JPH06180185A - 大気に対して閉鎖された誘導溶融装置 - Google Patents

大気に対して閉鎖された誘導溶融装置

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JPH06180185A JP5205045A JP20504593A JPH06180185A JP H06180185 A JPH06180185 A JP H06180185A JP 5205045 A JP5205045 A JP 5205045A JP 20504593 A JP20504593 A JP 20504593A JP H06180185 A JPH06180185 A JP H06180185A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 可能な限りコンパクトな構造を有し、安価に
製造することができ、しかも溶融過程及び鋳造過程を実
施する際に、可能な限り短い副次的な時間しか必要とし
ない誘導溶融装置を提供する。 【構成】 高い融点をもつ反応性の金属を溶融するため
の、大気に対して閉鎖された誘導溶融装置であって、負
圧源又は不活性ガス源との接続のために働く接続部と、
誘導コイルによって取り囲まれていてライニングされて
いない金属製の溶融るつぼと、該溶融るつぼの下方にお
いて流出部の下に配置されている鋳型とを備えており、
溶融るつぼ1が、該溶融るつぼを密閉する蓋3と、下方
に向かって延びている周壁形の延長部7とを有してお
り、該延長部内において鋳型9が、延長部7の内周面に
対して密に配置されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高い融点をもつ反応性
の金属を溶融するための、大気に対して閉鎖された誘導
溶融装置であって、負圧源又は不活性ガス源との接続の
ために働く接続部と、誘導コイルによって取り囲まれて
いてライニングされていない金属製の溶融るつぼと、該
溶融るつぼの下方において流出部の下に配置されている
鋳型とを備えている形式のものに関する。
【0002】
【従来の技術】このような形式の誘導溶融装置は、例え
ば米国特許第5121406号明細書に記載されてい
る。この公知の誘導溶融装置では溶融るつぼと鋳型と
は、比較的大容量の室の中に互いに上下に配置されてい
る。そしてこのように構成されていることによって、金
属を溶融する際及び鋳型を満たす際に、空気を金属湯か
ら隔絶することができる。
【0003】溶融るつぼはいわゆる「常温式の誘導るつ
ぼ」として構成されていて、複数の個別の柵から形成さ
れているるつぼ壁を有している。、これらの柵は、通常
のように銅から成っており、そして水によって冷却され
るようになっている。このような「常温式の誘導るつ
ぼ」の典型的な構成は、米国特許第4738713号明
細書に記載されている。この公知の構成においても、溶
融及び鋳造過程を実施するために誘導るつぼ及び鋳型
は、気密な室内に配置されていなくてはならない。
【0004】空気を隔絶するために必要な室によって、
公知の誘導溶融装置は比較的大容量なものになってしま
い、かつその製造コストも高価である。さらに、真空を
生ぜしめるために、比較的大きな空気量を室から吸い出
すことが必要であり、この結果、相応に大きな真空ポン
プを必要とし、しかも、室の閉鎖後に必要な真空が生ぜ
しめられるまでに、かなりの時間を必要とする。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ゆえに本発明の課題
は、冒頭に述べた形式の誘導溶融装置を改良して、可能
な限りコンパクトな構造を有していて、安価に製造する
ことができ、しかも溶融過程及び鋳造過程を実施する際
に、可能な限り短い副次的な時間しか必要としない誘導
溶融装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に本発明の構成では、溶融るつぼが、該溶融るつぼを密
閉する蓋と、下方に向かって延びている周壁形の延長部
とを有しており、該延長部内において鋳型が、延長部の
内周面に対して密に配置されている。
【0007】
【発明の効果】本発明のように構成されていると、溶融
るつぼと鋳型とを取り囲む室を完全に省くことが可能で
ある。蓋が設けられていることと、溶融るつぼの延長部
内に鋳型がシールされて配置されていることとによっ
て、溶融るつぼの内部及び鋳型を排気すること又は鋳型
に不活性ガスを供給することが可能であり、この場合溶
融るつぼは真空室を形成する。これによって、本発明に
よる誘導溶融装置は、比較可能な装置に比べて著しくコ
ンパクトな構造を有することができる。さらに本発明に
よる誘導溶融装置では、比較的小さな容量を排気するこ
とだけが必要なので、迅速に運転準備状態を得ることが
できる。しかも、誘導溶融装置の個々の部分は、これら
の部分を取り囲む室が存在しないことに基づいて、接近
することが容易であり、このことは誘導溶融装置の取扱
い及び保守にとって有利である。
【0008】溶融るつぼにおいて少量の金属を溶融した
