JPH07330791A - 新規16員環マクロリド誘導体及びそれらの新規包括的製造法 - Google Patents

新規16員環マクロリド誘導体及びそれらの新規包括的製造法

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JPH07330791A
JPH07330791A JP6126654A JP12665494A JPH07330791A JP H07330791 A JPH07330791 A JP H07330791A JP 6126654 A JP6126654 A JP 6126654A JP 12665494 A JP12665494 A JP 12665494A JP H07330791 A JPH07330791 A JP H07330791A
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JP6126654A
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Keiichi Ajito
慶一 味戸
Kenichi Kurihara
健一 栗原
Osamu Hara
修 原
Masayuki Shibahara
聖至 柴原
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Meiji Seika Kaisha Ltd
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Meiji Seika Kaisha Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 3位が遊離の水酸基であり、3"位の3級水酸
基がメチル化されており、かつ4"位の水酸基がアシル化
されている新規16員環マクロリド誘導体及びそれらの
新規製造法及びそれ自体抗菌剤として有用な化合物を提
供する。 【構成】 一般式(II)で表される天然に存在する公知
の16員環マクロリド抗生物質を出発原料として、3位
が遊離の水酸基であり、3"位の3級水酸基がメチル化さ
れており、かつ4"位の水酸基がアシル化されている、そ
れ自体抗菌剤として有用な一般式(I)で表される新規
16員環マクロリド誘導体を化学合成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はグラム陽性菌等に極めて
有効な新規16員環マクロリド誘導体とそれらの包括的
製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】グラム陽性菌、マイコプラズマ、クラミ
ジア等に有効なマクロリド系抗生物質は、経口投与が可
能であり、かつ毒性が低いなどの理由により臨床上重要
な抗菌剤に分類される。とりわけ天然の化合物に較べ体
内動態に優れ、苦みの少ないミオカマイシン(ジャーナ
ル・オブ・アンチビオチックス, 29(5), 536(1976)、ジ
ャパニーズ・ジャーナル・オブ・アンチビオチックス,
35(6), 1462(1982))が半合成16員環マクロリド抗生
物質として小児科領域等を中心に臨床で盛んに用いられ
ている。本発明者らは、耐性誘導されにくいこと、
他の薬剤との相互作用が少ないこと、腸管に与える影
響も少ないこと、服用時における刺激が少ないことな
どの理由から16員環マクロリド抗生物質を研究対象に
選択し、各種グラム陽性菌に著効を示す化合物の合成化
学的及び生化学的探索研究を重ねてきた。
【0003】本発明者らは、エリスロマイシンの構成糖
の一つであるL-クラジノースの化学構造を発想の基礎に
誘導体研究を行い、in vitroの抗菌活性を増強させる方
法論として、16員環マクロリドの中性糖部分である3"
位の3級水酸基にメチル基を導入する合成化学的戦略を
発表した(特願平5-3545)。
【0004】一方、本発明者らとは異なるグリコシル化
法を用いて合成した3"位の水酸基がメチル化された16
員環マクロリドに関して、竜田らによるもう一つの報告
がある(ケミストリー・レターズ, 769(1977))。その
報告によれば、3"-O-メチルカルボマイシンBは、ある
種の特定の菌、例えば抗酸菌の一種に対して、カルボマ
イシンBよりも抗菌活性が増強されたと記載されてい
る。しかしながら、これら二つの報告において調製され
た3"位の水酸基がメチル化された誘導体の9位は、いず
れもカルボニル基、即ちsp2炭素であった。
【0005】そこで本発明者らは、グリコシル化反応を
経由して合成した中性糖部分である3"位の水酸基がメチ
ル化された16員環マクロリド誘導体に対して、連続す
る立体並びに位置選択的な微生物変換を施すことにより
種々の誘導体を調製することに成功し、ラクトン環の9
位のみならず3位に関する構造活性相関も明らかにし
た。中でも、ラクトン環の3位及び9位が共に遊離の水
酸基(9位はアシル化された水酸基であってもよい)で
あり、3"位の水酸基がメチル化された新規16員環マク
ロリド誘導体(4"位は遊離の水酸基であってもアシル化
された水酸基であってもよい)が優れた抗菌活性を有す
ることを明らかにし、特許出願した(特願平5-16941
8)。
【0006】ところで、ラクトン環の9位がsp3炭素で
あり中性糖部分の3"位の水酸基がメチル化されていて4"
位の水酸基がアシル化されている16員環マクロリド誘
導体は、大別すると2種に分類できる。一方はそのラク
トン環の3位水酸基がアシル化されているタイプであ
り、他方は同3位水酸基が遊離なタイプである。このう
ちの前者のタイプの16員環マクロリド誘導体に関して
は、ラクトン環の3位の水酸基にアシル基を有する天然
に存在する16員環マクロリド抗生物質を出発原料とし
て、3"位がメチルチオメチルエーテル化された合成中間
体を経由することにより、グリコシル化反応を経由しな
い効率的な製造法を確立し、特許出願した(特願平5-30
0686)。
【0007】しかしながら、後者のタイプ、即ちラクト
ン環の3位及び9位がいずれも遊離の水酸基(9位は修
飾された水酸基であってもよい)であり、3"位の水酸基
がメチル化されており、かつ4"位の水酸基がアシル化さ
れているロイコマイシン類16員環マクロリド誘導体を
純合成化学的に調製する方法については、現在までのと
ころ全く知られていない。
【0008】ところで、中性糖部分である3"位の水酸基
がメチル化された16員環マクロリド誘導体において、
4"位の水酸基に結合したアシル基の構造と抗菌活性との
相関を研究した例は全く知られていない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】最近、本発明者らは中
性糖部分である3"位の水酸基をメチル化することによ
り、特に臨床において重要な上気道感染症の主な起因菌
のひとつであるStreptococcus属、及びMRSAとの複数感
染症における起因菌のひとつであるEnterococcus faeca
lis(日本抗生物質学術協議会第461回特別会員会合,
1991.2.22)に対する抗菌活性が増強された新規16員
環マクロリド誘導体の造出に成功し、特許出願した(特
願平5-169418)。
【0010】しかしながら、これらの誘導体を実際に調
製するにあたっては、中性糖を導入するための位置及
び立体選択的グリコシル化反応を含む多工程の化学反応
と連続する二段階の微生物変換を実施するか;または、
多工程の化学反応と連続する微生物変換を実施するこ
とが必要であり、これらの誘導体を製造するために要す
るコスト並びに時間は必ずしも満足し得るものではな
い。特にでは当該グリコシル化反応において、危険で
あり取扱いに注意を要する活性化剤を化学量論的に用い
る必要があり、又では製造に多くの日数を要する等、
そのスケール・アップには問題が無かった訳ではない。
【0011】そこで、グリコシル化反応を経由すること
なく本発明者らが特許出願した上述のラクトン環の3位
が遊離の水酸基で、中性糖部分である3"位水酸基がメチ
ル化された16員環マクロリド誘導体を純化学合成によ
り製造する方法に関する発明が期待されている。さらに
その方法を発展させることにより、出発原料の中性糖部
分である4"位のアシル側鎖の構造の如何に関わらず、天
然型・非天然型を問わず所望とするアシル側鎖を4"位に
導入することのできる自由度の高い新規製造法の発明が
期待されている。
【0012】そして、以上の新規包括的製造法を用いる
ことにより、14員環ニューマクロリドに匹敵する抗菌
活性を有する16員環マクロリド誘導体を造出すること
が期待されている。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の期待
に応えるべく合成化学的研究を重ね、ラクトン環の3位
が遊離の水酸基である天然に存在する16員環マクロリ
ド抗生物質ロイコマイシンFrグループ、例えばロイコマ
イシンA7(ジャーナル・オブ・アンチビオチックス、S
er.A.20(4)234(1967))を出発原料として、ラクトン環
の9位、3,18位で形成したヘミアセタール性の水酸基が
シリル基等にて保護されており3"位の水酸基がメチルチ
オメチル化された合成中間体を経由し、ラクトン環の3
位が遊離の水酸基であり、9位の水酸基が遊離またはア
シル化されており、中性糖部分である3"位の3級水酸基
がメチル化されており、4"位がアシル化されている新規
16員環マクロリド誘導体を自由度高く合成することに
成功した。しかも本発明製造法を用いて合成したある種
の誘導体は、臨床上重要なグラム陽性菌、特にStreptoc
occus属の発育を強く阻止することを見い出し、本発明
並びにクラジノースアナログ16員環マクロリド誘導体
の探索研究を完成した。
【0014】第一の本発明の要旨とするところは、新規
化合物としての次の式(I)
【化5】
【0015】[式中、R1は水素原子又は水酸基を修飾す
る置換基であり、R2は水素原子又は炭素数1〜10の直
鎖又は分枝鎖のアルキル基、アルケニル基又はアラルキ
ル基]で表される化合物、又はその薬学的に許容し得る
塩に関するものである。
【0016】第二の本発明の要旨とするところは、次の
式(II)
【化6】
【0017】[式中、R3は炭素数1〜4の直鎖又は分枝
鎖のアルキル基]で表される天然に存在する16員環マ
クロリド抗生物質、又はその塩を出発原料として用い
て、次の式(III)
【化7】
【0018】[式中、R2は水素原子又は炭素数1〜10
の直鎖あるいは分枝鎖のアルキル基、アルケニル基又は
アラルキル基であり、R4はシリル保護基であり、R5はシ
リル保護基・アセタール系保護基等の水酸基の保護基又
は水酸基を修飾する置換基であり、R6はアセチル基又は
シリル保護基]で表される3"位の水酸基がメチルチオメ
チル化された合成中間体、又はその塩を経由し、次の式
(I)
【化8】
【0019】[式中、R1は水素原子又は水酸基を修飾す
る置換基であり、R2は水素原子又は炭素数1〜10の直
鎖又は分枝鎖のアルキル基、アルケニル基又はアラルキ
ル基]で表される化合物、又はその塩を得るための新規
包括的製造法に関するものである。本発明による一般式
(I)で表される化合物は、工程図1に示す方法により
以下の様に製造される。
【0020】
【化9】
【0021】
【化10】
【0022】
【化11】
【0023】16員環マクロリド誘導体において、グリ
コシル化反応を経由しないで中性糖部分の水酸基にアル
キル基を導入した例は、化学的な反応性の違いという見
地から二つに大別される。一方は比較的反応性に富む2
級水酸基にアルキル基を導入している例で、他方は反応
性に乏しい3級水酸基へのそれである。前者の例として
は二件挙げられ、大村・佐野らがスピラマイシン誘導体
(特開昭60-58998、特開昭60-239494)において、又吉
岡らがタイロシン誘導体(特開昭62-234093)におい
て、それぞれ適当な中間体を経由していずれもマイカロ
ース部分である4"位の2級水酸基へアルキル基を導入し
ている。
【0024】一方、後者の例としては、本発明者らが先
に特許出願した二件にすぎない。一例は、出発原料であ
る3位が遊離の水酸基であるロイコマイシン類をシリル
基により保護した後アシル基を除去し、適当な条件下そ
の中性糖部分である4"位(2級水酸基)、3"位(3級水
酸基)に順次アルキル化を施し、脱保護工程を経て各種
誘導体を得る合成法である(特願平5-206731)。当発明
は、強塩基条件下での直接的なアルキル基の導入である
ために、反応性の乏しい3級水酸基へメチル基以外のア
ルキル基も導入を可能としている点に特長を有してい
る。
【0025】他一例は、ラクトン環の3位水酸基と中性
糖部分である4"位水酸基が共にアシル化されている天然
に存在する16員環マクロリドを出発原料として、遊離
の2級水酸基を適当な保護基にて修飾した後、中性糖部
分である3"位水酸基にメチルチオメチル化を行い、続く
還元工程を経てメチル基を導入するといった合成法であ
る。この際導入することの可能なアルキル基としてはメ
チル基に限定されるものの、緩和な条件において間接的
にメチル基を導入できるという特長を有している(特願
平5-300686)。
【0026】さて、本願における標的化合物はラクトン
環の3位及び9位が共に遊離の水酸基(9位はアシル化
された水酸基であってもよい)で、その中性糖部分に着
目してみると、3"位の水酸基がメチル化されており4"位
水酸基がアシル化されていなくてはならない。ところ
で、糖質化学において隣接したシスの水酸基の一方がア
シル化されており(例えば4"位)他方が遊離(例えば3"
位)である状況においては、遊離の水酸基(例えば3"
位)を直接的にメチル化しようとすると種々の副反応を
生じる。それ故、本誘導体合成における鍵反応となる3"
位水酸基へのメチル基の導入においても、4"位のアシル
基が損傷を受けないような緩和な反応条件が要求され
る。そこで、本発明製造法においては上述の副反応を回
避すべく、メチルチオメチルエーテル合成中間体を経由
する方法を選択した。
【0027】ところで、9位の水酸基に関する構造とin
vitroの抗菌活性及び薬物動態との相関について触れる
と、9位の水酸基だけを選択的にアシル化、例えばアセ
チル化した化合物は、原体と比較してin vitroの抗菌活
性が同等か或いは僅かに減弱し、同活性が明確に増強さ
れた報告は殆どなされていない。一方小動物、例えば実
際にマウスを用いてin vivo試験を行なうと、9位水酸
基だけがアセチル化された化合物は原体と比較して、体
内動態或いは感染治療効果が向上する誘導体もあれば向
上しない化合物もあり、9位の構造の違いによるin viv
o効果への影響は、該当する16員環マクロリド誘導体
の構造それ自身に大きく関与している。従って、16員
環マクロリド誘導体を実際に効率良く製造する合成法を
デザインするにあたっては、一つの鍵反応で9位の水酸
基が何らかの置換基で修飾された化合物と、9位の水酸
基が遊離である化合物とを作り分けることのできる製造
ルートを構築することが望まれる。
【0028】次に、16員環マクロリドの中性糖部分で
ある4"位のアシル側鎖におけるその構造と活性相関につ
いて触れると、その側鎖の相違はin vitroにおける抗菌
活性に大きく関与している(ジャーナル・オブ・アンチ
ビオチックス, 28(6), 401(1975))。然るに、当該誘導
体の製造法をデザインするにあたっては、4"位アシル側
鎖の変換が可能となるような汎用性のある製造ルートが
望まれる。ところで、メチルチオメチルエーテル合成中
間体を経由する先願の製造法(特願平5-300686)におい
ては、天然に存在する16員環マクロリドを出発原料と
して、その原料由来のアシル側鎖を4"位水酸基の保護基
を兼ねた形で活用するために、実際に製造した化合物の
4"位のアシル側鎖は出発原料のそれに限定される。一方
先願において述べたロイコマイシン類Frグループを出発
原料とし3つのシリル基にて保護されたジオール合成鍵
中間体(特願平5-206731)は、4"位が遊離の水酸基であ
り、その化学修飾、例えばアシル化に好適である。そこ
でこの合成鍵中間体を、本願製造法に発展的に活用し、
4"位のアシル側鎖を創造的に化学変換することを可能に
した。
【0029】本発明者らはこれらの要望に応えるべく化
学的研究を重ね、ロイコマイシン類Frグループを出発原
料として、4"位のアシル側鎖の化学変換が可能で、さら
に一つの鍵反応で9位の水酸基が遊離である化合物と9
位の水酸基が何らかの置換基で修飾された化合物とを作
り分けることもできる製造法を確立した。さらに本願に
