JPH0819089A - 音場再生用スピーカシステム - Google Patents

音場再生用スピーカシステム

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JPH0819089A
JPH0819089A JP6144918A JP14491894A JPH0819089A JP H0819089 A JPH0819089 A JP H0819089A JP 6144918 A JP6144918 A JP 6144918A JP 14491894 A JP14491894 A JP 14491894A JP H0819089 A JPH0819089 A JP H0819089A
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Tatsuya Suzuki
達也 鈴木
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 移動感と、環境音や残響音の広がり感の両立
が可能な音場再生用スピーカシステムを提供する。 【構成】 同一性能を有するコーン型スピーカユニット
1a,1bが、キャビネット5の対面するバフル面にそ
れぞれ取り付けられており、スピーカユニット1aには
再生信号が直接入力され、スピーカユニット1bにはカ
ットオフ周波数fbのローパスフィルタ3を介して再生
信号が入力される。スピーカユニット1a,1bは互い
に逆位相で駆動されるように接続されている。ローパス
フィルタ3でスピーカユニット1bの高域を制限するこ
とにより、中低域ではダイポール指向性、高域で単一指
向性とし、中低域成分が支配的な環境音や残響音はダイ
ポール指向性によって音が拡散して広がり感が得られ、
高域も豊富に含む移動音は単一指向性の高域の音に定位
が引き寄せられ、方向感が与えられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、音場信号(サラウン
ド信号)に基づいて音場再生を行う音場再生用スピーカ
システム(サラウンドスピーカ)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】家庭で映画を楽しむ場合、近年まではテ
レビの地上波放送による吹き替えのものがほとんどであ
った。しかし、近年はレンタルビデオ、レーザーディス
ク、衛星放送などの普及によって、映画の音をオリジナ
ルのまま楽しむことができるようになってきている。
【0003】これらの映画の音は、ドルビーエンコード
されたものが多くなってきている。ドルビーエンコード
された映画の音は、2チャンネルの信号として聴取者側
に提供される。この映画の音は、従来のステレオ再生を
行っても楽しめるが、専用のドルビーデコーダーによっ
て、レフト、センター、ライト、サラウンドの4チャン
ネル信号に復元することができ、4チャンネル再生を行
うことによってより臨場感のある音を楽しめる。
【0004】また、ハイビジョンなどではレフト、セン
ター、ライト、サラウンドの4チャンネル信号がディス
クリートで聴取者に送られてくるモードもあり、各チャ
ンネルの分離が良く、より質の高い音を聴くことができ
る。これらの4チャンネル信号のうち、センター信号は
台詞の明瞭性、明確な定位を得る役割をし、サラウンド
信号は移動音、環境音、残響音などによってより臨場感
を高める役割をする。
【0005】ここで、映像に伴うサラウンド音の特徴に
ついて少し述べる。サラウンド音には大きく分けて、移
動音、環境音、残響音の3つがある。移動音は聴取者の
前から後ろへ、または後ろから前へ音を移動させる時に
用いられる。環境音は、風の音や雑踏の音など、その場
面の雰囲気づくりをする時に用いられる。残響音は、ホ
ールや洞窟など、空間性を表現するときに用いられる。
前記のような効果を出すため、移動音は聴取者の後方に
定位するのが望ましい。これに対し、環境音、残響音は
特定の場所に定位せず、部屋全体に自然に広がるのが望
ましい。
【0006】これらの映画や映像に伴う音響再生システ
ムを、ここでは映像音響再生システムと呼ぶことにす
る。図32に映像音響再生システムの一例を示す。ビデ
オ、レーザーディスク、衛星放送受信機などの映像音響
信号供給装置31からは、映像信号と2チャンネルの音
響信号が供給される。映像信号はディスプレイ装置(テ
レビなどの映像機器)21で再生される。2チャンネル
の音響信号は、ドルビーデコーダーなどのマトリクスデ
コーダ32でレフト、センター、ライト、サラウンドの
4チャンネル信号に変換され、増幅器33で増幅された
後、レフトスピーカ22、センタースピーカ23、ライ
トスピーカ24、音場再生用スピーカ(サラウンドスピ
ーカ)29でそれぞれ再生される。
【0007】図33に従来から最も一般的に行われてい
るスピーカ配置の一例を示す。レフトスピーカ22、セ
ンタースピーカ23、ライトスピーカ24は、聴取者2
6の前方に左から順に配置され、サラウンドスピーカ2
9は聴取者26の後方に複数個配置されている。サラウ
ンドスピーカ29を聴取者26の後方に配置することに
よって、移動感を出すことができる。
【0008】前記従来の映像音響再生システムでは、サ
ラウンドスピーカ29にはごく一般的に用いられている
小型のスピーカシステムが使用されることがほとんどで
ある。またサラウンドスピーカとして、ダイポール型ス
ピーカと呼ばれる拡散性に優れたスピーカシステムが用
いられることがある。
【0009】図34にダイポール型スピーカの一例を示
す。このダイポール型スピーカは、キャビネット5の一
バフル面とその対面するバフル面に取り付けられたスピ
ーカユニット1a,1bで構成され、2つのスピーカユ
ニット1a,1bが互いに逆位相で駆動されるように、
入力端子6に接続されている。その放射特性は図35に
示すように、2つのスピーカユニット1a,1bの軸上
で音圧最大、2つのスピーカユニット1a,1bから等
距離の方向で音圧最小となる8の字ダイポール特性とな
る。
【0010】図36にこのダイポール型スピーカをサラ
ウンドスピーカとして用いた映像音響再生システムのス
ピーカ配置の一例を示す。ダイポールサラウンドスピー
カ30は、図36に示すように音圧最小の方向が聴取者
26に向くように、聴取者26の側方に設置される。ダ
イポールサラウンドスピーカ30から放射された音は、
聴取者26には直接音よりも壁面からの間接音成分が支
配的に届くため、サラウンド音が特定の場所に定位せず
自然な広がり感が得られる。その他の配置は図33と同
様である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、一般的
なスピーカシステムをサラウンドスピーカとして用い、
図33のようにスピーカ配置する映像音響再生システム
では、サラウンドスピーカ29を後方に設置しているた
め、移動感は得ることができるが、環境音および残響音
などは音が後方に定位するため、自然な広がり感を得る
ことができない。
【0012】また、拡散性に優れたダイポール型スピー
カをサラウンドスピーカとして用い、図36のようにス
ピーカ設置する映像音響再生システムでは、サラウンド
音は、ダイポールサラウンドスピーカからの直接音より
も壁面からの間接音が支配的となるため、自然な広がり
感は得ることができるが、音が特定の場所に定位しない
ため、移動感が得られにくい。
【0013】また、前記の課題とは全く別の課題とし
て、設置性の問題がある。サラウンドスピーカは、前に
示した通りその設置は少なくとも聴取者26の横から後
方であり、後方に設置するためには、後方に設置できる
スペースが必要であり、またその配線なども非常に面倒
である。現在の日本の住宅事情を考えると、サラウンド
スピーカの後方設置が困難であるという場合が多々ある
ことも容易に想像できるし、こういった設置性の悪さ、
面倒さが、映像音響再生システムの普及を遅らせている
と考えられる。
【0014】この発明は上記従来の課題を解決するもの
で、聴取者に対して横から後方に設置した場合には移動
感と広がり感の両面に優れ、また聴取者より前方に設置
しても自然な広がり感が得られ、設置性を改善すること
が可能な音場再生用スピーカシステムを提供することを
目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の音場再生
用スピーカシステムは、キャビネットの一バフル面に取
り付けられて入力信号をそのまま再生する第1のスピー
カユニットと、入力信号の低域を通過させるカットオフ
周波数fbのローパスフィルタと、第1のスピーカユニ
ットと同一特性をもち第1のスピーカユニットの取り付
けられたバフル面に対面するバフル面に取り付けられて
ローパスフィルタの出力を第1のスピーカユニットとは
逆位相で再生する第2のスピーカユニットとを備えてい
る。
【0016】請求項2記載の音場再生用スピーカシステ
ムは、入力信号の低域を通過させるカットオフ周波数f
bのローパスフィルタと、キャビネットの一バフル面に
取り付けられてローパスフィルタの出力を再生する第1
のスピーカユニットと、第1のスピーカユニットと同一
特性をもち第1のスピーカユニットの取り付けられたバ
フル面に対面するバフル面に取り付けられてローパスフ
ィルタの出力を第1のスピーカユニットとは逆位相で再
生する第2のスピーカユニットと、入力信号の高域を通
