JPH06179691A - 新マイカミノシルタイロノライド誘導体 - Google Patents

新マイカミノシルタイロノライド誘導体

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JPH06179691A
JPH06179691A JP4332933A JP33293392A JPH06179691A JP H06179691 A JPH06179691 A JP H06179691A JP 4332933 A JP4332933 A JP 4332933A JP 33293392 A JP33293392 A JP 33293392A JP H06179691 A JPH06179691 A JP H06179691A
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JP
Japan
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group
tylonolide
chloride
compound
reaction
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JP4332933A
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English (en)
Inventor
Tomio Takeuchi
富雄 竹内
Sumio Umezawa
純夫 梅沢
Osamu Tsuchiya
修 土屋
Toshiharu Kageyama
俊治 陰山
Toshiaki Miyake
俊昭 三宅
Naoki Matsumoto
直樹 松本
Kaichiro Kominato
嘉一郎 小湊
Hiroshi Tanaka
博 田中
Takeo Yoshioka
武男 吉岡
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Microbial Chemistry Research Foundation
Original Assignee
Microbial Chemistry Research Foundation
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/55Design of synthesis routes, e.g. reducing the use of auxiliary or protecting groups

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  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】一般式(I): 【化1】 (式中、R1は水素原子又はOCOCH3基を表し、R2は水素原
子又は水酸基の保護基を表し、R3はアシル基を表し、R4
は水酸基、OSO2R またはハロゲン原子を表し、Aは、保
護されていてもよいカルボニル基を表し、Bは、保護さ
れていてもよいアルデヒド基を表す。但し、----部分は
R1がOCOCH3基を示すときは単結合を表し、R1が水素原子
を示すときは二重結合を表す。Rは低級アルキル基、ト
リフロロメチル基、2-オキソ-10-ボルナニイル基、置換
又は未置換のアリール基、または置換又は未置換のアラ
ルキル基を表す)で示されるマイカミノシルタイロノラ
イド誘導体。 【効果】優れた感染防御作用を有する抗菌性物質である
3,4′−ジデオキシマイカミノシルタイロノライドを
製造するために有用な中間体である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、優れた感染防御作用を
有する抗菌性物質である3,4′−ジデオキシマイカミ
ノシルタイロノライドを製造するために有用な中間体に
関する。
【0002】
【従来の技術】3,4′−ジデオキシマイカミノシルタ
イロノライド又はその塩は、グラム陽性及び陰性に属す
る微生物に対して抗菌活性を示す物質であり、特に感染
防御作用に優れた抗菌剤として有用である(特開平2−
275894号公報)。3,4′−ジデオキシマイカミ
ノシルタイロノライドは、タイロシンの酸加水分解物で
あるマイカミノシルタイロノライドの官能基を適宜保護
した後、3位及び4′位の水酸基をデオキシ化し、さら
に適宜脱保護することにより製造することができる。し
かしながら、従来、3-O-アセチル−4"-O-イソバレリル
デマイシノシルタイロシン(特公昭60-16960号公報) を
出発原料として用いる製造方法は報告されていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題及び課題を解決するため
の手段】本発明は、3,4′−ジデオキシマイカミノシ
ルタイロノライドを製造するために有用な中間体とし
て、3-O-アセチル−4"-O-イソバレリルデマイシノシル
タイロシンから誘導された新規中間体を提供することを
目的とするものである。すなわち本発明は、3,4′−
ジデオキシマイカミノシルタイロノライドを製造するた
めに有用な中間体として、下記一般式(I) で示されるマ
イカミノシルタイロノライド誘導体:
【0004】
【化2】
【0005】(式中、R1は水素原子又はOCOCH3基を表
し、R2は水素原子又は水酸基の保護基を表し、R3はアシ
ル基、R4は水酸基、OSO2R またはハロゲン原子を表し、
Aは、保護されていてもよいカルボニル基を表し、B
は、保護されていてもよいアルデヒド基を表す。但し、
----部分はR1がOCOCH3基を示すときは単結合を表し、R1
が水素原子を示すときは二重結合を表す。Rは低級アル
キル基、トリフロロメチル基、2-オキソ-10-ボルナニイ
ル基、置換又は未置換のアリール基、または置換又は未
置換のアラルキル基を表す)で示される化合物を提供す
るものである。
【0006】本明細書において、特に断らない限り、低
級とは炭素数1〜6個であることを意味し、低級アルキ
ル基とは、炭素数1乃至6個の直鎖または分枝状のアル
キル基を意味する。例えば、低級アルキル基として、例
えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル
基、ブチル基、イソブチル基、t-ブチル基、ペンチル
基、1-メチルブチル基、2-メチルブチル基、ネオペンチ
ル基を挙げることができる。
【0007】R3が示すアシル基としては、例えば、ホル
ミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イ
ソブチリル基、バレリル基、イソバレリル基、ピバロイ
ル基、ヘキサノイル基などのアルカノイル基;アクリロ
