JPH06171042A - 多層樹脂製燃料タンク - Google Patents

多層樹脂製燃料タンク

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JPH06171042A
JPH06171042A JP35123592A JP35123592A JPH06171042A JP H06171042 A JPH06171042 A JP H06171042A JP 35123592 A JP35123592 A JP 35123592A JP 35123592 A JP35123592 A JP 35123592A JP H06171042 A JPH06171042 A JP H06171042A
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density polyethylene
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JP35123592A
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English (en)
Inventor
Noriya Matsumoto
律哉 松本
Masayuki Yamazaki
昌幸 山崎
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Tonen Chemical Corp
Original Assignee
Tonen Sekiyu Kagaku KK
Tonen Chemical Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐衝撃性に優れた多層樹脂製燃料タンクを提
供する。 【構成】 不飽和カルボン酸又はその誘導体により変性
された高密度ポリエチレン層3を介して高密度ポリエチ
レン層1とポリアミド系樹脂層2とが積層された多層樹
脂製燃料タンクにおいて、ポリアミド系樹脂層2を、ポ
リアミドと、アクリルアミド基とエポキシ基とを有する
特定のグリシジル化合物による変性オレフィン系エラス
トマーとの組成物により形成してなる多層樹脂製燃料タ
ンク。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は多層樹脂製燃料タンクに
関し、特に高密度ポリエチレン層とポリアミド系樹脂層
と変性高密度ポリエチレン層とからなり、耐衝撃性の良
好な多層樹脂製燃料タンクに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】ポリオ
レフィン樹脂は安価で強度が大きく、耐候性、耐薬品性
等に優れているので、各種の容器の製造に広く使用され
ている。しかしながら、バリア性が必ずしも十分とはい
えず、規制が厳しい地域ではガソリン等の燃料タンクに
使用することができなかった。そこで、ポリオレフィン
を主層とし、ポリアミドをバリア層とすることが試みら
れているが、ポリオレフィン層とポリアミド層とは接着
力が弱いため、この両層の接着層としてポリオレフィン
樹脂を不飽和カルボン酸で変性した変性プラスチック層
を介在させて積層する方法が種々提案されている (特開
昭58-220738 号、同62-110526 号等) 。
【0003】また特公昭60-34461号は、ポリオレフィン
樹脂層とナイロン樹脂又はエチレン−酢酸ビニル共重合
体ケン化物の層が中間層を介して積層した多層ブロー容
器をブロー成形により製造するに際し、該中間層とし
て、結晶化度2〜30%のエチレンと炭素数3以上のα−
オレフィンとの共重合体に無水マレイン酸を0.01〜1重
量%グラフト重合した変性エチレン共重合体を用いるこ
とを特徴とする多層ブロー成形容器の製造方法を開示し
ている。
【0004】特開昭55-91634号は、(a) ポリオレフィン
樹脂層と、(b) 結晶化度1〜35%、メルトインデックス
0.01〜50g/10 分のエチレン/α−オレフィン共重合体
に無水マレイン酸をグラフトさせた(無水マレイン酸含
有量0.05〜1重量%)変性重合体と、ナイロンとの溶融
混合物からなるポリアミド系樹脂層とが、(c) 結晶化度
