JPH06173026A - 金属表面のりん酸塩処理方法 - Google Patents

金属表面のりん酸塩処理方法

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JPH06173026A
JPH06173026A JP32104392A JP32104392A JPH06173026A JP H06173026 A JPH06173026 A JP H06173026A JP 32104392 A JP32104392 A JP 32104392A JP 32104392 A JP32104392 A JP 32104392A JP H06173026 A JPH06173026 A JP H06173026A
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    • C23COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
    • C23C22/00Chemical surface treatment of metallic material by reaction of the surface with a reactive liquid, leaving reaction products of surface material in the coating, e.g. conversion coatings, passivation of metals
    • C23C22/82After-treatment
    • C23C22/83Chemical after-treatment

Abstract

(57)【要約】 【目的】 鉄系表面、亜鉛系表面、アルミニウム系表
面、および、これらの2種以上の表面を同時に有する金
属表面、特に、研削加工部を有するアルミニウム系表面
を有する金属表面に対して、同じりん酸塩処理液で処理
して該金属表面に密着性に優れた高耐食性皮膜を安定し
て形成する。 【構成】 金属表面を、まず、亜鉛イオンを0.6〜
2.0g/l の濃度で、りん酸イオンを5〜30g/l の濃
度で、フリーFイオンを下記(I)式 8.0T-1≦フリーFイオン濃度(g/l )≦40.0T-1 …(I) 〔Tは処理液温度(℃)である。ただし、20≦T≦60である。〕 を満足する濃度で含むりん酸塩処理液で浸漬処理し、つ
いで、H型強酸性カチオン交換樹脂によるイオン交換処
理によりpHが3〜6に制御された酸性水溶液で後処理
洗浄する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、塗装などに供する金
属表面のりん酸塩処理方法に関する。さらに詳しくは、
この発明は、電着塗装、なかでもカチオン電着塗装に適
し、耐水二次密着性と耐糸錆性の両方に優れた塗膜を形
成するのに有用な、金属表面のりん酸塩処理方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】金属表面にりん酸塩処理を施して、カチ
オン塗装下地として適切な皮膜を形成させることは、従
来良く知られている。金属素材としては、鋼や亜鉛メッ
キ鋼が一般的であったが、近年、鋼や亜鉛メッキ鋼とア
ルミニウム合金とを組み合わせた製品が作られるように
なってきた。たとえば、自動車ボデーの場合、従来は全
て鋼板製であったが、近年、軽量化を目的としてボデー
の一部をアルミ化することが試みられている。また、鋼
板に代えて、亜鉛メッキ鋼板が多用されるようになり、
亜鉛メッキ鋼板とアルミニウム合金とを組み合わせるこ
とも多くなってきた。このような鋼や亜鉛メッキ鋼とア
ルミニウム合金とが組み合わせられた金属表面に対して
同時に処理することのできるりん酸塩処理方法が要望さ
れている。
【0003】鋼や亜鉛メッキ鋼とアルミニウム合金から
なる構造物を、りん酸亜鉛を主成分とするりん酸塩処理
液で処理する場合、フッ素イオンを含まない処理液で
は、溶け出したアルミニウムイオンの濃度が5ppm 以上
蓄積すると、鋼素材に対して化成不良が発生する。ま
た、錯フッ化物であるホウフッ化物またはケイフッ化物
を含有する処理液でも、錯フッ化物1000ppm に対し
てアルミニウムイオンが100〜300ppm 以上蓄積す
ると、同じように鋼素材に対する化成不良が発生してい
た。
【0004】本出願人らは、前掲の問題を解決するりん
酸塩処理方法を提案している。すなわち、特開平3−2
