JP2881495B2 - プラジマイシン誘導体 - Google Patents

プラジマイシン誘導体

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JP2881495B2 JP2315702A JP31570290A JP2881495B2 JP 2881495 B2 JP2881495 B2 JP 2881495B2 JP 2315702 A JP2315702 A JP 2315702A JP 31570290 A JP31570290 A JP 31570290A JP 2881495 B2 JP2881495 B2 JP 2881495B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は半合成抗菌化合物、その治療用途、それを含
む薬剤組成物及びそれらの製造方法に関する。特に、こ
の抗菌化合物はプラジマイシンの誘導体である。
(従来の技術) プラジマイシン(pradimaicin)は、BU−3608抗生物
質としても知られ、アクチノマドウラ ヒビスカ(Acti
nomadura hibisca)新種により産出される抗菌抗生物質
の一群である。種々のプラジマイシンが、アクチノマド
ウラ ヒビスカ又はその変種、突然変異体の醗酵ブロス
から単離され、その構造は下に書く通りである。
プラジマイシン A: R1=CH3;R2=CH3;R3=β−D−キシロシル B: R1=CH3;R2=CH3;R3=H C: R1=CH3;R2=H;R3=β−D−キシロシル D: R1=H;R2=CH3;R3=β−D−キシロシル E: R1=H;R2=H;R3=β−D−キシロシル FA−1:R1=CH2OH;R2=CH3;R3=β−D−キシロシル FA−2:R1=CH2OH;R2=H;R=β−D−キシロシル プラジマイシンAは、ニユーヨーク州ニユーヨークで
1987年10月4−7日に行われた第27回抗微生物剤と化学
療法への科学間会議(Interscience Conference on Ant
imicrobial Agents and Chemotherapy)の抄録No.984
に、BMY−28567として報告されている。プラジマイシン
A、B、Cは、欧州特許出願No.277,621に開示されてい
る。プラジマイシンD、E及び各々のデスキシロシル誘
導体は、我々が1988年6月7日に出願した米国特許出願
No.203,776に開示されている。
プラジマイシンFA−1、FA−2、その各々のデスキシ
ロシル誘導体及びそのN−アルキル化類似体は、我々が
1988年11月10日出願した米国特許出願No.269,821に開示
されている。
ベナノマイシン(benanomicin)A、Bとして知られ
る二つの化合物が、J.Antibiot.1988年41(6)巻807−
811頁と、同41(8)巻1019−1028頁に報告されてい
る。ベナノマイシンBは、プラジマイシンCと同一であ
ることが明らかになっているが、ベナノマイシンAは次
の構造IIを有している。
また、デスキシロシルベナノマイシンBはそこに開示
されているが、デスキシロシルベナノマイシンAについ
ては記載がない。
(課題の解決) 本発明は、式III: (式中、R1はH、ヒドロキシメチルからなる群から選ば
れ、R1がヒドロキシメチルである時、その結果生じるア
ミノ酸残基はD−配置であり、R2はH又はβ−D−キシ
ロシルである。) の化合物又はその医薬として許容される塩を提供するも
のである。
また本発明によれば、式IV: (式中、RaはH、メチルまたはヒドロキシメチルで且つ
Raがメチルまたはヒドロキシメチルの場合、その得られ
るアミノ酸はD−配置を有し;RcはC-5アルキルで;RdはC
1-5アルカノイルである)の中間体も提供される。化合
物IVは、式IIIの化合物並びに他のプラジマイシン誘導
体を製造する際の中間体として有用である。
また本発明によれば、プラジマイシンアグリコンエス
テルとアシルハライドとを相転移触媒の存在下に反応さ
せることを特徴とする化合物IVの製造法が提供される。
さらにまた本発明によれば、式V及びVIの化合物: (式中、RaはH、メチルまたはヒドロキシメチルで且つ
Raがメチルまたはヒドロキシメチルの場合その得られる
アミノ酸はD−配置を有し;Rbはβ−D−キシロシルで
ある) またはその塩あるいはそのエステルが提供される。式V
及びVIの化合物は、式IIIの化合物を合成する際の中間
体として有用である。
さらにまた本発明によれば、式VIIIの化合物 (上式中Ra及びRbは前記定義した通りのものである)、 またはその医薬として許容される塩の製造法が提供さ
れ、その製造法は、(a)第一級アミノ基を有するプラ
ジマイシンを3,5−ジ−t−ブチル−1,2−ベンゾキノン
と、不活性有機溶媒中で反応させ、相当するイミン体と
し、次に(b)そのイミン化合物を相当するケトンに酸
触媒存在下に変換せしめ、そして(c)そのケトン基を
ヒドロキシル基に還元し、(d)異性体を分離すること
を特徴とするものである。
本発明は以下さらに詳細に説明する。
本明細書においては、特に断らなければ「医薬として