2〜30%、メルトインデックス0.01〜50g/10 分のエチ
レン/α−オレフィン共重合体に無水マレイン酸をグラ
フトさせた(無水マレイン酸含有量0.01〜1重量%)変
性重合体からなる変性ポリオレフィン樹脂層を介して積
層された、バリを原料の一部としても強度の低下の少な
い多層成形体を開示している。
【0005】しかしながら、上記各多層成形体は、必ず
しも十分な耐衝撃性を有するものではないという問題が
ある。特に、自動車の燃料タンクとして使用する場合、
耐衝撃性は重要である。
【0006】したがって、本発明の目的は、耐衝撃性に
優れた多層樹脂製燃料タンクを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的に鑑み鋭意研究
の結果、本発明者らは、不飽和カルボン酸又はその誘導
体により変性された高密度ポリエチレン層を介して高密
度ポリエチレン層とポリアミド系樹脂層とが積層された
多層樹脂製燃料タンクにおいて、耐衝撃性が十分でない
のは、ポリアミド系樹脂層の耐衝撃性が十分でないとと
もに、ポリアミド系樹脂層と変性高密度ポリエチレン層
との接着性が良好でないためであることを見出した。そ
こで本発明者らは、ポリアミド系樹脂層を、ポリアミド
と、アクリルアミド基とエポキシ基とを有する特定のグ
リシジル化合物による変性オレフィン系エラストマーと
の組成物により形成すれば、ポリアミド系樹脂層の自身
の耐衝撃性が十分なものとなるとともに、ポリアミド系
樹脂層と変性高密度ポリエチレン層との接着性も良好と
なるので、耐衝撃性が大幅に向上した多層樹脂製燃料タ
ンクが得られることを見出した。以上の発見に基づき本
発明に想到した。
【0008】すなわち本発明の多層樹脂製燃料タンク
は、高密度ポリエチレン層と、ポリアミド系樹脂層と
が、不飽和カルボン酸又はその誘導体により変性された
高密度ポリエチレン層を介して積層された多層樹脂製燃
料タンクにおいて、前記ポリアミド系樹脂層が(a) ポリ
アミド65〜95重量%と、(b) オレフィン系エラストマー
の一部もしくは全部に、下記一般式:
【化2】 (式中、RはH又は炭素数1〜6のアルキル基であり、
Arはグリシジルオキシ基を少なくとも1つ有する炭素数
6〜20の芳香族炭化水素基であり、nは1〜4の整数を
表す。)で表されるグリシジル化合物を0.01〜25重量%
グラフト重合してなる変性オレフィン系エラストマー5
〜35重量%とを含有する組成物からなることを特徴とす
る。
【0009】本発明を以下詳細に説明する。 (1) 高密度ポリエチレン層 高密度ポリエチレン層を形成する高密度ポリエチレン
は、0.935 g/cm3 以上の密度を有し、また耐ドローダウ
ン性、成形性、耐衝撃性を考慮すると、ハイロードメル
トインデックス(HLMI、190 ℃、21.6kg荷重) が10g/1
0 分以下が好ましく、より好ましくは2〜6g/10分で
ある。
【0010】(2) 変性高密度ポリエチレン層 変性高密度ポリエチレン層を形成する変性高密度ポリエ
チレンは、高密度ポリエチレンを不飽和カルボン酸又は
その無水物により変性したものである。不飽和カルボン
酸またはその無水物としては、アクリル酸、メタクリル
酸等のモノカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコ
ン酸などのジカルボン酸、無水マレイン酸、無水イタコ
ン酸、エンド−ビシクロ〔2,2,1 〕−5−ヘプテン−2,
3 −ジカルボン酸無水物(無水ハイミック酸)等のジカ
ルボン酸無水物等が挙げられ、ジカルボン酸及びその無
水物が好ましく、特に無水マイレン酸及び無水ハイミッ
ク酸が好ましい。
【0011】また不飽和カルボン酸又はその無水物によ
る変性対象である高密度ポリエチレンとしては、上述の
高密度ポリエチレン層用の高密度ポリエチレンと同様の
ものを用いることができる。
【0012】変性高密度ポリエチレン中の不飽和カルボ
ン酸又はその無水物の含有量は0.01〜10重量%が好まし
く、特に0.1 〜2重量%が好ましい。変性量が0.01重量
%未満であると、変性高密度ポリエチレン層と、ポリア
ミド系樹脂層との接着性の向上に十分な効果がなく、ま
た10重量%を超えると今度は変性高密度ポリエチレン層