67378号公報にみるように、鉄鋼および/または亜
鉛メッキ鋼とアルミ合金との組み合わせからなる金属表
面を、カチオン電着塗装前にりん酸塩水溶液により処理
する方法において、下記の条件を満足するりん酸塩水溶
液を前記金属表面に接触させて皮膜化成させる方法であ
る。
【0005】 2.0≦Naイオン+Kイオン≦15.0(g/l ) 1.0≦Mnイオン+Niイオン≦5.0(g/l ) 1.6−0.02T≦Znイオン≦2.5−0.02T
(g/l ) 8.0T-1≦フリーFイオン≦20.0T-1(g/l ) 〔Tは処理液温度(℃)である。ただし、20≦T≦6
0である。〕 この方法では、処理液中に溶け出したアルミニウムイオ
ンはNa3 AlF6 あるいはK2 NaAlF6 として沈
殿するため、アルミニウムイオンの蓄積による化成性劣
化が生じず、しかも、アルミニウム合金、鋼や亜鉛メッ
キ鋼のすべての表面に緻密な皮膜を形成することができ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、アルミニウ
ム系金属表面の一部または全部が研削加工されている場
合には、本出願人らの上記りん酸塩処理方法によっても
研削加工部にはりん酸亜鉛皮膜が全く形成されないか、
不均一な皮膜しか形成されないことになり、この部分の
耐食性、特に耐糸錆性が著しく劣ることになるという問
題があることが判った。これは、アルミニウム系金属の
場合、研削加工されることによって、表面に不活性膜が
形成され、この不活性膜により皮膜の形成が阻害される
ためと推察される。
【0007】本出願人らにより提案された上記りん酸塩
処理方法でも、処理液のフリーFイオン濃度を高めれ
ば、研削加工部の不活性膜を溶解除去して化成性を改善
することができるのであるが、フリーFイオン濃度が高
いと、金属表面のうちの研削加工部以外の部分、すなわ
ち非研削加工部におけるアルミニウムイオンの溶解量が
増加し、また、フリーFイオン濃度が高いので該表面に
形成される皮膜にNa3AlF6 あるいはK2 NaAl
6 が混入することになり、カチオン電着塗装時に塗膜
肌不良の原因となったり、塗膜の耐水二次密着性不良の
原因となる。すなわち、りん酸塩処理液のフリーFイオ
ン濃度が高いと、最終的に得られる塗膜の耐食性と耐水
二次密着性の両方を満足させるのは難しい。
【0008】一般に、りん酸塩処理を実際の製造ライン
で行う場合には、処理液中の成分濃度を非常に低いレベ
ルにおいて厳密に維持するのは非常に手間がかかり困難
であるが、比較的高いレベルにおいて厳密に維持するの
は容易であり、実用可能である。このような観点から、
本出願人らにより提案された上記りん酸塩処理方法を検
討したところ、フリーFイオン濃度範囲内の上限値付近
では製造現場で実施しやすいが、下限値に近づくにつれ
て実施が困難になってくることがわかった。フリーFイ
オン濃度範囲内の上限値付近では塗膜の耐食性と耐水二
次密着性の両方を満足させるために極めて厳密な濃度管
理が要求される。仮に、フリーFイオン濃度が上限値を
上回るとそれらの両性能が不安定になる。
【0009】そこで、この発明は、密着性に優れた高耐
食性皮膜を連続的に安定して形成でき、同じ処理液で処
理できる金属表面の種類が従来よりも広くなり、種々の
金属表面を処理するのに容易に対応でき、処理現場で実
施しやすい、金属表面のりん酸塩処理方法を提供するこ
とを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、この発明は、金属表面をりん酸塩処理液に接触させ
て、同金属表面にりん酸塩皮膜を形成させる金属表面の
りん酸塩処理方法において、金属表面を、まず、亜鉛イ
オンを0.6〜2.0g/l の濃度で、りん酸イオンを5
〜30g/l の濃度で、フリーFイオンを下記(I)式 8.0T-1≦フリーFイオン濃度(g/l )≦40.0T-1 …(I) 〔Tは処理液温度(℃)である。ただし、20≦T≦60である。〕 を満足する濃度で含むりん酸塩処理液で浸漬処理し、つ
いで、H型強酸性カチオン交換樹脂によるイオン交換処
理によりpHが3〜6に制御された酸性水溶液で後処理
洗浄することを特徴とする金属表面のりん酸塩処理方法
を提供する。
【0011】この発明のりん酸塩処理方法の対象となる
金属表面は、鉄系表面単独、亜鉛系表面単独、アルミニ
ウム系表面単独、あるいは、これらの表面の2つ以上を
合わせ持つ金属表面であるが、従来に比べて幅広い種類
