JPH06179126A - 金属部材同士の結合体及びその製造方法 - Google Patents
金属部材同士の結合体及びその製造方法Info
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- JPH06179126A JPH06179126A JP43A JP35330992A JPH06179126A JP H06179126 A JPH06179126 A JP H06179126A JP 43 A JP43 A JP 43A JP 35330992 A JP35330992 A JP 35330992A JP H06179126 A JPH06179126 A JP H06179126A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 この発明の目的は、実用的である金属部材
同士の接合体を容易に得る製造方法を提供し、更に実用
的である金属部材同士の接合体を提供することである。 【構成】 金属部材同士を、これら両部材の少なくと
も一方の圧入面に滑剤を介在させ圧入することにより結
合する製造方法において、圧入後、熱処理により圧入面
の前記滑剤の過半量を、分解、揮発または低滑剤物質に
変化させることを特徴とする金属部材同士の接合体の製
造方法である。
同士の接合体を容易に得る製造方法を提供し、更に実用
的である金属部材同士の接合体を提供することである。 【構成】 金属部材同士を、これら両部材の少なくと
も一方の圧入面に滑剤を介在させ圧入することにより結
合する製造方法において、圧入後、熱処理により圧入面
の前記滑剤の過半量を、分解、揮発または低滑剤物質に
変化させることを特徴とする金属部材同士の接合体の製
造方法である。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属部材同士の結合体
及びその製造方法に関する。本発明は、特に軸受、回転
磁器ヘッド、テ−プガイド等の高精度が要求される部品
に好適であり、更に高精度が要求される部品を製造する
金型にも好適である。
及びその製造方法に関する。本発明は、特に軸受、回転
磁器ヘッド、テ−プガイド等の高精度が要求される部品
に好適であり、更に高精度が要求される部品を製造する
金型にも好適である。
【従来技術】金属部材同士を嵌合により結合する方法
は、焼ばめ、冷やしばめ、圧入、ネジ止め、加締め等の
手法が一般的に用いられている。
は、焼ばめ、冷やしばめ、圧入、ネジ止め、加締め等の
手法が一般的に用いられている。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら前記の焼
バメや冷バメによる接合方法では大がかりな装置を用い
る必要があり、高コストという問題があった。また圧入
の場合には、圧入時にガジリと呼ばれる現象、即ち圧入
時に金属同士が凝着し金属表面がむしれた状態となる現
象が発生し、圧入荷重が極端に上昇するという難点があ
った。このため、製造した部品の重心がくるい、高精度
の部品の製造が難しいという問題があった。このカジリ
を抑制するため、従来より二硫化モリブデン、黒鉛とい
った滑剤を予め接合部に塗布して圧入する技術が開発さ
れているが、これらの滑剤を用いた場合には、接合後に
も接合部が滑りやすいので接合部の保持力が弱くなり耐
抜け強度や耐ねじり強度が低下するという別の問題が生
じていた。これらの滑剤を分解消失する為には金属部材
を高温にて熱処理する必要があり金属部材の軟化(鋼に
おいては鈍り)現象あるいは酸化の問題が発生する。こ
の発明の目的は、実用的である金属部材同士の接合体を
容易に得る製造方法を提供し、更に実用的である金属部
材同士の接合体を提供することである。
バメや冷バメによる接合方法では大がかりな装置を用い
る必要があり、高コストという問題があった。また圧入
の場合には、圧入時にガジリと呼ばれる現象、即ち圧入
時に金属同士が凝着し金属表面がむしれた状態となる現
象が発生し、圧入荷重が極端に上昇するという難点があ
った。このため、製造した部品の重心がくるい、高精度
の部品の製造が難しいという問題があった。このカジリ
を抑制するため、従来より二硫化モリブデン、黒鉛とい
った滑剤を予め接合部に塗布して圧入する技術が開発さ
