JPH0617511U - 紐締め具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 紐の挿通作業が容易であり、紐をロックする
機能も高く、外観形状も良好なものにする。 【構成】 シリンダ１０と、シリンダ１０内に挿入され
摺動可能に設けられたピストン１２とを有する。シリン
ダ１０の側面の対向する部分を貫通するように紐通し部
１６を設け、ピストン１２に紐押え部３０を形成する。
ピストン１２をシリンダ１０内から所定量引き出した状
態で紐通し部１６と紐押え部３０とが連通する。紐通し
部１６に紐３２を通してピストン１２を押し込んだ状態
で、紐押え部３０と紐通し部１６とにより紐３２を押圧
した状態にピストン１２とシリンダ１０を係止する係止
部１８と被係止部２０とを、ピストン１２及びシリンダ
１０に設ける。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、衣類や袋等に設けられた紐の長さを調節する紐締め具に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、紐締め具は、例えば特開昭５９−７８４７５号公報に開示されているよ うに、一端部が閉じた有底筒状のシリンダと、このシリンダ内に設置された弾性 体と、上記シリンダ内に移動自在に遊嵌され上記弾性体によってシリンダから突 出する方向に付勢されたピストンとを有し、このシリンダ及びピストンに、長手 方向軸を横切るように各々同軸に貫通孔が形成され、この貫通孔に紐が挿通可能 に形成されている。この紐締め具の使用方法は、先ずピストンを弾性体の付勢力 に抗してシリンダ内に押し込み、紐を上記両貫通孔に挿通する。その後、ピスト ンの押圧を解除すると、ピストンが弾性体によって突出方向に付勢され、ピスト ンとシリンダとの貫通孔に紐が挟まれてロックされるものである。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上記従来の技術の場合、シリンダ内に収納可能な小さな弾性体の弾性力には限 度があり、十分なロック強度が得られないという欠点があった。また、紐を貫通 孔に挿通する場合、ピストンを押し下げて上記両貫通孔の位置を合わせながらな がら挿通しなければならず、挿通作業がしづらく効率が悪いという問題もあった 。さらに、紐をロックした後、ピストンはシリンダから突出した状態になり、外 観形状が悪く、特に、紐が細い場合この突出量が多くなり、外観をさらにを損な ってしまうという問題があった。

【０００４】 この考案は上記従来の技術の問題点に鑑みて成されたもので、紐の挿通作業が 容易であり、紐をロックする機能も高く、外観形状も良好な紐締め具を提供する ことを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

この考案は、シリンダと、このシリンダ内に挿入され摺動可能に設けられたピ ストンとを有し、上記シリンダ側面の対向する部分を貫通するように紐通し部を 設け、上記ピストンに紐押え部を形成し、上記ピストンを上記シリンダ内から所 定量引き出した状態で上記紐通し部と紐押え部とが連通し、上記紐通し部に紐を 通して上記ピストンを押し込んだ状態で、上記紐押え部と紐通し部とにより上記 紐を押圧した状態に上記ピストンとシリンダを係止する係止部と被係止部とを上 記ピストン及びシリンダに設けた紐締め具である。

【０００６】

【作用】

この考案の紐締め具は、紐をロックする際に、ピストンをシリンダから所定量 引き出して紐を紐通し部に挿通し、この後ピストンをシリンダに押し込んでピス トンの紐押え部により紐を押圧し、係止部と被係止部によりピストンをシリンダ に対して係止することにより紐を固定したものである。さらに、ピストンをシリ ンダに対して押し込んだ位置で紐をロックし、シリンダからのピストンの突出量 を少なくしたものである。

【０００７】

【実施例】

以下この考案の実施例について図面に基づいて説明する。図１〜図５はこの考 案の第一実施例を示すもので、この実施例の紐締め具は、球状に形成された樹脂 製のシリンダ１０と、このシリンダ１０に挿入可能に形成された樹脂製のピスト ン１２とを有する。シリンダ１０は、外観形状が球状に形成され、上端部には開 口部１４が形成され、内部が中空状に形成されている。側面には、互いに対向し て形成された紐通し部である一対の紐通し孔１６が設けられ、この紐通し孔１６ の両側に、ピストン１２の係止部１８が係合する一対の第一被係止部２０と一対 の第二被係止部２２とが形成されている。第一被係止部２０は、一対の紐通し孔 １６の中心軸と直交する中心軸を有した貫通孔２４からなり、シリンダ１０の中 空部に連通している。第二被係止部２２は、シリンダ１０の中空部内面の一部を 切り欠いて、第一被係止部２０より上方の開口部１４側に形成されている。シリ ンダ１０の中空部には、ピストン１２の摺動をガイドする摺動凹部２５が形成さ れ、ピストン１２を突出方向に摺動自在に保持している。

