JPH06174954A - 光導波路装置 - Google Patents

光導波路装置

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JPH06174954A
JPH06174954A JP17697493A JP17697493A JPH06174954A JP H06174954 A JPH06174954 A JP H06174954A JP 17697493 A JP17697493 A JP 17697493A JP 17697493 A JP17697493 A JP 17697493A JP H06174954 A JPH06174954 A JP H06174954A
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JP
Japan
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optical waveguide
optical
core
waveguide device
power distribution
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JP17697493A
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English (en)
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Hideyori Sasaoka
英資 笹岡
Hiroo Kanamori
弘雄 金森
Hiroshi Suganuma
寛 菅沼
Shinji Ishikawa
真二 石川
Tatsuhiko Saito
達彦 齋藤
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Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Priority to AU59367/94A priority patent/AU666257B2/en
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 製造工程における加工精度の不良に影響され
にくい低損失の光導波路装置の構造を提供する。 【構成】 機能部品2の挿入部分における光導波路10
のコア部12aの幅を、挿入部分以外の部分におけるコ
ア部12bの幅と変えることにより、挿入部分における
光導波路10の光パワー分布を広げ、これにより光結合
損失の光軸ずれ依存性を小さくすることで機能部品2の
挿入工程における位置の精度不良に伴う光結合損失を抑
える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、光導波路の経路中に
光の分岐、結合或いはスイッチング等を行う機能部品を
挿入して構成される光導波路装置の構造に関し、特に低
損失な当該装置の製造を容易にするための構造に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】ミリメートルオーダーの小さな部分にお
いて光の分岐、結合或いはスイッチング等を行う光デバ
イスは、光通信システムや光センサ等の小型化、高機能
化において極めて重要なものである。かかる光デバイス
として、近年、光導波路中に分岐、結合或いはスイッチ
ング等を行う機能部品を挿入して構成されるいわゆる部
品挿入型の光導波路装置が注目されている。
【0003】上記光導波路装置において光の分岐、結合
等の機能を実現する方法としては、従来から導波路基板
上に方向性結合器、あるいはY分岐、X分岐等の構造を
有する光導波路パターンを作製して実現する方法が行わ
れており、また、スイッチングの機能を実現する方法と
しては、上記方向性結合器における伝搬定数を変化させ
ることにより実現する方法が行われてきた。
【0004】さらに、以上に説明した方法のほか、光導
波路装置において分岐,結合,スイッチングの機能を実
現する方法としては、導波路基板上に構成された光導波
路の経路中に分岐、結合、スイッチング等を行う機能部
品を作り込む方法が考えられている。
【0005】図12は、光分岐機能を実現する従来の部
品挿入型光導波路装置の構成を示す図であり、この従来
の光導波路装置は、T字状の光導波路1の交差部(機能
部品の挿入部分)に、光を分岐する機能部品であるハー
フミラー2を入射光の光軸に対して45度の角度で挿入
したものである。なお、従来の光導波路装置では、光導
