JPH06171044A - ポリエステルフィルム - Google Patents

ポリエステルフィルム

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JPH06171044A
JPH06171044A JP32670392A JP32670392A JPH06171044A JP H06171044 A JPH06171044 A JP H06171044A JP 32670392 A JP32670392 A JP 32670392A JP 32670392 A JP32670392 A JP 32670392A JP H06171044 A JPH06171044 A JP H06171044A
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JP
Japan
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polyester
film
layer
particles
intrinsic viscosity
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JP32670392A
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English (en)
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Yutaka Baba
豊 馬場
Yasuhiro Nishino
泰弘 西野
Juji Konagaya
重次 小長谷
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Nippon Magphane KK
Toyobo Co Ltd
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Nippon Magphane KK
Toyobo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 平坦易滑性、耐スクラッチ性に高度に優れた
高品質のポリエステル多層フィルムを提供する。 【構成】 少なくとも一つの最表層が、ポリエステルと
少なくとも3種類の不活性粒子からなる組成物を主成分
とし、高さ0.005〜0.05μmの微小突起を70
〜200個/100μm2 有し、かつ微小突起を形成す
る不活性粒子の円相当径が10〜55nmであって、か
つ該層を構成するポリエステルの極限粘度がその他の層
を構成するポリエステルの極限粘度より低いことを特徴
とするポリエステル多層フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリエステルフィルム
に関し、より詳しくは平坦易滑性、走行耐久性、耐スク
ラッチ性に優れた磁気記録媒体用ポリエステル多層フィ
ルムに関する。
【0002】
【従来技術】一般にポリエステルは、その優れた物理的
および化学的諸特性のために、繊維用、成形品用のほか
磁気テープ用、フロッピーディスク用、写真用、コンデ
ンサー用、包装用ならびにレントゲンフィルムおよびマ
イクロフィルムなどのフィルム用としても多種の用途で
広く用いられている。特に磁気記録媒体用ベースフィル
ムとしては必要不可欠のものとなっている。
【0003】近年磁気記録媒体の改良が急速な勢いで行
われており、これに伴いベースフィルムに対する要求も
一段と厳しいものとなってきている。たとえば、滑り性
および耐磨耗特性はフィルムの製造工程および各用途に
おける加工工程の作業性の良否を左右する大きな要因と
なっている。特にポリエステルフィルム表面に磁性材料
を塗布した磁気テープとして用いる場合には、磁性材料
塗布時におけるコーティングロールとフィルム表面との
摩擦およびこれによるフィルムの磨耗が極めて激しく、
フィルム表面へのしわおよび擦り傷が発生し易い。
【0004】さらに生産性を高めるために、塗布工程お
よびカレンダー工程でのフィルムの送り速度を早くする
と、磁気記録信号の欠落、すなわちドロップアウトが増
加する。また磁性層塗布後のフィルムをスリットして、
オーディオ、ビデオまたはコンピュータ用テープなどに
加工した後でも、リールやカセットなどからの引き出し
