JP2011174506A - 針状スラスト軸受のスラストレースの製造方法 - Google Patents

針状スラスト軸受のスラストレースの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】耐摩耗性、耐熱性、耐ピーリング性に優れ、且つ低コストで製作可能な針状スラスト軸受のスラストレースの製造方法を提供する。
【解決手段】C0.3〜0.5重量%、Cr0.5〜3.0重量%、Mn0.5〜3.0重量%、Si0.1〜1.5重量%、および残部Feよりなる中炭素鋼の線材または棒材20に、切断、鍛造加工、プレス加工、旋削加工、硬化処理、および研削加工を施して、表面硬度Hv650〜900、表面残留オーステナイト量15〜50体積%のスラストレース12を製作する。
【選択図】図2

Description

本発明は、針状スラスト軸受のスラストレースの製造方法に関し、より詳細には、高温や潤滑不良などの油膜形成性が劣る環境や、異物が混入する虞がある環境で使用される、トランスミッションやトルクコンバータに用いられる針状スラスト軸受のスラストレースの製造方法に関する。
針状スラスト軸受は、正常回転時においても、針状ころの内径側と外径側との間に差動滑りが生じ、転がり接触面の油膜形成性が劣るという構造上の問題がある。このため、従来のスラスト軸受のスラストレースは、例えば、C0.9〜1.2重量%、Cr1.2〜1.7重量%、Mn0.1〜0.5重量%、Si0.15〜0.35重量%、および残部Feの組成を有する高炭素鋼を冷間圧延して得られるみがき帯鋼を、プレス加工することで所定の形状に成形した後、熱処理を施し、更にバレル処理などによってスケール除去して製作されていた(例えば、特許文献1参照。)。また、転がり軸受の材料として、軟らかく、比較的加工が容易な中炭素鋼を使用し、軌道輪または転動体の熱処理による残留オーステナイト量および表面硬度を規定したものが開示されている(例えば、特許文献2参照。)。
特開2008−240758号公報 特公平8−26446号公報
近年、車両のトランスミッションやトルクコンバータに用いられる針状スラスト軸受は、発熱量の増大や潤滑油不足などによって高温環境下で使用されることが多く、また、燃費向上による部品小型化により軸受容量が低下し、早期剥離などの問題発生が懸念される。また、高炭素鋼を冷間圧延して得られるみがき帯鋼をプレス加工してスラストレースを製作する特許文献1に記載のスラスト軸受では、廃材となる部分が多く、材料の歩留まりが悪く製造コストが増大する問題があった。特許文献2は、中炭素鋼を材料として転がり軸受を成形しているが、針状スラスト軸受のスラストレースの具体的な製造方法についての記載はない。
本発明は、前述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、耐摩耗性、耐熱性、耐ピーリング性に優れ、且つ材料の歩留まりが良い、低コストで製作可能な針状スラスト軸受のスラストレースの製造方法を提供することにある。
本発明の上記目的は、下記の構成により達成される。
(1) 複数の針状ころと、前記針状ころが接触する少なくとも1つのスラストレースとを備える針状スラスト軸受のスラストレースの製造方法であって、
中炭素鋼の線材または棒材を切断して素材を成形する切断工程と、
前記素材を鍛造加工して第1中間素材を成形する鍛造工程と、
前記第1中間素材をプレス加工により目抜きして、第2中間素材を成形する目抜き工程と、
前記第2中間素材を所定の形状に旋削加工して旋削加工品とする旋削工程と、
前記旋削加工品に浸炭窒化、焼入れ、および焼戻しの各硬化処理を施して硬化処理品とする表面処理工程と、
前記硬化処理品の表面に研削加工を施して所定形状の製品に仕上げる研削工程と、
を備え、
前記製品は、表面硬度Hv650〜900、表面残留オーステナイト15〜50体積%を有することを特徴とする針状スラスト軸受のスラストレースの製造方法。
(2)前記目抜き工程によって目抜きされた目抜き材をプレス加工によりさらに目抜きして、他の第2中間素材を成形する他の目抜き工程をさらに備え、
前記他の第2中間素材を前記第2中間素材として前記旋削工程、前記表面処理工程、及び前記研削工程を行うことで、前記製品より小さな他の製品を形成することを特徴とする上記(1)に記載の針状スラスト軸受のスラストレースの製造方法。
(3) 前記中炭素鋼は、C0.3〜0.5重量%、Cr0.5〜3.0重量%、Mn0.5〜3.0重量%、Si0.1〜1.5重量%、および残部Feよりなる合金鋼であることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の針状スラスト軸受のスラストレースの製造方法。
