JP3968860B2 - 炭化珪素半導体装置の製造方法 - Google Patents

炭化珪素半導体装置の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、炭化珪素半導体装置の製造方法に関し、特に絶縁ゲート型電界効果トランジスタ、とりわけ大電力用の縦型パワーMOSFETに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
炭化珪素を用いたMOSFETの製造に関する従来の技術として、セルフアラインによりチャネルを形成するための二重拡散技術が使えないという欠点を回避する製造方法が、特開平6−151860号公報に提案されている。
図24(a)〜(f)にその製造工程を示す。この製造工程は、n型炭化珪素基板101の表面を熱酸化してゲート酸化膜102を形成した後、多結晶シリコン又は金属よりなる傾斜面104を有するゲート電極103を形成する。その後、ゲート電極103をマスクの一部としてp型、n型の不純物イオンを注入してpベース領域106及びn+ 型ソース領域107を形成するというものである。
【0003】
この方法は、注入の際のマスクとしてゲート電極103を用いるセルフアライン技術を適用しているため高性能化が可能である。
また、本出願人は、縦型MOSFETのチャネル移動度を向上させてオン抵抗を低減させる構造として、特願平9−259076号で出願している。
この縦型MOSFETのうち、プレーナ型MOSFETを例として、その断面図を図20に示し、この図に基づいてプレーナ型縦型MOSFETの構造について説明する。
【0004】
+ 型炭化珪素半導体基板1は上面を主表面1aとし、主表面の反対面である下面を裏面1bとしている。このn+ 型炭化珪素半導体基板1の主表面1a上には、基板1よりも低いドーパント濃度を有するn- 型炭化珪素エピタキシャル層(以下、n- 型炭化珪素エピ層という)2が積層されている。
このとき、n+ 型炭化珪素半導体基板1およびn- 型炭化珪素エピ層2の上面を(0001)Si面としているが、n+ 型炭化珪素半導体基板1およびn- 型炭化珪素エピ層2の上面を(112−0)a面としてもよい。つまり、(0001)Si面を用いると低い表面状態密度が得られ、(112−0)a面を用いると、低い表面状態密度で、かつ完全にらせん転位の無い結晶が得られるためである。なお、3°〜10°程度の傾斜を設けたオフ基板を用いることもできる。
【0005】
- 型炭化珪素エピ層2の表層部における所定領域には、所定深さを有するp- 型炭化珪素ベース領域3aおよびp- 型炭化珪素ベース領域3bが離間して形成されている。また、p- 型炭化珪素ベース領域3aの表層部における所定領域には、ベース領域3aよりも浅いn+ 型ソース領域4aが、また、p- 型炭化珪素ベース領域3bの表層部における所定領域には、ベース領域3bよりも浅いn+ 型ソース領域4bがそれぞれ形成されている。
【0006】
- 型炭化珪素ベース領域3a、3bの中央部には、n+ 型ソース領域4a、4bと概ね重ならない位置に形成されたディープベース層30a、30bが備えられている。このディープベース層30a、30bによりp- 型炭化珪素ベース領域3a、3bが部分的に深くなっており、ディープベース層30a、30bの下のn- 型炭化珪素エピ層2を薄くして、p- 型炭化珪素ベース領域3a、3bとn+ 型炭化珪素半導体基板1との距離が短くなるようにしている。
【0007】
このディープベース層30a、30bによって、ディープベース層30a、30bとn- 型炭化珪素エピ層2との接合部における電界強度を高くして、この部分でアバランシェブレークダウンし易くさせ、さらに上記位置にディープベース層30a、30bを形成することで寄生トランジスタを動作させにくい経路でサージエネルギーが引き抜けるようにして、L負荷耐量を十分に持たせられるようにしている。このような位置にディープベース層30a、30bを形成しているため、寄生バイポーラトランジスタを動作させにくい経路でサージエネルギーを引く抜けるようにできる。
【0008】
さらに、n+ 型ソース領域4aとn+ 型ソース領域4bとの間におけるn- 型炭化珪素エピ層2およびp- 型炭化珪素ベース領域3a、3bの表面部にはn- 型SiC層5が延設されている。つまり、p- 型炭化珪素ベース領域3a、3bの表面部においてソース領域4a、4bとn- 型炭化珪素エピ層2とを繋ぐようにn- 型SiC層5が配置されている。
【0009】
このn- 型SiC層5は、エピタキシャル成長にて形成されたものであり、エピタキシャル膜の結晶が4H、6H、3Cのものを用いる。尚、エピタキシャル層は下地の基板に関係なく各種の結晶を形成できるものである。このn- 型SiC層5は、デバイスの動作時にデバイス表面においてチャネル形成層として機能する。以下、このn- 型SiC層5を表面チャネル層という。
【0010】
表面チャネル層5のドーパント濃度は、1×1015cm-3〜1×1017cm-3程度の低濃度となっており、かつ、n- 型炭化珪素エピ層2及びp- 型炭化珪素ベース領域3a、3bのドーパント濃度以下となっている。これにより、低オン抵抗化が図られている。
また、p- 型炭化珪素ベース領域3a、3b、n+ 型ソース領域4a、4bの表面部には凹部6a、6bが形成されている。
【0011】
表面チャネル層5の上面およびn+ 型ソース領域4a、4bの上面にはゲート絶縁膜(シリコン酸化膜)7が形成されている。さらに、ゲート絶縁膜7の上にはポリシリコンゲート電極8が形成されており、このポリシリコンゲート電極8はLTO(Low Temperature Oxide)からなる絶縁膜9にて覆われている。その上にはソース電極10が形成され、ソース電極10はn+ 型ソース領域4a、4bおよびp- 型炭化珪素ベース領域3a、3bと接している。また、n+ 型炭化珪素半導体基板1の裏面1bには、ドレイン電極11が形成されている。
【0012】
次に、図20に示すプレーナ型パワーMOSFETの製造工程を、図21〜図23を用いて説明する。
〔図21(a)に示す工程〕
まず、n型4Hまたは6Hまたは3C−SiC基板、すなわちn+ 型炭化珪素半導体基板1を用意する。ここで、n+ 型炭化珪素半導体基板1はその厚さが400μmであり、主表面1aが(0001)Si面、又は、(112−0)a面である。この基板1の主表面1aに厚さ5μmのn- 型炭化珪素エピ層2をエピタキシャル成長する。本例では、n- 型炭化珪素エピ層2は下地の基板1と同様の結晶が得られ、n型4Hまたは6Hまたは3C−SiC層となる。
【0013】
〔図21(b)に示す工程〕
- 型炭化珪素エピ層2の表面の所定領域にLTO膜20を配置し、これをマスクとしてp型不純物(例えば、ボロンやアルミニウム)をイオン注入して、p- 型炭化珪素ベース領域3a、3bを形成する。このときのイオン注入条件は、ボロン(B+ )を注入する場合には、温度が700〜1000℃で、ドーズ量が略1×1015cm-2としている。
【0014】
〔図21(c)に示す工程〕
LTO膜20を除去した後、エピタキシャル成長法によって、n- 型炭化珪素エピ層2の表層部及びp- 型炭化珪素ベース領域3a、3bの上部に表面チャネル層5を成長させる。このエピタキシャル成長のの際に実行する熱処理の温度は1200〜1500℃で行っている。
【0015】
なお、このとき、プレーナ型パワーMOSFETをノーマリオフ型にするために、表面チャネル層5の厚み(膜厚)は所望の厚みとしている。
〔図22(a)に示す工程〕
表面チャネル層5の上の所定領域にLTO膜21を配置し、これをマスクとしてn型不純物(例えば窒素(N+ ))をイオン注入し、n+ 型ソース領域4a、4bを形成する。このときのイオン注入条件は、700℃、ドーズ量は1×1015cm-2としている。
【0016】
〔図22(b)に示す工程〕