のものが可能であり、とりわけ研削加工部を有するアル
ミニウム系表面を合わせ持つ金属表面を対象とする場合
に最も有効である。また、金属表面の形状は、平板をは
じめ、袋構造部を持つものであってもよく、特に制限は
ない。この発明によれば、袋構造部の内側表面もその外
側表面や平板と同様に処理することができる。
【0012】この発明のりん酸塩処理方法における、第
1段階の浸漬処理に用いるりん酸塩処理液について説明
する。この処理液では、フリーFイオンの濃度を、処理
温度(単位は℃である)に対して上記(I)式を満足す
るように制御しなければならない。フリーFイオン濃度
が上記(I)式における下限値を下回る場合には、アル
ミニウム合金表面へのりん酸塩皮膜の形成が不充分にな
り、特にアルミニウム合金材表面の研削部位には皮膜が
ほとんど形成されず、塗膜の耐糸錆性が劣化する。ま
た、フリーFイオン濃度が上記(I)式における上限値
を超える場合には、りん酸塩処理の化成速度が速すぎて
アルミニウム含有化合物が化成皮膜中に混入することに
なり、後段の後処理洗浄を経てもカチオン電着塗装時に
塗膜肌不良の原因となったり、塗膜の耐水二次密着性不
良の原因となる。なお、処理液温度が高いほどフリーF
イオンによる反応が活発に行われ、適切な濃度範囲は上
下限とも下がることになる。
【0013】また、金属表面に対してりん酸亜鉛を基本
成分とするりん酸塩皮膜を形成するには、処理液中の亜
鉛イオンの濃度管理も重要である。この発明では、第1
段階の浸漬処理に用いるりん酸塩処理液の亜鉛イオン濃
度は0.6〜2.0g/l にしなければならない。また、
この発明では、該浸漬処理に用いるりん酸塩処理液のり
ん酸イオン濃度は5〜30g/l にしなければならない。
【0014】該浸漬処理に用いるりん酸塩処理液の亜鉛
イオン濃度が0.6g/l よりも低くなるか、または、り
ん酸イオン濃度が5g/l よりも低くなると、アルミニウ
ム合金および鋼に均一な皮膜が形成されなくなる。ま
た、亜鉛イオン濃度が2.0g/l よりも高くなるか、ま
たは、りん酸イオン濃度が30g/l よりも高くなると、
鉄鋼、亜鉛メッキ鋼およびアルミニウム合金のいずれの
表面にもカチオン電着塗装に適した下地皮膜が形成され
なくなる。
【0015】また、前記浸漬処理に用いるりん酸塩処理
液には、以下に説明するような成分を含ませておくこと
ができる。たとえば、皮膜化成促進剤(a)、マンガン
イオン、ニッケルイオン、皮膜化成促進剤(b)であ
る。皮膜化成促進剤(a)としては、亜硝酸イオン、m
−ニトロベンゼンスルホン酸イオン、過酸化水素から選
ばれる少なくとも1種が用いられる。これらの好ましい
濃度(かっこ内はより好ましい濃度)は、たとえば、次
のとおりである。亜硝酸イオン0.01〜0.5(0.
01〜0.4)g/l 、m−ニトロベンゼンスルホン酸イ
オン0.05〜5(0.1〜4)g/l 、および、過酸化
水素(H2 2 100%換算)0.5〜10(1〜8)
g/l である。
【0016】皮膜化成促進剤(a)の濃度が前記範囲よ
りも低いと鉄系表面で充分な皮膜化成ができず黄錆とな
りやすく、また、前記範囲を越えると鉄系表面にブルー
カラー状の不均一皮膜を形成しやすい。前記マンガンイ
オンの濃度は、0.1〜3g/l の範囲が好ましく、0.
6〜3g/l の範囲がより好ましい。0.1g/l 未満だ
と、亜鉛系表面との密着性および耐温塩水性向上効果が
不充分となり、また、3g/l を越えると耐食性の向上効
果が不充分となる。前記ニッケルイオン濃度は、0.1
〜4g/l の範囲が好ましく、0.1〜2g/l の範囲がよ
り好ましい。0.1g/l 未満では耐食性の向上効果が不
充分となり、また、4g/l を越えても耐食性の向上効果
が減少する傾向がある。
【0017】皮膜化成促進剤(b)としては、たとえ
ば、硝酸イオンおよび塩素酸イオンから選ばれる少なく
とも1種が用いられる。硝酸イオンの濃度は0.1〜1
5g/lが好ましく、2〜10g/l がより好ましい。塩素
酸イオンの濃度は0.05〜2.0g/l が好ましく、
0.2〜1.5g/l がより好ましい。皮膜化成促進剤
(b)は、皮膜化成促進剤(a)と併用してもよく、
(a)と併用しなくてもよい。
【0018】前記浸漬処理に用いるりん酸塩処理液の遊
離酸度(FA)は、0.5〜2.0の範囲に調節するの
が好ましい。FAは、処理液10mlをブロムフェノール
ブルーを指示薬として中和するのに要する0.1N−N
aOHの消費ミリリットル数で定義される。FAが0.
