JPH06175083A - 眼用レンズ材料 - Google Patents

眼用レンズ材料

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JPH06175083A
JPH06175083A JP4330499A JP33049992A JPH06175083A JP H06175083 A JPH06175083 A JP H06175083A JP 4330499 A JP4330499 A JP 4330499A JP 33049992 A JP33049992 A JP 33049992A JP H06175083 A JPH06175083 A JP H06175083A
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JP
Japan
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oxygen permeability
lens material
ophthalmic lens
monomer
contg
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JP4330499A
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English (en)
Inventor
Eizo Oikawa
栄蔵 及川
Toshiki Aoki
俊樹 青木
Hiroshi Nakahara
広志 中原
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Menicon Co Ltd
Original Assignee
Menicon Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高い酸素透過性を有し、該酸素透過性の経時
変化が小さく、機械的強度にもすぐれる眼用レンズ材料
を提供すること。 【構成】 一般式(I): 【化15】 (式中、R1 は水素原子または炭素数1〜6のアルキル
基またはフェニル基、mおよびnはそれぞれ独立して1
〜15の整数、pは0または1を示す)で表わされるシリ
コン含有フェニルアセチレン誘導体を含有した重合成分
を重合してえられる重合体からなる眼用レンズ材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、眼用レンズ材料に関す
る。さらに詳しくは、高い酸素透過性を有し、該酸素透
過性の経時変化が小さく、機械的強度にもすぐれ、たと
えばコンタクトレンズ、眼内レンズ、人工角膜などに好
適に使用しうる眼用レンズ材料に関する。
【0002】
【従来の技術】眼用レンズ材料、とくにコンタクトレン
ズ材料には、角膜組織の新陳代謝機能を阻害しない程度
の酸素を角膜に供給する必要があることから、近年酸素
透過性の向上が要求されている。
【0003】このように酸素透過性の向上が図られたコ
ンタクトレンズ材料として従来、種々の材料が提案され
ているが、なかでもたとえば特開昭60-149022 号公報、
特開昭60-73519号公報などに記載されたアセチレン基を
重合性基とする単量体からなる材料は、高い酸素透過性
を有するので注目されているものである。
【0004】しかしながら、従来のアセチレン基を重合
性基とする単量体からなる材料は、確かに高い酸素透過
性を呈するとはいうものの、経時とともにしだいに酸素
透過性が低下するという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来技
術に鑑みてなされたものであり、高い酸素透過性を有
し、該酸素透過性の経時変化が小さく、機械的強度にも
すぐれた眼用レンズ材料を提供することを目的とするも
のである。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は一般
式(I):