そして、LTO膜21を除去した後、フォトリソグラフィ法を用いて表面チャネル層5の上の所定領域にLTO膜22を配置し、これをマスクとしてRIEによりp- 型炭化珪素ベース領域3a、3b上の表面チャネル層5を部分的にエッチング除去する。
【0017】
〔図22(c)に示す工程〕
さらに、LTO膜22をマスクにしてB+ をイオン注入し、ディープベース層30a、30bを形成する。これにより、ベース領域3a、3bの一部が厚くなったものとなり、ディープベース層30a、30bの下のn- 型炭化珪素エピ層2における厚さが薄くなる。
【0018】
このディープベース層30a、30bは、n+ 型ソース領域4a、4bに重ならない部分に形成されると共に、p- 型炭化珪素ベース領域3a、3bのうちディープベース層30a、30bが形成された厚みが厚くなった部分が、ディープベース層30aが形成されていない厚みの薄い部分よりも不純物濃度が濃く形成される。
【0019】
〔図23(a)に示す工程〕
LTO膜22を除去した後、基板の上にウェット酸化によりゲート絶縁膜(ゲート酸化膜)7を形成する。このとき、雰囲気温度は1080℃とする。
その後、ゲート絶縁膜7の上にポリシリコンゲート電極8をLPCVDにより堆積する。このときの成膜温度は600℃とする。
【0020】
〔図23(b)に示す工程〕
引き続き、ポリシリコンゲート電極8の不要部分を除去した後、LTOよりなる絶縁膜9を形成しゲート絶縁膜7を覆う。より詳しくは、成膜温度は425℃であり、成膜後に1000℃のアニールを行う。このとき、アニール雰囲気ガスはH2 、N2 若しくはArのいずれかとする。その後、ゲート絶縁膜7と絶縁膜9の不要部分を除去し、コンタクトホールを形成する。
【0021】
〔図23(c)に示す工程〕
そして、室温での金属スパッタリングによりソース電極10及びドレイン電極11を配置する。また、成膜後に1000℃のアニールを行う。
このようにして、図20に示す縦型パワーMOSFETが完成する。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、特開平6−151860号公報に示される方法によると、セルフアラインが可能となり素子の高性能化を図ることが可能となる。しかし、傾斜面104を有するゲート電極103をイオン注入マスクとして用い、イオンの加速エネルギーを制御することにより不純物のプロファイルを制御しているため、原理的にその下部に位置するゲート絶縁膜102にも直接イオン種が注入され、そのダメージによりゲート絶縁膜102の樹目用が低下するといった問題点があった。
【0023】
また、本出願人が先に出願した縦型パワーMOSFETでは、p- 型炭化珪素ベース領域3a、3bとn+ 型ソース領域4a、4bとを別々のマスクで形成していたため、アライメントずれが発生することが判った。
このアライメントずれはチャネル長のバラツキとなるため、素子間の電気特性(しきい値電圧、耐圧、オン抵抗等)のバラツキを大きくするという問題を発生させてしまう。この問題は、特に微細パターンの素子を形成する際に顕著に発生し、素子の微細化を困難にさせる。
【0024】
本発明は上記点に鑑みて成され、ソース領域とベース領域とを正確な位置関係で形成できる炭化珪素半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
【0025】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、以下の技術的手段を採用する。
請求項1に記載の発明においては、第1のマスク材(22)の所定領域に形成した第1の開口部(22a)よりイオン注入してベース領域(3a、3b)を形成したのち、第1の開口部を含む第1のマスク材の上に第2のマスク材(23)を成膜すると共に、該第2のマスク材を反応性イオンエッチングで第1のマスク材が露出するまで除去して第2の開口部(23a)を形成し、さらにこの第2の開口部よりイオン注入を行ってソース領域(4a、4b)を形成することを特徴としている。
【0028】
このように、第1の開口部を含む第1のマスク材の上に第2のマスク材を形成し、この第2のマスク材を反応性イオンエッチングによってエッチングバックすれば、第2のマスク材に第1の開口部より等間隔分だけ小さくなった第2の開口部を形成することができる。このため、第2の開口部よりイオン注入を行ってソース領域を形成すれば、ベース領域及びソース領域を自己整合的に形成することができ、これらを正確な位置関係で形成することができる。
【0029】
なお、請求項に示すように、第2のマスク材の膜厚を制御することにより、ソース領域の大きさを制御することをができる。つまり、第2のマスク材の膜厚によって第2の開口部と第1の開口部との間の間隔が設定されるため、第2のマスク材の膜厚に応じてソース領域の大きさを変更できる。
請求項に記載の発明においては、マスク材の所定領域に形成した開口部より、斜めイオン注入を行ってベース領域(3a、3b)を形成し、さらに該開口部よりイオン注入を行ってベース領域の中に該ベース領域よりも接合深さの浅いソース領域(4a、4b)を形成することを特徴としている。
【0030】
このように、開口部より斜めイオン注入を行った場合には、開口部の開口端よりも所定距離深い位置まで不純物が注入される。そして、ベース領域を斜めイオン注入で形成し、ソース領域を通常のイオン注入(若しくはイオン注入であってもベース領域を形成するときより小エネルギーのイオン注入)で形成するようにすれば、ソース領域をベース領域の表層部に形成することができる。これにより、ソース領域とベース領域を同一マスクで形成できるため、ベース領域及びソース領域を自己整合的に形成することができ、請求項1と同様の効果が得られる。
【0031】
なお、請求項に示すように、斜めイオン注入の加速電圧及び角度を制御することにより、ベース領域の大きさを制御することができる。
請求項に記載の発明においては、半導体層(2)上に、第1、第2のマスク材(41、51、42、52)を順に積層し、第2のマスク材(42、52)に第1の開口部(52a)を設け、第1の開口部より第1のマスク材(41、51)をエッチングして第1の開口部よりも大きな第2の開口部(51a)を設け、第1の開口部からイオン注入を行ってソース領域(4a、4b)を形成し、第2のマスク材を除去したのち、第2の開口部からイオン注入を行ってベース領域(3a、3b)を形成することを特徴としている。
【0032】
このように、第2のマスク材に形成された第1の開口部より、第1のマスク材のエッチングを行い第1の開口部よりも大きな第2の開口部を形成すれば、第2の開口部の開口端と第1の開口部の開口端との間隔が一定で形成される。このため、第1の開口部よりイオン注入を行ってソース領域を形成したのち、第2のマスク材を除去して第2の開口部よりイオン注入を行いベース領域を形成すれば、ソース領域とベース領域とを自己整合的に形成することができる。これにより、請求項1と同様の効果が得られる。
【0033】
なお、請求項に示されるように、第1のマスク材としてはシリコン窒化膜を用いることができ、第2のマスク材としてはシリコン酸化膜を用いることができる。
請求項に記載の発明においては、半導体層(2)上に積層した第1、第2のマスク材(45、61、46、62)を貫通する第1の開口部(48、70)を設け、この第1の開口部からイオン注入を行ってソース領域(4a、4b)を形成したのち、さらに第2のマスク材をマスクにして第1のマスク材をLOCOS酸化すると共に第2のマスク材及び第1のマスク材の酸化部分(45a)を除去して、第1のマスク材に前記第1の開口部よりも大きな第2の開口部(49、71)を設け、この第2の開口部からイオン注入を行ってベース領域(3a、3b)を形成することを特徴としている。
【0034】
このように、第2のマスク材をマスクとして第1のマスク材をLOCOS酸化した場合には、第1のマスク材には第1の開口部から所定距離の部分まで酸化され、この酸化部分を除去すれば第1の開口部よりも大きな第2の開口部を形成することができる。このため、第1の開口部よりイオン注入を行ってソース領域を形成し、第2の開口部よりイオン注入を行ってベース領域を形成すれば、これらが自己整合的に形成され、請求項1と同様の効果が得られる。