5未満であると、アルミニウム系表面に均一なりん酸塩
皮膜が形成されないことがあり、FAが2.0を越える
とアルミニウム系表面にAl含有化合物を含むりん酸亜
鉛皮膜が形成され、後段の後処理洗浄を経ても耐水二次
密着性の低下をもたらすことがある。
【0019】上記浸漬処理に用いるりん酸塩処理液に含
ませる各成分の供給源としては、たとえば、次のような
ものが使用される。 〔亜鉛イオン〕酸化亜鉛、炭酸亜鉛、硝酸亜鉛など。 〔りん酸イオン〕りん酸、りん酸亜鉛、りん酸マンガン
など。
【0020】〔皮膜化成促進剤(a)〕亜硝酸、亜硝酸
ソーダ、亜硝酸アンモニウム、m−ニトロベンゼンスル
ホン酸ソーダ、過酸化水素水など。 〔マンガンイオン〕炭酸マンガン、硝酸マンガン、塩化
マンガン、りん酸マンガンなど。
【0021】〔ニッケルイオン〕炭酸ニッケル、硝酸ニ
ッケル、塩化ニッケル、りん酸ニッケル、水酸化ニケッ
ルなど。 〔硝酸イオン〕硝酸、硝酸ソーダ、硝酸アンモニウム、
硝酸亜鉛、硝酸マンガン、硝酸ニッケルなど。
【0022】〔塩素酸イオン〕塩素酸ソーダ、塩素酸ア
ンモニウムなど。上記第1段階の浸漬処理は、前掲の処
理液を貯えた浸漬処理槽に、被処理物を一定時間浸漬し
てりん酸塩処理することにより行われる。この浸漬処理
によって、後段の後処理洗浄の効果と相まって、アルミ
ニウム系金属表面の研削加工部を含め、鉄系や亜鉛系表
面およびアルミニウム系表面等に、密着性に優れた高耐
食性皮膜を形成する。浸漬処理の具体的な処理条件や処
理装置等は、前掲のフリーFイオン濃度を上記(I)式
の範囲の中で、アルミニウム系表面の研削加工部にスケ
のない、緻密なりん酸塩皮膜を形成するのに十分な濃度
を選択すること、および、処理液温度が前記した20〜
60℃の範囲内で自由に設定できることの他は、通常の
りん酸塩処理方法における浸漬処理と同様でよい。
【0023】りん酸塩処理された被処理材は、電着塗装
される前の段階において、水洗された後、純水洗され
る。この発明では、被処理材は、りん酸塩処理が終わっ
た後の段階であって、カチオン電着塗装を行う前の純水
洗を行う段階の前の段階において、後処理洗浄が行われ
る。りん酸塩処理と純水洗との間の水洗が1段階または
2段階以上で行われる場合、後処理洗浄は、いずれの水
洗の前および/または後で行われてもよい。後処理洗浄
がりん酸塩処理後の早い段階で行われると純水洗などに
至るまでの間に被処理材に汚れが付着するおそれがあ
り、遅い段階で行われると被処理材に付着する不純物が
多くなって純水洗での負荷が大きくなるおそれがあるの
で、それらを考慮して後処理洗浄をどの段階で行うかを
適宜選択すればよい。
【0024】この後処理洗浄では、金属材表面に形成さ
れたりん酸塩皮膜のぜい弱な部分、アルミニウム系表面
にあってはりん酸塩皮膜に混入したAl含有化合物が溶
解除去される。このような後処理洗浄に用いられる処理
液は、Al含有化合物等のりん酸塩皮膜のぜい弱な部分
を溶解除去するために酸性を有する必要があり、pH3
〜6に調整される必要がある。この処理液は、りん酸水
溶液またはこれに由来する酸性液であることが好まし
い。これは後処理洗浄後にりん酸塩皮膜中にりん酸が過
度に残留しても塩酸、硝酸あるいは硫酸等に比べてその
悪影響の程度が小さいという理由による。
【0025】後処理洗浄に用いる処理液を調製するため
の原水は、工業用水、水道水または純水などの上水、り
ん酸塩処理後の水洗および/または純水洗に使われた水
洗液などであるが、1価以上の金属イオンなどのカチオ
ンを含む水溶液であって、たとえば、りん酸塩処理後の
水洗に用いた水洗液が好適である。りん酸塩処理方法で
は、水洗液には亜鉛イオンの他、ナトリウムイオンおよ
び皮膜の変性成分としてのニッケルイオンやマンガンイ
オンのようなカチオンが含まれているとともに、りん酸
イオン、硝酸イオン、塩素酸イオン、塩素イオンのよう
なアニオンが含まれているため、水洗液を上記原水に用
いると水洗液中のりん酸イオンをそのまま使えるという
利点がある。前記原水をH+ 型カチオン交換樹脂でイオ
ン交換処理することにより、実質上、重金属イオンを含
有しない酸性水溶液が生成し、この酸性水溶液を上記処
理液とすることができる。H+ 型カチオン交換樹脂によ
るイオン交換処理では、ナトリウムイオンやカリウムイ
オンのような1価カチオンに比べて、亜鉛イオン、マン
ガンイオン、ニッケルイオンのような2価カチオンが選
択的にイオン交換される。
【0026】閉鎖系の処理工程では、一般に、純水洗に