や巻き上げその他の操作の際に、多くのガイド部、再生
ヘッドとの間に摩擦および磨耗が著しく生じる。その結
果、擦り傷、歪みの発生さらにはポリエステルフィルム
表面の削れ等による白粉状物質が析出し、ドロップアウ
トなどの原因となることが多い。
【0005】また、近年需要が増加してきたソフト用ビ
デオテープの場合、マスターテープからの高速ダビング
する工程で、ガイドピンによりテープにスクラッチが入
り白粉が発生する。その結果、S/N比が低下し画質が
悪化するという問題もでてきている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、これ
ら従来の問題点を解消し、平坦易滑性を損なうことなく
耐スクラッチ性に優れた高品質のポリエステルフィルム
を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、少な
くとも一つの最表層が、ポリエステルと少なくとも3種
類の不活性粒子からなる組成物を主たる成分とし、高さ
0.005〜0.05μmの微小突起を70〜200個
/100μm2 有し、かつ微小突起を形成する不活性粒
子の円相当径が10〜55nmであって、かつ該層を構
成するポリエステルの極限粘度がその他の層を構成する
ポリエステルの極限粘度より低いことを特徴とし、その
ことにより上記課題を達成することができる。
【0008】本発明の多層フィルムの製造に用いられる
ポリエステルは、ポリエチレンテレフタレート、ポリア
ルキレンナフタレートなどの結晶性ポリエステルであ
り、特に限定はされない。なかでも、その繰り返し単位
の80モル%以上がエチレンテレフタレートからなるポ
リエチレンテレフタレートが好ましい。ポリエステルの
製造方法は、芳香族ジカルボン酸とグリコールとを直接
反応させるいわゆる直接重合法、芳香族ジカルボン酸の
ジメチルエステルとグリコールとをエステル交換反応さ
せるいわゆるエステル交換法など任意の製造法を適用す
ることができる。
【0009】本発明のフィルムにおいて少なくとも一つ
の最表層に使用される不活性粒子としては、酸化チタ
ン、シリカ、炭酸カルシウム、カオリン、カーボンブラ
ック、アルミナ、クレー、リン酸カルシウム、リン酸バ
リウム、硫酸バリウム等の無機粒子、架橋ポリスチレ
ン、架橋ポリメチルメタクリレート、ポリイミド等の有
機粒子等が挙げられる。これらは合成品でも、天然品で
も良い。また、粒子の形状も限定されないが、球形、ラ
イス形、板形、無定形等が好ましい。さらに平均粒径も
いちがいに限定されないが、好ましくは0.01〜1.
5μm、さらに好ましくは0.01〜1.0μmの微粒
子が用いられる。本発明者らは1種あるいは2種の粒子
では、易滑性、走行耐久性、耐削れ性および耐スクラッ
チ性を良好に維持できないことを見出している。本発明
では粒子は少なくとも3種類以上用いられ、それぞれの
粒子の硬度、形状、量、粒径、粒度分布をコントロール
することにより各粒子の能力を発揮させることができ
る。たとえば易滑性は、粒子の形状が球に近く粒度分布
がシャープであるものが優れる。また削れ性を維持する
には板状粒子で硬度の低いものが良く耐スクラッチ性に
も効果がある。さらに耐スクラッチ性には他の特性を維
持するための粒子より粒径を小さくし、微小突起を形成
させることが必要である。このようにそれぞれの要求品
質に対して効果の期待できる粒子を添加することにより
達成されるものである。
【0010】また、少なくとも片面のフィルム表面に微
小突起を有するフィルムが前記問題を解決するのに効果
があることが見出されている。ここでいう微小突起と
は、原子間力顕微鏡(AFM)セイコー電子工業(株)
製SFA−300を用い定量した結果を用いる。原子間
力顕微鏡の測定条件は以下の通りである。 カンチレバー ばね定数 : 0.01〜0.5 N/m 共振周波数 : 10KHz 原子間力 : 0.11×10-9 N 測定条件 LPF : 106Hz 探針速度 : 30μm/s 測定面積 : 100μm2 走査数 : 256 得られたデータより微小突起をカウントした結果、高さ
0.005〜0.05μmの突起を70〜200個/1
00μm2 、好ましくは70〜150個/100μm2
有するベースフィルムが耐削れ性、耐スクラッチ性に優
れる。但し突起の高さと突起量を上記範囲に形成せしめ
るには、フィルム中の微小突起を形成する不活性粒子の
円相当径を10〜55nm、好ましくは25〜55nm