と、高密度ポリエチレン層との接着性が低下する。
【0013】このような変性高密度ポリエチレンの製造
は溶液法又は溶融混練法のいずれでも行うことができ
る。溶液法の場合、キシレン等の有機溶剤に高密度ポリ
エチレン、不飽和カルボン酸またはその無水物、及び必
要に応じて触媒を溶解し、加熱し攪拌しながら行う。ま
た溶融混練法の場合、上記出発物質を、押出機や二軸混
練機等に投入し、180 〜240 ℃の温度に加熱して溶融し
ながら0.1 〜20分混練する。いずれの場合にも、触媒と
して通常のラジカル重合用触媒を用いることができ、例
えば過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、過酸化ジタ
ーシャリーブチル、過酸化アセチル、ターシャリーブチ
ルペルオキシ安息香酸、過酸化ジクミル、ぺルオキシ安
息香酸、ペルオキシ酢酸、ターシャリーブチルペルオキ
シピバレート、2,5-ジメチル-2,5- ジターシャリーブチ
ルペルオキシヘキシン等の過酸化物類や、アゾビスイソ
ブチロニトリル等のジアゾ化合物類等が好ましい。触媒
の添加量は変性用の不飽和カルボン酸またはその無水物
100 重量部に対して0.1 〜10重量部程度である。
【0014】(3) ポリアミド系樹脂層 本発明においてポリアミド系樹脂層は、(a) ポリアミド
と、(b) アクリルアミド基とエポキシ基とを有する特定
のグリシジル化合物による変性オレフィン系エラストマ
ーとの組成物からなる。
【0015】(a) ポリアミドは、酸アミド(-CONH-)結合
を繰り返し単位にもつ高分子化合物で、重合形式によ
り、(1) ラクタムの開環重合によるもの、(2) アミノカ
ルボン酸の重縮合によるもの、(3) ジアミンと二塩基酸
との重縮合によるもの等が挙げられる。例えば、ヘキサ
メチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ドデカメチ
レンジアミン、2,2,4−または2,4,4−トリメ
チルヘキサメチレンジアミン、1, 3−または1, 4−
ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、ビス(p−アミ
ノシクロヘキシルメタン)、m−またはp−キシリレン
ジアミンのような脂肪族、脂環族又は芳香族のジアミン
と、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、シクロヘキ
サンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸のよう
な脂肪族、脂環族又は芳香族のジカルボン酸とから製造
されるポリアミド、6−アミノカプロン酸、11−アミノ
ウンデカン酸、12−アミノドデカン酸のようなアミノカ
ルボン酸から製造される結晶性または非結晶性のポリア
ミド、ε−カプロラクタム、ω−ドデカラクタムのよう
なラクタムから製造されるポリアミドおよびこれらの成
分からなる共重合ポリアミド、またはこれらのポリアミ
ドの混合物等が挙げられる。具体的にはナイロン6、ナ
イロン66、ナイロン 610、ナイロン9、ナイロン6/6
6、ナイロン66/610 、ナイロン6/11等が挙げられ
る。これらの中では、ナイロン6及びナイロン66が好ま
しい。
【0016】ポリアミドの分子量は特に限定されない
が、通常相対粘度ηr (JISK6810、98%硫酸中で測
定)が 0.5以上のポリアミドが用いられ、中でも 2.0以
上のものが機械的強度が優れる点で好ましい。
【0017】(b) 変性オレフィン系エラストマーは、オ
レフィン系エラストマーの一部もしくは全部にアクリル
アミド基とエポキシ基とを有する特定のグリシジル化合
物を0.01〜25重量%、好ましくは0.1 〜10重量%グラフ
ト重合してなるものである。
【0018】変性用モノマーであるグリシジル化合物
は、下記一般式(1)
【化3】 (式中、RはH又は炭素数1〜6のアルキル基であり、
Arはグリシジルオキシ基を少なくとも1つ以上有する炭
素数6〜20の芳香族炭化水素基であり、nは1〜4の整
数を表す。)で表される。
【0019】好ましいグリシジル化合物としては、下記
