JPH0617967Y2 - チエン式オ−バ−ヘツドドアにおけるチエン収納構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は建造物等の開口部に設けられるチエン式オーバ
ーヘツドドアにおけるチエン収納構造に関するものであ
る。

〔従来技術及び考案が解決しようとする問題点〕

一般に、この種オーバーヘツドドアのなかには、ドア体
の下端部に一端が連結されたチエンを開口部上部に設け
たスプロケツトに噛合せしめてドア体を吊持し、スプロ
ケツトの正逆回動によってドア体の開閉を行うようにし
たチエン式のものがある。しかるに従来、このものはチ
エンの遊端側がスプロケツトからそのまま垂下する構成
となっている。このため、この垂下したチエンが邪魔と
なり、そこで筒状のチエンケースを設けたりしている
が、これが邪魔であるという点では依然として変わりな
く、特に複数枚のドア体を連続させるような場合におい
て、中柱は移動中柱にしたりすることによって処理でき
るが、チエンケースは外すことができないこととなって
邪魔であり、問題となっている。

〔問題を解決する手段〕

本考案は、上記の如き実情に鑑み、これらの欠点を一掃
することができるチエン式オーバーヘツドドアにおける
チエン収納構造を提供することを目的として創案された
ものであって、 ドア体の下端部に一端が連結されたチエンを、開口部上
方に配したスプロケツトの正逆回動で移送せしめること
で、ドア体をガイドレールに添って開閉作動するように
したチエン式オーバーヘツドドアにおいて、前記ドア体
の上端側には、チエン遊端部を連結して、巻上げられた
チエンをガイドレールの収納部に添って移送せしめると
共に、ガイドレールの収納部には、上記移送されたチエ
ンをガイドするチエンレールが設けられていることを特
徴とするものである。

そして本考案は、この構成によって、チエン式のオーバ
ーヘツドドアでありながら、チエンを何ら邪魔にならな
いよう処理できるようにしたものである。

〔実施例〕

次に本考案の一実施例を図面に基づいて説明する。図面
において、１はチエン式オーバーヘツドドアであって、
該チエン式オーバーヘツドドア１を構成するドア体２は
複数枚のパネル３を上下方向に蝶番等で面一状に連綴し
て形成されている。４はパネル３の左右両端部に設けら
れたガイドローラであて、これらガイドローラ４が略Ｌ
状ガイドレールの開口部左右両側の垂直部ガイドレール
５ａ及び該垂直部ガイドレール５ａ上端部から湾曲して
天井に添う収納部ガイドレール５ｂにガイドされて転動
されるようになっている。そしてドア体２の最下部のパ
ネル３ａの左右両端にはチエン６の一端が取付けられて
いる。このチエン６は、ガイドレール５ａ湾曲部の上方
に配設されているスプロケツト７に噛合してドア体２を
吊持し、スプロケツト７の正逆回動によってチエン６は
移送され、ドア体２を上下動せしめ開口部を開閉するよ
うになっており、これらは何れも従来通りの構成となっ
ている。

８はドア体２の先頭パネル３ｂよりも更に先頭に位置し
ている可動体であって、該可動体８は、長腕状の基部８
ａの後端部が、先頭パネル３ｂに設けられているガイド
ローラ４の取付部材４ａに摺動自在に取付けられてお
り、基部８ａの前方には補助ローラ９を設け、これによ
って可動体８がガイドレール５上を走行できるように構
成されている。更に基部８ａの先端には連結腕８ｂが一
体的に突設されているが、この連結腕８ｂにはスプロケ
ツト７に噛合されるチエン６の遊端部６ａが弾機１０を
介して連結され、更に、収納部ガイドレール５ｂの外側
方にはチエンレール１２が設けられている。そして開口
部を開放すべくチエン６を巻上げた場合にチエン６は収
納部ガイドレール５ｂを移動する可動体８によって、収
納部ガイドレール５ｂに添うようにチエンレール１２に
案内されて収納せしめられている。

