JPH06169441A - テレビジョン受像機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ステレオ音声の再生を行うテレビジョン受像
機のスピーカの高性能化が、製造コストや設置スペース
を殆ど変えずに出来るようにする。 【構成】 画像表示部２の左右の脇にスピーカ３，４が
配され、それぞれのスピーカ３，４からステレオ音声の
再生を行うテレビジョン受像機において、左右のスピー
カの内の一方のスピーカ３を中高域再生型のスピーカユ
ニットで構成し、他方のスピーカ４を中高域再生型のス
ピーカユニットよりも低域音の再生特性が優れた全帯域
再生型のスピーカユニットで構成するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、テレビジョン受像機に
関し、特にテレビジョン受像機に内蔵されたスピーカの
技術に関する。

【０００２】

【従来の技術】テレビジョン受像機は内蔵されたスピー
カとして、ステレオ音声の再生を可能としたものが各種
開発されている。即ち、通常は陰極線管などで構成され
る画像表示部の左右の脇に、１個ずつスピーカユニット
を取付け、左側のスピーカユニットに左チャンネル用音
声信号を供給し、右側のスピーカユニットに右チャンネ
ル用音声信号を供給し、左右のスピーカユニットからス
テレオ音声を再生させるものである。このようなステレ
オ音声の再生が可能なテレビジョン受像機によると、ス
テレオ音声による臨場感のある音声再生が行われる。

【０００３】一方、近年テレビジョン受像機に内蔵され
たスピーカを高性能化して、再生される音声の周波数特
性などを改善することが行われる。即ち、従来はテレビ
ジョン受像機に内蔵されたスピーカとして、比較的小型
のスピーカユニットが使用され、それなりの音質で音声
の再生が行われていた。これに対して、近年テレビジョ
ン放送やビデオテープなどより再生した映像プログラム
を視聴する際に、高音質な音声を再生させることが要請
されていて、テレビジョン受像機に比較的大型のスピー
カを取付けることが行われている。このようなスピーカ
の高音質化としては、例えば低域の再生特性を向上さ
せ、従来のテレビジョン受像機では殆ど再生されなかっ
た数十Ｈｚ程度の低域音が良好に再生されるようにする
ことが考えられる。この低域の再生特性の向上を行う方
法としては、比較的口径の大きなスピーカユニットを使
用すると共に、このスピーカユニットをスピーカボック
ス内に収める方法がある。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところが、テレビジョ
ン受像機に高性能なスピーカ装置を内蔵させると、それ
だけテレビジョン受像機の製造コストが上昇してしまう
不都合があった。即ち、周波数特性などが良好なスピー
カ装置は高価であり、このような高性能化はテレビジョ
ン受像機の製造コスト上からは好ましくない。特に、上
述したようなステレオ音声の再生を行うタイプのもの
は、左右で合計２個のスピーカ装置が必要になりるの
で、１個のスピーカ装置だけを備えたモノラル音声の再
生を行うテレビジョン受像機に比べ、製造コストを２倍
上昇させてしまう。

【０００５】また、テレビジョン受像機の構成上から
も、高性能なスピーカ装置を内蔵させるのは好ましくな
い。即ち、一般に高性能なスピーカ装置は大型であり、
大型のスピーカボックス等をテレビジョン受像機に内蔵
させると、それだけテレビジョン受像機が大型化してし
まう。この場合にも、ステレオ音声の再生を行うタイプ
のものは、２個のスピーカが必要なので、スピーカ装置
に要するスペースが２倍必要で、モノラル音声の再生を
行うテレビジョン受像機に比べ、テレビジョン受像機を
より大型化させてしまう。

【０００６】本発明はかかる点に鑑み、ステレオ音声の
再生を行うテレビジョン受像機のスピーカの高性能化
が、製造コストや設置スペースを殆ど変えずに出来るよ
うにすることにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は、例えば図１に
示すように、画像表示部２の左右の脇にスピーカ３，４
が配され、それぞれのスピーカ３，４からステレオ音声
の再生を行うテレビジョン受像機において、左右のスピ
ーカの内の一方のスピーカ３を中高域再生型のスピーカ
ユニットで構成し、他方のスピーカ４を中高域再生型の
スピーカユニットよりも低域音の再生特性が優れた全帯
域再生型のスピーカユニットで構成するようにしたもの
である。

【０００８】またこの場合に、ステレオ音声信号を構成
する一方のチャンネルの音声信号の低域成分を、他方の
チャンネルの音声信号に混合して、他方のスピーカを構
成するスピーカユニットから再生させるようにしたもの
である。