【0007】
【化2】
【0008】(式中、R1 は水素原子または炭素数1〜
6のアルキル基またはフェニル基、mおよびnはそれぞ
れ独立して1〜15の整数、pは0または1を示す)で表
わされるシリコン含有フェニルアセチレン誘導体を含有
した重合成分を重合してなる重合体からなる眼用レンズ
材料に関する。
【0009】
【作用および実施例】本発明の眼用レンズ材料は、前記
したように、一般式(I):
【0010】
【化3】
【0011】(式中、R1 は水素原子または炭素数1〜
6のアルキル基またはフェニル基、mおよびnはそれぞ
れ独立して1〜15の整数、pは0または1を示す)で表
わされるシリコン含有フェニルアセチレン誘導体を含有
した重合成分を重合してえられる重合体からなるもので
ある。
【0012】前記一般式(I)で表わされるシリコン含
有フェニルアセチレン誘導体(以下、モノマー(A) とい
う)は、えられる眼用レンズ材料に高酸素透過性および
高機械的強度を付与せしめるための成分であり、その酸
素透過性の経時変化は比較的小さいものである。
【0013】なお、モノマー(A) においては、mまたは
nが16以上の整数であるばあいには、該モノマー(A) の
精製や合成が困難となるようになり、またpが2以上の
整数であるばあいには、その合成が困難となるようにな
る。
【0014】前記モノマー(A) の代表例としては、たと
えば4-(トリメチルシリル)フェニルアセチレン、4-
(ペンタメチルジシロキサニル)フェニルアセチレン、
4-(ヘプタメチルトリシロキサニル)フェニルアセチレ
ン、4-(ノナメチルテトラシロキサニル)フェニルアセ
チレン、2,4-ビス(トリメチルシリル)フェニルアセチ
レン、4-(ペンタメチルジシロキサニル)-2- (トリメ
チルシリル)フェニルアセチレンなどがあげられ、これ
らは単独でまたは2種以上を混合して用いることができ
る。なお、これらのなかで2種以上を混合して用いるば
あいには、一置換のモノマー同志または二置換のモノマ
ー同志を用いることが、ランダムな共重合性が良好であ
るという点から好ましい。
【0015】本発明の眼用レンズ材料は、前記モノマー
(A) のみを含有した重合成分を重合してえられる重合体
からなる材料でもよく、前記モノマー(A) および該モノ
マー(A) 以外の単量体を含有した重合成分を重合してえ
られる重合体からなる材料でもよい。
【0016】前記モノマー(A) 以外の単量体を含有した
重合成分を用いるばあいのモノマー(A) の配合量は、重
合成分全量の50重量%以上、好ましくは70重量%以上、
さらに好ましくは90重量%以上であることが望ましい。
かかるモノマー(A) の配合量が前記範囲未満であるばあ
いには、えられる眼用レンズ材料の酸素透過性が小さく
なったり、経時とともに低下したりするようになる傾向
がある。
【0017】本発明の眼用レンズ材料は、前記モノマー
(A) を含有した重合成分を重合してえられる重合体から
なるものであるが、該モノマー(A) のほかにも、たとえ
ばさらに酸素透過性、機械的強度などを向上させる目的
で、かかるモノマー(A) と重合可能な単量体(以下、他
の単量体という)を用いることができる。
【0018】前記他の単量体としては、たとえば一般式
(II):
【0019】
【化4】
【0020】(式中、R2 は水素原子または炭素数1〜
8のアルキル基、R3 は炭素数1〜8のアルキル基、フ
ルオロアルキル基で置換されていてもよいフェニル基ま
たは一般式:
【0021】
【化5】
【0022】(式中、R4 、R5 およびR6 はそれぞれ
独立して水素原子、炭素数1〜8の1価の炭化水素基ま
たはシリコンを含有する1価の有機基を示す)で表わさ
れる基を示す)で表わされる単量体などがあげられる。
【0023】前記一般式(II)で表わされる単量体の代
表例としては、たとえば
【0024】
【化6】
【0025】などがあげられる。
【0026】これらの他の単量体は単独でまたは2種以
上を混合して用いることができるが、該他の単量体の配
