えばマイクロコンピュータからなるLMS演算
回路320で、合成回路4からの残差信号eに基づいて
形成される。このLMS演算回路320で実行されるア
ルゴリズムは、次のようになる。
【0009】今、時刻k における入力ベクトルXk を、
図9にも示すように、 Xk =[x0k1k2k ・・・xmkT とし、出力をyk 、加重係数をwjk(j=0,1,2,…m )と
すると、入出力の関係は、次の数1に示すように、
【0010】
【数1】 となる。
【0011】そして、時刻k における加重ベクトルWk
を、 Wk =[w0k1k2k ・・・wmkT と定義すれば、入出力関係は、 yk =Xk T ・Wk で与えられる。ここで、希望の応答をdk とすれば、残
差ek は次のように表される。 ek =dk −yk =dk −Xk T ・Wk LMS法では、加重ベクトルの更新を、 Wk+1 =Wk +2μ・ek ・Xk … (a) なる式(a)により順次行っていく。ここで、μは適応
の速度と安定性を決める利得因子(ステップゲイン)で
ある。
【0012】合成回路4が音響合成手段となる場合もあ
る。すなわち、適応フィルタ回路5で、雑音と逆相、等
振幅の雑音打ち消し音声信号−y形成し、これをスピー
カなどに供給して、主要音声に音響的に加算して雑音低
減する構成とする。この場合の残差eは、残差検出用マ
イクロホンで収音することなる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】ところで、発明者等
は、この種の適応アルゴリズムを使用した適応型雑音低
減装置において、雑音信号に含まれる複数の周波数成分
のスペクトラムレベルに差があると、各周波数成分毎に
雑音低減量が異なり、スペクトラムレベルの低い周波数
成分ほど低減効果が低い現象を確認した。すなわち、発
明者等は、雑音信号として例えば130Hz、140H
zの等レベルの正弦波に、僅かなレベルの例えば270
Hzの正弦波を加えたものを使用し、これを主要入力と
参照入力に加えて適応雑音低減の実験を行ったところ、
前2音は十分に低減されたが、270Hzの正弦波はほ
とんど残ってしまう結果を得た。
【0014】この現象の原因は、適応雑音低減装置にお
いては、残差出力パワーが最小になるように適応アルゴ
リズムが働くもので、一般的に、参照入力信号の主要な
スペクトルを主体に雑音低減する性質があることによる
と考えられる。
【0015】すなわち、例えばLMS適応アルゴリズム
は、前述した式(a)にしたがってFIRデジタルフィ
ルタの係数ベクトルWk を更新している。ある時点での
係数ベクトルWk を修正するベクトルが、式(a)の右
辺の第2項であるが、ステップゲインμと瞬時誤差ek
とはスカラー値で、ともに修正値を直接左右する。同じ
く参照入力ベクトルXk も積の形で働くので、これも修
正値を左右する。平均的な収束の時定数τa は、 τa =(n+1)/4μ・trE〔Xi j T 〕 で表される。ここで、nはベクトルの次数(FIRフィ
ルタのタップ数でその次数が規定される参照入力ベクト
ルの次数)、trE〔Xi j T 〕は参照入力の平均パワ
ーである。つまり、FIRフィルタのタップ数が大きい
ほど収束速度は遅くなり、ステップゲインμや参照入力
の平均パワーが大きいほど収束速度が速くなる。
【0016】以上のことから、雑音信号があるスペクト
ル分布をしている場合、つまり、白色雑音のように一様
な分布をしていない場合、その平均パワーが大きい周波
数成分ほど収束速度が速く、結果的にキャンセル量が大
きくなると考えられる。これは、参照入力信号の性質に
よっては、当てはまらないケースもある。定常的な信号
の場合、収束速度が速いと最終的な残留雑音レベルが大
きく、逆に収束が緩慢であると最終的な雑音レベルが小
さくなる。しかし、対象とする信号が音声のように変動
する場合には、収束しきる前にその性質が変化してしま
うため、ある程度収束速度が速い方がキャンセル量が大
きくなる。
【0017】このように、低減対象信号に含まれる各周
波数成分のスペクトラムレベルに差があると、スペクト
ラムレベルが大きいものから順に低減され、スペクトラ
ムレベルの小さいものは、収束しきる前に信号の変化が
あるため、残留してしまうと考えられ、これが低減量の
低下となる。
【0018】このため、目的とする低減対象の信号成分
が十分に低減されなくなるおそれがある。また、例え
ば、カメラ一体型VTRにおいて、被写体方向の音声の
みを収音できるように、被写体方向と逆側からの音声
(例えば撮影者の声)を、低減対象信号として低減除去
するようにする適応信号処理装置の場合には、人声は、