許容される塩」という語は、無機塩基または有機塩基に
よつて形成された塩を指し、ナトリウム、カリウム、リ
チウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウム及び
トリアルキルアンモニウムの塩をあげることができる
が、それらに限定されるものではない。「プラジマイシ
ン」とは、天然由来のプラジマイシン、そのデスキシロ
シル誘導体及びその塩のうちの一群のものを指す。「プ
ラジマイシン アグリコン」とは、式VIII: (上式中Raは式IVにおいて定義したものである)を有す
る化合物を指すものである。
プラジマイシン出発物質及びその製造方法は、1987年
1月2日に出願した米国特許出願No.115,273、1988年6
月7日に出願した米国特許No.203,776、1988年7月19日
に出願した米国特許出願No.221,144、1988年11月10日出
願した米国特許出願No.269,821に開示されている。これ
ら出願に含まれる開示は、本明細書において、参考とし
て含められる。プラジマイシンは、特定の反応条件によ
つて、フリーの塩基、酸又は塩基付加塩、内部塩、カル
ボキシル基のエステルであつてよい。塩基塩は、例えば
ナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム、マグネ
シウム、アンモニウム、トリアルキルアンモニウム塩で
あつてよく、酸付加塩は、例えば塩酸塩、硫酸塩、硝酸
塩等であつてよい。カルボン酸エステルは、メチル、エ
チル、イソプロピルのような低級アルキルエステル、フ
エニル、またはベンジルエステル、シクロヘキシルのよ
うなシクロアルキルエステルであつてよい。
式IIIの化合物は、二種の一般的な方法によつて製造
されうる: (1) 1−O−アシル化プラジマイシン アグリコン
エステルを適当なモノサツカライドまたはジサツカライ
ドでグリコシル化する;又は (2) プラジマイシンの糖アミノ基をケト基に変え、
次にそれをヒドロキシ基に還元する。
この二つの方法は以下に工程式として示され具体的に
説明されている。
(上式中、R1及びR2は上記式IIIで定義した通りのもの
である)。
式IXのプラジマイシンアグリコンエステル類は一般的
には、メチレンクロライド、クロロホルム、ジクロロエ
タン及びジオキサンといつた有機溶媒に不溶であるか又
は僅かにしか溶解せず、所望の糖で直接グリコシル化す
るための出発物質としては不便である。かくして本発明
によれば、その化合物IXを相当する溶媒に可溶性のアシ
ル化誘導体に変えられる。そのプラジマイシンアグリコ
ンエステルIXは、アシルハライドのようなアシル化剤を
用いて相転移条件のもとでアシル化される。好適なアシ
ルハライド類としては、例えば、アセチルクロライド及
びプロピオニルクロライドがあげられる。該反応は、メ
チレンクロライド、テトラヒドロフラン、エーテル、そ
してジオキサン及びトルエンといつた不活性有機溶媒中
で行なわれる。反応混合物中には固体形態の塩基が入つ
ている。好ましい塩基としては、水酸化ナトリウム、水
酸化カリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム等が
あげられる。その相転移触媒としては例えば、テトラブ
チルアンモニウムハイドロジエンサルフエート、テトラ
ブチルアモニウムジハイドロジエンホスフエート並びに
そのプラジマイシン反応体をアシル化剤のある相と同じ
相に移動させることのできるその他の試薬があげられ
る。該反応は約−50℃〜約50℃の範囲の温度で行なうこ
とができるが、好ましくは室温で行なわれる。反応時間
は、数分間から数時間の範囲であつてよい。好ましい態
様においては、そのアシル化反応は、有機溶媒中テトラ
ブチルアンモニウムハイドロジエンサルフエート(TBA
H)と粉末状水酸化ナトリウムの存在下にアセチルクロ
ライドを用いてなされる。その反応はこれら試薬を用い
て一般的には室温で1時間以内で完結せしめられる。TB
AH/NaOH/有機溶媒を用いての相転移触媒によつたアシル
化法は、Illi,V.O.(Tet.Lett.,1979、2431−2432)に
より記載されている。上記した方法を用いた場合、1位
にあるフエノール性ヒドロキシル基は、脂肪族性ヒドロ
キシル基及び9位及び14位のフエノール性ヒドロキシル
基を優先的にアセチル化される。
アセチル化されたプラジマイシングリコンエステルX
は次にKoenigs−Knrr条件下にグリコシル化される。代
表的な場合、アセチル化されたフコシルブロマイドある
いはアセチル化された3−O−(β−D−キシロピラノ
シル)フコシルブロマイドのようなアシル化グリコシル
ハライド(過アシル化グリコシルハライド)が用いら
れ、反応はメチレンクロライド、クロロホルム、1,2−
ジクロロエタン、ジオキサンなどの不活性有機溶媒中無
水条件で且つシアン化水銀あるいは臭化水銀のような銀
塩または水銀塩の存在下に行なわれる。無水の条件は反
応混合物中にモレキユラーシーブのような脱水剤を入れ
ることにより保たれる。グリコシル化反応は好ましくは
高い温度のもとそのアグリコンをグリコシドに実際に変
える充分な時間処理することによりなされる。1−O−