使用された水洗液がその手前の工程の水洗の洗浄水に使
用され、水洗が複数段階で行われる場合には、水洗液が
順次手前の段階の水洗の洗浄水に使用され、りん酸塩処
理後の最初の水洗に使われた水洗液は廃棄される。りん
酸塩処理後の水洗および/または純水洗に使われた水洗
液を用いて後処理洗浄用の処理液を作る場合、処理液の
pHを調整するのに適した重金属イオン濃度の水洗液を
用いたり、混合や希釈などにより水洗液をそのような濃
度に調整したりすることができる。水洗や純水洗が複数
の段階で行われる場合には、いずれの段階で使用された
水洗液が使用されてもよい。
【0027】この発明で後処理洗浄に用いる処理液中に
は、重金属イオンが実質上含有されない。ここで、重金
属イオンが実質上含有されないとは、この発明によるり
ん酸塩皮膜の溶解反応が抑制される濃度以上に重金属イ
オンが含有されないという意味である。このため、該処
理液中の亜鉛イオン、ニッケルイオン、マンガンイオン
などの重金属イオンの合計濃度はたとえば10ppm以
下が好ましく、1ppm以下がより好ましい。重金属イ
オン、特に亜鉛イオン等の多価金属イオンが存在する
と、処理液中でスラッジが形成されたり、Al含有化合
物等のりん酸塩皮膜のぜい弱な部分を溶解する能力が低
下する。
【0028】実質上、重金属イオンを含有しない処理液
を調製するために、イオン交換樹脂能力を考慮して、原
水に水道水や工業用水等を混合しても良い。原水中のカ
チオン、特に重金属イオンはH+ 型のカチオン交換樹脂
に捕捉され、処理液中には水素イオンが残ることとな
り、処理液のpHは原水よりも低下する。処理液のpH
は、カチオン交換量の調整により、また、必要ならば酸
(たとえば、りん酸)および/または塩基(たとえば、
苛性ソーダ)の添加によりpH3〜6に調整される。好
ましくは、pH3〜5に調整される。pHが3未満であ
ると、金属面のりん酸塩皮膜を過剰に溶出し、この発明
の効果が充分に発揮されないおそれがある。逆に処理液
のpHが6を超えると、Al含有化合物等のりん酸塩皮
膜のぜい弱な部分を溶解しなくなり、この発明の効果が
充分に発揮されないおそれがある。H+ 型カチオン交換
樹脂でカチオン交換処理された処理液をそのまま被処理
材に接触させて後処理洗浄してもよいが、後処理洗浄に
使われた処理液を溜めた水槽からH+ 型カチオン交換樹
脂へ循環させてカチオン交換処理を行い、該水槽中の処
理液を被処理材に接触させるようにしてもよい。
【0029】この発明で用いるH+ 型カチオン交換樹脂
は、市販品を容易に入手することができる。この発明で
は、カチオン交換処理に、官能基として−SO3 Hを有
するH+ 型強酸性カチオン交換樹脂や、官能基として−
COOHを有するH+ 型弱酸性カチオン交換樹脂が利用
できるが、重金属イオン等とのカチオン交換能力の高い
+ 型強酸性カチオン交換樹脂が望ましい。そのような
市販品は、たとえば、オルガノ社製の商品名「IR−1
18(H)」のH+ 型強酸性カチオン交換樹脂、オルガ
ノ社製の商品名「IRC−50(H型)」や「CG−5
0(H+ 型)」のH+ 型弱酸性カチオン交換樹脂があ
る。また、Na+ 型で市販されている強酸性カチオン交
換樹脂、たとえば、オルガノ社製の商品名「IR−12
0B」、「IR−252」、「CG−120」等は適当
な酸(たとえば、りん酸)で洗浄することにより、容易
にH+ 型の強酸性カチオン交換樹脂としてこの発明に利
用できる。
【0030】りん酸塩処理された金属表面の前記処理液
による後処理洗浄は、浸漬、スプレー等通常の方法で実
施することができる。処理温度は、室温から90℃まで
の範囲で選ばれる。この温度範囲を下回るとAl含有化
合物やりん酸塩皮膜のぜい弱な部分を溶解しなくなり、
この発明の効果が充分に発揮されないおそれがあり、上
回ると金属面のりん酸塩皮膜を過剰に溶出し、この発明
の効果が充分に発揮されないおそれがある。処理時間
は、金属面を処理液で充分に湿潤することができる時間
以上であればよいが、長すぎるとりん酸塩皮膜を過剰に
溶解するおそれがあるので、通常5秒から5分までの範
囲で選ばれる。
【0031】イオン交換能力が低下したH+ 型カチオン
交換樹脂は、再生用の酸溶液を逆向きに通液することに
より容易に再生する。この場合、再生用の酸溶液として
はりん酸水溶液を使用するのが好ましい。ここで再生用
のりん酸水溶液は、りん酸濃度1〜30重量%が好まし
い。この範囲を下回ると再生に要する通液量が増し、ま