【0035】
なお、請求項に示すように、第1のマスク材をポリシリコンで構成し、第2のマスク材をシリコン窒化膜で構成することができる。
請求項に記載の発明においては、ベース領域を形成する工程およびソース領域を形成する工程を共に行った後、ソース領域と半導体層とを繋ぐように、ベース領域上にチャネル領域となる表面チャネル層(5)を形成することを特徴としている。
【0036】
このように、表面チャネル層をチャネル領域とする蓄積型の炭化珪素半導体装置に適用することも可能である。
【0037】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図に示す実施形態について説明する。
(第1実施形態)
本実施形態に示される縦型パワーMOSFETを図1に示す。この図1に示される縦型パワーMOSFETは、図20に示す縦型パワーMOSFETとほぼ同様の構成であるため、異なる部分のみ説明し、同様の部分は同じ部号を付して説明を省略する。
【0038】
図1に示すように、p- 型炭化珪素ベース領域3a、3bの側面及びn+ 型ソース領域4a、4bの側面は、共に基板表面(n- 型炭化珪素エピ層2の表面)に対してテーパ形状を成しており、それぞれが略平行な関係となっている。
また、p- 型炭化珪素ベース領域3a、3bの底面及びn+ 型ソース領域4a、4bの底面は、基板表面(n- 型炭化珪素エピ層2の表面)と略平行となっている。
【0039】
また、表面チャネル層5がn+ 型ソース領域4a、4bの表面より上部に配置されている。これは、n+ 型ソース領域4a、4bを形成するよりも後で表面チャネル層5を形成しているためである。
- 型炭化珪素ベース領域3a、3b及びn+ 型ソース領域4a、4bの中央部には、n+ 型ソース領域4a、4bを貫通し、p- 型炭化珪素ベース領域3a、3bに達するコンタクトホールが形成されており、このコンタクトホールを介してソース電極10がn+ 型ソース領域4a、4b及びp- 型炭化珪素ベース領域3a、3bに電気的に接触している。
【0040】
本実施形態における縦型パワーMOSFETは、上記点において図20に示す縦型パワーMOSFETと異なっている。
次に、図1に示された縦型パワーMOSFETの製造工程を図2、図3に基づいて説明する。但し、これらの図では、上述した図21〜図23に示した従来の製造工程と異なる部分についてのみ示してあり、同様の部分については説明を省略する。
【0041】
まず、図21(a)に示すように、n+ 型炭化珪素半導体基板1の上にn- 型炭化珪素エピ層2を成膜したものを用意する。そして、以下に示す工程を順に実施する。
〔図2(a)に示す工程〕
- 型炭化珪素エピ層2の上にシリコン酸化膜等によってマスク材20を成膜する。そして、このマスク材20の所定領域、具体的にはn+ 型ソース領域4a、4b及びp- 型炭化珪素ベース領域3a、3bを形成する予定領域に対応する位置に、側面が略テーパ形状を成す開口部20aを形成する。このように略テーパ形状の開口部20aを形成するのは、等方性エッチング等を行うことによって実現できる。なお、この側面の角度によって、後の工程で形成されるn+ 型ソース領域4a、4bの大きさ(幅)を制御することができる。
【0042】
〔図2(b)に示す工程〕
次に、マスク材20をマスクとして、基板法線方向からp型不純物(例えばボロンやアルミニウム等)のイオン注入を行う。これにより、p- 型炭化珪素ベース領域3a、3bが形成される。このときp型不純物が注入される深さは、概ね決定されているため、マスク材20の表面から所定の深さ分だけ注入される。このため、p- 型炭化珪素ベース領域3a、3bは、開口部20aと同様の形状で形成される。
【0043】
〔図2(c)に示す工程〕
さらに、先程用いたマスク材20をマスクとして、基板法線方向からn型不純物(例えば窒素)のイオン注入を行う。このときのイオン注入は、図2(b)で行ったp型不純物のイオン注入時よりも小さなエネルギーで行う。これにより、p- 型炭化珪素ベース領域3a、3bよりも浅い位置にn型不純物が注入され、その部分におけるp型不純物が補償されてn+ 型ソース領域4a、4bが形成される。このとき、上述したようにn型不純物の注入深さは概ね決定されているため、n+ 型ソース領域4a、4bは開口部20aと同様の形状で注入される。
【0044】
このとき、n+ 型ソース領域4a、4bを形成するためのマスクをp- 型炭化珪素ベース領域3a、3bを形成するためのマスクと同一のマスクを用いて形成しているため、p- 型ベース領域3a、3bとn+ 型ソース領域4a、4bとが自己整合的(セルフアライン)に形成される。
このため、p- 型炭化珪素ベース領域3a、3bの形成位置とn+ 型ソース領域4a、4bの形成位置とが正確な位置関係となる。
【0045】
〔図3(a)に示す工程〕
マスク材20を除去して、n- 型炭化珪素エピ層2を露出させる。
〔図3(b)に示す工程〕
フォト・エッチングによって、p- 型炭化珪素ベース領域3a、3b及びn+ 型ソース領域4a、4bの中央部に、n+ 型ソース領域4a、4bを貫通してp- 型炭化珪素ベース領域3a、3bまで達するコンタクトホールを形成する。
【0046】
この後、表面チャネル層5をエピタキシャル成長させる等、図21〜図23に示す工程を経て、図1に示した縦型パワーMOSFETが完成する。
このように完成した縦型パワーMOSFETは、n+ 型ソース領域4a、4bとp- 型炭化珪素ベース領域3a、3aとが正確な位置関係で形成されているため、n- 型炭化珪素エピ層2の表面におけるp- 型炭化珪素ベース領域3a、3bの終端部からn+ 型ソース領域4a、4bの終端部までの距離が正確に形成でき、この上部に形成されるチャネル領域の長さ(チャネル長)を正確に設定することができる。従って、素子の特性変動が少ない良好な特性を有する縦型パワーMOSFETを製造することができる。
【0047】
なお、本実施形態では、図20に示す本出願人が先に出願したもののように、ディープベース層30a、30bを形成していないものを示しているが、例えばコンタクトホールからp型不純物をイオン注入する等によって別途形成することもできる。
(第2実施形態)
本実施形態に示される縦型パワーMOSFETを図4に示す。この図4に示される縦型パワーMOSFETも図1に示す縦型パワーMOSFETとほぼ同様の構成であるため、異なる部分のみ説明し、同様の部分は同じ部号を付して説明を省略する。
【0048】
図4に示すように、p- 型炭化珪素ベース領域3a、3bの側面及びn+ 型ソース領域4a、4bの側面は、共に基板表面(n- 型炭化珪素エピ層2の表面)に対して略垂直な形状を成しており、それぞれが略平行な関係となっている。なお、p- 型炭化珪素ベース領域3a、3bの底面及びn+ 型ソース領域4a、4bの底面は、基板表面(n- 型炭化珪素エピ層2の表面)と略平行となっている。本実施形態における縦型パワーMOSFETは、この点において図1に示す縦型パワーMOSFETと異なっている。
【0049】
次に、図1に示された縦型パワーMOSFETの製造工程を図5、図6に基づいて説明する。但し、これらの図では、上述した図21〜図23に示した従来の製造工程と異なる部分についてのみ示してあり、同様の部分については説明を省略する。
まず、図21(a)に示すように、n+ 型炭化珪素半導体基板1の上にn- 型炭化珪素エピ層2を成膜したものを用意する。そして、以下に示す工程を順に実施する。
【0050】
〔図5(a)に示す工程〕
- 型炭化珪素エピ層2の上にシリコン酸化膜等によってマスク材22を成膜する。そして、このマスク材22の所定領域、具体的にはn+ 型ソース領域4a、4b及びp- 型炭化珪素ベース領域3a、3bを形成する予定領域に対応する領域に側面が略垂直となる開口部22aを形成する。
