JPH0617442Y2 - スロツトマシン - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 この発明は、周面に複数個の絵柄を有する複数個のリー
ルをハンドル操作で始動させた後、全リールが停止した
ときに、停止ライン上に並ぶ絵柄の組み合わせに応じて
ゲームの勝負を決定するスロットマシンに関する。

〈従来の技術〉 従来のスロットマシンは、例えば全てのリールをハンド
ル操作で一斉始動させた後、停止ボタン操作により各リ
ールを手動停止させるか、あるいは所定時間経過後に各
リールを自動停止させる構成のものが一般的であり、こ
のリール停止時、絵柄表示部の停止ライン上に所定の絵
柄が並んだとき、これを入賞となして、所定の配当率の
コインを放出させるものである。この種のスロットマシ
ンにおいて、近年、遊技者に対し射倖心や期待感を高め
るため、入賞の中でもある特定の絵柄の組み合わせが成
立したとき、通常の入賞の場合の配当と比較して、極端
に高配当のコインを放出するようにしたものが存在す
る。

〈考案が解決しようとする問題点〉 ところが従来のこの種スロットマシンでは、特定絵柄の
組み合わせが成立したとき、高配当のコインを一度にコ
イン放出皿へ放出するよう構成してあるため、遊技者に
とって、大きな勝利を得たという興奮がさほど高まら
ず、またそのときの興奮や喜びが長時間持続しないとい
う問題がある。

この考案は、上記問題に着目してなされたもので、高配
当の絵柄の組み合わせが成立したときにコインの払出方
式を工夫することにより、ゲームの興趣を大幅に増大さ
せたスロットマシンを提供することを目的とする。

〈問題点を解決するための手段〉 上記目的を達成するため、この考案では、周面に複数個
の絵柄を有する複数個のリールをハンドル操作で始動さ
せた後、全リールが停止したときに、停止ライン上に並
ぶ絵柄の組み合わせに応じてゲームの勝負を決定するス
ロットマシンにおいて、前記停止ライン上に特定絵柄が
停止したことを検出するための特定絵柄検出手段と、こ
の特定絵柄検出手段の検出動作で全リールまたは所定の
リールを自動的に始動させるリール始動手段と、このリ
ール始動手段が自動的に始動させたリールを自動的に停
止させて入賞絵柄を出現させるリール停止手段とを具備
させることにした。

〈作用〉 遊技者のハンドル操作で全リールが始動した後に、これ
らリールが停止したとき、特定絵柄検出手段は停止ライ
ン上に特定絵柄が停止したか否かを検出する。もし停止
ライン上に特定絵柄の停止が検出されると、リール始動
手段は全リールまたは所定のリールを自動的に始動させ
る。ついでリール停止手段は回転中のリールを自動的に
停止させて入賞絵柄を出現させる。

従ってこのリールの自動始動と自動停止とを繰り返して
入賞絵柄を幾度も出現させることにより、高配当のコイ
ンを複数回に分けて放出し得、遊技者に対し、大きな勝
利を得たという興奮を高めることができ、しかもその興
奮や喜びを長時間持続させることができる。

〈実施例〉 第１図は、３個のリール１ａ，１ｂ，１ｃを持つスロッ
トマシンを示し、器体２の前面には絵柄表示部３，コイ
ル投入口４，コイン放出皿５の他、各種表示ランプや数
字表示器が配設され、また器体２の側面には始動ハンド
ル６が設けられている。各リール１ａ，１ｂ，１ｃは、
周面に複数個の絵柄が配列されたものであり、各リール
毎にパルスモータ（図示せず）に接続されて、その駆動
および停止が制御される。

前記絵柄表示部３は、各リール１ａ，１ｂ，１ｃの絵柄
を１本の停止ラインＬに沿い整列して表示する部分であ
り、器体２内に並列配備された３個のリール１ａ，１
ｂ，１ｃが回転する状態を透視できると共に、リール停
止時には各リール周面の３駒分の絵柄を器外より確認で
きるようになっている。

前記停止ラインＬは、コインの投入により有効化され、
この有効化された停止ラインＬ上に所定の絵柄が並んだ
とき、入賞となって所定配当のコインが放出され、さら
にある特定絵柄の組み合わせが成立したとき、機械によ
る入賞ゲームが複数回にわたり繰り返し実行され、極端
に高配当のコインが分割して払い出されるようになって
いる。

この入賞ゲームへの移行は、例えば第３図(1)に示す如
く、有効化された停止ライン上に特定絵柄８の配列（以
下「特別当り」という）が生じたときに自動的に行われ
るもので、コインの投入なくして全リール１ａ，１ｂ，
１ｃが自動的に一斉回転し、それぞれ所定時間経過後に
全リール１ａ，１ｂ，１ｃが自動的に停止して、入賞の
絵柄配列を成立させる。この自動回転および自動停止に
よる入賞ゲームは合計５回繰り返し実行されるもので、
この実施例の場合、各回の入賞ゲーム毎に第３図(2)〜
(6)に示すような異なった入賞絵柄（以下「第１当り」
〜「第５当り」という）が成立するよう構成してある。