たは再生に要する時間が長くなるおそれがあり、上回る
と前記範囲内で得られる以上の効果がなく、再生樹脂の
水洗量が多くなるおそれがある。カチオン交換樹脂の再
生は、通常の再生方法に従って行うことができる。再生
の際にカチオン交換樹脂を通過してきた液は、カチオン
交換樹脂から脱離してきたカチオンを含有している。こ
のため、後処理洗浄の処理液の原水に金属材のりん酸塩
処理後の水洗液を使用した場合には、前記通過液はその
りん酸塩処理に用いられるカチオンを含有しているの
で、りん酸塩処理に用いられることができる。
【0032】
【作用】金属表面のりん酸塩処理として、前記特定の要
件を備えたりん酸塩処理液により第1段階の浸漬処理
と、前記特定の要件を備えた酸性水溶液による後処理洗
浄を順次行うことによって、鉄系、亜鉛系、アルミニウ
ム系等の金属表面、特に研削加工部を有するアルミニウ
ム系金属表面を含む金属表面に対するりん酸塩処理を良
好に行うことができる。
【0033】すなわち、まず、亜鉛イオン、りん酸イオ
ン、フリーFイオンの濃度の条件が規定された第1段階
の処理液で浸漬処理を行うことによりアルミニウム系金
属表面の研削加工部を含めて全ての金属表面に対してス
ケの無い緻密な皮膜が形成される。ただし、アルミニウ
ム系金属表面の研削加工物にもスケの無い緻密な皮膜が
形成されるよう、比較的フリーFイオン濃度の高い条件
が採用されているので、連続的にりん酸塩処理を行う
と、アルミニウム系金属表面の非研削加工部ではAl含
有化合物が混入したりん酸塩皮膜が形成され、該皮膜の
上に形成された塗膜の耐水二次密着性が劣る傾向があ
る。
【0034】そこで、浸漬処理を終えた被処理物に対し
て、必要ならば水洗を行った後、第2段階の処理液で後
処理洗浄することにより、アルミニウム系金属表面の非
研削部位に形成された皮膜から、耐水二次密着性を劣化
せしめるAl含有化合物が溶解除去でき、当該部位の塗
膜耐食性、特に耐ブリスター性が向上する。また、全て
の金属表面に形成されたりん酸塩皮膜にぜい弱な部分を
含んでいても、前記後処理洗浄により溶解除去できるの
で、全ての金属表面に対して高密着性で高耐食性皮膜を
形成することができる。
【0035】この発明に用いる後処理洗浄のための処理
液は、カチオン交換処理により、重金属イオンを実質上
含有しないため、上記説明で明らかなごとくりん酸塩皮
膜のぜい弱な部分の溶解能力が高い。この発明では後処
理洗浄に用いる処理液を連続循環使用をしても、処理液
に溶解した重金属イオンは、カチオン交換処理により連
続的に除去が可能なので、初期の効果が永続して得られ
る。また、処理液を連続循環使用して後処理洗浄を連続
的に行う間、処理液中に重金属イオンを含む不溶性塩
(スラッジ)が発生しない。
【0036】この発明では後処理洗浄に用いる処理液を
調製するための原水として、りん酸塩処理工程後の水洗
液を使用しても、原水中の重金属イオンはカチオン交換
処理されるため、スラッジが発生しないばかりか、原水
中に存在しうるスラッジを溶解する効果を有する。この
発明では、りん酸塩皮膜のぜい弱部分を溶解するための
処理液を調製するために、該処理液を構成する成分を新
たに添加する必要がないので、後工程への持ち出しによ
る悪影響がない。すなわち、この発明における後処理洗
浄はカチオン電着塗装のための前処理として特に有用で
ある。
【0037】
【実施例】以下に、この発明の具体的な実施例および比
較例を示すが、この発明は下記実施例に限定されない。 (実施例1−a)下記被処理材に下記塗装前処理および
塗装を施して、塗装品を得た。
【0038】〔被処理材〕 下記の3種類の金属が組み合わせられた被処理材 冷延鋼板…JIS−G−3141 亜鉛メッキ鋼板…電気Zn−Ni合金メッキ鋼板 アルミニウム合金板…Al−Mg系合金(研削部位と非研削
部位を有する) 〔塗装前処理〕 工 程:脱脂→第1水洗→第2水洗→表面調整→化成
処理→第3水洗→第4水洗→後処理洗浄→第5水洗→純
水洗 脱 脂:日本ペイント株式会社製脱脂剤(商品名サー
フクリーナーSD270TO)を2重量%水溶液にして
40℃で2分間被処理材を浸漬処理した。
【0039】第1水洗:室温で30秒間洗浄水を被処理
材にスプレーした。 第2水洗:室温で30秒間洗浄水を被処理材にスプレー
した。 表面調整:日本ペイント株式会社製表面調整剤(商品名
サーフファイン5MZ)を0.1重量%水溶液にして室
温で15秒間被処理材を浸漬処理した。
【0040】化成処理:後記の表1に示す条件で被処理