れているが、これらの滑剤を用いた場合には、接合後に
も接合部が滑りやすいので接合部の保持力が弱くなり耐
抜け強度や耐ねじり強度が低下するという別の問題が生
じていた。これらの滑剤を分解消失する為には金属部材
を高温にて熱処理する必要があり金属部材の軟化(鋼に
おいては鈍り)現象あるいは酸化の問題が発生する。こ
の発明の目的は、実用的である金属部材同士の接合体を
容易に得る製造方法を提供し、更に実用的である金属部
材同士の接合体を提供することである。
【0003】
【課題を解決するための手段】その手段は、金属部材同
士を、これら両部材の少なくとも一方の圧入面に滑剤を
介在させ圧入することにより結合する製造方法におい
て、圧入後、熱処理により圧入面の前記滑剤の過半量
を、分解、揮発または低滑性物質に変化させることを特
徴とする金属部材同士の接合体の製造方法である。その
手段は、金属部材同士を、これら両部材の少なくとも一
方の圧入面に滑剤を介在させ圧入することにより結合さ
せた結合体において、結合体を引き抜くときの摩擦係数
が、0.05以上且つ0.5以下であり、引き抜き後、
少なくとも一方の圧入面に、C−O結合,C−C結合及
びC=O結合のうち少なくとも一つを含む物質が残存し
ていることを特徴とする金属部材同士の接合体である。
士を、これら両部材の少なくとも一方の圧入面に滑剤を
介在させ圧入することにより結合する製造方法におい
て、圧入後、熱処理により圧入面の前記滑剤の過半量
を、分解、揮発または低滑性物質に変化させることを特
徴とする金属部材同士の接合体の製造方法である。その
手段は、金属部材同士を、これら両部材の少なくとも一
方の圧入面に滑剤を介在させ圧入することにより結合さ
せた結合体において、結合体を引き抜くときの摩擦係数
が、0.05以上且つ0.5以下であり、引き抜き後、
少なくとも一方の圧入面に、C−O結合,C−C結合及
びC=O結合のうち少なくとも一つを含む物質が残存し
ていることを特徴とする金属部材同士の接合体である。
【0004】その摩擦係数は、特に0.07以上且つ
0.5以下であることが好ましい。その摩擦係数は、数
1、数2により求めることができる。
0.5以下であることが好ましい。その摩擦係数は、数
1、数2により求めることができる。
【数1】
【数2】 ここで例えば金属部材としては軸受に用いられる高硬度
材料としては、例えばJIS−SUJ2であり、それを
保持する高強度部材としては、例えばJIS−S40C
である。
材料としては、例えばJIS−SUJ2であり、それを
保持する高強度部材としては、例えばJIS−S40C
である。
【図10】テープガイドに用いられる高硬度部材として
は、例えばJIS−SK5であり、それを保持する高強
度部材としては、例えばJIS−SCM440である。
は、例えばJIS−SK5であり、それを保持する高強
度部材としては、例えばJIS−SCM440である。
【図11】金型に用いられる高硬度部材(例えばWC−
Co焼結材)であり、それを保持する高強度部材(例え
ばJIS−S45C)である。
Co焼結材)であり、それを保持する高強度部材(例え
ばJIS−S45C)である。
【図12】その他TiN−TiC−Ni等サーメット焼
結材、JIS−SKD11、JIS−SKD61等高硬
度部材として好適である。アルミニウム合金、マグネシ
ウム合金、チタン、チタン合金等は軽量部材として好適
である。Ni基合金、鉄基合金、ステンレス鋼、耐熱鋼
等は耐熱部材として好適である。
結材、JIS−SKD11、JIS−SKD61等高硬
度部材として好適である。アルミニウム合金、マグネシ
ウム合金、チタン、チタン合金等は軽量部材として好適
である。Ni基合金、鉄基合金、ステンレス鋼、耐熱鋼
等は耐熱部材として好適である。
【0005】
【作用】金属部材をひきぬくときの摩擦係数を0.05
以上好ましくは0.07以上とすることにより抜け荷重
が高くしかも、応力を負荷されたときの耐久性に優れた
接合体とする。当該摩擦係数が0.05以上より小さい
と部材相互の摩擦力が不足するため接合強度が低くなっ
て実用に供することができない。圧入時にカジリが発生
しているため、圧入された金属が内部で偏芯しているの
で、当該摩擦係数が0.50以上と高くなっている。圧
入時にカジリが生じていると、高応力負加に対しても耐
