JPH06179117A - 円板チップソーの製造方法およびこれに用いるチップ - Google Patents

円板チップソーの製造方法およびこれに用いるチップ

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JPH06179117A
JPH06179117A JP33200792A JP33200792A JPH06179117A JP H06179117 A JPH06179117 A JP H06179117A JP 33200792 A JP33200792 A JP 33200792A JP 33200792 A JP33200792 A JP 33200792A JP H06179117 A JPH06179117 A JP H06179117A
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JP
Japan
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tip
disc
face
grinding
tooth
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JP33200792A
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English (en)
Inventor
Tsutomu Kaneshika
力 金鹿
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SHINGEN KOGYO KK
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SHINGEN KOGYO KK
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Publication date
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23DPLANING; SLOTTING; SHEARING; BROACHING; SAWING; FILING; SCRAPING; LIKE OPERATIONS FOR WORKING METAL BY REMOVING MATERIAL, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23D61/00Tools for sawing machines or sawing devices; Clamping devices for these tools
    • B23D61/02Circular saw blades
    • B23D61/04Circular saw blades with inserted saw teeth, i.e. the teeth being individually inserted
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23DPLANING; SLOTTING; SHEARING; BROACHING; SAWING; FILING; SCRAPING; LIKE OPERATIONS FOR WORKING METAL BY REMOVING MATERIAL, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23D61/00Tools for sawing machines or sawing devices; Clamping devices for these tools
    • B23D61/02Circular saw blades
    • B23D61/021Types of set; Variable teeth, e.g. variable in height or gullet depth; Varying pitch; Details of gullet

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Harvester Elements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】少ない工数で鋭利な切刃を持つ円板チップソー