イル基、メタクロイル基、クロトノイル基などの低級ア
ルケノイル基;ベンゾイル基、トルオイル基、キシロイ
ル基などのアロイル基;フェニルアセチル基、フェニル
プロピオニル基、フェニルヘキサノイル基などのフェニ
ル(低級)アルカノイル基などが挙げられる。R4がOSO2
R を示す場合、R が表す置換または未置換のアリール基
としては、例えば、フェニル基、p-メトキシフェニル
基、p-ニトロフェニル基、p-フロロフェニル基、o,p-ジ
フロロフェニル基、p-クロロフェニル基、m-クロロフェ
ニル基、o-クロロフェニル基、o,p-ジクロロフェニル
基、p-ブロモフェニル基、p-メチルフェニル基、m-メチ
ルフェニル基、o,p-ジメチルフェニル基、m,p-ジメチル
フェニル基、ナフチル基等を挙げることができ、置換ま
たは未置換のアラルキル基としては、例えば、ベンジル
基、p-ニトロベンジル基、o,p-ジニトロベンジル基、p-
クロロベンジル基、m-クロロベンジル基、p-メチルベン
ジル基、m-メチルベンジル基、o-メチルベンジル基、o,
p-ジメチルベンジル基、p-メトキシベンジル基、p-フロ
ロベンジル基等を挙げることができる。ハロゲン原子と
しては塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子のいずれでもよ
い。
【0008】Aが保護されていてもよいカルボニル基を
示し、Bが保護されていてもよいアルデヒド基を示す場
合、カルボニル基またはアルデヒド基の保護基としては
当業者に自明なものはいかなるものを使用してもよい
が、例えば、カルボニル基またはアルデヒド基がケター
ルまたはアセタールとして保護されたものを例示するこ
とができる。具体的には、ジメチルアセタール(ジメチ
ルケタール)、ジエチルアセタール(ジエチルケター
ル)、エチレンアセタール(エチレンケタール)、プロ
ピレンアセタール(プロピレンケタール)、またはこれ
にメチル基などの置換基を有するものなどを用いればよ
い。
【0009】水酸基の保護基としては、トリメチルシリ
ル基、トリエチルシリル基、トリプロピルシリル基、t-
ブチルジメチルシリル基、ジメトキシメチルシリル基、
ジメチルフェニルシリル基等のシリル基、トリチル基、
テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基を挙
げることができるが、上記のアシル基を水酸基の保護基
として用いてもよい。
【0010】式(I) で示される本発明の化合物は、例え
ば、以下の方法により製造することができるが、本発明
の化合物の製造方法は、これらの方法に限定されること
はない。出発原料として用いる3-0-アセチル-4″-O- イ
ソバレリルデマイシノシルタイロシン(特公昭60-16960
号公報に記載の化合物) を、例えば、J.Antibitics 35,
661(1982) 記載の方法により種々の酸無水物で処理する
ことにより、2′-O- アシル-3-O- アセチル-4″-O- イ
ソバレリルデマイシノシルタイロシンに変換することが
できる。この化合物を、酸性条件下、例えば、硫酸、塩
酸、リン酸等の水溶液中で、-10 〜100℃、好ましく
は10〜60℃の温度で加水分解すると、2′-O- アシ
ル-3-O- アセチル- マイカミノシルタイロノライドが得
られる。さらにこの化合物を、脱水剤、アルコール化合
物、及び酸触媒を用いてアセタール化反応に付すること
により、2′-O- アシル-3-O- アセチルマイカミノシル
タイロノライドの9,20- ビスアセタール体を製造するこ
とができる。一方、2′-O-アシル-3-O- アセチル-4″-
O- イソバレリルデマイシノシルタイロシンを、上記と
同様の条件でアセタール化反応に付すると、アセタール
化と同時に末端糖が加水分解されるので、2′-O- アシ
ル-3-O- アセチルマイカミノシルタイロノライドの9,20
- ビスアセタール体を一工程で製造することができる。
【0011】上記のアセタール化反応には、所望のアセ
タールやケタールを与えるアルコール化合物を、単独あ
るいは不活性溶媒と組み合わせて用いればよい。アルコ
ール化合物としては、メタノール、エタノール、プロパ
ノール、ブタノール、エチレングリコール、プロパンジ
オール、2,3-ブタンジオール等が用いられるが、それら
はマクロライド化合物1モルに対して5モル〜20モル
の割合で使用すればよい。不活性溶媒としては、トルエ
ン、ベンゼン、酢酸エチル、クロロホルム、ジクロロメ
タンなどを用いればよい。また、脱水剤としてはオルト
蟻酸エチルの他、オルト蟻酸メチル、無水塩化カルシュ
ウム、無水硫酸ナトリウム、無水硫酸マグネシウム、モ
レキュラーシーブ等が使用できる。酸触媒としては、p-
トルエンスルホン酸の他に、ベンゼンスルホン酸、カン
ファースルホン酸、メタンスルホン酸、硫酸、アンバー
リスト15などが使用できる。酸触媒は、マクロライド
化合物1モルに対して1.1〜1.5モル使用するのが好適
である。反応温度は、5〜80℃、好ましくは20〜7
0℃、特に好ましくは室温〜50℃で行えばよい。
【0012】このようにして得られた2′-O- アシル-3
-O- アセチルマイカミノシルタイロノライドの9,20- ビ
スアセタール体を、塩基の存在下で、例えば、反応性シ
リル化合物を作用させることにより23位水酸基が保護さ
れた化合物を得ることができる。本反応の溶媒として
は、ジメチルホルムアミドの他、アセトン、アセトニト
リル、テトラヒドロフラン、トルエン、クロロホルム等
が使用できる。又、塩基触媒としては炭酸ナトリウム、
炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、ピリジン、ルチジン、
ピコリン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルア
ミン、イミダゾール等の無機もしくは有機塩基を用いれ
ばよい。反応性シリル化合物としては、トリメチルシリ
ルクロリド、トリエチルシリルクロリド、トリプロピル
シリルクロリド、t-ブチルジメチルシリルクロリド、ジ
メトキジメチルシリルクロリド、ジメチルフェニルシリ
ルクロリド等を用いればよい。反応は-10 乃至50℃で行
なうことができる。
【0013】23位の水酸基が保護された上記の化合物
を、トルエン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラ
ン、ジメトキシエタン、ジオキサン、ジメチルスルホキ
シド、ジメチルホルムアミド等の不活性溶媒に溶解後、
水素化ナトリウム、t-ブトキシカリウム、マグネシウム
メトキシド、マグネシウムエトキシド、ナトリウムメト
キシド、ナトリウムエトキシド、1,8-ジアザビシクロ
〔5.4.0 〕-7- ウンデセン、1,5-ジアザビシクロ〔4.3.