一般式(2) で表されるものが挙げられる。
【化4】 (式中、RはH又は炭素数1〜6のアルキル基を表
す。)
【0020】このようなグリシジル化合物は、例えば特
開昭60-130580 号に示される方法により製造することが
できる。
【0021】また、オレフィン系エラストマーとは、エ
チレンとプロピレン、1-ブテン、1-ヘキセン、4-メチル
−ペンテン等のα−オレフィンの2種又は3種以上の共
重合体ゴム、又はα−オレフィンと他種モノマーとの共
重合体ゴムを意味する。上記α−オレフィンの2種又は
3種以上の共重合体ゴムとしては、典型的にはエチレン
−プロピレン共重合体ゴム(EPR)、エチレン−ブテン共
重合体ゴム(EBR)及びエチレン−プロピレン−ジエン共
重合体ゴム(EPDM) が挙げられる。エチレン−プロピレ
ン−ジエン共重合体ゴム(EPDM) 中のジエンとしては、
ジシクロペンタジエン、1,4-ヘキサジエン、シクロオク
タジエン、メチレンノルボルネン等の非共役ジエン又は
ブタジエン、イソプレン等の共役ジエンを使用すること
ができる。またα−オレフィンと共重合する他種モノマ
ーとしては、酢酸ビニル、アクリル酸エステル等を用い
ることができる。α−オレフィンと他種モノマーとの共
重合体ゴムの典型的な例としてはエチレン−酢酸ビニル
共重合体(EVA)が挙げられる。
【0022】エチレン−プロピレン共重合体ゴム(EPR)
は、エチレンの含有率が50〜80モル%、プロピレンの含
有率が20〜50モル%であることが好ましい。より好まし
い範囲は、エチレンが60〜70モル%、プロピレンが30〜
40モル%である。
【0023】エチレン−プロピレン共重合体ゴムのメル
トインデックス(190 ℃、2.16kg荷重)は0.5 〜15g/
10分の範囲内にあるのが好ましく、より好ましくは3〜
9g/10分である。
【0024】エチレン−プロピレン共重合体ゴム(EBR)
は、エチレンの含有率が50〜80モル%、プロピレンの含
有率が20〜50モル%であることが好ましい。より好まし
い範囲は、エチレンが60〜70モル%、プロピレンが30〜
40モル%である。
【0025】エチレン−ブテン共重合体ゴムのメルトイ
ンデックス(190 ℃、2.16kg荷重)は0.5 〜15g/10分
の範囲内にあるのが好ましく、より好ましくは3〜9g
/10分である。
【0026】エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴ
ム(EPDM) は、エチレンの含有率が40〜69モル%、プロ
ピレンの含有率が30〜59モル%、及びジエンの含有率が
1〜10モル%であることが好ましい。
【0027】EPDMのムーニー粘度ML1+4 (100℃) は40〜
100 の範囲内にあるのが好ましく、より好ましくは60〜
80である。
【0028】このようなオレフィン系エラストマーの変
性は、溶液法又は溶融混練法のいずれでも行うことがで
きる。溶液法の場合、キシレン等の有機溶剤にオレフィ
ン系エラストマーと上述した変性用のグリシジル化合物
及び必要に応じて触媒を溶解し、50〜150 ℃の温度で0.
1 〜100 時間攪拌しながら行う。また溶融混練法の場
合、上記出発物質を押出機や二軸混練機等に投入し、12
0 〜300 ℃の温度に加熱して溶融しながら0.1 〜20分混
練する。いずれの場合にも、触媒として通常のラジカル
重合用触媒を用いることができ、例えば過酸化ベンゾイ
ル、過酸化ラウロイル、過酸化ジターシャリーブチル、
過酸化アセチル、ターシャリーブチルペルオキシ安息香
酸、過酸化ジクミル、ぺルオキシ安息香酸、ペルオキシ
酢酸、ターシャリーブチルペルオキシピバレート、2,5-
ジメチル-2,5- ジターシャリーブチルペルオキシヘキシ
ン等の過酸化物類や、アゾビスイソブチロニトリル等の
ジアゾ化合物類等が好ましい。触媒の添加量は変性用の
グリシジル化合物100 重量部に対して0.1 〜10重量部程
度である。
【0029】オレフィン系エラストマー100 重量部に対
するグリシジル化合物の配合割合は、0.01〜35重量部が
好ましく、より好ましくは0.1 〜13重量部である。グリ
シジル化合物の配合量が0.01重量部未満では、グラフト
率が低くて変性オレフィン系エラストマーとポリアミド
