JP2898359B2 - 多層プラスチック燃料タンク - Google Patents

多層プラスチック燃料タンク

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は多層プラスチック燃料タンクに関し、特に高
密度ポリエチレン層とポリアミド層と、変性高密度ポリ
エチレン層とを有し、低温での成形性の良好な多層プラ
スチック燃料タンクに関する。
〔従来の技術及び発明が解決しようとする課題〕
ポリオレフィン樹脂は安価で強度が大きく、耐候性、
耐薬品性等に優れているので、各種の容器の製造に広く
使用されている。しかしながら、バリア性が必ずしも十
分とはいえず、規制が厳しい地域ではガソリン等の燃料
タンクに使用することができなかった。そこで、ポリオ
レフィンを主層とし、ポリアミドをバリア層とすること
が試みられているが、ポリオレフィン層とポリアミド層
とは接着力が弱いため、この両層の接着層としてポリオ
レフィン樹脂を不飽和カルボン酸で変性したような変性
プラスチック層を介在させて積層する方法が種々提案さ
れている(特開昭58-220738号、同62-110526号等)。
また特公昭60-34461号は、ポリオレフィン樹脂層とナ
イロン樹脂又はエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物
の層が中間層を介して積層した多層ブロー容器をブロー
成形により製造するに際し、該中間層として、結晶化度
2〜30%のエチレンと炭素数3以上のα−オレフィンと
の共重合体に無水マレイン酸を0.01〜1重量%グラフト
重合した変性エチレン共重合体を用いることを特徴とす
る多層ブロー成形容器の製造方法を開示している。
一方、特開昭55-91634号は、(a)ポリオレフィン樹
脂層と、(b)結晶化度1〜35%、メルトインデックス
0.01〜50g/10分のエチレン/α−オレフィン共重合体に
無水マレイン酸をグラフトさせた(無水マレイン酸含有
量0.05〜1重量%)変性重合体と、ナイロンとの溶融混
合物からなるポリアミド系樹脂層とが、(c)結晶化度
2〜30%、メルトインデックス0.01〜50g/10分のエチレ
ン/α−オレフィン共重合体に無水マレイン酸をグラフ
トさせた(無水マレイン酸含有量0.01〜1重量%)変性
重合体からなる変性ポリオレフィン樹脂層を介して積層
された、バリを原料の一部としても強度の低下の少ない
多層成形体を開示している。
しかしながら、上記多層成形体のポリアミド層には通
常ポリアミド6が使用されており、この場合、ポリアミ
ド層の成形性の観点から主層である高密度ポリエチレン
層の樹脂温度を、高密度ポリエチレン単層のプラスチッ
ク燃料タンクの場合より高く設定する必要があり、パリ
ソンの耐ドローダウン性が低下するという問題がある。
特に、多層プラスチック燃料タンクの製造時に発生す
るバリをポリオレフィン側に混合する場合には、ポリア
ミドの分散性を改善するために、樹脂温度を230〜250℃
に設定する必要があり、このパリソンの耐ドローダウン
性の低下等の傾向は顕著である。
したがって、本発明の目的は、高密度ポリエチレン層
と、ポリアミド層とを有する多層プラスチック燃料タン
クにおいて、十分なバリア性及び耐衝撃性を有するとと
もに、パリソンの耐ドローダウン性の向上した多層プラ
スチック燃料タンクを提供することである。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的に鑑み鋭意研究の結果、本発明者らは、ポリ
アミド層を共重合ポリアミド6-66により形成すれば、押
出成形時の高密度ポリエチレン層の樹脂温度を低くして
も、多層プラスチック燃料タンクの製造が可能であり、
もってドローダウン等が改善されていることを見出し、
本発明に想到した。
すなわち、本発明の第一の多層プラスチック燃料タン
クは、最内及び最外に位置する高密度ポリエチレン層
と、中間に位置するポリアミド層とが、不飽和カルボン
酸又はその誘導体により変性された高密度ポリエチレン
層を介して積層され、前記ポリアミド層が(a)ポリア
ミド6を構成する繰り返し単位90〜60重量%と、(b)
ポリアミド66を構成する繰り返し単位10〜40重量%との
共重合ポリアミドからなることを特徴とする。
また、本発明の第二の多層プラスチック燃料タンク
は、高密度ポリエチレン層と、ポリアミド層とが、不飽
和カルボン酸又はその誘導体により変性された高密度ポ