にすることが、効果がある。ここで微小突起を形成する
不活性粒子の円相当径とは、粒子の面積を求め、それと
同じ面積を持つ球の直径を意味する。これらの突起数が
70個/100μm2 未満の場合耐スクラッチ性が劣
り、200個/100μm2 を越える場合も同様であ
る。
【0011】フィルム表面に上記した微小突起を発生さ
せかつ該突起の数を上記範囲にコントロールする1つの
手段として、微細でかつ粒度分布のシャープな不活性微
粒子を少なくとも1種添加することが挙げられる。詳し
くは、平均粒径が0.05〜0.08μmで、かつ遠心
沈降式粒度分布計によって得られた粒度分布を用いて粒
径の小さい方から積算して、重量分布が10%と75%
の粒径の差が0.10μm以下、好ましくは0.06μ
m以下の不活性粒子が好適である。このような微粒子を
得る手段の1つとして、粒子の見掛け比重が、好ましく
は50〜100g/lのもの、特に好ましくは60〜8
0g/lの範囲にあるものを選択することが挙げられ
る。この手段は本発明で意図する微小突起を発生せしめ
るのに有効である。このような粒子を得るには、公知の
分散機、分散剤、遠心分離、ろ過などを用いると良い。
【0012】さらにフィルム中に周期律表第II族の原
子を含む化合物とリン化合物とを含有させておくこと
が、ポリエステル中での粒子の分散性を向上させ、フィ
ルム表面に本発明で規制した微小突起を得るのに好適で
ある。周期律表第II族の原子を含む化合物の例として
酢酸マグネシウムや酢酸カルシウム等が挙げられる。ま
た、リン化合物の例として、リン酸、リン酸トリエステ
ル、酸性リン酸エステル、亜リン酸、亜リン酸エステル
等が挙げられる。周期律表第II族の原子を含む化合物
の含有量は、Mg原子に換算して10ppm〜200p
pmで、そのモル比、すなわちリン化合物中のPに対す
るMgのモル比(P/Mg)は0.5〜1.0、好まし
くは0.65〜0.85にする。またリン化合物の含有
量は10ppm〜200ppmが好ましい。
【0013】微小突起を有する最表層を構成するポリエ
ステルの極限粘度は、0.5〜0.65が好ましいが、
特にこの値に限定されるものではない。本発明のフィル
ムは、微小突起を有する最表層を構成するポリエステル
の極限粘度をその他の層のポリエステルの極限粘度より
低くすることにより、いっそう耐スクラッチ性に優れる
フィルムとすることができた。具体的手法として、たと
えば、3層以上からなる多層フィルムの微小突起を有す
る最表層を構成するポリエステルの極限粘度を、その他
の層のそれより低くすることにより達成される。その差
は、0.01〜0.1が好ましく、0.02〜0.07
がさらに好ましい。なお最表層以外の層には不活性粒子
が添加されていても良いが、特に限定されるものではな
い。
【0014】それぞれの不活性微粒子の添加量として
は、ポリエステルに対し0.05〜1.5重量%であ
り、好ましくは0.1〜1.5重量%、さらに好ましく
は0.2〜1.0重量%である。それぞれの添加量が
0.05重量%未満では、本発明の微小突起数を得られ
ず、逆に、添加量が1.5重量%を越えると、ポリエス
テル中での微粒子の凝集により粗大突起が発生し、電磁
変換特性やドロップアウトの悪化原因になるので好まし
くない。また不活性微粒子の全添加量はポリエステルに
対し0.1〜1.5重量%であり、好ましくは0.2〜
1.0重量%、さらに好ましくは0.3〜1.0重量%
である。添加量が0.1重量%未満では滑り性や耐消耗
性を良好に保てず、1.5重量%を越えると電磁変換特
性が悪化する。
【0015】本発明のフィルムは、たとえば下記の方法
によって製造される。最表層を構成する原料として、ポ
リエステル原料と不活性微粒子の混合物からポリエステ
ルを製造する。これを十分乾燥した後、その他の層を構
成するポリエステルと共に多層押し出し機に供給し、ろ
過後スリット状口金から溶融押し出しし、冷却固化せし
めて末延伸原反を得る。このとき押し出し機の中で、ポ
リマーにせん断応力が強く働く方法、もしくはせん断速
度が速い方法が微小突起を本発明の範囲内にするのに有
効である。特に限定されないが、フィルターメッシュを
5〜20μmの範囲にし、二軸押し出し機の使用が有効
である。
【0016】溶融押し出しされた実質的に未配向のポリ
エステルフィルムは、ロール間でまたはステンタで長手
方向または幅方向に2.5〜5倍、好ましくは3〜4.