波路1のコア幅は一定(コア部とクラッド部との比屈折
率差も一定)とされており、このような構成において、
入射側光導波路1a(ハーフミラー2に対して入射側)
を伝搬する光はハーフミラー2により透過側光導波路1
b(ハーフミラー2に対して出射側)と、反射側光導波
路1c(ハーフミラー2に対して出射側)とに分岐され
る。
【0006】また、このような従来の光導波路装置は、
予め導波路基板(図中、四角で示す部分)上に形成した
T字状光導波路1の交差部(機能部品の挿入部分)の一
部をレーザ加工等により除去してハーフミラー2を挿入
するための空間を作った後、機能部品であるハーフミラ
ー2を挿入して製造されていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来の光導波路装置は
以上のように、基板上に予め形成したT字状光導波路1
の交差部であって、ハーフミラー等の機能部品の挿入部
分の一部をレーザ加工等により除去した後、作られた空
間に所望機能を実現する機能部品を挿入して製造してい
たが、光導波路を構成する材料と空間とでは一般的には
屈折率が異なるため、この部分で光の回折が生じ、これ
が過剰損失(伝搬中の光が減衰することにより生ずる伝
送損失以外の、他の要因による伝送損失をいう)の原因
となる。また、上記機能部品として従来例のようにハー
フミラーを挿入する場合、正しい位置に挿入されない
と、このハーフミラーに入射した光の進路が歪められ、
これも過剰損失の原因となる。
【0008】したがって、上記機能部品を正確に挿入す
るためには、ミクロンあるいはサブミクロンオーダーの
精度で加工される必要があるが、実際にはこの精度要求
を満たしつつ機能部品を光導波路の経路中に挿入するこ
とは極めて困難であり、また従来から上述したような回
折及び部品挿入精度の不良による過剰損失を低減させる
ための対策は採られていないことから、低損失の光導波
路装置を再現性よく、かつ容易(高精度の加工が要求さ
れない)に製造することができないという課題があっ
た。
【0009】なお、このような課題は光分岐用の光導波
路装置に限られず、光結合やスイッチング等を行う機能
部品を挿入する他の部品挿入型の光導波路装置において
も同様である。
【0010】この発明は以上のような課題を解決するた
めになされたもので、製造工程における加工精度の不良
に影響されにくい低損失の部品挿入型光導波路装置の構
造を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1の第1の発明に
係る光導波路装置は、当該光導波路装置に備えられた光
導波路であって、光を伝搬する光導波路の経路中におい
て、ハーフミラー等の機能部品を挿入する挿入部分の光
パワー分布を、その他の部分の光パワー分布よりも大き
くする手段を設けたことを特徴としている。
【0012】さらに、請求項2の第2の発明に係る光導
波路装置では、上記光導波路の経路中に機能部品を挿入
する複数の挿入部分が存在する場合を想定しており、例
えば上記光導波路を格子状に形成して各交差点近傍の光
導波路部分を挿入部分として機能部品(ハーフミラー
等)を挿入することにより、光導波路型スイッチ等を構
成する場合、各機能部品を結合しているこの光導波路部
分の光パワー分布を、上記挿入部分における光パワー分
布と略一致する手段を、光導波路に設けたことを特徴と
している。
【0013】上記第1及び第2の発明において、機能部
品の挿入部分と他の部分とで光導波路の光パワー分布を
変える第1の手段としては、上記光導波路のコア幅を、
機能部品の挿入部分における機能部品への入射側及び出
射側のコア幅が、挿入部分以外の部分のコア幅よりも大
きくするか、あるいは逆に小さくするように構成するこ
とで実現する。特に、第2の発明においては、各機能部
品間を結合しているこの光導波路のコア幅を上記機能部
品の挿入部分のコア幅と略一致させることにより実現す
る。
【0014】また、機能部品の挿入部分と他の部分とで
光導波路の光パワー分布を変える第2の手段としては、
光導波路のコア部とクラッド部との間の比屈折率差を、
機能部品の挿入部分における比屈折率差が他の部分の比
屈折率差よりも小さくなるように構成することで実現す
る。
【0015】特に、光パワー分布を変える上記第1の手
段の場合、光導波路のコア幅を機能部品の挿入部分近傍
においてテーパー状に変えることを特徴としている。
【0016】
【作用】図1は、当該光導波路装置における光導波路の
光軸がずれた場合の光過剰損失の光軸ずれ依存性を示す
グラフであり、特に、この図1において、点線は光パワ