リエチレン層を介して積層され、前記ポリアミド層が
(i)(a)ポリアミド6を構成する繰り返し単位90〜
60重量%と、(b)ポリアミド66を構成する繰り返し単
位10〜40重量%との共重合ポリアミドと、(ii)変性オ
レフィン系エラストマーとをブレンドした樹脂からなる
ことを特徴とする。
本発明を以下詳細に説明する。
本発明において高密度ポリエチレン層を形成する高密
度ポリエチレンは、密度0.935g/cm3以上であり、またそ
のメルトインデックス(MI 190℃、2.16kg荷重)は、耐
ドローダウン性、成形性、耐衝撃性を考慮すると、0.00
3〜2g/10分であるのが好ましい。より好ましくは、0.01
〜1g/10分である。なお、ハイロードメルトインデック
ス(HLMI、190℃、21.6kg荷重)で表す場合は、70g/10
分以下が好ましく、より好ましくは1〜20g/10分であ
る。
なお、本発明においては高密度ポリエチレン層用樹脂
として、上述したような高密度ポリエチレン100重量部
と、多層プラスチック燃料タンクの一部又は全部から得
られる再生物20〜200重量部とを混合して得られる組成
物も用いることができる。
またポリアミド層は、(a)ポリアミド6を構成する
繰り返し単位と、(b)ポリアミド66を構成する繰り返
し単位との共重合ポリアミド(ポリアミド6-66)からな
る。
本発明において(a)ポリアミド6を構成する繰り返
し単位とは、下記一般式(1): で表されるものである。
また本発明において(b)ポリアミド66を構成する繰
り返し単位とは、下記一般式(2): で表されるものである。
上記共重合ポリアミド中の(a)ポリアミド6を構成
する繰り返し単位の含有割合は60〜90重量%、好ましく
は70〜80重量%であり、(b)ポリアミド66を構成する
繰り返し単位の含有割合は40〜10重量%、好ましくは30
〜20重量%である。(a)の単位が60重量%未満では
((b)の単位が40重量%を超えると)、多層プラスチ
ック燃料タンクのガソリンバリア性が悪くなり、一方
(a)の単位が90重量%を超えると((b)の単位が10
重量%未満では)、耐衝撃性が低下する。
上記ポリアミド6-66は、例えば、ヘキサメチレンジア
ミンとアジピン酸の系にε−カプロラクタムを加え、二
元共重合体とすることにより得ることができる。
このようなポリアミド6-66の相対粘度(JISK6810)
は、通常3〜6.5であり、特に4〜6の範囲のものが好
ましい。
なお、耐衝撃性を向上するために、上記ポリアミド6-
66に、可塑剤としてε−カプロラクタム、N−ブチルベ
ンゼンスルホンアミド、パラオキシ安息香酸オクチル等
を20重量%程度まで含有させることができる。より好ま
しい可塑剤の含有量は10重量%以下である。
また本発明においては、ポリアミド層用の樹脂とし
て、上述のポリアミド6-66に、変性オレフィン系エラス
トマーをブレンドしたものを用いることができる。
本発明において変性オレフィン系エラストマーとは、
不飽和カルボン酸又はその無水物により変性したオレフ
ィン系エラストマーである。不飽和カルボン酸またはそ
の無水物としては、アクリル酸、メタクリル酸等のモノ
カルボン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などの
ジカルボン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、エン
ディック酸無水物(無水ハイミック酸)等のジカルボン
酸無水物等が挙げられ、特にジカルボン酸及びその無水
物が好ましい。具体的には無水マレイン酸又はエンディ
ック酸無水物(無水ハイミック酸)による変性オレフィ
ン系エラストマーが特に好ましい。
また不飽和カルボン酸又はその無水物により変性する
オレフィン系エラストマーとは、エチレン、プロピレ
ン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−ペンテン
等のα−オレフィンの2種又は3種以上の共重合体ゴム
を意味し、特にエチレン−プロピレン共重合体ゴム(EP
R)及びエチレン−ブテン共重合体ゴム(EBR)が好まし
い。
本発明において使用するエチレン−プロピレン共重合
体(EPR)ゴムは、エチレンから誘導される繰り返し単
位の含有率が10〜90モル%、プロピレンから誘導される
繰り返し単位の含有率が90〜10モル%であることが好ま