【0051】
〔図5(b)に示す工程〕
次に、マスク材22をマスクとして、基板法線方向からp型不純物(例えばボロンやアルミニウム等)のイオン注入を行う。これにより、p型不純物が所定深さ分注入されて、p- 型炭化珪素ベース領域3a、3bが形成される。このとき、マスク材22の開口部の側面を基板表面に対して略垂直としているため、p- 型炭化珪素ベース領域3a、3bは、その側面が基板表面に対して略垂直となって形成される。
【0052】
〔図5(c)に示す工程〕
次に、開口部22aを含むマスク材22上の全面(ウェハ全面)に、TEOS酸化膜23を形成する。これにより、開口部22a内もTEOS酸化膜23で満たされる。このとき、TEOS酸化膜23のうち、開口部22a内に入り込んだ部分は、開口部22aの中央部分ではマスク材22上のものと同等の厚みで形成され、開口部22aの開口端近傍においては他の中央部分よりも厚く形成される。また、このとき、開口部22aに入り込んだTEOS酸化膜23における開口部22aの開口端からの厚さは、いずれの位置においても全てほぼ同等となる。
【0053】
〔図6(a)に示す工程〕
マスク材22上のTEOS酸化膜23が無くなる程度まで、TEOS酸化膜23をエッチバックする。これにより、TEOS酸化膜23は、開口部22a内に入り込んだもののうち、厚く形成された部分(中央部分以外)が残留して中央部分が開口するため、開口部22aの開口面積が縮小される。また、このとき、残留したTEOS酸化膜23における開口部23aの開口端からの厚さはいずれの位置においても全てほぼ同等となる。
【0054】
〔図6(b)に示す工程〕
さらに、マスク材22及びTEOS酸化膜23をマスクとして、基板法線方向からn型不純物(例えば窒素)のイオン注入を行う。このときのイオン注入は、図5(b)で行ったp型不純物のイオン注入時よりも小さなエネルギーで行う。これにより、p- 型炭化珪素ベース領域3a、3bよりも浅い位置にn型不純物が注入され、その部分におけるp型不純物が補償されてn+ 型ソース領域4a、4bが形成される。
【0055】
このとき、TEOS酸化膜23の開口部23aの開口端から、マスク材22の開口部22aの開口端までの間隔がいずれの位置においても一定となっているため、n+ 型ソース領域4a、4bはp- 型炭化珪素ベース領域3a、3bに対して、正確な位置関係で形成される。
〔図6(c)に示す工程〕
マスク材22及びTEOS酸化膜23を除去してn- 型炭化珪素エピ層2を露出させる。そして、さらにフォト・エッチングによって、p- 型炭化珪素ベース領域3a、3b及びn+ 型ソース領域4a、4bの中央部に、n+ 型ソース領域4a、4bを貫通してp- 型炭化珪素ベース領域3a、3bまで達するコンタクトホールを形成する。
【0056】
この後、表面チャネル層5をエピタキシャル成長させる等、図21〜図23に示す工程を経て、図4に示した縦型パワーMOSFETが完成する。
このように完成した縦型パワーMOSFETは、n+ 型ソース領域とp- 型炭化珪素ベース領域3a、3aとが正確な位置関係で形成されるため、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0057】
(第3実施形態)
本実施形態に示される縦型パワーMOSFETを図7に示す。この図7に示される縦型パワーMOSFETも図1に示す縦型パワーMOSFETとほぼ同様の構成であるため、異なる部分のみ説明し、同様の部分は同じ部号を付して説明を省略する。
【0058】
図7に示すように、p- 型炭化珪素ベース領域3a、3bの側面は、共に基板表面(n- 型炭化珪素エピ層2の表面)に対して略テーパ形状を成している。一方、n+ 型ソース領域4a、4bの側面は、基板表面に対して略垂直な形状を成している。このため、p- 型炭化珪素ベース領域3a、3bの側面とn+ 型ソース領域4a、4bの側面が平行になっていない。なお、p- 型炭化珪素ベース領域3a、3bの底面及びn+ 型ソース領域4a、4bの底面は基板表面に対して略平行となっており、互いに略平行な関係となっている。本実施形態における縦型パワーMOSFETは、この点において図1に示す縦型パワーMOSFETと異なっている。
【0059】
次に、図7に示された縦型パワーMOSFETの製造工程を図8に基づいて説明する。但し、この図では、上述した図21〜図23に示した従来の製造工程と異なる部分についてのみ示してあり、同様の部分については説明を省略する。
まず、図21(a)に示すように、n+ 型炭化珪素半導体基板1の上にn- 型炭化珪素エピ層2を成膜したものを用意する。そして、以下に示す工程を順に実施する。
【0060】
〔図8(a)に示す工程〕
- 型炭化珪素エピ層2の上にシリコン酸化膜等によってマスク材25を成膜する。そして、このマスク材25の所定領域、具体的にはn+ 型ソース領域4a、4b及びp- 型炭化珪素ベース領域3a、3bを形成する予定領域に対応する領域に側面が略垂直となる開口部25aを形成する。
【0061】
この後、基板を回転させながらp型不純物(例えばボロンやアルミニウム等)を斜めイオン注入し、p- 型炭化珪素ベース領域3a、3bを形成する。このように、斜めイオン注入によってp- 型炭化珪素ベース領域3a、3bを形成しているため、p- 型炭化珪素ベース領域3a、3bの側面は基板表面に対して略テーパ形状となる。
【0062】
また、このとき、斜めイオン注入によって注入されるp型不純物の深さは、イオン注入時のエネルギーによって概ね決定されているため、マスク材25の開口部25aの開口端から等間隔の深さまでp型不純物が注入される。このため、p- 型炭化珪素ベース領域3a、3bの終端部と開口部25aの開口端との間隔は一定となる。
【0063】
〔図8(b)に示す工程〕
次に、先程用いたマスク材25をマスクとして、基板法線方向からn型不純物(例えば窒素)のイオン注入を行う。このときのイオン注入は、図8(a)で行ったp型不純物のイオン注入時よりも小さなエネルギーで行う。これにより、p- 型炭化珪素ベース領域3a、3bよりも浅くn型不純物が注入され、その部分におけるp型不純物が補償されてn+ 型ソース領域4a、4bが形成される。
【0064】
このとき、n+ 型ソース領域4a、4bは、終端部が開口部25aの開口端とほぼ一致して形成されるため、p- 型炭化珪素ベース領域3a、3bの終端部からn+ 型ソース領域4a、4bの終端部までの間隔が一定となり、n+ 型ソース領域とp- 型炭化珪素ベース領域3a、3aとが正確な位置関係で形成される。なお、このように、基板表面の法線方向からのイオン注入によってn+ 型ソース領域4a、4bを形成しているため、n+ 型ソース領域4a、4bの側面は基板表面に対して略垂直な形状となる。
【0065】
〔図8(c)に示す工程〕
マスク材25を除去してn- 型炭化珪素エピ層2を露出させる。そして、さらにフォト・エッチングによって、p- 型炭化珪素ベース領域3a、3b及びn+ 型ソース領域4a、4bの中央部に、n+ 型ソース領域4a、4bを貫通してp- 型炭化珪素ベース領域3a、3bまで達するコンタクトホールを形成する。
【0066】
この後、表面チャネル層5をエピタキシャル成長させる等、図21〜図23に示す工程を経て、図7に示した縦型パワーMOSFETが完成する。
このように完成した縦型パワーMOSFETは、n+ 型ソース領域4a、4bとp- 型炭化珪素ベース領域3a、3aとが正確な位置関係で形成されるため、第1実施形態と同様の効果が得られる。
【0067】
(第4実施形態)
本実施形態に示される縦型パワーMOSFETは、第2実施形態における縦型パワーMOSFET(図4参照)と同様の構成であり製造方法が異なるため、構成についての説明は省略し、製造工程についてのみ説明を行う。
本実施形態における縦型パワーMOSFETの製造工程を図9、図10に基づいて説明する。但し、これらの図では、上述した図21〜図23に示した従来の製造工程と異なる部分についてのみ示してあり、同様の部分については説明を省略する。