い場合には、誘導コイルによって生ぜしめられる磁力に
よって、金属湯が浮遊状態になり、溶融るつぼの壁と接
触しなくなる。この有利な「浮遊金属湯」は、本発明の
別の有利な構成におけるように、溶融るつぼが、その流
出部に向かって下降するホッパ状の底部を有している
と、数百グラムの金属量においても得ることができる。
溶融るつぼがこのような底部を有していることによっ
て、誘導コイルによって生ぜしめられる磁力の上方に向
けられた力成分が生ぜしめられ、このような力成分によ
って、金属湯が底部から持ち上げられることになる。
【0009】浮遊金属湯原理に基づいて作動することが
できない大型の溶融炉では、溶融るつぼの冷却後に、溶
融るつぼからのスカルの除去という問題が発生する。こ
のスカルの除去に関する問題は、溶融るつぼが、上方に
向かって幾分直径を拡大されている周面を有しているこ
とによって、容易に解決することができる。それという
のは、このように構成されていると、スカルを極めて容
易に溶融るつぼから引き出すことができるからである。
【0010】本発明の特に有利な別の構成では、鋳型
が、昇降可能に延長部内に配置されている。このように
構成されていると、鋳型を鋳造の前に延長部の下方範囲
に準備しておくことが可能になり、この下方範囲におい
て鋳型は、その底部から上方に向かって徐々に加熱の度
合いを増している。そしてこれによって、鋳型の上方移
動後における鋳型の充填時に、適正な凝固が達成され、
この結果、鋳造品の品質が著しく高められる。
【0011】また鋳型が、延長部内に突入している昇降
可能なラムに配置されていると、延長部内における鋳型
の移動可能性を特に簡単に達成することができる。
【0012】大量の金属湯では、金属湯が磁力とその表
面張力とによって溶融るつぼの流出部の上に留まるとい
うことは、もはや達成することができない。そこで、金
属湯の流出を、鋳型の充填の所望の時点まで簡単な形式
で阻止するために、本発明の別の有利な構成では、溶融
るつぼの流出部に、付加的な加熱装置によって又は該流
出部のために設けられている冷却装置の遮断・停止によ
って溶融可能な栓体が、配置されている。
【0013】しかしながらまた、大量の金属湯において
金属湯の早期の流出を阻止するために、鋳型が、その内
室を真空又は正圧と接続するための接続部を有している
構成も有利である。このように構成されていると、溶融
過程中に金属湯を鋳型における過圧によって、かつこれ
によって溶融るつぼの流出部においても、流出部を通し
て溶融るつぼから流出することを、阻止することが可能
になる。そして鋳造時には過圧を消滅させて、その代わ
りに真空を生ぜしめることが必要である。もちろん鋳造
のために、溶融るつぼの上に正圧を発生させることも可
能であり、このことは極めて迅速に行うことができる。
それというのは、溶融るつぼにおける容量は、金属湯面
の上における容量よりも小さいからである。
【0014】さらに別の有利な構成では、蓋が、負圧源
又は不活性ガス源との接続のために働く接続部を有して
おり、このように構成されていると、装置をさらに簡単
化することが可能である。
【0015】
【実施例】次に図面につき本発明の実施例を説明する。
【0016】図1に示されている誘導溶融装置は、有利
には銅から成る溶融るつぼ1を有しており、この溶融る
つぼ1は、ライニングを有しておらず、溶融るつぼ室2
を形成している。図示はされていないが、溶融るつぼの
壁は溶融るつぼ室2の範囲において、水冷式の個々の柵
から成っている(この構成に関しては米国特許第473
8713号明細書参照)。
【0017】本発明において重要なことは、溶融るつぼ
1が該溶融るつぼを密閉している蓋3を有しており、こ
の蓋3はシール部材4を介して上から取外し可能に溶融
るつぼ1に載設されている。この蓋3は接続部5を有し
ており、この接続部5には、負圧源6又は不活性ガス源
が接続されている。
【0018】下方に向かって溶融るつぼ1は、通常、円
筒形の延長部7を有しており、この延長部7は冷却水8
によって取り囲まれている。この延長部7の内部には、
鋳型9がラム10を用いて昇降可能に配置されている。
この場合に重要なことは、この鋳型9が環状のシール部
材11によって延長部7の内周面に対してシールされて
いることである。鋳型9は内室12を有しており、この
内室12は、製造される鋳物の陰型であり、大型の誘導
溶融装置では接続部13を介して負圧又は正圧と接続可
能である。
【0019】溶融るつぼ1は、中央の流出部15に向か
って下降する底部14を有しており、底部14のこのよ
うな構成は、図示の実施例では底部14が半球形に構成
されていることによって達成される。しかしながら底部
14は円錐形に構成されていてもよい。そして底部14
は、上方に蓋3に向かって円錐形に拡大している内周面
16へと移行している。溶融るつぼ1を加熱するために
は、汎用の誘導コイル17が働く。
【0020】溶融されて鋳造される金属は、蓋3を外し
た後で溶融るつぼ室2内に装入される。蓋3の閉鎖後
に、溶融るつぼ室2及び鋳型9の内室12が排気され