久性が不足する。滑剤としてカルボン酸、カルボン酸
塩、カルボン酸誘導体またはカルボン酸置換体を用いる
のが望ましい理由は、これらの滑剤成分は圧入時(常
温)に充分に滑り作用を発揮してカジリを抑制するう
え、炭素鋼、合金鋼、ステンレス鋼、耐熱鋼コバール、
アルミニウム合金、マグネシウム合金等多くの金属部材
あるいは超硬、サーメット等の金属を含む焼結材等が鈍
り、酸化等を起こさない低温で熱処理することにより、
容易に摩擦係数を所定範囲内に調整できるからである。
また前記滑材以外でも加熱により滑性が減少する様なも
のであれば使用できる。本発明によれば金属部材同士と
をこれら両部材の少なくとも一方の圧入面に滑剤を塗布
して圧入させることにより、圧入時にはカジリを防止し
て、スムーズに嵌合させることが出来、圧入後に熱処理
することにより摩擦係数を上げることが出来るので、接
合強度の高い接合体をカジリなく容易に製造することが
可能である。
以上好ましくは0.07以上とすることにより抜け荷重
が高くしかも、応力を負荷されたときの耐久性に優れた
接合体とする。当該摩擦係数が0.05以上より小さい
と部材相互の摩擦力が不足するため接合強度が低くなっ
て実用に供することができない。圧入時にカジリが発生
しているため、圧入された金属が内部で偏芯しているの
で、当該摩擦係数が0.50以上と高くなっている。圧
入時にカジリが生じていると、高応力負加に対しても耐
久性が不足する。滑剤としてカルボン酸、カルボン酸
塩、カルボン酸誘導体またはカルボン酸置換体を用いる
のが望ましい理由は、これらの滑剤成分は圧入時(常
温)に充分に滑り作用を発揮してカジリを抑制するう
え、炭素鋼、合金鋼、ステンレス鋼、耐熱鋼コバール、
アルミニウム合金、マグネシウム合金等多くの金属部材
あるいは超硬、サーメット等の金属を含む焼結材等が鈍
り、酸化等を起こさない低温で熱処理することにより、
容易に摩擦係数を所定範囲内に調整できるからである。
また前記滑材以外でも加熱により滑性が減少する様なも
のであれば使用できる。本発明によれば金属部材同士と
をこれら両部材の少なくとも一方の圧入面に滑剤を塗布
して圧入させることにより、圧入時にはカジリを防止し
て、スムーズに嵌合させることが出来、圧入後に熱処理
することにより摩擦係数を上げることが出来るので、接
合強度の高い接合体をカジリなく容易に製造することが
可能である。
【0006】
【実施例1】以下本発明の実施例を、図面とともに説明
する。図1(a)は、本発明接合体に用いられる金属部
材2、図1(b)は同じく金属部材3、図2(a)は、
実験方法を示す説明図である。図2(b)は、接合体1
は部材2、3との嵌合体である。金属部材3はJIS−
SUJ2の焼入れ、材料であり硬さはHRC61に調整
されている直径13.5mm長さ40mmの棒状部材で
ある。金属部材2はJIS−SUH616の焼入れ焼戻
し材料であり外径20mm長さ11mmの管状体硬さは
HRC30に調整してある。次に上記接合体1の製造方
法について説明する。金属部材2は旋削加工により内周
面の表面粗さをRmax5.0μm程度に仕上げ嵌合端
縁21にC0.5の面取りを施した。金属部材3は旋削
加工により外周面の表面粗さをRmax5.0μm程度
に仕上げ先端縁31に軸対する角度4°、長さd:1m
mのテーパ加工を施した。
する。図1(a)は、本発明接合体に用いられる金属部
材2、図1(b)は同じく金属部材3、図2(a)は、
実験方法を示す説明図である。図2(b)は、接合体1
は部材2、3との嵌合体である。金属部材3はJIS−
SUJ2の焼入れ、材料であり硬さはHRC61に調整
されている直径13.5mm長さ40mmの棒状部材で
ある。金属部材2はJIS−SUH616の焼入れ焼戻
し材料であり外径20mm長さ11mmの管状体硬さは
HRC30に調整してある。次に上記接合体1の製造方
法について説明する。金属部材2は旋削加工により内周
面の表面粗さをRmax5.0μm程度に仕上げ嵌合端
縁21にC0.5の面取りを施した。金属部材3は旋削
加工により外周面の表面粗さをRmax5.0μm程度
に仕上げ先端縁31に軸対する角度4°、長さd:1m
mのテーパ加工を施した。
【0007】そして部材2の貫通孔の内周面及び部材3
の外周面に滑剤としてステアリン酸水溶液(ステアリン
