JPH06181290A - 半導体装置およびその製造方法 - Google Patents

半導体装置およびその製造方法

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JPH06181290A
JPH06181290A JP35366692A JP35366692A JPH06181290A JP H06181290 A JPH06181290 A JP H06181290A JP 35366692 A JP35366692 A JP 35366692A JP 35366692 A JP35366692 A JP 35366692A JP H06181290 A JPH06181290 A JP H06181290A
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oxide film
region
groove
mask
film
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JP35366692A
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English (en)
Inventor
Nobuyuki Ito
藤 信 之 伊
Yoshiro Tsuboi
井 芳 朗 坪
Chihiro Yoshino
野 千 博 吉
Satoshi Matsuda
田 聡 松
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 寄生抵抗および寄生容量の小さいコイルを有
する半導体装置の提供。 【構成】 半導体基板1上のコイル形成領域4に深い溝
が形成され、この溝内に絶縁膜5で覆われた導電性の材
質からなるコイル6が埋め込まれていることを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は半導体装置およびその製
造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】近
年、移動電話、移動通信を中心とする個人レベルでの無
線通信を用いた情報伝達が非常に盛んになってきてい
る。この、個人レベルでの無線通信システムにおいて
は、十分なチャンネル数を確保するために高い周波数領
域を用いること、そのために多くの中継局を必要とする
こと、個人使用のため端末機器の小型化を進めポータビ
リティを確保しなければならないことなどが重要なポイ
ントとなる。とりわけ、端末機器に使用される半導体装
置については、使用周波数が高いこと、ポータビリティ
向上のための低消費電力化、各部品の統合化による部品
点数の削減、コストダウンが大きな課題である。
【0003】従来、高周波用のアンプ等に用いられる半
導体装置は、シリコンデバイス、化合物半導体デバイス
の違いにかかわりなく、個別半導体を中心に考えられて
きた。このように、高い周波数の小信号を処理するに
は、能動素子だけではなく、受動素子である抵抗、コン
デンサ、コイル等の精度と合わせ込みは特に重要であ
り、また、このような回路では素子数も少ないため敢て
ひとつの集積回路中にいれる必要はなかった。そのた
め、一部のパワーモジュールを中心とする、高出力の集
積回路ではハイブリッド集積回路として抵抗、コンデン
サ、コイル等をチップの外付けにし、一つのパッケージ
に収めた製品はある。一方、モノシリックの高周波アナ
ログ用の集積回路として抵抗、コンデンサを含む製品は
存在するが、コイルまで含む製品は少なかった。その原
因の一つは、コイルが集積回路の平面的なチップの上で
は、形成することが非常に困難であるからである。
【0004】しかしながら、近年、上記のような無線通
信用の半導体装置に対する要求から、コイルまでを含む
半導体装置が考案されてきている。コイルを有する半導
体装置の平面構造を図22(a)に、断面構造を図22
(b)および22(c)に示す。この構造は、本来半導
体集積回路の第1層金属配線に用いていた層をコイル2
3として用いている。こうすることによって、モノシリ
ック半導体集積回路上にも容易にコイルを形成すること
ができる。ところが、このようにして形成されたコイル
23では高いせん鋭度Qが得られないという問題点があ
る。一般にコイルのせん鋭度Qは次のような式で表現さ
れる。
【0005】 上記問題点の原因として次のようなことが考えられる。
一つ目の原因は、第1層金属配線層をコイルとして用い
ているため、コイル23と基板21間にはフィールド酸
化膜22があるだけである。そのためコイル23に寄生
容量が生じてしまう。そのため、寄生容量に蓄えられる
電荷の量だけ、系に蓄えられるエネルギーは減少するこ
とになる。二つ目の原因は、第1層金属配線層をコイル
として用いているため、コイル23の持つ直流抵抗が大
きくなってしまう。そのため、系にかかる電圧降下、も
しくは電流損失のため、系に蓄えられるエネルギーは減
少することになる。コイルの持つ直流抵抗を小さくする
ためには、金属配線層の断面積を大きくすることが考え
られるが、金属層のパターン幅を大きくすると、前記コ
イル23と基板21間の寄生容量が増大してしまう。ま
た、もう一つの配線層の断面積を大きくする方法であ
る、配線層の厚さを厚くすることも考えられるが、現在
集積回路の配線層に使用されている厚さは1.0μm程
度であり、これ以上厚くするとその後の平坦化プロセス
に問題が生じること、また、現在一般に使用されている
ポジ型レジストではRIEによるエッチングの選択比が
大きく取れないため、厚くすることは不可能である。三
つ目に図22(a)および図22(c)に見られるよう
に、このような構造では真ん中の端子からの配線25を
第2層配線層を用いて形成せねばならず、必ず2層以上
の配線層が必要であることと、この第2層配線層25と
コイル23間の寄生容量も生じてしまう。
【0006】次に従来の半導体装置の製造方法について
説明する。
【0007】半導体基板上に多数の素子を形成して集積
回路を構成するためには、互いの素子間を電気的に絶縁
する素子分離が必要である。この素子分離には熱酸化に
よって選択的に素子領域の周りを酸化して厚い絶縁膜を
形成する方法が用いられている。しかしこの方法では深
い絶縁領域を形成することが困難であり、また厚い酸化
膜が横方向に成長することによりバーズビークが形成さ
れ、素子分離領域の面積が増大するという問題がある。
【0008】これらの問題を解決するためにトレンチ素
子分離法が用いられている。これは、基板表面に異方性
エッチングによって深い溝を形成し、その溝の全部また
は一部を絶縁体で埋め込んで素子間を電気的に分離する
方法である。この方法を用いることによって、素子分離
を非常に小さい面積で形成することが可能となる。
【0009】この方法の一つとして、素子領域以外には
浅い溝が形成され、更に素子領域の周辺に細くて深い溝
が形成され、深い溝が絶縁体もしくは絶縁体と半導体で
埋め込まれ、浅い溝が絶縁体で埋め込まれている構造を
形成することが提案されている。この構造を実現した従
来半導体装置の製造方法を、図23乃至図25を参照し
て説明する。
【0010】まず、図23(a)に示すように、コレク
タ層150aが形成されたシリコン基板150の表面に
酸化膜151を形成し、この酸化膜151上にフォトレ
ジストを堆積し、このフォトレジストをパターニングす
ることによって素子形成領域に対応する部分のみにフォ
トレジスト152が残るようにする。次に図23(b)
に示すように、フォトレジスト152をマスクに酸化膜
151を異方性エッチングし、その後フォトレジスト1
52を除去した後、酸化膜152をマスクにシリコン基
板150を異方性エッチングして浅い溝を形成する。
【0011】続いて図23(c)に示すように、酸化膜
を除去した後、酸化膜153を堆積し、その上に深い溝
を形成する領域に開口を有するフォトレジスト154を