0 〕-5- ノネン等の塩基と、-10 〜80℃で反応させるこ
とにより、2,3 位の脱酢酸体である2′-O- アシル-2,3
- デヒドロ- マイカミノシルタイロノライド ビスアセ
タール体が得られる。使用される塩基の量はマクロライ
ド化合物1モルに対して1.0〜5.0モル、好ましくは1.
0 〜3.0 モルとすることが好適である。
【0014】上記の化合物から4 ′位がスルホニル化さ
れた化合物を製造するには、2,3 位の脱酢酸体を、ピリ
ジン、コリジン、ルチジン、トリエチルアミン、ジイソ
プロピルエチルアミン等の塩基の存在下に、アセトン、
メチルエチルケトン、ジメトキシエタン、アセトニトリ
ル、トルエン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルム
アミド等の不活性溶媒中で、RSO2反応性誘導体(Rは前記
と同義)と-25 乃至25℃で反応させればよい。
【0015】上記の反応において、RSO2反応性誘導体と
しては、例えばハロゲン化物、酸無水物等が使用でき
る。具体的には、メタンスルホニルクロリド、メタンス
ルホン酸無水物、エタンスルホニルクロリド、プロパン
スルホニルクロリド、ブタンスルホニルクロリド、ペン
タンスルホニルクロリド、トリフルオロメタンスルホニ
ルクロリド、トリフルオロメタンスルホン酸無水物、ベ
ンゼンスルホニルクロリド、p-メトキシフェニルスルホ
ニルクロリド、p-ニトロフェニルスルホニルクロリド、
p-フロロフェニルスルホニルクロリド、o,p-ジフロロフ
ェニルスルホニルクロリド、p-クロロフェニルスルホニ
ルクロリド、m-クロロフェニルスルホニルクロリド、o-
クロロフェニルスルホニルクロリド、o,p-ジクロロフェ
ニルスルホニルクロリド、p-ブロモフェニルスルホニル
クロリド、p-メチルフェニルスルホニルクロリド、p-メ
チルフェニルスルホン酸無水物、m-メチルフェニルスル
ホニルクロリド、o,p-ジメチルフェニルスルホニルクロ
リド、m,p-ジメチルフェニルスルホニルクロリド、ナフ
チルスルホニルクロリド、カンファースルホニルクロリ
ド、ベンジルスルホニルクロリド、p-ニトロベンジルス
ルホニルクロリド、o,p-ジニトロベンジルスルホニルク
ロリド、p-クロロベンジルスルホニルクロリド、m-クロ
ロベンジルスルホニルクロリド、p-メチルベンジルスル
ホニルクロリド、m-メチルベンジルスルホニルクロリ
ド、o-メチルベンジルスルホニルクロリド、o,p-ジメチ
ルベンジルスルホニルクロリド、p-メトキシベンジルス
ルホニルクロリド、p-フロロベンジルスルホニルクロリ
ド等を用いればよい。
【0016】4 ′位がスルホニル化された上記の化合物
を単離精製して次の反応に用いてもよいが、比較的不安
定であるので、単離することなく次の反応に供するのが
好適である。上記の方法によりスルホニル化反応を行っ
た反応液に、マクロライド化合物1モルに対して1モル
〜5モルのハロゲン化カリウム、ハロゲン化ナトリウ
ム、テトラブチルアンモニウムハライド等のハロゲン化
剤を加え、50〜100 ℃、好ましくは65〜85℃の温度で反
応させることにより、 4′位がハロゲン化された2′-O
- アシル-2,3- デヒドロ-3,4′- ジデオキシ-4′- ハロ
- マイカミノシルタイロノライド ビスアセタール体に
変換することができる。ハロゲン化剤としては、例え
ば、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、臭化ナトリウ
ム、臭化カリウム、塩化ナトリウム、ヨウ化テトラブチ
ルアンモニウム、臭化テトラブチルアンモニウム、塩化
テトラブチルアンモニウムを用いることができる。
【0017】このハロゲン化物は、2′-O- アシル-3-O
- アセチルマイカミノシルタイロノライドの9,20- ビス
アセタール体の23位水酸基を保護することにより得られ
た化合物の4'位をスルホニル化した後にハロゲン化し、
さらに脱酢酸反応に付することによっても製造すること
ができる。スルホニル化反応は、上記のRSO2反応性誘導
体(Rは前記と同義)と塩基の存在下に、不活性溶媒中、
-25 〜25℃で反応させればよい。4′位がスルホニル化
された化合物は、単離精製して次の反応に用いてもよい
が、それ自体比較的不安定であるので単離することなく
次の反応に供するのが好適である。上記のスルホニル化
反応の反応液に、マクロライド化合物1モルに対して1
モル乃至5モルの上述したハロゲン化カリウム、ハロゲ
ン化ナトリウム、テトラブチルアンモニウムハライド等
のハロゲン化剤を加え、50〜100 ℃、好ましくは65〜85
℃で反応させることにより、 4′位がハロゲン化された
化合物である 2′-O- アシル-3-O- アセチル-4′- デオ
キシ-4′- ハロ- マイカミノシルタイロノライドビスア
セタール体に変換することができる。この化合物を用い
た脱酢酸反応は、マクロライド化合物1モルに対して1.