酸含有量18%)を塗布し図2(a)に示すように荷重
を加えて圧入した。その後両部材を200℃〜500℃
の範囲で所定温度で30分間熱処理し接合を完了した。
次に本実施例の効果を確認するため行なった実験例につ
いて説明する。以下の実験は接合体の抜け強度、ネジリ
強度及びこれら諸特性と接合面の摩擦係数との関連を評
価したものである。 (実験例1)接合体の抜け荷重を評価するとともに、摩
擦係数を算出するものである。接合体1の金属部材2を
支持し図2(b)のように金属部材3が抜けるまで荷重
を加えた。
の外周面に滑剤としてステアリン酸水溶液(ステアリン
酸含有量18%)を塗布し図2(a)に示すように荷重
を加えて圧入した。その後両部材を200℃〜500℃
の範囲で所定温度で30分間熱処理し接合を完了した。
次に本実施例の効果を確認するため行なった実験例につ
いて説明する。以下の実験は接合体の抜け強度、ネジリ
強度及びこれら諸特性と接合面の摩擦係数との関連を評
価したものである。 (実験例1)接合体の抜け荷重を評価するとともに、摩
擦係数を算出するものである。接合体1の金属部材2を
支持し図2(b)のように金属部材3が抜けるまで荷重
を加えた。
【0008】一般に静止摩擦係数と動摩擦係数とでは前
者の方が高いのでこのとき加える荷重と時間の関係は図
3のようになる。そして最大荷重すなわち、図Bの点A
の荷重を測定した。
者の方が高いのでこのとき加える荷重と時間の関係は図
3のようになる。そして最大荷重すなわち、図Bの点A
の荷重を測定した。
【図3】但し滑剤の滑性が低く加える荷重と時間の関係
が図4のようになっても初期の最大値である点A’の荷
重を測定した。
が図4のようになっても初期の最大値である点A’の荷
重を測定した。
【図4】その結果を表1に示す。
【表1】 表中の数値は、n=2個の試料の各々の値である。表1
にみられるように、本発明に属するNo.2〜4は抜け
荷重が高かったが、No.1は低かった。次に部材3の
外径R2 、部材2の外径R3 を温度20℃で正確に測定
し、以下に示す数式1に数値を代入して面圧Pmを求め
た。尚、数式1の中で部材3は金属部材Bに相当し、部
材2は金属部材Aに相当する。続いて数式2により摩擦
係数を求めた。本実施例に用いる全ての材料はヤング率
は214GPa、ポアッソン比は0.30の値を用いて
計算した。
にみられるように、本発明に属するNo.2〜4は抜け
荷重が高かったが、No.1は低かった。次に部材3の
外径R2 、部材2の外径R3 を温度20℃で正確に測定
し、以下に示す数式1に数値を代入して面圧Pmを求め
た。尚、数式1の中で部材3は金属部材Bに相当し、部
材2は金属部材Aに相当する。続いて数式2により摩擦
係数を求めた。本実施例に用いる全ての材料はヤング率
は214GPa、ポアッソン比は0.30の値を用いて
計算した。
【0009】(実験例2)接合体のネジリ強度を評価す
るものである。すなわち、実験例1と同形同質の試料を
準備した。そして金属部材2を固定し、温度400℃で
金属部材3に円周方向の回転力を付加し、金属部材3が
回転し始めるときのネジリトルクを測定した。その結果
を表1に示す。トルクは50Nmまで負荷した。本発明
のNo.2、3、4はNo.1よりも優れていることが
判る。実験例1で用いた、接合体No.2〜4について
接合体を軸方向に切断し金属部材3の貫通孔内周面を露
出させ、その露出面をESCA(X線光電子分析方法)
で分析したところいずれもFe、Cの他C−C、C=
O、C−Oの結合が認められた。また、本実施例で用い
たステアリン酸の加熱温度と重量減少について示差熱分
析を行なった結果を表4に示す。
るものである。すなわち、実験例1と同形同質の試料を
準備した。そして金属部材2を固定し、温度400℃で
金属部材3に円周方向の回転力を付加し、金属部材3が
回転し始めるときのネジリトルクを測定した。その結果
を表1に示す。トルクは50Nmまで負荷した。本発明
のNo.2、3、4はNo.1よりも優れていることが
判る。実験例1で用いた、接合体No.2〜4について
接合体を軸方向に切断し金属部材3の貫通孔内周面を露
出させ、その露出面をESCA(X線光電子分析方法)
で分析したところいずれもFe、Cの他C−C、C=
O、C−Oの結合が認められた。また、本実施例で用い
