JPH06173936A - アルミニウム合金製コネクティングロッド - Google Patents

アルミニウム合金製コネクティングロッド

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JPH06173936A
JPH06173936A JP32425592A JP32425592A JPH06173936A JP H06173936 A JPH06173936 A JP H06173936A JP 32425592 A JP32425592 A JP 32425592A JP 32425592 A JP32425592 A JP 32425592A JP H06173936 A JPH06173936 A JP H06173936A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
connecting rod
bearing metal
aluminum alloy
back surface
large end
Prior art date
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Pending
Application number
JP32425592A
Other languages
English (en)
Inventor
Goji Masuda
田 剛 司 桝
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 コネクティングロッドの大端孔の円周面とこ
の円周面に装着した軸受メタルの背面との間でフレッテ
ィング摩耗が生じるのを防止する。 【構成】 コネクティングロッド本体部2の一端側に小
端部3を有すると共に他端側に大端部4を有し、大端部
4の大端孔4a内に、背面の裏金が鉄系材料よりなる軸
受メタル5を装着したアルミニウム合金製コネクティン
グロッド1において、大端孔4aの円周面4bと軸受メ
タル5の背面5bとの境界部分に、前記境界部分をクラ
ンク内雰囲気と連通して前記クランク内雰囲気にある空
気やオイルを前記境界部分に侵入させる微小流通路7を
形成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ピストンが往復運動し
かつクランクシャフトが回転運動するレシプロエンジン
などの往復運動−回転運動変換機構において、ピストン
とクランクシャフトとを連結するのに利用されるコネク
ティングロッド(連接棒)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ピストンとクランクシャフトとを連結す
るのに用いられるコネクティングロッドは、小端孔に貫
通したピストンピンを介してピストンと連結する小端部
を一端側にそなえていると共に、大端孔にクランクシャ
フトを貫通させてこのクランクシャフトと連結する大端
部を他端側にそなえた構造を有するものが一般的であ
る。
【0003】そして、このコネクティングロッドの素材
としては、従来から鍛造用炭素鋼(S40C〜S50C
等)や合金鋼などが多く用いられてきたが、軽量化のた
めに、チタン合金やアルミニウム合金等の軽合金に転換
する試みがなされてきており、一部においてチタン合金
製のものが実用化されている。
【0004】しかし、チタン合金製のものは高価である
ため、一般車両等においてはアルミニウム合金製のもの
とすることが好ましいといえる。
【0005】このようなアルミニウム合金製コネクティ
ングロッドにおいて、その大端部の大端孔内には、背面
の裏金が鉄系材料よりなる軸受メタルを装着したものと
するのが一般的である。
【0006】そしてまた、軸受メタルの表面および背面
には、Sn系フラッシュめっきを施したものとするのが
好ましいとされている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うなSn系フラッシュめっきを施した軸受メタルを大端
孔に装着したアルミニウム合金製コネクティングロッド
においては、コネクティングロッドを形成するアルミニ
ウム合金と、軸受メタル背面の鉄系材料との間で、運転
中における数ミクロン程度の微小変形により部分的にフ
レッティング摩耗(微動摩耗)が発生することがあり、
軸受メタルの背面にSn系めっきを施すとしても十分な
金属相性を得ることができないという問題点があった。
【0008】このフレッティング摩耗のメカニズムは、
運転中の微小変形により金属間の介在物(酸化皮膜やオ
イル等)が強制的に摺動除去されて金属間結合が生じる
ようになり、このとき、金属間の分子間力によって2金
属が結合する(この場合は、AlがFe側に付着す
る。)ことにより摩耗を生じるものであり、この結合で
欠落した欠陥部を起点として最終的にはコネクティング
ロッドが破断に至る。
【0009】また、このようなフレッティング摩耗対策
として、軸受メタルの背面にAg系めっきを施すことも
考えられるが、このようなAg系めっきの採用は量産向
きでないという問題点があった。
【0010】したがって、運転中における微笑変形によ
ってもフレッティング摩耗(微動摩耗を生じない安価な
対策を講じることが望まれているという課題があった。
【0011】
【発明の目的】本発明は、このような従来の課題にかん
がみてなされたものであって、運転中において微小変形
を生じるとしても、コネクティングロッドの大端孔の円
周面とこの円周面に装着した軸受メタルの背面との間で
フレッティング摩耗(微動摩耗)が生じるのを極力防止
することが可能である軽量なアルミニウム合金製コネク
ティングロッドを提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、コネクティン
グロッド本体部の一端側に小端部を有すると共に他端側
に大端部を有し、前記大端部の大端孔内に、背面の裏金
が鉄系材料よりなる軸受メタルを装着したアルミニウム
合金製コネクティングロッドにおいて、前記大端孔の円
周面と軸受メタルの背面との境界部分に、前記境界部分
をクランク内雰囲気と連通してクランク内雰囲気にある
空気やオイルを毛管現象やクランク圧力等により前記境
界部分に侵入させる微小流通路を形成した構成としたこ
とを特徴としている。
【0013】本発明に係わるアルミニウム合金製コネク
ティングロッドの一実施態様において、前記境界部分に
形成した微小流通路は、軸受メタルの背面において幅方
向に凹部および凸部が延びかつ円周方向に凹部と凸部と
が繰り返す幅方向延在粗面により形成されている構成と
することができ、また、前記軸受メタル背面の幅方向延
在粗面は、軸受メタルの背面において幅方向に微小凹部
および微小台形状凸部が延びかつ円周方向に微小凹部と
微小台形状凸部とが繰り返すプラトー面により形成され
ている構成とすることができ、また、幅方向延在粗面の
面粗度は、中心線平均粗さRaで2〜3μmである構成