しい。より好ましい範囲は、エチレン系繰り返し単位が
20〜80モル%、プロピレン系繰り返し単位が80〜20モル
%である。
また、EPRのムーニー粘度ML1+4(100℃)は1〜120の
範囲内にあるのが好ましく、より好ましくは5〜100で
ある。
本発明において、エチレン−ブテン共重合体ゴム(EB
R)とはブテン−1の含有量が10〜90重量%のブロック
共重合体であり、特にブテン−1の含有量が20〜80重量
%のものが好ましい。
上記エチレン−ブテン共重合体ゴムのムーニー粘度ML
1+4(100℃)は1〜120の範囲内にあるのが好ましく、
より好ましくは5〜100である。
なお、本発明においてエチレン−プロピレン共重合体
(EPR)及びエチレン−ブテン共重合体ゴム(EBR)は基
本的には上記の繰り返し単位からなるものであるが、こ
れらの共重合体の特性を損なわない範囲内で、他の樹脂
成分を含むものも使用することができる。
上記変性オレフィン系エラストマー中の不飽和カルボ
ン酸又はその無水物の含有量は、1.0×10-5〜6.0×10-5
mol/g、好ましくは2.0×10-5〜5.0×10-5mol/gである。
例えば、無水マレイン酸により変性する場合には、無水
マレイン酸の含有量を0.005〜5重量%、好ましくは0.0
1〜3重量%とし、無水ハイミック酸を用いる場合に
は、その含有量を0.015〜4重量%、好ましくは0.15〜
1.5重量%とする。不飽和カルボン酸又はその無水物に
よる変性量がそれぞれ上記下限値未満であると、変性オ
レフィン系エラストマーのポリアミドへの相溶化が十分
でなく、また上限値を超えると変性オレフィン系エラス
トマーがポリアミド中に均一に分散するのが困難とな
る。
変性オレフィン系エラストマーの製造は溶液法又は溶
融混練法のいずれでも行うことができる。
このような変性オレフィン系エラストマーの配合割合
は、ポリアミド6-66+オレフィン系エラストマーを100
重量%として、30重量%以下が好ましい。オレフィン系
エラストマーが30重量%を超えると、多層プラスチック
燃料タンクのガソリンバリア性が低下し、好ましくな
い。
本発明において変性高密度ポリエチレン層を形成する
(c)変性高密度ポリエチレンは、不飽和カルボン酸又
はその無水物により変性した高密度ポリエチレンであ
る。不飽和カルボン酸またはその無水物としては、上述
の変性オレフィン系エラストマーのものと同様のものを
用いることができる。
また不飽和カルボン酸又はその無水物により変性する
高密度ポリエチレンとしては、上述の(A)高密度ポリ
エチレン層用の高密度ポリエチレンと同様のものを用い
ることができる。
変性高密度ポリエチレン中の不飽和カルボン酸又はそ
の無水物の含有量は0.005〜5重量%の範囲内となるよ
うなものであるのが好ましく、具体的には、無水マレイ
ン酸により変性する場合には、無水マレイン酸の含有量
を0.01〜3重量%、より好ましくは0.1〜1重量%と
し、無水ハイミック酸を用いる場合には、その含有量を
0.015〜4重量%、より好ましくは0.15〜1.5重量%とす
る。無水マレイン酸及び無水ハイミック酸による変性量
がそれぞれ上記下限値未満であると、変性高密度ポリエ
チレン層と、ポリアミド層との接着性の向上に十分な効
果がなく、また上限値を超えると今度は変性高密度ポリ
エチレン層と、高密度ポリエチレン層との接着性が低下
する。
このような変性高密度ポリエチレンの製造は溶液法又
は溶融混練法のいずれでも行うことができる。
なお。本発明においては、上記各層用の樹脂に、その
改質を目的として、充填剤、熱安定剤、光安定剤、難燃
剤、可塑剤、帯電防止剤、離型剤、発泡剤、核剤等の添
加剤を適宜添加することができる。
上述したような各層からなる本発明の多層プラスチッ
ク燃料タンクは、たとえば第1図に示すような層構造を
有する。第1図中において多層成形体は、高密度ポリエ
チレン層1、1と、ポリアミド層2と、両層を接着する
変性高密度ポリエチレン層3、3とからなる。
なお、各層の層厚は燃料タンクとして要求される耐衝
撃性及びバリア性に応じ適宜設定すればよいが、例えば
ガソリンタンク用とする場合には、高密度ポリエチレン
層を1.5〜5mm、ポリアミド層を20〜500μm、変性高密
度ポリエチレン層を20〜500μmとすればよい。
このような多層プラスチック燃料タンクは、基本的に
は、通常の共押出成形法により、円筒状の上記各層構造
を有するパリソンを成形し、このパリソンを所望の形状