たステアリン酸の加熱温度と重量減少について示差熱分
析を行なった結果を表4に示す。
【表4】
【0010】
【実施例2】島津製作所製高速回転曲げ疲れ試験機回転
曲げ疲労試験機を用いて圧入部分の負荷耐久評価を行な
うものである(図8、概念図9、数3)。
曲げ疲労試験機を用いて圧入部分の負荷耐久評価を行な
うものである(図8、概念図9、数3)。
【図8】
【図9】
【数3】 JIS SCM440製のパイプ(部材A)及びJIS
SKD11製の軸(部材B)を準備し、所定の熱処理
を施した(図5(a)(b))。
SKD11製の軸(部材B)を準備し、所定の熱処理
を施した(図5(a)(b))。
【図5】部材Aは外径13mm長さ50mmの凹状体で
圧入端はC面取り0.5mm施されて、凹部の反対側の
端面には、後加工用のセンタ−穴Fがある。部材Bは外
周9mm長さ43mmの軸圧入端は4°テーパ長さ1m
mである。圧入にはステアリン酸水溶液、二硫化モリブ
テン(商品名モリコート(ダウコーニング社製))の滑
剤を塗布したもの及び滑剤を塗布しないものについて準
備した。圧入はまず部材A、B各1本準備し、Bの端面
に荷重を負荷した。次いで部材Aをもう1本準備し、先
に圧入が終了した方を上部にセットし圧入を行なった
(図5(c))。
圧入端はC面取り0.5mm施されて、凹部の反対側の
端面には、後加工用のセンタ−穴Fがある。部材Bは外
周9mm長さ43mmの軸圧入端は4°テーパ長さ1m
mである。圧入にはステアリン酸水溶液、二硫化モリブ
テン(商品名モリコート(ダウコーニング社製))の滑
剤を塗布したもの及び滑剤を塗布しないものについて準
備した。圧入はまず部材A、B各1本準備し、Bの端面
に荷重を負荷した。次いで部材Aをもう1本準備し、先
に圧入が終了した方を上部にセットし圧入を行なった
(図5(c))。
【0011】尚部材Aは圧入後の嵌合長さが13mmに
なる様に凹加工が施してある。また圧入作業後所定の熱
処理を大気中にて施した。圧入後部材Aのセンター穴F
を基準に部材Aの外径を12mmになる様に仕上げ研磨
加工を行ない評価用試料とした。評価1として研磨後の
部材Aの両センタ−穴を規準に部材Bの同軸度をダイヤ
ルゲ−ジにて測定した。評価2として図7に示すチャッ
キングロッド10に評価用試料を組み付けた後、図8に
示す回転曲げ疲れ試験機に組み込み無負荷状態で高速回
転(3000回転/分)を10時間行なった。
なる様に凹加工が施してある。また圧入作業後所定の熱
処理を大気中にて施した。圧入後部材Aのセンター穴F
を基準に部材Aの外径を12mmになる様に仕上げ研磨
加工を行ない評価用試料とした。評価1として研磨後の
部材Aの両センタ−穴を規準に部材Bの同軸度をダイヤ
ルゲ−ジにて測定した。評価2として図7に示すチャッ
キングロッド10に評価用試料を組み付けた後、図8に
示す回転曲げ疲れ試験機に組み込み無負荷状態で高速回
転(3000回転/分)を10時間行なった。
【図7】評価3として試料の部材Bにはたらく曲げ応力
として300MPa、及び450MPaとなる様に図8
に示す様におもりをかけた後、同様の高速回転を10時
間行なった。最後に図5(c)に示す3ヶ所にて試料を
切断した後、引抜き、抜け荷重(治具11にセットし抜
く)、嵌合代、夫々の径を測定し摩擦係数を数1、2に
より計算した。
として300MPa、及び450MPaとなる様に図8
に示す様におもりをかけた後、同様の高速回転を10時
間行なった。最後に図5(c)に示す3ヶ所にて試料を
切断した後、引抜き、抜け荷重(治具11にセットし抜
く)、嵌合代、夫々の径を測定し摩擦係数を数1、2に
より計算した。
【図6】
【0012】結果を表2に示す。
【表2】
【数1】
【数2】本願比較例であるNo.1は、2本の試料共に
圧入時にカジリが発生しスムーズに圧入ができなかっ
た。また評価2においてはカジリのために起きた試料の
偏芯のために振動が大きく3000回転/分まで回転を
あげられなかった。評価1において同軸度が50μm以
上となっている結果からも一致する。本願比較例である
No.2は圧入時のカジリ及び評価2については問題な
かったものの評価2の300MPa負荷時に振動が大き
くなりそれぞれ4分、1分でストップした。本願比較例
であるであるNo.5もNo.2とほとんど同様の結果