【0068】
まず、図21(a)に示すように、n+ 型炭化珪素半導体基板1の上にn- 型炭化珪素エピ層2を成膜したものを用意する。そして、以下に示す工程を順に実施する。
〔図9(a)に示す工程〕
- 型炭化珪素エピ層2の上にシリコン窒化膜(Si3 4 膜)41を所望の厚さで成膜し、さらにシリコン酸化膜(SiO2 膜)42を所望の厚さで成膜する。そして、フォトレジスト43を堆積したのち、フォトレジストのうちn+ 型ソース領域4a、4bを形成する予定の領域を開口させる。
【0069】
〔図9(b)に示す工程〕
CF4 +H2 ガスを用い、RIE(リアクティブ・イオン・エッチング)によってシリコン酸化膜42のうち、n+ 型ソース領域4a、4bを形成する予定の領域に開口部42aを設ける。このとき、CF4 +H2 ガスを用いてエッチングを行っているため、シリコン酸化膜のみが選択エッチングされ、シリコン窒化膜41はエッチングされないで残る。
【0070】
〔図9(c)に示す工程〕
次に、ドライエッチングによってシリコン窒化膜41の一部を除去し、p- 型炭化珪素ベース領域3a、3bが形成される予定の領域に開口部41aを設ける。具体的には、シリコン窒化膜41を横方向にエッチングすることで上記領域を開口させる。このドライエッチングのエッチング量の制御は、エッチングガスの選択やエッチング時間の制御等によって行うようにしている。このときのドライエッチングによる横方向のエッチング量はいずれの方向に対しても同等となるため、開口部42aの開口端から開口部41aの開口端までの間隔がいずれの方向においても同等になる。
【0071】
〔図10(a)に示す工程〕
フォトレジスト43を除去したのち、シリコン酸化膜42をマスクとしてイオン注入を行い、n+ 型ソース領域4a、4bを形成する。
〔図10(b)に示す工程〕
そして、シリコン酸化膜42を除去したのち、シリコン窒化膜41をマスクとしてp型不純物(例えば、ボロンやアルミニウム)をイオン注入する。これにより、p- 型炭化珪素ベース領域3a、3bが形成される。
【0072】
このとき、開口部41aの開口端が開口部42aの開口端までの距離がいずれの位置においてもほぼ等しくなっているため、シリコン酸化膜42をマスクにして形成したn+ 型ソース領域4a、4bと、シリコン窒化膜41をマスクにして形成したp- 型炭化珪素ベース領域3a、3bとが自己整合的に形成される。
この後、シリコン窒化膜41を除去し、フォト・エッチングによって、p- 型炭化珪素ベース領域3a、3b及びn+ 型ソース領域4a、4bの中央部に、n+ 型ソース領域4a、4bを貫通してp- 型炭化珪素ベース領域3a、3bまで達するコンタクトホールを形成する。さらに表面チャネル層5をエピタキシャル成長させる等、図21〜図23に示す工程を経て、本実施形態における縦型パワーMOSFETが完成する。
【0073】
このように完成した縦型パワーMOSFETは、n+ 型ソース領域4a、4bとp- 型炭化珪素ベース領域3a、3aとが正確な位置関係で形成されるため、第1実施形態と同様の効果が得られる。
(第5実施形態)
本実施形態に示される縦型パワーMOSFETは、第2実施形態における縦型パワーMOSFET(図4参照)と同様の構成であり製造方法が異なるため、構成についての説明は省略し、製造工程についてのみ説明を行う。
【0074】
本実施形態における縦型パワーMOSFETの製造工程を図11、図12に基づいて説明する。但し、これらの図では、上述した図21〜図23に示した従来の製造工程と異なる部分についてのみ示してあり、同様の部分については説明を省略する。
まず、図21(a)に示すように、n+ 型炭化珪素半導体基板1の上にn- 型炭化珪素エピ層2を成膜したものを用意する。そして、以下に示す工程を順に実施する。
【0075】
〔図11(a)に示す工程〕
- 型炭化珪素エピ層2の上にポリシリコン膜45を所望の厚さで成膜し、さらにシリコン窒化膜(Si3 4 膜)46を所望の厚さで成膜する。そして、フォトレジスト47を堆積したのち、フォトレジスト47のうちn+ 型ソース領域4a、4bを形成する予定の領域を開口させる。
【0076】
〔図11(b)に示す工程〕
RIE(リアクティブ・イオン・エッチング)によってシリコン窒化膜46及びポリシリコン膜45のうち、n+ 型ソース領域4a、4bを形成する予定の領域に開口部48を設ける。
〔図11(c)に示す工程〕
フォトレジスト47を除去したのち、シリコン窒化膜46をマスクとしてイオン注入を行い、n+ 型ソース領域4a、4bを形成する。
【0077】
〔図12(a)に示す工程〕
シリコン窒化膜46をマスクとしてLOCOS(Local Oxidation of Silicon)酸化を行い、ポリシリコン膜45を部分的に酸化する。これにより、ポリシリコン膜45のうち、開口部48の近傍の部分45aは酸化シリコンとなる。このとき、ポリシリコン膜45は、開口部48の開口端からいずれの方向にも同等な距離だけ酸化される。
【0078】
そして、フッ酸等を用いて、シリコン窒化膜46とポリシリコン膜45の酸化部分45aをエッチング除去する。これにより、ポリシリコン膜45には、n+ 型ソース領域4a、4bを形成したときの開口部48に比して、いずれの方向にも所定量大きくなった開口部49が形成される。
〔図12(b)に示す工程〕
そして、シリコン窒化膜46及びポリシリコン45の酸化部分45aを除去したのち、ポリシリコン膜45をマスクとしてp型不純物(例えば、ボロンやアルミニウム)をイオン注入する。これにより、p- 型炭化珪素ベース領域3a、3bが形成される。
【0079】
このとき、開口部49の開口端が開口部42aの開口端までの距離がいずれの位置においてもほぼ等しくなっているため、シリコン窒化膜46をマスクにして形成したn+ 型ソース領域4a、4bと、ポリシリコン膜45をマスクにして形成したp- 型炭化珪素ベース領域3a、3bとが自己整合的に形成される。
この後、ポリシリコン膜45を除去し、フォト・エッチングによって、p- 型炭化珪素ベース領域3a、3b及びn+ 型ソース領域4a、4bの中央部に、n+ 型ソース領域4a、4bを貫通してp- 型炭化珪素ベース領域3a、3bまで達するコンタクトホールを形成する。さらに表面チャネル層5をエピタキシャル成長させる等、図21〜図23に示す工程を経て、本実施形態における縦型パワーMOSFETが完成する。
【0080】
このように完成した縦型パワーMOSFETは、n+ 型ソース領域4a、4bとp- 型炭化珪素ベース領域3a、3aとが正確な位置関係で形成されるため、第1実施形態と同様の効果が得られる。
(第6実施形態)
本実施形態に示される縦型パワーMOSFETを図13に示す。本実施形態では、n+ 型ソース領域4a、4bやp- 型炭化珪素ベース領域3a、3bに加えて、ディープベース層30a、30bも自己整合的に形成できるようにする。なお、図13に示される縦型パワーMOSFETは、図1に示す縦型パワーMOSFETとほぼ同様の構成であるため、異なる部分のみ説明し、同様の部分は同じ部号を付して説明を省略する。
【0081】
図13に示すように、p- 型炭化珪素ベース領域3a、3b及びn+ 型ソース領域4a、4bが形成されたn- 型炭化珪素エピ層2の表面は、p- 型炭化珪素ベース領域3a、3bの中央部において凹部50を成している。この凹部50は、基板表面に水平方向を成す底面50aと、基板表面に対して略テーパ形状を成す側面50bより構成されており、いわゆるバスタブ形状を成している。
【0082】
この凹部50は、n+ 型ソース領域4a、4bを貫通してp- 型炭化珪素ベース領域3a、3bに達するようになっている。この凹部50の下部において、p- 型炭化珪素ベース領域3a、3bは部分的に深く形成されており、この部分がディープベース層30a、30bを構成している。このp- 型炭化珪素ベース領域3a、3bを部分的に深くしたディープベース層30a、30bは、基板表面に水平方向を成す底面50aと、基板表面に対して略テーパ形状を成す側面50bより構成されて、凹部50と略平行な形状となっている。また、ディープベース層30a、30bは、n+ 型ソース領域4a、4bとほぼオーバラップしない位置に形成されている。