おいては本発明製造法等により新たに合成した新規誘導
体の卓越した抗菌活性についても記載されている。
【0030】ここではその製造法の一例として、4"位ア
シル側鎖を変換することのできる汎用性のある合成法に
ついて、9位の水酸基の保護基としてシリル基を、更に
2'位の同保護基としてアセチル基を利用した製造ルート
を中心に、工程図1に沿ってその詳細を述べる。尚、2'
位がシリル基、即ち3つのシリル基にて保護された先願
の合成鍵中間体(特願平5-206731)を経由しても、同様
のルート(式(IX)は経由せず)に従って何等問題はな
く、本願における目的物を製造することが可能である
(参考例2,3及び実施例22〜実施例24参照)。さ
らに、9位がアセチル基により保護されている化合物を
用いた際も、当該製造法の一部(あるいは全部)を適用
することが可能である(参考例4及び実施例25〜実施
例29参照)。また、9位の水酸基をアセタール系の置
換基により保護(特願平5-300686)することによって
も、当該製造ルートを用いることが可能である。
【0031】第一に、天然に存在する16員環マクロリ
ド抗生物質であるロイコマイシンFrグループ(ジャーナ
ル・オブ・アンチビオチックス, 28(6), 401(1975))
の、遊離の水酸基及びアルデヒド基の保護について述べ
る。
【0032】始めに一般式(II)(式中、R3は炭素数1
〜4の直鎖又は分枝鎖のアルキル基である)で表される
化合物、即ちロイコマイシンFrグループの単一化合物又
は複数成分の混合物、或いはそれらの塩に対し、そのマ
イカミノース(アミノ糖)部分である2'位の水酸基をア
セチル基により保護し、式(IV)(式中、R3は炭素数1
〜4の直鎖又は分枝鎖のアルキル基であり、R6はアセチ
ル基である)で表される化合物を得る。例えばロイコマ
イシンA7を無水アセトニトリル中無水酢酸と反応させ
て、文献既知の化合物(1)(特公昭53-30718)(式
(IV)において、R3がエチル基であり、R6がアセチル基
である化合物)を定量的に得た。
【0033】次いで、塩基存在下に必要量の、或いは過
剰量のシリル化試薬と式(IV)で表される化合物を反応
させることにより、式(VI)(式中、R3は炭素数1〜4
の直鎖又は分枝鎖のアルキル基であり、R4はシリル保護
基であり、R5はシリル保護基・アセタール系保護基等の
水酸基の保護基又は水酸基を修飾する置換基であり、R6
はアセチル基又はシリル保護基である)で表される化合
物のうち3,18位で形成したヘミアセタール性の水酸基、
9位の水酸基がそれぞれ同時にシリル化された化合物又
はその塩を得る。例えば、化合物(1)をジメチルホル
ムアミド(DMF)中、イミダゾールの存在下にt-ブチル
ジメチルシリルクロリド(TBDMSCl)と反応させて、3,1
8位で形成したヘミアセタール性の水酸基及び9位の水
酸基の両方の水酸基がそれぞれt-ブチルジメチルシリル
(TBDMS)化された化合物(2)(式(VI)において、R
3がエチル基であり、R4及びR5が共にTBDMS基であり、R6
がアセチル基である化合物)を高収率で得た(工程図1
に示した式(III)、(VI)、(VII)、(VIII)、(I
X)、(X)で表される化合物の構造式において、3位の
水酸基と18位の炭素を結ぶ結合と、5位の水酸基と1'位
の炭素を結ぶ結合の空間的な相対位置関係(前後関係)
に関しては、現在までのところ明瞭ではない)。
【0034】ところで本願に示された製造法は、先に触
れたように9位が遊離の水酸基である誘導体と、何らか
の置換基によって修飾された水酸基である誘導体の両方
を、その必要に応じて作り分けることが可能である。し
たがって合成中間体の製造法にあたっては、目的とする
化合物の構造に応じて3"位以外の3つの水酸基、即ち3
位、9位及び2'位の水酸基に同一の又は異なる置換基を
導入すればよい。例えば、式(VI)で表される化合物の
うちR5がR4と異なり、R5がシリル保護基以外の水酸基の
保護基又は水酸基を修飾する置換基である化合物の場合
は、参考例4及び実施例25において記載した通り、は
じめに式(IV)で表される化合物の9位の水酸基を修飾
し式(V)(式中、R3は炭素数1〜4の直鎖又は分枝鎖
のアルキル基であり、R5はアセタール系保護基等の水酸
基の保護基又は水酸基を修飾する置換基であり、R6はア
セチル基である)で表される化合物を得る。次いで、先
と同様なシリル化試薬との反応により、3,18位で形成し
たヘミアセタール性の水酸基をシリル化し、式(VI)で
表される化合物を容易に調製することが可能である。
【0035】尚、式(VI)で表される化合物のうち、R3
が炭素数1〜4の直鎖又は分枝鎖のアルキル基であり、
R4、R5及びR6がいずれもTBDMS基等シリル保護基である
化合物、例えば化合物(23)(特願平5-206731)は、
一般式(II)で表される化合物より一工程で調製するこ
とが可能であり、その詳細は、参考例2において記載さ
れている。
【0036】ところで、3,18位で形成したヘミアセター
ル性の水酸基がシリル化された際の18位の立体化学につ
いては、一方のジアステレオ異性体の生成が甚だ優先し
ており、スピラマイシンIでの保護において観察された
様な18位の他方のジアステレオ異性体(ジャーナル・オ
ブ・アンチビオチックス, 37(7), 750(1984))は目立っ
て生成していない。一方で、用いるシリル保護基の種類
並びにシリル化条件、さらに反応基質の違い等によって
は、18位のジアステレオ異性体が副生する可能性は否定
できない。しかしながら、本発明における製造法を実施
するにあたっては、当該異性体を分離しても分離しなく
ともよい。
【0037】式(VI)で表される各種化合物を合成する
ために用いるシリル基としては、TBDMS基の他、イソプ
ロピルジメチルシリル基、エチルジメチルシリル基等、
他のシリル基も可能であり、特にイソプロピルジメチル
シリル基等は本発明製造法に適用可能である。ところで
TBDMS基を導入する際のシリル化試薬としては、TBDMSCl
の他、TBDMSOClO3、TBDMSOSO2CF3、TBDMSCN等、水酸基
への通常のTBDMS化の際用いることのできる試薬を使用
することが可能であるが、好ましくはTBDMSClを理論量
ないしは過剰量用いるとよい。シリル化の際用いる塩基
としては、イミダゾールの他、ピリジン、ジメチルアミ
ノピリジン、ルチジン、トリエチルアミン等が可能であ
るが、好ましくはイミダゾールをシリル化試薬の2当量
ないし過剰量用いるとよい。反応溶媒はDMFの他、アセ
トニトリル、塩化メチレン、テトラヒドロフラン(TH
F)等を用いることが可能であるが、DMFを用いる反応が
好結果を与えることが多い。本保護工程は0℃〜80℃の
範囲で収率良く進行し、反応時間は1時間〜数日間であ
る。
【0038】第二に、式(VI)で表される化合物のマイ
カロース部分である4"位のアシル側鎖を選択的かつ合成
化学的に切断し、式(VII)(式中、R4はシリル保護基
であり、R5はシリル保護基・アセタール系保護基等の水
酸基の保護基又は水酸基を修飾する置換基であり、R6
アセチル基又はシリル保護基である)で表される化合物
を得る。式(VI)で表される化合物は、3,18位で形成し
たヘミアセタール性の水酸基にシリル基が導入されてお
り、アルデヒド基が保護された上に、それらを含む7員
環部分が16員環ラクトンに縮環している。そのため、
3位が遊離の水酸基であり、同時に遊離のアルデヒド基
を有し縮環していない16員環マクロリド誘導体と比較
して、式(VI)で表される化合物それ自体の強塩基条件
下におけるラクトン環の安定性は飛躍的に向上してい
る。ところで式(VI)で表される化合物のうちR5がシリ
ル保護基であり、R6がアセチル基である中間体は2つの
アシル基を有しているが、この内2'位のアセチル基は、
引き続き実施する4"位水酸基の再アシル化及び3"位水酸
基のメチルチオメチル化に際し必要不可欠である。然る
に2'位のアセチル基は、4"位アシル基の除去においては
保存されることが望まれる。そこで本発明者は、式(V
I)で表される化合物が特に脂溶性であることから、相
間移動触媒を用いる不均一反応による選択的4"位脱アシ
ル化の可能性を探り、その結果、マイカロース部分であ
る4"位のアシル基だけをを定量的に切断することに成功
した。
【0039】即ちその一例として、化合物(2)をベン
ゼンに溶解し、硫酸水素テトラ-n-ブチルアンモニウム
の存在下に50%水酸化ナトリウム水溶液と室温で激しく
撹拌し、化合物(3)(式(VII)において、R4及びR5
が共にTBDMS基であり、R6がアセチル基である化合物)
を効率良く得た。当該不均一反応は、一般に強塩基性の
水層と、式(VI)で表される化合物を溶解した(水と均
一に混ざらない)有機溶媒との混合物を、相間移動触媒
の存在下に激しく撹拌して行なわれる。水層に溶解する
強塩基は、水酸化ナトリウム或いは水酸化カリウムの何
れであってもよく、その濃度は通常濃厚であることが好
ましい。水と均一に混ざらない有機溶媒には、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン、n-ペンタン、n-ヘキサン、シ
クロヘキサン、塩化メチレン、1,2-ジクロロエタン等で
よく、好ましくはベンゼン等である。相間移動触媒とし
ては、テトラ-n-ブチルアンモニウムブロミド、テトラ-
n-ブチルアンモニウムクロリド、ベンジルトリエチルア
ンモニウムブロミド、ベンジルトリエチルアンモニウム
クロリド、硫酸水素テトラ-n-ブチルアンモニウム等を
用いることができ、その量は式(VI)で表される化合物
に対し触媒量〜数当量であり、通常は1当量用いる。反
応は5℃〜40℃の間で容易に進行し、反応系中の撹拌効
率が反応時間の短縮と収率の向上につながるが、通常1
0分〜数時間で反応は完結する。
【0040】本発明製造法に用いる出発原料は、ロイコ
マイシンFrグループの何れの化合物であっても適する
が、それらのマイカロース部分の4"位のアシル側鎖は、
当該不均一反応においてイソバレリル基(ロイコマイシ
ンA1)よりもプロピオニル基(ロイコマイシンA7)の
方が反応時間は短縮され、僅かながら収率は向上する。
しかしながら、4"位の水酸基に結合する側鎖が何れの天
然型アシル基であっても、本不均一反応によって所望と
する脱アシル化反応を達成することが可能である。
【0041】次に、塩基存在下に必要量のアシル化試薬
と式(VII)で表される化合物を反応させることによ
り、4"位が選択的にアシル化された式(VIII)(式中、
R2は水素原子又は炭素数1〜10の直鎖又は分枝鎖のア
ルキル基、アルケニル基又はアラルキル基であり、R4
シリル保護基であり、R5はシリル保護基・アセタール系
保護基等の水酸基の保護基又は水酸基を修飾する置換基
であり、R6はアセチル基又はシリル保護基である)で表
される化合物又はその塩を得る。例えば、化合物(3)
をピリジン中、n-バレリルクロリドと反応させて、4"位
が選択的にn-バレリル化された化合物(4)(式(VII
I)において、R2がノルマルブチル基であり、R4及びR5
が共にTBDMS基であり、R6がアセチル基である化合物)
を高収率で得た。
【0042】当該工程の4"位水酸基に導入する際のアシ
ル化試薬としては飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸、芳香族脂
肪酸の酸ハロゲン化物、又はこれらの酸無水物等、通常
の水酸基のアシル化の際に用いる試薬を使用することが
可能であるが、好ましくは酸ハロゲン化物を1当量ない
し過剰量用いるとよい。アシル化の際に用いる塩基とし
ては、ピリジンの他、ジメチルアミノピリジン、ルチジ
ン、トリエチルアミン等が可能である。又、反応溶媒と
しては、一般的な水酸基のアシル化に用いられる溶媒で
あれば何れでもよく、ピリジンの他、DMF、クロロホル
ム、塩化メチレン、ベンゼン、トルエン等を用いること
が可能であるが、好ましくは塩基を兼ねたピリジンを用
いるとよく、15℃〜60℃の範囲で収率良く進行し、反応
時間は数分間〜1日間である。
【0043】尚、上述の方法によるマイカロース部分で
ある4"位アシル側鎖の化学変換を必要としない場合にお
いては、式(VII)及び式(VIII)で表される合成中間
体を製造するこれら一連の過程を省略すればよい。
【0044】第三に鍵化合物であるメチルチオメチルエ
ーテル合成中間体の調製法について記す。始めに中性糖
である3"位の3級水酸基にメチルチオメチル基を導入す
る。2級水酸基をカルボニル基に酸化すべく、ジメチル
スルホキシド(DMSO)と無水酢酸を反応させた際に、副
生成物としてメチルチオメチルエーテルが得られること
は1960年代より知られていた(ジャーナル・オブ・アメ
リカン・ケミカル・ソシエチー, 89(10), 2416(196
7))。1970年代中頃には、天然有機化合物の合成におい
てメチルチオメチル基が3級水酸基の保護基として最適
であることも日本の研究グループにより報告されている
(テトラヘドロン・レターズ, 65(1976))。1970年代後
半に入ると、酸化に優先してメチルチオメチル化を進行
させるために反応系中に酢酸を添加することの理論的な
解釈も発表された(オーストラリアン・ジャーナル・オ
ブ・ケミストリー, 31, 1031(1978))。
【0045】まず当社研究グループの方法(ジャーナル
・オブ・アンチビオチックス, 33(1), 61(1980))に従
い、式(VIII)で表される化合物の3"位の水酸基をメチ
ルチオメチル化し、一般式(III)(式中、R2は水素原
子又は炭素数1〜10の直鎖又は分枝鎖のアルキル基、
アルケニル基又はアラルキル基であり、R4はシリル保護
基であり、R5はシリル保護基・アセタール系保護基等の
水酸基の保護基又は水酸基を修飾する置換基であり、R6
はアセチル基又はシリル保護基)で表される化合物を合
成する。例えば化合物(4)にDMSOと無水酢酸を反応さ
せて、化合物(5)(一般式(III)において、R2がノ
ルマルブチル基であり、R4及びR5が共にTBDMS基であ
り、R6がアセチル基である化合物)を合成した。水酸基
へのメチルチオメチル基の導入法に関しては多くの既知
の方法(Theodora W. Greene; PeterG. M. Wuts. Prote
ctive Groups in Organic Synthesis, 2nd ed., Wiley:
NewYork, 1991)があるので、本発明製造法はメチルチ
オメチル基の導入法について限定されるものではなく、
当該導入法に関する全ての既知の方法を包含する。
【0046】次いで、上述の一般式(III)で表される
化合物の2'位の水酸基に結合していたアセチル基を脱保
護し、式(IX)(式中、R2は水素原子又は炭素数1〜1
0の直鎖又は分枝鎖のアルキル基、アルケニル基又はア
ラルキル基であり、R4はシリル保護基であり、R5はシリ
ル保護基・アセタール系保護基等の水酸基の保護基又は
水酸基を修飾する置換基である)で表される鍵化合物、
即ちメチルチオメチルエーテル合成中間体を定量的に得
る。例えば化合物(5)をメタノール中で反応すること
により化合物(6)(式(IX)において、R2がノルマル
ブチル基であり、R4及びR5が共にTBDMS基である化合
物)を得た。尚、一般式(III)で表される化合物のう
ちR6がシリル保護基である場合の当該脱保護に関しては
後述する。
【0047】第四に、式(IX)で表される鍵中間体の中
性糖部分である3"位の3級水酸基に導入されたメチルチ
オメチル基を選択的に還元して、3"位の3級水酸基がメ
チル化された16員環マクロリド誘導体を効率的に合成
する。糖質化学において、メチルチオメチル化された2
級水酸基がラネーニッケルにより還元されメトキシ基に
化学変換されることが報告(カーボハイドレート・リサ
ーチ, 7, 474(1968))されて以来、同様の反応例が紹介
されている(テトラヘドロン・レターズ, 43(1969)、カ
ーボハイドレート・リサーチ, 15, 101(1970))。又比
較的最近では、メチルチオメチル基以外の置換基として
アリールチオメチル基の導入された1級及び2級の水酸
基がラジカル還元等を受け、メトキシ基に化学変換され
るという報告がなされた(ジャーナル・オブ・オーガニ
ック・ケミストリー, 54(25), 5998(1989))。
【0048】以上述べた様に、メチルチオメチル化され
た水酸基をメトキシ基に還元する方法論それ自身は決し
て新しいものではないが、当該還元反応の多くは2級の
水酸基に関してなされたものであった。さらに反応基質