のキャビティを有する金型内に設置した後、ブロー成形
することにより製造すればよい。
なお、本発明においては、上述の製造工程のうちパリ
ソンの押出の際に、主層となる高密度ポリエチレン層用
樹脂の押出温度を従来より低く設定する。すなわち、従
来230〜250℃で行っていた高密度ポリエチレン層の押出
温度を、200〜230℃の温度範囲内で、ポリアミド層とな
るポリアミド6-66中の融点に応じて適宜設定する。
例えば、(a)ポリアミド6を構成する繰り返し単
位:(b)ポリアミド66を構成する繰り返し単位が重量
比で90:10の場合、高密度ポリエチレン層用樹脂を220〜
230℃で押出せばよく、(a):(b)=70:30場合210
〜220℃、(a):(b)=60:40場合200〜210℃とすれ
ばよい。
このことは、パリソンの耐ドローダウン性の改善をも
たらすとともに、成形サイクルを短くすることができる
という効果をもたらす。
なお、このような多層プラスチック燃料タンクのパリ
ソンをブロー成形する時に発生するバリや不良品等を回
収した再生物を高密度ポリエチレン層用の樹脂と混合す
る場合でも、ポリアミド6-66の融点はポリアミド6より
低いので、上述したような従来より低温で溶融混練して
も、高密度ポリエチレンマトリックス中にポリアミドを
良好に分散させることが可能である。このため高密度ポ
リエチレン層用樹脂として、本発明の多層プラスチック
燃料タンクの一部又は全部から得られる再生物を高密度
ポリエチレン層に混合した樹脂を用いても、得られる多
層プラスチック燃料タンクの耐衝撃性等の低下は見られ
ない。
〔作用〕
本発明においては、多層プラスチック燃料タンクのポ
リアミド層をポリアミド6-66により形成しているので、
そのパリソンを押出成形する際の高密度ポリエチレン層
の樹脂温度を樹脂より低くすることができる。このた
め、パリソンのドローダウン性等が改善されている。
このような効果が得られる理由は必ずしも明らかでは
ないが、ポリアミド層をポリアミド6-66とすることによ
り、ポリアミド6のホモポリマーの場合より融点、結晶
化度、耐熱性、成形性等が改善され、高密度ポリエチレ
ン、及び変性高密度ポリエチレンとの共押出成形が従来
より低温でも可能となるためであると考えられる。
〔実施例〕
本発明を以下の実施例によりさらに詳細に説明する。
なお、各層の原料となる高密度ポリエチレン、変性高
密度ポリエチレン、変性オレフィン系エラストマー、ポ
リアミドとしては以下のものを使用した。
[1]高密度ポリエチレン HDPE:〔メルトインデックス(MI 190℃、2.16kg荷重)
0.03g/10分、ハイロードメルトインデックス(HLMI 190
℃、21.6kg荷重)5.5g/10分、密度0.945g/cm3、重量平
均分子量(w)20×104〕 [2]変性高密度ポリエチレン CMPE:〔MI(190℃、2.16kg荷重)0.3g/10分、無水マレ
イン酸付加率0.4重量%、密度0.953g/cm3、重量平均分
子量(w)12×104〕 [3]変性オレフィン系エラストマー CMEBR:〔エチレン−ブテン共重合体ゴム(エチレン含有
量50重量%)に無水マレイン酸を0.4重量%付加したも
の。MI(190℃、2.16kg荷重)0.3g/10分〕 [4]ポリアミド(PA) ポリアミド6 PA-1:〔ポリアミド6、相対粘度4〕 ポリアミド6-66 CPA-1:〔ポリアミド6:ポリアミド66=90:10、相対粘度
4〕 CPA-2:〔ポリアミド6:ポリアミド66=70:30、相対粘度
4〕 CPA-3:〔ポリアミド6:ポリアミド66=50:50、相対粘度
4〕 CPA-4:〔ポリアミド6:ポリアミド66=96:4、相対粘度
4〕 ポリアミド6-12 CPA-5:〔ポリアミド6:ポリアミド12=70:30、相対粘度
4〕 ポリアミド6-66/変性オレフィン系エラストマー CPAブレンド−1:〔CPA-2 CMEBRとのブレンド物(CPA-2:
CMEBR=90:10〕 CPAブレンド−2:〔CPA-2とCMEBRとのブレンド物(CPA-
2:CMEBR=70:30)〕 実施例1〜4及び比較例1〜4 多層プラスチック燃料タンクの作成 高密度ポリエチレンと、変性高密度ポリエチレンと、
第2表に示す各種ポリアミドとを多層ブロー成形機(日
本製鋼所(株)製 NB-60G)により、樹脂温度を第2表
に示す温度として成形し、第1表に示すような層及び標
準肉厚構成の3種5層の多層プラスチック燃料タンク