を容易に作成できるような、円板チップソーの製造方法
およびこの製造方法において使用するチップを提供す
る。 【構成】左右各歯用に予め形状を整えたチップ3を、交
互に隣り合うように円板状台金2の周縁部に植え込む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は円板チップソーの製造方
法に係り、さらに詳細には、左右各歯用に予め成形した
多数の硬質金属チップを、円板状台金の周縁部に交互に
隣り合うように植え込むことを特徴とする円板チップソ
ーの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】刈払用、木工用等に用いられる円板チッ
プソーは、円板状の台金と、硬質合金からなる多数のチ
ップとを別体として作成し、両者をろう付け等により接
合して作成される。
【0003】各チップは先端が尖った方形断面の棒状を
なし、例えば草刈り等に用いられる刈払用円板チップソ
ーの場合は、チップの長手方向が円板の半径方向から回
転方向に向かって約45°の傾きをなすように、円板状
台金の周縁部に植え込まれる。この傾き角を「迎え角」
と呼ぶ。ただし、木工用等、より硬い材料を切る円板チ
ップソーの場合は、迎え角はより小さな値に設定され、
極端な場合にはゼロまたはマイナスに設定される。
【0004】チップの先端部には、チップの上下面と夫
々約30°乃至50°の角度をなす「すくい面」および
「先端面」と呼ばれる2つの面が形成されている。チッ
プが円板に植え込まれた状態で両面とも円板面にほぼ直
交し、円板の外側に位置するものが先端面、その内側に
位置するものがすくい面である。これら両面は約90°
の角度をなして交わる。その境界たる稜線がチップの先
端を形成し、チップの厚みのほぼ中央に位置する。
【0005】チップは通常、鋳造され、その形状には右
歯用チップ、左歯用チップの区別がない。すなわち、各
チップとも円板面を挟んで左右対称である。しかも上記
先端は丸みを帯びており、充分に鋭利とはいえない。従
って、チップを円板に植え込んだ後、上記両面を研削す
ることにより、切刃としての鋭利さを付与している。研
削加工後は、右歯用チップと左歯用チップとでは夫々形
が異なり、左右非対称となる。
【0006】すなわち、研削加工前においてはすくい
面、先端面とも円板面に直交しているが、研削後は右歯
用チップでは各面とも左に傾斜し、左歯用チップでは右
に傾斜するように傾きが付与される。この傾き角を「横
逃げ角(リード)」と呼ぶ。横逃げ角は、チップの前後
表面を横断する線(チップの軸線に直交する線)に対し
て、チップの前後表面とすくい面または先端面との交線
がなす角として計られる。
【0007】この横逃げ角によって、例えば右歯用チッ
プでは、すくい面または先端面とチップの側面(円板面
に平行する面)とのなす角は、いずれも右側が鋭角、左
側が鈍角になる。このため、右歯用チップの上記稜線の
右端は鋭い三角錐の形状を呈する。同様に左歯用チップ
では、この三角錘が上記稜線の左端に生じる。これら左
右の三角錐先端の鋭利さがチップソーの切れ味に関係す
る。このような右歯用チップと左歯用チップとが円板の
周上に交互に並ぶように、各チップ毎に研削加工が施さ
れる。
【0008】なお、一般に、すくい面と先端面とに夫々
与えられる横逃げ角の大きさは異なり、また円板チップ
ソーの用途によっても異なる。例えばある用途には、す
くい面には大きい横逃げ角を与えるが、先端面の横逃げ
角をゼロする場合がある。
【0009】横逃げ角とは別に、各チップの両側面に
は、先端部が広く根本部が僅かに狭くなるような傾きで
ある「隙間角」が研削加工により付与される。この隙間
角は、上記左右の三角錐をさらに鋭利にするとともに、
各チップと被切材の切断面との間に隙間を空けて摩擦抵
抗を減少させる。
【0010】以上の通り、研削加工は円板チップソーに
鋭利な切刃を与える上で不可欠な工程であり、従来は、
図3に示すように、先ず、横逃げ角および隙間角を有し
ない左右同形のチップを円板の周縁部に一定間隔で植え
込んだ後、研削盤によりチップを研削加工して、すくい
面および先端面に対する左右の横逃げ角、および両側面
の隙間角を与えていた。
【0011】しかし、この研削加工は各チップ毎に、各
横逃げ角別、隙間角別に施される時間の掛かる工程であ