本発明の針状スラスト軸受のスラストレースの製造方法によれば、C0.3〜0.5重量%、Cr0.5〜3.0重量%、Mn0.5〜3.0重量%、Si0.1〜1.5重量%、および残部Feよりなる中炭素鋼の線材または棒材から、切断、鍛造加工、プレス加工、旋削加工、硬化処理、および研削加工によって所定形状のスラストレースを製作し、表面硬度Hv650〜900、表面残留オーステナイト量15〜50体積%としたので、従来の高炭素鋼を用いたスラストレースの製造方法と比較して加工性に優れ、且つ希薄環境下においても耐摩耗性、耐熱性、耐ピーリング性に優れたスラストレースを、材料の歩留まりが良く、低コストで製造することができる。
更に、目抜き工程によって目抜きされた目抜き材をプレス加工によりさらに目抜きして他の第2中間素材とし、この他の第2中間素材に旋削工程、表面処理工程、及び研削工程を施して、製品より小さな他の製品を形成するようにしたので、全体として更に材料の歩留まりを向上させることができ、製造コストを抑制することができる。
本発明に係る針状スラスト軸受の断面図である。 図1に示す針状スラスト軸受のスラストレースの概略製造工程を示す工程図である。
以下、本発明に係る針状スラスト軸受のスラストレースの製造方法の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1に示すように、針状スラスト軸受10は、複数の針状ころ14と、複数の針状ころ14を保持する保持器15と、複数の針状ころ14を保持器15の厚み方向から挟持する一対のスラストレース12,13とを備える。なお、針状ころとは、直径が5mmより小さく長さがその3〜10倍のころを意味する。
針状スラスト軸受10は、負荷容量や剛性を大きくとれるものの、スラストレース12,13と針状ころ14との間、特に、針状ころ14の両端部において差動滑りが生じるので、スラストレース12,13の摩耗量が大きくなる傾向がある。また、ころ本数が多いため内部空間が狭く、潤滑油が軌道面に行き渡り難く、潤滑不足が生じて転走跡端部付近で表面起点型の剥離が生じる虞がある。
このため、針状スラスト軸受10のスラストレース12,13には、耐摩耗性、耐熱性、耐ピーリング性、更には潤滑油に異物が混入した場合にも寿命低下を極力抑制することができる厳しい性能が求められる。
針状スラスト軸受10のスラストレース12,13の製造は、図2に示すように、C0.3〜0.5重量%、Cr0.5〜3.0重量%、Mn0.5〜3.0重量%、Si0.1〜1.5重量%、および残部Feの組成を有する中炭素鋼(例えば、JIS規格記号SAC1相当)の線材または丸棒材20を所定の長さに切断して素材21を作成する(図2(a)及び図2(b))。次いで、素材21を鍛造加工して平板状の第1中間素材22を成形した後(図2(c))、プレス加工により中心部を目抜きしてリング状の第2中間素材23、および目抜き材24に分離する(図2(d))。第2中間素材23は、更に旋削加工によって所定の形状に加工され(図2(e))、浸炭窒化、焼入れ、および焼戻しの硬化処理(図2(f))が施された後、研削加工されて所定形状のスラストレース12,13に仕上げられる(図2(g))。尚、必要に応じて更にバレル研磨処理が施されてもよい。
目抜き材24は、廃材とされるか、更に小型のスラストレースの素材として使用可能な場合は、小型のスラストレースの第1中間素材として利用することもできる。具体的には、目抜き工程によって目抜きされた目抜き材24をプレス加工によりさらに目抜きして、小さな他の製品を形成するための他の第2中間素材23とし、これに旋削加工、表面処理加工、及び研削加工を施してスラストレース12,13より小さな他の製品(スラストレース)を製作する。これにより、小さなスラストレース製作工程の前半加工(切断および鍛造加工)を省略することができ、製作コストが抑制されると共に、全体として更に、材料の歩留まり性が向上する。
尚、小さな他の製品を形成するための他の第2中間素材23としては、中炭素鋼から製作されることが多い円錐ころ軸受の製作過程で発生する目抜き材を使用することもできる。この場合、円錐ころ軸受と針状スラスト軸受10のスラストレース12,13との材料(中炭素鋼)の共通化が可能となって、更に製造コストを抑制することができる。
本発明に係るスラストレース12,13は、C0.3〜0.5重量%を含有する上記組成の中炭素合金鋼を用い、これに浸炭窒化、焼入れ、および焼戻し処理を施して、表面硬度Hv650〜900、表面残留オーステナイト量15〜50体積%としている。