過させるカットオフ周波数fbのハイパスフィルタと、
第1のスピーカユニットと同一バフル面に取り付けられ
てハイパスフィルタの出力を再生する高域再生用の第3
のスピーカユニットと、第3のスピーカユニットの前面
に取り付けられて周波数fb以上で指向性が狭くなるホ
ーンとを備えている。
【0017】請求項3記載の音場再生用スピーカシステ
ムは、入力信号を再生するスピーカユニットと、スピー
カユニットが取り付けられてスピーカユニットの前面側
開口部と背面側開口部がほぼ同じ形状で開放された後面
開放キャビネットと、スピーカユニットの背面側開口部
に取り付けられて周波数fb以上で再生音を減衰する音
響イコライザとを備えている。
【0018】請求項4記載の音場再生用スピーカシステ
ムは、入力信号の高域を通過させるカットオフ周波数f
aのハイパスフィルタと、キャビネットの一バフル面に
取り付けられてハイパスフィルタの出力を再生する第1
のスピーカユニットと、ハイパスフィルタのカットオフ
周波数faよりも高く設定されて入力信号の低域を通過
させるカットオフ周波数fbのローパスフィルタと、第
1のスピーカユニットと同一特性をもち第1のスピーカ
ユニットの取り付けられたバフル面に対面するバフル面
に取り付けられてローパスフィルタの出力を第1のスピ
ーカユニットとは逆位相で再生する第2のスピーカユニ
ットとを備えている。
【0019】請求項5記載の音場再生用スピーカシステ
ムは、キャビネットの一バフル面に取り付けられて入力
信号をそのまま再生する第1のスピーカユニットと、入
力信号の周波数faから周波数fbまでの帯域を通過さ
せるバンドパスフィルタと、第1のスピーカユニットと
同一特性をもち第1のスピーカユニットの取り付けられ
たバフル面に対面するバフル面に取り付けられてバンド
パスフィルタの出力を第1のスピーカユニットとは逆位
相で再生する第2のスピーカユニットとを備えている。
【0020】請求項6記載の音場再生用スピーカシステ
ムは、入力信号の低域を通過させるカットオフ周波数f
bのローパスフィルタと、ローパスフィルタの出力の高
域を通過させるカットオフ周波数faの第1のハイパス
フィルタと、キャビネットの一バフル面に取り付けられ
て第1のハイパスフィルタの出力を再生する第1のスピ
ーカユニットと、第1のスピーカユニットと同一特性を
もち第1のスピーカユニットの取り付けられたバフル面
に対面するバフル面に取り付けられてローパスフィルタ
の出力を第1のスピーカユニットとは逆位相で再生する
第2のスピーカユニットと、入力信号の高域を通過させ
るカットオフ周波数fb′の第2のハイパスフィルタ
と、第1のスピーカユニットと同一バフル面に取り付け
られて第2のハイパスフィルタの出力を再生する高域再
生用の第3のスピーカユニットと、第3のスピーカユニ
ットの前面に取り付けられて周波数fb以上で指向性が
狭くなるホーンとを備えている。
【0021】請求項7記載の音場再生用スピーカシステ
ムは、入力信号の高域を通過させるカットオフ周波数f
aのハイパスフィルタと、キャビネットの一バフル面に
取り付けられてハイパスフィルタの出力を再生する第1
のスピーカユニットと、ハイパスフィルタの出力の低域
を通過させるカットオフ周波数fbの第1のローパスフ
ィルタと、第1のスピーカユニットと同一特性をもち第
1のスピーカユニットの取り付けられたバフル面に対面
するバフル面に取り付けられて第1のローパスフィルタ
の出力を第1のスピーカユニットとは逆位相で再生する
第2のスピーカユニットと、入力信号の低域を通過させ
るカットオフ周波数fa′の第2のローパスフィルタ
と、第2のローパスフィルタの出力を再生する低域再生
用の第3のスピーカユニットとを備えている。
【0022】請求項8記載の音場再生用スピーカシステ
ムは、入力信号の周波数faから周波数fbまでの帯域
を通過させるバンドパスフィルタと、キャビネットの一
バフル面に取り付けられてバンドパスフィルタの出力を
再生する第1のスピーカユニットと、第1のスピーカユ
ニットと同一特性をもち第1のスピーカユニットの取り
付けられたバフル面に対面するバフル面に取り付けられ
てバンドパスフィルタの出力を第1のスピーカユニット
とは逆位相で再生する第2のスピーカユニットと、入力
信号の高域を通過させるカットオフ周波数fb′のハイ
パスフィルタと、第1のスピーカユニットと同一バフル
面に取り付けられてハイパスフィルタの出力を再生する
高域再生用の第3のスピーカユニットと、第3のスピー
カユニットの前面に取り付けられて周波数fb′以上で
指向性が狭くなるホーンと、入力信号の低域を通過させ
るカットオフ周波数fa′のローパスフィルタと、ロー
パスフィルタの出力を再生する低域再生用の第4のスピ
ーカユニットとを備えている。
【0023】請求項9記載の音場再生用スピーカシステ
ムは、請求項1,2,3,4,5または7において、周
波数fbを約2kHzに設定している。請求項10記載
の音場再生用スピーカシステムは、請求項6または8に
おいて、周波数fb,fb′をそれぞれ約2kHzに設
定している。請求項11記載の音場再生用スピーカシス
テムは、請求項1,4,5または7において、第1のス
ピーカユニットの前面に周波数fb以上の周波数で指向
性が狭くなるホーンを取り付けている。
【0024】請求項12記載の音場再生用スピーカシス
テムは、請求項4,5または6において、周波数fa
を、第1のスピーカユニットの正面軸上の観測点におい
て第1のスピーカユニット1から出た音が観測点に到達
するまでの距離と第2のスピーカユニットから出た音が
観測点に到達するまでの距離の差を半波長とする周波数
に設定している。
【0025】請求項13記載の音場再生用スピーカシス
テムは、請求項7または8において、周波数fa,f
a′を、それぞれ第1のスピーカユニットの正面軸上の
観測点において第1のスピーカユニット1から出た音が
観測点に到達するまでの距離と第2のスピーカユニット
から出た音が観測点に到達するまでの距離の差を半波長
とする周波数に設定している。
【0026】請求項14記載の音場再生用スピーカシス
テムは、請求項4,5または6において、周波数fa
を、500Hz〜1kHzの間に設定している。請求項
15記載の音場再生用スピーカシステムは、請求項7ま
たは8において、周波数fa,fa′を、それぞれ50
0Hz〜1kHzの間に設定している。
【0027】
【作用】請求項1記載の音場再生用スピーカシステムに
よれば、周波数fb以下では、同一性能を有する2つの
スピーカユニットから逆位相で信号が再生されるため、
その放射パターンは8の字ダイポール特性となる。周波
数fb以上では、フィルタの作用で、構成するスピーカ
ユニットのうちの1つからしか信号が再生されず、ま
た、周波数が高いため、その放射パターンはほぼ単一指
向性となる。
【0028】請求項2記載の音場再生用スピーカシステ
ムによれば、請求項1の音場再生用スピーカシステムと
ほぼ同等の作用をする。請求項3記載の音場再生用スピ
ーカシステムによれば、周波数fb以下ではスピーカユ
ニットの前面と後面の音圧がほぼ等しくかつ逆位相なの
で、その放射パターンは8の字ダイポール特性となる。
周波数fb以上では、音響イコライザによって後面側音
圧が下がり、前面側からの放射のみになり、また周波数
が高いのでその放射パターンはほぼ単一指向性となる。
【0029】請求項4記載の音場再生用スピーカシステ
ムによれば、周波数fa以下では、フィルタの作用で、
構成するスピーカユニットのうちの1つからしか信号が
再生されず、また、周波数が低いため、その放射パター
ンはほぼ無指向性となる。周波数fa以上周波数fb以
下では、同一性能を有する2つのスピーカユニットから
逆位相で信号が再生されるため、その放射パターンは8
の字ダイポール特性となる。周波数fb以上では、フィ
ルタの作用で、構成するスピーカユニットのうちの1つ
からしか信号が再生されず、また、周波数が高いため、
その放射パターンはほぼ単一指向性となる。
【0030】請求項5記載ないし請求項8記載の音場再
生用スピーカシステムによれば、請求項4記載の音場再
生用スピーカシステムとほぼ同等の作用をする。請求項
9または請求項10記載の音場再生用スピーカシステム
によれば、約2kHz以下の周波数では8の字ダイポー
ル特性、約2kHz以上の周波数では単一指向性という
具合に、周波数帯域毎に放射パターンを変えることがで
きるため、2kHz以下の周波数成分が支配的な環境音
および残響音は聴取者に部屋中に音が広がった感じを与
えることができ、2kHz以上の周波数成分も豊富に含
む移動音は、その方向感を与えることができる。したが
って、環境音および残響音の広がり感と、移動音の移動
感を両立することができる。また、聴取者の前方に設置
した場合にも、音像の定位に寄与の大きい2kHz以上
の成分は、左右の壁面からのみ反射音が得られるように
設置すれば、前方に音像が定位しにくく、良好な広がり
感が得られる。
【0031】請求項11記載の音場再生用スピーカシス
テムによれば、周波数fb以上の帯域が放射されるスピ
ーカユニットの前面に周波数fb以上で指向性が狭くな
るホーンを取り付けることにより、音像の定位に寄与の
大きい周波数fb以上の成分のスピーカからの直接音を
減らし、壁面からの間接音成分を比率を上げることがで
きるので、聴取者の側方に設置した場合には移動感を、