合量は、重合成分全量の50重量%以下、好ましくは30重
量%以下、さらに好ましくは10重量%以下であることが
望ましい。かかる他の単量体の配合量が前記範囲をこえ
るばあいには、前記モノマー(A) とランダムに共重合し
にくくなる傾向がある。
【0027】本発明では、モノマー(A) 、さらに必要に
応じて他の単量体などの重合成分を前記配合量の範囲内
で所望量を調整し、重合触媒の存在下、通常の方法で重
合することによって重合体をうることができる。
【0028】前記通常の方法としては、たとえば所望量
を調整した重合成分および重合触媒を配合したのち、チ
ッ素雰囲気下、室温でまたは用いる重合成分や溶媒を用
いるばあいにはかかる溶媒の沸点以下の温度に加熱し、
数分間ないし数十時間重合する方法などがある。加熱し
て重合させるばあいには、段階的に昇温させてもよい。
かかる重合は塊状重合法によってなされてもよいし、溶
媒などを用いた溶液重合法によってなされてもよく、ま
たその他の方法によってなされてもよい。
【0029】前記重合触媒としては、たとえば六塩化タ
ングステン、五塩化モリブデン、五塩化ニオブ、五塩化
タンタル、五塩化レニウム、三塩化ルテニウム、三塩化
オスミウム、三塩化イリジウムなどのメタセシス重合触
媒、[Rh(C8 12){P(C6 5 3 2 ]PF
6 、[RhCl(C7 8 2 2 などのロジウム錯体
などがあげられる。かかる重合触媒の使用量は、重合成
分全量の0.5 〜2モル%程度であることが好ましい。
【0030】また、前記溶液重合法によって重合するば
あいに用いる溶媒としては、重合成分、重合触媒などの
溶解が良好であり、重合を阻害しないものであればよ
く、とくに限定がないが、たとえばトリエチルアミン、
トルエン、クロロホルム、エタノールなどがあげられ
る。
【0031】かくしてえられる眼用レンズ材料を用いて
コンタクトレンズ、眼内レンズなどの眼用レンズとして
成形するばあいには、当業者によって通常行なわれてい
る成形方法が採用される。かかる成形方法としては、た
とえば切削加工法や鋳型(モールド)法などがある。切
削加工法は、重合を適当な型または容器中で行ない、棒
状、ブロック状、板状の素材(重合体)をえたのち、切
削加工、研磨加工などの機械的加工により所望の形状に
加工する方法である。また鋳型法は、所望の眼用レンズ
の形状に対応した型を用意し、この型のなかで重合を行
なって成形物をえ、必要に応じて機械的に仕上げ加工を
施す方法である。
【0032】また、あらかじめ重合体をえたのち、これ
を適当な溶媒に溶解させてから所望の眼用レンズの形状
に対応した型に流し込み、溶媒を蒸発させる溶媒キャス
ト法や、えられた重合体を加熱して溶解させてから所望
の形状の型に流し込み、冷却(放冷)させる溶融キャス
ト法などを用いることもできる。
【0033】さらに、眼内レンズをうるばあいには、レ
ンズの支持部をレンズとは別に作製してあとでレンズに
取付けてもよく、レンズと同時に(一体的に)成形して
もよい。
【0034】つぎに本発明の眼用レンズ材料を実施例に
基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はかかる実施
例のみに限定されるものではない。
【0035】製造例1(4-(トリメチルシリル)フェニ
ルアセチレンの合成) 撹拌装置および100ml 容の滴下ろうとを備えた500ml 容
の三つ口フラスコに、p-ジブロモベンゼン18.87 g(80
mmol)を添加したのち、チッ素気流下、氷浴で冷却しな
がら無水エーテル80mlを添加し、n-ブチルリチウムのエ
ーテル溶液48.19ml (n-ブチルリチウムの量:80mmol)
を滴下ろうとを用いて徐々に滴下して2時間撹拌した。
【0036】この反応液に、トリメチルクロロシラン1
2.13ml (96mmol)を滴下ろうとを用いて滴下し、さら
に3時間撹拌したのち、水洗およびエーテル抽出を行な
い、濃縮後に乾燥させたものを減圧蒸留によって精製
し、4-トリメチルシリルブロモベンゼンをえた。
