JP3094741B2 - 内燃機関の軸受メタル - Google Patents

内燃機関の軸受メタル

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JP3094741B2 JP05205333A JP20533393A JP3094741B2 JP 3094741 B2 JP3094741 B2 JP 3094741B2 JP 05205333 A JP05205333 A JP 05205333A JP 20533393 A JP20533393 A JP 20533393A JP 3094741 B2 JP3094741 B2 JP 3094741B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内燃機関の軸受メタル
に施される面処理に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年の自動車用エンジンは、高速化によ
り出力の向上がはかられているが、ピストンにつながる
コンロッドの大端部に介装される軸受メタルはクランク
シャフトに対して、高速、大荷重のもとで摺動するた
め、潤滑油のせん断発熱、各部から熱伝導により高温化
し、非常に厳しい潤滑条件となる(例えば、特開昭52
−92037号公報、参照)。
【0003】一般に、軸受メタルに施される面処理は、
裏金と称する鋼板上に銅−鉛系等のケルメット合金や、
アルミニウム−錫系、アルミニウム−錫系−鉛系等のア
ルミニウム合金等からなる層が形成され、さらに必要に
応じて鉛系や錫系の低融点合金が被服されるオーバーレ
イ処理が施されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の軸受メタルは、クランクシャフトを軸受する
内面が熱伝導率の小さい鉛系や錫系の合金が被服される
場合、クランクシャフトの軸受部に生じる摩擦熱がコン
ロッドに伝導することが抑えられ、冷却性の悪化を招く
という問題点がある。
【0005】また、コンロッドの材質をアルミニウム合
金とする場合、アルミニウム合金に対して鋼製の裏金が
接触する構造となるため、コンロッドと軸受メタルの背
面との間で微小な相対運動により、コンロッド側にフレ
ッチング摩耗が発生する可能性がある。
【0006】本発明は上記の問題点に着目し、軸受部の
冷却性を高めるとともに、コンロッド側のフレッチング
摩耗を防止する軸受メタルを提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
内燃機関のコンロッドの大端部とクランクシャフトの間
に介装される軸受メタルにおいて、クランクシャフトを
軸受する軸受メタルの内面と、コンロッドに接合する背
面の両方に銀メッキ層を形成する。
【0008】請求項2記載の発明は、前記コンロッドの
材質をアルミニウムまたはアルミニウム合金を材質とし
て形成し、このコンロッドに前記銀メッキ層を接触させ
る。
【0009】
【作用】請求項1記載の発明において、コンロッドの大
端部とクランクシャフトの間に介装される軸受メタル
は、高速、大荷重のもとで摺動するため、軸受部に発生
する摩擦熱が大きくなるが、銀の熱伝導率は350kc
al/mh°Cであり、鉛が30kcal/mh°C、
錫が55kcal/mh°Cであるのに比べて大幅に高
いため、軸受部に生じる摩擦熱が各銀メッキ層を介して
コンロッドに伝導することが促され、軸受部が高温とな
ることを防止できる。また、銀は鉛や錫に比べて融点が
高いため、銀メッキ層の耐熱性も十分に確保できる。
【0010】請求項2記載の発明において、コンロッド
と接触する銀メッキ層は、フレッチング摩耗の原因とな
るアルミニウム合金製コンロッドと鋼製裏金の接触を防
ぐ働きをし、アルミニウム合金と接触してもアルミニウ
ム合金を摩耗させない点、固体潤滑剤として摩擦係数を
減少させる点が他のメッキ層と比較して優れている。
【0011】
【実施例】以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて
説明する。
【0012】図2に示すように、コンロッド10はクラ
ンクシャフト9と連結する大端部11と、図示しないピ
ストンのピストンピンと連結する小端部12と、両者を
結ぶロッド部13を有する。コンロッド10はピストン
の往復動をクランクシャフト9の回転運動に変換する働
きをする。
【0013】コンロッド10の大端部11は、キャップ
部14が分割して形成され、キャップ部14は2本のボ
ルト15によってコンロッド10と締結される。
【0014】クランクシャフト9は鉄系材料で形成され
る一方、コンロッド10とキャップ部14はアルミニウ
ム合金で形成される。
【0015】クランクシャフト9との間に一対の半割り
型の軸受メタル1が介装される。
【0016】図1に示すように、軸受メタル1は、鋼材
により形成される裏金2を主体として、クランクシャフ
ト9を軸受する裏金2の内面にケルメット層3が形成さ
れ、ケルメット層3の上に銀または銀合金からなる銀メ
ッキ層6が形成される。
【0017】軸受メタル1のコンロッド10またはキャ
ップ部14に接合する背面にも、上記内面の銀メッキ層
6と同じく、銀または銀合金からなる銀メッキ層5が形
成される。なお、図示した各部の寸法差は、便宜上実際
よりも誇張して大きくしてあるが、実際に各銀メッキ層
6,5の厚さは1〜30μmの範囲に設定される。
【0018】なお、裏金2と銀メッキ層6または5の間
に銅、ニッケル、金のうち1種または2種以上よりなる
中間層を設けても良い。
【0019】図3はこの軸受メタル1の製造工程を示し
ている。
【0020】行程1において、平板状の鋼板11が短冊