聴取者の前方に設置した場合には広がり感を、さらに増
すことができる。
【0032】請求項12または請求項13記載の音場再
生用スピーカシステムによれば、周波数faを第1のス
ピーカユニットの正面軸上の観測点において第1のスピ
ーカユニット1から出た音が観測点に到達するまでの距
離と第2のスピーカユニットから出た音が前記観測点に
到達するまでの距離の差を半波長とする周波数に設定し
たことにより、低域の再生帯域を確保できる。つまり、
低域までダイポール特性とすると、波長に対して2つの
スピーカ間隔が狭くなり過ぎ、逆位相による打ち消しが
過剰になるため、急激にレベル低下を起こしてしまう
が、これを防止する。この帯域の直接音は定位感が少な
いため、直接音によって広がり感を損なうことはほとん
どない。
【0033】請求項14または請求項15記載の音場再
生用スピーカシステムによれば、位相制御による広がり
感を与えやすい500Hzから1kHz以下の音を、聴
取者に直接音として与えることができる構成としたの
で、位相制御によって広がり感をさらに増加させること
ができ、特にこの発明の音場再生用スピーカシステムを
聴取者の前方に設置した場合に、さらに広がり感が強調
され、広がり感の得られにくい前置きの場合においても
良好なサラウンド感を得られる。
【0034】
【実施例】以下、この発明の音場再生用スピーカシステ
ムの実施例について、図を用いて説明する。 〔第1の実施例;請求項1に対応〕まず、この発明の第
1の実施例の音場再生用スピーカシステムについて図1
を用いて説明する。この音場再生用スピーカシステム
は、図1に示すように、同一性能を有する口径8cmの
コーン型のスピーカユニット1a,1bが、キャビネッ
ト5の対面するバフル面にそれぞれ取り付けられてお
り、スピーカユニット1aには再生信号が直接入力さ
れ、スピーカユニット1bにはカットオフ周波数fbの
ローパスフィルタ3を介して再生信号が入力される。周
波数fb以下では、スピーカユニット1a,1bは互い
に逆位相で駆動されるように接続されている。6は入力
端子である。
【0035】図2にこの発明の音場再生用スピーカシス
テムのスピーカユニット1a,1bの各々の音圧特性を
示す。図2において、8aはスピーカユニット1aの音
圧特性で、8bはスピーカユニット1bの音圧特性であ
る。スピーカユニット1aには再生信号が直接入力され
るため、全帯域が再生される。スピーカユニット1bに
は、カットオフ周波数fbのローパスフィルタ3が接続
されているため、周波数fb以上はほとんど再生されな
い。したがって、周波数fb以下では、スピーカユニッ
ト1a,1bともほぼ同じ音圧が放射され、逆位相で駆
動されるように接続されているため、その放射パターン
は図3の特性(B)に示すように8の字ダイポール特性
となる。周波数fb以上では、1つのスピーカユニット
1aからのみ音が放射され、周波数fb以上では、波長
に対しスピーカユニット1aの口径が無視できないた
め、指向性が狭くなり、その放射パターンは図3の特性
(C)に示すようにほぼ単一指向性となる。図2の記号
(B),(C)は図3の特性(B),(C)にそれぞれ
対応している。
【0036】図4にこの発明の第1の実施例の音場再生
用スピーカシステムを使用した映像音響再生システムの
スピーカ配置の例を示す。図4のようにこの発明の音場
再生用スピーカシステム25は、周波数fbまでの8の
字ダイポール特性の音圧最小の方向が聴取者26の方向
になるように、また、スピーカユニット1aが後方に、
スピーカユニット1bが前方になるように、聴取者26
の側方に設置する。その他の配置は図33と同様であ
る。
【0037】この実施例の音場再生用スピーカシステム
は、周波数fb以下では、8の字ダイポール特性であ
り、音圧最小の方向に聴取者26がいるため、聴取者2
6には直接音よりも前後の壁面からの反射音が主体的に
届く。周波数fb以上では、聴取者26より後方へ音が
放射されるため、聴取者26には後方の壁面からの反射
音が主体的に届く。
【0038】ここで、移動音、環境音、残響音などのサ
ラウンド音の特徴について述べる。図5ないし図7に、
いくつかの映画から移動音、環境音、残響音について、
その周波数成分分析をした結果を示す。図5は移動音の
周波数成分を分析した結果である。移動音は低域から4
kHzを超える高域までほぼ均等に周波数成分を含んで
いるものが多いことが分かる。図6は環境音の周波数成
分を分析した結果である。環境音は、低域成分はまちま
ちであるが、高域に関してはほぼ2kHzを境に急激に
減衰しているものが多いことが分かる。図7は残響音の
周波数成分を分析した結果である。残響音は1kHz以
上で徐々に減衰しているものが多いことが分かる。
【0039】したがって、環境音、残響音については、
2kHz以下の成分が支配的であるので、ローパスフィ
ルタ3のカットオフ周波数fbを約2kHzに設定する
と、聴取者に届く音は周波数fb以下の前後の壁面から
の反射音が支配的となり、聴取者は特定の場所に音が定
位せず、部屋全体に自然に音が広がっている感じを受け
ることができる。
【0040】一方、移動音については2kHz以上の成
分も豊富に含んでおり、ローパスフィルタ3のカットオ
フ周波数fbを約2kHzに設定すれば、2kHz以上
の成分については後方の壁面からの反射音が支配的とな
る。2kHz以下の成分については、環境音、残響音と
同様に部屋全体に広がるが、2kHz以上の成分につい
ては後方からのみ聴こえる。2kHz以上の帯域を含む
と音源の方向を感知しやすくなるため、その音像は後方
に引き寄せられ、聴取者は結果的に後方から聴こえてく
るような感じを受けることができる。
【0041】したがって、ローパスフィルタのカットオ
フ周波数fbは約2kHzに設定するのが最も効果的で
ある。つぎに、図8に、この発明の第1の実施例の音場
再生用スピーカシステムを聴取者の前方に設置した映像
音響再生システムのスピーカ配置の例を示す。図8のよ
うにこの発明の音場再生用スピーカシステム25は、周
波数fb以下の8の字ダイポール特性の音圧最小の方向
が聴取者26の方向になるように、また、スピーカユニ
ット1aが左右の壁面側に、スピーカユニット1bがデ
ィスプレイ装置21側になるように、聴取者26の前方
のレフトスピーカ22、ライトスピーカ24の上に設置
する。その他の配置は図33と同様である。
【0042】周波数fb以下では、8の字ダイポール特
性であり、音圧最小の方向に聴取者26がいるため、聴
取者26には直接音よりも前方の壁面からの反射音が主
体的に届く。周波数fb以上では、聴取者26の左右の
壁面へ音が放射されるため、聴取者26には左右の壁面
からの反射音が主体的に届く。周波数fb以下の成分は
直接音よりも前方の壁面からの反射音が主体的に聴取者
26に届くため、良好な広がり感が得られる。また、周
波数fb以上の音源の方向を知覚しやすくなる成分は左
右の壁面に向かってのみ音が放射されるため、前方壁面
からの反射音がないので、前方に定位することなく左右
に広がった感じを受けることができる。
【0043】また、図9のようにスピーカユニット1a
の前面に、周波数fb以上で指向性が狭くなるホーン7
を取り付けることにより、周波数fb以上の聴取者への
直接音成分を減らし、壁面からの間接音成分の比率を高
くしてさらに前記の効果(前方に定位することなく左右
に広がった感じを受けることができるという効果)を上
げることができる。この実施例においては、口径8cm
のスピーカユニット1aの前面に開口径12cm、深さ
3cmのホーン7を取り付け、2kHz以上の指向性を
制限している。
【0044】〔第2の実施例;請求項2に対応〕つぎ
に、この発明の第2の実施例の音場再生用スピーカシス
テムについて図10を用いて説明する。この音場再生用
スピーカシステムは、図10に示すように、同一性能を
有する口径12cmのコーン型のスピーカユニット1
a,1bが、キャビネット5の対面するバフル面にそれ
ぞれ取り付けられており、カットオフ周波数fbのロー
パスフィルタ3を介して再生信号が入力され、スピーカ
ユニット1a,1bは互いに逆位相で駆動されるように
接続されている。また、高域再生用の口径2.5cmの
ドーム型のスピーカユニット1cがスピーカユニット1
aと同じバフル面に取り付けられており、カットオフ周
波数fbのハイパスフィルタ2を介して再生信号が入力
されている。また、スピーカユニット1cの前面に周波
数fb以上で指向性が狭くなるように開口径が12cm
のホーン7′が取り付けられている。6は入力端子であ
る。
【0045】図11にこの発明の音場再生用スピーカシ
ステムのスピーカユニット1a,1b,1cの各々の音
圧特性を示す。図11において、8aはスピーカユニッ
ト1aの音圧特性で、8bはスピーカユニット1bの音
圧特性で、8cはスピーカユニット1cの音圧特性であ
る。スピーカユニット1a,1bには、カットオフ周波
数fbのローパスフィルタ3が接続されているため、周
波数fb以下の帯域が再生される。スピーカユニット1
cにはハイパスフィルタ2が接続されているので、周波
数fb以上の帯域が再生される。したがって、周波数f
b以下では、スピーカユニット1a,1bともほぼ同じ
音圧が放射され、逆位相で駆動されるように接続されて
いるため、その放射パターンは第1の実施例と同様に図
3の特性(B)に示すように8の字ダイポール特性とな