【０００９】またこの場合に、他方のスピーカを構成す
る全帯域再生型のスピーカユニットを、スピーカボック
ス５に収めたものである。

【００１０】

【作用】ステレオ再生を行う場合に指向性のある信号は
比較的高域の成分であり、比較的低域の音声には方向感
が殆どなく、比較的低域の音声が一方のスピーカだけか
ら再生されても、音声のステレオ感が損なわれることは
ない。

【００１１】また、この場合にステレオ音声信号を構成
する一方のチャンネルの音声信号の低域成分を、他方の
チャンネルの音声信号に混合して、他方のスピーカを構
成するスピーカユニットから再生させるようにしたこと
で、ステレオ音声を構成する両チャンネルの低域音が、
他方のスピーカから良好に再生される。

【００１２】さらにまた、この場合に他方のスピーカを
構成する全帯域再生型のスピーカユニットを、スピーカ
ボックスに収めたことで、低域音が効率良く良好に再生
される。

【００１３】

【実施例】以下、本発明の一実施例を、添付図面を参照
して説明する。

【００１４】本例においては、ステレオ音声の再生が可
能なテレビジョン受像機に適用したもので、図１は本例
のスピーカ装置をテレビジョン受像機に取付けた状態を
示す斜視図で、図中１はテレビジョン受像機本体を示
し、このテレビジョン受像機１は前面の中央部に画像表
示部である陰極線管２が配され、この陰極線管２の左右
の脇にスピーカ３，４が配置される。そして、受像機に
向かって右側のスピーカ３は、中高域再生型のスピーカ
ユニットで構成し、左側のスピーカ４を右側のスピーカ
ユニットよりも低域音の再生特性が優れた全帯域再生型
のスピーカユニットで構成する。この場合、右側のスピ
ーカ３を構成する中高域再生型のスピーカユニットは、
数百Ｈｚ以上の音声を再生する特性とし、左側のスピー
カ４を構成する全帯域再生型のスピーカユニットは、数
十Ｈｚ以上の音声を再生する特性とし、何れのスピーカ
ユニットもコーン型のスピーカユニットとさせる。

【００１５】そして、それぞれのスピーカ３，４を構成
するスピーカユニットは、数百Ｈｚ以上の中高域の音声
の再生特性（音圧など）をほぼ等しいものを使用する。
なお、通常は左側のスピーカ３を構成する全帯域再生型
のスピーカユニットは、右側の中高域再生型のスピーカ
ユニットに比べ、直径が大きなものになる。

【００１６】そして本例においては、左側のスピーカ４
を構成する全帯域再生型のスピーカユニットを、スピー
カボックス５に収める。このスピーカボックス５は、図
２に断面で示すように、陰極線管２の裏側の空間に配さ
れる。また、前面のスピーカユニットの下部に、バス・
レフレックス型のスピーカとして構成させるためのポー
ト６を有する。即ち、ポート６よりスピーカボックス５
内の空気を位相反転させて外部に放出するようにしてあ
り、スピーカボックス５に取付けられたスピーカユニッ
トの背面側から出た音を位相反転させて外部に出力させ
る。このようなバス・レフレックス型のスピーカとして
あることで、低音の再生効率が向上する。

【００１７】そして、左右のスピーカ３，４の前面には
サラン・ネット等の保護部材（図示せず）を配置し、左
右のスピーカユニットやポート６が前面側から直接は見
えないようにする。

【００１８】次に、この左右のスピーカ３，４にステレ
オ音声信号を供給するための構成を図３に示すと、本例
においては右チャンネル音声信号の入力端子１１に得ら
れる右チャンネルの音声信号を、ハイパスフィルタ１２
を介してパワーアンプ１４に供給し、このパワーアンプ
１４の増幅出力を、右側のスピーカ３を構成するスピー
カユニットに供給する。この場合、ハイパスフィルタ１
２のカットオフ周波数は数百Ｈｚとして、右側のスピー
カ３を構成するスピーカユニットの再生特性と合わせ
る。また、入力端子１１に得られる右チャンネルの音声
信号を、ローパスフィルタ１３に供給し、このローパス
フィルタ１３の出力を混合器１６に供給する。このロー
パスフィルタ１３のカットオフ周波数も数百Ｈｚとし
て、右側のスピーカ３を構成するスピーカユニットから
再生されない低域成分を抽出させる。

【００１９】そして、左チャンネル音声信号の入力端子
１５に得られる左チャンネルの音声信号を混合器１６に
供給し、右チャンネルの音声信号の低域成分を左チャン
ネルの音声信号に混合する。そして、この混合器１６の
混合出力をパワーアンプ１７に供給し、このパワーアン
プ１７の増幅出力を、左側のスピーカ４を構成するスピ
ーカユニットに供給する。