ー分布幅が8μmの場合を示し、実線は光パワー分布幅
が18μmの場合を示している。なお、光パワー分布幅
とは、水平方向について光パワーがピーク値の1/e2
以上ある部分の全幅をいう。
【0017】この図1から明らかなように、光パワー分
布を拡大することにより、光軸ずれによる光過剰損失の
絶対値が小さくなるとともに、過剰損失の光軸ずれ依存
性も小さくなることが分かる。このため、第1及び第2
の発明に係る光導波路装置のように、光を伝搬する光導
波路の経路中において、ハーフミラー等の機能部品を挿
入する挿入部分の光パワー分布を他の部分の光パワー分
布よりも大きくすることで、機能部品の挿入の際に精度
不良があっても、従来のように光パワー分布を拡大しな
かった場合と比較して、過剰損失を小さく抑えることを
可能にする。
【0018】また、上記光パワー分布は、伝搬される光
の波長、光導波路のコア部とクラッド部との間の比屈折
率差、コア幅、コア厚さ等により変化する。したがっ
て、機能部品の挿入部分の光パワー分布を大きくするに
は、色々な手段が考えられるが、上記挿入部分における
コア幅を他の部分のコア幅と異なる寸法(他の部分にお
けるコア部の幅よりも大きくするか、あるいは小さくす
る)にすることが有効な方法と考えられる。
【0019】図2は、光導波路のコア幅と光パワー分布
幅との間の関係を示すグラフであり、この図2の例で示
す光導波路装置は、光導波路をSiO2 −TiO2 形と
し、光導波路となるコア部とクラッド部との間の比屈折
率差は0.3%、コア厚さを7μmとして製造したもの
である。
【0020】この図2からも明らかなように、機能部品
の挿入部分以外の光導波路部分のコア幅が例えば7μm
である場合には、挿入部分でのコア幅を7μmよりも広
くすることで、その部分(挿入部分)の光パワー分布幅
が拡大されることが分かる。一方、図2に示すように、
コア幅をある一定値よりも狭くした場合にも、光パワー
分布幅は拡大される。これは、コア幅を狭めた場合、コ
ア部の光パワー閉込め能力の限界を越えてしまうからで
あり、したがって、挿入部分以外の部分のコア幅が図2
の例で4μmであるならば、機能部品挿入部分でのコア
部の幅を2μm程度に狭めることで、光パワー分布幅を
拡大できることが分かる(なお、以上で説明したコア幅
の値は、すべてコア厚さが7μmの場合の数値であ
る)。
【0021】さらに、光パワー分布を拡大するために
は、光導波路のコア部とクラッド部との間の比屈折率差
を小さくする手段を採ることもできる。図3は、コア部
とクラッド部との間の比屈折率差と光パワー分布幅のと
の間の関係を示すグラフであり、この図3の例で示す光
導波路装置は、光導波路をSiO2 −TiO2 形とし、
光導波路となるコア部の幅及び厚さは共に7μmとし
た。
【0022】この図3から明らかなように、コア部とク
ラッド部との間の比屈折率差を小さくすることにより光
パワー分布幅を拡大することが可能であることが分か
る。
【0023】
【実施例】以下、この発明に係る光導波路装置を図4乃
至図11を用いて説明する。なお、図中同一部分には同
一符号を付して説明を省略する。
【0024】図4は請求項1の第1の発明に係る光導波
路装置の一実施例として、光分岐機能を有する部品挿入
型の光導波路装置の構成を示す図であり、この第1の発
明に係る光導波路装置は、T字状の埋込み型SiO2
TiO2 光導波路10と、その交差部(機能部品の挿入
部分であって、特にこの明細書で挿入部分と記載する場
合は交差部を含む近傍の光導波路部分を意味する)に挿
入された機能部品たるハーフミラー2とから構成されて
いる。
【0025】特に、上記光導波路10はスパッタ法、C
VD法あるいは火炎堆積法等によって製造することがで
きるが、石英系光導波路の場合は火炎堆積法が低損失と
なって有効である。火炎堆積法によるSiO2 −TiO
2 光導波路10の製造プロセスは、”低損失石英系光導
波路”、オプトロニクス(1992)No.6に開示さ
れており、その概要は以下の通りである。
【0026】すなわち、まずSiCl4 とTiCl4
混合気体原料を酸水素炎中で燃焼して得られるガラス微
粒子をSi基板(導波路基板)11上に堆積する。この
火炎堆積プロセスにおいてガラス微粒子の組成を制御し
てSiO2 下部クラッド層(光導波路のクラッド部とな
る層)とSiO2 −TiO2 コア層(光導波路のコア部
となる層)からなる2層の微粒子膜を形成する。
【0027】続いて、この2層の微粒子膜(SiO2
部クラッド層及びSiO2 −TiO2 コア層)を電気炉
中で1000℃以上の高温に加熱して透明なプレーナ光