形成する。次いで、フォトレジスト154をマスクに酸
化膜153を異方性エッチングし、フォトレジスト15
4を除去した後、酸化膜153をマスクにシリコン基板
150を異方性エッチングして深い溝を形成する(図2
3(d)参照)。
【0012】続いて図23(e)に示すように酸化膜1
53を除去する。その後図23(f)に示すように薄い
酸化膜155を形成し、更に多結晶シリコン156を厚
く堆積して深い溝を完全に埋め込む。次に、多結晶シリ
コン156を等方性エッチングによってエッチバック
し、この多結晶シリコンを深い溝の内部にのみ残す(図
24(a)参照)。最後に、図24(b)に示すように
全面に厚い酸化膜157を堆積し、この酸化膜157既
知の方法でエッチバックすることによってトレンチ素子
分離が完成する。
【0013】また、上述のようにして得られたトレンチ
素子分離構造を用いて、その素子領域に、外部ベース1
61、真性ベース162、エミッタ163を形成し、更
に電極等を形成すると、図25に示すようなバイポーラ
トランジスタを作ることができる。
【0014】このような従来の製造方法においては、浅
い溝のマスクであるフォトレジスト152と、深い溝の
マスクであるフォトレジスト154のマスク合わせの問
題があるため、素子領域と深い溝の間に図25に示すよ
うな一定の間隔164が必要であり、深い溝で囲まれた
素子面積が大きくなるという問題があった。また、バイ
ポーラトランジスタに適用した場合、コレクタ150a
と基板150との間の寄生容量166が増大し、更にベ
ース引き出しの多結晶シリコン165と、コレクタ15
0aの間に寄生容量167が発生するという問題もあっ
た。
【0015】次に、従来の半導体装置の他の製造方法お
よびその問題点について説明する。
【0016】バイポーラトランジスタの高速化及び高集
積化を図る技術として、素子分離に深いトレンチ分離を
用いたものが注目され、多用されてきている。従来の深
いトレンチ分離を用いたトランジスタの素子分離構造
は、例えば図26に示すように、LOCOS法による厚
い酸化膜によってエミッタ316、ベース領域314,
315とコレクタコンタクト領域を分離し、これらの領
域を取り囲んで厚い酸化膜319と基板301をエッチ
ングして深い溝を形成し、深い溝中に埋め込み材を埋め
込んだ構造を持つ。特に埋め込み材は、トレンチ周辺に
かかる応力低減のためポリシリコンを使用し、バッファ
絶縁膜を深いトレンチ内の側壁に形成した後にポリシリ
コンを埋め込みエッチバックして、トレンチ開口部のポ
リシリコンを酸化してキャッピングした構造が知られて
いる。
【0017】このように素子分離構造では、まずLOC
OS法を用いてエミッタ316、ベース領域314,3
15とコレクタコンタクト領域を分離しているため、素
子のエミッタ、ベースの能動領域周りにバーズビークと
呼ばれる酸化膜319の薄くなる領域が生じてしまう。
バイポーラトランジスタではこの領域にベース引きだし
配線317が存在し、薄くなった酸化膜319下のコレ
クタ領域301aとの間の寄生容量が大きくなってしま
う。この部分の寄生容量は素子の高速化に大きく影響す
るため、LOCOS法を用いた場合、素子の高速化に大
きな障害を生じる。
【0018】また、従来法においては埋め込んだポリシ
リコンの表面を酸化しキャッピングする工程において、
深いトレンチの開口部周辺及び埋め込んだポリシリコン
の上部に縦方向の楔型バーズビークが入り大きな応力を
発生させる。この応力による素子分離特性の劣化も無視
できない。
【0019】また、深いトレンチ形成後に素子の能動領
域をパターニングする工程を行うプロセスにおいては、
深いトレンチ形成工程で作成されたマスク合わせマーカ
ーにエミッタ、ベース領域とコレクタコンタクト領域を
分離する領域を作成するためのマスクを合わせようとす
ると、深いトレンチの大きな段差が原因で自動マスク合
わせ用の信号検出が正確にできなくなり、パターンに大
きなズレが生じてしまうことがある。
【0020】次に従来の半導体装置の更に他の製造方法
およびその問題点について説明する。
【0021】一般に、図30に示すようにバイポーラト
ランジスタの素子分離として、エミッタ、ベースと、コ
レクタコンタクト領域を分離するため、LOCOS法を
用いてこれらの領域を取り囲んで厚い酸化膜を形成した
構造が知られている。また、近年LOCOS法の欠点を
改善するため、基板をエッチングして溝を作り、これを
埋め込んで素子分離とする、埋め込み素子分離構造が研
究されている。
【0022】従来法を用いた素子分離構造では、まずL
OCOS法を用いてエミッタ、ベース領域とコレクタコ
ンタクト領域を分離しているため、素子のエミッタ、ベ
ースの能動領域周りにバーズビークと呼ばれる酸化膜の
薄くなる領域が生じてしまう。またバイポーラトランジ
スタではこの領域にベース引きだし配線が存在し、薄く
なった酸化膜下のコレクタ領域との間の寄生容量が大き
くなってしまう。この部分の寄生容量は素子の高速化に
大きく影響するため、LOCOS法を用いた場合、素子
の高速化に大きな障害を生じる。
【0023】この問題を解決する方法として、シリコン
基板をある深さまでエッチングした溝を形成し、絶縁物
を埋め込み平坦化するという埋め込み素子分離法があ
る。この埋め込み素子分離を作成する場合、シリコン基
板上に形成されたエッチング溝を絶縁物で埋め込み、素
子を形成するシリコン表面を露出し、このシリコン基板
露出表面と埋め込み材絶縁物表面とほぼ同じ高さにする
のが理想的である。しかし、シリコン表面に直接絶縁物
を堆積すると、界面が不安定でリーク電流などを生じ、
素子特性に悪影響を与える。そのため、シリコン表面を
安定で均質の熱SiO膜で覆ってから埋め込み材絶縁
物を堆積した方がよい。この絶縁物は、堆積された状態
の溝内の表面高さが、少なくとも素子を形成するシリコ
ン表面より高い必要がある。その後、BPSGリフロー
や物理的に表面を研磨するポリッシングによって表面を
平坦化し、さらにシリコン表面が露出するまでエッチバ
ックする必要がある。この時、露出するシリコン表面を
素子として使用することを考えると、RIE法やポリッ
シング等はシリコン結晶に与えるダメージが大きく途中
までのエッチバックにしか使用できない。したがって最
終的にシリコン表面を露出する工程にはダメージフリー
のウェット系エッチングが適していると考えられる。し
かし、前述の埋め込み材絶縁物と熱酸化膜ではウェット
系エッチングのエッチングレートが異なり、エッチバッ
クによって埋め込み材絶縁物表面と露出するシリコン表
面の高さをそろえて平坦化することは難しい。図27
(a)、(b)に示すように素子領域表面上の熱酸化膜
402が露出した後、熱酸化膜402の方がエッチング
レートが遅いためシリコン基板401の表面が露出する
までエッチングしたとき、埋め込み材絶縁物403の表
面が素子領域上よりも低くなり表面の凹凸ができてしま
う。
【0024】また、図28(a)、(b)に示すように
ポリッシングのストッパー材としてSiN膜412など
を用い、SiN膜412を露出するまでエッチバックす
る。そして図28(c)に示すようにSiN膜412を
エッチング除去した後、ウェット系エッチングによって
素子領域上の熱酸化膜402を除去すると、図29に示
すように、SiN膜412の除去後の埋め込み材絶縁物
403の側面からエッチングが進み素子領域周辺に溝4
13ができてしまう(図28(d)参照)。
【0025】本発明は上記事情を考慮してなされたもの
であって、その第1の目的は、コイルの寄生抵抗および
寄生容量を可及的に小さくできる半導体装置の提供にあ
る。
【0026】第2の目的は、素子面積を小さくするとと
もに寄生容量の小さいトレンチ素子分離構造を有する半
導体装置の製造方法を提供することにある。
【0027】又、第3の目的は、信頼性の高い高速バイ
ポーラトランジスタの埋め込み素子分離構造を有する半