【0037】えられた4-トリメチルシリルブロモベンゼ
ン15.64 g(68.24mmol )に、チッ素気流下、氷浴で冷
却しながらn-ブチルリチウムのエーテル溶液41.11ml
(n-ブチルリチウムの量:68.24mmol )を添加して4-ト
リメチルシリルブロモベンゼンのリチオ化を行なった。
【0038】つぎに、1,1-ジクロロ-2,2- ジフルオロエ
チレン9.08g(68.24mmol )のエーテル溶液に、メタノ
ールおよびドライアイスで−60℃まで冷却しながらえら
れた4-トリメチルシリルリチウムベンゼンのエーテル溶
液100ml (4-トリメチルシリルリチウムベンゼンの量:
68mmol)を滴下した。
【0039】この反応液を2時間撹拌したのち、その温
度が室温になるまで放冷し、水洗およびエーテル抽出を
行ない、乾燥させた。
【0040】この反応物からエーテルおよび低沸点を有
する物質を除去したもの1モルに対してn-ブチルリチウ
ム2モルの割合でn-ブチルリチウムのエーテル溶液を添
加してリチオ化を行ない、加水分解させ、エーテル抽出
を行なったのち、減圧蒸留(45〜48℃/0.9mmHg )によ
って精製し、反応生成物5.71g(純度:96%(ガスクロ
マトグラフにより測定)、収率:40.6%)をえた。
【0041】かかる反応生成物のプロトン核磁気共鳴ス
ペクトル( 1H-NMR )および赤外吸収スペクトル(IR)を
測定した。そのデータを以下に示す。
【0042】
【化7】
【0043】これらの分析結果から、4-(トリメチルシ
リル)フェニルアセチレン(以下、P-1 という)がえら
れたことが確認された。
【0044】製造例2(4-(ペンタメチルジシロキサニ
ル)フェニルアセチレンの合成) 撹拌装置、ジムロートおよび100ml 容の滴下ろうとを備
えた500ml 容の三つ口フラスコに、p-ジブロモベンゼン
38.22 g(162mmol )を添加したのち、チッ素気流下、
氷浴で冷却しながら無水エーテル100ml を添加し、n-ブ
チルリチウムのヘキサン溶液100ml (n-ブチルリチウム
の量:162mmol )を滴下ろうとを用いて徐々に滴下して
1時間撹拌した。
【0045】この反応液に、オクタメチルシクロテトラ
シロキサン25.03ml (81mmol)を滴下ろうとを用いて徐
々に滴下して1時間撹拌したのち、トリメチルクロロシ
ラン24.56ml (194.4mmol )を徐々に滴下してさらに1
時間撹拌した。これを水洗し、エーテル抽出を行なった
のち、エーテルを留去してから無水硫酸ナトリウムで一
晩乾燥させたものを減圧蒸留(86〜96℃/0.65mmHg)に
よって精製し、反応生成物43.57 g(収率:88.67 %)
をえた。
【0046】かかる反応生成物の 1H-NMR を測定した。
そのデータを以下に示す。
【0047】
【化8】
【0048】この分析結果から、4-ペンタメチルジシロ
キサニルブロモベンゼンがえられたことが確認された。
【0049】つぎに、撹拌装置およびジムロートを備え
た500ml 容の三つ口フラスコに、ジクロロビス(トリフ
ェニルホスフィン)パラジウム(II)0.15g、トリフェニ
ルホスフィン0.2 gおよびヨウ化銅0.1 gを添加したの
ち、チッ素気流下で前記4-ペンタメチルジシロキサニル
ブロモベンゼン33.5g(110.44mmol)、トリエチルアミ
ン200ml および2-メチル-3- ブチン-2- オール16.2ml
(165.66mmol)を順に添加し、100 〜110 ℃に加熱し
た。これをトリエチルアミン還流下で5時間撹拌したの
ち、塩をろ過し、トリエチルアミンを留去して減圧蒸留
(110 〜116 ℃/0.4 〜0.55mmHg)によって精製し、反
応生成物28.98 g(収率:85.6%)をえた。
【0050】かかる反応生成物の 1H-NMR を測定した。
そのデータを以下に示す。
【0051】
【化9】
【0052】この分析結果から、1-(4′-(ペンタメチル
ジシロキサニル)フェニルアセチル)-1- メチルエタン
