JPH0617778Y2 - 穀物搬送装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、切替シャッタの切替作動で、吸塵機を吸塵筒
を経て穀物タンク内部と接続せしめた際には、収容され
ている穀物を変質させることなく長期に亘り貯留せしめ
ることができ、また、切替シャッタの切替作動で吸塵機
を吸塵筒、吸塵接続樋を経て搬送箱へ接続せしめた際に
は排出される穀物中に含まれた塵埃を効率的に風選除去
し塵埃を含まない穀物を能率よく所定場所へ搬送するこ
とができる穀物搬送装置に関する。

［従来の技術］ 従来、穀物タンク内にバラ状に積み込まれた穀物を１個
の電動機の動力で強制的に回転されるよう互いに連結し
たスクリューコンベヤ装置とスプリングコンベヤ装置と
により目的場所まで円滑に搬送せしめることができる穀
物搬送装置は、本出願前、例えば特開昭６０−２１８２
３５号公報に記載されて知られており、この穀物搬送装
置は、第４図に示すように構成されている。

すなわち、１は、穀物をバラ状に収容する穀物タンク、
２は、内部にスクリューコンベヤ装置３を回転自在に横
架した搬送樋、４は、内部にスプリングコンベヤ装置５
を回転自在に収納した移送樋であって、前記スクリュー
コンベヤ装置３とスプリングコンベヤ装置５とは連結部
材６を介し連動連結されて、１個の電動機７の動力によ
り強制回転せしめることで、穀物タンク１内に収容され
た穀物を円滑に所要場所、例えば穀物乾燥機へ搬送せし
めるるように構成したものである。

［考案が解決しようとする課題］ ところで、従前のこの種穀物搬送装置においては、穀物
タンク内に収容したバラ積み状の高水分穀物を作業状況
等によりある期間貯留させておきたい場合ば生じても、
該穀物タンクは内部に外気が流通できるような構成とな
っていないため、貯留中に穀物が変質され食味は著しく
低下される欠点を生ずる許りか、穀物の搬送作業時に際
しては穀物中に多く含まれた塵埃が穀物タンクの周囲に
舞い上がって作業場内を不衛生状態ならしめるは勿論の
こと、穀物を例えば乾燥機に搬送して乾燥作業を営ませ
た場合には、穀物中に多く含まれた塵埃のため、流下ム
ラを起こし、穀物を均一に乾燥させることができない等
の問題点を有していた。

本考案は、従来の技術の有するこのような問題点に鑑み
てなされたものであり、その目的とするところは、切替
シャッタの単なる切替作動で、穀物を変質させることな
く長期に亘り貯留せしめたり、あるいは穀物中の塵埃を
効率よく風選除去し、塵埃を含まない穀物を能率よく所
定場所へ搬送することができる穀物搬送装置を提供しよ
うとするものである。

［課題を解決するための手段］ 上記目的を達成するために、本考案における穀物搬送装
置は、上部を開放し、内部を左右の傾斜流穀板102,102
により漏斗状に形成した穀物タンク101を設ける。

上記穀物タンク101内の略中央位置には、下部を開放し
た多孔山形仕切体104を横設すると共に穀物タンク101の
底部に横設した搬送樋103の一側に穀物タンク101外に位
置した傾斜状の搬送箱105を内部が互いに連通するよう
に装着する。そして、穀物タンク101の搬送樋103と搬送
箱105内には、搬送樋103内にスクリューコンベヤ翼片10
7が、また搬送箱105内には跳ね上げ翼片108がそれぞれ
位置するよう設けたスクリューコンベヤ装置106を回転
自在に貫通横架せしめる。前記搬送箱105の低位側一側
には回転自在のスプリングコンベヤ装置110を収蔵軸架
した可撓搬送筒109の搬入側を取外し自在に開口連結せ
しめる。