であった。No.2、No.5については摩擦係数が小
さいため圧入部分が負荷回転に耐えられなかったからで
ある。本発明範囲内である試料No.3、試料No.4
共にいづれの評価も全く問題が認められなかった。一方
No.3については、2本のうち1本の試料において4
50MPaにて15分後に振動が大きくなった。本発明
によれば長時間にわたる負荷運転に対して、十分な性能
が得られることが判った。
圧入時にカジリが発生しスムーズに圧入ができなかっ
た。また評価2においてはカジリのために起きた試料の
偏芯のために振動が大きく3000回転/分まで回転を
あげられなかった。評価1において同軸度が50μm以
上となっている結果からも一致する。本願比較例である
No.2は圧入時のカジリ及び評価2については問題な
かったものの評価2の300MPa負荷時に振動が大き
くなりそれぞれ4分、1分でストップした。本願比較例
であるであるNo.5もNo.2とほとんど同様の結果
であった。No.2、No.5については摩擦係数が小
さいため圧入部分が負荷回転に耐えられなかったからで
ある。本発明範囲内である試料No.3、試料No.4
共にいづれの評価も全く問題が認められなかった。一方
No.3については、2本のうち1本の試料において4
50MPaにて15分後に振動が大きくなった。本発明
によれば長時間にわたる負荷運転に対して、十分な性能
が得られることが判った。
【0013】
【発明の効果】本発明によれば金属部材同士とをこれら
両部材の少なくとも一方の圧入面に滑剤を塗布して圧入
させることにより、圧入時にはカジリを防止して、スム
ーズに嵌合させることが出来、圧入後に熱処理すること
により摩擦係数を上げることが出来、接合強度の高い接
合体を容易に製造することが可能である。
両部材の少なくとも一方の圧入面に滑剤を塗布して圧入
させることにより、圧入時にはカジリを防止して、スム
ーズに嵌合させることが出来、圧入後に熱処理すること
により摩擦係数を上げることが出来、接合強度の高い接
合体を容易に製造することが可能である。
【図1】本願発明(実施例1)に係わる金属部材Aと金
属部材Bとを示す正面図である。
属部材Bとを示す正面図である。
【図2】本願発明(実施例1)に係わる金属部材Aと金
属部材Bとの接合前後を示す正面図である。
属部材Bとの接合前後を示す正面図である。
【図3】静止摩擦係数(動摩擦係数)の加える荷重と時
間との関係を示すグラフである。
間との関係を示すグラフである。
【図4】静止摩擦係数(動摩擦係数)の加える荷重と時
間との関係を示すグラフである。
間との関係を示すグラフである。
【図5】本願発明(実施例2)に係わる金属部材Aと金
属部材Bとの接合前後を示す正面図である。
属部材Bとの接合前後を示す正面図である。
【図6】本願発明(実施例2)に係わる接合体を引抜き
時の状態図である。
時の状態図である。
【図7】実施例2の用いたチャッキングロッド10に試
料をはめた状態図である。
料をはめた状態図である。
【図8】実施例2の用いた高速回転曲げ疲れ試験機回転
曲げ疲労試験機である。
曲げ疲労試験機である。
【図9】実施例2の用いた高速回転曲げ疲れ試験機回転
曲げ疲労試験機の概念を示す図である。
曲げ疲労試験機の概念を示す図である。
【図10】本願発明の接合体を軸受に用いた正面図であ
る。
る。
【図11】本願発明の接合体をテ−プガイドに用いた正
面図である。
面図である。
【図12】本願発明の接合体を製造用金型に用いた正面
図である。
図である。
1 接合体 2 金属部材 3 金属部材 10チャッキングロッド 11治具
【表3】
Claims (3)
- 【請求項1】金属部材同士を、これら両部材の少なくと
も一方の圧入面に滑剤を介在させ圧入することにより結
合する製造方法において、 圧入後、熱処理により圧入面の前記滑剤の過半量を、分
解、揮発または低滑性物質に変化させることを特徴とす
る金属部材同士の接合体の製造方法 - 【請求項2】金属部材同士を、これら両部材の少なくと
も一方の圧入面に滑剤を介在させ圧入することにより結
合させた結合体において、結合体を引き抜くときの摩擦
係数が、0.05以上且つ0.5以下であり、引き抜き
後、少なくとも一方の圧入面に、C−O結合,C−C結
合及びC=O結合のうち少なくとも一つを含む物質が残