導体装置の製造方法を提供することにある。
【0028】
【課題を解決するための手段】第1の発明による半導体
装置は、半導体基板上のコイル形成領域に深い溝が形成
され、この溝内に絶縁膜で覆われた導電性の材質からな
るコイルが埋め込まれていることを特徴とする。
【0029】第2の発明による半導体装置の製造方法
は、半導体基板上に耐エッチング性の材料からなるマス
クを形成し、異方性のエッチングを行うことによって半
導体基板の所定領域に浅い第1の溝およびこの第1の溝
を取り囲むような浅い第2の溝を形成する工程と、前記
半導体基板上の、前記第1の溝の近傍領域に開口部を有
するようにフォトレジスト層を形成する工程と、前記開
口部に酸化膜を選択的に堆積する工程と、前記フォトレ
ジスト層を除去し、異方性のエッチングを行うことによ
って前記第2の溝を深い溝にする工程と、前記マスクお
よび酸化膜のうち、前記半導体基板上の、前記第2の溝
に囲まれた領域以外の領域上にあるものを除去する工程
と、残った前記マスクおよび酸化膜をマスクにして異方
性のエッチングを行う工程と、前記マスクおよび酸化膜
を除去した後、前記第1および第2の溝を絶縁膜で埋め
込む工程と、前記絶縁膜をエッチバックし、前記半導体
基板の素子形成領域の表面が露出する状態に平坦化する
工程と、を備えていることを特徴とする。
【0030】又、第2の発明は、半導体基板の表面に耐
エッチング性のマスクを形成し、エッチングを行って浅
い第1の溝を形成する工程と、前記浅い第1の溝が形成
された領域の一部にフォトレジストを形成する工程と、
前記フォトレジストで覆われていない半導体表面および
前記耐エッチング性マスク上に第1のシリコン酸化膜を
選択的に堆積する工程と、前記半導体基板の表面の一部
に第1のシリコン酸化膜を選択的に堆積して形成する工
程と、前記第1のシリコン酸化膜をマスクの一部として
エッチングを行い、前記浅い第1の溝が形成された領域
の一部に深い第2の溝を形成する工程と、前記第1のシ
リコン酸化膜と前記耐エッチング性のマスクのうち、前
記深い第2の溝の内側部分を除去する工程と、第2のシ
リコン酸化膜を用いて前記第1の溝と第2の溝を埋め込
む工程と、前記第2のシリコン酸化膜にエッチバックを
行い、前記半導体基板のうち素子形成領域の表面が露出
する状態に平坦化する工程と、を備えるように構成して
も良い。
【0031】第3の発明による半導体装置の製造方法
は、半導体基板表面に第1の絶縁膜、第1の半導体膜、
第2の絶縁膜、および第2の半導体膜を順次積層する工
程と、素子形成領域とフィールド領域に選択的に第1の
フォトレジスト層を形成する工程と、前記フォトレジス
ト層をマスクにして前記第2の半導体膜、第2の絶縁
膜、および第1の半導体膜を異方性エッチングを用いて
パターニングする工程と、前記第1のフォトレジスト層
を除去した後、素子形成領域を完全に覆うがフィールド
領域を覆わないように選択的に第2のフォトレジスト層
を形成する工程と、この第2のフォトレジスト層をマス
クにしてフィールド領域の前記第2の半導体膜を除去す
る工程と、前記第2のフォトレジスト層を除去した後、
素子形成領域の間を覆うように第3のフォトレジスト層
を形成する工程と、この第3のフォトレジスト層と前記
第1、第2の半導体膜をマスクにしてフィールド領域上
の前記第2の絶縁膜と露出している前記第1の絶縁膜を
除去する工程と、第3のフォトレジスト層を除去した
後、前記第1の絶縁膜と前記第2の絶縁膜をマスクにし
て、前記半導体基板を異方性エッチングし、深い溝を形
成する工程と、素子形成領域以外の領域にある前記第1
の絶縁膜と前記第2の絶縁膜を除去する工程と、素子形
成領域上の前記第1の絶縁膜をマスクにして前記半導体
基板に異方性エッチングを行って、フィールド領域と素
子領域の間に浅い溝を形成する工程と、を備えているこ
とを特徴とする。
【0032】第4の発明による半導体装置の製造方法
は、半導体基板上の素子形成領域上に第1の材料からな
るマスクを形成する工程と、前記第1の材料に対してエ
ッチング選択比の高い第2の材料からなる第1の層を全
面に形成する工程と、前記第2の材料に対してエッチン
グ選択比の低い第3の材料からなる第2の層を全面に堆
積し、この第2の層および第1の層をパターニングして
素子形成領域を囲むような連続した開口部を形成する工
程と、パターニングされた第2および第1の層をマスク
にして半導体基板内に深い第1の溝を異方性エッチング
を用いて形成する工程と、絶縁物からなる材料で前記第
1の溝の側壁を形成する工程と、前記第1の溝内を絶縁
物で埋め込む工程と、前記第1の層を除去し、前記第1
の材料からなるマスクを用いて半導体基板に異方性エッ
チングを行い前記第1の溝より浅い第2の溝を形成する
工程と、前記第1の材料からなるマスクを除去した後、
前記第2の溝を絶縁物で埋め込み、基板表面を平坦化
し、素子領域となる部分の基板表面を露出する工程と、
を備えていることを特徴とする。
【0033】第5の発明による半導体装置の製造方法
は、シリコン基板上に熱酸化膜、ポリシリコン膜を順次
積層する工程と、シリコン基板上の素子形成領域以外の
領域を異方性エッチングを用いてエッチングし、所定の
深さの溝をシリコン基板に形成する工程と、前記溝内と
前記ポリシリコン膜表面を薄く熱酸化する工程と、前記
溝がシリコン酸化膜で埋め込まれるようにシリコン酸化
膜を基板全面に堆積する工程と、前記シリコン酸化膜の
表面を平坦化して前記ポリシリコン膜を露出させるとと
もにシリコン酸化膜の平坦化された表面が、素子が形成
されるシリコン基板表面より高くなるようにする工程
と、前記ポリシリコン膜を除去した後、素子形成領域上
の前記熱酸化膜を除去すると同時に前記シリコン酸化膜
を所定の位置までエッチバックする工程と、を備えてい
ることを特徴とする。
【0034】
【作用】このように構成された第1の発明の半導体装置
によれば、半導体基板内に深い溝が形成され、この溝内
に絶縁膜で覆われたコイルが埋め込まれる。これによ
り、コイルの寄生抵抗および寄生容量を可及的に小さく
できる。
【0035】又、第2の発明によれば、深い溝を形成す
る際に用いるマスクと浅い溝を形成する際に用いるマス
クは、どちらも同じフォトレジストの露光工程でパター
ニングされるため、マスク合わせの余裕を取る必要がな
くなり、素子面積が小さく、寄生容量が小さいトレンチ
素子分離を形成することが可能となる。
【0036】また同時に、深い溝を形成するためのマス
クと浅い溝を形成するためのマスクが他の部材からなる
エッチングストッパーを用いずに形成されるため、工程
数の増加を抑えることができる。
【0037】更に、段差被覆性(ステップカバレッジ)
の良いSORD膜を埋め込み材としても用いることによ
り、浅い溝と深い溝を同時に埋め込むことができ、工程
の簡略化が図れるほか、深い溝内部が多結晶シリコンよ
りも誘電率の低い酸化膜で充填されるため寄生容量がよ
り小さくなる。また、表面の平坦性も大幅に向上する。
【0038】第3の発明によれば、深い溝を形成する際
に用いるマスクと浅い溝の形成する際に用いるマスク
は、どちらも同じフォトレジストの露光工程でパターニ
ングされるため、マスク合わせの余裕を取る必要がなく
なり、素子面積が小さく、寄生容量が小さいトレンチ素
子分離を形成することが可能となる。
【0039】又、第4の発明によれば、エミッタ、ベー
ス領域の分離を浅い埋め込み素子分離で形成するため、
ベース引きだし電極下に厚い絶縁膜が形成されコレクタ
領域との距離を十分に取っているため、ベース‐コレク
タ間の寄生容量を低減することが可能である。
【0040】第5の発明による埋め込み素子分離の製造
方法を用いることによって、埋め込み材酸化膜とシリコ
ン基板上の熱酸化膜とのエッチングレートの違いによっ
て生じる埋め込みプロセス上の不具合、例えば素子領域
上の熱酸化膜を除去するためのエッチングで埋め込み材
酸化膜表面が素子領域表面高さよりも低くならざるを得