0 〜5.0 モル、好ましくは1.0 〜3.0 モルの前記の塩基
を用いて、-10 〜80℃で反応させればよい。
【0018】上記のようにして得られる2′-O- アシル
-2,3- デヒドロ-3,4′- ジデオキシ-4′- ハロ- マイカ
ミノシルタイロノライド ビスアセタール体を、例えば
メタノールまたはエタノールに溶解し、例えばラネーニ
ッケル等の触媒と塩基の存在下で、常圧〜4.0 kg/cm2
度の水素圧により接触還元を行なうと、3,4 ′- ジデオ
キシマイカミノシルタイロノランド ビスアセタール体
が得られる。この反応は、例えば室温で行えばよく、塩
基としては、例えば炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリ
ウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム等を、マクロライ
ド化合物1モルに対して、1〜3モル使用すればよい。
触媒としてラネーニッケルを用いる場合には、ラネーニ
ッケルの種類は特に限定されるものではないが、例えば
川研ファインケミカル社製のNDT-65またはNDHT-90 等が
使用できる。マクロライド化合物の1重量部に対して0.
1 〜1.0 重量部の触媒を用いて反応を行なうのが好まし
い。
【0019】3,4 ′- ジデオキシマイカミノシルタイロ
ノライド ビスアセタール体をテトラヒドロフラン,ジ
オキサン、アセトン等の有機溶媒に溶解した後、希塩酸
で処理することにより脱アセタール化及び23位の脱保護
を同時に行なえば、目的の3,4 ′- ジデオキシマイカミ
ノシルタイロノライドが得られる。
【0020】
【発明の効果】本発明により、有用な抗菌性物質である
3,4 ′- ジデオキシマイカミノシルタイロノライドを製
造するために有用な製造中間体が提供される。これらの
製造中間体の効率的な製造法も提供される。以下に本発
明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明は
これら実施例に限定されるものではない。 参考例1: 3,2′- ジ-O- アセチル-4″-0- イソバレリ
ルデマイシノシルタイロシンの製造
【0021】
【化3】
【0022】3-0-アセチル-4″-0- イソバレリルデマイ
シノシルタイロシン48. 4 g(55.7mmol) を酢酸エチル20
0ml に溶解し、無水酢酸6.3 ml(66.9mmol)を加えて室温
で2時間反応させた。反応液を5%重曹水200ml 、20%
食塩水200mlで洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、
減圧乾固して、トルエン/アセトン(1/1) 展開のシリカ
ゲルTLCにてRf値0.66に硫酸呈色陽性を示す表題化合
物が50.7g得られた。
【0023】UV(MeOH)λmax; 282 nm IR(KBr) νmax; 2973, 2940, 1740, 1595, 1373, 123
5, 1169,1057,1028cm-1 NMR(CDCl3); 主要ピークのみを表す δ; 0.92 (3H, t, J=7.3Hz, H-17),0.98 (6H, d, J=6.6
Hz,イソバレリルのジメチル),1.84 (3H, s, H-22),
2.06 (3H, s, OCOCH3-2′),2.13 (3H, s, OCOCH3-3),
2.41 (6H, s, N(CH3)2-3 ′),4.24 (1H, d, J=7.7Hz,
H-1′), 4.62 (1H, d, J=10.3Hz, H-4″),5.01 (1H,
dd, J=7.7, 10.6Hz, H-2′),5.06 (1H, d, J=3.3Hz, H-
1″), 5.13 (1H, d, J=10.6Hz, H-3),5.90 (1H, d, J=1
0.3Hz, H-13), 6.32 (1H, d, J=15.8Hz, H-10),7.40 (1
H, d, J=15.8 Hz, H-11), 9.60 (1H, s, H-20) FAB-MS; 910(M+H)+ 実施例1: 3,2′- ジ-O- アセチルマイカミノシルタイ
ロノライドの製造
【0024】
【化4】
【0025】3,2′- ジ-O- アセチル-4″-0- イソバレ
リルデマイシノシルタイロシン50.7g(55.7mmol) に水
450ml を加え撹拌下、濃硫酸8.9ml(167mmol)を水50mlで
希釈した水溶液を注加して溶解後、温度を50℃に昇温
した。0.5時間後、反応液を15℃まで冷却し酢酸エチ
ル300ml ずつで3回洗浄した。水層を20%炭酸ナトリ
ウム水でpH5.8 に調整し、酢酸エチル300ml ずつで2回
抽出した。抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧乾
固して、トルエン/アセトン(2/1) 展開のシリカゲルT
LCにてRf値0.33に硫酸呈色陽性を示す表題化合物が2
9.1g 得られた。
【0026】UV(MeOH)λmax; 282 nm IR(KBr) νmax; 2973, 2938, 1738, 1593, 1373, 123
6, 1059cm-1 NMR(CDCl3); 主要ピークのみを表す δ; 0.92 (3H, t, J=7.3Hz, H-17), 0.99 (3H, d,J=6.6
Hz, H-18),1.22 (3H, d, J=6.6Hz, H-21), 1.28 (3H,
d, J=6.2Hz, H-6′),1.84 (3H, d, J=0.7Hz, H-22), 2.
06 (3H, s, OCOCH3-2′),2.15 (3H, s, OCOCH3-3), 2.4
0 (6H, s, N(CH3)2 -3′),2.93 (1H, m, H-14), 3.03
(1H, t, J=9.5Hz, H-4′),3.50 (1H, brd,J=8.8Hz, H-
5),3.67(1H, dd,J=7.0, 10.6Hz, H-23a),3,72 (1H, dd,
J=4.4,10.6Hz,H-23b),4.29(1H, d, J=7.7Hz, H-1′),
4.79 (1H, m, H-15), 4.99 (1H, dd, J=7.7, 10.6Hz, H
-2′),5.14 (1H, brd,J=10.6Hz, H-3), 5.91 (1H, d, J
=10.3Hz, H-13),6.31 (1H, d, J=15.8Hz, H-10), 7.40
(1H, d, J=15.4Hz, H-11),9.61 (1H, s, H-20) FAB-MS; 682(M+H)+ 実施例2: 3,2′- ジ-O- アセチルマイカミノシルタイ
ロノライド 9,20-ビス(エチレンアセタール)の製造
【0027】
【化5】
【0028】p-トルエンスルホン酸−水和物9.74g(51.2
mmol) をトルエン100ml に加えて加熱し、トルエン約50
mlを留去して脱水した。この溶液を5℃以下に冷却し、
オルト蟻酸エチル28.4ml(171mmol)、エチレングリコール
23.8ml(427mmol) を加えた後、その溶液を冷却した 3,
2′- ジ-O- アセチルマイカミノシルタイロノライド29.