5倍延伸する。通常の逐次2軸延伸法によるフィルムの
延伸において、はじめの1軸目の延伸は80〜90℃の
範囲で行われるのが一般であるが、本発明においては、
上記の1軸目の長手方向または幅方向の延伸を95℃以
上130℃以下の範囲で行う必要があり、特に好ましく
は105℃以上125℃以下の範囲である。ひき続きフ
ィルム面内で1軸目と垂直な方向に2.5〜4.0倍、
好ましくは3〜4倍、延伸温度90〜130℃で延伸
し、さらに180〜230℃の温度で2〜7秒間熱処理
すると、本発明の規定要件を満たす二軸配向ポリエステ
ルフィルムを得ることができる。
【0017】
【実施例】以下、本発明のポリエステルフィルムを実施
例によってさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実
施例によって何ら限定されない。
【0018】実施例および比較例で得られたフィルムの
物性、不活性粒子の粒径およびポリエステルの極限粘度
の測定方法を示す。 (1)不活性粒子の平均粒径 エチレングリコールスラリー中で十分に分散させ得られ
た微粒子の粒度分布を光透過型遠心沈降式粒度分布測定
機(SA−CP3型:島津製作所製)を用いて測定し、
重量分布の積算が50%となる値を用いた。 (2)フィルムの耐スクラッチ性 幅12.7mmに裁断したポリエステルフィルムを硬質ク
ロムメッキ金属ピン(直径6mm、表面粗さ3S)に張力
50g、巻き付け角90度、走行速度1.3m/秒で摩
擦させつつ走行させる。次いで、走行後のフィルムにア
ルミニウム蒸着を施し、実体顕微鏡にて観察し傷の量を
目視判定し、以下のようにランク分けした。 1・・・傷がまったく認められない 2・・・僅かに傷が認められるが極めて微量である 3・・・少量の傷が認められる 4・・・多量に傷が認められる 得られたポリエステルフィルムがランク1および2であ
れば、実用上差し支えない。 (3)微小突起を形成する不活性粒子の円相当径 透過型電子顕微鏡を用いて粒子を含有したフィルムを観
察した。観察面は、フィルムの幅方向の断面とし、約1
0000倍で撮影、ネガよりさらに5倍の印画紙に引き
伸ばした。この写真を約30枚画像解析処理装置に入力
し粒子総面積より円相当粒径を演算した。 (4)極限粘度 粘度溶媒としてフェノール/テトラクロロエタン=6/
4(重量比)に調合したものを用い、30℃の恒温槽内
にてウベローゼ型粘度管で測定した。 (5)表面粗度(平坦性) サーフコム300A型表面粗さ計(東京精密製)を用い
て、針径1μm、荷重0.07g、測定基準長0.8m
m、カットオフ0.8mmの条件で測定した時の中心線平
均粗さ(Ra:μm)で表した。 (6)易滑性 ASTM D−1894−63に準拠し、スレッド式ス
トリップテスターを用い、23℃、65RH%の環境条
件下でフィルム/フィルム間の静摩擦係数を測定した。
【0019】実施例1 平均粒径0.5μmの炭酸カルシウム粒子1.48重量
部、エチレングリコール14.8重量部および、0.1
Mのトリポリリン酸ナトリウム0.00296重量部を
混合し、ホモジナイザーで攪拌処理し16.3重量部の
スラリーを得た。他方、テレフタル酸86.4重量部、
エチレングリコール64.6重量部、三酸化アンチモン
0.03重量部、トリエチレンアミン0.16重量部お
よび酢酸マグネシウム4水和物0.088重量部を加
え、240℃、3.5kg/cm2 の圧力下でエステル化を
行った。エステル化終了後、この溶液にトリメチルホス
フェート0.04重量部を加えて常圧下260℃で攪拌
を行った。30分後、前記スラリー11.0重量部を加
えてさらに30分攪拌を行った。その後、真空下で重縮
合反応を行い、極限粘度η=0.62のポリエチレンテ
レフタレートを得た。(ポリエステルA) 上記ポリエステルAの製造において、炭酸カルシウムの
代わりに平均粒径0.4μmのカオリンを添加すること
以外は同様にして、極限粘度η=0.62のポリエチレ
ンテレフタレートを得た。(ポリエステルB) 上記ポリエステルAの製造において、炭酸カルシウムの