には、二重結合等、接触還元に対して反応性を示す官能
基を有しない場合がほとんどであった。
【0049】本発明者らは、適度に活性をコントロール
したラネーニッケルを用いて、式(IX)で表される化合
物の二重結合が還元を受けることなく、メチルチオメチ
ル化された3"位の3級水酸基をメトキシ基に化学変換
し、式(X)(式中、R2は水素原子又は炭素数1〜10
の直鎖又は分枝鎖のアルキル基、アルケニル基又はアラ
ルキル基であり、R4はシリル保護基であり、R5はシリル
保護基・アセタール系保護基等の水酸基の保護基又は水
酸基を修飾する置換基である)で表される化合物を選択
的に合成する実質的な調製法を見い出した。例えば、化
合物(6)をエタノール中、適度に活性をコントロール
したラネーニッケルとともに室温で短時間撹拌すること
により、選択的に化合物(7)(式(X)において、R2
がノルマルブチル基で表され、R4及びR5が共にTBDMS基
で表される化合物)を合成した。当該選択的還元反応
は、例えば化合物(30)の如く、9位の水酸基がシリ
ル基以外の置換基で修飾されていた場合にも効率良く進
行する(実施例28参照)。
【0050】当該選択的還元反応においては、ラネーニ
ッケルの活性のコントロール方法、反応溶媒、反応後の
後処理の方法等に関しては、後述した実施例6、実施例
11、実施例16、実施例20、実施例24及び実施例
28において記載したが、本発明製造法は、それらの反
応条件等に限定されるものではなく、それらの修飾手段
もまた本製造法に包含されるものである。
【0051】即ち、ラネーニッケルの活性をコントロー
ルするには、本発明の実施例6において記載したアセト
ンによる方法に限定する必要はなく、酢酸エチルや熱水
を用いて当該コントロールを実施してもよい。或いは反
応系中に窒素原子又は硫黄原子等を含むある種の有機化
合物ないしは無機化合物を添加して、反応の選択性を向
上させることも可能である。一方、反応溶媒もまたエタ
ノールの如く低級アルコールに限定されることはなく、
1,4-ジオキサンの如くエーテル系の有機溶媒を用いて、
当該反応を実施することが可能である。更に反応後の後
処理の方法に関しても、反応生成物を分解させることな
く、それらをラネーニッケルより効率良く抽出が可能で
あるなら、その方法は限定されるものではない。
【0052】尚、化合物(26)(一般式(III)にお
いて、R2がイソブチル基であり、R4、R5及びR6がいずれ
もTBDMS基である化合物)から化合物(17)(式(X)
において、R2がイソブチル基であり、R4及びR5が共にTB
DMS基である化合物)を製造するには、化合物(26)
をラネーニッケルにて還元した後、先願の方法(特願平
5-206731)によりマイカミノース部分である2'位の水酸
基に結合しているTBDMS基を選択的に脱保護すればよい
(実施例24参照)。
【0053】最後に、3,18位で形成したヘミアセタール
性の水酸基に結合したシリル基と9位の水酸基に結合し
ている保護基の脱保護について述べる。式(X)におけ
るR4及び/あるいはR5のうちのシリル基、例えばTBDMS
基は、テトラ-n-ブチルアンモニウムフルオリド(TBA
F)試薬又はある種の酸による反応条件を始め、水酸基
に結合するシリルエーテルに関する公知の脱保護条件
(Theodora W. Greene; Peter G. M. Wuts. Protective
Groups in Organic Synthesis, 2nd ed., Wiley: New
York, 1991)によって、完全に、あるいは不完全に脱保
護することが可能である。式(X)で表される化合物を
反応基質として、種々の脱シリル化の反応試薬を用いて
その有用性を観察すると、TBAFを用いて当該脱保護を実
施した場合に好結果が得られることが判明した。事実、
式(X)で表される化合物のうちR4、R5が共にTBDMS基で
ある化合物に対してTBAFを用いて脱保護を行なうと、一
般式(I)で表される化合物のうちR1が水素原子である
最終目的物に化学変換される。例えば、化合物(7)
を、THF中過剰量のTBAFと加熱条件下反応させることに
より、化合物(8)(一般式(I)において、R1が水素
原子であり、R2がノルマルブチル基である化合物)が主
生成物として得られた。ところで式(X)で表される化
合物のうちR5がシリル基以外の保護基である場合は、当
該保護基に関する脱保護工程を脱シリル化工程に先立っ
て、あるいはその後に行えばよい。
【0054】TBAFを用いてシリル基、例えばTBDMS基を
脱保護する際は、反応系中に水分を混入させぬ様工夫す
ることで、反応の完結は早まり副反応を完全に抑制する
ことが可能である。なおTBAFは強い塩基として遊離のア
ルデヒド基に作用するために、本脱保護工程を収率良く
遂行するためには、反応終了後の後処理に細心の注意を
払う必要があるが、詳細は実施例において記載した。TB
AFを用いる本脱保護での反応溶媒としては、エーテル系
の溶媒の他、ハロゲン系の溶媒、ニトリル系の溶媒等を
用いることが可能であるが、THFを用いた際に好結果を
与えることが多い。さらに本反応を完結させるために
は、反応溶媒に対するTBAFそれ自身の濃度が重要な要因
になり得る。すなわち反応基質に対するTBAFの当量数を
一定にした場合、TBAFの反応溶媒に対する濃度は希薄過
ぎても(反応溶媒が多過ぎても)或いは同濃度が濃厚過
ぎても(反応溶媒が少な過ぎても)当該反応は完結しに
くく、通常0.5M〜4Mの濃度で、好ましくは1M〜2Mの濃度
で反応は効率良く進行する。TBAFは2当量〜過剰量用い
るが、通常10当量以上のTBAFとの反応により、完全な
脱保護が速やかに進行する。
【0055】ところで、一般式(I)で表される化合物
のうちR1が水素原子である化合物、又はその塩に対して
は、9位又は2'位の水酸基を選択的にアシル化する公知
の方法(発酵と工業, 37(12), 1171(1979))又は希薄な
酸の存在下に9位の水酸基を11位又は13位へアリル転位
させる公知の方法(ケミカル・アンド・ファーマシュー
チカル・ブレタン, 18(8), 1501(1970)、明治製菓研究
年報, 12, 85(1972)、ジャーナル・オブ・アンチビオチ
ックス, 35(11), 1521(1982))或いは9位の水酸基を選
択的に酸化する公知の方法(ジャーナル・オブ・アンチ
ビオチックス,24(8), 526(1971))等を実施して、本発
明を基軸とした新規有用物質を造出することが可能であ
る。その一例として、化合物(22)(一般式(I)に
おいて、R 1が水素原子であり、R2がエチル基である化合
物)の9位水酸基を、公知の方法(特開昭48-13380)を
用いて選択的にプロピオニル化し、化合物(33)(一
般式(I)において、R1がプロピオニル基であり、R2
エチル基である化合物)を合成した(実施例30参
照)。一方、化合物(33)は、実施例25〜実施例2
9に示した9-O-アシル型中間体を経由する合成法によっ
ても製造することが可能である。
【0056】
【実施例】次に本発明を実施例並びに参考例によって詳
細に記述する。
【0057】参考例1化合物(1)(式(IV)において、R3がエチル基で表さ
れ、R6がアセチル基で表される化合物)(特公昭53-307
18)の製造例 ロイコマイシンA7 10.0 gに乾燥アセトニトリル 300 m
lを加え溶解し、無水酢酸 2.7 gを加え室温で24時間
撹拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液 500
mlを徐々に加え室温で30分撹拌した。これを塩化メ
チレン 500 mlで2回抽出し、有機層を飽和食塩水 500
mlで2回洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、こ
れを濾過した。濾液を減圧濃縮して乾燥後、粗化合物
(1) 10.55 gを得た。
【0058】実施例1化合物(2)(式(VI)において、R3がエチル基で表さ
れ、R4及びR5が共にTBDMS基で表され、R6がアセチル基
で表される化合物)の製造法 粗化合物(1) 10.55 gに乾燥DMF 100 mlを加え溶解
し、TBDMSCl 5.97 g及びイミダゾール 5.39 gを加え、4
5oCで24時間撹拌した。反応液を室温に戻した後、反
応液を減圧濃縮した。得られた残さに塩化メチレン 500
mlを加え溶解した後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液
500 mlを加え室温で30分間撹拌した。有機層を飽和食
塩水 500 mlで2回洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで
乾燥し、これを濾過した。濾液を減圧濃縮して乾燥後、
粗化合物(2) 13.2 gを得た。このうち 50 mgを分取
用TLC(展開系:ヘキサン-酢酸エチル(1:1))で精製し
て、化合物(2) 28 mgを得た。 化合物(2)の理化学的性状 (1) 色および形状 : 無色固体 (2) 分子式 : C5293NO15Si2 (3) マススペクトル (SIMS) : m/z 1028 (M+H)
+ (4) 比旋光度 : [α]D 14 -24°(c1.0, CHCl3) (5) 融点 : 明瞭な融点を示さず、103〜107℃で
熔融 (6) 1H NMRスペクトル (400MHz, CDCl3) δ
(ppm) : 2.67(dd, 2-H), 4.13(br dd, 3-H), 2.94(br
s, 4-H), 3.40(s, 4-OCH3), 3.30(br d, 5-H), 2.28
(m, 6-H), 0.40(br dd, 7-H), 1.52(m, 8-H), 4.17(m,
9-H), 5.95(m, 10-H), 5.95(m, 11-H), 6.31(br dd, 12
-H), 5.47(ddd, 13-H), 4.64(ddq, 15-H), 1.29(d, 16-
H3), 1.46(br d, 17-H), 1.62(dt, 17-H), 4.53(br d,
18-H), 0.91(d, 19-H3), 4.26(d, 1'-H), 5.10(dd, 2'-
H), 2.74(t, 3'-H), 3.30(t, 4'-H), 3.30(dq, 5'-H),
1.29(d, 6'-H3), 2.11(s, 2'-OCOCH3), 2.41(s, 3'-N(C
H3)2),5.09(d, 1"-H), 1.85(dd, 2"-Hax), 2.00(d, 2"-
Heq), 1.11(s, 3"-CH3), 4.62(d, 4"-H), 4.37(dq, 5"-
H), 1.14(d, 6"-H3), 2.43(apparent q, 4"-OCOCH 2C
H3), 2.44(apparent q, 4"-OCOCH 2CH3), 1.17(t, 4"-OC
OCH2CH3 )
【0059】実施例2化合物(3)(式(VII)において、R4及びR5が共にTBD
MS基で表され、R6がアセチル基で表される化合物)の製
造法 粗化合物(2) 6.68 gにベンゼン 334 mlを加え溶解
し、50%水酸化ナトリウム水溶液 167 ml及び硫酸水素テ
トラ-n-ブチルアンモニウム 2.19 gを加え室温で1時間
激しく撹拌した。ベンゼン層を分取した後、精製水 500
mlで2回、同量の飽和食塩水で2回順次洗浄し、無水
硫酸ナトリウムで乾燥し、これを濾過した。濾液を減圧
濃縮して乾燥後、粗化合物(3) 5.33 gを得た。この
うち 50 mgを分取用TLC(展開系:クロロホルム-メタノ
ール(20:1))で精製して、化合物(3) 25 mgを得た。 化合物(3)の理化学的性状 (1) 色および形状 : 無色固体 (2) 分子式 : C4989NO14Si2 (3) マススペクトル (SIMS) : m/z 972 (M+H)+ (4) 比旋光度 : [α]D 14 -24°(c1.0, CHCl3) (5) 融点 : 明瞭な融点を示さず、102〜106℃で
熔融 (6) 1H NMRスペクトル (400MHz, CDCl3) δ
(ppm) : 2.66(dd, 2-H), 4.18(br dd, 3-H), 2.94(br
s, 4-H), 3.40(s, 4-OCH3), 3.42(m, 5-H), 2.28(m,6-
H), 0.40(br dd, 7-H), 1.52(m, 8-H), 4.18(m, 9-H),
5.95(m, 10-H), 5.95(m, 11-H), 6.31(br dd, 12-H),
5.47(ddd, 13-H), 4.64(ddq, 15-H), 1.45(br d, 17-
H), 1.62(dt, 17-H), 4.52(br d, 18-H), 0.91(d, 19-H
3), 4.26(d, 1'-H), 5.08(dd, 2'-H), 2.73(t, 3'-H),
3.29(t, 4'-H), 3.29(dq, 5'-H), 2.11(s, 2'-OCOCH3),
2.39(s, 3'-N(CH3)2), 5.10(d, 1"-H), 1.77(dd, 2"-H
ax), 2.02(d, 2"-Heq), 1.23(s, 3"-CH3), 2.94(t, 4"-
H), 3.98(dq, 5"-H)
【0060】実施例3化合物(4)(式(VIII)において、R2がノルマルブチ
ル基で表され、R4及びR5が共にTBDMS基で表され、R6
アセチル基で表される化合物)の製造法 粗化合物(3) 500 mgに乾燥ピリジン 5.0 mlを加え溶
解し、n-バレリルクロリド 185 mgを加え室温で55分
間撹拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液 5
0 mlを加え、クロロホルム 50 mlで2回抽出した。クロ
ロホルム層を飽和食塩水 50 mlで2回洗浄した後、無水
硫酸ナトリウムで乾燥し、これを濾過した。濾液を減圧
濃縮して乾燥後、粗化合物(4) 670 mgを得た。この
うち 40 mgを分取用TLC(展開系:クロロホルム-メタノ
ール(40:1))で精製して、化合物(4) 15 mgを得た。 化合物(4)の理化学的性状 (1) 色および形状 : 無色固体 (2) 分子式 : C5497NO15Si2 (3) マススペクトル (SIMS) : m/z 1056 (M+H)
+ (4) 比旋光度 : [α]D 13 -23°(c1.0, CHCl3) (5) 融点 : 明瞭な融点を示さず、80〜83℃で熔
融 (6) 1H NMRスペクトル (400MHz, CDCl3) δ
(ppm) : 2.67(dd, 2-H), 4.12(br dd, 3-H), 2.94(br
s, 4-H), 3.40(s, 4-OCH3), 3.30(br d, 5-H), 2.28
(m, 6-H), 0.40(br dd, 7-H), 1.52(m, 8-H), 4.18(m,
9-H), 5.94(m, 10-H), 5.94(m, 11-H), 6.30(br dd, 12
-H), 5.47(ddd, 13-H), 4.64(ddq, 15-H), 1.28(d, 16-
H3), 1.45(br d, 17-H), 1.62(dt, 17-H), 4.53(br d,
18-H), 0.91(d, 19-H3), 4.26(d, 1'-H), 5.10(dd, 2'-
H), 2.74(t, 3'-H), 3.30(t, 4'-H), 3.30(dq, 5'-H),
1.28(d, 6'-H3), 2.10(s, 2'-OCOCH3), 2.41(s, 3'-N(C
H3)2),5.09(d, 1"-H), 1.85(dd, 2"-Hax), 2.00(d, 2"-
Heq), 1.11(s, 3"-CH3), 4.62(d, 4"-H), 4.37(dq, 5"-
H), 1.14(d, 6"-H3), 2.39(apparent t, 4"-OCOCH 2CH2C
H2CH3), 2.40(apparent t, 4"-OCOCH 2CH2CH2CH3), 1.62
(tq, 4"-OCOCH2CH2 CH2CH 3), 1.36(m, 4"-OCOCH2CH2CH 2C
H3), 0.91(t, 4"-OCOCH2CH2CH2CH3 )
【0061】実施例4化合物(5)(一般式(III)において、R2がノルマル
ブチル基で表され、R4及びR5が共にTBDMS基で表され、R
6がアセチル基で表される化合物)の製造法 粗化合物(4) 630 mgを乾燥DMSO 19 mlと無水酢酸 1.