導波膜にし、次に、反応性イオンエッチングを用いて不
要なガラス膜部分を除去してリッジ状のコア部12を形
成する。
【0028】最後に、再度火炎堆積プロセスによりコア
部12をSiO2 上部クラッド層で覆い、透明ガラス化
してクラッド部13を形成することにより当該光導波路
装置を製造する。
【0029】この実施例においては、入射側(機能部品
に対して入射側)、透過側及び反射側(それぞれ機能部
品に対して反射側)の各光導波路10a、10b、10
cのコア部12の幅はT字状に形成された機能部品の挿
入部分に向かってテーパーー状に広げられている。
【0030】テーパーー状に広がる以前の光導波路部分
のコア幅W1 (具体的には、図4におけるA−A線で示
す挿入部分以外の光導波路部分12aのコア幅であっ
て、その断面図を図5(a)に示す)は7μm、挿入部
分でのコア幅W2 (具体的には、図4におけるB−B線
で示す挿入部分となる光導波路部分12bのコア幅であ
って、その断面図を図5(b)に示す)は20μm、徐
々にコア幅がテーパー状に変化している部分の長さ、す
なわちテーパーー長Lは2mm、また、コア部1a、1
2bの厚さTは7μm一定とし、コア部12a、12b
とクラッド部13との間の比屈折率差は0.3%とし
た。
【0031】ハーフミラー2は、光導波路10のT字状
に形成された機能部品の挿入部分に、入射側光導波路1
0aを伝搬していく入射光の光軸に対して45度の角度
をもって取り付けられている。このハーフミラー2の取
付方法としては種々考えられるが、光導波路10の挿入
部分の該当位置にレーザー加工、化学的エッチングある
いは機械的切削加工等の適宜な手段によりハーフミラー
挿入用の溝を形成し、そこにハーフミラー2を挿入する
のが一般的である。
【0032】特に、この実施例におけるハーフミラー2
は、厚さが15μm、縦横の寸法が1mmのものが用い
られ、波長1.31μmの光に対してその50%を透過
させるとともに、50%を反射させるように設計されて
いる。
【0033】以上のような構成において、機能部品の挿
入部分以外の部分(この光導波路部分におけるコア部1
2bのコア幅は7μm)の光パワー分布幅は約8μmで
あり、ハーフミラー2周辺の挿入部分(この部分におけ
るコア部12aの幅は20μm)では約20μmとな
る。したがって、入射側光導波路10aに波長1.31
μmの光を入射した場合、その光パワー分布はハーフミ
ラー2に接近するにつれて水平方向に拡大し、ハーフミ
ラー2により、入射光の50%が透過側光導波路10
b、残りの50%が反射側光導波路10cに導かれる。
【0034】この際、ハーフミラー2の挿入位置に精度
不良があり、透過光及び反射光の光軸がずれていた場合
も、光パワー分布幅が拡大されているため、すでに作用
の欄において図1を参照して説明した通り、光は低損失
で各光導波路10b、10cに伝搬される。この損失低
減効果を確認的に示したのが図6である。
【0035】すなわち、図6(a)は、上記構成の光導
波路装置を20個製造した際の反射側光導波路10cに
おける過剰損失を評価した損失度数分布図であり、図6
(b)は、コア幅を7μmと一定にし、他の条件は上記
構成と同一とした従来の光導波路装置における損失度数
分布図である。
【0036】過剰損失の主要因は、製造工程においてハ
ーフミラー2の挿入位置の精度が悪いために反射光の光
軸と反射側光導波路10cのコア部12aの中心がずれ
てしまうことにあると考えられるが、この図6(a)及
び(c)の比較から明らかなように、第1の発明に係る
光導波路装置では過剰損失が従来の光導波路装置と比較
して小さく、かつ光過剰損失の再現性も改善されている
(挿入精度の不良に影響されにくい)ことを確認するこ
とができる。
【0037】上記実施例では、ハーフミラー2周辺の挿
入部分における光導波路10のコア部12aの幅を、他
の部分のコア部12bの幅よりも広くすることで光パワ
ー分布の拡大を図っているが、前述したようにコア幅を
狭めても光パワー分布を拡大することができる。すなわ
ち、上記実施例と同様にコア幅が7μmの場合は、ハー
フミラー2周辺の挿入部分におけるコア部12aの幅を
2μm以下に狭めることにより光パワー分布を拡大する
ことができ、この場合もコア幅を広げた場合と同様に過
剰損失を低減させることができる。
【0038】また、コア幅を一定に保って構成した場合
であっても、ハーフミラー2の挿入部分におけるコア部
12aとクラッド部13との間の比屈折率差を小さくす
ることで、光パワー分布を拡大することができる(図3
参照)。比屈折率差を局所的に小さくするためには、こ