【0083】
ここで、仮に、凹部50の側面50bを基板表面に対して垂直にした場合には、凹部50のコーナーからn- 型炭化珪素エピ層2までの最短距離、つまり凹部50のコーナー近傍におけるp- 型炭化珪素ベース領域3a、3bの幅が非常に小さくなるため、この部分における抵抗値が高くなってしまう。しかしながら、n- 型炭化珪素エピ層2、p- 型炭化珪素ベース領域3a、3b及びn+ 型ソース領域4a、4bで構成される寄生トランジスタを動作させにくくするためには、よりp- 型炭化形成ベース領域3a、3bの内部抵抗を小さくするのが好ましい。このため、凹部50のコーナーからn- 型炭化珪素エピ層2までの最短距離をできるだけ長くできるように、凹部50及びディープベース層30a、30bの側面50bをテーパ形状としている。
【0084】
また、表面チャネル層5aがn+ 型ソース領域4a、4bの表面より上部に配置されている。これは、n+ 型ベース領域4a、4bを形成するよりも後で表面チャネル層5aを形成しているためである。
本実施形態における縦型パワーMOSFETは、上記点において図20に示す従来のものと異なっている。
【0085】
次に、図13に示された縦型パワーMOSFETの製造工程を図14〜図16に基づいて説明する。但し、これらの図では、上述した図21〜図23に示した従来の製造工程と異なる部分についてのみ示してあり、同様の部分については説明を省略する。
まず、図21(a)に示すように、n+ 型炭化珪素半導体基板1の上にn- 型炭化珪素エピ層2を成膜したものを用意する。そして、以下に示す工程を順に実施する。
【0086】
〔図14(a)に示す工程〕
- 型炭化珪素エピ層2の上にポリシリコン膜51を所望の厚さで成膜し、さらにシリコン酸化膜(SiO2 膜)52を所望の厚さで成膜する。そして、フォトレジスト53を堆積したのち、フォトレジストのうちn+ 型ソース領域4a、4bを形成する予定の領域を開口させる。
【0087】
〔図14(b)に示す工程〕
CF4 +H2 ガスを用い、RIE(リアクティブ・イオン・エッチング)によってシリコン酸化膜52のうち、n+ 型ソース領域4a、4bを形成する予定の領域に開口部52aを設ける。このとき、CF4 +H2 ガスを用いてエッチングを行っているため、シリコン酸化膜のみが選択エッチングされ、ポリシリコン膜51はエッチングされないで残る。
【0088】
〔図14(c)に示す工程〕
次に、ドライエッチングによってポリシリコン膜51の一部を除去し、p- 型炭化珪素ベース領域3a、3bが形成される予定の領域に開口部51aを設ける。具体的には、ポリシリコン膜51を横方向にエッチングすることで上記領域を開口させる。このドライエッチングのエッチング量の制御は、エッチングガスの選択やエッチング時間の制御等によって行うようにしている。このときのドライエッチングによる横方向のエッチング量はいずれの方向に対しても同等となるため、開口部52aの開口端から開口部51aの開口端までの間隔がいずれの方向においても同等になる。
【0089】
〔図15(a)に示す工程〕
フォトレジスト53を除去したのち、シリコン酸化膜52をマスクとしてイオン注入を行い、n+ 型ソース領域4a、4bを形成する。
〔図15(b)に示す工程〕
開口部52aを含むシリコン酸化膜52上の全面(ウェハ全面)に、TEOS酸化膜54をデポシションする。これにより、開口部52a内もTEOS酸化膜54で満たされる。このとき、TEOS酸化膜54のうち、開口部52内に入り込んだ部分は、開口部52の中央部分ではシリコン酸化膜52上のものと同等の厚みで形成され、開口部52の開口端近傍においては他の中央部分よりも厚く形成される。また、このとき、開口部52に入り込んだTEOS酸化膜54における開口部52の開口端からの厚さは、いずれの位置においても全てほぼ同等となる。
【0090】
〔図15(c)に示す工程〕
シリコン酸化膜52上のTEOS酸化膜54が無くなる程度まで、TEOS酸化膜54をエッチバックする。これにより、TEOS酸化膜54は、開口部52a内に入り込んだもののうち、厚く形成された部分(中央部分以外)が残留して中央部分が開口するため、開口部52aの開口面積が縮小される。また、このとき、残留したTEOS酸化膜54における開口部52の開口端からの厚さはいずれの位置においても全てほぼ同等となる。
【0091】
〔図16(a)に示す工程〕
シリコン酸化膜52及びTEOS酸化膜54をマスクとして等方性のドライエッチングを行う。これにより、n- 型炭化珪素エピ層2には、底面50aが基板表面に対して略平行を成し、側面50bが基板表面に対してテーパ形状を成すような、n+ 型ソース領域4a、4bを貫通する凹部50が形成される。この凹部50は開口部52や開口部51のほぼ中央部に形成される。
【0092】
〔図16(b)に示す工程〕
シリコン酸化膜52及びTEOS酸化膜54を除去し、ポリシリコン膜54を露出させる。
〔図16(c)に示す工程〕
そして、ポリシリコン膜54をマスクとしてp型不純物(例えば、ボロンやアルミニウム)をイオン注入する。このとき、イオン注入深さが一定となるが、n- 型炭化珪素エピ層2には凹部50が形成されているため、凹部50が形成されている分だけp型不純物が深くまでイオン注入される。具体的には、凹部50の表面から所定深さだけp型不純物が注入されるため、凹部50が形成されている部分ではその分だけ部分的に深くまでp型不純物が注入され、凹部50と略平行を成すようにp型不純物が注入される。これにより、p- 型炭化珪素ベース領域3a、3bが形成され、部分的に深くなった部分がディープベース層30a、30bとなる。
【0093】
また、開口部51aの開口端から開口部52aの開口端までの距離がいずれの位置においてもほぼ等しくなっているため、シリコン酸化膜52をマスクにして形成したn+ 型ソース領域4a、4bと、ポリシリコン膜51をマスクにして形成したp- 型炭化珪素ベース領域3a、3bとが自己整合的に形成される。
この後、ポリシリコン膜51を除去し、さらに表面チャネル層5aをエピタキシャル成長させる等、図21〜図23に示す工程を経て、図13に示した縦型パワーMOSFETが完成する。
【0094】
このように完成した縦型パワーMOSFETは、n+ 型ソース領域とp- 型炭化珪素ベース領域3a、3aとが自己整合的に形成されているため、素子の特性変動が少ないものとなる。
(第7実施形態)
本実施形態では、第1実施形態とは別の方法を用いて縦型パワーMOSFETを製造する場合を説明する。なお、縦型パワーMOSFETの構造については、図13に示すものと同様であるため、構造についての説明は省略する。
【0095】
以下、本実施形態における縦型パワーMOSFETの製造工程を図17〜図18に基づいて説明する。これらの図では、上述した図21〜図23に示した従来の製造工程と異なる部分についてのみ示してあり、同様の部分については説明を省略する。
〔図17(a)に示す工程〕
- 型炭化珪素エピ層2の上にシリコン酸化膜61、ポリシリコン膜62、シリコン(Si3 4 )窒化膜63、シリコン酸化膜64をそれぞれ所望の厚さで順に成膜する。そして、フォトレジスト65を堆積したのち、フォトレジストのうちn+ 型ソース領域4a、4bを形成する予定の領域を開口させる。
【0096】
〔図17(b)に示す工程〕
RIE(リアクティブ・イオン・エッチング)によって、シリコン酸化膜64、シリコン窒化膜63、ポリシリコン膜62のうち、n+ 型ソース領域4a、4bを形成する予定の領域に開口部70を設ける。
〔図17(c)に示す工程〕
フォトレジスト65を除去したのち、シリコン酸化膜64、シリコン窒化膜63、ポリシリコン膜62、及びシリコン酸化膜61をマスクとしてイオン注入を行い、n+ 型ソース領域4a、4bを形成する。