一般に低域側に大きいレベルが偏っているので、適応低
減された出力音声は、この低域側の成分についてのみ低
減対象信号が主として低減されてしまう。このため、出
力音声信号の周波数特性が元の状態から変化してしま
い、音色が変化した音声となってしまう欠点がある。
【0019】さらに、例えばカメラ一体型VTRにおい
ては、ズームレンズ駆動用のモータ音などのノイズが発
生し、これが収音マイクロホンにより収音されてしまう
ので、このノイズをも前述の適応処理の低減対象として
低減処理することが考えられる。しかしながら、このモ
ータノイズが比較的大きなレベルで収音される場合に
は、適応処理は、このモータノイズをもっぱら低減する
ように働くため、他の低減対象の不要音声が十分に低減
されてなくなるおそれがある。
【0020】この発明は、以上のような欠点を改善する
ことができる適応信号処理装置を提供することを目的と
する。
【0021】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するこの
発明による適応信号処理装置を、図1を参照して説明す
る。図1において、前述の例と対応する部分には、同一
符号を付す。
【0022】すなわち、この発明による適応信号処理装
置は、図1に示すように、入力端子1を通じて入力され
た主要入力信号(s+n0 )中の低減対象信号n0 と相
関が強い参照入力信号n1 から前記低減対象信号に近似
する信号を得る適応フィルタ回路5と、前記主要入力信
号から、適応フィルタ回路5の出力信号を減算する合成
回路4とを備える。
【0023】合成回路4の出力誤差信号eは、周波数特
性を制御する回路、例えばイコライザ回路7を介して適
応フィルタ回路5にフィードバックされる。適応フィル
タ回路5では、合成回路4の出力信号のパワーが最小に
なるように適応処理が行われる。
【0024】
【作用】上記の構成のこの発明によれば、イコライザ回
路7により誤差信号eにイコライザ特性が掛け合わされ
ることによって、誤差信号eのスペクトルの自己相関行
列の固有値を変更することができる。このことは、周波
数ごとの適応低減処理の収束速度を変化させることと実
質的に等価であり、周波数ごとの適応処理の重み付けが
できることになる。
【0025】したがって、イコライザ特性を、適宜、定
めることにより、主要入力に含まれる低減対象信号のみ
を適切に低減することができる。また、大レベルの周波
数成分であっても、適応処理による低減対象から容易に
外すことができる。
【0026】
【実施例】以下、この発明による適応信号処理装置の一
実施例を、カメラ一体型VTRにおいて、被写体方向か
らの音声のみを収音するようにすると共に、収音出力音
声の周波数特性の変化を防止するようにする音声入力装
置に適用した場合を例にとって、図を参照しながら説明
する。
【0027】図2は、この例の音声入力装置の一実施例
で、11は希望音声を収音するための主要入力用マイク
ロホン、21は低減対象として除去したい方向の不要音
声や周囲騒音を収音するための参照入力用マイクロホン
である。この例は、希望音声の到来方向は、主として、
図3において矢印ARで示すように、図上、上方から下
方に向かう方向(以下正面方向という)であり、この方
向と逆方向(以下背面方向という)からの不要音を低減
対象音声として収音しないようにする適応雑音低減型の
音声入力装置を実現する例である。
【0028】この例の場合には、主要入力用マイクロホ
ン11は、図3に示すような無指向性のマイクロホンで
構成される。一方、参照入力用マイクロホン21は、図
3に示すように、希望音声到来方向に感度が低く、背面
方向に感度が高い単一指向性のマイクロホンで構成され
る。
【0029】そして、主要入力用マイクロホン11によ
り収音され、電気信号に変換されて得られた音声信号
は、増幅器12を介してA/Dコンバータ13に供給さ
れて、デジタル信号に変換され、遅延回路14を介して
減算回路15に供給される。
【0030】また、参照入力用マイクロホン21により
収音され、電気信号に変換されて得られた音声信号は、
増幅器22を介してA/Dコンバータ23に供給され
て、デジタル信号に変換され、適応フィルタ回路24に
供給される。
【0031】この実施例では、適応フィルタ回路24
は、前述した図9に示すような、FIRフィルタ型の適
応線形結合器300と、この線形結合器300を適応制
御するLMS演算回路(マイクロコンピュータ)320
から構成され、A/Dコンバータ23からのデジタル信
号は、演算回路320に供給されると共に、線形結合器
300を介して減算回路15に供給される。