り、作業能率上多くの問題があった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、円板
チップソーの製造方法における上記の問題点に鑑み、少
ない工数で鋭利な切歯を持つ円板チップソーを容易に作
成できるような、円板チップソーの製造方法を提供する
にある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明に係る円板チップソーの製造方法は、左右各
歯用に予め形状を整えたチップを、交互に隣り合うよう
に円板状台金の周縁部に植え込むことを特徴とする。
【0014】上記の円板チップソーの製造方法におい
て、前記チップは、夫々所定の左歯用横逃げ角を有する
すくい面と先端面とを形成した左歯用チップ、および夫
々所定の右歯用横逃げ角を有するすくい面と先端面とを
形成した右歯用チップとすることができる。
【0015】また、上記の円板チップソーの製造方法に
おいて、前記左右各歯用チップとも前記先端面の横逃げ
角をゼロとすることができる。
【0016】さらにまた、上記の円板チップソーの製造
方法において、前記チップを前記円板状台金の周縁部に
植え込んだ後、該チップの側面を研削する他は、前記先
端面のみを研削するに留めることができる。
【0017】
【作用】本発明に係る円板チップソーの製造方法に使用
するチップは、硬質金属からの鋳造により、左右各歯用
に予め所定の形状に成形され用意される。かくして用意
された左歯、右歯用の各チップが交互に出現するように
順に円板状台金の周縁に植え込まれ、ろう付けされる。
【0018】このチップは、夫々所定の左歯用横逃げ角
を有するすくい面と先端面とを予め形成した左歯用チッ
プ、および夫々所定の右歯用横逃げ角を有するすくい面
と先端面とを予め形成した右歯用チップである。
【0019】この状態のチップは鋳造されたままのもの
であるので、角が丸く切れ味が良くない。従って、これ
に研削工程を加えることにより鋭利な切刃を付与する。
鋭利さを付与するためには、相互に交わるすくい面と先
端面のうち、通常は、先端面のみを研削すれば充分であ
る。
【0020】研削工程は、上記のように周縁部にチップ
が植え込まれた円板状台金を研削盤にセットし、1歯ず
つ送りながら実施される。先端面の研削とは別に、チッ
プの両側面の研削を行って隙間角を与える。
【0021】この場合、本発明に係る円板チップソーの
製造方法においては、各チップの横逃げ角を含む基本形
状が原則として鋳造段階において既に完成されているか
ら、研削の際の取り代が少なく、また、先端面のみを研
削するので、研削作業量は従来法に比して少なくて済
む。
【0022】
【実施例】以下、添付の図面を参照しつつ、本発明の一
実施例について説明する。
【0023】図1は、本発明の製造方法により製造され
る歯数48個の円板チップソー1を例示する全体図であ
る。本例では、迎え角は+約40°に取られている。
【0024】図2は、本例に用いた横逃げ角付きチップ
3を示す。図2(a)は円板状台金2に植え込まれた左
右各1個ずつのチップ3a、3bを示す側面図であり、
円板の回転に伴うチップの進行方向は図上で左から右で
ある。図中の角度Fはすくい面4のすくい角を、角度E
は先端面5の逃げ角を表している。図2(b)は左歯用
チップ3aを示す斜視図である。
【0025】図2(c)は左歯用チップ3aの正面図、
図2(d)は右歯用チップ3bの正面図である。この両
図は、チップ3の進行方向から逆にチップ3を見た図で
あり、すくい面4が見えている。すくい面4に対する横
逃げ角Aは、本例では約45°に取られている。各側面
6に与える隙間角Cは、左右対称に夫々約1°に取られ
ている。
【0026】図2(e)は左歯用チップ3aの背面図、
図2(f)は右歯用チップ3bの背面図である。この両
図は上記図2(c)および図2(d)とは反対側からチ
ップ3を見た図であり、先端面5が見えている。先端面
5に対する横逃げ角Dは、本例では約10°に取られて
いる。
【0027】上記図2に示されたチップ3の形状は、正
確には研削加工後のものである。しかし、研削加工前の
形状もこれに極めて類似している。例えば、隙間角は研
削加工後は約1°であるが、加工前はゼロである。本例
では、先端面5が研削加工されるが、加工前の面と平行
に研削加工がされるので、各種の角度の数値に変更は生
じない。研削加工はこのように行われるので、研削工程