1g(42.7mmol) のトルエン110ml 溶液に加えた。室温で
1.5 時間撹拌後、徐々に昇温し50℃にて1時間反応させ
た。次に反応液を5%重曹水150ml 、 10%食塩水150ml
で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧乾固し
て、トルエン/アセトン(1/1) 展開のシリカゲルTLC
にてRf値0.55に硫酸呈色陽性を示す表題化合物が30.48g
得られた。
【0029】UV(MeOH)λmax; 235 nm IR(KBr) νmax; 2975, 2940, 2882, 1742, 1373, 123
8, 1182,1055cm-1 NMR(CDCl3); 主要ピークのみを表す δ; 0.85 (3H,br, H-18), 0.92 (3H, t, J=7.3Hz, H-1
7),1.00 (3H, d, J=6.6Hz, H-21), 1.31 (3H, d, J=6.2
Hz, H-6′),1.77 (3H, d, J=1.1Hz, H-22), 2.05 (3H,
s, OCOCH3-2′),2.13 (3H, s, OCOCH3-3), 2.39 (6H,
s, N(CH3)2 -3′),2.86 (1H, m, H-14), 3.05 (1H, t,
J=9.5Hz, H-4′),3.57 (1H, dd, J=8.1, 10.6Hz, H-2
3a), 3.64 (1H, m, H-5),3,69 (1H, dd, J=4.4,10.6H
z,H-23b),4.29(1H, br, H-1′),4.76 (1H, m, H-15),
4.91 (1H, m, H-20),,5.03 (1H, dd, J=7.7, 10.6Hz, H
-2′), 5.06 (1H, br, H-3),5.38 (1H, brd, J=10.6Hz,
H-13), 5.69 (1H, brd, J=15.4Hz, H-10)6.54 (1H, br
d, J=15.4Hz, H-11), FAB-MS; 770(M+H)+ 実施例3: 3,2′- ジ-O- アセチルマイカミノシルタイ
ロノライド 9,20-ビス(エチレンアセタール)の製造
【0030】
【化6】
【0031】p-トルエンスルホン酸−水和物27.9g(0.14
7mol) をトルエン250ml に加えて加熱蒸留して脱水し
た。この溶液を5℃以下に冷却し、オルト蟻酸エチル8
1.2ml(0.488mol)、 エチレングリコール68.1ml(1.22mol)
を加えた後、その溶液を冷却した 3,2′- ジ-O- アセ
チル-4″-0- イソバレリルデマイシノシルタイロシン11
1.1g(0.122mol)のトルエン400ml 溶液に加えた。反応液
を徐々に昇温し、50℃にて1.5時間反応させた。次に反
応液を5%重曹水500ml 、 10%食塩水500ml ずつ2回洗
浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧乾固した。得
られた残渣をトルエン/アセトン(3/1) を展開溶媒とす
るシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、実
施例2と同一の表題化合物がアモルファス状固体として
75.2g 得られた。 実施例4: 3,2′- ジ-O- アセチル-23-O-t-ブチルジメ
チルシリルマイカミノシルタイロノライド 9,20-ビス
(エチレンアセタール)の製造
【0032】
【化7】
【0033】3,2′- ジ-O- アセチルマイカミノシルタ
イロノライド 9,20-ビス(エチレンアセタール)30.3g
(39.3mmol) をジメチルホルムアミド150ml に溶かし、
イミダゾール4.04g(59.4mmol) を加え0℃に冷却した。
撹拌下、t-ブチルジメチルシリルクロリド6.56g(43.5mm
ol) を加え、室温にて2時間反応させた。次に反応液に
トルエン300ml を加え、これを5%重曹水300ml ずつ2
回、水150ml で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し
た。有機層を減圧乾固して、トルエン/アセトン(2/1)
展開のシリカゲルTLCにてRf値0.55に硫酸呈色陽性を
示す表題化合物が34.6g 得られた。
【0034】UV(MeOH)λmax; 235 nm IR(KBr) νmax; 2936, 2884, 1746, 1373, 1236, 108
4, 1055, 837, 777cm-1 NMR(CDCl3); 主要ピークのみを表す δ; 0.85 (3H,br, H-18),0.87 (9H, s, t- ブチルジメ
チルシリルのt-ブチル),0.90 (3H, t, J=7.3Hz, H-1
7), 1.00 (3H, d, J=6.6Hz, H-21),1.31 (3H, d, J=6.2
Hz, H-6′), 1.72 (3H, d, J=0.7Hz, H-22),2.05 (3H,
s, OCOCH3-2′), 2.12 (3H, s, OCOCH3-3),2.39 (6H,
s, N(CH3)2-3′), 3.04 (1H, t, J=9.5Hz, H-4′),4,2
9 (1H, brd, J=6.2Hz, H-1′), 4.83 (1H, m, H-15),
4.91 (1H, t, J=4.8Hz, H-20), 5.03 (1H,dd, J=7.7,1
0.6Hz,H-2′),5.06 (1H, br, H-3), 5.37 (1H, d, J=1
0.3Hz, H-13),5.63 (1H, brd, J=15.4Hz, H-10), 6.50
(1H, brd, J=15.4Hz, H-11) FAB-MS; 884(M+H)+ 実施例5: 2′-O- アセチル-23-O-t-ブチルジメチルシ
リル-2,3- デビドロ-3-デオキシマイカミノシルタイロ
ノライド 9,20-ビス(エチレンアセタール)の製造
【0035】
【化8】
【0036】トルエン100 mlおよびジメチルスルホキシ
ド13.9ml(195 mmol) の混合溶媒に水素化ナトリウム
(60% in oil)2.34g(58.6 mmol)を加え10分間攪拌し
た後0℃に冷却した。この溶液に攪拌下、 3,2′- ジ-O
- アセチル-23-O-t-ブチルジメチルシリルマイカミノシ
ルタイロノライド 9,20-ビス(エチレンアセタール)34.