材に2分間浸漬処理を行った。 第3水洗:室温で30秒間洗浄水を被処理材にスプレー
した。被処理材を連続処理したときの洗浄水の組成はp
H=3.5、Zn2+=0.26g/l 、Ni2+=0.13
g/l 、Mn2+=0.06g/l であった。 第4水洗:室温で30秒間洗浄水を被処理材にスプレー
した。被処理材を連続処理したときの洗浄水の組成はp
H=4.5、Zn2+=0.04g/l 、Ni2+=0.02
g/l 、Mn2+=0.01g/l であった。
【0041】後処理洗浄:0.05重量%のりん酸水溶
液を苛性ソーダでpH=4.0に調整してなるもの(重
金属イオン濃度1ppm未満)を最初に後処理洗浄用の
処理液に用いて被処理材にスプレーし、流下した処理液
をH+ 型強酸性カチオン交換樹脂でカチオン交換処理し
て後処理洗浄の処理液として循環使用した。処理液は、
室温で10秒間被処理材にスプレーした。被処理材を連
続処理したときの処理液の組成はpH=4.0、重金属
イオン(ここではZn2+、Ni2+およびMn2+であ
る。)濃度<0.001g/l であった。H+ 型強酸性カ
チオン交換樹脂は、オルガノ社製の商品名IR−118
(H)を使用した。
【0042】第5水洗:室温で30秒間洗浄水を被処理
材にスプレーした。 純水洗 :純水を室温で10秒間被処理材にスプレーし
た。 (実施例1−b)実施例1−aにおいて、後処理洗浄を
次のようにして行ったこと以外は実施例1−aと同様に
した。後処理洗浄において、0.05重量%のりん酸水
溶液を苛性ソーダでpH=4.0に調整してなるもの
(重金属イオン濃度1ppm未満)を最初に用いて被処
理材にスプレーし、流下した処理液に第4水洗に使った
水洗液を補給して後処理洗浄用処理液調製槽に溜めた。
この溜められた処理液を該調製槽とH+ 型強酸性カチオ
ン交換樹脂塔とで連続循環させてカチオン交換処理する
とともに後処理洗浄に循環使用した。カチオン交換処理
は、被処理材を連続処理したときの処理液が、pH=
4.0、かつ、重金属イオン(ここではZn2+、Ni2+
およびMn2+である。)濃度<0.001g/l の平衡状
態を満足するように行った。第4水洗の洗浄水は第5水
洗に使った水洗液のオーバーフロー水であり、第5水洗
の洗浄水は純水洗に使った水洗液のオーバーフロー水で
あった。
【0043】(実施例1−c)実施例1−bにおいて、
後処理洗浄を次のようにして行ったこと以外は実施例1
−bと同様にした。同じ条件による後処理洗浄の連続処
理の結果、処理液のpHが酸を添加せずに4.0を保て
なくなるに至った時には消耗したH+ 型強酸性カチオン
交換樹脂塔を新しいものに交換した。消耗したH+ 型強
酸性カチオン交換樹脂はりん酸濃度15重量%のりん酸
水溶液を通液することにより容易に再生された。この再
生操作でカチオン交換樹脂を通過したりん酸洗浄液は化
成処理槽に補給用濃厚液として供給された。
【0044】実施例1−aで、後処理洗浄に用いた処理
液が平衡に達したときの性状を表1の実施例1の欄に示
した。また、実施例1−aの処理を受けた被処理材の皮
膜被覆性を下記の評価基準に従って調べた。結果を表2
に示した。 ○…化成皮膜が緻密で該皮膜にスケが認められない。
【0045】△…化成皮膜に部分的にスケが認められ
る。 ×…化成皮膜が形成されていない。 上記実施例1−aの処理を受けた被処理材の性能を調べ
るため、下記のようにして塗装を行った。 〔塗 装〕 下塗り:日本ペイント株式会社製カチオン電着塗料(商
品名OTO−E1005)を乾燥膜厚30μmとなるよ
うに被処理材に電着塗装して乾燥、硬化(170℃×2
0分)させた。
【0046】中塗り:日本ペイント株式会社製メラミン
アルキッド中塗塗料(商品名オルガTO4830)を乾
燥膜厚35μmとなるように被処理材にスプレー塗装し
て乾燥、硬化(140℃×30分)させた。 上塗り:日本ペイント株式会社製メラミンアルキッド上
塗塗料(商品名オルガTO640)を乾燥膜厚35μm
となるように被処理材にスプレー塗装して乾燥、硬化
(140℃×30分)させた。
【0047】得られた塗装品について、耐水二次密着性
試験および耐糸錆性試験を行った。結果を表2に示し
た。 〔耐水二次密着性試験〕塗装品を50℃の脱イオン水に
10日間浸漬した後、これの平坦な面に1mm間隔と2mm
間隔のゴバン目(各100個)を下地の金属材に達する
ように鋭利なカッターで形成し、その各面に粘着テープ
を圧着した後、テープを圧着面に垂直方向に引き剥がし