9 mlの混合溶液に溶解した後、45oCで5日間反応させ
た。反応液にベンゼン 200 mlを加えた後、精製水 200
mlで2回、同量の飽和食塩水で2回順次洗浄した。有機
層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、これを濾過し濾液を
減圧濃縮して得られた残さ 650 mgをシリカゲルカラム
クロマトグラフィー(50 g:ヘキサン-酢酸エチル(2:
1))で精製して、化合物(5) 105 mgを得た。 化合物(5)の理化学的性状 (1) 色および形状 : 無色固体 (2) 分子式 : C56101NO15SSi2 (3) マススペクトル (SIMS) : m/z 1116 (M+H)
+ (4) 比旋光度 : [α]D 18 -36°(c1.0, CHCl3) (5) 融点 : 明瞭な融点を示さず、65〜68℃で熔
融 (6) 1H NMRスペクトル (400MHz, CDCl3) δ
(ppm) : 2.66(dd, 2-H), 4.12(br dd, 3-H), 2.94(br
s, 4-H), 3.40(s, 4-OCH3), 3.28(br d, 5-H), 0.40(b
r dd, 7-H), 1.50(m, 8-H), 4.17(br dd, 9-H), 5.94
(m, 10-H), 5.94(m,11-H), 6.30(br dd, 12-H), 5.45(d
dd, 13-H), 4.62(ddq, 15-H), 1.28(d, 16-H 3), 1.43(b
r d, 17-H), 4.52(br d, 18-H), 0.90(d, 19-H3), 4.24
(d, 1'-H), 5.05(dd, 2'-H), 2.74(t, 3'-H), 3.15(t,
4'-H), 3.26(dq, 5'-H), 1.23(d, 6'-H3), 2.09(s, 2'-
OCOCH3), 2.41(s, 3'-N(CH3)2), 4.82(d, 1"-H), 1.68
(dd, 2"-Hax), 2.24(d, 2"-Heq), 1.17(s, 3"-CH3), 4.
67(d, 4"-H), 4.58(dq, 5"-H),1.04(d, 6"-H3), 4.52
(d, 3"-OCH 2SCH3), 4.63(d, 3"-OCH 2SCH3), 2.20(s, 3"
-OCH2SCH3 ), 2.37(apparent t, 4"-OCOCH 2CH2CH2CH3),
2.39(apparent t, 4"-OCOCH 2CH2CH2CH3), 1.62(m, 4"-O
COCH2CH2 CH2CH3), 1.35(tq, 4"-OCOCH2CH2CH2 CH3),0.90
(t, 4"-OCOCH2CH2CH2CH3 )
【0062】実施例5化合物(6)(式(IX)において、R2がノルマルブチル
基で表され、R4及びR5が共にTBDMS基で表される化合
物)の製造法 化合物(5) 105 mgをメタノール 10 mlに溶解した
後、40oCで2日間反応させた。反応液を減圧濃縮して化
合物(6) 100 mgを得た。 化合物(6)の理化学的性状 (1) 色および形状 : 無色固体 (2) 分子式 : C5499NO14SSi2 (3) マススペクトル (SIMS) : m/z 1074 (M+H)
+ (4) 比旋光度 : [α]D 15 -17°(c1.0, CH3OH) (5) 融点 : 明瞭な融点を示さず、63〜66℃で熔
融 (6) 1H NMRスペクトル (400MHz, CDCl3) δ
(ppm) : 4.03(br dd, 3-H), 3.24(br s, 4-H), 3.44
(s, 4-OCH3), 3.48(br d, 5-H), 2.16(m, 6-H), 0.42(b
r dd, 7-H), 1.60(m, 8-H), 4.18(br dd, 9-H), 5.70(b
r dd, 10-H), 6.09(m, 11-H), 6.09(m, 12-H), 5.61(d
t, 13-H), 2.28(m, 14-H), 4.82(ddq, 15-H),1.30(d, 1
6-H3), 1.44(br d, 17-H), 1.66(dt, 17-H), 4.56(br
d, 18-H), 0.89(d, 19-H3), 4.27(d, 1'-H), 3.42(dd,
2'-H), 3.24(t, 4'-H), 3.24(dq, 5'-H), 1.20(d, 6'-H
3), 2.54(s, 3'-N(CH3)2), 4.87(d, 1"-H), 1.70(dd,
2"-Hax),2.25(d, 2"-Heq), 1.17(s, 3"-CH3), 4.67(d,
4"-H), 4.60(dq, 5"-H), 1.06(d, 6"-H3), 4.51(d, 3"-
OCH 2SCH3), 4.64(d, 3"-OCH 2SCH3), 2.18(s, 3"-OCH2SC
H 3 ), 2.38(apparent t, 4"-OCOCH 2CH2CH2CH3), 2.39(ap
parent t, 4"-OCOCH 2CH2CH2CH3), 1.63(m, 4"-OCOCH2CH
2 CH2CH3), 1.35(tq, 4"-OCOCH2CH2CH2 CH3), 0.91(t, 4"
-OCOCH2CH2CH2CH3 )
【0063】実施例6化合物(7)(式(X)において、R2がノルマルブチル
基で表され、R4及びR5が共にTBDMS基で表される化合
物)の製造法 始めにラネーニッケルの活性をコントロールした。即ち
ラネーニッケル 60 mlを各 100 mlの水で2回洗浄した
後、発熱を抑えつつ各 100 mlのアセトンで2回洗浄
し、活性を適度に調整した。次いで各 100 mlのエタノ
ールで2回洗浄し反応に用いることにした。化合物
(6) 95 mgをエタノール 2.0 mlに溶解した後、活性
をコントロールした上記のラネーニッケル 6.0 mlを 2.
0 mlのエタノールと共に反応溶液に加えた。これを室温
で40分間激しく撹拌した後、不溶物を濾過した。濾液
を減圧濃縮して得られた残さ 95 mgを分取用TLC(展開
系:クロロホルム-メタノール-濃アンモニア水(300:10:
1))で精製して、化合物(7) 36mgを得た。 化合物(7)の理化学的性状 (1) 色および形状 : 無色固体 (2) 分子式 : C5397NO14Si2 (3) マススペクトル (SIMS) : m/z 1028 (M+H)
+ (4) 比旋光度 : [α]D 15 -16°(c1.0, CH3OH) (5) 融点 : 明瞭な融点を示さず、70〜72℃で熔
融 (6) 1H NMRスペクトル (400MHz, CDCl3) δ
(ppm) : 4.04(br dd, 3-H), 3.44(s, 4-OCH3), 3.47
(br d, 5-H), 2.17(m, 6-H), 0.42(br dd, 7-H), 4.18
(br dd, 9-H), 5.71(br dd, 10-H), 6.10(m, 11-H), 6.
10(m, 12-H), 5.62(dt, 13-H), 2.30(m, 14-H), 4.82(d
dq, 15-H), 1.30(d, 16-H3), 1.42(br d, 17-H), 1.67
(dt, 17-H), 4.56(br d, 18-H), 0.92(d, 19-H3), 4.29
(d, 1'-H), 3.38(dd, 2'-H), 3.31(t, 4'-H), 1.22(d,
6'-H3), 2.54(s, 3'-N(CH3)2), 4.90(d,1"-H), 2.27(d,
2"-Heq), 1.08(s, 3"-CH3), 4.70(d, 4"-H), 4.58(dq,
5"-H),1.06(d, 6"-H3), 3.25(s, 3"-OCH3), 2.39(appa
rent t, 4"-OCOCH 2CH2CH2CH3),2.40(apparent t, 4"-OC
OCH 2CH2CH2CH3), 1.63(m, 4"-OCOCH2CH2 CH2CH3), 1.35
(tq, 4"-OCOCH2CH2CH2 CH3), 0.89(t, 4"-OCOCH2CH2CH2C
H3 )
【0064】実施例7化合物(8)(一般式(I)において、R1が水素原子で
表され、R2がノルマルブチル基で表される化合物)(3"-
O-メチル-4"-O-バレリルロイコマイシンV)の製造法 化合物(7) 35 mgに2Mテトラ-n-ブチルアンモニウム
フルオリドテトラヒドロフラン(TBAF/THF)溶液 255μl
を加え、45oCで1時間反応させた。反応液を室温に戻し
た後、5%硫酸水素カリウム水溶液 1.0 mlを滴下し、ク
ロロホルム 10 mlで2回抽出した。クロロホルム層を合
わせ、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液 20mlで2回、飽
和食塩水 20 mlで2回順次洗浄した後、無水硫酸ナトリ
ウムで乾燥し、これを濾過した。濾液を減圧濃縮して得
られた残さを分取用TLC(展開系:クロロホルム-メタノ
ール-濃アンモニア水(400:20:1))で精製して、化合物
(8) 7.0 mgを得た。 化合物(8)の理化学的性状 (1) 色および形状 : 無色固体 (2) 分子式 : C4169NO14 (3) マススペクトル (EIMS) : m/z 799 (M)+ (4) 比旋光度 : [α]D 17 -68°(c0.5, CH3OH) (5) 融点 : 明瞭な融点を示さず、98〜102℃で
熔融 (6) 1H NMRスペクトル (400MHz, CDCl3) δ
(ppm) : 2.21(d, 2-H),2.69(dd, 2-H), 3.78(br d, 3
-H), 3.08(br d, 4-H), 3.53(s, 4-OCH3), 4.10(br d,
5-H), 1.58(br dt, 7-H), 1.90(m, 8-H), 4.09(dd, 9-
H), 5.67(dd, 10-H), 6.25(dd, 11-H), 6.02(br dd, 12
-H), 5.60(ddd, 13-H), 2.10(dt, 14-H), 2.49(br dt,
14-H), 5.28(ddq, 15-H), 1.29(d, 16-H3), 2.33(br d
d, 17-H), 2.86(br dd, 17-H), 9.79(br s, 18-H), 0.9
8(d, 19-H3), 4.57(d, 1'-H), 3.21(dd, 2'-H), 3.43
(t, 4'-H), 3.27(dq, 5'-H), 1.18(d, 6'-H3), 2.55(s,
3'-N(CH 3)2), 4.92(d, 1"-H), 1.65(dd, 2"-Hax), 2.2
8(d, 2"-Heq), 1.09(s, 3"-CH3),4.70(d, 4"-H), 4.52
(dq, 5"-H), 1.06(d, 6"-H3), 3.24(s, 3"-OCH3), 2.39
(apparent t, 4"-OCOCH 2CH2CH2CH3), 2.40(apparent t,
4"-OCOCH 2CH2CH2CH3), 1.62(m, 4"-OCOCH2CH2 CH2CH3),
1.34(tq, 4"-OCOCH2CH2CH2 CH3), 0.90(t, 4"-OCOCH2CH
2CH2CH3 )
【0065】実施例8化合物(9)(式(VIII)において、R2がイソプロピル
基で表され、R4及びR5が共にTBDMS基で表され、R6がア
セチル基で表される化合物)の製造法 粗化合物(3) 500 mgに乾燥ピリジン 5.0 mlを加え溶
解し、イソブチリルクロリド 164mgを加え室温で15分
間撹拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液 5
0 mlを加え、クロロホルム 50 mlで2回抽出した。クロ
ロホルム層を飽和食塩水 50 mlで2回洗浄した後、無水
硫酸ナトリウムで乾燥し、これを濾過した。濾液を減圧
濃縮して乾燥後、粗化合物(9) 544 mgを得た。この
うち 40 mgを分取用TLC(展開系:クロロホルム-メタノ
ール(40:1))で精製して、化合物(9) 21 mgを得た。 化合物(9)の理化学的性状 (1) 色および形状 : 無色固体 (2) 分子式 : C5395NO15Si2 (3) マススペクトル (SIMS) : m/z 1042 (M+H)
+ (4) 比旋光度 : [α]D 13 -20°(c1.0, CHCl3) (5) 融点 : 明瞭な融点を示さず、103〜106℃で
熔融 (6) 1H NMRスペクトル (400MHz, CDCl3) δ
(ppm) : 2.67(dd, 2-H), 4.12(br dd, 3-H), 2.94(br
s, 4-H), 3.40(s, 4-OCH3), 3.30(br d, 5-H), 2.28
(m, 6-H), 0.40(br dd, 7-H), 1.52(m, 8-H), 4.18(m,
9-H), 5.95(m, 10-H), 5.95(m, 11-H), 6.31(br dd, 12
-H), 5.47(ddd, 13-H), 4.64(ddq, 15-H), 1.29(d, 16-
H3), 1.45(br d, 17-H), 1.62(dt, 17-H), 4.52(br d,
18-H), 0.91(d, 19-H3), 4.26(d, 1'-H), 5.10(dd, 2'-
H), 2.74(t, 3'-H), 3.30(t, 4'-H), 3.30(dq, 5'-H),
1.29(d, 6'-H3), 2.10(s, 2'-OCOCH3), 2.41(s, 3'-N(C
H3)2),5.09(d, 1"-H), 1.84(dd, 2"-Hax), 1.99(d, 2"-
Heq), 1.10(s, 3"-CH3), 4.60(d, 4"-H), 4.38(dq, 5"-
H), 1.13(d, 6"-H3), 2.68(septet, 4"-OCOCH(CH3)2),
1.19(d, 4"-OCOCH(CH3 )2), 1.20(d, 4"-OCOCH(CH3 )2)
【0066】実施例9化合物(10)(一般式(III)において、R2がイソプ
ロピル基で表され、R4及びR5が共にTBDMS基で表され、R
6がアセチル基で表される化合物)の製造法 粗化合物(9) 505 mgを乾燥DMSO 15.0 mlと無水酢酸
1.5 mlの混合溶液に溶解した後、45oCで5日間反応させ
た。反応液にベンゼン 200 mlを加えた後、精製水 200
mlで2回、同量の飽和食塩水で2回順次洗浄した。有機
層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後これを濾過し、濾液を
減圧濃縮して得られた残さ 500 mgをシリカゲルカラム
クロマトグラフィー(50 g:ヘキサン-酢酸エチル(2:
1))で精製して、化合物(10) 54 mgを得た。 化合物(10)の理化学的性状 (1) 色および形状 : 無色固体 (2) 分子式 : C5599NO15SSi2 (3) マススペクトル (SIMS) : m/z 1102 (M+H)