る。周波数fb以上では、1つのスピーカユニット1c
からのみ音が放射され、周波数fb以上で指向性が狭く
なるホーン7′が取り付けられているため、その放射パ
ターンは第1の実施例と同様に図3の特性(C)に示す
ようにほぼ単一指向性となる。図11の記号(B),
(C)は図3の特性(B),(C)にそれぞれ対応して
いる。
【0046】ローパスフィルタ3およびハイパスフィル
タ2のカットオフ周波数fbは、第1の実施例のローパ
スフィルタ3のカットオフ周波数fbと同様に、約2k
Hzに設定すると効果的である。第2の実施例の音場再
生用スピーカシステムの放射パターンは、第1の実施例
の音場再生用スピーカシステムとほぼ同じであるため、
その使用方法および効果もほぼ同じである。
【0047】また、この実施例では高域再生用のスピー
カユニット1cをスピーカユニット1aと同一のバフル
面に取り付けたが、スピーカユニット1bと同一のバフ
ル面に取り付けても効果が変わらない。 〔第3の実施例;請求項3に対応〕つぎに、この発明の
第3の実施例の音場再生用スピーカシステムについて図
12を用いて説明する。この音場再生用スピーカシステ
ムは、図12に示すように、口径8cmのスピーカユニ
ット11と音響イコライザ13とが、スピーカユニット
11の前面側開口部14aと背面側開口部14bとがほ
ぼ同型状となるようなホーン型音道が設けられた後面開
放キャビネット12に取り付けられている。
【0048】後面開放キャビネット12のホーン型音道
は、約2kHz以上の周波数で指向性を制限できるよう
に開口径を12cmに設定している。また、この実施例
ではホーンの形状としてストレートホーンとしている
が、違うホーンの形状でも約2kHz以上で指向性が制
限されれば、どのような形状を用いても良い。音響イコ
ライザ13の高域減衰開始周波数は、約2kHzに設定
している。この音響イコライザ13は、スピーカユニッ
ト11の背面に、スピーカユニット11のマグネットと
フレームを覆うように配置し、後面開放キャビネット1
2のホーン音道との間に5mmから1cmぐらいの隙間
を設け、この隙間から音を放射させる。約2kHz以上
の高域になると波長が短くなり、この音響イコライザ1
3が障害となって背面からの音圧が下がる。
【0049】音響イコライザ13の材質は、音が通過し
なければ何でも良く、厚みも共振しにくい程度に厚けれ
ば良い。この実施例では厚さ約2mmの成形樹脂を用い
たが、金属カバーのようなものでも良い。図13にこの
発明の音場再生用スピーカシステムのスピーカユニット
11の前面側開口部14aと背面側開口部14bの音圧
特性を示す。図13において、8aはスピーカユニット
11の前面側開口部14aの音圧特性で、8bはスピー
カユニット11の背面側開口部14bの音圧特性であ
る。スピーカユニット11の前面側開口部14aは何も
遮るものがないため、全帯域が再生される。スピーカユ
ニット11の背面側開口部14bは、約2kHz以上の
周波数帯域を減衰させる音響イコライザ13が設けられ
ているため、約2kHz以下の帯域が再生される。した
がって、約2kHz以下では、スピーカユニット11の
前面側開口部14aおよび背面側開口部14bともほぼ
同じ音圧が放射され、逆位相の音が放射されるため、そ
の放射パターンは第1の実施例と同様に図3の特性
(B)に示すように8の字ダイポール特性となる。約2
kHz以上では、スピーカユニット11の前面側開口部
14aからのみ音が放射されるため、その放射パターン
は第1の実施例と同様に図3の特性(C)に示すように
ほぼ単一指向性となる。図13の記号(B),(C)は
図3の特性(B),(C)にそれぞれ対応している。
【0050】図14にこの発明の第3の実施例の音場再
生用スピーカシステムを使用した映像音響再生システム
のスピーカ配置の例を示す。図14のようにこの発明の
音場再生用スピーカシステム28は、約2kHz以下の
8の字ダイポール特性の音圧最小の方向が聴取者26の
方向になるように、また、スピーカユニット11の前面
側開口部14aが後方に、スピーカユニット11の背面
側開口部14bが前方になるように、聴取者26の側方
に設置する。その他の配置は図33と同様である。
【0051】つぎに、図15に、この発明の第3の実施
例の音場再生用スピーカシステムを聴取者26の前方に
設置した映像音響再生システムのスピーカ配置の例を示
す。図15のように、この発明の音場再生用スピーカシ
ステム28は、約2kHz以下の8の字ダイポール特性
の音圧最小の方向が聴取者26の方向になるように、ま
た、スピーカユニット11の前面側開口部14aが左右
の壁面側に、スピーカユニット11の背面側開口部14
bがディスプレイ装置21側になるように、聴取者26
の前方のレフトスピーカ22、ライトスピーカ24の上
に設置する。その他の配置は図33と同様である。
【0052】第3の実施例の音場再生用スピーカシステ
ムの放射パターンは、第1の実施例の音場再生用スピー
カシステムとほぼ同じであるため、その使用方法および
効果も第1の実施例とほぼ同じである。この第3の実施
例の音場再生用スピーカシステムは、スピーカユニット
を1個しか使用していないため、非常に安価にできるの
が特徴である。
【0053】〔第4の実施例;請求項4に対応〕つぎ
に、この発明の第4の実施例の音場再生用スピーカシス
テムについて図16を用いて説明する。この音場再生用
スピーカシステムは、図16に示すように、同一性能を
有する口径8cmのコーン型のスピーカユニット1a,
1bが、キャビネット5の対面するバフル面にそれぞれ
取り付けられており、スピーカユニット1aにはカット
オフ周波数faのハイパスフィルタ2を介して再生信号
が入力され、スピーカユニット1bにはカットオフ周波
数fbのローパスフィルタ3を介して再生信号が入力さ
れる。ローパスフィルタ3のカットオフ周波数fbは、
ハイパスフィルタ2のカットオフ周波数faよりも高く
設定されており、周波数faから周波数fbの間では、
スピーカユニット1a,1bは互いに逆位相で駆動され
るように接続されている。6は入力端子である。
【0054】図17にこの発明の音場再生用スピーカシ
ステムのスピーカユニット1a,1bの各々の音圧特性
を示す。図17において、8aはスピーカユニット1a
の音圧特性で、8bはスピーカユニット1bの音圧特性
である。周波数fa以下では、ハイパスフィルタ2によ
ってスピーカユニット1aへの入力がカットされるた
め、ほとんどスピーカユニット1bからのみ音が放射さ
れる。周波数fa以下ではスピーカユニットの口径に対
し波長が十分に長いため、その放射パターンは図18の
特性(A)に示すようにほぼ無指向性となる。周波数f
aから周波数fbの間では、ハイパスフィルタ2、ロー
パスフィルタ3とも通過域であるので、スピーカユニッ
ト1a,1bともほぼ同じ音圧が放射される。スピーカ
ユニット1a,1bは周波数faから周波数fbの間で
は逆位相で駆動されるように接続されているため、その
放射パターンは図18の特性(B)に示すように8の字
ダイポール特性となる。周波数fb以上では、ローパス
フィルタ3によってスピーカユニット1bへの入力がカ
ットされるため、ほとんどスピーカユニット1aからの
み音が放射される。周波数fb以上では、波長に対しス
ピーカユニットの口径が無視できないため、指向性が狭
くなり、その放射パターンは図18の特性(C)に示す
ようにほぼ単一指向性となる。図17の記号(A),
(B),(C)は図18の特性(A),(B),(C)
にそれぞれ対応している。
【0055】ローパスフィルタ3のカットオフ周波数f
bは、第1の実施例のローパスフィルタ3のカットオフ
周波数fbと同様に、約2kHzに設定すると効果的で
ある。ハイパスフィルタ2のカットオフ周波数faは、
スピーカユニット1aの正面軸上の観測点においてスピ
ーカユニット1aから出た音が観測点に到達するまでの
距離とスピーカユニット2から出た音が観測点に到達す
るまでの距離の差を半波長とする周波数に設定する。例
えば、この実施例のキャビネット5の大きさについて、
スピーカユニット1a,1bの取り付けられているバフ
ル面の大きさを20cm四方、スピーカユニット1a,
1bのついている2つのバフル面の距離を25cm、観
測点をスピーカユニット1aから1mの地点とすると、
観測点までの距離差は約35cmとなり、この距離を半
波長とする周波数は約490Hzとなる。キャビネット
5が大きくなるほどこの周波数は小さくなる。この目的
は、おもに低域の再生帯域を確保するためである。低域
までダイポール特性とすると、波長に対して2つのスピ
ーカ間隔が狭くなり過ぎ、逆位相による打ち消しが過剰
になるため、急激にレベル低下を起こしてしまうからで
ある。この帯域の直接音は定位感が少ないため、直接音
によって広がり感を損なうことはほとんどない。
【0056】図19にこの発明の第4の実施例の音場再
生用スピーカシステムを使用した映像音響再生システム
のスピーカ配置の例を示す。図19のようにこの発明の
音場再生用スピーカシステム27は、周波数faから周
波数fbまでの8の字ダイポール特性の音圧最小の方向
が聴取者26の方向になるように、また、スピーカユニ
ット1aが後方に、スピーカユニット1bが前方になる
ように、聴取者26の側方に設置する。その他の配置は
図33と同様である。
【0057】周波数fa以下ではほぼ無指向性であるた