との相溶性が十分でなく、また35重量部を超えると得ら
れる変性オレフィン系エラストマーの分子量が低下す
る。
【0030】なお、変性オレフィン系エラストマーは、
上述したようにして変性したオレフィン系エラストマー
単独あるいはそれと未変性のオレフィン系エラストマー
との混合物であるが、混合物の場合、混合物中のグリシ
ジル化合物の割合のグラフト率が0.01〜25重量%、好ま
しくは0.1 〜10重量%となるようにする。混合物中のグ
リシジル化合物が0.01重量%未満では、ポリアミドとの
相溶性の向上効果が十分でなく、このためポリアミド系
樹脂層の耐衝撃性を十分なものとすることができない。
【0031】上述したような各成分の配合割合は、(a)
ポリアミドが65〜95重量%、好ましくは70〜90重量%で
あり、(b) オレフィン系エラストマーが5〜35重量%、
好ましくは10〜30重量%である。
【0032】(a) ポリアミドが65重量%未満では ((b)
オレフィン系エラストマーが35重量%を超えると) 、ガ
ソリンバリア性が樹分でなく、一方(a) ポリアミドが95
重量%を超えると ((b) オレフィン系エラストマーが5
重量%未満では) 、耐衝撃性が十分でない。
【0033】なお、本発明においては、上記各層用の樹
脂に、その改質を目的として、充填剤、熱安定剤、光安
定剤、難燃剤、可塑剤、帯電防止剤、離型剤、核剤等の
添加剤を適宜添加することができる。
【0034】上述したような各層からなる本発明の多層
樹脂製燃料タンクは、例えば図1に示すような層構造を
有する。図1中において多層樹脂製燃料タンクは、高密
度ポリエチレン層1、1と、ポリアミド系樹脂層2と、
両層を接着する変性高密度ポリエチレン3、3とからな
る。
【0035】なお、各層の層厚は燃料タンクとして要求
される耐衝撃性及びガソリンバリア性に応じ適宜設定す
ればよいが、例えば高密度ポリエチレン層を1.0 〜7.5
mm、ポリアミド系樹脂層を10〜500 μm、変性高密度ポ
リエチレン層を10〜500 μmとすればよい。
【0036】このような多層樹脂製燃料タンクは、基本
的には、通常の共押出成形法により180 〜260 ℃で上記
各層用の樹脂を押出し、多層構造を有する円筒状のパリ
ソンを成形し、このパリソンを所望の形状のキャビティ
を有する金型内に導入した後、ブロー成形することによ
り製造することができる。
【0037】
【作用】本発明の多層樹脂製燃料タンクは、高密度ポリ
エチレン層と、ポリアミド系樹脂層とが、不飽和カルボ
ン酸又はその誘導体により変性された高密度ポリエチレ
ン層を介して積層されたものであって、このポリアミド
系樹脂層をポリアミドとアクリルアミド基とエポキシ基
とを有する特定のグリシジル化合物による変性オレフィ
ン系エラストマーとの組成物により形成してなるので、
耐衝撃性が大幅に向上している。
【0038】このような効果が得られる理由については
必ずしも明らかではないが、ポリアミドとアクリルアミ
ド基とエポキシ基とを有する特定のグリシジル化合物に
よる変性オレフィン系エラストマーとの組成物は、両者
の相溶性が良好であるとともに、変性高密度ポリエチレ
ン層との接着性が良く、しかもそれ自身の耐衝撃性が良
好であるためであると考えられる。
【0039】
【実施例】本発明を以下の実施例によりさらに詳細に説
明する。なお、各層の原料となる高密度ポリエチレン、
変性高密度ポリエチレン及びポリアミドとしては以下の
ものを使用した。 [1] 高密度ポリエチレン HDPE:〔ハイロードメルトインデックス(HLMI、19
0 ℃、21.6kg荷重) 5g/10 分、密度0.945 g/cm3 〕 [2] 変性高密度ポリエチレン CMPE:〔メルトインデックス (MI、190 ℃、2.16kg
荷重) 0.26g/10 分、無水マレイン酸付加率0.4 重量
%〕 [3] ポリアミド (PA) Ny−6:〔ポリアミド6、相対粘度(JIS K6810 、98
%硫酸中で測定)6.0 〕 [4] オレフィン系エラストマーの変性用モノマー AXE:〔下記化学式で示される化合物、鐘淵化学工業
(株)製〕
【化5】
【0040】合成例1 変性オレフィン系エラストマー(CMEBR-1) の合成 エチレン−ブテン共重合体ゴム(EBR、日本合成ゴム