アセチル化プラジマイシンAアグリコンメチルエステル
とフコシルブロマイドとの反応は、約80℃で通常2時間
以内で完結せしめられる。次に種々のエステル結合が通
常の方法を用いて加水分解せしめられ、そのフエノール
性及び糖のアシル基並びにアミノ酸エステル基が除去さ
れる。好適な方法としては、例えば、室温での塩基触媒
によるケン化があげられる。一般的にはグリコシル化反
応により、位置異性体やアノマー対の混合物が得られ、
それらのものとしては5−O−α−グリコシル化体、5
−O−β−グリコシル体及び6−O−β−グリコシル化
体が含まれる。そのそれぞれの成分化合物は、カラムク
ロマトグラフイーのような当該分野でよく知られた方法
で分離されることができ、その保護基を除去する前ある
いは後のいずれでも行なうことができる。
もし適当な糖が用いられるなら1−O−アシル化プラ
ジマイシンアグリコンエステル類を用いて工程式Iに示
したもの以外のプラジマイシン化合物が製造されうると
いうことも好ましいことである。
(上式中、R1及びR2は式IIIで定義したのと同じもので
あり、R2′はH、β−D−キシロシル;C1-5アルカノイ
ル、好ましくはアセチル;またはアシル化された、(高
度にアシル化された)、好ましくはアセチル化された
(高度にアセチル化された)β−D−キシロシルで、R3
及びR4は、独立にHまたはメチルで、R5はHまたはアセ
チルである) アミンをカルボニル化合物に変換する方法としては各
種の方法が当該分野において知られている。例えば、第
一級アミン類を、ベンゾチアゾール−2−カルボキシア
ルデヒドまたは3,5−t−ブチル−1,2−ベンゾキノンで
処理し、イミン化合物とし、次にそれを加水分解し、相
当するカルボニル化合物に変換させることができる。第
一級アミン、第二級アミン及び第三級アミンは直接に例
えば酸化マンガンまたは中性の過マンガン酸塩で処理し
て酸化して相当するカルボニル化合物にすることができ
る。第三級アミンは、例えば、m−クロロ過安息香酸で
酸化してそのアミンオキシドとし、次にそれを例えばト
リフルオロ酢酸無水物で処理してカルボニル化合物に変
換されうる。ある種の条件下、例えば酸化条件下では、
プラジマイシン出発物質の非反応官能性基、例えばアル
コール性OH基及びフエノール性OH基は保護することが望
ましい。これら官能基の保護及び脱保護の方法には、当
業者の有する技術的範囲内のものである。そのカルボニ
ル基の還元は、水素化ホウ素ナトリウムのような還元剤
を用いて行なうことができる。その還元反応は立体特異
的なものでなく、そのカルボニルから誘導されたヒドロ
キシ基はアキシヤル位かあるいはエカトリアル位にある
生成物の混合物を生じる。その混合物は、クロマトグラ
フイーにより分離せしめられる。我々の経験によれば、
本発明の化合物は、第一級アミン基を有するプラジマイ
シンを3,5−ジ−t−ブチル−1,2−ベンゾキノンで処理
して生成せしめられるイミン体を経由して製造しうる。
この方法は、工程式IIIにおいて詳しく示されており、
本発明の化合物の製造法は、ここで特に例示されたもの
に限定されないことを理解して、さらに下記において詳
しく説明されよう。
(上記工程式中、R1及びR2は式IIIで定義したものであ
る) 先ずプラジマイシンは、3,5−ジ−t−ブチル−1,2−
ベンゾキノンと反応させ、該糖基の第一級アミン基を相
当する2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフエニル
シツフ塩基(XIV)に変換せしめられる。該反応は溶液
中不活性溶媒を用い、例えば低級アルカノール、好まし
くはメタノールを用いて行なわれる。トリエチルアミン
のような第三級アミン塩基は好ましくはプラジマイシン
の酸付加塩を出発物質として用いた時には反応混合物中
に入れられる。該反応の温度は重要ではなく、該反応は
常温で便利に行なうことができる。一般に該反応は約20
分から数時間行なわれる。このようにして得られたイミ
ン化合物は、酸の存在下に加水分解され、ケトン体(X
V)を与える。該酸は特に限定されず、無機酸あるいは
有機酸、例えばギ酸、酢酸、修酸などであつてよい。該
加水分解反応は低級アルカノール、例えばメタノール中
室温から反応溶液の還流温度で行なうことができる。該
ケトン化合物は次に通常の還元剤によつてアルコール化
合物に還元せしめられる。好適な還元剤としては、例え
ば水素ホウ素ナトリウムがあげられる。水素化ホウ素ナ
トリウムを用いた還元反応は、好ましくは低い温度、例
えば約−10℃から約10℃で、水活溶液またはアルコール
性溶液中で行なわれる。該還元反応の生成物はアキシヤ
ルヒドロキシ化合物とエカトリアルヒドロキシ化合物と
の混合物であり、その混合物は、クロマトグラフイー、
例えばC18カラムで分離されることができる。
本明細書において本発明の新規化合物を合成するため
に記載されている方法は、適当な出発物質を用いて公知
の化合物ベナノマイシンAを製造するのにも応用でき
る。
生物活性 本発明の代表的化合物の最小阻止濃度ギンビトロ抗菌
活性が、14種の菌類に対してサブロー(Sabourand)デ
キストロース寒天(pH7.0)を用い連続寒天希釈法で測