め、聴取者26にはスピーカからの直接音が主体的に届
く。周波数faから周波数fbの間では、8の字ダイポ
ール特性であり、音圧最小の方向に聴取者26がいるた
め、聴取者26には直接音よりも前後の壁面からの反射
音が主体的に届く。周波数fb以上では、聴取者26よ
り後方へ音が放射されるため、聴取者26には後方の壁
面からの反射音が主体的に届く。
【0058】周波数fa以下は無指向性であり、聴取者
26には直接音が主体的に届くが、周波数が低いために
定位感がほとんどなく、広がり感を損なうことがない。
環境音および残響音については、第1の実施例で述べた
とおり、2kHz以下の成分が支配的であるので、聴取
者26に届く音は周波数fa以下の直接音と、周波数f
aから周波数fbまでの前後の壁面からの反射音が支配
的となり、聴取者26は特定の場所に音が定位せず、部
屋全体に自然に音が広がっている感じを受けることがで
きる。
【0059】一方、移動音については2kHz以上の成
分も豊富に含んでおり、ローパスフィルタ3のカットオ
フ周波数fbを約2kHzに設定しているので、2kH
z以上の成分については後方の壁面からの反射音が支配
的となる。2kHz以下の成分については、環境音およ
び残響音と同様に部屋全体に広がるが、2kHz以上の
成分が後方からのみ聴こえる。2kHz以上の帯域を含
むと音源の方向を感知しやすくなるため、その音像は後
方に引き寄せられ、聴取者26は結果的に後方から聴こ
えてくるような感じを受けることができる。
【0060】つぎに、図20にこの発明の第4の実施例
の音場再生用スピーカシステムを聴取者26の前方に設
置した映像音響再生システムのスピーカ配置の例を示
す。図20のようにこの発明の音場再生用スピーカシス
テム27は、周波数faから周波数fbまでの8の字ダ
イポール特性の音圧最小の方向が聴取者26の方向にな
るように、また、スピーカユニット1aが左右の壁面側
に、スピーカユニット1bがディスプレイ装置21側に
なるように、聴取者26の前方のレフトスピーカ22、
ライトスピーカ24の上に設置する。その他の配置は図
33と同様である。
【0061】周波数faから周波数fbまでは、8の字
ダイポール特性であり、音圧最小の方向に聴取者26が
いるため、聴取者26には直接音よりも前方の壁面から
の反射音が主体的に届く。周波数fb以上では、聴取者
26の左右の壁面へ音が放射されるため、聴取者26に
は左右の壁面からの反射音が主体的に届く。周波数fa
以下は無指向性であり、聴取者26には直接音が主体的
に届くが、周波数が低いために定位感がほとんどなく、
広がり感を損なうことがない。周波数faから周波数f
bまでの成分は直接音よりも壁面からの反射音が主体的
に聴取者26に届くため、良好な広がり感が得られる。
また、周波数fb以上の音源の方向を知覚しやすくなる
成分は左右の壁面に向かってのみ音が放射されるため、
前方壁面からの反射音がないので、前方に定位すること
なく左右に広がった感じを受けることができる。
【0062】また、ハイパスフィルタ2のカットオフ周
波数faの設定にはもう1つの方法がある。それは、ハ
イパスフィルタ2のカットオフ周波数faを、500H
z〜1kHzの間に設定することである。スピーカユニ
ット1bの口径が8cmであるので、1kHz以下では
ほとんど無指向性に近いので、聴取者26に直接音を主
体に聴かせることができる。この目的は、この周波数以
下の帯域に位相処理を施し、その直接音を聴取者26に
聴かせることによってさらに広がり感を与えることにあ
る。最も簡単な位相処理は2つのサラウンドスピーカを
用い互いに逆位相にすることである。クロストークキャ
ンセルなどの位相処理を行えばもっと効果的である。1
kHz以上になると、波長が短く、サービスエリアが狭
くなるため、効果が得にくくなる。したがって、位相処
理の効果の得られやすい500Hz〜1kHzに設定
し、その周波数以下では直接音を主体に聴かせるのが望
ましいということになる。なお、低域におけるレベル低
下も同時に防ぐことができるのは言うまでもない。
【0063】ハイパスフィルタ2のカットオフ周波数f
aを前記のように500Hz〜1kHzの間に設定した
場合、サラウンドスピーカ25を図19のように、聴取
者26の側方に設置しても良いが、図20のように、聴
取者26の前方に設置した場合に最も効果がある。直接
音の位相処理の効果によって、さらに広がり感が強調さ
れるからである。
【0064】また、図21のようにスピーカユニット1
aの前面に、周波数fb以上で指向性が狭くなるホーン
7を取り付けることにより、周波数fb以上の聴取者へ
の直接音成分を減らし、壁面からの間接音成分の比率を
高くしてさらに前記の効果(前方に定位することなく左
右に広がった感じを受けることができる効果)を上げる
ことができる。この実施例においては、口径8cmのス
ピーカユニット1aの前面に開口径12cm、深さ3c
mのホーン7を取り付け、2kHz以上の指向性を制限
している。
【0065】〔第5の実施例;請求項5に対応〕つぎ
に、この発明の第5の実施例の音場再生用スピーカシス
テムについて図22を用いて説明する。この音場再生用
スピーカシステムは、図22に示すように、同一性能を
有する口径8cmのコーン型のスピーカユニット1a,
1bが、キャビネット5の対面するバフル面にそれぞれ
取り付けられており、スピーカユニット1aには再生信
号が直接入力され、スピーカユニット1bには周波数f
aから周波数fbの帯域を通過させるバンドパスフィル
タ4を介して再生信号が入力される。周波数faから周
波数fbの間では、スピーカユニット1a,1bは互い
に逆位相で駆動されるように接続されている。6は入力
端子である。
【0066】図23にこの発明の音場再生用スピーカシ
ステムのスピーカユニット1a,1bの各々の音圧特性
を示す。図23において、8aはスピーカユニット1a
の音圧特性で、8bはスピーカユニット1bの音圧特性
である。スピーカユニット1aには再生信号が直接入力
されるため、全帯域が再生される。スピーカユニット1
bには、通過周波数帯域がfaからfbのバンドパスフ
ィルタ4が接続されているため、周波数fa以下および
周波数fb以上では、ほとんどスピーカユニット1aか
らのみ音が放射される。したがって、周波数fa以下で
は、1つのスピーカユニット1aのみから音が放射さ
れ、周波数が低いため、その放射パターンは第4の実施
例と同様に図18の特性(A)に示すようにほぼ無指向
性となる。周波数faから周波数fbの間では、スピー
カユニット1a,1bともほぼ同じ音圧が放射され、逆
位相で駆動されるように接続されているため、その放射
パターンは第4の実施例と同様に図18の特性(B)に
示すように8の字ダイポール特性となる。周波数fb以
上では、1つのスピーカユニット1aからのみ音が放射
され、周波数fb以上では、波長に対しスピーカユニッ
トの口径が無視できないため、指向性が狭くなり、その
放射パターンは第4の実施例と同様に図18の特性
(C)に示すようにほぼ単一指向性となる。図23の記
号(A),(B),(C)は図18の特性(A),
(B),(C)にそれぞれ対応している。
【0067】バンドパスフィルタ4の上限周波数fb
は、第4の実施例のローパスフィルタ3のカットオフ周
波数fbと同様に、約2kHzに設定すると効果的であ
る。また、バンドパスフィルタ4の下限周波数faは、
第4の実施例のハイパスフィルタ2のカットオフ周波数
faと同様に、その設定の仕方に二通りあり、それぞれ
で第4の実施例で示した効果と同様の効果が得られる。
【0068】第5の実施例の音場再生用スピーカシステ
ムの放射パターンは、第4の実施例の音場再生用スピー
カシステムとほぼ同じであるため、その使用方法および
効果もほぼ同じである。また、図24のようにスピーカ
ユニット1aの前面に、周波数fb以上で指向性が狭く
なるホーン7を取り付けることにより、周波数fb以上
の聴取者への直接音成分を減らし、壁面からの間接音成
分の比率を高くしてさらに効果(図21の場合と同じ)
を上げることができる。これも第4の実施例と同様であ
る。
【0069】〔第6の実施例;請求項6に対応〕つぎ
に、この発明の第6の実施例の音場再生用スピーカシス
テムについて図25を用いて説明する。この音場再生用
スピーカシステムは、図25に示すように、同一性能を
有する口径12cmのコーン型のスピーカユニット1
a,1bが、キャビネット5の対面するバフル面にそれ
ぞれ取り付けられており、スピーカユニット1aにはカ
ットオフ周波数fbのローパスフィルタ3とカットオフ
周波数faのハイパスフィルタ2aを介して再生信号が
入力され、スピーカユニット1bにはローパスフィルタ
3を介して再生信号が入力される。ローパスフィルタ3
のカットオフ周波数fbは、ハイパスフィルタ2aのカ
ットオフ周波数faよりも高く設定されており、周波数
faから周波数fbの間では、スピーカユニット1a,
1bは互いに逆位相で駆動されるように接続されてい
る。また、高域再生用の口径2.5cmのドーム型のス
ピーカユニット1cがスピーカユニット1aと同じバフ
ル面に取り付けられており、カットオフ周波数fb′の
ハイパスフィルタ2bを介して再生信号が入力されてい
る。また、スピーカユニット1cの前面に周波数fb′
以上で指向性が狭くなるように開口径が12cmのホー