(株)製:EBM2041P) 100 重量部と、AXE3
重量部と、POX(ラジカル発生剤:パーヘキシン2-5
B、日本油脂(株)製)0.1重量部とを混合し、これを直
径45mmの二軸押出機を用いて、200 ℃、100rpmの条件で
混練し、変性エチレン−ブテン共重合体ゴム(CMEBR-1)
を得た。
【0041】得られた変性エチレン−ブテン共重合体ゴ
ムのメルトインデックス (MI、190℃、1.05kg荷重)
は、0.32g/10分であり、AXEのグラフト率は2.2 重
量%であった。
【0042】なお、AXEのグラフト率は、変性エチレ
ン−ブテン共重合体ゴムを沸騰キシレンに溶解し、不溶
分を除去した後、メタノールにより溶解成分を沈殿さ
せ、これを50μm程度の厚さにプレスしてこの赤外線吸
収スペクトルを測定し、AXEのC=O結合の伸縮にか
かるピーク(1648cm-1) を測定し、試料の厚さを基にし
て算出した。
【0043】合成例2 変性オレフィン系エラストマー(CMEPR) の合成 エチレン−プロピレン共重合体ゴム(EPR、日本合成
ゴム(株)製:EP912P) 100 重量部と、AXE3
重量部と、POX(ラジカル発生剤:パーヘキシン2-5
B、日本油脂(株)製)0.1重量部とを混合し、これを直
径45mmの二軸押出機を用いて、200 ℃、100rpmの条件で
混練し、変性エチレン−プロピレン共重合体ゴム(CMEP
R) を得た。
【0044】得られた変性エチレン−プロピレン共重合
体ゴムのメルトインデックス (MI、190 ℃、1.05kg荷
重) は、2.6 g/10分であり、AXEのグラフト率は2.
0 重量%であった。
【0045】なお、AXEのグラフト率は、変性エチレ
ン−プロピレン共重合体ゴムを沸騰キシレンに溶解し、
不溶分を除去した後、メタノールにより溶解成分を沈殿
させ、これを50μm程度の厚さにプレスしてこの赤外線
吸収スペクトルを測定し、AXEのC=O結合の伸縮に
かかるピーク(1648cm-1) を測定し、試料の厚さを基に
して算出した。
【0046】合成例3 変性オレフィン系エラストマー(CMEBR-2) の合成 エチレン−ブテン共重合体ゴム(EBR、日本合成ゴム
(株)製:EBM2041P) 100 重量部と、無水マレ
イン酸(MAH)3重量部と、POX(ラジカル発生
剤:パーヘキシン2-5B、日本油脂(株)製)0.1重量部と
を混合し、これを直径45mmの二軸押出機を用いて、200
℃、100rpmの条件で混練し、変性エチレン−ブテン共重
合体ゴム(CMEBR-2) を得た。
【0047】得られた変性エチレン−ブテン共重合体ゴ
ムのメルトインデックス (MI、190℃、1.05kg荷重)
は、0.6 g/10分であり、無水マレイン酸のグラフト率
は1.4重量%であった。
【0048】なお、無水マレイン酸のグラフト率は、変
性エチレン−ブテン共重合体ゴムを沸騰キシレンに溶解
し、不溶分を除去した後、メタノールにより溶解成分を
沈殿させ、これを50μm程度の厚さにプレスしてこの赤
外線吸収スペクトルを測定し、無水マレイン酸のC=O
結合の伸縮にかかるピーク(1780cm-1) を測定し、試料
の厚さを基にして算出した。
【0049】実施例1〜6及び比較例1〜5 多層樹脂製燃料タンクの作成 高密度ポリエチレン(HDPE)と、変性高密度ポリエ
チレン(CMPE)と、ナイロン−6 (Ny-6) と変性オ
レフィン系エラストマー (CMEBR-1 、CMEBR-2又はCMEPR
-1)とを第1表に示す割合で配合してなるポリアミド系
樹脂(PA)とを多層ブロー成形機 (日本製鋼所 (株)
製 NB-60G)により共押出成形して3種5層(HDPE層
46%/CMPE層2.5 %/PA層3%/CMPE層2.5
%/HDPE層46%)のパリソンに成形し、ブロー成形
することにより、内容積40リットル、平均肉厚4.5 mmの
多層樹脂製燃料タンクを作成した。
【0050】このようにして得られた多層樹脂製燃料タ
ンクの低温 (−40℃) での落下衝撃強度を調べた結果を
第1表にあわせて示す。