第２図は、上記スロットマシンの回路構成例を示すもの
で、マイクロコンピュータ回路のＣＰＵ１８に対し、セ
ンサ１０，始動ハンドル６，数字表示器１１，モータ制
御部１２，コイル計数部１３，音声発生部１４，ランプ
制御部１５などがインターフェイス１６，１７を介して
電気接続されている。同図中、センサ１０はコインの投
入の有無などを検出し、数字表示器１１は払出コインの
枚数をディジタル表示する。モータ制御部１２は各リー
ル１ａ，１ｂ，１ｃを駆動するパルスモータの作動を制
御し、コイン計数部１３は払出コインの枚数を計数す
る。音声発生部１４はゲームの効果音などを発生し、ラ
ンプ制御部１５は各種ランプの点灯動作を制御する。

前記ＣＰＵ１８はＲＯＭ１９に格納されたプログラムを
解読実行し、ＲＡＭ２０に対するデータの読み書きを行
いつつ各種演算を実行すると共に、前記入出力各部の動
作を一連に制御する。

またＣＰＵ１８は、停止ラインＬ上に停止した各リール
の絵柄の組み合わせを検出すると共に、その絵柄の組み
合わせが前記の特別当りと一致するかなどを判断する手
段として機能する。すなわちＣＰＵ１８は各パルスモー
タの駆動パルスをモータ制御部１２より取り込んで計数
することにより、停止ラインＬ上に位置する各リールの
絵柄が何であるかを検出した上で、これら絵柄の組み合
わせの内容を判断するものである。

さらにＣＰＵ１８は、停止ラインＬ上に特別当りを検出
したとき、全リール１ａ，１ｂ，１ｃを自動的に一斉始
動させて入賞ゲームへ移行させると共に、この一斉始動
させた全リール１ａ，１ｂ，１ｃをそれぞれ自動的に停
止させて、停止ラインＬ上に第１〜第５当りにかかる入
賞絵柄を出現させるリール制御手段として機能する。

すなわちＣＰＵ１８は、特別当りの検出動作に対応し
て、全リール１ａ，１ｂ，１ｃを一斉始動させるための
駆動信号をモータ制御部１２へ出力する。そしてモータ
制御部１２がこの駆動信号を受け付けたとき、各パルス
モータへ駆動パルスを供給して全リール１ａ，１ｂ，１
ｃを自動的に一斉始動させる。ついでＣＰＵ１８は一定
時間経過後に各リールを停止させるための停止信号を、
所定の入賞絵柄が停止ラインＬ上で停止するような適当
なタイミングで各リール毎に発生させ、これをモータ制
御部１２へ出力する。そしてモータ制御部１２がこれら
停止信号を受け付けたとき、各パルスモータへの駆動パ
ルスの供給を停止して、各リール１ａ，１ｂ，１ｃを自
動的に適時停止させる。

全リール１ａ，１ｂ，１ｃが停止してコインの払出が完
了すると、ＣＰＵ１８は再度全リール１ａ，１ｂ，１ｃ
を一斉始動するための駆動信号を出力するもので、以
下、同様の動作が所定回数繰り返し実行される。

第４図は、上記スロットマシンの動作手順を示してお
り、ステップ１（図中「ＳＴ１」で示す）で機械の状態
がイニシャルクリアされると、つぎのステップ２で機械
はコインの投入に待機する。

いま遊技者がコイン投入口４へコインを投入すると、セ
ンサ１０がこれを検知し、ステップ２の判定が“YES”
となる。つぎに始動ハンドル６が操作されると、操作信
号がオンとなり、ステップ３が“YES”となる。ステッ
プ２，３の判断は、センサ１０からの検知信号や始動ハ
ンドル６からの操作信号に基づきＣＰＵ１８において行
うもので、つぎにＣＰＵ１８はステップ４で駆動信号を
モータ制御部１２へ送出して各パルスモータを駆動さ
せ、全リール１ａ，１ｂ，１ｃを一斉始動する。これに
より通常のゲームが開始され、ＣＰＵ１８が有するタイ
マがタイムアップすることにより各リール１ａ，１ｂ，
１ｃが自動的に順次停止する。

ＣＰＵ１８は各パルスモータへの駆動パルスの計数値に
基づき、停止ラインＬ上に並ぶ各リール１ａ，１ｂ，１
ｃの絵柄を検出し、この絵柄配列が入賞となる所定の絵
柄配列かどうかを判断する。その結果、入賞であると判
断すると、ステップ５の「当りか？」の判定が“YES”
となり、つぎにＣＰＵ１８はステップ６でその入賞絵柄
の配列が第３図(1)に示す特定絵柄８にかかる特別当り
かどうかを判断する。もし特定絵柄８の配列でないと判
断した場合は、ステップ６の「特別当りか？」の判定は
“NO”であり、ＣＰＵ１８はコイン放出ホッパーを駆動
させて入賞絵柄の内容に応じた所定配当のコインを放出
させた後（ステップ７）、ステップ２へ戻ってつぎの通
常ゲームに待機する。