【０００８】 ピストン１２には、シリンダ１０の開口部１４とほぼ等しい直径の頭部２６が 一体に形成され、頭部２６の下方には、一対の係止部１８が形成されている。一 対の係止部１８は、互いに近付く方向に弾性変形可能に設けられ、第一被係止部 ２０及び第二被係止部２２に弾性的に係合可能に形成されている。ピストン１２ の下端部中央には紐通し用の透孔２８が形成され、この透孔２８の頭部２６側の 内面が紐を押圧する紐押え部３０となっている。

【０００９】 この実施例の紐締め具の使用方法は、まず、ピストン１２の一対の係止部１８ をシリンダ１０の開口部１４から挿入し、係止部１８を第二被係止部２２に係合 させる。この状態で、図２，図３に示すように、シリンダ１０の紐通し孔１６と ピストン１２の透孔２８とが一致し、紐３２の挿通が可能になり、紐３２をこの 紐通し孔１６及び透孔２８に挿通する。この後、ピストン１２をシリンダ１０側 に押し下げ、係止部１８が第一被係止部２０に係合するまでピストン１２の頭部 ２６を押圧する。係止部１８が第一被係止部２０に係合すると、図４，図５に示 すように、紐３２はピストン１２の紐押え部３０とシリンダ１０の紐通し孔１６ とによって挟まれて押圧されロックされる。また、紐３２のロックを解除するに は、シリンダ１０の第一被係止部２０の貫通孔２４に位置している係止部１８を シリンダ１０の内側に押圧し、第一被係止部２０との係合を解除する。このとき 、係止部１８をシリンダ１０の開口部１４側に突出させるように斜め上方にむけ て押圧する。そして、ピストン１２をシリンダ１０から引き出すようにして、係 止部１８を第二被係止部２２に係合させる。これによって紐３２は自由に移動可 能になり、ピストン１２は第二被係止部２２に係合して停止しているので、この 後、紐３２を移動させ、適宜の位置で上述のように紐３２をシリンダ１０にロッ クする。

【００１０】 この実施例の紐締め具によれば、紐３２を紐通し孔１６及び透孔２８に挿通さ せる際に、各孔１６、２８が一致した状態で、ピストン１２はシリンダ１０内で 係止しており、紐３２の挿通作業を容易且つ迅速に行なうことができるものであ る。また、紐３２をロックした状態では、球形のシリンダ１０の外表面に突出し た部材がなく、外観形状も良好なものである。さらに、紐３２は、ピストン１２ の紐押え部３０により押圧状態でロックされており、紐押え部３０の位置は押圧 時の押圧力で固定された状態にあるので、強固にロック可能であり、またロック 状態がゆるむこともない。さらに、ピストン１２のロック位置は紐の太さに関係 なく一定の位置に係止され、一定の外観形状が得られる。また、従来の技術のよ うに、弾性体の付勢力に抗して紐を挿通させる必要がなく、紐通しの作業性も向 上するものである。

【００１１】 次にこの考案の第二実施例につて図６〜図１０を基にして説明する。この実施 例の紐締め具は、円筒状のシリンダ４０と、円柱状のピストン４２とから成り、 ピストン４２にはシリンダ４０の開口部４４の周縁部に当接する頭部４６が一体 に設けられている。ピストン４２には、長手方向軸と交差するように水平方向に 透孔４８が形成され、この透孔４８内に、コイルスプリング５０が設けられてい る。コイルスプリング５０の両側には、突起部材５４が進退自在に設けられ、透 孔４８の周縁部に係止されるとともに、先端部５６が透孔４８から突出可能に設 けられている。また、シリンダ４０の内周面には、突起部材５４の先端部５６が 当接しガイドされる一対の凹溝５８が、１８０度対称な位置で長軸方向に設けら れている。さらに、シリンダ１０の側面には、ピストン１２をシリンダ４０に押 し込んだ状態で、突起部材５４の先端部５６が係合する透孔の被係止部６０が、 凹溝５８の下端部に形成されている。また、シリンダ４０の側面には、紐通し部 である互いに対向した二対の透孔６２，６４が形成されている。二対の透孔６２ ，６４に対応して、ピストン４２には、紐押え部となる２個の透孔６６，６８が 形成されている。二対の透孔６２，６４は、ピストン４２の透孔６６，６８と、 ピストン４２をシリンダ４０から引き出した状態で同軸的に一致し、ピストン４ ２をシリンダ４０内に押し下げ、突起部材５４が被係止部６０に係合した状態で は、二対の透孔６２，６４及び透孔６６，６８はわずかな部分のみ重なる状態と なるものである。