なかたっり、素子領域周辺に不用なエッチング溝が形成
されたりすることを避けることができる。
【0041】
【実施例】第1の発明による半導体装置の一実施例の断
面を図1に示す。この実施例の半導体装置は、コレクタ
高濃度層1aが形成された半導体基板1のコイル形成領
域に、コイルを形成するための深い溝4が素子分離用の
溝3とともに形成され、この溝4内に絶縁膜5で覆われ
た、導電性の材質からなるコイル6が埋め込まれた構造
を有している。
【0042】このような構造をとることによって、バイ
ポーラトランジスタの素子分離構造と同じ工程で作った
溝(トレンチ)3を共有でき、また、共有することによ
ってコイルの断面積を従来の場合に比べてはるかに大き
くとることができる。そのため、コイル自体の持つ寄生
抵抗を低減することが可能で、さらに素子分離の埋め込
みプロセスで最も膜厚の厚い状態の膜厚を確保できるた
め、寄生容量も最も低い状態で維持することが可能であ
る。
【0043】次に、このような構造を得るための製造方
法の一例を図2〜図3を参照して説明する。第1の導電
型(例えばP型)の半導体基板1上にこの基板1と逆導
電型のコレクタ高濃度層1aを拡散等の方法によって形
成し、続いてコレクタエピタキシャル層2をCVDによ
るエピタキシャル成長によって形成し、浅いトレンチ素
子分離のマスク材(図示せず)をCVD酸化膜等によっ
て形成し、フォトリソグラフィーによって浅いトレンチ
素子分離部分のマスク材をパターニングし、ついでレジ
スト剥離後、上記マスク材をマスクとして前記コレクタ
エピタキシャル層2をエッチングする(図2(a)参
照)。そして、同様に深いトレンチ素子分離のマスク材
(図示せず)をCVD酸化膜等によって形成し、フォト
リソグラフィーによって深いトレンチ素子分離部分およ
びコイルを形成する部分のマスク材をパターニングし、
続いてレジスト剥離後、このマスク材をマスクとして基
板1をエッチングし深いトレンチ3および4を形成する
(図2(a)参照)。そしてチャンネル・カットのため
のイオン注入を行い、アニール後マスク材を全て剥離す
る(図2(a)参照)。その後、表面保護のために酸化
を行い薄い酸化膜(図示せず)を形成し、トレンチ埋め
込み用に酸化膜5を約2μm程度を堆積する(図2
(b)参照)。次に導電層6を形成する(図2(c)参
照)。この導電層6の材質は導電性のものならどのよう
なものでもよいが、なるべく抵抗の低いものが良い。そ
して、後のバイポーラトランジスタの製造プロセスに十
分耐えるだけの融点を持ったものが望ましい。例えば、
バイポーラトランジスタの製造工程における最高熱工程
が900℃程度であれば、チタンのような金属が使え
る。また、薄膜エピタキシャル層をベースに用いたバイ
ポーラトランジスタ、またはSiGeからなる薄膜エピ
タキシャル層をベースに用いたバイポーラトランジスタ
では、プロセス最高温度を500℃近辺に落とさなけれ
ばならないため、このようなプロセスでは、アルミであ
るとか、銅であるとか、現行で配線材料に使用されてい
る材料を使用することができる。堆積の方法としては、
スパッタリング、無電解メッキなどが考えられる。
【0044】次に、この導電層6を溝4の部分にのみ残
して、残りの部分をエッチバックによりエッチング除去
する(図3(a)参照)。次いで素子分離の平坦化のた
めに酸化膜7を約2μmを堆積する。この酸化膜7がコ
イルの部分のキャップにもなる(図3(b)参照)。最
後に、平坦化された酸化膜7を平坦にエッチバックを行
うことによって、素子分離、コイルとも平坦に埋め込む
ことが可能となる(図3(c)参照)。
【0045】以上述べたように本実施例によれば、寄生
容量および寄生抵抗が可及的に小さなコイルを有する半
導体装置を得ることができる。
【0046】次に第2の発明による半導体装置の製造方
法の第1の実施例を図4ないし図5を参照して説明す
る。
【0047】まず、図4(a)に示すように、コレクタ
層101aが形成されたシリコン基板101の表面に化
学気相成長法(以下、CVD法ともいう)を用いて酸化
膜102を形成し、更にこの酸化膜102上にフォトレ
ジストを塗布し、このフォトレジストをパターニングし
て素子形成領域およびフィールド領域上にのみフォトレ
ジスト103を残す。続いて図4(b)に示すようにフ
ォトレジスト103をマスクにして反応性イオンエッチ
ング(以下、RIEともいう)を用いて、酸化膜102
をパターニングしてシリコン基板101の表面を露出さ
せ、その後、フォトレジスト103を除去した後、パタ
ーニングされた酸化膜102をマスクにしてRIEを用
いてシリコン基板101をエッチングし、浅い溝104
a,104bを形成する。ここで溝104aは後に、深
い溝が形成される素子分離用の溝であり、溝104bは
素子形成領域用の溝である。
【0048】次に図4(c)に示すようにフォトレジス
ト105を基板101の全面に塗布し、このフォトレジ
スト105をパターニングして、溝104bを含む領域
を開口する。その後、図4(d)に示すように、液相成
長法(以下、SORDともいう)を用いてシリコン酸化
膜106を上記フォトレジスト105の開口部にのみ選
択的に形成する。そしてフォトレジスト105を除去し
た後、図4(e)に示すようにCVD酸化膜102およ
びSORD膜106をマスクにしてRIEを用いて、浅
い溝が形成した領域104aをエッチングし、深い溝1
07を形成する。その後図4(f)に示すようにフォト
レジスト108を基板101の全面に塗布し、このフォ
トレジスト108をパターニングすることによってフィ
ールド領域上のみに開口部を有するようにする。続い
て、このフォトレジスト108を耐エッチング材として
用いてCVD酸化膜102をウェットエッチングし、フ
ォトレジスト108を除去すると、図4(g)に示すよ
うに、素子形成領域上のCVD酸化膜102及びSOR
D酸化膜106が残る。
【0049】次に図4(h)に示すように、CVD酸化
膜102およびSORD酸化膜106をマスクにしてR
IEを用いてシリコン基板101をエッチングする。な
おこの時、深い溝領域107の底部も同時にエッチング
されるので、予め図4(e)に示す工程のエッチングの
深さを浅くしておいても良い。そして図5(a)に示す
ようにCVD酸化膜102およびSORD酸化膜106
を除去し、その後、図5(b)に示すようにシリコン基
板101の全面にSORDを用いてSORD酸化膜10
9aを成長させる。この時、SORDは非常にステップ
カバレッジに優れているために、浅い溝、深い溝の両方
が同時に均一に埋め込まれる。続いて素子形成領域上に
残った段差を解消するために、図5(c)に示すように
素子形成領域上に開口部を有するフォトレジスト層11
0を形成し、このフォトレジスト層110をマスクにし
てRIEを用いてSORD酸化膜109aをエッチング
することにより、フィールド領域と素子形成領域上のS
ORD膜表面の高さをそろえる。
【0050】次にフォトレジスト層110を除去し、図
5(d)に示すように基板101の全面にSORDを用
いてシリコン酸化膜109bを成長させる。すると表面
はごくわずかな凹部を残して平坦化される。必要なら
ば、更に全面にレジストを塗布してエッチバックを行う
ことにより完全に平坦な形状を得ることもできる。続い
て、SORD酸化膜109a,109bをエッチバック
して素子形成領域の表面114を露出させ、素子分離構
造を形成する。その後、従来の場合と同様にして素子形
成領域に外部ベース、真性ベース、エミッタを形成し、
更に電極等を形成すると、図5(f)に示すようなバイ
ポーラトランジスタを得ることができる。
【0051】以上述べたように第1の実施例によれば素
子形成領域と素子分離領域が同一のマスクによってパタ
ーニングされ、マスクの合わせずれを考慮する必要がな
いために、素子領域と深い溝の間の不要な間隔を設ける
ことなく素子分離を行うことができ、素子面積が小さ
く、寄生容量が小さいバイポーラトランジスタを形成す