ン7′が取り付けられている。6は入力端子である。
【0070】図26にこの発明の音場再生用スピーカシ
ステムのスピーカユニット1a,1b,1cの各々の音
圧特性を示す。図26において、8aはスピーカユニッ
ト1aの音圧特性で、8bはスピーカユニット1bの音
圧特性、8cはスピーカユニット1cの音圧特性であ
る。スピーカユニット1aにはローパスフィルタ3とハ
イパスフィルタ2aが接続されているため、周波数fa
から周波数fbまでの帯域が再生される。スピーカユニ
ット1bには、ローパスフィルタ3が接続されているた
め、周波数fb以下の帯域が再生される。スピーカユニ
ット1cにはハイパスフィルタ2bが接続されているの
で、周波数fb′以上の帯域が再生される。したがっ
て、周波数fa以下は1つのスピーカユニット1bのみ
から音が放射され、周波数が低いため、その放射パター
ンは第4の実施例と同様に図18の特性(A)に示すよ
うにほぼ無指向性となる。周波数faから周波数fbの
間では、スピーカユニット1a,1bともほぼ同じ音圧
が放射され、逆位相で駆動されるように接続されている
ため、その放射パターンは第4の実施例と同様に図18
の特性(B)に示すように8の字ダイポール特性とな
る。周波数fb′以上では、1つのスピーカユニット1
cからのみ音が放射され、周波数fb′以上で指向性が
狭くなるホーン7′を取り付けているため、その放射パ
ターンは第4の実施例と同様に図18の特性(C)に示
すようにほぼ単一指向性となる。図26の記号(A),
(B),(C)は図18の特性(A),(B),(C)
にそれぞれ対応している。
【0071】ローパスフィルタ3およびハイパスフィル
タ2bのカットオフ周波数fb,fb′は、第4の実施
例のローパスフィルタ3のカットオフ周波数fbと同様
に、約2kHzに設定すると効果的である。なお、周波
数fb,fb′は同じ値である必要はない。また、ハイ
パスフィルタ2aのカットオフ周波数faは、第4の実
施例のハイパスフィルタ2のカットオフ周波数faと同
様に、その設定の仕方に二通りあり、それぞれで第4の
実施例で示した効果と同様の効果が得られる。
【0072】第6の実施例の音場再生用スピーカシステ
ムの放射パターンは、第6の実施例の音場再生用スピー
カシステムとほぼ同じであるため、その使用方法および
効果もほぼ同じである。また、この実施例では高域再生
用のスピーカユニット1cをスピーカユニット1aと同
一のバフル面に取り付けたが、スピーカユニット1bと
同一のバフル面に取り付けても効果が変わらない。
【0073】〔第7の実施例;請求項7に対応〕つぎ
に、この発明の第7の実施例の音場再生用スピーカシス
テムについて図27を用いて説明する。この音場再生用
スピーカシステムは、図27に示すように、同一性能を
有する口径8cmのコーン型のスピーカユニット1a,
1bが、キャビネット5の対面するバフル面にそれぞれ
取り付けられており、スピーカユニット1aにはカット
オフ周波数faのハイパスフィルタ2を介して再生信号
が入力され、スピーカユニット1bには、ハイパスフィ
ルタ2と、さらにローパスフィルタ3aを介して再生信
号が入力される。ローパスフィルタ3aのカットオフ周
波数fbは、ハイパスフィルタ2のカットオフ周波数f
aよりも高く設定されており、周波数faから周波数f
bの間では、スピーカユニット1a,1bは互いに逆位
相で駆動されるように接続されている。また、低域再生
用の口径10cmのコーン型のスピーカユニット1dが
スピーカユニット1bと同じバフル面に取り付けられて
おり、カットオフ周波数fa′のローパスフィルタ3b
を介して再生信号が入力されている。6は入力端子であ
る。
【0074】なお、スピーカユニット1dは無指向性の
低音を発するのみであるので、キャビネット5のどのバ
フル面に取り付けてもよい。図28にこの発明の音場再
生用スピーカシステムのスピーカユニット1a,1b,
1cの各々の音圧特性を示す。図28において、8aは
スピーカユニット1aの音圧特性で、8bはスピーカユ
ニット1bの音圧特性で、8dはスピーカユニット1d
の音圧特性である。スピーカユニット1aにはハイパス
フィルタ2が接続されているため、周波数fa以上の帯
域が再生される。スピーカユニット1bには、ハイパス
フィルタ2とローパスフィルタ3aが接続されているた
め、周波数faから周波数fbまでの帯域が再生され
る。スピーカユニット1dにはローパスフィルタ3bが
接続されているので、周波数fa′以下の帯域が再生さ
れる。したがって、周波数fa′以下は1つのスピーカ
ユニット1dのみから音が放射され、周波数が低いた
め、その放射パターンは第4の実施例と同様に図18の
特性(A)に示すようにほぼ無指向性となる。周波数f
aから周波数fbの間では、スピーカユニット1a,1
bともほぼ同じ音圧が放射され、逆位相で駆動されるよ
うに接続されているため、その放射パターンは第4の実
施例と同様に図18の特性(B)に示すように8の字ダ
イポール特性となる。周波数fb以上では、1つのスピ
ーカユニット1aからのみ音が放射され、周波数fb以
上では、波長に対しスピーカユニット1aの口径が無視
できないため、指向性が狭くなり、その放射パターンは
第4の実施例と同様に図18の特性(C)に示すように
ほぼ単一指向性となる。図28の記号(A),(B),
(C)は図18の特性(A),(B),(C)にそれぞ
れ対応している。
【0075】ローパスフィルタ3aのカットオフ周波数
fbは、第4の実施例のローパスフィルタ3のカットオ
フ周波数fbと同様に、約2kHzに設定すると効果的
である。また、ハイパスフィルタ2とローパスフィルタ
3bのカットオフ周波数fa,fa′は、第4の実施例
のハイパスフィルタ2のカットオフ周波数faと同様
に、その設定の仕方に二通りあり、それぞれで第4の実
施例で示した効果と同様の効果が得られる。周波数f
a,fa′は同じである必要はない。
【0076】第7の実施例の音場再生用スピーカシステ
ムの放射パターンは、第4の実施例の音場再生用スピー
カシステムとほぼ同じであるため、その使用方法および
効果もほぼ同じである。また、図29のようにスピーカ
ユニット1aの前面に、周波数fb以上で指向性が狭く
なるホーン7を取り付けることにより、周波数fb以上
の聴取者への直接音成分を減らし、壁面からの間接音成
分の比率を高くしてさらに効果(図21の効果と同じ)
を上げることができる。これも第4の実施例と同様であ
る。
【0077】〔第8の実施例;請求項8に対応〕つぎ
に、この発明の第8の実施例の音場再生用スピーカシス
テムについて図30を用いて説明する。この音場再生用
スピーカシステムは、図30に示すように、同一性能を
有する口径8cmのコーン型のスピーカユニット1a,
1bが、キャビネット5の対面するバフル面にそれぞれ
取り付けられており、周波数faから周波数fbまでの
帯域を通過させるバンドパスフィルタ4を介して再生信
号が入力され、スピーカユニット1a,1bは互いに逆
位相で駆動されるように接続されている。また、高域再
生用の口径2.5cmのドーム型のスピーカユニット1
cがスピーカユニット1aと同じバフル面に取り付けら
れており、カットオフ周波数fb′のハイパスフィルタ
2を介して再生信号が入力されている。また、スピーカ
ユニット1cの前面に周波数fb′以上で指向性が狭く
なるように開口径が12cmのホーン7′が取り付けら
れている。さらに、低域再生用の口径10cmのコーン
型スピーカユニット1dがスピーカユニット1bと同じ
バフル面に取り付けられており、カットオフ周波数f
a′のローパスフィルタ3を介して再生信号が入力され
ている。6は入力端子である。
【0078】なお、スピーカユニット1cは無指向性の
低音を発するのみであるので、キャビネット5のどのバ
フル面に取り付けてもよい。図31にこの発明の音場再
生用スピーカシステムのスピーカユニット1a,1b,
1c,1dの各々の音圧特性を示す。図31において、
8aはスピーカユニット1aの音圧特性で、8bはスピ
ーカユニット1bの音圧特性で、8cはスピーカユニッ
ト1cの音圧特性で、8dはスピーカユニット1dの音
圧特性である。スピーカユニット1a,1bにはバンド
パスフィルタ4が接続されているため、周波数faから
周波数fbまでの帯域が再生される。
【0079】スピーカユニット1cにはハイパスフィル
タ2が接続されているので、周波数fb′以上の帯域が
再生される。スピーカユニット1dにはローパスフィル
タ3が接続されているので、周波数fa′以下の帯域が
再生される。したがって、周波数fa′以下は1つのス
ピーカユニット1dのみから音が放射され、周波数が低
いため、その放射パターンは第4の実施例と同様に図1
8の特性(A)に示すようにほぼ無指向性となる。周波
数faから周波数fbの間では、スピーカユニット1
a,1bとも同じ音圧が放射され、逆位相で駆動される
ように接続されているため、その放射パターンは第4の
実施例と同様に図18の特性(B)に示すように8の字
ダイポール特性となる。周波数fb′以上では、1つの
スピーカユニット1cからのみ音が放射され、周波数f
b′以上で指向性が狭くなるホーン7′を取り付けてい
るため、その放射パターンは第4の実施例と同様に図1
8の特性(C)に示すようにほぼ単一指向性となる。図
31の記号(A),(B),(C)は図18の特性
(A),(B),(C)にそれぞれ対応している。