【００１２】 この実施例の紐締め具の使用方法は、ピストン４２をシリンダ４０から引き出 して、シリンダ４０の透孔６２，６４とピストン４２の透孔６６，６８とが各々 一致した状態にする。各透孔６２，６４と６６，６８が一致した状態で、図７に 示すように、紐３２を透孔６２，６６に挿通し、紐３２を折り返して透孔６４， ６８に挿通する。そして、ピストン４２の頭部４６を押圧してピストン４２をシ リンダ４０内に押し込み、突起部材５４の先端部５６が被係止部６０に係合した 状態にして紐３２のロックが完了する。

【００１３】 この実施例の紐締め具によっても上記第一実施例と同様の効果が得られる。ま た、上記第一実施例の構造の紐締め具において、この実施例のように二対の透孔 をシリンダに設け、この透孔に各々対応した一対の透孔をピストン側に形成した ものでも良い。

【００１４】 尚、この考案の紐締め具は、係止部及び被係止部がシリンダ又はピストンのい ずれに形成されていても良いものであり、その相対的位置や、係止部及び被係止 部の形状及び数は問わない。また、紐の種類は、衣類等の紐をロックするものの 他、袋類や鞄、靴、テント等紐が用いられているもの全てに利用できるものであ り、紐の種類も問わないものである。さらに、ピストンに設けられた紐押え部は 、透孔である必要はなく、Ｕ溝やピストンの端面でもよく、また、シリンダの紐 通し部も、透孔以外に、Ｕ溝でもよく、紐押え部と紐通し部は、ピストンの押圧 によって紐を挟む構造のものであれば良い。

【００１５】

【考案の効果】

この考案の紐締め具は、上記紐通し部に紐を通して上記ピストンを押し込んだ 状態で、上記紐押え部と紐通し部とにより上記紐を押圧し、係止部と被係止部と によりピストンがシリンダに対して固定されるようにしたので、シリンダからの ピストンの突起量が少なく、外観形状が良好で、紐の挿通作業も迅速且つ容易に 行なうことができるものである。さらに、紐の押圧力がそのまま紐を固定する力 として作用し、紐を保持する力をより強固なものにすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の紐締め具の第一実施例の部分破断分
解斜視図である。

【図２】図１のピストンをシリンダに取り付けた状態の
Ａ−Ａ断面図である。

【図３】図１のピストンをシリンダに取り付けた状態の
Ｂ−Ｂ断面図である。

【図４】図１のピストンをシリンダに取り付けた状態の
Ｂ−Ｂ断面図においてピストンをシリンダ内に押し込ん
だ状態の断面図である。

【図５】この考案の第一実施例の紐締め具の使用状態を
示す斜視図である。

【図６】この考案の紐締め具の第二実施例の部分破断斜
視図である。

【図７】この考案の第二実施例の紐締め具に紐を挿通す
る状態を示した部分破断正面図である。

【図８】図７のＣ−Ｃ断面図である。

【図９】この考案の第二実施例の紐締め具に紐を挿通し
て固定した状態を示す部分破断正面図である。

【図１０】図９のＤ−Ｄ断面図である。

【符号の説明】

１０ シリンダ １２ ピストン １６ 紐通し孔 １８ 係止部 ２０ 第一被係止部 ３０ 紐押え部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 シリンダ（１０）と、このシリンダ（１
   ０）内に挿入され摺動可能に設けられたピストン（１
   ２）とを有し、上記シリンダ（１０）の側面の互いに対
   向する面を貫通するように形成された紐通し部（１６）
   と、上記ピストン（１２）に形成された紐押え部（３
   ０）とを設け、上記ピストン（１２）を上記シリンダ
   （１０）内から所定量引き出した状態で上記紐通し部
   （１６）と紐押え部（３０）とが連通し、上記紐通し部
   （１６）に紐（３２）を挿通して上記ピストン（１２）
   を押し込んだ状態で、紐（３２）を上記紐押え部（３
   ０）により押圧した位置に上記ピストン（１２）をシリ
   ンダ（１０）に係止させる係止部（１８）を、上記ピス
   トン（１２）とシリンダ（１０）の一方に設け、上記係
   止部（１８）が係合する被係止部（２０）を上記ピスト
   ン（１２）とシリンダ（１０）の他方に設けたことを特
   徴とする紐締め具。