における作業量は僅かであり、従来に比較して極めて短
時間でこの工程を完了することができる。
【0028】なお、上記の研削加工における取り代すな
わち研削作業量と、予め用意すべきチップ3の形状種類
との間には相関関係がある。
【0029】既に述べたように、円板状台金2の周縁部
へのチップ3の植え込み角度(迎え角)、すくい面4と
先端面5の各横逃げ角の大きさ等は、目的とする円板チ
ップソー1の用途に応じて様々に異なる。従って、夫々
の用途毎に、丁度それに適合するすくい面4、先端面5
の各横逃げ角を有するチップ3を予め用意しようとする
ならば、極めて多種類の形状のチップ3を在庫しておく
必要がある。この場合は在庫費用が大きくなるが、その
見返りとして、円板チップソー1の製造の最終工程にお
ける研削作業量が低減される。
【0030】他方、予め用意しておくチップ3の形状種
類を少数に留め、円板チップソー1の用途毎に異なるチ
ップ形状の変化には、研削盤上での削り出しで対応する
という従来からのアプローチがあり得る。この場合は在
庫費用は相対的に少なくて済むが、研削作業量が大きく
なる。
【0031】従って、上記の左歯、右歯用の各チップ3
a、3bが備えるべき「夫々所定の横逃げ角」を、ここ
に述べた研削作業量とチップ3の在庫品種数との間の相
関関係を考慮して、総費用が最小になるように定めると
いう考え方も可能である。このような考え方に立つ場合
は、今製造しようとする円板チップソー1に丁度適合す
るすくい面4、先端面5の各横逃げ角が与えられると
は、必ずしも限らないことになる。
【0032】
【発明の効果】本発明に係る円板チップソーの製造方法
においては、各チップの横逃げ角を含む基本形状が原則
としてチップの鋳造段階において既に完成されているか
ら、研削加工の際の取り代が少なく、また、先端面のみ
を研削するので、研削作業量が従来法に比して少なくて
済む。
【0033】さらに、各チップが備えるべき所定の横逃
げ角を、研削作業量とチップの在庫品種数との間の相関
関係を考慮して定めることにより、用途別、タイプ別の
円板チップソーの需要パターンを勘案して、在庫費用と
研削費用の総和としての総生産費用が最小になる生産形
態を選択することができる。これにより、間接的効果で
はあるが、従来は考えられなかった、総合的な生産の合
理化を実現できるという顕著な効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法により製造される円板チップ
ソーの全体図である。
【図2】図1の円板チップソーに用いる横逃げ角付きチ
ップの説明図であり、図2(a)は側面図、図2(b)
は斜視図、図2(c)は左歯用チップの正面図、図2
(d)は右歯用チップの平面図、図2(e)は左歯用チ
ップの背面図、図2(f)は右歯用チップの背面図であ
る。
【図3】従来例の円板チップソーに用いるチップ(研削
前)の説明図であり、図3(a)は側面図、図3(b)
は斜視図、図3(c)は正面図、図3(d)は背面図で
ある。
【符号の説明】
1…円板チップソー 2…円板状台金 3…チップ 3a…左歯用チップ 3b…右歯用チップ 4…すくい面 5…先端面 6…側面
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年1月4日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】明細書
【発明の名称】円板チップソーの製造方法およびこれに
用いるチップ
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は円板チップソーの製造方
およびこの製造方法において使用するチップに係り、
さらに詳細には、左右各歯用に予め成形した多数の硬質
金属チップを、円板状台金の周縁部に交互に隣り合うよ
うに植え込むことを特徴とする円板チップソーの製造方
およびこれに用いるチップに関する。
【0002】
【従来の技術】刈払用、木工用等に用いられる円板チッ
プソーは、円板状の台金と、硬質合金からなる多数のチ
ップとを別体として作成し、両者をろう付け等により接
合して作成される。
【0003】各チップは先端が尖った方形断面の棒状を
なし、例えば草刈り等に用いられる刈払用円板チップソ
ーの場合は、チップの長手方向が円板の半径方向から回
転方向に向かって約45°の傾きをなすように、円板状