ることが可能となる。また、素子分離構造を形成するた
めのエッチングマスクが、酸化膜以外の特別な部材を用
いることなく形成されているため、エッチングの工程が
不必要に複雑化することもない。
【0052】次に、第2の発明による製造方法の第2の
実施例を図6ないし図7を参照して説明する。まず、図
6(a)に示すように、コレクタ層101aが形成され
たシリコン基板101の表面にCVD法を用いて酸化膜
102を形成し、その後フォトレジスト103を塗布
し、このフォトレジスト103をパターニングすること
によって素子形成領域上に相当する部分にフォトレジス
トを残す。そして、図6(b)に示すようにフォトレジ
スト103をマスクにしてRIEを用いて酸化膜102
をパターニングしてシリコン基板101の表面を露出さ
せ、その後、フォトレジスト103を除去した後、パタ
ーニングされた酸化膜102をマスクにしてRIEを用
いてシリコン基板101をエッチングし、素子領域10
4aと浅い溝104bを形成する。
【0053】次に図6(c)に示すように、深い溝が形
成される領域にフォトレジスト層105を形成する。こ
の時、マスク合わせの誤差は素子領域102で吸収され
る。続いて、SORD法を用いて、フォトレジスト層1
05が形成されていない領域に選択的に酸化膜106を
成長させる(図6(d)参照)。その後、フォトレジス
ト層105を除去し、CVD酸化膜102とSORD酸
化膜106をマスクにしてRIEを用いてシリコン基板
101をエッチングし、深い溝107を形成する(図6
(e)参照)。この時、フィールド領域上のSORD酸
化膜106も同時にエッチングが行われるが、予めCV
D酸化膜形成時の膜厚を、エッチング後のCVD酸化膜
の膜厚が浅い溝の深さと同じとなるように調整しておく
ことで後工程での平坦化が容易となる。
【0054】次に基板101の全面にフォトレジスト1
08を塗布し、パターニングすることによって深い溝で
囲まれた素子形成領域102および104a上にのみ開
口部をもつようにし、このフォトレジスト108を耐エ
ッチング材として用いてSORD酸化膜106およびC
VD酸化膜102をウェットエッチングする。その後フ
ォトレジスト108を除去すると、図7(a)に示すよ
うにフィールド領域と素子領域の表面の高さはほぼ同じ
高さとなっている。続いて、基板101の全面にSOR
D法を用いて酸化膜109を成長させる。すると、SO
RD酸化膜109はステップカバレッジが良いので浅い
溝、深い溝の両方が同時に均一に埋め込まれる(図7
(b)参照)。この時、前の工程でフィールド領域と素
子領域の表面の高さがそろっているので、表面に大きな
段差が生じることもない。必要ならば全面にレジストを
塗布してエッチバックを行うことにより完全に平坦な形
状を得、更に全面エッチバックを行って素子形成領域表
面を露出させると、図7(c)に示す素子分離構造を形
成することができる。以下、良く知られている方法を用
いてベース、エミッタ等の素子を形成すれば第1の実施
例と同様に図5(f)に示すようなバイポーラトランジ
スタを得ることができる。
【0055】以上述べたように第2の実施例によれば、
素子形成領域にマスクの合わせ誤差を吸収させることに
より、素子領域と深い溝の間の間隔を省略した素子分離
構造を実現することができる。この構造を実現するため
に必要なPEP回数は従来構造のものと同じてあり、製
造工程の増加を伴わずに性能の向上を図ることができ
る。
【0056】次に第3の発明による半導体装置の製造方
法の一実施例を図8ないし図12を参照して説明する。
まず図8(a)に示すようにコレクタ層120aが形成
されたシリコン基板120の表面に酸化膜121、多結
晶シリコン膜122、酸化膜123、多結晶シリコン膜
124を順次堆積し、更にその上のフィールド領域と素
子領域上のみに、フォトレジスト層125を形成する。
この時の平面図を図8(c)に示す。
【0057】次に、図8(b)に示すようにフォトレジ
スト125をマスクにして、多結晶シリコン膜124、
酸化膜123、および多結晶シリコン膜122を順次異
方性エッチングする。続いて、図9(a)に示すように
フォトレジスト125を除去した後、新たにフォトレジ
スト層126を形成し、素子領域を完全に覆い、且つフ
ィールド領域に接しないようにフォトレジスト126を
パターニングする。このとき合わせマージンは深いトレ
ンチ(溝)の幅だけあるため、合わせずれがおこる心配
はほとんどない。この時の平面図を図9(c)に示す。
【0058】次に、フォトレジスト126と酸化膜12
1の一部をマスクに、フィールド上の多結晶シリコン1
24を除去する(図9(b)参照)。
【0059】その後、フォトレジスト126を除去した
後、新たにフォトレジスト層127を形成し素子領域の
間を覆うようにフォトレジスト127をパターニングす
る(図10(a)参照)。このときフォトレジスト12
7の一部は素子領域にかかるよう、余裕を持って形成す
る。次にフォトレジスト127と素子領域上の多結晶シ
リコン124をマスクに、フィールド上の酸化膜123
と深いトレンチとなる領域128の酸化膜121を除去
する(図10(b)参照)。すると深いトレンチとなる
領域128のシリコン基板120の表面が露出される。
この時の平面図を図10(c)に示す。
【0060】次に、フォトレジスト127を除去した
後、異方性エッチングにより深いトレンチ131を形成
する。この時フィールド領域上の多結晶シリコン122
と素子領域上の多結晶シリコン124も同時に除去され
る(図11(a)参照)。
【0061】その後、フィールド領域上の酸化膜12
1、素子領域の間の酸化膜121、素子領域上の酸化膜
123を、異方性エッチングにより除去する(図11
(b)参照)。
【0062】続いて図11(c)に示すように異方性エ
ッチングにより浅いトレンチ132を形成する。このと
き素子領域上の多結晶シリコン122も同時に除去され
る。これまでの工程で、シリコン基板に浅いトレンチ1
32と深いトレンチ131をマスクの合わせずれなしに
形成することができる。
【0063】最後に、素子領域上の酸化膜121を除去
し、浅いトレンチ132と深いトレンチ131に酸化膜
129を埋め込み、表面を平坦化し、素子領域のシリコ
ン基板120を露出してトレンチ素子分離が完成する
(図11(d)参照)。そして良く知られている方法を
用いて外部ベース、真性ベース、エミッタ等を形成する
ことによって図12に示すようなバイポーラトランジス
タを得ることができる。
【0064】以上述べたように本実施例によれば浅いト
レンチ132を形成する際に用いる異方性エッチングの
マスクと深いトレンチを形成する際の異方性エッチング
のマスクは、一回のフォトレジストのパターニングで形
成されるため、浅いトレンチと深いトレンチにずれが生
じることがない。このため、バイポーラトランジスタを
本実施例の製造方法を用いて製造すると、図12に示す
ように、従来の製造方法では必要であった図25に示す
ようにマスク合わせの余裕164を取る必要がなくな
る。従って、本実施例によって製造したトレンチ素子分
離(図12)は、従来の方法で製造したトレンチ素子分
離(図25)より素子面積を大幅に縮小することができ
る。
【0065】次に第4の発明による半導体装置の製造方
法の実施例を図面を参照して説明する。
【0066】まず、図13(a)に示すようにシリコン
基板301上に酸化膜層302を形成し、フォトリソグ
ラフィー工程を用いエミッタ‐ベース領域、コレクタコ
ンタクト領域となる領域上にパターンを残すようにレジ
スト303をパターニングする。この時、酸化膜層30
2は後に浅いトレンチ形成のためのシリコン基板301
をRIEを用いてエッチングする際のマスクとして十分
な膜厚を持つ熱酸化膜か、もしくは常圧CVDを用いて
形成した酸化膜である。例えば、浅いトレンチ深さが約
0.7μmである場合、酸化膜層の厚さは0.2〜0.