5g(39.0 mmol) のトルエン70ml溶液を滴下して加えた。
同温度で1時間反応後水100 mlを加え、1N-塩酸でpHを
6に調整後分液した。有機層を10%食塩水100 mlで洗浄
し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後減圧濃縮して、トルエ
ン/アセトン(3/1)展開のシリカゲルTLCにてRf値0.
46に硫酸呈色陽性の表題化合物が32.1g得られた。
【0037】UV(MeOH)λmax; 217 nm IR(KBr) νmax; 2936,2881,1750,1717,1373,1232,108
0,1057,837,777 cm-1 NMR(CDCl3); 主要ピークのみを表す δ; 0.89 (9H, s, t- ブチルジメチルシリルのt-ブチ
ル),0.95 (3H, t, J=7.3 Hz, H-17), 1.34 (3H, d, J
=6.2 Hz, H-6′),1.71 (3H, d, J=0.7 Hz, H-22 ), 2.0
6 (3H, s, OCOCH3-2′),2.44 (6H, s, N(CH3)2-3′),
3.11(1H, t, J=9.2 Hz, H-4′),4.44 (1H, d, J=7.3 H
z, H-1′), 4.90(1H, m, H-15),4.96 (1H, m, H-20 ),
5.06 (1H, dd, J=7.3, 10.6 Hz, H-2′),5.29 (1H, d,
J=10.3 Hz, H-13), 5.51 (1H, d, J=15.8 Hz, H-10),5.
55 (1H, d, J=15.4 Hz, H-2), 6.25 (1H, d, J=15.8 H
z, H-11),6.70 (1H, dd, J=9.5, 15.4 Hz, H-3), FAB-MS; 824(M + H)+ 実施例6: 2′-O- アセチル-23-O-t-ブチルジメチルシ
リル-2,3- デビドロ-3,4′- ジデオキシ-4′- ヨードマ
イカミノシルタイロノライド 9,20-ビス(エチレンアセ
タール)の製造
【0038】
【化9】
【0039】2′-O- アセチル-23-O-t-ブチルジメチル
シリル-2,3- デビドロ-3,4′- ジデオキシマイカミノシ
ルタイロノライド 9,20-ビス(エチレンアセタール)3
1.8g(38.6 mmol)をメチルエチルケトン230 mlに溶解
し、トリエチルアミン10.8ml(77.3 mmol)を加えた後、
氷冷下、塩化メタンスルホニル3.9 ml(50.2 mmol)のメ
チルエチルケトン15ml溶液を加え、同温度で1時間反応
してメシル化体〔 2′-O- アセチル-23-O-t-ブチルジメ
チルシリル-2,3- デヒドロ-3- デオキシ-4′-O-メタン
スルホニルマイカミノシルタイロノライド 9,20-ビス
(エチレンアセタール)〕を得た。次にこの反応液にヨ
ウ化ナトリウム17.4g(116 mmol) を加えて昇温、3時
間加熱還流してヨウ素化した。反応液を濃縮しトルエン
250 mlおよび水250 mlを加えて分液した。10%チオ硫酸
ナトリウム250 ml、10%食塩水250 mlで洗浄後、無水硫
酸ナトリウムで乾燥した。有機層を減圧濃縮乾固する
と、トルエン/アセトン(10/1) 展開のシリカゲルTL
CにてRf値0.51に硫酸呈色陽性の表題化合物が36.1g得
られた。
【0040】2′-O- アセチル-23-O-t-ブチルジメチル
シリル-2,3- デビドロ-3- デオキシ-4′-O- メタンスル
ホニルマイカミノシルタイロノライド 9,20-ビス(エチ
レンアセタール) Rf値 0.55〔トルエン/アセトン(6/1)〕 NMR(CDCl3); 主要ピークのみを表す δ; 0.89 (9H, s, t- ブチルジメチルシリルのt-ブチ
ル),0.95 (3H, t, J=7.3 Hz, H-17), 1.38 (3H, d, J
=6.2 Hz, H-6′),1.71 (3H,s,H-22 ),2.06(3H, s, OCOC
H3-2′),2.40(6H,s, N(CH3)2-3′),2.89 (1H, t, J=10.
3Hz, H-3′), 3.11(3H, s, OSO2CH3-4′),4.24 (1H, t,
J=9.5 Hz, H-4′), 4.42(1H, d, J=7.7 Hz, H-1′),5.