(容量40l)を作成した。
なお、この際パリソン成形時のドローダウン性、多層
プラスチック燃料タンクの肉厚分布(最低肉厚)、低温
(−40℃)での落下衝撃試験、40℃におけるガソリン透
過性及びサイクルタイムを測定した。
結果を第2表にあわせて示す。
(1)○:パリソン押出後、型閉までのドローダウンが
5cm以下。
△:パリソン押出後、型閉までのドローダウンが5cmよ
り大きく、かつ10cm以下。
×:パリソン押出後、型閉までのドローダウンが10cmよ
り大きい。
として評価した。
(2)ガソリンタンクに満量の水とエチレングリコール
との混合液(ガソリンに相当する重量)を充填し、−40
℃で6mの高さより落下させ、破壊しなかったものを○、
破壊したものを×として評価した。
(3)ECE34に準拠し、ガソリンの透過量を測定し、透
過量が20g/day以下を○、20g/dayを超えるものを×とし
て評価した。
第2表より明らかなように、ポリアミド層を特定の組
成のポリアミド6-66により形成した実施例1〜4の多層
プラスチック燃料タンクは、パリソンの耐ドローダウン
性が良好で、最低肉厚が大きく、耐衝撃性、ガソリンバ
リア性も良好であった。
これに対し、ポリアミド層をポリアミド6により形成
した比較例1、及びポリアミド層をポリアミド6-12によ
り形成した比較例4の多層プラスチック燃料タンクは、
耐ドローダウン性が悪かった。
また、比較例2の多層プラスチック燃料タンクは、ガ
ソリンバリア性が十分でなく、比較例3の多層プラスチ
ック燃料タンクは、耐衝撃性が十分でなかった。
なお、最低肉厚は、その値が大きいほどドローダウン
等が少なく成形性が良好であることを示す値である。
実施例5〜8 多層プラスチック燃料タンクの粉砕物と高密度ポリエチ
レンとの混合物の押出性評価 高密度ポリエチレンと、変性高密度ポリエチレンと、
第3表に示す種類のポリアミドとを第3表に示す温度範
囲で多層ブロー成形機(日本製鋼所(株)製 NB-60G)
により成形し、上記第1表に示すような層及び標準肉厚
構成の3種5層の多層プラスチック燃料タンク(容量40
l)を作成した。
この多層プラスチック燃料タンクをパンチングプレー
ト穴径8mmφのクラッシャーを用いて粉砕した。
この多層プラスチック燃料タンク粉砕物と、高密度ポ
リエチレン層のバージン材とを50:50重量比でドライブ
レンドし、樹脂混合物を作成した。
上述の樹脂混合物を第3表に示す樹脂温度で溶融混練
し、単層パリソンを作成した。
このようにして得られたパリソンにおけるポリアミド
の分散粒子径を調べた。またこの値から、ポリアミドの
分散度をポリアミドの分散粒子径が10μm以下のものを
○、10μmを超えるものを×として評価した。
結果を使用したポリアミドの種類とともに第3表にあ
わせて示す。
さらに、上記パリソンの引張伸度及び引張衝撃強度を
測定し、これらの値が、同様の条件で作成したバージン
材によるパリソンのそれと比べてどの程度かを引張試験
及び引張衝撃試験により比較した。
なお、引張伸度はASTM D638により測定した値であ
り、引張衝撃強度はASTM D1822により測定した値であ
る。
結果を第3表にあわせて示す。
実施例9〜12 多層プラスチック燃料タンクの作成 実施例5〜8の樹脂混合物を高密度ポリエチレン層用
樹脂として、変性高密度ポリエチレンと、第4表に示す
各種ポリアミドとともに多層ブロー成形機(日本製鋼所
(株)製 NB-60G)により、樹脂温度を第4表に示す温
度として成形し、上記第1表に示すような層及び標準肉
厚構成の3種5層の多層プラスチック燃料タンク(容量
40l)を作成した。
なお、この際多層パリソン成形時のドローダウン性、
多層プラスチック燃料タンクの肉厚分布(最低肉厚)、
低温(−40℃)での落下衝撃試験、40℃におけるガソリ
ン透過性を測定した。
また製造時のサイクルタイムを測定した。
結果を第4表にあわせて示す。
第3表より本発明の多層プラスチック燃料タンクの粉
砕物を高密度ポリエチレンのバージン材に混入したもの
は、低い樹脂温度で混練しても、その分散性が良好であ
ることがわかる。このため、バージン材と比較して引張
物性の低下も起こらない。
また、上記粉砕物と高密度ポリエチレンとの混合物を
高密度ポリエチレン層用の樹脂とした実施例9〜12の多
層プラスチック燃料タンクは、ドローダウン性、肉厚分
布、耐衝撃性及びガソリン透過性のすべてが良好な値を
示し、しかも成形温度が低いので、サイクルタイムも約