【0080】ハイパスフィルタ2のカットオフ周波数f
b′およびバンドパスフィルタ4の上限周波数fbは、
第4の実施例のローパスフィルタ3のカットオフ周波数
fbと同様に、約2kHzに設定すると効果的である。
周波数fb,fb′は同じである必要はない。また、ロ
ーパスフィルタ3のカットオフ周波数faおよびバンド
パスフィルタ4の下限周波数faは、第4の実施例のハ
イパスフィルタ2のカットオフ周波数faと同様に、そ
の設定の仕方に二通りあり、それぞれで第4の実施例で
示した効果と同様の効果が得られる。
【0081】第8の実施例の音場再生用スピーカシステ
ムの放射パターンは、第4の実施例の音場再生用スピー
カシステムとほぼ同じであるため、その使用方法および
効果もほぼ同じである。周波数fa,fa′は同じであ
る必要はない。また、この実施例では高域再生用スピー
カユニット1cをスピーカユニット1aと同一のバフル
面に取り付けたが、スピーカユニット1bと同一のバフ
ル面に取り付けても効果が変わらない。
【0082】
【発明の効果】請求項1,請求項2または請求項3記載
の音場再生用スピーカシステムによれば、fb以下の周
波数では8の字ダイポール特性、fb以上の周波数では
単一指向性という具合に、周波数帯域毎に放射パターン
を変えることができるため、fb以下の周波数成分が支
配的な環境音および残響音は聴取者に部屋中に音が広が
った感じを与えることができ、fb以上の周波数成分も
豊富に含む移動音は、その方向感を与えることができ
る。したがって、環境音および残響音の広がり感と、移
動音の移動感を両立することができる。また、聴取者の
前方に設置した場合にも、音像の定位に寄与の大きいf
b以上の成分は、左右の壁面からのみ反射音が得られる
ように設置すれば、前方に音像が定位しにくく、良好な
広がり感が得られる。
【0083】請求項4,請求項5,請求項6,請求項7
または請求項8記載の音場再生用スピーカシステムによ
れば、fa以下の周波数では無指向性、fa以上fb以
下の周波数では8の字ダイポール特性、fb以上の周波
数では単一指向性という具合に、周波数帯域毎に放射パ
ターンを変えることができるため、fb以下の周波数成
分が支配的な環境音および残響音は聴取者に部屋中に音
が広がった感じを与えることができ、fb以上の周波数
成分も豊富に含む移動音は、その方向感を与えることが
できる。したがって、環境音および残響音の広がり感
と、移動音の移動感を両立することができる。また、聴
取者の前方に設置した場合にも、音像の定位に寄与の大
きいfb以上の成分は、左右の壁面からのみ反射音が得
られるように設置すれば、前方に音像が定位しにくく、
良好な広がり感が得られる。また、fa以下の再生帯域
を確保することができる。
【0084】請求項9または請求項10の音場再生用ス
ピーカシステムによれば、約2kHz以下の周波数では
8の字ダイポール特性、約2kHz以上の周波数では単
一指向性という具合に、周波数帯域毎に放射パターンを
変えることができるため、2kHz以下の周波数成分が
支配的な環境音および残響音は聴取者に部屋中に音が広
がった感じを与えることができ、2kHz以上の周波数
成分も豊富に含む移動音は、その方向感を与えることが
できる。したがって、環境音および残響音の広がり感
と、移動音の移動感を両立することができる。また、聴
取者の前方に設置した場合にも、音像の定位に寄与の大
きい2kHz以上の成分は、左右の壁面からのみ反射音
が得られるように設置すれば、前方に音像が定位しにく
く、良好な広がり感が得られる。
【0085】請求項2,請求項6,請求項8または請求
項11記載の音場再生用スピーカシステムによれば、周
波数fb以上の帯域が放射されるスピーカユニットの前
面に周波数fb以上で指向性が狭くなるホーンを取り付
けることにより、音像の定位に寄与の大きい周波数fb
以上の成分のスピーカからの直接音を減らし、壁面から
の間接音成分を比率を上げることができるので、聴取者
の側方に設置した場合には移動感を、聴取者の前方に設
置した場合には広がり感を、さらに増すことができる。
【0086】請求項12または請求項13の音場再生用
スピーカシステムによれば、周波数faを第1のスピー
カユニットの正面軸上の観測点において第1のスピーカ
ユニット1から出た音が観測点に到達するまでの距離と
第2のスピーカユニットから出た音が前記観測点に到達
するまでの距離の差を半波長とする周波数に設定したこ
とにより、低域の再生帯域を確保でき、しかも、この帯
域の直接音によって広がり感を損なうことはほとんどな
い。
【0087】請求項14または請求項15記載の音場再
生用スピーカシステムによれば、位相制御による広がり
感を与えやすい500Hzから1kHz以下の音を、聴
取者に直接音として与ることができる構成としたので、
位相制御によって広がり感をさらに増加させることがで
き、特にこの発明の音場再生用スピーカシステムを聴取
者の前方に設置した場合に、さらに広がり感が強調さ
れ、広がり感の得られにくい前置きの場合においても良
好なサラウンド感を得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施例の音場再生用スピーカ
システムの構成を示す概略図である。
【図2】この発明の第1の実施例の音場再生用スピーカ
システムの各スピーカユニットの音圧特性図である。
【図3】この発明の第1の実施例の音場再生用スピーカ
システムの極座標特性図である。
【図4】この発明の第1の実施例の音場再生用スピーカ
システムを使用した映像音響再生システムのスピーカ配
置の一例を示す概略図である。
【図5】映画の移動音について、その音場信号の周波数
成分を分析した周波数分析図である。
【図6】映画の環境音について、その音場信号の周波数
成分を分析した周波数分析図である。
【図7】映画の残響音について、その音場信号の周波数
成分を分析した周波数分析図である。
【図8】この発明の第1の実施例の音場再生用スピーカ
システムを使用した映像音響再生システムのスピーカ配
置の他の例を示す概略図である。
【図9】この発明の第1の実施例の音場再生用スピーカ
システムの変形例の構成を示す概略図である。
【図10】この発明の第2の実施例の音場再生用スピー
カシステムの構成を示す概略図である。
【図11】この発明の第2の実施例の音場再生用スピー
カシステムの各スピーカユニットの音圧特性図である。
【図12】この発明の第3の実施例の音場再生用スピー
カシステムの構成を示す概略図である。
【図13】この発明の第3の実施例の音場再生用スピー
カシステムの各スピーカユニットの音圧特性図である。
【図14】この発明の第3の実施例の音場再生用スピー
カシステムを使用した映像音響再生システムのスピーカ
配置の一例を示す概略図である。
【図15】この発明の第3の実施例の音場再生用スピー
カシステムを使用した映像音響再生システムのスピーカ
配置の他の例を示す概略図である。
【図16】この発明の第4の実施例の音場再生用スピー
カシステムの構成を示す概略図である。
【図17】この発明の第4の実施例の音場再生用スピー
カシステムの各スピーカユニットの音圧特性図である。
【図18】この発明の第4の実施例の音場再生用スピー
カシステムの極座標特性図である。
【図19】この発明の第4の実施例の音場再生用スピー
カシステムを使用した映像音響再生システムのスピーカ
配置の一例を示す概略図である。
【図20】この発明の第4の実施例の音場再生用スピー
カシステムを使用した映像音響再生システムのスピーカ
配置の他の例を示す概略図である。
【図21】この発明の第4の実施例の音場再生用スピー
カシステムの変形例の構成を示す概略図である。
【図22】この発明の第5の実施例の音場再生用スピー
カシステムの構成を示す概略図である。
【図23】この発明の第5の実施例の音場再生用スピー
カシステムの各スピーカユニットの音圧特性図である。
【図24】この発明の第5の実施例の音場再生用スピー
カシステムの変形例の構成を示す概略図である。
【図25】この発明の第6の実施例の音場再生用スピー
カシステムの構成を示す概略図である。
【図26】この発明の第6の実施例の音場再生用スピー
カシステムの各スピーカユニットの音圧特性図である。
【図27】この発明の第7の実施例の音場再生用スピー
カシステムの構成を示す概略図である。
【図28】この発明の第7の実施例の音場再生用スピー
カシステムの各スピーカユニットの音圧特性図である。
【図29】この発明の第7の実施例の音場再生用スピー
カシステムの変形例の構成を示す概略図である。
【図30】この発明の第8の実施例の音場再生用スピー
カシステムの構成を示す概略図である。
【図31】この発明の第8の実施例の音場再生用スピー
カシステムの各スピーカユニットの音圧特性図である。
【図32】映像音響再生システムの一例を示すブロック
図である。
【図33】従来の音場再生用スピーカシステムを使用し
た映像音響再生システムのスピーカ配置の一例を示す概
略図である。
【図34】ダイポール型スピーカシステムの構成を示す
概略図である。
【図35】ダイポール型スピーカシステムの極座標特性
図である。
【図36】ダイポール型スピーカシステムを使用した映
像音響再生システムのスピーカ配置の一例を示す概略図
である。
【符号の説明】