3μmあれば充分である。
【0067】次に図13(b)に示すように、このレジ
ストパターン303をマスクに異方性エッチング(RI
E)を用いて酸化膜層302をパターニングする。
【0068】次にレジスト303を除去した後、全面に
シリコン窒化膜304を常圧CVDを用いて堆積する
(図13(c)参照)。このシリコン窒化膜304は、
浅いトレンチ形成のためにシリコン基板301をRIE
する時のマスクとして残した酸化膜パターンを保護する
ためのもので、その上に、常圧CVDを用いて堆積した
酸化膜305を除去するときにエッチング選択性がとれ
る材質であればよく、ポリシリコン等でも良い。また、
この常圧CVDによって形成した酸化膜305は深いト
レンチ形成のためのマスク材となるもので約0.7μm
必要である。
【0069】次に深いトレンチをRIEする部分の、酸
化膜305およびシリコン窒化膜304を、パターニン
グしたレジスト(図示せず)をマスクに用いてRIEで
シリコン基板301の表面までエッチングする(図13
(d)参照)。
【0070】次に開孔した酸化膜305をマスクに、シ
リコン基板301をRIEを用いて深いトレンチ306
を形成する。このトレンチの深さは、埋め込みコレクタ
+層(npnトランジスタの場合)を分離できる程度
の深さが必要であり、例えば埋め込みコレクタn+ 層が
3μm程度だとすれば4〜5μmは必要である。続いて
深いトレンチ306形成後に、マスクとして使用した酸
化膜305をNHF処理などでエッチング除去する。
この時、シリコン窒化膜304、シリコン基板301は
エッチング選択比が高いため酸化膜305のみ除去する
ことができる(図14(a))。また、後に浅いトレン
チ形成のために使用する酸化膜マスク302は、シリコ
ン窒化膜304に覆われているため、エッチングされず
に残すことができる。
【0071】また、図14(a)には明示していないが
マスク305の剥離前、または剥離後、あるいは深いト
レンチ306内に後述する側壁酸化膜307を形成した
後に、深いトレンチ306の底部のみにチャネルカット
イオン注入を行う(図14(b)参照)。マスク305
の剥離前であれば、基板301の表面には厚いマスク3
05が残っているため、注入角度が0°でイオン注入を
行えばトレンチ306の底のみにイオン注入可能であ
る。また、マスク305の剥離後であっても、本プロセ
スの場合、シリコン基板をエミッタ、ベース、コレクタ
領域として残す領域には、浅いトレンチ形成のため酸化
膜302のマスクが残っており、シリコン窒化膜304
と合わせた膜厚以下のイオン注入深さを設定すれば、こ
の部分へのチャンネルカットイオン注入の影響はない。
さらに、上記以外の領域のシリコン基板301は、浅い
トレンチ形成のRIEでエッチングしてしまうため、チ
ャンネルカットイオンがシリコン基板301に届いても
かまわない。また、深いトレンチ306内に側壁酸化膜
307を形成した後にイオン注入を行えば、トレンチ側
面へのチャネルカットイオンの注入が抑えられ、トレン
チ底のみに選択性良くイオン注入できる。
【0072】次に、深いトレンチの内部及び基板表面
に、絶縁層としてLPCVD法などを用いて等方的に酸
化膜307を形成する。さらに、図14(b)に示すよ
うに、深いトレンチを埋め込むためポリシリコン308
をLPCVD法等を用い、トレンチ306内を十分に満
たす量だけ堆積する。このポリシリコン308をCDE
等を用いて、元のシリコン基板301の表面と同程度の
高さまでエッチバックし、深いトレンチ306内のみに
埋め込む。
【0073】この時酸化膜307の代わりに、シリコン
窒化膜304の耐酸化性を利用して深いトレンチ306
の側壁のみを熱酸化し、所定の厚さの絶縁膜を形成する
こともできる。この場合も、前述の工程と同様にポリシ
リコン308を堆積し、エッチバックすることによって
深いトレンチ306を埋め込む。
【0074】次に、図14(c)に示すように、基板3
01の表面及び深いトレンチ306の内部側壁の酸化膜
307をNHF処理などでエッチングし、基板表面の
酸化膜307は全てエッチバックするとともに、深いト
レンの内部側壁307は後に浅いトレンチの底となる高
さにほぼ一致するまでエッチバックする。深いトレンチ
306の内部側壁307を熱酸化膜で作成した場合、基
板301の表面にはもともと酸化膜はなく、深いトレン
チ306の内部側壁307も同様にエッチバックでき
る。
【0075】次に、図15(a)に示すように、浅いト
レンチ形成のための酸化膜からなるマスク302を保護
していたシリコン窒化膜304を除去し、基板301の
表面とマスク302を露出する。シリコン窒化膜304
の除去は、ホット燐酸等(例えば170℃)を用いれ
ば、シリコン基板301、酸化膜302とも選択性が良
くエッチング除去可能である。
【0076】続いて、図15(b)に示すように、酸化
膜層302をマスクにRIEを用いて浅いトレンチを形
成する。浅いトレンチの深さは、例えば約0.7μm程
度とする。この時、深いトレンチ306に埋め込んだポ
リシリコン308は、シリコン基板301とエッチング
レートがほぼ等しいので、埋め込んだポリシリコン30
8の表面高さは浅いトレンチの底とほぼ一致する。ま
た、深いトレンチ306の側壁酸化膜層307は前の工
程で既に浅いトレンチ底の表面に一致するまでエッチバ
ックされているので、浅いトレンチ形成後にトレンチ底
の表面に角状に残り、浅いトレンチ底に大きな凹凸がで
きることはない。また、浅いトレンチ形成のための酸化
膜からなるマスク302を保護する材質をシリコン窒化
膜304の代わりにポリシリコンを用いた場合、シリコ
ン窒化膜304のように選択的に除去することは難しい
が、浅いトレンチを形成するRIE時に同時にエッチン
グしてしまうことが可能である。
【0077】次に、浅いトレンチ形成のマスク302を
NHF処理などでエッチング除去する(図15(c)
参照)。
【0078】続いて浅いトレンチを絶縁物(例えば、S
iO)309で埋め込み、表面をエッチバック法、ラ
ッピング法などで平坦化し、素子領域となる部分の基板
表面を露出する(図16(a)参照)。
【0079】以上のようにして作成された、深いトレン
チと浅いトレンチを組み合わせた素子分離上に、既存の
方法により図16(b)に示すような外部ベース領域3
14、真性ベース領域315、エミッタ領域316、ベ
ース引き出しポリシリコン317、絶縁膜318、フィ
ールド酸化膜319、エミッタポリ310、ベース電極
311、エミッタ電極312、およびコレクタ電極31
3を形成することによってバイポーラトランジスタを作
成する。
【0080】なお本実施例においては、深いトレンチの
埋め込み材としてポリシリコン308を使用したが、埋
め込み材エッチバックの工程において、浅いトレンチ形
成のエッチング後に埋め込み材表面高さが浅いトレンチ
底面とほぼ一致するような程度エッチングされていれ
ば、その他の埋め込み材、例えばBPSG等を使用する
ことも可能である。
【0081】以上述べたように本実施例によれば、バイ
ポーラトランジスタのエミッタ、ベース領域の分離を浅
い埋め込み素子分離で形成するため、加工形状の制御が
容易になり、ベース引きだし電極下に厚い絶縁膜が形成
されコレクタ領域との距離を十分にとりベース‐コレク
タ間の寄生容量を低減するような構造を作成することが
可能である。また、深いトレンチ埋め込み材の上端部の
キャッピングと浅いトレンチの埋め込みを同時に行うた
め、工程の簡略化と信頼性の向上を図ることが可能にな
る。ま、段差の低い素子領域形成用のRIEマスク形成
プロセスで作成したパターンに深いトレンチの露光マス
クを合わせるため、深いトレンチ形成プロセスで作成し
た段差の大きいパターンに素子領域形成の露光マスクを
合わせる時に生じる合わせ信号の異常などが生じない。
【0082】また、最初の工程で素子領域となる部分を
キャップしておくため、ダメージなどに最も敏感な素子
領域となる部分の結晶性を素子分離作成工程を通して保
つことができる。
【0083】次に第5の発明による半導体装置製造方法
の実施例を図面を参照して説明する。
【0084】まず、図17(a)に示すようにシリコン
基板401上に例えば熱酸化することによって酸化膜層
402を形成し、続いてポリシリコン膜403を堆積す
る。この時の酸化膜402は後にポリシリコン403を
エッチング除去する時にエッチングストッパとなる程度
の膜厚が必要であるが、後に弗酸処理などで除去する時
に埋め込み材酸化膜も同時にエッチングされてしまうた
め、あまり厚いと埋め込み材酸化膜厚さを確保すること
が困難になる。そのため、ストッパとして最小限の膜厚
で、できるだけ薄いほうがよい。また、この時のポリシ
リコン膜厚403は、埋め込み材をエッチバックしてポ
リシリコン膜403の上部を露出しポリシリコンをエッ
チング除去した後の素子領域エッジの熱酸化膜と埋め込
み材酸化膜の構造(図20(a)、(b)、21
(a)、(b)参照)から、素子領域表面上の酸化膜4
02をエッチング除去した後に埋め込み材酸化膜の表面
高さが最終的に目的とする構造に必要なだけ残るように
するに十分なだけの膜厚が必要である。言い換えれば、