-1- オールがえられたことが確認された。
【0053】この反応生成物を水素化ナトリウム0.5 g
存在下、トルエン溶液中で100 ℃で1時間撹拌し、トル
エンを留去したのち、減圧蒸留(72〜76℃/1〜3.5mmH
g )によって精製して反応生成物21.25 g(収率:92.0
2 %)をえた。
【0054】かかる反応生成物の 1H-NMR を測定した。
そのデータを以下に示す。
【0055】
【化10】
【0056】この分析結果から、4-(ペンタメチルジシ
ロキサニル)フェニルアセチレン(以下 P-2という)が
えられたことが確認された。
【0057】製造例3(4-(ノナメチルテトラシロキサ
ニル)フェニルアセチレンの合成) 撹拌装置および200ml 容の滴下ろうとを備えた500ml 容
の三つ口フラスコに、p-ジブロモベンゼン38.22 g(16
2mmol )を添加したのち、チッ素気流下、氷浴で冷却し
ながら無水エーテル100ml を添加し、n-ブチルリチウム
のヘキサン溶液100ml (n-ブチルリチウムの量:162mmo
l )を滴下ろうとを用いて徐々に滴下して2時間撹拌し
た。
【0058】つぎに、氷浴での冷却からヘキサンおよび
液体チッ素を用いての冷却にかえたのち、ヘキサメチル
シクロトリシロキサン36.05 g(162mmol) のエーテル溶
液を滴下ろうとを用いて一気に添加して20分間撹拌し
た。こののち、トリメチルクロロシラン24.56ml (194.
4mmol)を一気に滴下して10分間撹拌してから冷却を中止
し、室温になるまで放冷して1時間撹拌した。この反応
液からエーテルを半分程度留去したのち、水洗し、エー
テル抽出を行なった。エーテルを留去してから無水硫酸
ナトリウムで一晩乾燥させたものを減圧蒸留(102 〜11
6 ℃/0.7mmHg )によって精製し、反応生成物28.83 g
(収率:39.4%)をえた。
【0059】かかる反応生成物の 1H-NMR を測定した。
そのデータを以下に示す。
【0060】
【化11】
【0061】この分析結果から、4-ノナメチルテトラシ
ロキサニルブロモベンゼンがえられたことが確認され
た。
【0062】つぎに、撹拌装置およびジムロートを備え
た500ml 容の三つ口フラスコに、ジクロロビス(トリフ
ェニルホスフィン)パラジウム(II)0.03g、トリフェニ
ルホスフィン0.06gおよびヨウ化銅0.03gを添加したの
ち、チッ素気流下で前記4-ノナメチルテトラシロキサニ
ルブロモベンゼン15.3g(33.88mmol )およびトリエチ
ルアミン100ml を添加してよく撹拌した。こののち、2-
メチル-3- ブチン-2-オール5.96ml(60.96mmol )を添
加し、100 〜110 ℃に加熱した。これを4時間撹拌した
のち、放冷し、トリエチルアミンを半分程度留去してか
ら、水洗およびエーテル抽出を行ない、エーテルを留去
した。これを無水硫酸ナトリウムで一晩乾燥させてから
減圧蒸留によって低沸点を有する物質を除去した。これ
に水素化ナトリウム0.3 gおよびトルエン50mlを加え、
100 ℃に加熱して1時間撹拌したのち、減圧蒸留(94〜
101 ℃/0.3 〜0.35mmHg)によって精製して反応生成物
8.64g(収率:65.22 %)をえた。
【0063】かかる反応生成物の 1H-NMR を測定した。
そのデータを以下に示す。
【0064】
【化12】
【0065】この分析結果から、4-(ノナメチルテトラ
シロキサニル)フェニルアセチレン(以下、P-3 とい
う)がえられたことが確認された。
【0066】製造例4(2,4-ビス(トリメチルシリル)
フェニルアセチレンの合成) 撹拌装置および200ml 容の滴下ろうとを備えた500ml 容
の三つ口フラスコに、カリウム-tert-ブトキシド13.9g
(123.9mmol)を添加したのち、チッ素気流下、テトラヒ
ドロフラン130ml を添加し、液体チッ素およびヘキサン
で−90℃に冷却しながらn-ブチルリチウムのヘキサン溶