1a,1b,1c,1d スピーカユニット 2,2a,2b ハイパスフィルタ 3,3a,3b ローパスフィルタ 4 バンドパスフィルタ 5 キャビネット 6 入力端子 7 ホーン 7′ ホーン 11 スピーカユニット 12 後面開放キャビネット 13 音響イコライザ 14a 前面側開口部 14b 背面側開口部 21 ディスプレイ装置 22 レフトスピーカ 23 センタースピーカ 24 ライトスピーカ 25 サラウンドスピーカ 26 聴取者 27 サラウンドスピーカ 28 サラウンドスピーカ 31 映像音響信号供給装置 32 マトリクスデコーダ 33 増幅器

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 キャビネットの一バフル面に取り付けら
    れて入力信号をそのまま再生する第1のスピーカユニッ
    トと、前記入力信号の低域を通過させるカットオフ周波
    数fbのローパスフィルタと、前記第1のスピーカユニ
    ットと同一特性をもち前記第1のスピーカユニットの取
    り付けられたバフル面に対面するバフル面に取り付けら
    れて前記ローパスフィルタの出力を前記第1のスピーカ
    ユニットとは逆位相で再生する第2のスピーカユニット
    とを備えた音場再生用スピーカシステム。
  2. 【請求項2】 入力信号の低域を通過させるカットオフ
    周波数fbのローパスフィルタと、キャビネットの一バ
    フル面に取り付けられて前記ローパスフィルタの出力を
    再生する第1のスピーカユニットと、前記第1のスピー
    カユニットと同一特性をもち前記第1のスピーカユニッ
    トの取り付けられたバフル面に対面するバフル面に取り
    付けられて前記ローパスフィルタの出力を前記第1のス
    ピーカユニットとは逆位相で再生する第2のスピーカユ
    ニットと、前記入力信号の高域を通過させるカットオフ
    周波数fbのハイパスフィルタと、前記第1のスピーカ
    ユニットと同一バフル面に取り付けられて前記ハイパス
    フィルタの出力を再生する高域再生用の第3のスピーカ
    ユニットと、前記第3のスピーカユニットの前面に取り
    付けられて周波数fb以上で指向性が狭くなるホーンと
    を備えた音場再生用スピーカシステム。
  3. 【請求項3】 入力信号を再生するスピーカユニット
    と、前記スピーカユニットが取り付けられて前記スピー
    カユニットの前面側開口部と背面側開口部がほぼ同じ形
    状で開放された後面開放キャビネットと、前記スピーカ
    ユニットの背面側開口部に取り付けられて周波数fb以
    上で再生音を減衰する音響イコライザとを備えた音場再
    生用スピーカシステム。
  4. 【請求項4】 入力信号の高域を通過させるカットオフ
    周波数faのハイパスフィルタと、キャビネットの一バ
    フル面に取り付けられて前記ハイパスフィルタの出力を
    再生する第1のスピーカユニットと、前記ハイパスフィ
    ルタのカットオフ周波数faよりも高く設定されて前記
    入力信号の低域を通過させるカットオフ周波数fbのロ
    ーパスフィルタと、前記第1のスピーカユニットと同一
    特性をもち前記第1のスピーカユニットの取り付けられ
    たバフル面に対面するバフル面に取り付けられて前記ロ
    ーパスフィルタの出力を前記第1のスピーカユニットと
    は逆位相で再生する第2のスピーカユニットとを備えた
    音場再生用スピーカシステム。
  5. 【請求項5】 キャビネットの一バフル面に取り付けら
    れて入力信号をそのまま再生する第1のスピーカユニッ
    トと、前記入力信号の周波数faから周波数fbまでの
    帯域を通過させるバンドパスフィルタと、前記第1のス
    ピーカユニットと同一特性をもち前記第1のスピーカユ
    ニットの取り付けられたバフル面に対面するバフル面に
    取り付けられて前記バンドパスフィルタの出力を前記第
    1のスピーカユニットとは逆位相で再生する第2のスピ
    ーカユニットとを備えた音場再生用スピーカシステム。
  6. 【請求項6】 入力信号の低域を通過させるカットオフ
    周波数fbのローパスフィルタと、前記ローパスフィル
    タの出力の高域を通過させるカットオフ周波数faの第
    1のハイパスフィルタと、キャビネットの一バフル面に
    取り付けられて前記第1のハイパスフィルタの出力を再
    生する第1のスピーカユニットと、前記第1のスピーカ
    ユニットと同一特性をもち前記第1のスピーカユニット
    の取り付けられたバフル面に対面するバフル面に取り付
    けられて前記ローパスフィルタの出力を前記第1のスピ
    ーカユニットとは逆位相で再生する第2のスピーカユニ
    ットと、前記入力信号の高域を通過させるカットオフ周
    波数fb′の第2のハイパスフィルタと、前記第1のス
    ピーカユニットと同一バフル面に取り付けられて前記第
    2のハイパスフィルタの出力を再生する高域再生用の第
    3のスピーカユニットと、前記第3のスピーカユニット
    の前面に取り付けられて周波数fb以上で指向性が狭く
    なるホーンとを備えた音場再生用スピーカシステム。
  7. 【請求項7】 入力信号の高域を通過させるカットオフ
    周波数faのハイパスフィルタと、キャビネットの一バ
    フル面に取り付けられて前記ハイパスフィルタの出力を
    再生する第1のスピーカユニットと、前記ハイパスフィ
    ルタの出力の低域を通過させるカットオフ周波数fbの
    第1のローパスフィルタと、前記第1のスピーカユニッ
    トと同一特性をもち前記第1のスピーカユニットの取り
    付けられたバフル面に対面するバフル面に取り付けられ
    て前記第1のローパスフィルタの出力を前記第1のスピ
    ーカユニットとは逆位相で再生する第2のスピーカユニ
    ットと、前記入力信号の低域を通過させるカットオフ周
    波数fa′の第2のローパスフィルタと、前記第2のロ
    ーパスフィルタの出力を再生する低域再生用の第3のス
    ピーカユニットとを備えた音場再生用スピーカシステ
    ム。
  8. 【請求項8】 入力信号の周波数faから周波数fbま
    での帯域を通過させるバンドパスフィルタと、キャビネ
    ットの一バフル面に取り付けられて前記バンドパスフィ
    ルタの出力を再生する第1のスピーカユニットと、前記
    第1のスピーカユニットと同一特性をもち前記第1のス
    ピーカユニットの取り付けられたバフル面に対面するバ
    フル面に取り付けられて前記バンドパスフィルタの出力
    を前記第1のスピーカユニットとは逆位相で再生する第
    2のスピーカユニットと、前記入力信号の高域を通過さ
    せるカットオフ周波数fb′のハイパスフィルタと、前
    記第1のスピーカユニットと同一バフル面に取り付けら
    れて前記ハイパスフィルタの出力を再生する高域再生用
    の第3のスピーカユニットと、前記第3のスピーカユニ
    ットの前面に取り付けられて周波数fb′以上で指向性
    が狭くなるホーンと、前記入力信号の低域を通過させる
    カットオフ周波数fa′のローパスフィルタと、前記ロ
    ーパスフィルタの出力を再生する低域再生用の第4のス
    ピーカユニットとを備えた音場再生用スピーカシステ
    ム。
  9. 【請求項9】 周波数fbを約2kHzに設定した請求
    項1,2,3,4,5または7記載の音場再生用スピー
    カシステム。
  10. 【請求項10】 周波数fb,fb′をそれぞれ約2k
    Hzに設定した請求項6または8記載の音場再生用スピ
    ーカシステム。
  11. 【請求項11】 第1のスピーカユニットの前面に周波
    数fb以上の周波数で指向性が狭くなるホーンを取り付
    けた請求項1,4,5または7記載の音場再生用スピー
    カシステム。
  12. 【請求項12】 周波数faを、第1のスピーカユニッ
    トの正面軸上の観測点において第1のスピーカユニット
    1から出た音が観測点に到達するまでの距離と第2のス
    ピーカユニットから出た音が前記観測点に到達するまで
    の距離の差を半波長とする周波数に設定した請求項4,
    5または6記載の音場再生用スピーカシステム。
  13. 【請求項13】 周波数fa,fa′を、それぞれ第1
    のスピーカユニットの正面軸上の観測点において第1の
    スピーカユニット1から出た音が観測点に到達するまで
    の距離と第2のスピーカユニットから出た音が前記観測
    点に到達するまでの距離の差を半波長とする周波数に設
    定した請求項7または8記載の音場再生用スピーカシス
    テム。
  14. 【請求項14】 周波数faを、500Hz〜1kHz
    の間に設定した請求項4,5または6記載の音場再生用
    スピーカシステム。
  15. 【請求項15】 周波数fa,fa′を、それぞれ50
    0Hz〜1kHzの間に設定した請求項7または8記載
    の音場再生用スピーカシステム。
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