【0097】
〔図18(a)に示す工程〕
開口部70を含むシリコン酸化膜64の表面全面に、TEOS酸化膜66をデポジションする。これにより、開口部70内もTEOS酸化膜66で満たされる。このとき、TEOS酸化膜66のうち、開口部70内に入り込んだ部分は、開口部70の中央部分ではシリコン酸化膜64上のものと同等の厚みで形成され、開口部70の開口端近傍においては他の中央部分よりも厚く形成される。また、開口部70に入り込んだTEOS酸化膜66における開口部70の開口端からの厚さは、いずれの位置においても全てほぼ同等となる。
【0098】
なお、シリコン酸化膜64を高くすることにより、TEOS酸化膜66における開口部70の開口端からの厚みを稼ぐことができる。
〔図18(b)に示す工程〕
シリコン酸化膜64上にTEOS酸化膜66が無くなる程度まで、TEOS酸化膜66をエッチバックする。これにより、TEOS酸化膜66は、開口部70内に入り込んだもののうち、厚く形成された部分(中央部分以外)が残留し、中央部分が開口する。これにより開口部70の開口面積が小さくなる。このとき、残留したTEOS酸化膜66における開口部70の開口端からの厚さはいずれの位置においても全てほぼ同等となる。
【0099】
〔図18(c)に示す工程〕
シリコン酸化膜64及びTEOS酸化膜66をマスクとして等方性のドライエッチングを行う。これにより、n- 型炭化珪素エピ層2には、底面60aが基板表面に対して略平行を成し、側面60bが基板表面に対してテーパ形状を成すような、n+ 型ソース領域4a、4bを貫通する凹部60が形成される。この凹部60は開口部70のほぼ中央部に形成される。
【0100】
〔図19(a)に示す工程〕
シリコン酸化膜63及びTEOS酸化膜66を除去し、シリコン窒化膜63を露出させる。
〔図19(b)に示す工程〕
シリコン窒化膜62をマスクとしてLOCOS酸化を行い、ポリシリコン膜62を部分的に酸化する。これにより、ポリシリコン膜62のうち、開口部70の近傍の部分62aは酸化シリコンとなる。このとき、ポリシリコン膜62は、開口部70の開口端からいずれの方向にも同等な距離だけ酸化される。
【0101】
そして、フッ酸等を用いて、シリコン窒化膜63とポリシリコン膜62の酸化部分62aをエッチング除去する。これにより、ポリシリコン膜62には、n+ 型ソース領域4a、4bを形成したときの開口部70に比して、いずれの方向にも所定量大きくなった開口部71が形成される。
〔図19(c)に示す工程〕
そして、ポリシリコン膜62をマスクとしてp- 型不純物(例えば、ボロンやアルミニウム)をイオン注入する。このとき、イオン注入深さが一定となるが、n- 型炭化珪素エピ層2には凹部60が形成されているため、凹部60が形成されている分だけp型不純物が深くまでイオン注入される。具体的には、凹部60の表面から所定深さだけp型不純物が注入されるため、凹部60が形成されている部分ではその分だけ部分的に深くまでp型不純物が注入され、凹部60該凹部60と略平行を成すようにp型不純物が注入される。これにより、p- 型炭化珪素ベース領域3a、3bが形成され、部分的に深くなった部分がディープベース層30a、30bとなる。
【0102】
また、開口部71の開口端から開口部70の開口端までの距離がいずれの位置においてもほぼ等しくなっているため、シリコン酸化膜64をマスクにして形成したn+ 型ソース領域4a、4bと、ポリシリコン膜62をマスクにして形成したp- 型炭化珪素ベース領域3a、3bとが自己整合的に形成される。
この後、ポリシリコン膜62、シリコン酸化膜61を除去し、さらに表面チャネル層5aをエピタキシャル成長させる等、図21〜図23に示す工程を経て、本実施形態における縦型パワーMOSFETが完成する。
【0103】
このように完成した縦型パワーMOSFETは、n+ 型ソース領域4a、4bとp- 型炭化珪素ベース領域3a、3aとが自己整合的に形成されているため、素子の特性変動が少ないものとなる。
(他の実施形態)
第1〜第4実施形態では、ディープベース層30a、30bを形成していないものを示しているが、コンタクトホールを介してp型不純物をイオン注入を行うこと等により別途形成することもできる。このとき、ディープベース層30a、30bをp- 型炭化珪素ベース領域3a、3bの他の部分よりも高濃度にすることもできる。
【0104】
上記実施形態では、n+ 型ソース領域4a、4bとp- 型炭化珪素ベース領域3a、3bとを自己整合的に形成するために、複数の膜を積層したものをマスクとして用いているが、p- 型炭化珪素ベース領域3a、3bを形成するときにn- 型炭化珪素エピ層2に凹部50、60を設けておき、この凹部50、60が形成された部分にイオン注入を行うようにすれば、少ないエネルギーでディープベース層30a、30bを形成することができる。
【0105】
また、ディープベース層30a、30bをp- 型炭化珪素ベース領域3a、3bの他の部分と別工程で形成することもできる。このとき、ディープベース層30a、30bをp- 型炭化珪素ベース領域3a、3bの他の部分よりも高濃度で形成することもできる。
なお、上記実施形態では、p- 型炭化珪素ベース領域3a、3b、n+ 型ソース領域4a、4bを形成した後、ゲート絶縁膜7を形成するため、特開平6−151860号公報に示される方法で発生するゲート絶縁膜寿命が低下するという問題点は発生しない。
【0106】
なお、上記実施形態では、炭化珪素の結晶形を示す場合、所要の数字の上にバーを付した表現を取るべきであるが、表現手段に制約があるため、本明細書においては所要の数字の上にバーを付す代わりに、所要の数字の後ろに「−」を付して表現している。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態におけるプレーナ型パワーMOSFETを示す断面図である。
【図2】図1に示すプレーナ型パワーMOSFETの製造工程を示す図である。
【図3】図2に続くプレーナ型パワーMOSFETの製造工程を示す図である。
【図4】第2実施形態におけるプレーナ型パワーMOSFETを示す断面図である。
【図5】図4に示すプレーナ型パワーMOSFETの製造工程を示す図である。
【図6】図5に続くプレーナ型パワーMOSFETの製造工程を示す図である。
【図7】第3実施形態におけるプレーナ型パワーMOSFETを示す断面図である。
【図8】図7に示すプレーナ型パワーMOSFETの製造工程を示す図である。
【図9】第4実施形態におけるプレーナ型パワーMOSFETの製造工程を示す図である。
【図10】図9に示すプレーナ型パワーMOSFETの製造工程を示す図である。
【図11】第5実施形態におけるプレーナ型パワーMOSFETの製造工程を示す断面図である。
【図12】図11に続くプレーナ型パワーMOSFETの製造工程を示す図である。
【図13】第6実施形態におけるプレーナ型パワーMOSFETを示す断面図である。
【図14】図13に示すプレーナ型パワーMOSFETの製造工程を示す図である。
【図15】図14に続くプレーナ型パワーMOSFETの製造工程を示す図である。
【図16】図15に続くプレーナ型パワーMOSFETの製造工程を示す図である。
【図17】第7実施形態におけるプレーナ型パワーMOSFETの製造工程を示す図である。
【図18】図17に続くプレーナ型パワーMOSFETの製造工程を示す図である。
【図19】図18に続くプレーナ型パワーMOSFETの製造工程を示す断面図である。
【図20】本出願人が先に出願した縦型パワーMOSFETの構成を示す断面図である。
【図21】図20に示す縦型パワーMOSFETの製造工程を示す図である。
【図22】図21に続く縦型パワーMOSFETの製造工程を示す図である。
【図23】図22に続く縦型パワーMOSFETの製造工程を示す図である。
【図24】従来におけるセルフアライン技術を用いたMOSFETの製造工程を示す図である。