の挿入部分におけるコア部12aの屈折率を局所的に小
さくすればよく、上記実施例の場合、SiO2 −TiO
2 コア部12aのTiO2 を周辺のクラッド部13へ拡
散させることにより実現する。
【0039】なお、上記実施例では光導波路10として
SiO2 −TiO2 光導波路を示したが、他にもSiO
2 −GeO2 光導波路も低損失の光導波路として使用可
能である。このSiO2 −GeO2 光導波路を用いた場
合、コア部の屈折率を小さくするためには、GeO2
所望部分から拡散させることになる。
【0040】以上、ハーフミラー2を光導波路10のT
字状に形成した機能部品の挿入部分に挿入して光分岐機
能を有する光導波路装置について説明したが、この発明
はこれに限定されず、光のスイッチングや結合等を行う
他の光導波路装置にも適用可能である。
【0041】さらに、この発明は、光の波長を選択する
ためにフィルターを光導波路中に挿入した光導波路装置
にも適用することができる。フィルターの場合は光軸ず
れによる過剰損失は殆どない。しかし、フィルターを挿
入するために形成された溝と光導波路との間の屈折率の
差による過剰損失を光パワー分布の拡大によって低減す
ることができるので、この発明を適用することが有効と
なる。
【0042】次に、請求項2の第2の発明に係る光導波
路装置として、上述した光のスイッチングや結合等を行
う光導波路装置を構成する場合について説明する。
【0043】上述したように、この発明における光導波
路は、そのコア幅を変化させて光パワー分布を拡大させ
る場合、コア幅の急激な変化に伴う過剰損失の増加を防
止するため、コア幅をテーパー状に変化させている。そ
して、光導波路におけるコア部のコア幅を7→20→7
μmとテーパーー状に変化させた場合についての、テー
パーー長Lと過剰損失との関係を計算して求めた。図7
は、以上のように上記光導波路のテーパーー長Lと過剰
損失との関係を示した図であり、この図7から明らかな
ように、テーパー長Lを600μm以上とすれば十分な
低損失が達成されることが分かる。
【0044】しかしながら、以上の結果から光導波路を
機能部品の挿入部分周辺(機能部品の入射側及び出射
側)のテーパー長Lを600μm以上と十分にとり(実
施例では800μm)、これら光導波路を格子状に形成
して各交差点にハーフミラーを入射光の光軸に対して4
5度の角度で挿入して光導波路型スイッチを構成した場
合、図8に示すように各交差点となる機能部品の挿入部
分間にテーパー状の光導波路が存在することとなるた
め、光導波路装置としてのサイズが勢い大きくなってし
まう。なお、図8ではハーフミラー2は図示されていな
いが、光導波路を伝搬する光の光軸に対して45度傾け
た状態で出し入れすることにより、光を直進あるいは変
更させる光導波路型のスイッチを製造することができ
る。
【0045】そこで、第2の発明に係る光導波路装置と
して図9に示すように、伝搬されてきた光が複数の挿入
部分を通過する前に光導波路10におけるコア幅をテー
パー状に徐々に拡大し、コア幅を拡大したまま(一旦拡
大した光パワー分布幅を維持した状態で)複数の挿入部
分を通過させた後に、再度コア幅をもとに戻すように構
成した。この構成により、当該光導波路装置の小型化あ
るいは機能部品の集積化が可能となる。
【0046】発明者らは以上に説明した第2の発明に係
る光導波路装置の効果を確認すべく、以下のような光導
波路装置を試作した。すなわち、 (1)図8に示すように、第1の発明における光導波路
を格子状に形成し、ハーフミラー2の挿入部分のみコア
幅を拡大して制作した第1の比較例である光導波路型の
スイッチ(第1の発明に係る光導波路装置)。この光導
波路装置(第1の比較例)では、コア部とクラッド部間
の比屈折率差が0.3%、コア厚さ7μmであり、ハー
フミラー2の挿入部分以外の部分のコア幅が7μm、挿
入部分のコア幅が20μmである。また、コア幅を7μ
mから20μmへ、あるいは20μmから7μmへ変化
させるテーパー長Lは800μm、光導波路間のコア中
心間隔は1850μmである。
【0047】(2)図9に示すように、第2の発明に係
る光導波路装置の一実施例として光導波路型のスイッチ
の構成を示した図である。この光導波路装置では、コア
部とクラッド部間の比屈折率差が0.3%、コア厚さ7
μmであり、ハーフミラー2の挿入部分間を結合するを
格子状に形成し、ハーフミラー2の挿入部分のみコア幅
を拡大して制作した光導波路のコア幅は挿入部分と同じ
20μmである。また、コア幅を7μmから20μm
へ、あるいは20μmから7μmへ変化させるテーパー