液75.55ml (n-ブチルリチウムの量:123.9mmol )を滴
下ろうとを用いて徐々に滴下し、さらに製造例1でえら
れたP-14.32g(24.78mmol )を滴下ろうとを用いて滴
下して保温しながら2時間撹拌した。
【0067】この反応液に、トリメチルクロロシラン1
8.78ml (148.7mmol )を滴下ろうとを用いて滴下し、
1時間撹拌してからその温度が室温になるまで放冷した
のち、水洗およびエーテル抽出を行ない、1N水酸化カ
リウムエーテル溶液によって加水分解させた。これを無
水硫酸ナトリウムで乾燥させてエーテルを留去したの
ち、減圧蒸留(85〜87℃/0.7mmHg )によって精製して
反応生成物3.91g(純度:93%(ガスクロマトグラフに
より測定)、収率:58.75 %)をえた。
【0068】かかる反応生成物の 1H-NMR およびIRを測
定した。そのデータを以下に示す。
【0069】
【化13】
【0070】これらの分析結果から、2,4-ビス(トリメ
チルシリル)フェニルアセチレン(以下、P-4 という)
がえられたことが確認された。
【0071】製造例5(4-(ペンタメチルジシロキサニ
ル)-2-(トリメチルシリル)フェニルアセチレンの合
成) 撹拌装置および100ml 容の滴下ろうとを備えた200ml 容
の三つ口フラスコに、カリウム-tert-ブトキシド10.64
g(94.7mmol) を添加したのち、チッ素気流下、無水テ
トラヒドロフラン60mlを添加し、液体チッ素およびヘキ
サンで−90℃に冷却しながらn-ブチルリチウムのヘキサ
ン溶液56.42ml (n-ブチルリチウムの量:94.78mmol )
を滴下ろうとを用いて徐々に滴下し、さらに製造例2で
えられたP-2 4.71g(18.96mmol )を滴下ろうとを用い
て滴下して2時間撹拌した。
【0072】この反応液に、トリメチルクロロシラン1
4.37ml(113.74mol)を滴下ろうとを用いて滴下し、冷却
を中止して2時間撹拌したのち、水洗およびエーテル抽
出を行ない、エーテルを留去して無水硫酸ナトリウムで
一晩乾燥させた。これに1モル/リットルの水酸化カリ
ウムエタノール溶液を添加し、約40℃に加温して1時間
撹拌したのち、水を添加して大量の無水硫酸ナトリウム
で乾燥させてろ過した。これを水素化カルシウムで乾燥
させ、減圧蒸留(88〜94℃/0.9mmHg )によって精製し
て反応生成物1.29g(収率:21.1%)をえた。
【0073】かかる反応生成物の 1H-NMR を測定した。
そのデータを以下に示す。
【0074】
【化14】
【0075】この分析結果から、4-(ペンタメチルジシ
ロキサニル)-2- (トリメチルシリル)フェニルアセチ
レン(以下、 P-5という)がえられたことが確認され
た。
【0076】実施例1 50ml容の二つ口フラスコに、チッ素気流下、表1に示さ
れるモノマー(A) および重合触媒を添加し、これにトリ
エチルアミンを添加してトリエチルアミン1リットルあ
たりモノマー(A) が0.5 モルとなるように調整したの
ち、室温で重合を開始させ、20時間経過後、大量のメタ
ノール中に反応溶液を投入して重合体を沈殿させた。こ
れをフィルターでろ過したのち、真空乾燥させて重合体
をえた。かかる重合体を指でつまんで引っ張ったとこ
ろ、従来の材料のような脆さはなく、眼用レンズ材料と
して好適な強度を有するものであった。
【0077】えられた重合体の収率(%)、重量平均分
子量および分子量分布(重量平均分子量/数平均分子
量)を表1に示す。なお、重量平均分子量および分子量
分布は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(液体ク
ロマトグラフ655A-11 、日立製作所製)によって測定し
たものであり、表1中の重量平均分子量の値は本来の値
に10-8を乗じた数値である。
【0078】また、えられた重合体の酸素透過係数を以
下の方法にしたがって調べた。その結果を表1に示す。
【0079】(酸素透過係数)ガス透過率測定装置(GT