定された。接種物サイズは、106セル/mlに調節され、菌
類懸濁液約0.003mlが試験抗生物質を含む寒天プレート
の表面に、つけられた。そのプレートを28℃で40時間培
養後、菌類の発育を事実上完全に阻害した。構成物質の
最低濃度が、最小阻害濃度(MIC)として測定された。
その結果が表1にまとめられている。
実施例1の化合物のin vivoでの活性がカンジダ ア
ルビカンス(Candida albicans)A95040感染ネズミモ
デルで評価された。テスト生物は28℃で18時間YGP培地
(酵母エキス、グルコース、ペプトン、K2HPO4、MgS
O4)中で培養され、次に食塩水に懸濁された。試験菌類
の致死量の半分の量の約10倍を20〜24gの重さの雄のICR
ネズミの静脈内に感染させた。試験菌を感染させてすぐ
5匹のネズミの群に、種々の投与量のテスト化合物を静
脈内に与えられた。50%感染防御投与量(PD50,mg/kg)
が、菌類挑戦後20日目に記録した生存率から計算され
た。対照動物は7〜15日で死んだ。
動物や人間の菌類感染の治療のために、本発明の抗生
物質は、その抗菌有効量を、どんな許容し得る投与ルー
トでも与え得る。この投与ルートは、限定されるもので
はないが、静脈内、筋肉内、経口、鼻腔内、表面だけの
感染に対する局所投与があげられる。非経口投与薬剤に
は、殺菌した水溶液又は非水溶液、懸濁液、乳濁液があ
げられる。それらはまた殺菌した水、生理食塩水、注射
できる他の殺菌した媒体、に溶かすことができる殺菌し
た固体組成物の形で製造されてもよい。経口薬剤は、錠
剤、ゼラチンカプセル、粉末剤、ロゼンジ剤、シロツプ
等の形であつてよい。局所投与用に、ローシヨン、軟
膏、ゲル、クリーム、膏薬、チンキ等に化合物を加えて
よい。単位投薬形は、薬剤調合の技術の熟練者に一般に
知られた方法で調製されてよい。
この発明の抗生物質の作用を受ける菌類に感染した宿
主を治療する時、現実に選ばれる投与ルートや用いられ
る投薬量は、菌類感染の治療に熟練した主治医の判断で
決められるであろうし、原因となる生物、抗生物質への
感受性、感染の程度や場所、又年令、体重、排泄物の割
合、併行する医療、一般的身体条件のような患者の特徴
によつて変えられるであろうことは高く評価されるであ
ろう。
次の実施例は発明を説明するためのもので、この明細
書の特許請求の範囲に記載された範囲を制限するもので
はない。次なる実施例によつて製造された化合物のすべ
ての構造は、実施例の最後に示した。
実施例 1. 4′−デアミノ−4′−ヒドロキシプラジ
マイシンB(XIX)の製造 (a) プラジマイシンA アグリコン メチルエステ
ル(IX,R′=CH3;154mg,0.27mmol)の乾燥ジオキサン
(3ml)中の懸濁液に、順次テトラブチルアンモニウム
ハイドロジエンサルフエート(103mg,0.30mmol)、粉末
化NaOH(85mg,2.12mmol)、そしてアセチルクロライド
の乾燥ジオキサン(1.06ml)の1M溶液を加えた。混合物
を室温で30分間アルゴン雰囲気下に撹拌し、不溶性の物
質を濾過して取り除き、次にジオキサンで洗つた。濾液
及び洗滌液を一緒にして蒸発乾固し、残留物をシリカゲ
ル(40g)のクロマトグラフイーにかけクロロホルム/
メタノール=20/1で溶出し、1−O−アセチル化された
プラジマイシンAアグリコン メチルエステル(XVI,69
mg,42%)を橙色固体として得た。
MP220℃(分解)。
IRνmax(KBr)cm-11749、1612。
UVλmax(CH3CN)nm(ε)288(25600)、488(1030
0)。
1H NMR(DMSO−d6)δ1.33(3H,d,J=7.3Hz,17−C
H3)、2.02(3N,s,OAc)、2.37(3H,s,3−CH3)、3.67
(3H,s,COOCH3)、3.95(3H,s,11−OCH3)、4.22及び4.
29(それぞれ1H,m,J5,6=11.1Hz,5及び6−H)、4.41
(1H,dq,J17,NH=6.9Hz,17−H)、6.13及び6.30(それ
ぞれ1H,brs,5及び6−OH)、6.93(1H,d,J10,12=2.4H
z,10−H)、7.30(1H,d,12−H)、7.46(1H,s,4−
H)、8.07(1H,s,7−H)、8.77(1H,d,NH)、12.83
(1H,s,9−OH)及び13.37(1H,s,14−OH)。
(b) 1−O−アセチル化されたプラジマイシンAア
グリコン メチルエステル(73mg,0.12mmol)の無水ク
ロロホルム(4ml)の溶液に粉末モレキユラーシーブ3A
(740mg)、Hg(CN)(271mg,1.07mmol)、及びHgBr2
(121mg,0.34mmol)を加えた。混合物を室温で2時間撹
拌し、トリ−O−アセチル−D−フコシルブロマイド
〔テトラ−O−アセチル−D−フコース(133mg,0.40mm
ol)及び30%HBr−AcOH(1.3ml)から、M.Takai,et a
l.,J.Med.Chem 23、549(1980)の方法に従つて製造さ
れた〕を加えた。混合物を80℃で1.5時間加熱し、濾過
し、クロロホルムで洗つた。濾液及び洗滌液を一緒に