長Lは800μm、光導波路間のコア中心間隔は250
μmである(なお、図に示した各部のサイズと図中に示
した数値とは必ずしも一致した比率では開示されていな
い)。
【0048】(3)図10に示すように、従来の光導波
路装置として構成した第2の比較例である光導波路型の
スイッチ。この従来の光導波路装置(第2の比較例)で
は、光導波路のコア部とクラッド部間の比屈折率差は
0.3%、コア幅は常に7μmであり、また、光導波路
間のコア中心間隔は250μmである。
【0049】以上、3種類の光導波路装置について、波
長1.31μmの光に対し光スイッチとして機能する光
導波路装置をそれぞれ20個試作し、反射側の過剰損失
を評価した。その結果を図11に示す。
【0050】この図11において、(a)は上記第1の
比較例についての過剰損失の度数分布図、(b)は第2
の発明に係る光導波路装置についての過剰損失の度数分
布図、さらに、(c)は第2の比較例(従来の光導波路
装置)についての過剰損失の度数分布図を示している。
【0051】過剰損失の主要因はミラー挿入位置精度不
良のため、反射光の光軸と反射側導波路のコア部中心が
ずれてしまうことにあると考えられるが、これらの図か
らも明らかなように、第1の比較例及びこの第2の発明
に係る光導波路装置は第2の比較例(従来の光導波路装
置)と比較して、ハーフミラー2(機能部品)の挿入部
分においてコア幅が広がっている光導波路は過剰損失が
コア幅が一定な光導波路よりも小さいうえ、損失の再現
性も改善されることが確認された。
【0052】また、上記第1の比較例とこの第2の発明
に係る光導波路装置との比較から、この第2の発明に係
る光導波路装置は、第1の比較例と比較して、その大き
さが大幅に小さいにもかかわらず、同等な低損失を有す
ることが確認された(この第2の発明によると、上記第
1の比較例と同様の効果を得るとともに、さらに小型化
が可能)。
【0053】なお、この第2の発明に係る光導波路装置
についても、上述した第1の発明に係る光導波路装置の
その他の実施例(応用可能な実施態様)が適用すること
ができる。
【0054】
【発明の効果】以上のようにこの第1及び第2の発明に
よると、光導波路におけるハーフミラー等の機能部品の
挿入部分の光パワー分布を、たの部分の光パワー分布よ
りも大きくしたので、機能部品の挿入に伴う伝送損失を
従来の光導波路装置に比べて低減することができるとい
う効果がある。
【0055】さらに、第2の発明によれば、同様の効果
が得られるとともに、第1の発明に係る光導波路装置よ
りも小型化が可能になるという効果がある。また、これ
らの光導波路装置は光通信シンテムや光センサ等の小型
化、高機能化において有用な光デバイスとして使用され
得るものであり、高精度を要求されずに製造できる十分
に量産可能な光導波路装置の提供が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】光パワー分布を拡大した場合の光導波路におけ
る光軸ずれと光過剰損失との関係を示す図である。
【図2】光導波路のコア幅と光パワー分布幅との関係を
示す図である。
【図3】光導波路を構成するコア部及びクラッド部間の
比屈折率差と光パワー分布幅との関係を示す図である。
【図4】第1の発明に係る光導波路装置の一実施例(光
分岐機能を実現する)による光導波路装置の構成を示す
図である。
【図5】(a)は、図4に示した第1の発明及び図9に
示した第2の発明に係る光導波路装置において、機能部
品の挿入部分以外の光導波路部分のA−A線に沿った断
面を示した図であり、(b)は、図4に示した第1の発
明及び図9に示した第2の発明に係る光導波路装置にお
いて、機能部品の挿入部分のB−B線及びC−C線に沿
った断面を示した図である。
【図6】第1の発明に係る光導波路装置(a)及び従来
の光導波路装置(b)の損失度数分布図である。
【図7】第1及び第2の発明に係る光導波路装置におい
て、テーパー状に形成された光導波路部分の長さ(テー
パー長L)と過剰損失との関係を示した図である。
【図8】第2の発明に係る光導波路装置の比較例(光導
波路型スイッチ)の構造を示す図である。
【図9】第2の発明に係る光導波路装置の一実施例(光
導波路型スイッチを実現する)による光導波路装置の構
成を示す図である。
【図10】第2の発明に係る光導波路装置と比較する従
来の光導波路装置(光導波路型スイッチ)の構造を示す
図である。
【図11】第1及び第2の発明に係る光導波路装置
(a)、比較例(b)、及び従来の光導波路装置(c)
の損失度数分布図である。