ポリシリコン403の膜厚を調節することによって、素
子領域上の酸化膜402をエッチング除去する前のフィ
ールド上の埋め込み酸化膜膜厚を調整することができ、
エッチング後のフィールド膜厚を任意の厚さに調節でき
る。本実施例では、素子領域上の酸化膜401の膜厚を
200オングストローム、ポリシリコン403の膜厚を
2500オングストロームとする。
【0085】次に、素子を形成する領域以外の領域を基
板までエッチングし、埋め込み領域を形成するために、
素子形成領域上にエッチングマスク415を形成する
(図17(b)参照)。この時、通常のフォトレジスト
415をパターニングし、これをマスクにポリシリコン
403、酸化膜402、シリコン基板401と連続して
異方性エッチングによりエッチングを行っても良いが、
ポリシリコン403の膜厚が厚い場合や、基板401の
エッチング深さが深い場合は、レジストがエッチング物
とのエッチング選択比が大きくとれないため、プロセス
上のマスクに対するパターン変換差が大きくなり良くな
い。そのため、本実施例ではポリシリコン403上にさ
らにCVD酸化膜414を堆積し、その上にフォトレジ
スト415をパターニングして、フォトレジスト415
をマスクにポリシリコン403、酸化膜402まで異方
性エッチングを行い、フォトレジスト415を除去後に
CVD酸化膜414をマスクにシリコン基板401をエ
ッチングする工程を用いる(図17(b)〜(d)参
照)。
【0086】次に、異方性エッチングにより形成された
シリコン基板401の溝内とポリシリコン403の露出
部表面に熱酸化膜402aを形成する。この酸化膜40
2aの膜厚は、後に素子領域上の熱酸化膜402をエッ
チング除去するときに同時に除去されなければならない
ため、素子領域上のシリコン基板401の熱酸化膜40
2aをエッチング除去するのに必要なエッチング時間
で、同様にポリシリコンの熱酸化膜厚を除去可能である
ことが必要である。この酸化膜402aの膜厚は例え
ば、数百オングストローム程度の厚さがあれば良い。こ
の時、ポリシリコンの酸化膜は、パターニングされたポ
リシリコン413の側面に形成されることが重要であ
り、シリコン基板401のエッチングマスクに用いたC
VD酸化膜414を除去しポリシリコン403の上部表
面を露出する必要はない。しかし、後の工程で埋め込み
材熱酸化膜416の表面を平坦化する時に、埋め込み段
差を小さくできるため、除去しておく方が望ましい。ま
た、この酸化膜厚はあまり厚すぎると、酸化時の体積の
膨張により素子を形成するシリコン基板表面とポリシリ
コンの間にバーズビークと呼ばれるくさび型の酸化膜が
形成され、応力、形状制御性などの観点から望ましくな
い。
【0087】続いて、埋め込み材酸化膜416を堆積す
る(図18(a)参照)。この埋め込み材としては、C
VD酸化膜のほか素子領域表面の熱酸化膜をエッチング
するときに用いるNHFなどの弗酸系エッチング液で
エッチングされるものであれば良い。また、この埋め込
み材酸化膜416の膜厚は、埋め込み材表面を平坦化、
エッチバックしてポリシリコン403の表面を露出した
ときに、素子を形成するシリコン基板401の表面より
も高い位置に埋め込み材表面がくるようにしなければな
らないため、シリコン基板401をエッチングした深さ
よりも厚く堆積する必要がある。
【0088】次に、埋め込み材酸化膜416の表面を平
坦化し、ポリシリコン403の表面を露出する(図18
(b))。平坦化の方法としては、BPSGメルトリフ
ローや、リフローレジスト等の平坦化材を塗布すること
によって平坦化した後に、所定量エッチバックする方法
や、ポリッシングによって物理的に表面を削ってエッチ
バックを行う方法などを使用することができる。ポリッ
シングの場合、素子領域上のポリシリコンは、ポリッシ
ングのエッチングストッパとして使用することが可能で
ある。
【0089】埋め込み材酸化膜416の表面を平坦化し
ポリシリコン403の上部表面を露出した後、ポリシリ
コン403のみを、CDE(ケミカルドライエッチン
グ)等、酸化膜とエッチング選択比のあるエッチング方
法で除去する。このようにして、素子領域上の熱酸化膜
402が露出し、素子領域の端部周辺で側面を熱酸化膜
402aで覆われた埋め込み材酸化膜416が素子領域
よりも高い位置にあるという構造ができる(図18
(c)参照)。
【0090】この状態でNHF等を用い酸化膜416
をエッチングすると、熱酸化膜402,402aと埋め
込み材酸化膜416のエッチングレートの差によって、
素子領域上の熱酸化膜402がエッチング除去された時
に、埋め込み材酸化膜416の表面高さを所望の高さに
することが可能である。この時、素子領域の端部周辺に
おいては、埋め込み材酸化膜416よりもエッチングレ
ートの遅いポリシリコンの酸化膜402aが存在するた
め、埋め込み材酸化膜416の横方向への不要なエッチ
ングによって生じるエッチング溝を防止することができ
る。
【0091】つまり、先に述べたようにポリシリコン膜
厚として適当な厚さを選んでやることにより、平坦化し
てポリシリコン表面を露出しポリシリコン403のみを
除去した後に生じる段差を任意に設定することができ、
このことによって素子領域を露出するためのエッチング
後の埋め込み材酸化膜416の膜厚を調節することがで
きることになる。例えば、図21(a)に示すように最
終的に素子領域よりも埋め込み材416の表面が高い位
置に来るような構造を作りたい時は、ポリシリコン40
3の膜厚を厚くしてポリシリコン403除去後の段差を
大きくすれば良い。逆に、図21(b)のように埋め込
み材酸化膜416が素子領域よりも低くなるような構造
を目指すときは、ポリシリコン403の膜厚を薄く設定
しておけば良い。
【0092】また、ポリシリコン膜厚を調節する代わり
に平坦化後のエッチング量を調節することによって同様
のことが可能である。ポリッシングではポリシリコンが
エッチングストッパとなりポリシリコンが露出した後の
エッチングは難しいが、メルトBPSGやリフローレジ
スト等の平坦化材を用いる方法の場合、ポリシリコン露
出後もエッチバックを続けることによって、前記のよう
な素子領域表面高さの調節が可能である。この場合、図
20(b)に示すようにポリシリコン上部表面にも熱酸
化膜が存在するため、これがエッチング除去されるまで
に埋め込み材酸化膜がdだけポリシリコン上部よりも低
くなる。ポリシリコンをエッチング除去した後にポリシ
リコンの側面の熱酸化膜が鋭角に残ることになるが、素
子領域上の熱酸化膜402の膜厚aに対してこの側壁の
熱酸化膜402の膜厚cを適当に選んでやることによっ
て最終的に酸化膜の鋭角部分を無くするように設定する
ことは可能である。
【0093】以上のようにして作成された、素子分離構
造上に、既存の方法によりベース領域410、エミッタ
領域411、ゲートポリ404、絶縁膜405、エミッ
タポリ406、ベース電極407、エミッタ電極40
8、およびコレクタ電極409等を形成することによっ
て、図19(b)に示すようなバイポーラトランジスタ
を製造することができる。
【0094】なお本実施例においては、バイポーラトラ
ンジスタの素子分離構造に適用した場合を考えたが、同
様な素子分離構造を用いるデバイス、例えばMOSトラ
ンジスタ等に対しても用いることが可能である。MOS
トランジスタに適用する場合は特に、シリコン基板の素
子領域表面高さが埋め込み材酸化膜表面高さよりも低
く、素子領域のエッジ部分にエッチング溝がないことが
重要である。もし、埋め込み材酸化膜表面高さが素子領
域表面高さよりも低くなってしまうと、素子領域のエッ
ジ部分のチャネルが凸になり、この上をゲート電極で覆
う構造になるため、この部分で電解集中が起こり、素子
特性に悪影響を及ぼしてしまう。素子領域周辺に不用な
エッチング溝が形成された場合も、同様の現象が起こ
る。
【0095】本実施例を用いた場合、このような不具合
をも避けることが可能である。
【0096】以上述べたように本実施例による埋め込み
素子分離の製造方法を用いることにより、素子領域上の
熱酸化膜の上のポリシリコンを除去した後に行う熱酸化
膜のウェット系エッチングにおいて、図20(a)、
(b)、図21(a)、(b)に示すようにポリシリコ
ン除去後に素子領域の周りの埋め込み材酸化膜の側面部
分にポリシリコンの熱酸化膜が残り、エッチングレート
の速い埋め込み材酸化膜を覆っているため、この部分か
らの埋め込み材の過剰なエッチングを抑え、素子領域表
面の熱酸化膜を除去した後に素子領域周辺部にオーバー
エッチングによる溝ができることを避けることが可能と
なり、素子領域と素子領域周辺の埋め込み材酸化膜の形
状制御性を向上することが可能になる。
【0097】
【発明の効果】第1の発明によれば、寄生抵抗および寄
生容量の小さいコイルを有する半導体装置を得ることが
できる。
【0098】第2の発明によれば、素子面積が小さく、
寄生容量の小さいトレンチ素子分離構造を有する半導体
装置を製造することができる。
【0099】又、第3の発明によれば、素子面積が小さ
く、寄生容量の小さいトレンチ素子分離構造を有する半
導体装置を製造することができる。
【0100】第4の発明によれば、信頼性の高い高速バ