台金の周縁部に植え込まれる。この傾き角を「迎え角」
と呼ぶ。ただし、木工用等、より硬い材料を切る円板チ
ップソーの場合は、迎え角はより小さな値に設定され、
極端な場合にはゼロまたはマイナスに設定される。
【0004】チップの先端部には、チップの上下面と夫
々約30°乃至50°の角度をなす「すくい面」および
「先端面」と呼ばれる2つの面が形成されている。チッ
プが円板に植え込まれた状態で両面とも円板面にほぼ直
交し、円板の外側に位置するものが先端面、その内側に
位置するものがすくい面である。これら両面は約90°
の角度をなして交わる。その境界たる稜線がチップの先
端を形成し、チップの厚みのほぼ中央に位置する。
【0005】チップは通常、鋳造され、その形状には右
歯用チップ、左歯用チップの区別がない。すなわち、各
チップとも円板面を挟んで左右対称である。しかも上記
先端は丸みを帯びており、充分に鋭利とはいえない。従
って、チップを円板に植え込んだ後、上記両面を研削す
ることにより、切刃としての鋭利さを付与している。研
削加工後は、右歯用チップと左歯用チップとでは夫々形
が異なり、左右非対称となる。
【0006】すなわち、研削加工前においてはすくい
面、先端面とも円板面に直交しているが、研削後は右歯
用チップでは各面とも左に傾斜し、左歯用チップでは右
に傾斜するように傾きが付与される。この傾き角を「横
逃げ角(リード)」と呼ぶ。横逃げ角は、チップの前後
表面を横断する線(チップの軸線に直交する線)に対し
て、チップの前後表面とすくい面または先端面との交線
がなす角として計られる。
【0007】この横逃げ角によって、例えば右歯用チッ
プでは、すくい面または先端面とチップの側面(円板面
に平行する面)とのなす角は、いずれも右側が鋭角、左
側が鈍角になる。このため、右歯用チップの上記稜線の
右端は鋭い三角錐の形状を呈する。同様に左歯用チップ
では、この三角錘が上記稜線の左端に生じる。これら左
右の三角錐先端の鋭利さがチップソーの切れ味に関係す
る。このような右歯用チップと左歯用チップとが円板の
周上に交互に並ぶように、各チップ毎に研削加工が施さ
れる。
【0008】なお、一般に、すくい面と先端面とに夫々
与えられる横逃げ角の大きさは異なり、また円板チップ
ソーの用途によっても異なる。例えばある用途には、す
くい面には大きい横逃げ角を与えるが、先端面の横逃げ
角をゼロする場合がある。
【0009】横逃げ角とは別に、各チップの両側面に
は、先端部が広く根本部が僅かに狭くなるような傾きで
ある「隙間角」が研削加工により付与される。この隙間
角は、上記左右の三角錐をさらに鋭利にするとともに、
各チップと被切材の切断面との間に隙間を空けて摩擦抵
抗を減少させる。
【0010】以上の通り、研削加工は円板チップソーに
鋭利な切刃を与える上で不可欠な工程であり、従来は、
図3に示すように、先ず、横逃げ角および隙間角を有し
ない左右同形のチップを円板の周縁部に一定間隔で植え
込んだ後、研削盤によりチップを研削加工して、すくい
面および先端面に対する左右の横逃げ角、および両側面
の隙間角を与えていた。
【0011】しかし、この研削加工は各チップ毎に、各
横逃げ角別、隙間角別に施される時間の掛かる工程であ
り、作業能率上多くの問題があった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、円板
チップソーの製造方法における上記の問題点に鑑み、少
ない工数で鋭利な切を持つ円板チップソーを容易に作
成できるような、円板チップソーの製造方法およびこの
製造方法において使用するチップを提供するにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明に係る円板チップソーの製造方法は、左右各
歯用に予め形状を整えたチップを、交互に隣り合うよう
に円板状台金の周縁部に植え込むことを特徴とする。
【0014】上記の円板チップソーの製造方法におい
て、前記チップは、夫々所定の左歯用横逃げ角を有する
すくい面と先端面とを形成した左歯用チップ、および夫
々所定の右歯用横逃げ角を有するすくい面と先端面とを
形成した右歯用チップとすることができる。
【0015】また、上記の円板チップソーの製造方法に
おいて、前記左右各歯用チップとも前記先端面の横逃げ
角をゼロとすることができる。
【0016】さらにまた、上記の円板チップソーの製造
方法において、前記チップを前記円板状台金の周縁部に