3分と短かった。
以上の結果から、本発明の多層プラスチック燃料タン
クは、バリ等の再生物を高密度ポリエチレン層側に混合
して再利用することが可能であることが示された。
〔発明の効果〕
以上の詳述したように、本発明の多層プラスチック燃
料タンクは、ポリアミド層をポリアミド6-66により形成
しているので、そのパリソンを押出成形する際の高密度
ポリエチレン層の樹脂温度を低くすることができる。こ
のため、パリソンの耐ドローダウン性等が改善されてお
り、しかも、成形サイクルを短くすることが可能となっ
ている。
またこの多層プラスチック燃料タンクの再生材を混合
した樹脂を高密度ポリエチレン層とした多層プラスチッ
ク燃料タンクは、高密度ポリエチレン層の押出温度が低
くても、ポリアミドが均一かつ微細に分散しているので
耐衝撃性等の物性の低下がほとんどない。
このように、本発明の多層プラスチック燃料タンク
は、その製造時に副生されるバリ等を、高密度ポリエチ
レン側に混入して再利用することが可能であるので、経
済的にも有利である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の多層プラスチック燃料タンクの層構造
の一例を示す部分断面図である。 1……高密度ポリエチレン層 2……ポリアミド系樹脂層 3……変性高密度ポリエチレン層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野方 鉄郎 神奈川県川崎市川崎区千鳥町3番1号 東燃石油化学株式会社技術開発センター 内 (72)発明者 横井 利男 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 手塚 栄二 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (56)参考文献 特開 昭55−79234(JP,A) 特開 昭61−104952(JP,A) 特開 昭58−220738(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B32B 1/00 - 35/00 B65D 1/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】最内及び最外に位置する高密度ポリエチレ
    ン層と、中間に位置するポリアミド層とが、不飽和カル
    ボン酸又はその誘導体により変性された高密度ポリエチ
    レン層を介して積層された多層プラスチック燃料タンク
    において、前記ポリアミド層が(a)ポリアミド6を構
    成する繰り返し単位90〜60重量%と、(b)ポリアミド
    66を構成する繰り返し単位10〜40重量%との共重合ポリ
    アミドからなることを特徴とする多層プラスチック燃料
    タンク。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の多層プラスチック燃料タ
    ンクにおいて、前記高密度ポリエチレン層用の樹脂が、
    高密度ポリエチレン100重量部と、前記多層プラスチッ
    ク燃料タンクの一部又は全部から得られる再生物20〜20
    0重量部とからなることを特徴とする多層プラスチック
    燃料タンク。
  3. 【請求項3】高密度ポリエチレン層と、ポリアミド層と
    が、不飽和カルボン酸又はその誘導体により変性された
    高密度ポリエチレン層を介して積層された多層プラスチ
    ック燃料タンクにおいて、前記ポリアミド層が(i)
    (a)ポリアミド6を構成する繰り返し単位90〜60重量
    %と、(b)ポリアミド66を構成する繰り返し単位10〜
    40重量%との共重合ポリアミドと、(ii)変性オレフィ
    ン系エラストマーとをブレンドした樹脂からなることを
    特徴とする多層プラスチック燃料タンク。
  4. 【請求項4】請求項3に記載の多層プラスチック燃料タ
    ンクにおいて、最内及び最外に位置する前記高密度ポリ
    エチレン層と、中間に位置する前記ポリアミド層とが、
    前記不飽和カルボン酸又はその誘導体により変性された
    高密度ポリエチレン層を介して積層されていることを特
    徴とする多層プラスチック燃料タンク。
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