イポーラトランジスタの埋め込み素子分離構造を有する
半導体装置を製造することができる。
【0101】又、第5の発明によれば、信頼性の高い高
速バイポーラトランジスタの埋め込み素子分離構造を有
する半導体装置を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の発明の一実施例の構成を示す断面図。
【図2】図1に示す半導体装置の製造工程を示す断面
図。
【図3】図1に示す半導体装置の製造工程を示す断面
図。
【図4】第2の発明の第1の実施例の製造工程を示す断
面図。
【図5】第2の発明の第1の実施例の製造工程を示す断
面図。
【図6】第2の発明の第2の実施例の製造工程を示す断
面図。
【図7】第2の発明の第2の実施例の製造工程を示す断
面図。
【図8】第3の発明の一実施例の製造工程を説明する
図。
【図9】第3の発明の一実施例の製造工程を説明する
図。
【図10】第3の発明の一実施例の製造工程を説明する
図。
【図11】第3の発明の一実施例の製造工程を説明する
図。
【図12】第3の発明の一実施例によって製造された半
導体装置の構成を示す図。
【図13】第4の発明の一実施例の製造工程を示す断面
図。
【図14】第4の発明の一実施例の製造工程を示す断面
図。
【図15】第4の発明の一実施例の製造工程を示す断面
図。
【図16】第4の発明の一実施例の製造工程を示す断面
図。
【図17】第5の発明の一実施例の製造工程を示す断面
図。
【図18】第5の発明の一実施例の製造工程を示す断面
図。
【図19】第5の発明の一実施例の製造工程を示す断面
図。
【図20】第5の発明の一実施例の作用を説明する説明
図。
【図21】第5の発明の一実施例の作用を説明する説明
図。
【図22】従来の半導体装置の構成を説明する図。
【図23】従来の半導体装置の製造方法の製造工程を示
す断面図。
【図24】従来の半導体装置の製造方法の製造工程を示
す断面図。
【図25】従来の製造方法によって製造された半導体装
置の構造を説明する図。
【図26】従来の他の製造方法によって製造された半導
体装置の構造を示す断面図。
【図27】従来の更に他の製造方法の製造工程を示す断
面図。
【図28】従来の更に他の製造方法の製造工程を示す断
面図。
【図29】従来の更に他の製造方法の問題点を説明する
断面図。
【図30】従来の更に他の製造方法によって製造された
半導体装置の構成を示す断面図。
【符号の説明】
1 半導体基板 2 コレクタエピタキシャル層 3 素子分離用トレンチ 4 コイル形成用トレンチ 5 CVD酸化膜 6 コイル導体 7 平坦化用CVD酸化膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松 田 聡 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1 株式会 社東芝研究開発センター内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】半導体基板上のコイル形成領域に深い溝が
    形成され、この溝内に絶縁膜で覆われた導電性の材質か
    らなるコイルが埋め込まれていることを特徴とする半導
    体装置。
  2. 【請求項2】半導体基板上に耐エッチング性の材料から
    なるマスクを形成し、異方性のエッチングを行うことに
    よって半導体基板の所定領域に浅い第1の溝およびこの
    第1の溝を取り囲むような浅い第2の溝を形成する工程
    と、前記半導体基板上の、前記第1の溝の近傍領域に開
    口部を有するようにフォトレジスト層を形成する工程
    と、前記開口部に酸化膜を選択的に堆積する工程と、前
    記フォトレジスト層を除去し、異方性のエッチングを行
    うことによって前記第2の溝を深い溝にする工程と、前
    記マスクおよび酸化膜のうち、前記半導体基板上の、前
    記第2の溝に囲まれた領域以外の領域上にあるものを除
    去する工程と、残った前記マスクおよび酸化膜をマスク
    にして異方性のエッチングを行う工程と、前記マスクお
    よび酸化膜を除去した後、前記第1および第2の溝を絶
    縁膜で埋め込む工程と、前記絶縁膜をエッチバックし、
    前記半導体基板の素子形成領域の表面が露出する状態に
    平坦化する工程と、を備えていることを特徴とする半導
    体装置の製造方法。
  3. 【請求項3】半導体基板表面に第1の絶縁膜、第1の半
    導体膜、第2の絶縁膜、および第2の半導体膜を順次積
    層する工程と、素子形成領域とフィールド領域に選択的
    に第1のフォトレジスト層を形成する工程と、前記フォ
    トレジスト層をマスクにして前記第2の半導体膜、第2
    の絶縁膜、および第1の半導体膜を異方性エッチングを
    用いてパターニングする工程と、前記第1のフォトレジ
    スト層を除去した後、素子形成領域を完全に覆うがフィ
    ールド領域を覆わないように選択的に第2のフォトレジ
    スト層を形成する工程と、この第2のフォトレジスト層
    をマスクにしてフィールド領域の前記第2の半導体膜を
    除去する工程と、前記第2のフォトレジスト層を除去し
    た後、素子形成領域の間を覆うように第3のフォトレジ
    スト層を形成する工程と、この第3のフォトレジスト層
    と前記第1、第2の半導体膜をマスクにしてフィールド
    領域上の前記第2の絶縁膜と露出している前記第1の絶
    縁膜を除去する工程と、第3のフォトレジスト層を除去
    した後、前記第1の絶縁膜と前記第2の絶縁膜をマスク
    にして、前記半導体基板を異方性エッチングし、深い溝
    を形成する工程と、素子形成領域以外の領域にある前記
    第1の絶縁膜と前記第2の絶縁膜を除去する工程と、素
    子形成領域上の前記第1の絶縁膜をマスクにして前記半
    導体基板に異方性エッチングを行って、フィールド領域
    と素子領域の間に浅い溝を形成する工程と、を備えてい
    ることを特徴とする半導体装置の製造方法。
  4. 【請求項4】半導体基板上の素子形成領域上に第1の材
    料からなるマスクを形成する工程と、前記第1の材料に
    対してエッチング選択比の高い第2の材料からなる第1
    の層を全面に形成する工程と、前記第2の材料に対して
    エッチング選択比の高い第3の材料からなる第2の層を
    全面に堆積し、この第2の層および第1の層をパターニ
    ングして素子形成領域を囲むような連続した開口部を形
    成する工程と、パターニングされた第2および第1の層
    をマスクにして半導体基板内に深い第1の溝を異方性エ
    ッチングを用いて形成する工程と、絶縁物からなる材料
    で前記第1の溝の側壁を形成する工程と、前記第1の溝
    内を絶縁物で埋め込む工程と、前記第1の層を除去し、
    前記第1の材料からなるマスクを用いて半導体基板に異
    方性エッチングを行い前記第1の溝より浅い第2の溝を
    形成する工程と、前記第1の材料からなるマスクを除去
    した後、前記第2の溝を絶縁物で埋め込み、基板表面を
    平坦化し、素子領域となる部分の基板表面を露出する工
    程と、を備えていることを特徴とする半導体装置の製造
    方法。
  5. 【請求項5】シリコン基板上に熱酸化膜、ポリシリコン
    膜を順次積層する工程と、シリコン基板上の素子形成領
    域以外の領域を異方性エッチングを用いてエッチング
    し、所定の深さの溝をシリコン基板に形成する工程と、
    前記溝内と前記ポリシリコン膜表面を薄く熱酸化する工
    程と、前記溝がシリコン酸化膜で埋め込まれるようにシ
    リコン酸化膜を基板全面に堆積する工程と、前記シリコ
    ン酸化膜の表面を平坦化して前記ポリシリコン膜を露出
    させるとともにシリコン酸化膜の平坦化された表面が、
    素子が形成されるシリコン基板表面より高くなるように
    する工程と、前記ポリシリコン膜を除去した後、素子形
    成領域上の前記熱酸化膜を除去すると同時に前記シリコ
    ン酸化膜を所定の位置までエッチバックする工程と、を
    備えていることを特徴とする半導体装置の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1374314A1 (en) * 2001-03-14 2004-01-02 International Business Machines Corporation Integrated toroidal coil inductors for ic devices
KR100923994B1 (ko) * 2001-10-10 2009-10-28 에스티마이크로일렉트로닉스 에스.에이. 모놀리식 회로에서 인덕턴스 및 비아 형성
CN111446203A (zh) * 2020-04-09 2020-07-24 帝奥微电子有限公司 一种降低高速开关对地寄生电容的制造方法

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