【図12】従来の光導波路装置の構造を示す図である。
【符号の説明】
2…ハーフミラー、10…光導波路、10a…入射側光
導波路、10b…透過側光導波路、10c…反射側光導
波路、11…導波路基板(Si基板)、12a、12b
…コア部、13…クラッド部。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年7月20日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正内容】
【0029】この実施例においては、入射側(機能部品
に対して入射側)、透過側及び反射側(それぞれ機能部
品に対して反射側)の各光導波路10a、10b、10
cのコア部12の幅はT字状に形成された機能部品の挿
入部分に向かってテーパー状に広げられている。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正内容】
【0030】テーパー状に広がる以前の光導波路部分の
コア幅W1 (具体的には、図4におけるA−A線で示す
挿入部分以外の光導波路部分12aのコア幅であって、
その断面図を図5(a)に示す)は7μm、挿入部分で
のコア幅W2 (具体的には、図4におけるB−B線で示
す挿入部分となる光導波路部分12bのコア幅であっ
て、その断面図を図5(b)に示す)は20μm、徐々
にコア幅がテーパー状に変化している部分の長さ、すな
わちテーパー長Lは2mm、また、コア部1a、12b
の厚さTは7μm一定とし、コア部12a、12bとク
ラッド部13との間の比屈折率差は0.3%とした。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0043
【補正方法】変更
【補正内容】
【0043】上述したように、この発明における光導波
路は、そのコア幅を変化させて光パワー分布を拡大させ
る場合、コア幅の急激な変化に伴う過剰損失の増加を防
止するため、コア幅をテーパー状に変化させている。そ
して、光導波路におけるコア部のコア幅を7→20→7
μmとテーパー状に変化させた場合についての、テーパ
ー長Lと過剰損失との関係を計算して求めた。図7は、
以上のように上記光導波路のテーパー長Lと過剰損失と
の関係を示した図であり、この図7から明らかなよう
に、テーパー長Lを600μm以上とすれば十分な低損
失が達成されることが分かる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石川 真二 神奈川県横浜市栄区田谷町1番地 住友電 気工業株式会社横浜製作所内 (72)発明者 齋藤 達彦 神奈川県横浜市栄区田谷町1番地 住友電 気工業株式会社横浜製作所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光を伝搬する光導波路と、該光導波路の
    線路中に挿入された機能部品とからなる光導波路装置に
    おいて、 前記光導波路は、前記機能部品が挿入される挿入部分に
    おける光パワー分布が、該挿入部分以外の部分における
    光パワー分布よりも大きいことを特徴とする光導波路装
    置。
  2. 【請求項2】 前記光導波路は、機能部品が挿入される
    前記挿入部分をその線路中に複数有しており、該各機能
    部品間を結合している該光導波路の光パワー分布が、前
    記挿入部分における光パワー分布と略一致していること
    を特徴とする請求項1記載の光導波路装置。
  3. 【請求項3】 前記光導波路のコア幅は、機能部品が挿
    入される挿入部分であって、該機能部品への入射側及び
    出射側におけるコア幅が、該挿入部分以外の部分のコア
    幅よりも大きいか、あるいは該挿入部分以外の部分のコ
    ア幅よりも小さいことを特徴とする請求項1又は2記載
    の光導波路装置。
  4. 【請求項4】 前記光導波路のコア幅は、機能部品が挿
    入される挿入部分近傍であって、該機能部品への入射側
    及び出射側において、テーパー状に変化していることを
    特徴とする請求項3記載の光導波路装置。
  5. 【請求項5】 前記光導波路のコア部とクラッド部との
    間の比屈折率差は、機能部品が挿入される挿入部分であ
    って、該機能部品への入射側及び出射側における比屈折
    率差が、該挿入部分以外の部分の比屈折率差よりも小さ
    いことを特徴とする請求項1又は2記載の光導波路装
    置。
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