とすることができ、また、大端孔の円周面と軸受メタル
の背面との境界部分に、円周方向の給油通路をそなえて
いる構成とすることができ、また、軸受メタルの背面
に、厚さ1〜2μm程度のSn系めっき層が形成されて
いる構成とすることができる。
【0014】
【発明の作用】本発明に係わるアルミニウム合金製コネ
クティングロッドは、コネクティングロッド本体部の端
部に設けた大端部の大端孔の円周面とこの大端孔の円周
面に装着した軸受メタルの背面との境界部分に、前記境
界部分をクランク内雰囲気と連通する微小流通路を形成
した構成としたから、クランク内雰囲気にある空気やオ
イルが毛管現象やクランク圧等により前記微小流通路を
通って前記境界部分に侵入することとなるので、前記境
界部分で金属間結合が形成されることがなくなり、した
がって、前記金属間結合により生ずるフレッティング摩
耗(微動摩耗)が回避されることとなる。
【0015】そして、このような金属間結合により生じ
るフレッティング摩耗が回避されるほか、大端孔の円周
面と軸受メタルの背面との境界部分に冷たいオイルがク
ランク側から積極的に供給されることとなるので、冷却
作用も得られることとなって、耐久性がさらに向上する
こととなる。
【0016】
【実施例】図1および図2は、本発明に係わるアルミニ
ウム合金製コネクティングロッドの一実施例を示すもの
であって、このアルミニウム合金製コネクティングロッ
ド1は、コネクティングロッド本体部2の一端側に、小
端孔3aを形成した小端部3を有していると共に、他端
側に、大端孔4aを形成した大端部4を有し、この大端
部4の大端孔4a内には、背面の裏金が鉄系材料よりな
る軸受メタル5を装着した構造を有するものである。
【0017】そして、この実施例におけるアルミニウム
合金製コネクティングロッド1では、大端部4の割り方
が水平割りのものとなっていて、ボルト6aおよびナッ
ト6bにより連結したものとなっている。
【0018】また、大端孔4aの円周面4bと軸受メタ
ル5の背面5bとの境界部分に、前記境界部分をクラン
ク内雰囲気と連通して前記クランク内雰囲気にある空気
やオイルを毛管現象やクランク圧力等により前記境界部
分に侵入させることができるように、図4に示すごとく
微小流通路7を形成しているが、この実施例において前
記微小流通路7は、図3にも示すように、端部に回り止
め5aを形成した軸受メタル5の背面5bにおいて幅方
向に凹部および凸部が延びかつ円周方向に凹部と凸部と
が繰り返す幅方向延在粗面5cにより形成されるものと
している。
【0019】そして、この幅方向延在粗面5cは、図4
にも示すように、軸受メタル5の背面5bにおいて幅方
向に凹部5dおよび微小台形状凸部5eが延びかつ円周
方向に凹部5dと微小台形状凸部5eとが繰り返すプラ
トー面により形成されるものとしている。
【0020】そして、この実施例において、凹部5dお
よび微小台形状凸部5eよりなるプラトー面形状をなす
幅方向延在粗面5cの面粗度は、中心線平均粗さRaで
2〜3μmの範囲にあるものとしている。このとき、プ
ラトー面の平坦部でフレッティング摩耗を生ずることが
懸念されるが、上記面粗度では粗さの谷部分に入り込ん
だオイルが浸透して表面に薄い油膜がメタル変形のたび
に形成されるので、油膜で荷重が保持されることとなっ
て、フレッティング摩耗の発生はない。
【0021】また、同じく図4に示すように、軸受メタ
ル5の背面5bに、Sn系めっき層8が厚さ1〜2μm
程度で形成されるものとしており、軸受メタル背面の裏
金を形成している鉄系材料と大端部4を形成しているア
ルミニウム系合金とが直接的に接触しないようにしてい
る。
【0022】さらに、図5および図6に示すように、大
端孔4の円周面4bと軸受メタル5の背面5bとの境界
部分に、円周方向の給油通路9を設けておくことによっ
て、前記境界部分へのオイルの供給がより一層円滑にな
されるようにしており、この給油通路9は、図5に示す
ように、大端孔4aの円周面4bに円周方向溝4cを形
成することによって設けられるようにしたり、図6に示
すように、軸受メタル5の背面5bに円周方向溝5fを
形成することによって設けられるようにしたりしてい
る。
【0023】そして、前記給油通路9と軸受メタル5に
形成した給油孔5gとを連通させることによって、大端
孔4の円周面4bと軸受メタル5の背面5bとの境界部
分にクランク圧力によりオイルが常時供給されるように
している。
【0024】したがって、大端孔4の円周面4bと軸受
メタル5の背面5bとの境界部分において金属間結合が
形成されるのを防止することができることから、金属間
結合の形成に起因するフレッティング摩耗(微動摩耗)
が生じないようにすることが可能であると共に、冷たい
オイルをクランク側から常時供給することによって冷却
作用をさらに向上させることが可能となる。
【0025】
【発明の効果】本発明に係わるアルミニウム合金製コネ
クティングロッドでは、コネクティングロッド本体部の
端部に設けた大端部の大端孔の円周面と、前記大端孔の
円周面に装着した軸受メタルの背面との境界部分に、前
記境界部分をクランク内雰囲気と連通する微小流通路を
形成した構成としたから、クランク内雰囲気にある空気
やオイルが毛管現象やクランク圧力等によって前記微小
流通路を通って前記境界部分に侵入することとなるの
で、前記境界部分で金属間結合が形成されるのを防止す
ることが可能となり、したがって、金属間結合が形成さ
れることに起因するフレッティング摩耗の発生を防止す
ることが可能になると共に、前記境界部分に対する冷却
作用がより一層増大することになるという著しく優れた
効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わるアルミニウム合金製コネクティ
ングロッドの一実施例を示す中間部分を省略した正面説
明図である。
【図2】本発明に係わるアルミニウム合金製コネクティ
ングロッドの一実施例を示す中間部分を省略した縦断面
説明図である。
【図3】コネクティングロッド大端部の大端孔の円周面
に装着される二分割軸受メタルの上側部分の斜面説明図
である。
【図4】大端孔の円周面と軸受メタルの背面との境界部
分を拡大して示す断面説明図である。
【図5】給油通路を形成するために大端孔の円周面に円
周方向溝を形成した実施例を示す部分断面説明図であ
る。
【図6】給油通路を形成するために軸受メタルの背面に
円周方向溝を形成した実施例を示す部分断面説明図であ
る。
【符号の説明】
1 アルミニウム合金製コネクティングロッド 2 コネクティングロッド本体部 3 小端部 3a 小端孔 4 大端部 4a 大端孔 4b 大端孔の円周面 4c 給油通路形成用円周方向溝 5 軸受メタル 5b 軸受メタルの背面 5c 軸受メタルの幅方向延在粗面 5d 凹部 5e 微小台形状凸部 5f 給油通路形成用円周方向溝 7 境界部分に形成した微小流通路 8 Sn系めっき層 9 給油通路