て、塗装品に残っているゴバン目塗膜の数を数えて評価
した。
【0048】〔耐糸錆性試験〕4cm長さの十字型カット
傷を入れた塗装板を塩水噴霧試験(JIS−Z−287
1)に24時間供した後、相対湿度75〜80%、温度
50℃の湿潤試験箱に1000時間入れた。ただし、2
40時間ごとに該塗装板を湿潤試験箱から取り出して5
重量%食塩水に1秒間、次いで純水に1秒間浸漬した
後、湿潤試験箱に戻す操作を繰り返した。アルミニウム
合金面についてはカット傷からの糸錆発生本数と片側最
大糸錆長さを測定し、鋼面および亜鉛メッキ面について
はカット傷からの片側最大糸錆長さを測定して評価し
た。
【0049】(実施例2〜3)表1に示す処理液組成、
処理条件でりん酸塩処理した他は、実施例1−aと同様
の方法・条件でりん酸塩処理、後処理洗浄および塗装を
行った。結果を表2に示した。 (比較例1)後処理洗浄を行わなかったことの他は、実
施例2と同様の方法および条件(ただし、平衡に達した
ときの水洗液のpHと重金属イオン濃度は異なる。)で
りん酸塩処理、後処理洗浄および塗装を行った。結果を
表2に示した。
【0050】(比較例2)表1に示す処理液組成、処理
条件でりん酸塩処理した他は、実施例1−aと同様の方
法・条件でりん酸塩処理、後処理洗浄および塗装を行っ
た。結果を表2に示した。
【0051】
【表1】
【0052】
【表2】
【0053】表1,2にみるように、実施例で得られた
塗装板は、鉄系表面、亜鉛系表面、アルミニウム系表面
の非研削部および研削部のすべてについて、良好な、耐
水二次密着性と耐糸錆性を示した。比較例1で得られた
塗装板は、りん酸塩処理後に水洗、純水洗を行ったが、
H型強酸性カチオン交換樹脂によるイオン交換処理によ
りpHが3〜6に制御された酸性水溶液による後処理洗
浄を行わなかったので、実施例1−aの結果と比べると
アルミニウム合金の研削部における耐糸錆性が劣ってい
た。比較例2では、りん酸塩処理に用いた処理液のフリ
ーFイオン濃度が上記(I)式の下限を下回っていたの
で、アルミニウム合金の耐糸錆性が劣っていた。
【0054】
【発明の効果】この発明の金属表面のりん酸塩処理方法
によれば、鉄系表面、亜鉛系表面、アルミニウム系表
面、および、これらの2種以上の表面を同時に有する金
属表面に対して、同じりん酸塩処理液で処理することが
でき、特に、研削加工部を有するアルミニウム系表面を
他の種類の金属表面(他の種類の金属表面には、アルミ
ニウム系表面の非研削加工部も含まれうる)と同時に連
続的に処理しても、密着性に優れた高耐食性皮膜を安定
して形成することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中務 幹郎 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属表面をりん酸塩処理液に接触させ
    て、同金属表面にりん酸塩皮膜を形成させる金属表面の
    りん酸塩処理方法において、金属表面を、まず、亜鉛イ
    オンを0.6〜2.0g/l の濃度で、りん酸イオンを5
    〜30g/l の濃度で、フリーFイオンを下記(I)式 8.0T-1≦フリーFイオン濃度(g/l )≦40.0T-1 …(I) 〔Tは処理液温度(℃)である。ただし、20≦T≦60である。〕 を満足する濃度で含むりん酸塩処理液で浸漬処理し、つ
    いで、H型強酸性カチオン交換樹脂によるイオン交換処
    理によりpHが3〜6に制御された酸性水溶液で後処理
    洗浄することを特徴とする金属表面のりん酸塩処理方
    法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006183144A (ja) * 2004-11-30 2006-07-13 Honda Motor Co Ltd アルミニウム合金の表面処理方法
JP2010509499A (ja) * 2006-11-08 2010-03-25 ヘンケル・アクチェンゲゼルシャフト・ウント・コムパニー・コマンディットゲゼルシャフト・アウフ・アクチェン 金属複合表面の不動態化のためのジルコニウム/チタン含有リン酸溶液
JP2017045031A (ja) * 2015-08-28 2017-03-02 住華科技股▲フン▼有限公司Sumika Technology Co.,Ltd 偏光フィルムの製造方法

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