+ (4) 比旋光度 : [α]D 16 -42°(c1.0, CHCl3) (5) 融点 : 明瞭な融点を示さず、71〜73℃で熔
融 (6) 1H NMRスペクトル (400MHz, CDCl3) δ
(ppm) : 2.67(dd, 2-H), 4.13(br dd, 3-H), 2.95(br
s, 4-H), 3.41(s, 4-OCH3), 3.28(br d, 5-H), 0.40(b
r dd, 7-H), 1.51(m, 8-H), 4.17(br dd, 9-H), 5.94
(m, 10-H), 5.94(m,11-H), 6.30(br dd, 12-H), 5.46(d
dd, 13-H), 4.63(ddq, 15-H), 1.28(d, 16-H 3), 1.44(b
r d, 17-H), 4.52(br d, 18-H), 4.25(d, 1'-H), 5.05
(dd, 2'-H), 2.75(t, 3'-H), 3.16(t, 4'-H), 3.26(dq,
5'-H), 1.24(d, 6'-H3), 2.10(s, 2'-OCOCH3), 2.41
(s, 3'-N(CH3)2), 4.83(d, 1"-H), 1.69(dd, 2"-Hax),
2.23(d, 2"-Heq), 1.18(s, 3"-CH3), 4.67(d, 4"-H),
4.59(dq, 5"-H), 1.04(d, 6"-H3),4.51(d, 3"-OCH 2SC
H3), 4.62(d, 3"-OCH 2SCH3), 2.21(s, 3"-OCH2SCH3 ),
2.65(septet, 4"-OCOCH(CH3)2)
【0067】実施例10化合物(11)(式(IX)において、R2がイソプロピル
基で表され、R4及びR5が共にTBDMS基で表される化合
物)の製造法 化合物(10) 54 mgをメタノール 6.0 mlに溶解した
後、40oCで2日間反応させた。反応液を減圧濃縮して化
合物(11) 50 mgを得た。 化合物(11)の理化学的性状 (1) 色および形状 : 無色固体 (2) 分子式 : C5397NO14SSi2 (3) マススペクトル (SIMS) : m/z 1060 (M+H)
+ (4) 比旋光度 : [α]D 15 -30°(c1.0, CH3OH) (5) 融点 : 明瞭な融点を示さず、70〜72℃で熔
融 (6) 1H NMRスペクトル (400MHz, CDCl3) δ
(ppm) : 4.04(br dd, 3-H), 3.25(br s, 4-H), 3.44
(s, 4-OCH3), 3.48(br d, 5-H), 2.16(m, 6-H), 0.42(b
r dd, 7-H), 1.60(m, 8-H), 4.19(br dd, 9-H), 5.71(b
r dd, 10-H), 6.10(m, 11-H), 6.10(m, 12-H), 5.62(d
t, 13-H), 2.29(m, 14-H), 4.82(ddq, 15-H),1.30(d, 1
6-H3), 1.43(br d, 17-H), 1.67(dt, 17-H), 4.57(br
d, 18-H), 0.92(d, 19-H3), 4.28(d, 1'-H), 3.42(dd,
2'-H), 3.25(t, 4'-H), 3.25(dq, 5'-H), 2.55(s, 3'-N
(CH3)2), 4.89(d, 1"-H), 1.71(dd, 2"-Hax), 2.24(d,
2"-Heq), 1.17(s, 3"-CH3), 4.65(d, 4"-H), 4.61(dq,
5"-H), 1.06(d, 6"-H3), 4.50(d, 3"-OCH 2SCH3), 4.63
(d, 3"-OCH 2SCH3), 2.18(s, 3"-OCH2SCH3 ), 2.64(septe
t,4"-OCOCH(CH3)2), 1.19(d, 4"-OCOCH(CH3)2 )
【0068】実施例11化合物(12)(式(X)において、R2がイソプロピル
基で表され、R4及びR5が共にTBDMS基で表される化合
物)の製造法 始めに実施例6の如く、ラネーニッケルの活性をコント
ロールした。次いで化合物(11) 115 mgをエタノー
ル 2.4 mlに溶解し、上記のラネーニッケル 7.3mlを 2.
4 mlのエタノールと共に反応溶液に加えた。これを室温
で35分間激しく撹拌した後、不溶物を濾過した。濾液
を減圧濃縮して得られた残さ 110 mgを分取用TLC(展開
系:クロロホルム-メタノール-濃アンモニア水(300:10:
1))で精製して、化合物(12) 45 mgを得た。 化合物(12)の理化学的性状 (1) 色および形状 : 無色固体 (2) 分子式 : C5295NO14Si2 (3) マススペクトル (SIMS) : m/z 1014 (M+H)
+ (4) 比旋光度 : [α]D 15 -20°(c1.0, CH3OH) (5) 融点 : 明瞭な融点を示さず、82〜85℃で熔
融 (6) 1H NMRスペクトル (400MHz, CDCl3) δ
(ppm) : 4.04(br dd, 3-H), 3.44(s, 4-OCH3), 3.48
(br d, 5-H), 2.17(m, 6-H), 0.42(br dd, 7-H), 1.61
(m, 8-H), 4.19(br dd, 9-H), 5.71(br dd, 10-H), 6.1
0(m, 11-H), 6.10(m,12-H), 5.62(dt, 13-H), 2.30(m,
14-H), 4.82(ddq, 15-H), 1.31(d, 16-H3),1.43(br d,
17-H), 1.68(dt, 17-H), 4.57(br d, 18-H), 0.94(d, 1
9-H3), 4.30(d, 1'-H), 3.38(dd, 2'-H), 3.32(t, 4'-
H), 1.22(d, 6'-H3), 2.55(s, 3'-N(CH3)2), 4.90(d,
1"-H), 1.65(dd, 2"-Hax), 1.08(s, 3"-CH3), 4.69(d,
4"-H),4.59(dq, 5"-H), 1.07(d, 6"-H3), 3.25(s, 3"-O
CH3), 2.67(septet, 4"-OCOCH(CH3)2), 1.19(d, 4"-OCO
CH(CH3 )2), 1.20(d, 4"-OCOCH(CH3 )2)
【0069】実施例12化合物(13)(一般式(I)において、R1が水素原子
で表され、R2がイソプロピル基で表される化合物)(4"-
O-イソブチリル-3"-O-メチルロイコマイシンV)の製造
化合物(12) 45 mgに2M TBAF/THF溶液 333μlを加
え、45oCで50分間反応させた。反応液を室温に戻した
後、5%硫酸水素カリウム水溶液 1.0 mlを滴下し、クロ
ロホルム 10 mlで2回抽出した。クロロホルム層を合わ
せ、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液 20 mlで2回、飽和
食塩水 20 mlで2回順次洗浄した後、無水硫酸ナトリウ
ムで乾燥し、これを濾過した。濾液を減圧濃縮して得ら
れた残さを分取用TLC(展開系:クロロホルム-メタノー
ル-濃アンモニア水(400:20:1))で精製して、化合物
(13) 9.0 mgを得た。 化合物(13)の理化学的性状 (1) 色および形状 : 無色固体 (2) 分子式 : C4067NO14 (3) マススペクトル (EIMS) : m/z 785 (M)+ (4) 比旋光度 : [α]D 17 -71°(c0.5, CH3OH) (5) 融点 : 明瞭な融点を示さず、98〜102℃で
熔融 (6) 1H NMRスペクトル (400MHz, CDCl3) δ
(ppm) : 2.20(d, 2-H),2.69(dd, 2-H), 3.77(br d, 3
-H), 3.08(br d, 4-H), 3.53(s, 4-OCH3), 4.09(br d,
5-H), 0.93(br ddd, 7-H), 1.58(br dt, 7-H), 1.89(m,
8-H), 4.08(dd,9-H), 5.67(dd, 10-H), 6.25(dd, 11-
H), 6.02(br dd, 12-H), 5.59(ddd, 13-H), 2.10(dt, 1
4-H), 2.49(br dt, 14-H), 5.28(ddq, 15-H), 1.29(d,
16-H3), 2.32(br dd, 17-H), 2.86(br dd, 17-H), 9.79
(br s, 18-H), 0.97(d, 19-H3), 4.57(d, 1'-H), 3.22
(dd, 2'-H), 2.47(t, 3'-H), 3.44(t, 4'-H), 3.27(dq,
5'-H), 2.57(s, 3'-N(CH3)2), 4.92(d, 1"-H), 1.66(d
d, 2"-Hax), 2.26(d, 2"-Heq), 1.08(s, 3"-CH3), 4.69
(d, 4"-H), 4.52(dq, 5"-H), 1.05(d, 6"-H3), 3.24(s,
3"-OCH3), 2.67(septet, 4"-OCOCH(CH3)2), 1.18(d,
4"-OCOCH(CH3 )2), 1.19(d, 4"-OCOCH(CH3 )2)
【0070】実施例13化合物(14)(式(VIII)において、R2がイソブチル
基で表され、R4及びR5が共にTBDMS基で表され、R6がア
セチル基で表される化合物)の製造法 粗化合物(3) 500 mgに乾燥ピリジン 5.0 mlを加え溶
解し、イソバレリルクロリド 185 mgを加え室温で25
分間撹拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液
50 mlを加え、クロロホルム 50 mlで2回抽出した。ク
ロロホルム層を飽和食塩水 50 mlで2回洗浄した後、無
水硫酸ナトリウムで乾燥し、これを濾過した。濾液を減
圧濃縮して乾燥後、粗化合物(14) 650 mgを得た。
このうち30 mgを分取用TLC(展開系:クロロホルム-メ
タノール(40:1))で精製して、化合物(14) 17 mgを
得た。 化合物(14)の理化学的性状 (1) 色および形状 : 無色固体 (2) 分子式 : C5497NO15Si2 (3) マススペクトル (SIMS) : m/z 1056 (M+H)
+ (4) 比旋光度 : [α]D 14 -19°(c1.0, CHCl3) (5) 融点 : 明瞭な融点を示さず、101〜105℃で
熔融 (6) 1H NMRスペクトル (400MHz, CDCl3) δ
(ppm) : 2.65(dd, 2-H), 4.12(br dd, 3-H), 2.94(br
s, 4-H), 3.39(s, 4-OCH3), 3.29(br d, 5-H), 0.40(b
r dd, 7-H), 1.51(m, 8-H), 4.17(m, 9-H), 5.94(m, 10
-H), 5.94(m, 11-H), 6.30(br dd, 12-H), 5.46(ddd, 1
3-H), 4.63(ddq, 15-H), 1.28(d, 16-H3),1.44(br d, 1
7-H), 1.61(dt, 17-H), 4.52(br d, 18-H), 0.90(d, 19
-H3), 4.26(d, 1'-H), 5.09(dd, 2'-H), 2.73(t, 3'-
H), 3.29(t, 4'-H), 3.29(dq, 5'-H),1.28(d, 6'-H3),
2.10(s, 2'-OCOCH3), 2.40(s, 3'-N(CH3)2), 5.08(d,
1"-H),1.84(dd, 2"-Hax), 1.98(d, 2"-Heq), 1.10(s,
3"-CH3), 4.61(d, 4"-H), 4.37(dq, 5"-H), 1.14(d, 6"
-H3), 2.28(dd, 4"-OCOCH2 CH(CH3)2), 2.13(m, 4"-OCOC
H2CH(CH3)2), 0.96(d, 4"-OCOCH2CH(CH3)2 )
【0071】実施例14化合物(15)(一般式(III)において、R2がイソブ
チル基で表され、R4及びR 5が共にTBDMS基で表され、R6
がアセチル基で表される化合物)の製造法 粗化合物(14) 650 mgを乾燥DMSO 20 mlと無水酢酸
2.0 mlの混合溶液に溶解した後、45oCで5日間反応させ
た。反応液にベンゼン 200 mlを加えた後、精製水 200
mlで2回、同量の飽和食塩水で2回順次洗浄した。有機
層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後これを濾過し、濾液を
減圧濃縮して得られた残さ 655 mgをシリカゲルカラム
クロマトグラフィー(50 g:ヘキサン-酢酸エチル(2:
1))で精製して、化合物(15) 170 mgを得た。 化合物(15)の理化学的性状 (1) 色および形状 : 無色固体 (2) 分子式 : C56101NO15SSi2 (3) マススペクトル (SIMS) : m/z 1116 (M+H)
+ (4) 比旋光度 : [α]D 13 -39°(c1.0, CHCl3) (5) 融点 : 明瞭な融点を示さず、80〜82℃で熔
融 (6) 1H NMRスペクトル (400MHz, CDCl3) δ
(ppm) : 2.67(dd, 2-H), 4.13(br dd, 3-H), 2.95(br
s, 4-H), 3.42(s, 4-OCH3), 3.29(br d, 5-H), 0.41(b
r dd, 7-H), 1.51(m, 8-H), 4.18(br dd, 9-H), 5.95
(m, 10-H), 5.95(m,11-H), 6.31(br dd, 12-H), 5.46(d
dd, 13-H), 4.64(ddq, 15-H), 1.29(d, 16-H 3), 1.45(b
r d, 17-H), 1.62(dt, 17-H), 4.52(br d, 18-H), 0.91
(d, 19-H3),4.25(d, 1'-H), 5.05(dd, 2'-H), 2.75(t,
3'-H), 3.15(t, 4'-H), 3.27(dq, 5'-H), 1.24(d, 6'-H
3), 2.10(s, 2'-OCOCH3), 2.42(s, 3'-N(CH3)2), 4.83
(d, 1"-H), 1.69(dd, 2"-Hax), 1.18(s, 3"-CH3), 4.68
(d, 4"-H), 4.59(dq, 5"-H), 1.06(d, 6"-H3), 4.52(d,
3"-OCH 2SCH3), 4.64(d, 3"-OCH 2SCH3), 2.20(s, 3"-OC
H2SCH3 ), 2.27(dd, 4"-OCOCH2 CH(CH3)2), 2.14(m, 4"-O
COCH2CH(CH3)2), 0.97(d, 4"-OCOCH2CH(CH3)2 )
【0072】実施例15化合物(16)(式(IX)において、R2がイソブチル基
で表され、R4及びR5が共にTBDMS基で表される化合物)
の製造法 化合物(15) 170 mgをメタノール 20 mlに溶解した
後、40oCで2日間反応させた。反応液を減圧濃縮して化