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コネクティングロッド本体部の一端側に
    小端部を有すると共に他端側に大端部を有し、前記大端
    部の大端孔内に、背面の裏金が鉄系材料よりなる軸受メ
    タルを装着したアルミニウム合金製コネクティングロッ
    ドにおいて、前記大端孔の円周面と軸受メタルの背面と
    の境界部分に、前記境界部分をクランク内雰囲気と連通
    する微小流通路を形成したことを特徴とするアルミニウ
    ム合金製コネクティングロッド。
  2. 【請求項2】 境界部分に形成した微小流通路は、軸受
    メタルの背面において幅方向に凹部および凸部が延びか
    つ円周方向に凹部と凸部とが繰り返す幅方向延在粗面に
    より形成されている請求項1に記載のアルミニウム合金
    製コネクティングロッド。
  3. 【請求項3】 軸受メタル背面の幅方向延在粗面は、軸
    受メタルの背面において幅方向に凹部および微小台形状
    凸部が延びかつ円周方向に凹部と微小台形状凸部が繰り
    返すプラトー面により形成されている請求項2に記載の
    アルミニウム合金製コネクティングロッド。
  4. 【請求項4】 幅方向延在粗面の面粗度は、中心線平均
    粗さRaで2〜3μmである請求項2または3に記載の
    アルミニウム合金製コネクティングロッド。
  5. 【請求項5】 大端孔の円周面と軸受メタルの背面との
    境界部分に、円周方向の給油通路をそなえている請求項
    1ないし4のいずれかに記載のアルミニウム合金製コネ
    クティングロッド。
  6. 【請求項6】 軸受メタルの背面に、Sn系めっき層が
    形成されている請求項1ないし5のいずれかに記載のア
    ルミニウム合金製コネクティングロッド。
JP32425592A 1992-12-03 1992-12-03 アルミニウム合金製コネクティングロッド Pending JPH06173936A (ja)

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JP32425592A JPH06173936A (ja) 1992-12-03 1992-12-03 アルミニウム合金製コネクティングロッド

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JPH06173936A true JPH06173936A (ja) 1994-06-21

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ID=18163765

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JP32425592A Pending JPH06173936A (ja) 1992-12-03 1992-12-03 アルミニウム合金製コネクティングロッド

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JP (1) JPH06173936A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013096429A (ja) * 2011-10-28 2013-05-20 Taiho Kogyo Co Ltd すべり軸受およびその製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013096429A (ja) * 2011-10-28 2013-05-20 Taiho Kogyo Co Ltd すべり軸受およびその製造方法

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