上記穀物タンク101の一側には、吸塵筒112の吸気側ａを
多孔山形仕切体104内にのぞませた吸塵機111を装着す
る。そして、吸塵筒112は吸塵接続筒113を介し搬送箱10
5に接続せしめる。

前記吸塵筒112と吸塵接続樋113との接続位置には多孔山
形仕切体104および吸塵接続樋113への通路を交互に遮断
する切替シャッタ114を回動自在に軸架して吸塵機111の
吸引作用が穀物タンク101内に、あるいは搬送箱107に働
くように構成したものである。

［作用］ 今、収穫した高水分の穀物をバラ状態のもとに穀物タン
ク101に投入して収容すると共に、該高水分の穀物を作
業状況に応じある期間、穀物タンク101内に静置状態の
もとに貯留したい場合には、まず、切替シャッタ114を
第１図鎖線位置となるように切替回動せしめる。さすれ
ば、吸塵筒114の吸気側ａは穀物タンク101内に横設され
た多孔山形仕切体104内部と連通されると同時に吸塵筒1
12と搬送箱105とは不導通状態となる。そこで、吸塵機1
11を運転すれば、該吸塵機111の吸引作用で、外気が穀
物タンク101の上部開放側より吸気された後、収容穀物
中を通り、さらに多孔山形仕切体104を通って吸塵筒112
内に吸気され、最後に吸塵機111により機外遠方に排気
される。

したがって、穀物タンク101内に収容されていた高水分
の穀物は前述のように流通する外気と万遍なく接触され
るので、ある期間、静置状態のもとに貯留せしめても変
質されることなく貯留せしめることができる。

また、貯留された穀物を所定場所に揚送しながら穀物中
に含まれていた塵埃を除去させたい場合には、まず、切
替シャッタ114を第１図実線位置に切替えて吸塵筒112と
搬送箱105とを吸塵接続樋113を介し接続せしめた後、ス
クリューコンベヤ装置106およびスプリングコンベア装
置110を運転せしめる。さすれば、穀物タンク101内に収
容されていた穀物はスクリューコンベヤ翼片107で搬送
箱105内に搬送され、次いで、搬送箱105内において回転
する跳ね上げ翼片108で搬送箱105の低位側へ向け跳ね上
げ搬送せしめた後、最後に、回転するスプリングコンベ
ヤ110により搬送筒109を介し所定場所まで円滑に搬送さ
れる。ところで、上述の如き穀物の搬送作業中において
は、吸塵機111の吸引作用が吸塵筒112および吸塵接続樋
113を経て搬送箱105内に働いているので、跳ね上げ翼片
108により跳ね上げられた拡散穀物中に含まれていた多
くの塵埃は速やかに吸塵接続樋113内に選別吸引された
後、吸塵筒112を経て吸塵機111により機外遠方へ向け集
中排塵される。その結果、可撓搬送筒110で搬送される
穀物は塵埃を含まない清浄なものとなる。

［実施例］ 実施例について図面を参照して説明する。

第１図ないし第３図において、101は、上面を開放し、
内部を左右の傾斜流穀板102,102により漏斗状に形成し
た穀物タンクであって、該穀物タンク101の底部には搬
送樋103が水平に横設されると共に、搬送樋103上部の穀
物タンク101内部には、下部を開放した多孔山形仕切体1
04が水平に横設されている。そして、搬送樋103が搬送
末端側に面した穀物タンク101の一側には穀物タンク101
外に位置し、かつ底部を一方に向け傾斜した搬送箱105
が装着されている。

106は、穀物タンク101の底部に横設した搬送樋103と搬
送箱105とに亘り貫通横設したスクリューコンベヤ装置
であって、該スクリューコンベヤ装置106は、搬送樋103
内に位置したスクリューコンベヤ翼片107と搬送箱105内
に位置した跳ね上げ翼片108とを順次設けて構成され
る。しかも、スクリューコンベヤ翼片107は、搬送樋103
より搬送箱105内の一部まで延長されている。