【0051】 第 1 表 実施例1 実施例2 実施例3 実施例4 実施例5 実施例6 PA層の組成(重量部) CMEBR-1 10 20 30 − − − CMEPR-1 − − − 10 20 30 Ny−6 90 80 70 90 80 70 落下衝撃強度(1) 9m (477kgf・m)× × ○ × × × 8m(424kgf・m)○ ○ ○ × × ○ 7m(371kgf・m)○ ○ ○ × ○ ○ 6m(318kgf・m)○ ○ ○ ○ ○ ○ 5m(265kgf・m)○ ○ ○ ○ ○ ○ 4m(212kgf・m)○ ○ ○ ○ ○ ○
【0052】 第 1 表 (続き) 比較例1 比較例2 比較例3 比較例4 比較例5 PA層の組成(重量部) EBR * 10 20 30 − − CMEPR-2 − − − 20 − Ny−6 90 80 70 80 100 落下衝撃強度(1) 9m (477kgf・m)× × × × × 8m(424kgf・m)× × × × × 7m(371kgf・m)× × × × × 6m(318kgf・m)× × × × × 5m(265kgf・m)× × × ○ × 4m(212kgf・m)× × × ○ ○
【0053】 注)*:CMEBR-1 で使用した未変性のEBRを使用。 (1) 落下衝撃強度:多層樹脂製燃料タンク内を水40重量
部とエチレングリコール60重量部とからなる溶液で満液
とし、−40℃に冷却した後、タンクのピンチオフ面を下
にして種々の高さから落下させ、タンクが破損するか否
かを確認し、破損のないものを○、破損したものを×と
して評価した(かっこ内はそれぞれの落下高さにおける
衝撃エネルギーを示す)。
【0054】第1表からから明らかなように実施例1〜
6の多層樹脂製燃料タンクは、低温耐衝撃性が極めて優
れている。
【0055】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明の多層樹脂製
燃料タンクは、高密度ポリエチレン層と、ポリアミド系
樹脂層とが、不飽和カルボン酸又はその誘導体により変
性された高密度ポリエチレン層を介して積層されたもの
であって、そのポリアミド系樹脂層が、ポリアミドとア
クリルアミド基とエポキシ基とを有する特定のグリシジ
ル化合物による変性オレフィン系エラストマーとの組成
物により形成されているので、耐衝撃性が大幅に向上し
ている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の多層樹脂製燃料タンクの層構成の一例
を示す部分断面図である。
【符号の説明】
1・・・高密度ポリエチレン層 2・・・ポリアミド系樹脂層 3・・・変性高密度ポリエチレン層

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高密度ポリエチレン層と、ポリアミド系
    樹脂層とが、不飽和カルボン酸又はその誘導体により変
    性された高密度ポリエチレン層を介して積層された多層
    樹脂製燃料タンクにおいて、前記ポリアミド系樹脂層が
    (a) ポリアミド65〜95重量%と、(b) オレフィン系エラ
    ストマーの一部もしくは全部に、下記一般式: 【化1】 (式中、RはH又は炭素数1〜6のアルキル基であり、
    Arはグリシジルオキシ基を少なくとも1つ有する炭素数
    6〜20の芳香族炭化水素基であり、nは1〜4の整数を
    表す。)で表されるグリシジル化合物を0.01〜25重量%
    グラフト重合してなる変性オレフィン系エラストマー5
    〜35重量%とを含有する組成物からなることを特徴とす
    る多層樹脂製燃料タンク。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013530894A (ja) * 2010-06-17 2013-08-01 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー 複合材料圧力容器
JP2015231709A (ja) * 2014-06-10 2015-12-24 三井化学株式会社 積層構造体、及びこれを含む成型品

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