し、水で洗い、次に飽和NaCl水溶液で洗い、Na2SO4上で
乾燥した。溶媒を蒸発除去し、残留したシロツプ状物を
シリカゲル(20g)のクロマトグラフイーにかけ、トル
エン/酢酸エチル=1/1、次にクロロホルム/メタノー
ル=20/1で溶出し、幾つかの化合物の混合物としてグリ
コシル化された目的物(43mg,収率41%)を得た。
(c) 上記で得られた粗製生成物(38mg)を1N NaOH
(1.2ml)液のメタノール(6ml)液でもつて室温で2時
間処理した。混合物をpH4に1N NCl液であわせ、次に蒸
発乾固した。残留物をC18カラムのクロマトグラフイー
にかけ、アセトニトリル/リン酸緩衝液(pH3.5)=35/
65で溶出し、三つの画分を得た。各分画を1N NaOH液で
アルカリ性とし、次にC18カラムにかけ、H2Oで洗つた
後、50%アセトニトリル水溶液で溶出し、凍結乾燥し、
ナトリウム塩として次なる画分のものを得た。画分1:
4′−デアミノ−4′−ヒドロキシプラジマイシンB
α−アノマー(XVII,6mg,19%) MP>230℃ IRνmax(KBr)cm-11618。
UVλmax(1/100N NaOH)nm(ε)319(7000)、499
(6800)。
1H NMR(DMSO−d6)δ1.08(3H,d,J5′, 約3.50(2H,m,3′,4′−H)、約3.65(1H,m,2′−
H)、3.91(3H,s,11−Ome)、4.12(1H,q,5′−H)、
4.30(1H,d,J5,6=9.0Hz,5−H)、約4.30(1H,m(qの
添加後;D2O)、17−H)、4.43(1H,dd,J6,OH=3.9Hz,6
−H)、約4.5(1H,m,OH)、約4.6(2H,m,OH×2)4.81
(1H,d,J1′,2′=2.6Hz,1′−H)、5.62(1H,d,6−O
H)、6.71(1H,d,J10,12=2.6Hz,10−H)、約7.05(1
H,brs,4−H)、7.12(1H,d,12−H)、約7.63(1H,s,7
−H)。
画分2:6−O−(β−D−フコピラノシル)プラジマイ
シンA アグリコン(XVIII,10mg,32%) MP>230℃ IRνmax(KBr)cm-11617。
UVλmax(1/100N NaOH)nm(ε)316(11200)、498
(10300)。
3,48(1H,dd,J2′,3′=9.0Hz,3′−H)、3.52 1H,d,
J1′,2′=7.3Hz,2′−H)、3.56(1H,q,5′−H)、
3.86(1H,q,17−H),3.89(3H,s,11−OMe)、4.38(1
H,d,J5,6=11.1Hz,6−H)、4.42(1H,d,5−H;D2Oの添
加後シンプルとなる)、4.58(1H,d,1′−H)、6.70
(1H,br d,10−H)、6.83(1H,s,4−H)、7.13(1H,b
r d,12−H)、及び7.78(1H,s,7−H)。
画分3:4′−デアミノ−4′−ヒドロキシプラジマイシ
ンB(XIX,2mg,6%) MP>230℃。
IRνmax(KBr)cm-13396、1620。
UVλmax(1/100N−NaOH)nm(ε)319(10700)、498
(10400)。
3.39(1H,dd,3′−H)、3.44(1H,d,J3′,4′=3.4H
z,4′−H)、353(1H,dd,J1′,2′=8.1Hz,J2′,3′
=9.0Hz,2′−H)、3.57(1H,q,5′−H)、3.85(1H,
q,17−H)、3.91(3H,s,11−OMe)、4.37(1H,d,J5,6
=11.1Hz,5−H)、4.46(1H,d,6−H;D2Oの添加後シン
プルとなる)、4.53(1H,d,1′−H)、6.66(1H,br d,
10−H)、6.99(1H,s,4−H)、7.15(1H,br d,12−
H)、及び7.68(1H,s,7−H)。
マス(HR−FAB)m/z695.1832;計算値(C34H33NO15):
695.1813 実施例 2. 4′−デアミノ−4′−ヒドロキシプラジ
マイシンE(XXII)の製造 (a) トリエチルアミン(0.15ml,10.5mmolを、プラ
ジマイシンE HCl(150mg0.18mmol)及び3,5−ジ−t−
ブチル−1,2−ベンゾキノン(110mg,0.5mmol)乾燥メタ
ノール(4.5mg)の液の混合物中に添加した。混合物を
1晩撹拌し、減圧下に濃縮した。得られた残留物に酢酸
エチル(5ml)及び飽和NaHCO3水溶液(2ml)を加え、混
合物を室温で30分間撹拌し、プラジマイシンEの4′−
(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシ)−フエニル
イミンのナトリウム塩(XX,205mg)を沈殿せしめた。
1H NMR(DMSO−d6)δ:0.95(3H,d,J=7Hz,5′−C
H3)、1.21(9H,s,t=Bu)、1.24(9H,s,t−Bu)、2.23
(3H,s,3−CH3)、4.81(1H,d,J=8Hz,1′−H)、5.15
(2H,br)、5.99(1H,s)、6.43(1H,d,J=2Hz,フ
エニル−H)、6.51(1H,d,J=2Hz,フエニル−H)、6.