前記搬送箱105の低位側一側には、回転自在のスプリン
グコンベヤ装置110を収蔵軸架した可撓搬送筒109の搬入
側を取外し自在に開口連結せしめる。

前記多孔山形仕切体104の一側対向位置の穀物タンク101
の一側には、吸塵筒112の吸気側ａを多孔山形仕切体104
内にのぞませ吸塵機111が装着されている。

そして。前記吸塵筒112は吸塵接続樋113を介し搬送箱10
5に接続されると共に、吸塵筒112と吸塵接続樋113との
接続位置には切替シャッタ114を回動自在に軸架して、
多孔山形仕切体104と吸塵筒112および吸塵筒112と吸塵
接続筒113とを随時切替接続せしめる。

115は、吸塵接続樋113内に配設した山形状の穀物排出防
止体である。116は、スクリューコンベヤ装置106を駆動
させるための伝動装置、117は、スプリングコンベヤ装
置110を駆動するための伝動装置である。

［考案の効果］ 要するに本考案は、前記のような具体的構成を有するの
で、穀物タンク101内にバラ積み状に収容した穀物を、
スクリューコンベヤ装置106とスプリングコンベヤ装置1
10の運転により所要場所へ円滑に揚送せしめることがで
きる許りか、穀物タンク101内に静置状態のもとに収容
した高水分の穀物を作業状況に応じある期間貯留せしめ
たい場合、あるいは穀物搬送作業中において穀物中に多
く含まれた塵埃の除去を行いたい場合が生じた際には、
単なる切替シャッタ114の切替作動で、吸塵機111の吸引
作用が穀物タンク101内部あるいは搬送箱105内部に及ぶ
ようにして、貯留されている高水分の穀物の外気を万遍
なく浴びせて穀物の変質を未然に防止し、長期の貯留が
容易にできるようならしめたり、あるいは搬送中の穀物
中に多く含まれた塵埃を跳ね上げ翼片108の跳ね上げ作
用と吸塵機111の吸引による風選作用とにより速やかに
吸塵接続樋113を経て吸塵筒112内に吸塵せしめ、これが
塵埃を吸塵機111により機外遠方に排塵せしめ、もっ
て、清浄な穀物のみを所定場所へ搬送することができる
効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る穀物搬送装置の一例を示すものであ
って、第１図は要部を破断した正面図、第２図は要部を
破断した側面図、第３図は搬送箱と可撓搬送筒との接続
状態を示す一部を切欠し、かつ一部を横断した平面図、
第４図は従来装置の一部を破断した側面図である。 101…穀物タンク、103…搬送樋、104…多孔山形仕切
体、105…搬送箱、106…スクリューコンベヤ装置、107
…スクリューコンベヤ翼片、108…跳ね上げ翼片、110…
スプリングコンベヤ装置、111…吸塵機、113…吸塵接続
樋、114…切替シャッタ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−218235（ＪＰ，Ａ)

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】下部を開放した多孔山形仕切体を横設した
   穀物タンクの底部に横設した搬送樋の一側に、穀物タン
   ク外に位置した傾斜状の搬送箱を内部が連通するように
   装着し、上記穀物タンクの搬送樋内には搬送樋内にスク
   リューコンベヤ翼片が、また、搬送箱内には跳ね上げ翼
   片がそれぞれ位置するように設けたスクリューコンベア
   装置を回転自在に貫通横架し、前記搬送箱の低位側一側
   には、回転自在のスプリングコンベア装置を収蔵軸架し
   た可撓搬送筒の搬入側を取外し自在に開口連結し、上記
   穀物タンクの一側には吸塵筒の吸気側を多孔山形仕切体
   内にのぞませた吸塵機を装着し、前記吸塵筒は吸塵接続
   樋を介し搬送箱に接続せしめると共に、吸塵筒と吸塵接
   続樋との接続位置には多孔山形仕切体および吸塵接続樋
   への通路を交互に遮断する切替シャッタを回動自在に軸
   架したことを特徴とする穀物搬送装置。