合物(16) 160 mgを得た。 化合物(16)の理化学的性状 (1) 色および形状 : 無色固体 (2) 分子式 : C5499NO14SSi2 (3) マススペクトル (SIMS) : m/z 1074 (M+H)
+ (4) 比旋光度 : [α]D 18 -21°(c1.0, CH3OH) (5) 融点 : 明瞭な融点を示さず、72〜75℃で熔
融 (6) 1H NMRスペクトル (400MHz, CDCl3) δ
(ppm) : 4.04(br dd, 3-H), 3.24(br s, 4-H), 3.45
(s, 4-OCH3), 3.49(br d, 5-H), 2.14(m, 6-H), 0.43(b
r dd, 7-H), 1.61(m, 8-H), 4.19(br dd, 9-H), 5.72(b
r dd, 10-H), 6.10(m, 11-H), 6.10(m, 12-H), 5.62(d
t, 13-H), 2.29(m, 14-H), 4.83(ddq, 15-H),1.31(d, 1
6-H3), 1.44(br d, 17-H), 1.67(dt, 17-H), 4.57(br
d, 18-H), 0.93(d, 19-H3), 4.28(d, 1'-H), 3.42(dd,
2'-H), 3.24(t, 4'-H), 3.24(dq, 5'-H), 1.22(d, 6'-H
3), 2.54(s, 3'-N(CH3)2), 4.88(d, 1"-H), 1.72(dd,
2"-Hax),2.26(d, 2"-Heq), 1.18(s, 3"-CH3), 4.67(d,
4"-H), 4.61(dq, 5"-H), 1.07(d, 6"-H3), 4.52(d, 3"-
OCH 2SCH3), 4.65(d, 3"-OCH 2SCH3), 2.18(s, 3"-OCH2SC
H 3 ), 2.27(dd, 4"-OCOCH2 CH(CH3)2), 2.15(m, 4"-OCOCH
2CH(CH3)2), 0.97(d, 4"-OCOCH2CH(CH3)2 )
【0073】実施例16化合物(17)(式(X)において、R2がイソブチル基
で表され、R4及びR5が共にTBDMS基で表される化合物)
の製造法 始めに実施例6の如く、ラネーニッケルの活性をコント
ロールした。次いで化合物(16) 160 mgをエタノー
ル 3.4 mlに溶解し、上記のラネーニッケル 10mlを 3.4
mlのエタノールと共に反応溶液に加えた。これを室温
で30分間激しく撹拌した後、不溶物を濾過した。濾液
を減圧濃縮して得られた残さ 150 mgを分取用TLC(展開
系:クロロホルム-メタノール-濃アンモニア水(300:10:
1))で精製して、化合物(17) 41 mgを得た。 化合物(17)の理化学的性状 (1) 色および形状 : 無色固体 (2) 分子式 : C5397NO14Si2 (3) マススペクトル (SIMS) : m/z 1028 (M+H)
+ (4) 比旋光度 : [α]D 16 -24°(c1.0, CH3OH) (5) 融点 : 明瞭な融点を示さず、75〜78℃で熔
融 (6) 1H NMRスペクトル (400MHz, CDCl3) δ
(ppm) : 4.04(br dd, 3-H), 3.44(s, 4-OCH3), 3.48
(br d, 5-H), 2.17(m, 6-H), 0.42(br dd, 7-H), 1.60
(m, 8-H), 4.19(br dd, 9-H), 5.71(br dd, 10-H), 6.1
0(m, 11-H), 6.10(m,12-H), 5.62(dt, 13-H), 4.82(dd
q, 15-H), 1.30(d, 16-H3), 1.42(br d, 17-H), 1.67(d
t, 17-H), 4.57(br d, 18-H), 4.30(d, 1'-H), 3.39(d
d, 2'-H), 3.31(t, 4'-H), 1.22(d, 6'-H3), 2.54(s,
3'-N(CH3)2), 4.90(d, 1"-H), 1.63(dd,2"-Hax), 2.27
(d, 2"-Heq), 1.09(s, 3"-CH3), 4.71(d, 4"-H), 4.59
(dq, 5"-H), 1.07(d, 6"-H3), 3.25(s, 3"-OCH3), 2.28
(dd, 4"-OCOCH2 CH(CH3)2)
【0074】実施例17化合物(18)(一般式(I)において、R1が水素原子
で表され、R2がイソブチル基で表される化合物)(3"-O-
メチルロイコマイシンA1)の製造法 化合物(17) 41 mgに2M TBAF/THF溶液 300μlを加
え、45oCで50分間反応させた。反応液を室温に戻した
後、5%硫酸水素カリウム水溶液 1.0 mlを滴下し、クロ
ロホルム 10 mlで2回抽出した。クロロホルム層を合わ
せ、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液 20 mlで2回、飽和
食塩水 20 mlで2回順次洗浄した後、無水硫酸ナトリウ
ムで乾燥し、これを濾過した。濾液を減圧濃縮して得ら
れた残さを分取用TLC(展開系:クロロホルム-メタノー
ル-濃アンモニア水(400:20:1))で精製して、化合物
(18) 9.0 mgを得た。 化合物(18)の理化学的性状 (1) 色および形状 : 無色固体 (2) 分子式 : C4169NO14 (3) マススペクトル (EIMS) : m/z 799 (M)+ (4) 比旋光度 : [α]D 18 -66°(c0.5, CH3OH) (5) 融点 : 明瞭な融点を示さず、100〜104℃で
熔融 (6) 1H NMRスペクトル (400MHz, CDCl3) δ
(ppm) : 2.20(d, 2-H),2.69(dd, 2-H), 3.78(br d, 3
-H), 3.08(br d, 4-H), 3.53(s, 4-OCH3), 4.10(br d,
5-H), 0.98(br ddd, 7-H), 1.58(br dt, 7-H), 1.99(m,
8-H), 4.08(dd,9-H), 5.67(dd, 10-H), 6.25(dd, 11-
H), 6.02(br dd, 12-H), 5.59(ddd, 13-H), 2.10(dt, 1
4-H), 2.50(br dt, 14-H), 5.28(ddq, 15-H), 1.29(d,
16-H3), 2.32(br dd, 17-H), 2.86(br dd, 17-H), 9.79
(br s, 18-H), 0.97(d, 19-H3), 4.57(d, 1'-H), 3.22
(dd, 2'-H), 2.42(t, 3'-H), 3.44(t, 4'-H), 3.27(dq,
5'-H), 1.18(d, 6'-H3), 2.56(s, 3'-N(CH3)2), 4.92
(d, 1"-H), 1.65(dd, 2"-Hax),2.27(d, 2"-Heq), 1.09
(s, 3"-CH3), 4.71(d, 4"-H), 4.53(dq, 5"-H), 1.07
(d, 6"-H3), 3.24(s, 3"-OCH3), 2.28(dd, 4"-OCOCH2 CH
(CH3)2), 2.13(m, 4"-OCOCH2CH(CH3)2), 0.95(d, 4"-OC
OCH2CH(CH3)2 )
【0075】実施例18化合物(19)(一般式(III)において、R2がエチル
基で表され、R4及びR5が共にTBDMS基で表され、R6がア
セチル基で表される化合物)の製造法 粗化合物(2) 1.0 gを乾燥DMSO 30 mlと無水酢酸 3.0
mlの混合溶液に溶解した後、45oCで5日間反応させ
た。反応液にベンゼン 400 mlを加えた後、精製水 400
mlで2回、同量の飽和食塩水で2回順次洗浄した。有機
層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、これを濾過し濾液を
減圧濃縮して得られた残さ 1.1 gをシリカゲルカラムク
ロマトグラフィー(100 g:ヘキサン-酢酸エチル(2:
1))で精製して、化合物(19) 612 mgを得た。 化合物(19)の理化学的性状 (1) 色および形状 : 無色固体 (2) 分子式 : C5497NO15SSi2 (3) マススペクトル (FDMS) : m/z 1088 (M+H)
+ (4) 比旋光度 : [α]D 21 -28°(c1.0, CHCl3) (5) 融点 : 明瞭な融点を示さず、96〜100℃で
熔融 (6) 1H NMRスペクトル (400MHz, CDCl3) δ
(ppm) : 2.66(dd, 2-H), 4.13(br dd, 3-H), 2.95(br
s, 4-H), 3.41(s, 4-OCH3), 3.28(br d, 5-H), 0.40(b
r dd, 7-H), 1.51(m, 8-H), 4.17(br dd, 9-H), 5.94
(m, 10-H), 5.94(m,11-H), 6.30(br dd, 12-H), 5.46(d
dd, 13-H), 4.64(ddq, 15-H), 1.29(d, 16-H 3), 1.44(b
r d, 17-H), 1.63(dt, 17-H), 4.52(br d, 18-H), 0.91
(d, 19-H3),4.25(d, 1'-H), 5.05(dd, 2'-H), 2.75(t,
3'-H), 3.15(t, 4'-H), 3.26(dq, 5'-H), 1.24(d, 6'-H
3), 2.09(s, 2'-OCOCH3), 2.42(s, 3'-N(CH3)2), 4.83
(d, 1"-H), 1.70(dd, 2"-Hax), 1.17(s, 3"-CH3), 4.67
(d, 4"-H), 4.58(dq, 5"-H), 1.05(d, 6"-H3), 4.52(d,
3"-OCH 2SCH3), 4.64(d, 3"-OCH 2SCH3), 2.21(s, 3"-OC
H2SCH3 ), 2.41(dq, 4"-OCOCH2 CH3), 1.17(t, 4"-OCOCH2
CH3 )
【0076】実施例19化合物(20)(式(IX)において、R2がエチル基で表
され、R4及びR5が共にTBDMS基で表される化合物)の製
造法 化合物(19) 580 mgをメタノール 60 mlに溶解した
後、40oCで2日間反応させた。反応液を減圧濃縮して化
合物(20) 550 mgを得た。 化合物(20)の理化学的性状 (1) 色および形状 : 無色固体 (2) 分子式 : C5295NO14SSi2 (3) マススペクトル (SIMS) : m/z 1046 (M+H)
+ (4) 比旋光度 : [α]D 21 -17°(c1.0, CH3OH) (5) 融点 : 明瞭な融点を示さず、75〜78℃で熔
融 (6) 1H NMRスペクトル (400MHz, CDCl3) δ
(ppm) : 4.02(br dd, 3-H), 3.23(br s, 4-H), 3.43
(s, 4-OCH3), 3.47(br d, 5-H), 2.15(m, 6-H), 0.41(b
r dd, 7-H), 1.59(m, 8-H), 4.18(br dd, 9-H), 5.70(b
r dd, 10-H), 6.08(m, 11-H), 6.08(m, 12-H), 5.60(d
t, 13-H), 2.27(m, 14-H), 4.81(ddq, 15-H),1.29(d, 1
6-H3), 1.42(br d, 17-H), 1.65(dt, 17-H), 4.55(br
d, 18-H), 0.91(d, 19-H3), 4.26(d, 1'-H), 3.41(dd,
2'-H), 3.23(t, 4'-H), 3.23(dq, 5'-H), 1.20(d, 6'-H
3), 2.53(s, 3'-N(CH3)2), 4.87(d, 1"-H), 1.70(dd,
2"-Hax),2.24(d, 2"-Heq), 1.17(s, 3"-CH3), 4.65(d,
4"-H), 4.59(dq, 5"-H), 1.05(d, 6"-H3), 4.50(d, 3"-
OCH 2SCH3), 4.63(d, 3"-OCH 2SCH3), 2.17(s, 3"-OCH2SC
H 3 ), 2.40(dq, 4"-OCOCH2 CH3), 1.16(t, 4"-OCOCH2CH3 )
【0077】実施例20化合物(21)(式(X)において、R2がエチル基で表
され、R4及びR5が共にTBDMS基で表される化合物)の製
造法 始めに実施例6の如く、ラネーニッケルの活性をコント
ロールした。次いで化合物(20) 550 mgをエタノー
ル 12.5 mlに溶解し、上記のラネーニッケル 25.0 mlを
12.5 mlのエタノールと共に反応溶液に加えた。これを
室温で90分間激しく撹拌した後、不溶物を濾過した。
濾液を減圧濃縮して得られた残さ 540 mgを分取用TLC
(展開系:クロロホルム-メタノール-濃アンモニア水(3
00:10:1))で精製して、化合物(21) 166 mgを得
た。 化合物(21)の理化学的性状 (1) 色および形状 : 無色固体 (2) 分子式 : C5193NO14Si2 (3) マススペクトル (SIMS) : m/z 1000 (M+H)
+ (4) 比旋光度 : [α]D 21 -4°(c1.0, CH3OH) (5) 融点 : 明瞭な融点を示さず、68〜70℃で熔
融 (6) 1H NMRスペクトル (400MHz, CDCl3) δ
(ppm) : 4.04(br dd, 3-H), 3.44(s, 4-OCH3), 3.48
(br d, 5-H), 2.17(m, 6-H), 0.42(br dd, 7-H), 1.60
(m, 8-H), 4.19(br dd, 9-H), 5.71(br dd, 10-H), 6.1
0(m, 11-H), 6.10(m,12-H), 5.62(dt, 13-H), 2.30(m,
14-H), 4.82(ddq, 15-H), 1.30(d, 16-H3),1.43(br d,
17-H), 1.67(dt, 17-H), 4.57(br d, 18-H), 0.92(d, 1
9-H3), 4.30(d, 1'-H), 3.38(dd, 2'-H), 2.47(t, 3'-
H), 3.31(t, 4'-H), 1.22(d, 6'-H3),2.54(s, 3'-N(C
H3)2), 4.90(d, 1"-H), 1.64(dd, 2"-Hax), 2.27(d, 2"
-Heq),1.09(s, 3"-CH3), 4.71(d, 4"-H), 4.59(dq, 5"-
H), 1.07(d, 6"-H3), 3.26(s,3"-OCH3), 2.42(apparent
q, 4"-OCOCH 2CH3), 2.43(apparent q, 4"-OCOCH 2CH3),
1.16(t, 4"-OCOCH2CH3 )
【0078】実施例21化合物(22)(一般式(I)において、R1が水素原子
で表され、R2がエチル基で表される化合物)(特願平5-
169418)の製造法 化合物(21) 163 mgに2M TBAF/THF溶液 1.22 mlを加
え、45oCで1時間反応させた。反応液を室温に戻した
後、5%硫酸水素カリウム水溶液 4.0 mlを滴下し、クロ