70(1H,br,10−H)、6.90(1H,s,4−H)、7.10(1H,b
r,12−H)、7.70(1H,s,7−H)、15.02(1H,s)
* D2Oの添加により消失 (b) 上記工程(a)で得られた生成物(200mg,0.19
mmol)、ギ酸(2.5mg)及びメタノール(2.5ml)の混合
物を1.5時間60℃に加熱した。反応混合物を減圧下に濃
縮し、残留物をC18シリカゲルのカラム(20×200mm)の
クロマドグラフィーにかけた。カラムを水で溶出し、次
に80%アセトニトリルで溶出した。アセトニトリルでの
画分をHPLCでチエツクして、所望の画分を集めて一緒に
し、濃縮して、水性残留物を得、このものを凍結乾燥
し、無定形粉末として4′−デアミノ−4′−オキソプ
ラジマイシンE(XXI,84mg,89%)を得た。
IRνmax(KBr)cm-1:1620、1260、1084。
UVλmax(0.01N NaOH)nm(ε):319(11600)、497
(10700)。
1H NMR(DMSO−d6)δ:3.88(3H,s,OCH3)、6.69(1
H,s,10−H)、6.90(1H,s,4−H)、7.09(1H,s,12−
H)、7.72(1H,s,7−H)。
(c) 上記工程(b)で得られた生成物(90mg,0.11m
mol)、1N NaOH(0.25mmol)及びc(9ml)の撹拌混合
物に0.1M水素化ホウ素ナトリウム水溶液(0.4ml)を5
℃で加えた。混合物を同温度30分間撹拌し、次に1N H2S
O4液で酸性にして試薬を分解した。混合物をNaHCO3でも
つて、pH8とし、C18シリカゲルカラム(40×330mm、5
%アセトニトリル)のクロマトグラフイーにかけ、次に
分離用HPLC(System 500(Waters)、15%アセトニトリ
ル)にかけ、三つの画分、すなわちエカトリアル異性体
を含有する速く移動する画分、アキシヤル異性体を含有
する遅く移動する画分及び、両方の異性体の混合物を含
有する画分が得られる。各画分を小容量に濃縮し、1N H
2SO4液で酸性とし、C18シリカゲルのシヨートカラムに
かけた。そのカラムを水で洗い、80%アセトニトリルで
溶出した。水溶液を小容量に濃縮し、凍結乾燥した。各
三つの画分から4′−デアミノ−4′−ヒドロキシプラ
ジマイシンEのアキシヤル異性体(XXII,7.5mg,8%)、
そのエカトリアル異性体(XXIII,4.8mg,5%)及びそれ
らの混合物(8.2mg,9%)を得た。
4′−デアミノ−4′−ヒドロキシプラジマイシンE
(アキシヤル異性体,XXII) MP:>220℃(徐々に分解) 1H NMR(DMSO−d6):1.11(3H,d,J=6.4Hz,5′−C
H3)、2.33(3H,s,3−CH3)、3.91(2H,d,J=6.0Hz,NH
−C −)、3.95(3H,s,11−CH3)、4.40(1H,d,J=
7.3Hz,1″−H)、4.64(1H,d,J=7.7Hz,1′−H)、6.
89(1H,s,10−H)、7.11(1H,s,4−H)、7.25(1H,s,
12−H)、7.98(1H,s,7−H)。
HPLC:保持時間9.8分間。
そのエカトリアル異性体(XXIII) MP:>220℃(徐々に分解) 1H NMR(DMSO−d6):1.15(3H,d,J=6.0Hz,5′−C
H3)、2.31(3H,s,3−CH3)、3.90(2H,d,J=5.8Hz,NH
−C −)、3.94(3H,s,11−CH3)、4.45(1H,d,J=
7.3Hz,1″−H)、6.84(1H,s,10−H)、7.00(1H,s,4
−H)、7.21(1H,s,12−H)、7.91(1H,s,7−H)。
HPLC:保持時間8.6分間 HPLC:カラム,Senshu Pak SSC−ODS−262;溶媒,CH3C
N:pH7 緩衝液=15:85;流速,2ml/分。
実施例 3. 4′−デアミノ−4′−ヒドロキシ プラ
ジマイシンFA−2(XXVI)の製造 (a) トリエチルアミン(0.20ml,1.43mmol)を、プ
ラジマイシンFA−2 HCl(150mg,0.16mmol)、3,5−ジ−
t−ブチル−1,2−ベンゾキノン(150mg,0.68mmol)の
乾燥メタノール(2.5ml)液の混合物中に加えた。混合
物を1晩撹拌し、減圧下に濃縮した。残留物に酢酸エチ
ル(5ml)及び飽和NaHCO3(2ml)を加え、混合物を30分
間室温で撹拌した。プラジマイシンFA−2の4′−(3,
5−t−ブチル−2−ヒドロキシ)フエニルイミンのナ
トリウム塩(XXIV,164mg,96%)を沈殿として得た。
1H NMR(DMSO−d6)δ:0.95(3H,d,J=7Hz,5′−C
H3)、1.22(9H,s,t=Bu)、1.25(9H,s,t−Bu)、2.23
(3H,s,3−CH3)、4.81(1H,d,J=8Hz,1′−H)、5.05
(1H,br)、6.42(1H,d,J=2Hz,フエニル−H)、6.4
4(1H,d,J=2Hz,フエニル−H)、6.70(1H,br,10−
H)、6.90(1H,s,4−H)、7.10(1H,br,12−H)、7.