る。しかしながらまた択一的に、蓋3にロックゲートを
設けることも可能であり、このように構成されている
と、蓋3を取り外す必要がなくなり、誘導溶融装置の内
部における真空が装入時に維持されることになる。
【0021】誘導コイル17の通電によって極めて強い
磁力、すなわち、生ぜしめられる金属湯が溶融るつぼ1
の内周面16や底部16に接触しないほどに強い磁力が
発生する。これによって、金属湯が流出部15を通って
下方に向かって流れることもない。溶融過程中には鋳型
9は、延長部7の内部における下降されたポジションを
占めている。これによって鋳型9は、その上方範囲にお
いて下方範囲におけるよりも多く加熱されることにな
る。鋳造過程を開始したい場合に、鋳型9はラム10を
用いて、該鋳型9が流出部15に達するほど、上方に向
かって移動させられる。誘導コイル17の電流が遮断さ
れると、金属湯を浮遊状態に保っている磁力もまた消滅
する。従って、金属湯は流出部15を通って内室12の
中に流れ込むことができ、ひいては鋳型9を満たすこと
ができる。
【0022】図2に示されているように、流出部15を
栓体18によって閉鎖することも可能である。図2に示
された実施例では、栓体18の範囲において流出部15
の回りには冷却装置19が設けられており、この冷却装
置19は水冷式である。冷却装置19が運転状態にある
限りは、栓体18によって流出部15が閉鎖されてい
る。冷却装置19が遮断停止されると、栓体18は、該
栓体18が溶けて流出部15を開放するほどに暖めら
れ、これによって金属湯は鋳型9内に流入することがで
きる。
【0023】もちろん、発生する温度に耐え得るような
材料から栓体18を製造することもまた可能である。こ
のような場合には冷却装置19の代わりに、該冷却装置
と同様な形式で配置された加熱装置、つまり例えば誘導
コイルを設けることが必要である。そしてこのような栓
体18を溶融したい場合には、この加熱装置が投入接続
されねばならない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による誘導溶融装置を示す鉛直断面図で
ある。
【図2】図1に示された誘導溶融装置の変化実施例であ
る誘導溶融装置の部分範囲を示す断面図である。
【符号の説明】
1 溶融るつぼ、 2 溶融るつぼ室、 3 蓋、 4
シール部材、 5接続部、 6 負圧源、 7 延長
部、 8 水冷装置、 9 鋳型、 10ラム、 11
シール部材、 12 内室、 13 接続部、 14
底部、15 流出部、 16 内周面、 17 誘導
コイル、 18 栓体、 19冷却装置

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高い融点をもつ反応性の金属を溶融する
    ための、大気に対して閉鎖された誘導溶融装置であっ
    て、負圧源又は不活性ガス源との接続のために働く接続
    部と、誘導コイルによって取り囲まれていてライニング
    されていない金属製の溶融るつぼと、該溶融るつぼの下
    方において流出部の下に配置されている鋳型とを備えて
    いる形式のものにおいて、溶融るつぼ(1)が、該溶融
    るつぼ(1)を密閉する蓋(3)と、下方に向かって延
    びている周壁形の延長部(7)とを有しており、該延長
    部(7)内において鋳型(9)が、延長部(7)の内周
    面に対して密に配置されていることを特徴とする、大気
    に対して閉鎖された誘導溶融装置。
  2. 【請求項2】 溶融るつぼ(1)が、その流出部(1
    5)に向かって下降するホッパ状の底部(14)を有し
    ている、請求項1記載の誘導溶融装置。
  3. 【請求項3】 溶融るつぼ(1)が、上方に向かって幾
    分直径を拡大されている周面(16)を有している、請
    求項1又は2記載の誘導溶融装置。
  4. 【請求項4】 鋳型(9)が、昇降可能に延長部(7)
    内に配置されている、請求項1から3までのいずれか1
    項記載の誘導溶融装置。
  5. 【請求項5】 鋳型(9)が、延長部(7)内に突入し
    ている昇降可能なラム(10)に配置されている、請求
    項4記載の誘導溶融装置。
  6. 【請求項6】 溶融るつぼ(1)の流出部(15)に、
    付加的な加熱装置によって又は該流出部(15)のため
    に設けられている冷却装置の遮断・停止によって溶融可
    能な栓体が、配置されている、請求項1から5までのい
    ずれか1項記載の誘導溶融装置。
  7. 【請求項7】 鋳型(9)が、その内室を真空又は正圧
    と接続するための接続部(13)を有している、請求項
    1から6までのいずれか1項記載の誘導溶融装置。
  8. 【請求項8】 蓋(3)が、負圧源(6)又は不活性ガ
    ス源との接続のために働く接続部(5)を有している、
    請求項1から7までのいずれか1項記載の誘導溶融装
    置。
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