【0032】減算回路15の出力誤差信号は、デジタル
構成のハイパスフィルタ17を介して演算回路320に
帰還されると共に、D/Aコンバータ16によりアナロ
グ信号に戻され、出力端子18に導出される。
【0033】なお、遅延回路14は、適応フィルタ回路
24での伝播時間や適応処理のための演算に要する時間
遅れなどの時間遅延を補償するためのものである。
【0034】基本的には、適応フィルタ回路24では、
主要入力音声信号中に含まれる低減対象信号に、参照入
力音声信号が近似するように制御される。これにより、
主要入力用マイクロホン11で収音された音声中の希望
音声と低減対象信号とが無相関であるとすると、減算回
路15では、主要入力用マイクロホン11の音声信号か
ら、参照入力用マイクロホン21の低減対象音声信号が
減算されて除去される。
【0035】そして、減算回路15からの誤差信号は、
ハイパスフィルタ17を介して、その低域成分のレベル
が低くされて適応フィルタ回路24にフィードバックさ
れる。そして、前述したように、この適応フィルタ回路
24において、誤差信号と参照入力とに関連した前記式
(a)にしたがったデジタルフィルタの係数更新が行わ
れることにより、減算回路15の出力パワーが最小にな
るように適応処理がなされる。この結果、減算回路15
からは、希望音声信号のみが得られるようにされる。
【0036】すなわち、この実施例の構成は、主要入力
として主要入力用マイクロホン11の出力音声信号が供
給され、低減対象信号として参照入力用マイクロホン2
1の出力音声信号が供給された適応型雑音低減システム
の構成となっている。
【0037】そして、出力端子18には、この例では背
面方向からの不要音声信号が選択的に除去されて、結果
的には、希望音声信号だけが得られる。換言すれば、適
応型システムとして、超指向性が実現されたことにな
る。
【0038】ところで、前述したように、人声信号は、
低域側に大きいレベルを有するものであるので、減算回
路15の出力信号がそのまま適応フィルタ回路24にフ
ィードバックされた場合には、低減対象信号の低域成分
が主として低減されて、全ての周波数成分について均等
に低減対象信号の除去が行われない。
【0039】しかし、この例の場合には、減算回路15
の出力誤差信号は、ハイパスフィルタ17により低域成
分のレベルが低くされて、適応フィルタ回路24に供給
される。このため、総合的な特性としては、すべての周
波数帯域の成分に渡って、低減対象信号がほぼ均等に低
減され、出力端子18に得られる音声出力の音色が、元
のものと変わってしまうのを防止することができる。
【0040】次に、図4に、この発明の他の実施例を示
す。この例は、主要入力音声が男性の声と、女性の声と
が混合したものである場合に、この主要入力音声から女
性の音声のみを取り出すようにした場合の例である。
【0041】この例においても、前述のマイクロホン1
1及び21を使用する。そして、前述の希望音声方向A
Rより女性の声が到来し、これと逆方向から男性の声が
到来するものとする。この例の場合には、減算回路15
の出力誤差信号はローパスフィルタ19を介して適応フ
ィルタ回路24にフィードバックされる。
【0042】この例において、ローパスフィルタ19の
カットオフ周波数を変化させたとき、低減対象信号に対
して、図5に示すような低減量が一例として得られた。
すなわち、ローパスフィルタ19のカットオフ周波数が
3kHzのときには、低減量は、−15dB(図5では、
この値を低減比の基準の0dBとした)であった。これ
に対して、ローパスフィルタ19のカットオフ周波数を
下げて、750Hzにしたときには、カットオフ周波数が
3kHzのときより3dB以上、低減量が増え、約−1
8.2dBの低減量が得られた。
【0043】図6に、さらに他の例を示す。この例は、
主要入力用マイクロホン11及び参照入力用マイクロホ
ン21の両方に、例えばズームモータやフォーカスモー
タの回転音が比較的高レベルのノイズとして飛び込む場
合の例である。
【0044】一般に、この種のノイズは定常的な周波数
位置のノイズであって、図7に示すような、特定の周波
数成分を除去するための、いわゆるノッチフィルタによ
り、容易に除去することができる。このため、一般的
に、カメラ一体型VTRには、このノッチフィルタが、
オーディオ信号の記録信号系に設けられている。
【0045】したがって、前述したような音声入力装置
としての適応型雑音低減装置においては、このモータノ
イズを低減対象信号とする必要はない。しかしながら、
このモータノイズのレベルが大きい場合には、このモー
タノイズを主たる低減対象信号として、適応処理回路が