これに対し第３図(1)の絵柄配列が成立すると、ステッ
プ６の判定が“YES”となり、ステップ８でかなり高い
配当のコインが払い出された後、入賞ゲームへ移行する
ことになる。

入賞ゲームにおいて、まずＣＰＵ１８はステップ９で全
リール１ａ，１ｂ，１ｃを一斉始動させるための駆動信
号をモータ制御部１２へ出力し、モータ制御部１２は各
パルスモータへ駆動パルスを供給して全リール１ａ，１
ｂ，１ｃを自動的に一斉始動させる。この一斉始動後一
定時間が経過すると、ＣＰＵ１８は各リールを停止させ
るための停止信号を、第１当りの入賞絵柄（第３図(2)
に示す）が停止ラインＬ上で停止するような適当なタイ
ミングで各リール毎に発生させ、これをモータ制御部１
２へ出力する。そしてモータ制御部１２がこれら停止信
号を受け付けたとき、各パルスモータへの駆動パルスの
供給を停止して、各リール１ａ，１ｂ，１ｃを自動的に
適時停止させる。これにより停止ラインＬ上には第３図
(2)に示す第１当りの組み合わせが成立し、その当りに
応じた配当のコインが払い出される（ステップ１０）。

引き続きステップ１１で全リール１ａ，１ｂ，１ｃを自
動的に始動させた後、一定時間経過後に全リール１ａ，
１ｂ，１ｃを自動的に停止させて、停止ラインＬ上に第
２当り（第３図(3)に示す）を成立させ、その当りに応
じた配当のコインを払い出す（ステップ１１，１２）。

同様にしてステップ１３，１４では第３当り（第３図
(4)に示す）を、ステップ１５，１６では第４当り（第
３図(5)に示す）を、ステップ１７，１８では第５当り
（第３図(6)に示す）を、それぞれ成立させてコインの
払出を行い、最後のステップ１９で特別当りにかかる絵
柄配列（第３図(1)に示す）に戻して入賞ゲームが終了
したことを遊技者に知らせた後、ステップ２に戻って通
常ゲームに待機する。

なお上記の実施例は、停止ラインＬ上に各リール１ａ，
１ｂ，１ｃの特定絵柄８が停止して、その絵柄の組み合
わせが成立したときに入賞ゲームへ移行させているが、
これに限らず、停止ラインＬ上にいずれかリールの特定
絵柄が停止したときに入賞ゲームへ移行させるよう構成
することも可能である。

また上記の実施例では、特定絵柄の組み合わせが成立し
たとき、全リール１ａ，１ｂ，１ｃによる入賞ゲームを
行っているが、この入賞ゲームはこれに限らず、いずれ
かリール単独による入賞ゲームを行うようにしてもよ
い。

〈考案の効果〉 この考案は上記の如く、ハンドル操作で全リールが始動
した後に、これらリールが停止したとき、停止ライン上
に特定絵柄が停止したことを検出して、全リールまたは
所定のリールを自動的に始動させかつ自動的に停止させ
て、入賞絵柄を出現させるから、このリールの自動始動
と自動停止とを繰り返して入賞絵柄を幾度も出現させる
ことにより、高配当のコインを複数回に分けて放出し
得、遊技者に対し、大きな勝利を得たという興奮を高め
ることができ、しかもその興奮や喜びを長時間にわたり
持続させることができるなど、考案目的を達成した顕著
な効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例にかかるスロットマシンの
斜面図、第２図は回路ブロック図、第３図は入賞の絵柄
配列を示す説明図、第４図は動作手順を示すフローチャ
ートである。 １ａ，１ｂ，１ｃ……リール ６……始動ハンドル、18……ＣＰＵ

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】周面に複数個の絵柄を有する複数個のリー
   ルをハンドル操作で始動させた後、全リールが停止した
   ときに、停止ライン上に並ぶ絵柄の組み合わせに応じて
   ゲームの勝負を決定するスロットマシンにおいて、 前記停止ライン上に特定絵柄が停止したことを検出する
   ための特定絵柄検出手段と、 この特定絵柄検出手段の検出動作で全リールまたは所定
   のリールを自動的に始動させるリール始動手段と、 このリール始動手段が自動的に始動させたリールを自動
   的に停止させて入賞絵柄を出現させるリール停止手段と
   を具備して成るスロットマシン。
2. 【請求項２】前記各リールは、ハンドル操作による始動
   後、所定時間経過後に自動停止する構成である実用新案
   登録請求の範囲第１項記載のスロットマシン。
3. 【請求項３】前記特定絵柄検出手段は、停止ライン上に
   各リールの特定絵柄が停止して、所定の絵柄の組み合わ
   せが成立したことを検出する手段である実用新案登録請
   求の範囲第１項記載のスロットマシン。
4. 【請求項４】前記特定絵柄検出手段，リール始動手段お
   よび，リール停止手段は、マイクロコンピュータのＣＰ
   Ｕである実用新案登録請求の範囲第１項記載のスロット
   マシン。