存していることを特徴とする金属部材同士の接合体 - 【請求項3】金属部材同士を、これら両部材の少なくと
も一方の圧入面に滑剤を介在させ圧入することにより結
合させた結合体において、結合体を引き抜くときの摩擦
係数が、0.07以上且つ0.5以下であり、引き抜き
後、少なくとも一方の圧入面に、C−O結合,C−C結
合及びC=O結合のうち少なくとも一つを含む物質が残
存していることを特徴とする金属部材同士の接合体
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04353309A JP3094068B2 (ja) | 1992-12-11 | 1992-12-11 | 金属部材同士の結合体及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04353309A JP3094068B2 (ja) | 1992-12-11 | 1992-12-11 | 金属部材同士の結合体及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06179126A true JPH06179126A (ja) | 1994-06-28 |
JP3094068B2 JP3094068B2 (ja) | 2000-10-03 |
Family
ID=18429976
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP04353309A Expired - Fee Related JP3094068B2 (ja) | 1992-12-11 | 1992-12-11 | 金属部材同士の結合体及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3094068B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1645346A1 (de) | 2004-10-06 | 2006-04-12 | Schaeffler KG | Pressverbund sowie Verfahren zur Überwachung und Beurteilung der Qualität eines Pressverbundes |
EP3332954A1 (en) * | 2016-11-25 | 2018-06-13 | Aida Engineering, Ltd. | Sliding frictional force generation mechanism and die cushion for press machine |
-
1992
- 1992-12-11 JP JP04353309A patent/JP3094068B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1645346A1 (de) | 2004-10-06 | 2006-04-12 | Schaeffler KG | Pressverbund sowie Verfahren zur Überwachung und Beurteilung der Qualität eines Pressverbundes |
EP3332954A1 (en) * | 2016-11-25 | 2018-06-13 | Aida Engineering, Ltd. | Sliding frictional force generation mechanism and die cushion for press machine |
US10974303B2 (en) | 2016-11-25 | 2021-04-13 | Aida Engineering, Ltd. | Sliding frictional force generation mechanism by fitting and die cushion for press machine |
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---|---|
JP3094068B2 (ja) | 2000-10-03 |
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