以下、本発明に係る合金鋼の作用及び特性値の臨界的意義等について説明する。
中炭素合金鋼に含まれる成分のうち、Cr、Mn、およびSiは、いずれも焼入性の向上に寄与する成分であり、特に、Mnは残留オーステナイトを生成し易く、Siは基地の組織の強度を高め、Crは耐摩耗性を付与する。
C0.3〜0.5重量%としたのは、0.3重量%より小さいと、所望の硬さ(表面硬度Hv650〜900)を得るための浸炭時間が長くなる他、オーステナイト中に固溶する炭素の拡散長が長くなり、その結果オーステナイト中の炭素の固溶状態が不均一となって応力集中源が生成し、ころがり疲れ寿命L10も低下する。また、0.5重量%より大きい場合には、オーステナイト中の固溶炭素量が過多となり、その結果、焼入れ後の残留オーステナイトが増して表面硬さが低下する。また、炭素量が多くなると、鍛造性が悪くなることによる。
Mn0.5〜3.0重量%としたのは、0.5重量%以上で、焼入性を向上させると共に溶解精練時の脱酸剤として作用する。しかし、3.0重量%より大きい場合には、残留オーステナイトが増えて鋼材の被削性及び熱間加工性が低下することによる。
Si0.1〜1.5重量%としたのは、0.1重量%以上で、焼入性向上及び脱酸に寄与する。しかし、1.5重量%より大きい場合には、熱処理時に表面が脱炭するとともに、芯部にフェライトが増えてプレス成形性、冷間鍛造性及び機械的性質が低下する。Si含有量が0.1〜1.5重量%の範囲にあれば、圧壊値も向上し、ころがり疲れ寿命L10の向上にも寄与することによる。
Siには、脱酸剤効果があり、焼戻し軟化抵抗を向上させ、耐熱性向上に有効な元素である。また、Siは、オーステナイトの安定化を図る元素であり、残留オーステナイトの分解速度を遅らせる作用がある。このため、0.1重量%未満であると転がり寿命が低下する場合がある。但し、1.5重量%より多いと靭性が悪くなる。
Cr0.5〜3.0重量%としたのは、0.5重量%以上で、焼入性、浸炭性、耐摩耗性及び機械的性質の向上に寄与する。しかし、3.0重量%より大きい場合には、過剰浸炭となり残留オーステナイトが増え、また粒状炭化物が増えて浸炭焼入層がもろくなることによる。
また、潤滑油中等に異物が混入すると、転がり表面層に圧痕が発生し、この圧痕のエッジ部分に発生するクラックが広がって最終的な疲労破損に至ることが多い。このクラックは、残留オーステナイトと密接な関係があることが分かっている。残留オーステナイトは、素材のC含有量により多少異なるが、通常は軟らかくて粘い。従って、この残留オーステナイトを所望の割合で転がり表面層に存在させると、圧痕のエッジ部分における応力集中を緩和することができ、クラックの発生を抑制することができる。
また、転がり表面層における残留オーステナイトは、転動時に圧痕を通過する部材(例えば、スラストレースに対して転動体)の相対通過回数が所定数を過ぎると、表面に加わる変形エネルギーによりマルテンサイト変態し、硬化するという効果があり、異物混入潤滑下での針状スラスト軸受10の寿命向上に寄与する。
表面残留オーステナイト量15〜50体積%としたのは、残留オーステナイト量が15体積%未満だとごみ圧痕発生の際の応力集中効果を十分発揮することができず、また、残留オーステナイト量が50体積%を越えると応力集中を緩和する効果は飽和し、かえって表面硬さが低下することにより耐疲労性が低下し、異物混入潤滑下及びクリーンの潤滑下でも寿命が低下してしまうことによる。
このため、表面硬度は、下限値をHv650として、Hv650〜900の範囲に設定されている。
以上説明したように、本実施形態の針状スラスト軸受のスラストレースの製造方法によれば、高炭素鋼(例えば、JIS規格記号SUJ2)を冷間圧延して得られたみがき帯鋼を用い、プレス加工による所定形状の成形、浸炭窒化、焼戻しなどの熱処理、およびバレル処理などによるスケール除去、の各工程を備える従来のスラストレースの製造方法と比較して、加工性に優れ、且つ希薄環境下においても耐摩耗性、耐熱性、耐ピーリング性に優れたスラストレースを低コストで製造することができる。
本発明の効果を確認するため、本発明の針状スラスト軸受のスラストレースの製造方法に係る実施例と、該実施例と比較する比較例について説明する。
試験に用いたスラストレースは、実施例および比較例共に、表1に示す組成の各合金鋼の棒材を切断して素材とし、これに鍛造加工、目抜き加工、旋削加工、硬化処理、研削加工、およびバレル加工を施して製作した。