【符号の説明】
1…n+ 型炭化珪素半導体基板、2…n- 型炭化珪素エピタキシャル層、
3a、3b…p- 型炭化珪素ベース領域、4a、4b…n+ 型ソース領域、
5…表面チャネル層(n- 型SiC層)、7…ゲート絶縁膜、
8…ゲート電極、9…絶縁膜、10…ソース電極、11…ドレイン電極、
20、22、23、25…マスク材、30a、30b…ディープベース層、
41…シリコン窒化膜、42…シリコン酸化膜、45…ポリシリコン膜、
46…シリコン窒化膜、50、60…凹部、50a、60a…底面、
50b、60b…側面、51、62…ポリシリコン膜、
52、61、64…シリコン酸化膜、63…シリコン窒化膜、
54、66…TEOS酸化膜。

Claims (9)

  1. 炭化珪素からなる第1導電型の半導体基板(1)の主表面上に、この半導体基板よりも高抵抗な炭化珪素よりなる第1導電型の半導体層(2)を形成する工程と、
    前記半導体層上に、第1のマスク材(22)を成膜する工程と、
    前記第1のマスク材の所定領域に第1の開口部(22a)を形成する工程と、
    前記第1のマスク材をマスクとして前記第1の開口部よりイオン注入を行い、前記半導体層の表層部に第導電型のベース領域(3a、3b)を形成する工程と、
    前記第1の開口部を含む前記第1のマスク材の上に第2のマスク材(23)を堆積する工程と、
    前記第1のマスク材が露出するまで前記第2のマスク材を除去して、前記第2のマスク材に前記第1の開口部よりも小さい第2の開口部(23a)を形成する工程と、
    前記第1、第2のマスク材をマスクとして前記第2の開口部よりイオン注入を行い、前記ベース領域の中に該ベース領域よりも接合深さの浅い第1導電型のソース領域(4a、4b)を形成する工程と、
    前記第1のマスク材と前記第2のマスクとを除去する工程と、
    少なくも前記ソース領域と前記半導体層とに挟まれた前記ベース領域の表層部の上にゲート電極(8)を形成すると共に、前記ベース領域及び前記ソース領域に電気的に接続されるソース電極(10)を形成する工程と、
    前記半導体基板のうち、前記主表面とは反対側にドレイン電極(11)を形成する工程と、を含むことを特徴とする炭化珪素半導体装置の製造方法。
  2. 前記第2のマスク材の膜厚を制御することにより、前記ソース領域の大きさを制御することを特徴とする請求項に記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
  3. 炭化珪素からなる第1導電型の半導体基板(1)の主表面上に、この半導体基板よりも高抵抗な炭化珪素よりなる第1導電型の半導体層(2)を形成する工程と、
    前記半導体層上に、マスク材(25)を成膜する工程と、
    前記マスク材の所定領域に開口部(25a)を形成する工程と、
    前記マスク材をマスクとして、前記半導体層表面に対して所定角度を成す斜めイオン注入を行い、第2導電型のベース領域(3a、3b)を形成する工程と、
    前記マスク材をマスクとして前記開口部よりイオン注入を行い、前記ベース領域の中に該ベース領域よりも接合深さの浅い第1導電型のソース領域(4a、4b)を形成する工程と、
    前記マスク材を除去する工程と、
    少なくも前記ソース領域と前記半導体層とに挟まれた前記ベース領域の表層部の上にゲート電極(8)を形成すると共に、前記ベース領域及び前記ソース領域に電気的に接続されるソース電極(10)を形成する工程と、
    前記半導体基板のうち、前記主表面とは反対側にドレイン電極(11)を形成する工程と、を含むことを特徴とする炭化珪素半導体装置の製造方法。
  4. 前記ベース領域を形成する工程では、前記斜めイオン注入の加速電圧及び角度を制御することにより、前記ベース領域の大きさを制御していることを特徴とする請求項に記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
  5. 炭化珪素からなる第1導電型の半導体基板(1)の主表面上に、この半導体基板よりも高抵抗な炭化珪素よりなる第1導電型の半導体層(2)を形成する工程と、
    前記半導体層上に、第1、第2のマスク材(41、51、42、52)を順に積層する工程と、
    前記第2のマスク材(42、52)に、第1の開口部(42a、52a)を設ける工程と、
    前記第1の開口部より前記第1のマスク材(41、51)をエッチングし、前記第1の開口部よりも大きな第2の開口部(41a、51a)を形成する工程と、
    前記第2のマスク材を用いて、第1の開口部からイオン注入を行い、第1導電型のソース領域(4a、4b)を形成する工程と、
    前記第2のマスク材とを除去する工程と、
    前記第1のマスク材をマスクとして、前記第2の開口部からイオン注入を行い、前記ソース領域を含む前記半導体層の所定領域に第2導電型のベース領域(3a、3b)を形成する工程と、
    少なくも前記ソース領域と前記半導体層とに挟まれた前記ベース領域の表層部の上にゲート電極(8)を形成すると共に、前記ベース領域及び前記ソース領域に電気的に接続されるソース電極(10)を形成する工程と、
    前記半導体基板のうち、前記主表面とは反対側にドレイン電極(11)を形成する工程と、を含むことを特徴とする炭化珪素半導体装置の製造方法。
  6. 前記第1のマスク材をシリコン窒化膜で構成し、前記第2のマスク材をシリコン酸化膜で構成することを特徴とする請求項に記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
  7. 炭化珪素からなる第1導電型の半導体基板(1)の主表面上に、この半導体基板よりも高抵抗な炭化珪素よりなる第1導電型の半導体層(2)を形成する工程と、
    前記半導体層上に、第1、第2のマスク材(45、62、46、63)を順に積層する工程と、
    前記第1及び第2のマスク材を貫通する第1の開口部(48、70)を設ける工程と、
    前記第1及び第2のマスク材を用いて、第1の開口部からイオン注入を行い、第1導電型のソース領域(4a、4b)を形成する工程と、
    前記第2のマスク材をマスクとして、前記第1のマスク材をLOCOS酸化したのち、前記第2のマスク材及び前記第1のマスク材の酸化部分(45a、62a)を除去して、前記第1のマスク材に前記第1の開口部よりも大きな第2の開口部(49、71)を設ける工程と、
    前記第1のマスク材をマスクとして、前記第2の開口部からイオン注入を行い、前記ソース領域を含む前記半導体層の所定領域に第2導電型のベース領域(3a、3b)を形成する工程と、
    少なくも前記ソース領域と前記半導体層とに挟まれた前記ベース領域の表層部の上にゲート電極(8)を形成すると共に、前記ベース領域及び前記ソース領域に電気的に接続されるソース電極(10)を形成する工程と、
    前記半導体基板のうち、前記主表面とは反対側にドレイン電極(11)を形成する工程と、を含むことを特徴とする炭化珪素半導体装置の製造方法。
  8. 前記第1のマスク材をポリシリコンで構成し、前記第2のマスク材をシリコン窒化膜で構成していることを特徴とする請求項に記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
  9. 前記ベース領域を形成する工程および前記ソース領域を形成する工程を共に行った後、前記ソース領域と前記半導体層とを繋ぐように、前記ベース領域上にチャネル領域となる表面チャネル層(5)を形成する工程を有し、前記ゲート電極を形成する工程では、前記表面チャネル層の上に前記ゲート電極を形成することを特徴とする請求項1乃至のいずれか1つに記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
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