40(1H,br)、7.69(1H,s,7−H)。
* D2Oの添加により消失 (b) 上記工程(a)で得られた生成物(160mg,0.15
mmol)、ギ酸(3ml)及びメタノール(3ml)の混合物を
60℃で1.5時間加熱した。反応混合物を減圧下に濃縮
し、残留物をC18シリカゲルのカラム(20×200mm)のク
ロマドグラフイーにかけた。カラムを水で溶出し、次に
30%アセトニトリルで溶出した。アセトニトリルで得ら
れる画分をHPLCでチエツクし、所望の画分を一緒にし、
水性残留物を得、このものを凍結乾燥し、4′−デアミ
ノ−4′−オキソプラジマイシンFA−2(XXV,105mg,83
%)を無定形粉末として得た。
IRνmax(KBr)cm-1:1733(弱い)、1607、1258、108
4。
UVλmax(0.01N NaOH)nm(ε):318(14800)、498
(13500)。
1H NMR(DMSO−d6)δ3.94(3H,s,OCH3)、6.88(1H,
s,10−H)、7.25(1H,s,12−H)、7.95(1H,s,7−
H)。
(c) 上記工程(b)で得られた生成物(121mg,0.15
mmol)、1N NaOH(0.3ml)、及び水(12ml)の撹拌混合
物に、1M水素化ホウ素の水溶液(0.7ml)を5℃で加え
た。混合物を同じ温度で1時間撹拌した後、1NH2SO4
で酸性とし、その試薬を分解した。混合物をNaHCO3でpH
8にあわせ、C18シリカゲルカラム(40×330mm、5%ア
セトニトリル)のクロマトグラフイーにかけ、次に分離
用HPLC(System 500(Waters)、7%アセトニトリル)
にかけ、三つの画分を得た;すなわち、エカトリアル異
性体を含有する速く移動する画分、アキシヤル異性体を
含有する遅く移動する画分及び、及び両方の異性体の混
合物を含有する画分である。各画分を小容量に濃縮し、
1N H2SO4液で酸性とし、C18シリカゲルのシヨートカラ
ムにかけた。そのカラムを水で洗い、80%アセトニトリ
ルで溶出した。水溶液を小容量に濃縮し、凍結乾燥し
た。その三つの画分はそれぞれ4′−デアミノ−4′−
ヒドロキシプラジマイシンFA−2のアキシヤル異性体
(XXVI,3mg,3%)、そのエカトリアル異性体(XXVII,5.
4mg,4%)及びそれらの混合物を与えた。
4′−デアミノ−4′−ヒドロキシ プラジマイシンFA
−2(アキシヤル異性体,XXVI) MP:>220℃(徐々に分解)。
1H NMR(DMSO−d6)δ:1.10(3H,d,J=6.4Hz,5′−CH
3)、2.34(3H,s,3−CH3)、3.96(1H,dd,J=5.5&11.1
Hz,5″−eq−H)、3.95(3H,s,11−OCH3)、4.40(1H,
d,J=6.8Hz,1″−H)、4.63(1H,d,J=7.7Hz,1′−
H)、6.90(1H,s,10−H)、7.10(1H,s,4−H)、7.2
7(1H,s,12−H)、7.99(1H,s,7−H)。
HPLC:保持時間9.8分間。
そのエカトリアル異性体(XXVII) MP:>220℃(徐々に分解) 1H NMR(DMSO−d6)δ:1.15(3H,d,J=6.0Hz,5′−CH
3)、2.32(3H,s,3−CH3)、3.75(1H,dd,J=5.1&11.1
Hz,5″−eq−H)、3.94(3H,s,11−OCH3)、4.45(1H,
d,J=7.3Hz,1″−H)、6.87(1H,s,10−H)、7.02(1
H,s,4−H)、7.24(1H,s,12−H)、7.93(1H,s,7−
H)。
HPLC:保持時間8.5分間 HPLCの条件は実施例2と同じである。
実施例 4. ベナノマイシンAの製造 (a) プラジマイシンC HCl(150mg,0.16mmol)及び
3,5−ジ−t−ブチル−1,2−ベンゾキノン(110mg,0.5m
mol)を用い実施例2、工程(a)の方法に従つて処理
し、相当するイミン化合物(XXVIII,212mg)を得た。
1H NMR(DMSO−d6)δ:0.96(3H,d,J=7Hz,5′−C
H3)、1.22(9H,s,t−Bu)、1.25(9H,s,t−Bu)、1.29
(3H,d,J=7Hz,アラニル−CH3)、2.22(3H,s,3−C
H3)、3.90(3H,s,OCH3)、4.82(1H,d,J=8Hz,1′−
H)、4.94(1H,br)、5.09(1H,br)、5.70(1H,b
r)、5.80(1H,br)、5.98(1H,s)、6.19(1H,
s)、6.42(1H,d,J=2Hz,フエニル−H)、6.49(1H,
d,J=2Hz,フエニル−H)、6.71(1H,d,J=2Hz,10−
H)、6.91(1H,s,4−H)、7.13(1H,d,J=2Hz,12−
H)、7.47(1H,br)、7.68(1H,s,7−H)、13.22
(1H,s)、1480(1H,s)
* D2Oの添加で消失 (b) 上記工程(a)で得られたイミン体(210mg,0.