08 (1H,dd, J=7.7,10.3Hz, H-2′),5.29 (1H,d,J=10.3
Hz,H-13),5.50 (1H, d, J=15.8 Hz, H-10), 5.55 (1H,
d, J=15.4 Hz, H-2),6.24 (1H, d, J=15.8Hz, H-11),
6.68 (1H,dd, J=9.5,15.4Hz, H-3) FAB-MS; 902(M + H)+ 表題化合物 UV(MeOH)λmax; 217 nm IR(KBr) νmax; 2936,2882,1752,1715,1373,1231,110
1,1051,837,777 cm-1 NMR(CDCl3); 主要ピークのみを表す δ; 0.89 (9H, s, t- ブチルジメチルシリルのt-ブチ
ル),0.95 (3H, t, J=7.3 Hz, H-17), 1.53 (3H, d, J
=5.5 Hz, H-6′),1.71 (3H, d, J=0.7 Hz, H-22 ), 2.0
5 (3H, s, OCOCH3-2′),2.43 (6H, s, N(CH3)2-3′),
2.84 (1H, m, H-3′),4.42(1H,d,J=7.7Hz, H-1′),4.96
(1H, dd, J=7.7, 9.9 Hz, H-2′),5.29 (1H, d, J=10.
3 Hz, H-13), 5.50 (1H, d, J=15.8 Hz, H-10),5.55 (1
H, d, J=15.4 Hz, H-2), 6.25 (1H, d, J=15.8 Hz, H-1
1),6.69 (1H, dd, J=9.5, 15.4 Hz, H-3), FAB-MS; 934(M + H)+ 実施例7: 3,2′- ジ-O- アセチル-23-O-t-ブチルジメ
チルシリル-4′-O- メタンスルホニルマイカミノシルタ
イロノライド 9,20-ビス(エチレンアセタール)の製造
【0041】
【化10】
【0042】3,2′- ジ-O- アセチル-23-O-t-ブチルジ
メチルシリルマイカミノシルタイロノライド 9,20-ビス
(エチレンアセタール)50.0mg(0.0565mmol) をメチル
エチルケトン1mlに溶解し、トリエチルアミン35.4μl
(0.254mmol)を加えた後、氷冷下、塩化メタンスルホニ
ル17.1μl (0.220mmol)のメチルエチルケトン50μl 溶
液を加え、同温度で1時間攪拌した。反応液にクロロホ
ルム10mlを加え、飽和重曹水10ml及び飽和食塩水10ml
(2回)で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾
燥し、減圧下濃縮乾固すると、トルエン/アセトン(5/
1)展開のシリカゲルTLCにてRf値0.57に硫酸呈色陽性
の表題化合物が53.9mg得られた。
【0043】NMR(CDCl3); 主要ピークのみを表す δ; 0.84 (3H,br, H-18),0.87 (9H, s, t- ブチルジメ
チルシリルのt-ブチル),0.90 (3H, t, J=7.3 Hz, H-1
7), 0.99 (3H, d, J=6.6 Hz, H-21 ),1.36 (3H, d, J=
5.9 Hz, H-6′), 1.72 (3H, s, H-22),2.06 (3H, s, O
COCH3-2′), 2.11(3H, s, OCOCH3-3),2.39 (6H, s, N(C
H3)2-3′), 2.73(1H, m, H-14),3.10 (3H, s, OSO2CH3-
4′), 3.43 (1H, m, H-5′),4.22 (1H, t, J=9.5 Hz,
H-4′), 5.37 (1H, d, J=10.3 Hz,H-13),5.63 (1H, d,
J=16.1 Hz, H-10), 6.49 (1H, d, J=16.1 Hz, H-11), FAB-MS; 962(M + H)+ 実施例8: 3,2′- ジ-O- アセチル-23-O-t-ブチルジメ
チルシリル-4′- デオキシ-4′- ヨードマイカミノシル
タイロノライド 9,20-ビス(エチレンアセタール)の製
【0044】
【化11】
【0045】3,2′- ジ-O- アセチル-23-O-t-ブチルジ
メチルシリルマイカミノシルタイロノライド 9,20-ビス
(エチレンアセタール)266.1mg(0.301 mmol) をメチル
エチルケトン2mlに溶解し、トリエチルアミン62.9μl
(0.452mmol)を加えた後、氷冷下、塩化メタンスルホニ
ル28.0μl (0.361mmol)のメチルエチルケトン70μl 溶
液を加え、同温度で0.5 時間攪拌してメシル化反応を完
結した。次にこの反応液にヨウ化ナトリウム135.4 mg
(0.903 mmol) を加えて昇温し、0.5 時間加熱還流して
ヨウ素化した。反応液にクロロホルム10mlを加え、飽和
重曹水10ml、飽和食塩水10ml(2回)で洗浄後、無水硫
酸ナトリウムで乾燥した。有機層を減圧濃縮して得られ
た残渣をトルエン/酢酸エチル(12/1) 展開のシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィーにて精製すると、トルエン
/アセトン(10/1) 展開のシリカゲルTLCにてRf値0.