植え込んだ後、該チップの側面を研削する他は、前記先
端面のみを研削するに留めることができる。
【0017】本発明に係るチップは、硬質金属からな
り、夫々所定の左歯用横逃げ角を有するすくい面と先端
面とを予め形成した左歯用チップ、および夫々所定の右
歯用横逃げ角を有するすくい面と先端面とを予め形成し
た右歯用チップである
【0018】
【作用】本発明に係る円板チップソーの製造方法に使用
するチップは、硬質金属からの鋳造により、左右各歯用
に予め所定の形状に成形され用意される。かくして用意
された左歯、右歯用の各チップが交互に出現するように
順に円板状台金の周縁に植え込まれ、ろう付けされる。
【0019】このチップは、夫々所定の左歯用横逃げ角
を有するすくい面と先端面とを予め形成した左歯用チッ
プ、および夫々所定の右歯用横逃げ角を有するすくい面
と先端面とを予め形成した右歯用チップである。
【0020】この状態のチップは鋳造されたままのもの
であるので、角が丸く切れ味が良くない。従って、これ
に研削工程を加えることにより鋭利な切刃を付与する。
鋭利さを付与するためには、相互に交わるすくい面と先
端面のうち、通常は、先端面のみを研削すれば充分であ
る。
【0021】研削工程は、上記のように周縁部にチップ
が植え込まれた円板状台金を研削盤にセットし、1歯ず
つ送りながら実施される。先端面の研削とは別に、チッ
プの両側面の研削を行って隙間角を与える。
【0022】この場合、本発明に係る円板チップソーの
製造方法およびこれに用いるチップにおいては、各チッ
プの横逃げ角を含む基本形状が原則として鋳造段階にお
いて既に完成されているから、研削の際の取り代が少な
く、また、先端面のみを研削するので、研削作業量は従
来法に比して少なくて済む。
【0023】
【実施例】以下、添付の図面を参照しつつ、本発明の一
実施例について説明する。
【0024】図1は、本発明の製造方法により製造され
る歯数48個の円板チップソー1を例示する全体図であ
る。本例では、迎え角は+約40°に取られている。
【0025】図2は、本例に用いた横逃げ角付きチップ
3を示す。図2(a)は円板状台金2に植え込まれた左
右各1個ずつのチップ3a、3bを示す側面図であり、
円板の回転に伴うチップの進行方向は図上で左から右で
ある。図中の角度Fはすくい面4のすくい角を、角度E
は先端面5の逃げ角を表している。図2(b)は左歯用
チップ3aを示す斜視図である。
【0026】図2(c)は左歯用チップ3aの正面図、
図2(d)は右歯用チップ3bの正面図である。この両
図は、チップ3の進行方向から逆にチップ3を見た図で
あり、すくい面4が見えている。すくい面4に対する横
逃げ角Aは、本例では約45°に取られている。各側面
6に与える隙間角Cは、左右対称に夫々約1°に取られ
ている。
【0027】図2(e)は左歯用チップ3aの背面図、
図2(f)は右歯用チップ3bの背面図である。この両
図は上記図2(c)および図2(d)とは反対側からチ
ップ3を見た図であり、先端面5が見えている。先端面
5に対する横逃げ角Dは、本例では約10°に取られて
いる。
【0028】上記図2に示されたチップ3の形状は、正
確には研削加工後のものである。しかし、研削加工前の
形状もこれに極めて類似している。例えば、隙間角は研
削加工後は約1°であるが、加工前はゼロである。本例
では、先端面5が研削加工されるが、加工前の面と平行
に研削加工がされるので、各種の角度の数値に変更は生
じない。研削加工はこのように行われるので、研削工程
における作業量は僅かであり、従来に比較して極めて短
時間でこの工程を完了することができる。
【0029】なお、上記の研削加工における取り代すな
わち研削作業量と、予め用意すべきチップ3の形状種類
との間には相関関係がある。
【0030】既に述べたように、円板状台金2の周縁部
へのチップ3の植え込み角度(迎え角)、すくい面4と
先端面5の各横逃げ角の大きさ等は、目的とする円板チ
ップソー1の用途に応じて様々に異なる。従って、夫々
の用途毎に、丁度それに適合するすくい面4、先端面5
の各横逃げ角を有するチップ3を予め用意しようとする
ならば、極めて多種類の形状のチップ3を在庫しておく
必要がある。この場合は在庫費用が大きくなるが、その
見返りとして、円板チップソー1の製造の最終工程にお
ける研削作業量が低減される。
【0031】他方、予め用意しておくチップ3の形状種