ロホルム 40 mlで2回抽出した。クロロホルム層を合わ
せ、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液 80 mlで2回、飽和
食塩水 80 mlで2回順次洗浄した後、無水硫酸ナトリウ
ムで乾燥し、これを濾過した。濾液を減圧濃縮して得ら
れた残さを分取用TLC(展開系:クロロホルム-メタノー
ル-濃アンモニア水(400:20:1))で精製して、化合物
(22) 50 mgを得た。
【0079】参考例2化合物(23)(式(VI)において、R3がエチル基で表
され、R4、R5及びR6がいずれもTBDMS基で表される化合
物)(特願平5-206731)の製造法 ロイコマイシンA7 1.00 gに乾燥DMF 12 mlを加え溶解
し、TBDMSCl 1.18 g及びイミダゾール 1.08 gを加え、5
0℃で24時間撹拌した。反応液を室温に戻した後、メ
タノール 50 mlを加え室温で30分間撹拌し、反応液を
減圧濃縮した。得られた残さをベンゼン 500 mlで抽出
し、ベンゼン層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液 500 m
lで2回、飽和食塩水 500 mlで2回順次洗浄した後、無
水硫酸ナトリウムで乾燥しこれを濾過した。濾液を減圧
濃縮して乾燥後、粗化合物(23) 1.22 gを得た。
【0080】参考例3化合物(24)(式(VII)において、R4、R5及びR6
いずれもTBDMS基で表される化合物)(特願平5-20673
1)の製造法 粗化合物(23) 1.16 gにベンゼン 130 mlを加え溶解
し、25%水酸化ナトリウム水溶液 65 ml及び硫酸水素テ
トラ-n-ブチルアンモニウム 358 mgを加え、室温で2時
間激しく撹拌した。ベンゼン層を分取した後、飽和食塩
水 150 mlで2回洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥
後、これを濾過した。濾液を減圧濃縮して得られた残さ
をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(200 g:クロ
ロホルム-メタノール(30:1))で精製し、化合物(2
4) 795 mgを得た。
【0081】実施例22化合物(25)(式(VIII)において、R2がイソブチル
基で表され、R4、R5及びR6がいずれもTBDMS基で表され
る化合物)の製造法 化合物(24) 430 mgに乾燥ピリジン 4.3 mlを加え溶
解し、イソバレリルクロリド 248 mgを加え室温で10
分間撹拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液
50 mlを加え、クロロホルム 50 mlで2回抽出した。ク
ロロホルム層を飽和食塩水 50 mlで2回洗浄した後、無
水硫酸ナトリウムで乾燥し、これを濾過した。濾液を減
圧濃縮して乾燥後、得られた残さ 650 mgを分取用TLC
(展開系:ヘキサン-酢酸エチル(2:1))で精製して、化
合物(25) 326 mgを得た。 化合物(25)の理化学的性状 (1) 色および形状 : 無色固体 (2) 分子式 : C58109NO14Si3 (3) マススペクトル (SIMS) : m/z 1128 (M+H)
+ (4) 比旋光度 : [α]D 14 -17°(c1.0, CH3OH) (5) 融点 : 明瞭な融点を示さず、78〜81℃で熔
融 (6) 1H NMRスペクトル (400MHz, CDCl3) δ
(ppm) : 2.38(dd ,2-H), 2.61(dd, 2-H), 4.22(m, 3-
H), 3.14(br s, 4-H), 3.38(s, 4-OCH3), 3.42(brdd, 5
-H), 0.41(br dd, 7-H), 1.70(m, 8-H), 4.23(m, 9-H),
5.74(br dd, 10-H), 6.11(m, 11-H), 6.11(m, 12-H),
5.62(dt, 13-H), 2.45(m, 14-H), 4.84(ddq, 15-H), 1.
30(d, 16-H3), 1.38(dt, 17-H), 1.65(br d, 17-H), 4.
63(br dd,18-H), 0.93(d, 19-H3), 4.20(d, 1'-H), 3.5
3(dd, 2'-H), 2.55(t, 3'-H), 3.34(t, 4'-H), 3.30(d
q, 5'-H), 1.25(d, 6'-H3), 2.53(s, 3'-N(CH3)2), 5.1
0(d,1"-H), 1.85(dd, 2"-Hax), 2.00(d, 2"-Heq), 1.10
(s, 3"-CH3), 4.62(d, 4"-H), 4.37(dq, 5"-H), 1.14
(d, 6"-H3), 2.29(d, 4"-OCOCH2 CH(CH3)2), 2.13(m, 4"
-OCOCH2CH(CH3)2), 0.97(d, 4"-OCOCH2CH(CH3)2 )
【0082】実施例23化合物(26)(一般式(III)において、R2がイソブ
チル基で表され、R4、R5及びR6がいずれもTBDMS基で表
される化合物)の製造法 化合物(25) 326 mgを乾燥DMSO 9.8 mlと無水酢酸
0.98 mlの混合溶液に溶解した後、45oCで5日間反応さ
せた。反応液にベンゼン 100 mlを加えた後、精製水 10
0 mlで2回、同量の飽和食塩水で2回順次洗浄した。有
機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、これを濾過し濾液
を減圧濃縮して得られた残さを分取用TLC(展開系:ヘ
キサン-酢酸エチル(4:1))で精製して、化合物(26)
95 mgを得た。 化合物(26)の理化学的性状 (1) 色および形状 : 無色固体 (2) 分子式 : C60113NO14SSi3 (3) マススペクトル (SIMS) : m/z 1188 (M+H)
+ (4) 比旋光度 : [α]D 14 -22°(c1.0, CH3OH) (5) 融点 : 明瞭な融点を示さず、90〜92℃で熔
融 (6) 1H NMRスペクトル (400MHz, CDCl3) δ
(ppm) : 2.42(dd, 2-H), 2.60(dd, 2-H), 4.19(m, 3-
H), 3.14(br s, 4-H), 3.40(s, 4-OCH3), 0.38(brdd, 7
-H), 1.66(m, 8-H), 4.21(m, 9-H), 5.74(dd, 10-H),
6.11(m, 11-H), 6.11(m, 12-H), 5.61(dt, 13-H), 4.80
(ddq, 15-H), 1.31(d, 16-H3), 1.41(dt, 17-H), 1.62
(br d, 17-H), 4.60(br dd, 18-H), 0.92(d, 19-H3),
4.17(d, 1'-H), 2.48(t, 3'-H), 1.22(d, 6'-H3), 2.50
(s, 3'-N(CH3)2), 4.98(d, 1"-H), 1.74(dd, 2"-Hax),
2.25(d, 2"-Heq), 1.20(s, 3"-CH3), 4.71(d, 4"-H),
4.55(dq,5"-H), 1.08(d, 6"-H3), 4.52(d, 3"-OCH 2SC
H3), 4.65(d, 3"-OCH 2SCH3), 2.18(s, 3"-OCH2SCH3 ),
2.27(d, 4"-OCOCH2 CH(CH3)2), 2.13(m, 4"-OCOCH2CH(CH
3)2), 0.97(d, 4"-OCOCH2CH(CH3)2 )
【0083】実施例24化合物(17)(式(X)において、R2がイソブチル基
で表され、R4及びR5が共にTBDMS基で表される化合物)
の製造法 始めに実施例6の如く、ラネーニッケルの活性をコント
ロールした。次いで化合物(26) 160 mgをエタノー
ル 3.4 mlに溶解し、上記のラネーニッケル 10mlを 3.4
mlのエタノールと共に反応溶液に加えた。これを室温
で30分間激しく撹拌した後、不溶物を濾過した。濾液
を減圧濃縮して得られた残さ 150 mgにクロロホルム 5.
7 mlを加え溶解し、m-クロロ過安息香酸 26 mgを加え、
室温で5分間撹拌した。反応液を10%チオ硫酸ナトリウ
ム水溶液 30 mlに滴下し、クロロホルム 60 mlで抽出し
た。クロロホルム層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液 6
0 ml及び飽和食塩水 60 mlで各2回順次洗浄した後、無
水硫酸ナトリウムで乾燥し、これを濾過した。濾液を減
圧濃縮して得られた残さを分取用TLCにチャージし、3
日間放置後、展開(展開系:クロロホルム-メタノール-
濃アンモニア水(300:10:1))して精製し、化合物(1
7) 41 mgを得た。
【0084】参考例4化合物(27)(式(V)において、R3がエチル基で表
され、R5及びR6が共にアセチル基で表される化合物)
(Pharmazie,39(6),414、特公昭53-30718)の製造法 ロイコマイシンA7 5.0 gに乾燥ピリジン 100 mlを加え
溶解し、無水酢酸 2.7gを加え室温で2日間撹拌した。
反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液 500 mlを徐々
に加え室温で30分撹拌した。これを塩化メチレン 500
mlで2回抽出し、有機層を飽和食塩水 500 mlで2回洗
浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、これを濾過し
た。濾液を減圧濃縮して得られた残さをシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィー(300 g:ヘキサン-酢酸エチル
(1:3))で精製し、化合物(27)3.3 gを得た。
【0085】実施例25化合物(28)(式(VI)において、R3がエチル基で表
され、R4がTBDMS基で表され、R5及びR6が共にアセチル
基で表される化合物)の製造法 化合物(27) 3.05 gに乾燥DMF 30 mlを加え溶解し、
TBDMSCl 1.10 g及びイミダゾール 989 mgを加え、45oC
で一昼夜撹拌した。反応液を室温に戻した後、反応液を
減圧濃縮した。得られた残さに塩化メチレン 300 mlを
加え溶解した後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液 300 m
lを加え室温で30分間撹拌した。有機層を分取し飽和
食塩水 300 mlで2回洗浄した後、無水硫酸ナトリウム
で乾燥し、これを濾過した。濾液を減圧濃縮して得られ
た残さをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(300
g:ヘキサン-酢酸エチル(2:1))で精製し、化合物(2
8)1.85 gを得た。 化合物(28)の理化学的性状 (1) 色および形状 : 無色固体 (2) 分子式 : C4881NO16Si (3) マススペクトル (FDMS) : m/z 955 (M)+ (4) 比旋光度 : [α]D 17 -35°(c1.0, CHCl3) (5) 融点 : 明瞭な融点を示さず、100〜102℃で
熔融 (6) 1H NMRスペクトル (400MHz, CDCl3) δ
(ppm) : 2.60(dd, 2-H), 3.99(br dd, 3-H), 3.04(br
d, 4-H), 3.40(s, 4-OCH3), 3.32(br d, 5-H), 0.55(b
r dd, 7-H), 2.18(m, 7-H), 1.74(m, 8-H), 5.35(br d,
9-H), 2.14(s, 9-OCOCH3), 5.70(dd, 10-H), 6.16(br
dd, 11-H), 6.04(br dd, 12-H), 5.56(dt,13-H), 4.77
(ddq, 15-H), 1.28(d, 16-H3), 1.54(m, 17-H), 4.54(b
r d, 18-H),0.92(d, 19-H3), 4.37(d, 1'-H), 5.06(dd,
2'-H), 2.74(t, 3'-H), 3.32(t, 4'-H), 3.32(dq, 5'-
H), 1.29(d, 6'-H3), 2.08(s, 2'-OCOCH3), 2.41(s, 3'
-N(CH3)2), 5.08(d, 1"-H), 1.84(dd, 2"-Hax), 1.99
(d, 2"-Heq), 1.10(s, 3"-CH3), 4.61(d, 4"-H), 4.41
(dq, 5"-H), 1.12(d, 6"-H3), 1.16(t, 4"-OCOCH2CH3 )
【0086】実施例26化合物(29)(一般式(III)において、R2がエチル
基で表され、R4がTBDMS基で表され、R5及びR6が共にア
セチル基で表される化合物)の製造法 化合物(28) 1.80 gを乾燥DMSO 54 mlと無水酢酸 5.
4 mlの混合溶液に溶解した後、45oCで3日間反応させ
た。反応液にベンゼン 300 mlを加えた後、精製水 300
mlで2回、同量の飽和食塩水で2回順次洗浄した。有機
層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後これを濾過し、濾液を
減圧濃縮して得られた残さをシリカゲルカラムクロマト
グラフィー(180 g:ヘキサン-酢酸エチル(2:1))で精
製して、化合物(29) 440 mgを得た。 化合物(29)の理化学的性状 (1) 色および形状 : 無色固体 (2) 分子式 : C5085NO16SSi (3) マススペクトル (FDMS) : m/z 1015 (M)+ (4) 比旋光度 : [α]D 17 -44°(c1.0, CHCl3) (5) 融点 : 明瞭な融点を示さず、77〜81℃で熔
融 (6) 1H NMRスペクトル (400MHz, CDCl3) δ
(ppm) : 2.61(dd, 2-H), 4.02(br dd, 3-H), 3.04(br
d, 4-H), 3.42(s, 4-OCH3), 3.39(br d, 5-H), 0.55(b
r dd, 7-H), 1.74(m, 8-H), 5.35(br d, 9-H), 2.13(s,
9-OCOCH3), 5.72(dd, 10-H), 6.18(dd, 11-H), 6.03(b
r dd, 12-H), 5.56(dt, 13-H), 4.75(ddq,15-H), 1.28
(d, 16-H3), 4.55(br d, 18-H), 0.91(d, 19-H3), 4.35
(d, 1'-H),5.02(dd, 2'-H), 2.75(t, 3'-H), 3.20(t,
4'-H), 3.27(dq, 5'-H), 1.25(d, 6'-H3), 2.07(s, 2'-
OCOCH3), 2.42(s, 3'-N(CH3)2), 4.84(d, 1"-H), 1.69
(dd, 2"-Hax), 2.24(d, 2"-Heq), 1.16(s, 3"-CH3), 4.