R-10、(株)柳本製作所製)を用いて重合体の酸素透過
係数を測定した。なお、酸素透過係数の単位はcm3 (ST
P) ・cm/(cm2 ・sec・mmHg) であり、表1中の値は本
来の値に1011を乗じた数値である。
【0080】さらに、重合体を空気中、室温で30日間保
存したのち、前記と同様にして酸素透過係数を測定した
ところ、146 ×10-11 cm3 (STP) ・cm/(cm2 ・sec ・
mmHg) であり、保存前の値と比較してほとんど変化がな
く、酸素透過係数の経時変化が小さいことが確認され
た。
【0081】実施例2〜16 実施例1において、組成を表1に示されるように変更し
たほかは実施例1と同様にして重合体をえた。これらの
重合体も実施例1でえられたものと同様に、眼用レンズ
材料として好適な強度を有するものであった。
【0082】えられた重合体の収率(%)、重量平均分
子量および分子量分布を実施例1と同様にして測定し
た。その結果を表1に示す。
【0083】また、実施例2、4、6〜13および16でえ
られた重合体の酸素透過係数を実施例1と同様にして調
べた。その結果を表1に示す。
【0084】さらに、実施例7の重合体については、空
気中、室温で60日間保存したのちの酸素透過係数を測定
したところ、328 ×10-11 cm3 (STP) ・cm/(cm2 ・se
c ・mmHg) であり、保存前の値と比較してほとんど変化
がなく、酸素透過係数の経時変化が小さいことが確認さ
れた。
【0085】
【表1】
【0086】なお、表1中の各略号はつぎの化合物を意
味する。
【0087】RhP:[Rh(C8 12){P(C6
5 3 2 ]PF6 RhCl:[RhCl(C7 8 2 表1に示された結果から明らかなように、本発明の眼用
レンズ材料は、高い酸素透過係数を有するものであるこ
とがわかる。
【0088】
【発明の効果】本発明の眼用レンズ材料は、高い酸素透
過性を有し、該酸素透過性の経時変化が小さく、機械的
強度にもすぐれているので、たとえばコンタクトレン
ズ、眼内レンズ、人工角膜などに好適に使用することが
できるという効果を奏する。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I): 【化1】 (式中、R1 は水素原子または炭素数1〜6のアルキル
    基またはフェニル基、mおよびnはそれぞれ独立して1
    〜15の整数、pは0または1を示す)で表わされるシリ
    コン含有フェニルアセチレン誘導体を含有した重合成分
    を重合してなる重合体からなる眼用レンズ材料。
JP4330499A 1992-12-10 1992-12-10 眼用レンズ材料 Pending JPH06175083A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002527171A (ja) * 1998-10-13 2002-08-27 フアルマシア・フローニンゲン・ベー・ベー 光硬化可能なシロキサン重合体
JP2002527170A (ja) * 1998-10-13 2002-08-27 フアルマシア・フローニンゲン・ベー・ベー 注入可能な眼内レンズ

Cited By (3)

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002527171A (ja) * 1998-10-13 2002-08-27 フアルマシア・フローニンゲン・ベー・ベー 光硬化可能なシロキサン重合体
JP2002527170A (ja) * 1998-10-13 2002-08-27 フアルマシア・フローニンゲン・ベー・ベー 注入可能な眼内レンズ
JP4831865B2 (ja) * 1998-10-13 2011-12-07 エイ・エム・オー・フローニンゲン・ベー・ベー 注入可能な眼内レンズ

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