20mmol)を用い実施例2の工程(b)に従つて処理さ
れ、相当するケトン化合物(XXIX,147mg,89%)を得
た。
1H NMR(DMSO−d6)δ:3.96(3H,s,OCH3)、6.9(1H,
s,4−H)、7.32(1H,s,12−H)。
(c) 上記工程で得られたケトン体(80mg,0.097mmo
l)を用い実施例2の工程(c)の方法に従つて処理
し、ベナノマイシンA(II,8.5mg,11%)、その4′−
エカトリアル異性体(XXX,5mg,6%)及びそれらの混合
物(5mg)を得た。
ベナノマイシンA(II) MP:>220℃(徐々に分解)。
1H NMR(DMSO−d6)δ:1.12(3H,d,J=6.4Hz,5′−CH
3)、1.33(3H,d,J=7.3Hz,17−CH3)、2.27(3H,s,3−
CH3)、3.90(3H,s,11−OCH3)、4.63(1H,d,J=7.7Hz,
1′−H)、6.71(1H,s,J=2.1Hz,10−H)、6.94(1H,
s,4−H)、7.11(1H,d,J=2.1Hz,12−H)、7.74(1H,
s,7−H)。
MS(FAB):(ポジテイブ)828(M+H)、850
(M+Na) (ネガテイブ)827(M) HPLC:保持時間9.5分間 そのエカトリアル異性体(XXX) MP:>250℃(徐々に分解)。
1H NMR(DMSO−d6)δ:1.15(3H,d,J=6.0Hz,5′−CH
3)、1.33(3H,d,J=7.3Hz,17−CH3)、2.29(3H,s,3−
CH3)、3.75(1H,dd,J=5.6&11.1Hz,5″−eq−H)、
3.93(3H,s,11−OCH3)、4.45(1H,d,J=7.3Hz,1″−
H)、6.79(1H,s,10−H)、6.95(1H,s,4−H)、7.1
8(1H,s,12−H)、7.84(1H,s,7−H)。
MS(FAB):(ポジテイブ)828(M+H)、850
(M+Na) (ネガテイブ)826(M−H) HPLC:保持時間8.8分間。
HPLC:カラム,Senshu Pak SSC−ODS−262;溶媒,CH3C
N:pH7 緩衝液=15:85;流速,2ml/分間。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 飯村 誠司 東京都世田谷区鎌田1―10―17 (72)発明者 蒲地 一 千葉県浦安市入船3―23―6 (72)発明者 亀井 英夫 東京都杉並区高井戸東3―30―6 (72)発明者 内藤 隆之 神奈川県川崎市麻生区王禅寺2657―45 (56)参考文献 特開 平1−121293(JP,A) 特開 平1−168694(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07C 235/84 C07H 15/24 A61K 31/70

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式 (式中、R1はH及びヒドロキシメチルからなる群から選
    ばれ、R1がヒドロキシメチルである時、その結果生じる
    アミノ酸残基はD−配置であり、そしてR2はH又はβ−
    D−キシロシルである) を有する化合物又はその医薬として許容しうる塩。
  2. 【請求項2】R2が水素である化合物又はその医薬として
    許容しうる塩である請求項1記載の化合物。
  3. 【請求項3】R1が水素又はヒドロキシメチルである化合
    物又はその医薬として許容しうる塩である請求項1記載
    の化合物。
  4. 【請求項4】(a) 式 (式中、RaはH、メチルまたはヒドロキシメチルであ
    り、Raがメチルまたはヒドロキシメチルの場合、その結
    果得られるアミノ酸残基はD−配置を有し;RbはHまた
    はβ−D−キシロシルである) を有する化合物又はその塩を、3,5−ジ−t−ブチル−
    1,2−ベンゾキノンと反応させて、相当するイミン化合
    物とし、 (b) 次に工程(a)の生成物を酸触媒存在下反応さ
    せて相当するケトン化合物に転換し、 (c) 次に工程(b)の生成物を相当するアルコール
    化合物に還元し、そして (d) 得られた異性体を分離することを特徴とする、
    (式中、Ra及びRbは上記と同様のものである) を有する化合物又はその医薬として許容しうる塩を製造
    する方法。
  5. 【請求項5】該工程(a)が不活性有機溶媒中で行われ
    る請求項4記載の方法。
  6. 【請求項6】式 (式中、RaはH、メチルまたはヒドロキシメチルであ
    り、Raがメチルまたはヒドロキシメチルの場合、その結
    果得られるアミノ酸残基はD−配置を有し、RcはC1-5
    ルキルである) を有する化合物を式RdX(式中RdはC1-5アルカノイル
    で、Xはハロゲンである)の化合物と相転移触媒の存在
    下反応させることを特徴とする 式 (式中、Ra、Rc及びRdは上記したと同様のものである) を有する化合物を製造する方法。
  7. 【請求項7】該反応を不活性有機溶媒中、固体の塩基存
    在下に行う請求項6記載の方法。
  8. 【請求項8】該相転移触媒がテトラブチルアンモニウム
    ハイドロジエンサルフェートであり、且つ該塩基がMeOH
    (式中Mはナトリウムまたはカリウムである)である請
    求項7記載の方法。
  9. 【請求項9】式 (式中、RaはH、メチル及びヒドロキシメチルからなる
    群から選ばれ、Raがメチル又はヒドロキシメチルである
    時、その結果生じるアミノ酸残基はD−配置であり、Rb
    はH又はβ−D−キシロシルである) を有する化合物またはその塩、あるいはそのエステル。
  10. 【請求項10】式 (式中、RaはH、メチル及びヒドロキシメチルからなる
    群から選ばれ、Raがメチル又はヒドロキシメチルである
    時、その結果生じるアミノ酸残基はD−配置であり、Rb
    はH又はβ−D−キシロシルである) を有する化合物またはその塩、あるいはそのエステル。
  11. 【請求項11】式 (式中、RaはH、メチル及びヒドロキシメチルからなる
    群から選ばれ、Raがメチル又はヒドロキシメチルである
    時、その結果生じるアミノ酸残基はD−配置であり、Rc
    はC1-5アルキルであり、RdはC1-5アルカノイルである) を有する化合物。
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