67(d, 4"-H), 4.59(dq, 5"-H),1.04(d, 6"-H3), 4.52
(d, 3"-OCH 2SCH3), 4.63(d, 3"-OCH 2SCH3), 2.20(s, 3"
-OCH2SCH3 ), 1.16(t, 4"-OCOCH2CH3 )
【0087】実施例27化合物(30)(式(IX)において、R2がエチル基で表
され、R4がTBDMS基で表され、R5がアセチル基で表され
る化合物)の製造法 化合物(29) 420 mgをメタノール 42 mlに溶解した
後、40oCで2日間反応させた。反応液を減圧濃縮して化
合物(30) 400 mgを得た。 化合物(30)の理化学的性状 (1) 色および形状 : 無色固体 (2) 分子式 : C4883NO15SSi (3) マススペクトル (FDMS) : m/z 973 (M)+ (4) 比旋光度 : [α]D 17 -21°(c1.0, CH3OH) (5) 融点 : 明瞭な融点を示さず、75〜78℃で熔
融 (6) 1H NMRスペクトル (400MHz, CDCl3) δ
(ppm) : 2.67(dd, 2-H), 3.99(br dd, 3-H), 3.28(br
d, 4-H), 3.47(s, 4-OCH3), 3.59(br d, 5-H), 0.67(b
r dd, 7-H), 1.86(m, 8-H), 5.40(br d, 9-H), 2.13(s,
9-OCOCH3), 5.61(dd, 10-H), 6.06(m, 11-H), 6.06(m,
12-H), 5.67(dt, 13-H), 4.87(ddq, 15-H), 1.29(d, 1
6-H3), 1.40(br dt, 17-H), 1.79(br dd, 17-H), 4.58
(br d, 18-H), 0.93(d, 19-H3), 4.32(d, 1'-H), 3.39
(dd, 2'-H), 2.48(t, 3'-H), 3.37(t,4'-H), 3.27(dq,
5'-H), 1.23(d, 6'-H3), 2.55(s, 3'-N(CH3)2), 4.91
(d, 1"-H), 1.72(dd, 2"-Hax), 2.26(d, 2"-Heq), 1.18
(s, 3"-CH3), 4.66(d, 4"-H), 4.59(dq, 5"-H), 1.06
(d, 6"-H3), 4.51(d, 3"-OCH 2SCH3), 4.64(d, 3"-OCH 2S
CH3), 2.17(s, 3"-OCH2SCH3 ), 1.17(t, 4"-OCOCH2CH3 )
【0088】実施例28化合物(31)(式(X)において、R2がエチル基で表
され、R4がTBDMS基で表され、R5がアセチル基で表され
る化合物)の製造法 始めに実施例6の如く、ラネーニッケルの活性をコント
ロールした。次いで化合物(30) 400 mgをエタノー
ル 10 mlに溶解した後、上記のラネーニッケル10 mlを
10 mlのエタノールと共に反応溶液に加えた。これを室
温で45分間激しく撹拌した後、不溶物を濾過した。濾
液を減圧濃縮して得られた残さ 360 mgを分取用TLC(展
開系:クロロホルム-メタノール-濃アンモニア水(300:1
0:1))で精製して、化合物(31) 150 mgを得た。 化合物(31)の理化学的性状 (1) 色および形状 : 無色固体 (2) 分子式 : C4781NO15Si (3) マススペクトル (FDMS) : m/z 927 (M)+ (4) 比旋光度 : [α]D 17 -14°(c1.0, CH3OH) (5) 融点 : 明瞭な融点を示さず、80〜83℃で熔
融 (6) 1H NMRスペクトル (400MHz, CDCl3) δ
(ppm) : 2.66(dd, 2-H), 4.00(br dd, 3-H), 3.28(br
d, 4-H), 3.47(s, 4-OCH3), 3.58(br d, 5-H), 0.67(b
r dd, 7-H), 1.85(m, 8-H), 5.39(br d, 9-H), 2.12(s,
9-OCOCH3), 5.61(dd, 10-H), 6.06(m, 11-H), 6.06(m,
12-H), 5.67(dt, 13-H), 4.86(ddq, 15-H), 1.29(d, 1
6-H3), 1.39(br dt, 17-H), 1.78(br dd, 17-H), 4.58
(br d, 18-H), 0.92(d, 19-H3), 4.35(d, 1'-H), 3.35
(dd, 2'-H), 3.42(t, 4'-H), 1.24(d,6'-H3), 2.55(s,
3'-N(CH3)2), 4.92(d, 1"-H), 1.64(dd, 2"-Hax), 2.27
(d, 2"-Heq), 1.08(s, 3"-CH3), 4.70(d, 4"-H), 4.60
(dq, 5"-H), 1.05(d, 6"-H3), 3.25(s, 3"-OCH3), 2.41
(apparent q, 4"-OCOCH 2CH3), 2.42(apparent q, 4"-OC
OCH 2CH3), 1.15(t, 4"-OCOCH2CH3 )
【0089】実施例29化合物(32)(一般式(I)において、R1がアセチル
基で表され、R2がエチル基で表される化合物)(特願平
5-169418)の製造法 化合物(31) 127 mgに2M TBAF/THF溶液 685μlを加
え、45oCで35分間反応させた。反応液を室温に戻した
後、5%硫酸水素カリウム水溶液 3.0 mlを滴下し、クロ
ロホルム 30 mlで2回抽出した。クロロホルム層を合わ
せ、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液 50 mlで2回、飽和
食塩水 50 mlで2回順次洗浄した後、無水硫酸ナトリウ
ムで乾燥し、これを濾過した。濾液を減圧濃縮して得ら
れた残さを分取用TLC(展開系:クロロホルム-メタノー
ル:濃アンモニア水(400:20:1))で精製して、化合物
(32) 68 mgを得た。
【0090】実施例30化合物(33)(一般式(I)において、R1がプロピオ
ニル基で表され、R2がエチル基で表される化合物)(3"
-O-メチル-9-O-プロピオニルロイコマイシンA7)の製
造法 化合物(22) 15 mgにトルエン 1.3 mlを加え溶解
し、乾燥ピリジン 14 μl及びプロピオニルクロリド 14
μlを加え室温で1時間撹拌した。反応液に飽和炭酸水
素ナトリウム水溶液 20 mlを徐々に加え、クロロホルム
20 mlで2回抽出した。クロロホルム層を合わせ、飽和
食塩水 40 mlで2回順次洗浄した後、無水硫酸ナトリウ
ムで乾燥し、これを濾過した。濾液を減圧濃縮して得ら
れた残さを分取用TLC(展開系:クロロホルム-メタノー
ル-濃アンモニア水(400:20:1))で精製して、化合物
(33) 15 mgを得た。 化合物(33)の理化学的性状 (1) 色および形状 : 無色固体 (2) 分子式 : C4269NO15 (3) マススペクトル (EIMS) : m/z 827 (M)+ (4) 比旋光度 : [α]D 18 -50°(c1.0, CH3OH) (5) 融点 : 明瞭な融点を示さず、128〜132℃で
熔融 (6) 1H NMRスペクトル (400MHz, CDCl3) δ
(ppm) : 2.20(d, 2-H),2.69(dd, 2-H), 3.77(br d, 3
-H), 3.07(br d, 4-H), 3.52(s, 4-OCH3), 4.12(br d,
5-H), 0.96(br ddd, 7-H), 1.61(br dt, 7-H), 1.98(m,
8-H), 5.16(dd,9-H), 2.26(q, 9-OCOCH2 CH3), 1.09(t,
9-OCOCH2CH3 ), 5.59(dd, 10-H), 6.38(dd, 11-H), 6.0
2(br dd, 12-H), 5.63(ddd, 13-H), 2.11(dt, 14-H),
2.49(br dt, 14-H), 5.27(ddq, 15-H), 1.29(d, 16-
H3), 2.81(br dd, 17-H), 9.78(br s,18-H), 0.96(d, 1
9-H3), 4.55(d, 1'-H), 3.19(dd, 2'-H), 3.43(t, 4'-
H), 3.26(dq, 5'-H), 1.18(d, 6'-H3), 2.56(s, 3'-N(C
H3)2), 4.92(d, 1"-H), 1.65(dd, 2"-Hax), 2.28(d, 2"
-Heq), 1.09(s, 3"-CH3), 4.70(d, 4"-H), 4.52(dq, 5"
-H), 1.06(d, 6"-H3), 3.24(s, 3"-OCH3), 2.41(appare
nt q, 4"-OCOCH 2CH3), 2.42(apparent q, 4"-OCOCH 2C
H3), 1.16(t, 4"-OCOCH2CH3 )
【0091】
【発明の効果】第一の本発明の効果とするところは、最
強の抗菌活性を有するロイコマイシン類新規16員環マ
クロリド誘導体の造出にある。即ち本発明で得られる一
般式(I)で表される化合物(8)、(13)、(1
8)は、何れも臨床上重要なグラム陽性菌等に対して強
い抗菌力を有している。表1に3種の本発明化合物と、
比較の為にミオカマイシン(MOM)並びにロキタマイシ
ン(RKM)の同時測定による抗菌活性を示した。表1に示
す様に、特に化合物(8)、(13)は、現在市販され
ている16員環マクロリド抗生物質の中で最も優れた抗
菌力を有するRKMと比較して、顕著に優れた抗菌活性を
示している。事実それらの抗菌力は、代表的な14員環
ニューマクロリド抗生物質であるクラリスロマイシンに
匹敵した。
【0092】
【表1】
【0093】第二の本発明の効果とするところは、一般
式(II)で表される天然に存在する公知の16員環マク
ロリド抗生物質を出発原料として、グリコシル化反応を
経由することなくかつ純合成化学的に、一般式(I)で
表される新規16員環マクロリド誘導体を調製する新規
製造法を提供することにある。当該新規製造法を提供し
たことにより、化学的安定性の良好でない化合物に存在
する3級水酸基へあくまで緩和な反応条件により間接的
にメチル基を導入することと同時に、天然型・非天然型
を問わず所望とするアシル側鎖を4"位に有する当該新規
16員環マクロリド誘導体を製造することを可能にし
た。即ち、本新規製造法は、マイカロース部分の3級水
酸基にメチル基を導入する方法論を提供したに留まら
ず、選択的な脱アシル化反応後、引き続き中性糖部分で
ある4"位水酸基をアシル化することによる抜本的化学変
換法をも提供している。従って、本新規製造法を用いる
ことによって、マイカロース部分である4"位水酸基が修
飾された全く新しい構造の新規16員環マクロリド誘導
体を造出することが可能である。
【0094】また現在までのところ、化合物(8)の如
くマイカロース部分である4"位の水酸基に非天然型のア
シル側鎖が導入されていて3"位の水酸基がメチル化され
ているロイコマイシン類誘導体は、全く知られていな
い。それ故、これらの化合物を新しく提供することで、
それらの生化学的評価を進めることにより、強力活性を
有する新規物質を造出することはもとより、16員環マ
クロリド誘導体の構造と活性の相関及び構造とそれらの
薬動力学との相関を解明する重要な情報を提供すること
が可能となった。事実、非天然型のアシル側鎖を有する
化合物(8)、及び本発明製造法を用いることなくして
事実上合成化学的に製造することが困難である化合物
(13)は、天然型のアシル側鎖を有する化合物(1
8)と比較して、僅かながら優れた抗菌活性を示してい
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柴原 聖至 神奈川県横浜市港北区師岡町760番地 明 治製菓株式会社薬品総合研究所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の式(I) 【化1】 [式中、R1は水素原子又は水酸基を修飾する置換基であ
    り、R2は水素原子又は炭素数1〜10の直鎖又は分枝鎖
    のアルキル基、アルケニル基又はアラルキル基]で表さ
    れる化合物、又はその薬学的に許容し得る塩。
  2. 【請求項2】 請求項1の式(I)において、R1が水素
    原子で表され、R2がノルマルブチル基で表される化合
    物、又はその薬学的に許容し得る塩。
  3. 【請求項3】 請求項1の式(I)において、R1が水素
    原子で表され、R2がイソプロピル基で表される化合物、
    又はその薬学的に許容し得る塩。
  4. 【請求項4】 請求項1の式(I)において、R1が水素
    原子で表され、R2がイソブチル基で表される化合物、又
    はその薬学的に許容し得る塩。
  5. 【請求項5】 請求項1の式(I)において、R1がプロ
    ピオニル基で表され、R2がエチル基で表される化合物、
    又はその薬学的に許容し得る塩。
  6. 【請求項6】 次の式(II) 【化2】 [式中、R3は炭素数1〜4の直鎖又は分枝鎖のアルキル
    基]で表される天然に存在する16員環マクロリド抗生
    物質、又はその塩を出発原料として用いて、次の式(II
    I) 【化3】 [式中、R2は水素原子又は炭素数1〜10の直鎖あるい
    は分枝鎖のアルキル基、アルケニル基又はアラルキル基
    であり、R4はシリル保護基であり、R5はシリル保護基・
    アセタール系保護基等の水酸基の保護基又は水酸基を修
    飾する置換基であり、R6はアセチル基又はシリル保護
    基]で表される3"位の水酸基がメチルチオメチル化され
    た合成中間体、又はその塩を経由し、次の式(I) 【化4】 [式中、R1は水素原子又は水酸基を修飾する置換基であ
    り、R2は水素原子又は炭素数1〜10の直鎖又は分枝鎖
    のアルキル基、アルケニル基又はアラルキル基]で表さ
    れる化合物、又はその塩を得るための新規包括的製造
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100361397B1 (ko) * 2000-03-15 2002-11-23 한미약품공업 주식회사 에리스로마이신 에이 9-오-트로필옥심 유도체를 이용한클라리스로마이신의 제조방법

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KR100361397B1 (ko) * 2000-03-15 2002-11-23 한미약품공업 주식회사 에리스로마이신 에이 9-오-트로필옥심 유도체를 이용한클라리스로마이신의 제조방법

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