57に硫酸呈色陽性の表題化合物が70%の収率で210 mg得
られた。
【0046】UV(MeOH)λmax; 235 nm IR(KBr) νmax; 2934, 2882, 1744, 1372, 1233, 117
9, 1103, 1049cm-1 NMR(CDCl3); 主要ピークのみを表す δ; 0.87 (9H, s, t- ブチルジメチルシリルのt-ブチ
ル),0.90 (3H, t, J=7.3 Hz, H-17), 0.99 (3H, d, J
=6.6 Hz, H-21 ),1.51 (3H, d, J=5.9 Hz, H-6′), 1.7
2 (3H, s, H-22),2.05 (3H, s, OCOCH3-2′), 2.12(3
H, s, OCOCH3-3),2.42 (6H, s, N(CH3)2-3′), 4.28(1
H, d, J=7.3 Hz, H-1′),5.07 (1H, br, H-3), 5.37 (1
H, d, J=11.0 Hz,H-13),5.62 (1H, d, J=15.4 Hz, H-1
0), 6.50 (1H, d, J=15.4 Hz, H-11), FAB-MS; 994(M + H) + 実施例9: 2′-O- アセチル-23-O-t-ブチルジメチルシ
リル-2,3- デヒドロ-3,4′- ジデオキシ-4′- ヨードマ
イカミノシルタイロノライド 9,20-ビス(エチレンアセ
タール)の製造
【0047】
【化12】
【0048】トルエン0.5 mlおよびジメチルスルホキシ
ド35.7μl (0.503 mmol) の混合溶媒に 3,2′- ジ-O-
アセチル-23-O-t-ブチルジメチルシリル-4′- デオキシ
-4′- ヨードマイカミノシルタイロノライド 9,20-ビス
(エチレンアセタール) 50.0mg(0.0503 mmol)を溶解
し、水素化ナトリウム(60% in oil)5.4 mg(0.226 m
mol)を加え20時間攪拌した。反応液に酢酸エチル10mlを
加え、水10ml、飽和食塩水10ml(2回)で洗浄した。有
機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮して得ら
れた残渣を、トルエン/アセトン(10/1) 展開の分取用
シリカゲルTLCにて精製すると実施例6と同一の表題
化合物が30mg得られた。 実施例10:23-O-t- ブチルジメチルシリル-3,4′- デ
オキシマイカミノシルタイロノライド 9,20-ビス(エチ
レンアセタール)の製造
【0049】
【化13】
【0050】2′-O- アセチル-23-O-t-ブチルジメチル
シリル-2,3- デヒドロ-3,4′- ジデオキシ-4′- ヨード
マイカミノシルタイロノライド 9,20-ビス(エチレンア
セタール)35.9g (38.4 mmol)をメタノール 175mlに溶
解し、炭酸カリウム7.95g(57.5 mmol)、 続いてラネーニ
ッケル(川研ファインケミカル株NDT−65)20gのメ
タノール30ml懸濁液を加え、水素圧3.5 kg/cm2 にて2
時間接触還元を行なった。触媒をセライトにて濾別し、
濾液を減圧濃縮した。この濃縮残渣に酢酸エチル200 ml
を加え20%食塩水200 mlずつ2回で洗浄し、無水硫酸ナ
トリウムで乾燥後減圧乾固して、クロロホルム/メタノ
ール(10/1) 展開のシリカゲルTLCにてRf値0.45に硫
酸呈色陽性を示す表題化合物が28.0g得られた。
【0051】UV(MeOH)λmax; 235 nm IR(KBr) νmax; 2938, 2884, 1734, 1169, 1111, 104
9, 837, 777cm-1 NMR(CDCl3); 主要ピークのみを表す δ; 0.88 (9H, s, t- ブチルジメチルシリルのt-ブチ
ル),0.92 (3H, t, J=7.3 Hz, H-17), 0.98 (3H, d, J
=6.6 Hz, H-18),1.02 (3H, d, J=7.0 Hz, H-21 ), 1.23
(3H,d, J=6.2 Hz, H-6′),1.74 (3H, d, J=1.1 Hz, H-
22), 2.27 (6H, s, N(CH3)2-3′),3.26 (1H,dd, J=7.3,
9.9Hz,H-2′), 4.28 (1H, d, J=7.3Hz, H-1′),4.91 (1
H,m,H-15), 5.01(1H,m,H-20), 5.37 (1H,d,J=10.3Hz,H-
13 ),5.61 (1H, d, J=15.8 Hz, H-10), 6.39 (1H, d, J
=15.8 Hz, H-11) FAB-MS; 768(M + H)+ 参考例2: 3,4′- ジデオキシマイカミノシルタイロノ
ライドの製造
【0052】
【化14】
【0053】23-O-t- ブチルジメチルシリル-3,4′- ジ
デオキシマイカミノシルタイロノライド 9,20-ビス(エ
チレンアセタール)27.7g(36.0 mmol)をテトラヒドロ
フラン150 mlに溶かし、1N-塩酸300 mlを加えて室温で
1.5 時間攪拌して加水分解した。反応液に水300 mlを加
え、この水溶液を塩化メチレン150 mlずつ二回洗浄し
た。水層のpHを6.0 に調整しながら、塩化メチレン300
mlを加えて抽出し、水層は再度pHを6.0 に調整しなが
ら、塩化メチレン300 mlで抽出した。有機層を合わせて
20%食塩水300 mlで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥
した。有機層を減圧乾固して、表題化合物を9.46g得
た。
【0054】本物質は、J. Antibiotics 45,144 (1992)
に記載の 3,4′- ジデオキシマイカミノシルタイロノラ
イドと同一の理化学的性状を示した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 陰山 俊治 茨城県つくば市春日2−35−2 エトワー ル春日306 (72)発明者 三宅 俊昭 神奈川県横浜市港北区下田町3丁目5−1 日吉ハイツ207 (72)発明者 松本 直樹 神奈川県横浜市港南区日限山4−52−11 (72)発明者 小湊 嘉一郎 神奈川県大和市南林間6−4−30 (72)発明者 田中 博 神奈川県茅ヶ崎市小和田3−16−26−306 (72)発明者 吉岡 武男 神奈川県綾瀬市上土棚1959 グリーンハイ ツ3−3102

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 (式中、R1は水素原子又はOCOCH3基を表し、R2は水素原
    子又は水酸基の保護基を表し、R3はアシル基を表し、R4
    は水酸基、OSO2R またはハロゲン原子を表し、Aは、保
    護されていてもよいカルボニル基を表し、Bは、保護さ
    れていてもよいアルデヒド基を表す。但し、----部分は
    R1がOCOCH3基を示すときは単結合を表し、R1が水素原子
    を示すときは二重結合を表す。Rは低級アルキル基、ト
    リフロロメチル基、2-オキソ-10-ボルナニイル基、置換
    又は未置換のアリール基、または置換又は未置換のアラ
    ルキル基を表す)で示されるマイカミノシルタイロノラ
    イド誘導体。
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