Figure 2011174506
尚、表1中、合金鋼の種類A〜Fは本発明の範囲に含まれる組成を有し、合金鋼の種類G〜Jは本発明の範囲外の組成である。また、合金鋼の種類KはJIS規格記号SUJ2相当の高炭素鋼である。尚、合金鋼の種類K(SUJ2)は、従来のスラストレースに一般的に用いられている合金鋼であり、比較のために採用した。
表2に、各種合金鋼、表面性状(表面硬度、表面残留オーステナイト量)のスラストレースを用い、下記寿命試験条件で行った転動疲労寿命試験の結果を比較して示す。転動疲労寿命は、合金鋼の種類K(SUJ2)の寿命を基準として、それとの比で示す。
(寿命試験条件)
寿命試験機: NSK製スラストニードル試験機
試験軸受: PCD 50mm、針状ころ φ3mm×6mm
基本動定格荷重C: 24000N
基本静定格荷重C: 55000N
スラスト荷重: 5000N
相対回転数: 10000rpm
計算寿命: L10=311h
潤滑油および油温: ATF、100℃
Figure 2011174506
表2から分かるように、実施例1から実施例7のスラストレースの転動疲労寿命は、いずれもSUJ2(比較例6)のスラストレースの3倍以上であり、大幅に転動疲労寿命が長くなっている。これに対して、比較例1のスラストレースは、表面残留オーステナイト量が50体積%以上であり表面硬度もHv640と小さいため転動疲労寿命が短い。比較例2のスラストレースは合金中のCr含有量が0.4%と少なく、また比較例3のスラストレースは合金中のMn含有量が0.3%と少ないため表面残留オーステナイト量が13体積%と少なく転動疲労寿命が短くなっている。更に、比較例4のスラストレースは表面残留オーステナイト量が15体積%より少なく(13体積%)、比較例5のスラストレースは表面硬度がHv650以下(Hv640)であるため転動疲労寿命が短い。
比較例6のスラストレースは、Mn含有量が0.3%と少ないため表面残留オーステナイト量が12体積%と少なく転動疲労寿命が短くなっている。また、比較例7のスラストレースは、Si含有量が0.09%と少ないため転動疲労寿命が短くなっている。また、比較例8のスラストレースは、C含有量が0.6%と多いため表面残留オーステナイト量が52体積%と多く転動疲労寿命が短くなっている。
上記したように、実施例のスラストレースは、比較例のどのスラストレースよりも転動疲労寿命が長く、本発明の有効性が実証された。
尚、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。
10 針状スラスト軸受
12 スラストレース(製品)
13 スラストレース(製品)
14 針状ころ
20 棒材
21 素材
22 第1中間素材
23 第2中間素材
24 目抜き材

Claims (3)

  1. 複数の針状ころと、前記針状ころが接触する少なくとも1つのスラストレースとを備える針状スラスト軸受のスラストレースの製造方法であって、
    中炭素鋼の線材または棒材を切断して素材を成形する切断工程と、
    前記素材を鍛造加工して第1中間素材を成形する鍛造工程と、
    前記第1中間素材をプレス加工により目抜きして、第2中間素材を成形する目抜き工程と、
    前記第2中間素材を所定の形状に旋削加工して旋削加工品とする旋削工程と、
    前記旋削加工品に浸炭窒化、焼入れ、および焼戻しの各硬化処理を施して硬化処理品とする表面処理工程と、
    前記硬化処理品の表面に研削加工を施して所定形状の製品に仕上げる研削工程と、
    を備え、
    前記製品は、表面硬度Hv650〜900、表面残留オーステナイト15〜50体積%を有することを特徴とする針状スラスト軸受のスラストレースの製造方法。
  2. 前記目抜き工程によって目抜きされた目抜き材をプレス加工によりさらに目抜きして、他の第2中間素材を成形する他の目抜き工程をさらに備え、
    前記他の第2中間素材を前記第2中間素材として前記旋削工程、前記表面処理工程、及び前記研削工程を行うことで、前記製品より小さな他の製品を形成することを特徴とする請求項1に記載の針状スラスト軸受のスラストレースの製造方法。
  3. 前記中炭素鋼は、C0.3〜0.5重量%、Cr0.5〜3.0重量%、Mn0.5〜3.0重量%、Si0.1〜1.5重量%、および残部Feよりなる合金鋼であることを特徴とする請求項1又は2に記載の針状スラスト軸受のスラストレースの製造方法。
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