【００２０】このように構成したことで、受像機からス
テレオ音声を再生させる場合には、右チャンネルの音声
信号の中高域成分が右側のスピーカ３から再生され、左
チャンネルの音声信号の全帯域と右チャンネルの音声信
号の低域成分が左側のスピーカ４から再生される。ここ
で、ステレオ再生を行う場合に、ステレオ感（立体感）
に影響を与える指向性のある信号は比較的高域の成分で
あり、比較的低域の音声には方向感が殆どない。従っ
て、中高域成分だけが左右のスピーカから分離されて再
生されるだけで、臨場感のあるステレオ再生が行われ、
比較的低域の音声が一方のスピーカだけから混合されて
再生されても、音声のステレオ感が損なわれることはな
い。

【００２１】このように良好にステレオ再生が行われる
構成であるにもかかわらず、低域まで良好に再生できる
スピーカユニットは、一方のスピーカだけが使用すれば
良く、他方のスピーカユニットは中高域だけを再生する
比較的安価なものとすることができ、良好なステレオ音
声が再生できるテレビジョン受像機を、安価に構成でき
る。

【００２２】また、低域音の良好な再生に必要なスピー
カボックスを、一方のスピーカにだけ設ければよく、ス
ピーカボックスを左右２個設ける場合に比べ、テレビジ
ョン受像機を小型に構成できる。

【００２３】なお、上述実施例では左側のスピーカから
全帯域の音声が出力されるようにし、右側のスピーカか
ら中高域の音声が出力されるようにしたが、左右の構成
を逆にしても良い。

【００２４】また、上述実施例では左側のスピーカをバ
ス・レフレックス型のスピーカとしたが、スピーカボッ
クスにポートのないスピーカとしても良い。或いは、ス
ピーカボックスを省略させても良い。

【００２５】さらに、上述実施例では左右の音声信号の
低域成分を混合させて、低域成分が再生されるスピーカ
から再生させるようにしたが、必ずしも混合させる必要
はない。即ち、低域成分は元々指向性がないので、通常
のステレオ音声信号では、低域成分はほぼ同じ信号であ
り、回路構成を簡単にする場合には、図３に示した混合
する構成を省略しても良い。

【００２６】

【発明の効果】本発明によると、ステレオ音声を再生さ
せるために最低２個は必要なスピーカの内の一方のスピ
ーカだけを低域音の再生特性が優れた全帯域再生型のス
ピーカユニットとしたことで、他方のスピーカは比較的
安価で小型な中高域再生型のスピーカユニットが使用さ
れ、それだけ安価且つ小型にテレビジョン受像機用のス
テレオ用スピーカが構成される。この場合、ステレオ再
生を行う場合に指向性のある信号は比較的高域の成分で
あり、比較的低域の音声には方向感が殆どなく、比較的
低域の音声が一方のスピーカだけから再生されても、音
声のステレオ感が損なわれることはない。

【００２７】また、この場合にステレオ音声信号を構成
する一方のチャンネルの音声信号の低域成分を、他方の
チャンネルの音声信号に混合して、他方のスピーカを構
成するスピーカユニットから再生させるようにしたこと
で、ステレオ音声を構成する両チャンネルの低域音が、
良好に再生される。

【００２８】さらにまた、この場合に他方のスピーカを
構成する全帯域再生型のスピーカユニットを、スピーカ
ボックスに収めたことで、低域音が効率良く良好に再生
される。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す斜視図である。

【図２】図１の例の内部を示す断面図である。

【図３】一実施例の回路構成を示す構成図である。

【符号の説明】

１ テレビジョン受像機 ２ 陰極線管 ３ 右チャンネル用スピーカ ４ 左チャンネル用スピーカ ５ スピーカボックス

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 画像表示部の左右の脇にスピーカが配さ
   れ、該それぞれのスピーカからステレオ音声の再生を行
   うテレビジョン受像機において、 上記左右のスピーカの内の一方のスピーカを中高域再生
   型のスピーカユニットで構成し、他方のスピーカを上記
   中高域再生型のスピーカユニットよりも低域音の再生特
   性が優れた全帯域再生型のスピーカユニットで構成する
   ようにしたテレビジョン受像機。
2. 【請求項２】 ステレオ音声信号を構成する一方のチャ
   ンネルの音声信号の低域成分を、他方のチャンネルの音
   声信号に混合して、上記他方のスピーカを構成するスピ
   ーカユニットから再生させるようにした請求項１記載の
   テレビジョン受像機。
3. 【請求項３】 上記他方のスピーカを構成する全帯域再
   生型のスピーカユニットを、スピーカボックスに収めた
   請求項１記載のテレビジョン受像機。