動作し、本来の低減対象信号の低減が十分になされな
い。
【0046】そこで、図6の例においては、減算回路1
5の出力誤差信号は、モータノイズの周波数成分のレベ
ルを低くするフィルタ、例えば図7に示したノッチフィ
ルタと同様の周波数特性のフィルタ31を介して適応フ
ィルタ回路24にフィードバックされる。
【0047】したがって、図6の例においては、周波数
的に定常的なモータノイズは、参照入力としてはノイズ
レベルが大きくても、適応低減処理のスピードが非常に
遅くなり、ほぼ低減対象から除外されて、目的の低減対
象信号が十分に低減されるものである。
【0048】なお、このフィルタ31を、前述の図2の
例及び図4の例の誤差信号eの適応フィルタ回路24へ
のフィードバックループに加えるようにしてもよい。
【0049】以上は、この発明をカメラ一体型VTRの
音声入力装置に適用した場合について説明したが、この
発明は、音声信号の適応処理に限らず、種々の信号の適
応処理に適用することが可能であることはいうまでもな
い。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、主要入力中の低減対象信号を低減する適応処理装置
において、減算回路の出力誤差信号は、周波数特性を制
御する回路を介して適応フィルタ回路にフィードバック
するようにしたので、等価的に周波数毎に低減処理能力
に自由に重み付けを行うことが可能になる。したがっ
て、これにより、目的に合わせた適応信号処理を行うこ
とができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による適応信号処理装置の概要を示す
ブロック図である。
【図2】この発明による適応信号処理装置の一実施例の
ブロック図である。
【図3】図2の例の説明のための図である。
【図4】この発明による適応信号処理装置の他の実施例
のブロック図である。
【図5】図4の例の動作及び効果を説明するための図で
ある。
【図6】この発明による適応信号処理装置の他の実施例
のブロック図である。
【図7】図6の例の説明に用いるフィルタの周波数特性
図である。
【図8】適応型雑音低減装置の一例のブロック図であ
る。
【図9】適応フィルタ回路の一例のブロック図である。
【符号の説明】
11 主要入力用マイクロホン 15 合成回路 17 ハイパスフィルタ 19 ローパスフィルタ 21 参照入力用マイクロホン 24 適応フィルタ回路 31 ノッチフィルタ特性のフィルタ回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 行徳 薫 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主要入力信号中の低減対象信号と相関が
    強い参照入力信号から前記低減対象信号に近似する信号
    を得る適応フィルタ回路と、 前記主要入力信号から、前記適応フィルタ回路の出力信
    号を減算する合成回路とを備え、 前記合成回路の出力信号が前記適応フィルタ回路にフィ
    ードバックされて、前記合成回路の出力信号のパワーが
    最小になるように前記適応フィルタ回路で適応処理が行
    われる適応信号処理装置において、 前記合成回路の出力信号は、その周波数特性を制御する
    回路を介して、前記適応フィルタ回路に供給されるよう
    にされた適応信号処理装置。
  2. 【請求項2】 前記周波数特性を制御する回路は、低減
    対象信号の周波数帯域の成分のレベルを上げる回路であ
    る請求項1に記載の適応信号処理装置。
  3. 【請求項3】 前記周波数特性を制御する回路は、低減
    対象でない周波数帯域の成分のレベルを下げる回路であ
    る請求項1に記載の適応信号処理装置。
JP35354292A 1992-12-14 1992-12-14 適応信号処理装置 Pending JPH06181422A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005006317A (ja) * 2003-06-09 2005-01-06 Samsung Electronics Co Ltd 最小二乗アルゴリズムを利用する信号分離装置及びその方法
WO2008062606A1 (en) * 2006-11-22 2008-05-29 Panasonic Electric Works Co., Ltd. Intercom device

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