類を少数に留め、円板チップソー1の用途毎に異なるチ
ップ形状の変化には、研削盤上での削り出しで対応する
という従来からのアプローチがあり得る。この場合は在
庫費用は相対的に少なくて済むが、研削作業量が大きく
なる。
【0032】従って、上記の左歯、右歯用の各チップ3
a、3bが備えるべき「夫々所定の横逃げ角」を、ここ
に述べた研削作業量とチップ3の在庫品種数との間の相
関関係を考慮して、総費用が最小になるように定めると
いう考え方も可能である。このような考え方に立つ場合
は、今製造しようとする円板チップソー1に丁度適合す
るすくい面4、先端面5の各横逃げ角が与えられると
は、必ずしも限らないことになる。
【0033】
【発明の効果】本発明に係る円板チップソーの製造方法
およびこれに用いるチップにおいては、各チップの横逃
げ角を含む基本形状が原則としてチップの鋳造段階にお
いて既に完成されており、また、先端面のみを研削する
ので、研削加工の際の取り代が少なく、研削作業量が従
来法に比して少なくて済む。
【0034】さらに、各チップが備えるべき所定の横逃
げ角を、研削作業量とチップの在庫品種数との間の相関
関係を考慮して定めることにより、用途別、タイプ別の
円板チップソーの需要パターンを勘案して、在庫費用と
研削費用の総和としての総生産費用が最小になる生産形
態を選択することができる。これにより、間接的効果で
はあるが、従来は考えられなかった、総合的な生産の合
理化を実現できるという顕著な効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法により製造される円板チップ
ソーの全体図である。
【図2】図1の円板チップソーに用いる横逃げ角付きチ
ップの説明図であり、図2(a)は側面図、図2(b)
は斜視図、図2(c)は左歯用チップの正面図、図2
(d)は右歯用チップの平面図、図2(e)は左歯用チ
ップの背面図、図2(f)は右歯用チップの背面図であ
る。
【図3】従来例の円板チップソーに用いるチップ(研削
前)の説明図であり、図3(a)は側面図、図3(b)
は斜視図、図3(c)は正面図、図3(d)は背面図で
ある。
【符号の説明】 1…円板チップソー 2…円板状台金 3…チップ 3a…左歯用チップ 3b…右歯用チップ 4…すくい面 5…先端面 6…側面
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図2
【補正方法】変更
【補正内容】
【図2】

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】円板状の台金の周縁部に多数の硬質金属の
    チップを所定間隔で植え込んでなる円板チップソーの製
    造方法において、 左右各歯用に予め成形したチップを、交互に隣り合うよ
    うに前記円板状台金の周縁部に植え込むことを特徴とす
    る円板チップソーの製造方法。
  2. 【請求項2】請求項1記載の円板チップソーの製造方法
    において、前記チップは、夫々所定の左歯用横逃げ角を
    有するすくい面と先端面とを形成した左歯用チップ、お
    よび夫々所定の右歯用横逃げ角を有するすくい面と先端
    面とを形成した右歯用チップであることを特徴とする円
    板チップソーの製造方法。
  3. 【請求項3】請求項2記載の円板チップソーの製造方法
    において、前記左右各歯用チップの先端面の横逃げ角が
    ゼロであることを特徴とする円板チップソーの製造方
    法。
  4. 【請求項4】請求項2または3記載の円板チップソーの
    製造方法において、前記チップを前記円板状台金の周縁
    部に植え込んだ後、該チップの側面を研削する他は、前
    記先端面のみを研削することを特徴とする円板チップソ
    ーの製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008505769A (ja) * 2004-07-15 2008-02-28 ベーラー・ウッデホルム・プレシジョン・ストリップ・ゲーエムベーハー・ウント・ツェーオー・カーゲー 鋸ブレード又は鋸バンド用の前駆部品、並びに前駆部品及び鋸ブレード又は鋸バンドを製造する方法
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