型に切断されることにより、複数のの裏金2に分割され
る。
【0021】行程2において、裏金2の内面にケルメッ
ト層3が形成される。
【0022】行程3において、裏金2の内面と背面の両
方に銀メッキ層6と5がそれぞれ形成される。各銀メッ
キ層6,5は共通のメッキ槽を用いて同時に形成され
る。
【0023】行程4において、裏金2が円弧状にロール
加工された後に、内面加工が施されて完成する。
【0024】以上のように構成され、次に作用について
説明する。
【0025】コンロッド10の大端部11とクランクシ
ャフト9の間に介装される軸受メタルは、高速、大荷重
のもとで摺動するため、軸受部に発生する摩擦熱が大き
くなるが、銀の熱伝導率は図4に示すように350kc
al/mh°Cであり、鉛が30kcal/mh°C、
錫が55kcal/mh°Cであるのに比べて大幅に高
いため、軸受部に生じる摩擦熱が各銀メッキ層6,5を
介してコンロッド10に伝導することが促され、軸受部
が高温となることを防止できる。また、銀は鉛や錫に比
べて融点が高いため、銀メッキ層5,6の耐熱性も十分
に確保できる。
【0026】大気中での乾燥摩擦における鉄に対する摩
擦係数は、図4に示すように、鉛が0.54、錫が0.
56であるのに比べて、銀が0.49と小さいため、軸
受メタル1は銀メッキ層6により固体潤滑剤としてクラ
ンクシャフト9に与えるフリクションを小さく抑える。
【0027】コンロッド10と接触する銀メッキ層5
は、フレッチング摩耗の原因となるアルミニウム合金製
コンロッド10と鋼製裏金2の接触を防ぐ働きをし、ア
ルミニウム合金と接触してもアルミニウム合金を摩耗さ
せない点、固体潤滑剤として摩擦係数を減少させる点が
他のメッキ層と比較して優れている。
【0028】油圧式疲労試験器を用いて常温下で+1.
5ton/−3.0tonの繰り返し荷重を加える実験
を行った結果、背面に銀メッキを施さない軸受メタルの
場合は2×106サイクルを越えるとフレッチング摩耗
が発生したのに対して、背面に銀メッキ層5が施された
軸受メタル1の場合は107サイクルを越えてもフレッ
チング摩耗が発生しなかった。
【0029】軸受メタル1の製造工程にあっては、軸受
メタル1の内面と背面に各銀メッキ層6,5が共通のメ
ッキ槽を用いて同時に形成される構成のため、このメッ
キ処理を施す際に軸受メタルの片面をカバーや塗布剤を
介してマスキングする必要がなく、工数を少なくして生
産コストの低減がはかれる。
【0030】次に、図5に示した他の実施例は、裏金2
をアルミニウムまたはアルミニウム合金を材質として形
成するものである。なお、図1との対応部分には同一符
号を用いて説明する。
【0031】クランクシャフト9を軸受する裏金2の内
面に直接に銀または銀合金からなる銀メッキ層6が形成
される。これにより、前記実施例におけるケルメット層
3が廃止される。
【0032】軸受メタル1のコンロッド10またはキャ
ップ部14に接合する背面にも、上記内面の銀メッキ層
6と同じく、銀または銀合金からなる銀メッキ層5が形
成される。
【0033】この場合も、軸受メタル1の内面と背面に
各銀メッキ層6,5が共通のメッキ槽を用いて同時に形
成される。
【0034】これにより、このメッキ処理を施す際に軸
受メタルの片面をカバーや塗布剤を介してマスキングす
る必要がなく、さらにケルメット層が廃止されるため、
工数を少なくして生産コストの低減がはかれる。
【0035】軸受部に生じる摩擦熱は熱伝導率の高い各
銀メッキ層6,5およびアルミニウム製裏金2を介して
コンロッド10に逃がされるため、軸受部の冷却性がさ
らに高められる。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように請求項1記載の発明
は、内燃機関のコンロッドの大端部とクランクシャフト
の間に介装される軸受メタルにおいて、クランクシャフ
トを軸受する軸受メタルの内面と、コンロッドに接合す
る背面の両方に銀メッキ層を形成したため、軸受部に生
じる摩擦熱を各銀メッキ層を介してコンロッドに逃がす
冷却性が高められ、軸受部の耐熱性を十分に確保するこ
とができる。
【0037】請求項2記載の発明は、コンロッドの材質
をアルミニウムまたはアルミニウム合金を材質として形
成し、このコンロッドに銀メッキ層を接触させるため、
銀メッキ層はフレッチング摩耗の原因となるアルミニウ
ム合金製コンロッドと裏金の接触を防ぐ働きをし、十分
な耐熱性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す軸受メタルの断面図。
【図2】同じくコンロッド等の正面図。
【図3】同じく軸受メタルの製造工程を示す説明図。
【図4】同じく銀メッキ層とオーバーレイ層の特性比較
表。
【図5】他の実施例を示す軸受メタルの断面図。
【符号の説明】
1 軸受メタル 2 裏金 3 ケルメット層 5 銀メッキ層 6 銀メッキ層 9 クランクシャフト 10 コンロッド

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関のコンロッドとクランクシャフ
    トの間に介装される軸受メタルにおいて、クランクシャ
    フトを軸受する軸受メタルの内面と、コンロッドに接合
    する背面の両方に、銀または銀合金からなる銀メッキ層
    を形成したことを特徴とする内燃機関の軸受メタル。
  2. 【請求項2】 前記コンロッドの材質をアルミニウムま
    たはアルミニウム合金を材質として形成し、このコンロ
    ッドに前記銀メッキ層を接触させたことを特徴とする請
    求項1記載の内燃機関の軸受メタル。
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