叙述の如く構成された本考案の実施例において、チエン
式オーバーヘツドドア１のドア体２を開放するに、図示
しないモータ等の駆動力によってスプロケツト７を回動
せしめると、ドア体２を吊持しているチエン６が移送さ
れ、ドア体２は垂直部ガイドレール５ａから収納部ガイ
ドレール５ｂに順次移送され、天井部に収納されること
となるが、この場合に、スプロケツト７を介して巻上げ
られるチエン６の遊端側は、ドア体２の先頭に位置して
ドア体２と共に移動する可動体８と連結しているので、
チエン６は垂下することなく、収納部ガイドレール５ｂ
に添うようにして収納処理されることとなる。

このように本考案にあっては、ドア体２を吊持するチエ
ン６の遊端側がドア体の開放と共に長く巻出されても、
開口部に垂下することのない構成であるので、従来ガイ
ドレール５とは別個に設けられているチエンケースを設
ける必要が全くなく開口部を有効に使用でき従って中柱
を用いて複数のドア体を並設するような場合にも直ちに
採用することもできるものである。また、チエン６は可
動体８に案内されて収納部レール５ｂに沿って収納され
る構成であるので第６図に示す第二実施例の如くチエン
６がガイドレール５の内側にある所謂インサイド納りの
場合でも実施できることになる。因みに、インサイド納
りの場合、従来のチエン遊端部６ａが開口部に垂下する
構成では、チエン６がガイドレール５にぶつかって事実
上実施不能であったが、これが解消されたことにより、
収納部ガイドレール５ｂとチエンレール１２とが上下に
縦列した状態に構成すればよく、ガイドレール５のスペ
ースだけでチエン６を収納することができ極めてシンプ
ルな構成とできるものである。また、チエンレール１２
は、収納部ガイドレール５ｂの側壁を利用して敷設され
るものであって、とりたてて別個にチエンレールとして
設なくても良く更に都合が良い。

〔作用効果〕

以上要するに、本考案は叙述の如く構成されたものであ
るから、チエンによってドア体の開閉をするチエン式オ
ーバーヘツドドアでありながら、ドア体開放時に巻上げ
られるチエンの遊端側は、上動するドア体上端側によっ
てガイドレールの収納部に添うように移送されて収納せ
しめられることとなり、従って、従来の如く開口部に垂
下してしまうことがなくなって、邪魔なチエンケースを
廃止し得て、開口部をより広く有効に使用できることに
なる。しかも巻上げられたチエンは、上動するパネル体
自身による移送作用を受けてガイドレールに設けたチエ
ンレール上で収納されるもので、チエンレールはガイド
レールの側壁を利用して形成されるという極めて簡単な
構成で良く、チエンがガイドレールの内側にあるインサ
イド納りとすれば装置のコンパクト化をも計れるもので
ある。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係るチエン式オーバーヘツドドアにおけ
るチエン収納構造の一実施例を示したものであって、第
１図はチエン式オーバーヘツドドアの全体斜視図、第２
図は可動体の拡大側面図、第３図は可動体の第２図で示
すＡ方向からの矢視図、第４図Ａ，Ｂはそれぞれ、吊り
もとの平面図及び収納部ガイドレールの正面図、第５図
は作用説明図、第６図Ａ，Ｂは第二実施例におけるそれ
ぞれ吊りもとの平面図及び収納部ガイドレールの正面図
である。 図中、２はドア体、５はガイドレール、６はチエン、７
はスプロケツト、８はアーム、１２はチエンレールであ
る。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ドア体の下端部に一端が連結されたチエン
   を、開口部上方に配したスプロケツトの正逆回動で移送
   せしめることで、ドア体をガイドレールに添って開閉作
   動するようにしたチエン式オーバーヘツドドアにおい
   て、前記ドア体の上端側には、チエン遊端部を連結し
   て、巻上げられたチエンをガイドレールの収納部に添っ
   て移送せしめると共に、ガイドレールの収納部には、上
   記移送されたチエンをガイドするチエンレールが設けら
   れていることを特徴とするチエン式オーバーヘツドドア
   におけるチエン収納構造。