代わりに平均粒径0.07μmの酸化アルミニウムを添
加すること以外は同様にして、極限粘度η=0.6のポ
リエチレンテレフタレートを得た。(ポリエステルC) 表層として、上記の不活性無機粒子が表1に示した濃度
となるように、得られた上記ポリエステルA、ポリエス
テルBおよびポリエステルCを所定の重量比で混合、乾
燥し、また中間層として極限粘度(η)0.64のポリ
エステルを乾燥した後、3層押し出し機に供給し、28
0℃溶融し、30℃の冷却ドラム上にキャスティングす
ることにより厚さ220μmの末延伸3層フィルムを得
た。次いでこのフィルムを110℃に加熱したロール、
および表面温度600℃の赤外線ヒーター(フィルムか
ら20mm離れた位置に設置)を用いて加熱した後、低速
ロールと高速ロールとの間で縦方向に3.3倍延伸し
た。さらにこのフィルムをテンター内で100℃で横方
向に4.0倍延伸した。テンター中では、横方向に引き
続いて熱処理、再横延伸および横方向の緩和を行い、厚
さ15μmの二軸配向ポリエステル3層フィルムを得
た。このフィルムに添加した酸化アルミニウムは、見掛
け比重70g/lでフィルム中の粒子円相当径は40n
mであった。得られた高さ0.005〜0.05μm微
小突起数は、100μm2 当たり150個であった。こ
のときの芯層と表層の極限粘度の差は、0.02であっ
た。得られたフィルムについて、耐スクラッチ性、表面
粗度および表面易滑性を測定した。結果を表2に示す。
【0020】実施例2〜4、比較例1〜4 表層を構成するポリエステルに添加する不活性粒子の種
類、平均径、量および見掛け比重、中間層を構成するポ
リエステルの極限粘度、および表層と中間層のポリエス
テルの極限粘度の差を表1に示すように変えた以外は、
実施例1と同様にして二軸配向ポリエステル3層フィル
ムを得た。得られたフィルムについて、耐スクラッチ
性、表面粗度および表面易滑性を実施例1と同様に測定
した。結果を表2に示す。表2に示すように、微小突起
を形成する不活性粒子の円相当径を本発明の範囲内に設
定することにより請求範囲内の微小突起を形成すること
が出来た。本発明のフィイルムは、表面易滑性も耐スク
ラッチ性も良好であった。しかし、微小突起の数、微小
突起を形成する不活性粒子の円相当径あるいは表層と中
間層の極限粘度の差が範囲外のものは、平坦性および易
滑性は維持しているものの耐スクラッチ性は不良であっ
た。また不活性粒子の種類が1種あるいは2種の場合は
表面粗度、易滑性を良好に保てないことも確認された。
【0021】
【表1】
【0022】
【表2】
【0023】
【発明の効果】以上のように、本発明のフィルムは、フ
ィルムの平坦性および易滑性を維持しつつ、表面に一定
量の微小突起を形成させることにより、耐スクラッチ性
に優れるポリエステルフィルムである。
フロントページの続き (72)発明者 西野 泰弘 福井県敦賀市東洋町10−24 東洋紡績株式 会社フィルム研究所敦賀分室内 (72)発明者 小長谷 重次 福井県敦賀市東洋町10−24 東洋紡績株式 会社フィルム研究所敦賀分室内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一つの最表層が、ポリエステ
    ルと少なくとも3種類の不活性粒子からなる組成物を主
    成分とし、高さ0.005〜0.05μmの微小突起を
    70〜200個/100μm2 有し、かつ微小突起を形
    成する不活性粒子の円相当径が10〜55nmであっ
    て、かつ該層を構成するポリエステルの極限粘度がその
    他の層を構成するポリエステルの極限粘度より低いこと
    を特徴とするポリエステルフィルム。
JP32670392A 1992-12-07 1992-12-07 ポリエステルフィルム Pending JPH06171044A (ja)

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