JPH06168903A - 縦型ボート - Google Patents

縦型ボート

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JPH06168903A
JPH06168903A JP34102092A JP34102092A JPH06168903A JP H06168903 A JPH06168903 A JP H06168903A JP 34102092 A JP34102092 A JP 34102092A JP 34102092 A JP34102092 A JP 34102092A JP H06168903 A JPH06168903 A JP H06168903A
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辰雄 野沢
Shinji Sawanobori
伸治 沢登
Tomio Kin
富雄 金
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 この発明は、大きな寸法のウエハを積載して
熱処理をしてもスリップが生じない縦型ボートを提供す
る。 【構成】 複数の支持部材3,4を縦方向に配列して、
それらの支持部材に所定の間隔で形成された複数の溝3
a,4aにそれぞれ複数の半導体ウエハ1を積載するた
めのウエハ用縦型ボートにおいて、ウエハの挿入始端側
に位置する支持部材3の形状が断面アーク状であり、か
つ該支持部材の前方端は、ウエハの中心とウエハの挿入
方向Xとのなす角度を100度以上にしてウエハの外周
方向に増大させたことを特徴とする縦型ボート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、複数の支持部材を縦
方向に配列して、それらの支持部材に所定の間隔で形成
された複数の溝にそれぞれ複数の半導体ウエハを積載す
るための縦型ボートに関する。
【0002】
【従来の技術】半導体ウエハの酸化・拡散処理工程で
は、多数の半導体ウエハをウエハ用ボートに積載して、
そのままウエハ用ボートを拡散炉内部に搬入して、そこ
でウエハの所望の熱処理を行う。
【0003】拡散炉の種類に応じて縦型ボートを使用し
たり、横型ボートを使用したりしている。
【0004】図1に示すように、従来の縦型ボートは、
ウエハ1(図1には1枚だけ代表的に示してある)を水
平に支持するために複数(図1の例では4本)の支持部
材2が縦方向に配列されている。それらの支持部材2に
は所定の間隔で複数の溝2aが内向きに形成されてい
る。それらの複数の溝2aにそれぞれ複数のウエハ1を
鉛直方向に沿って積載する。
【0005】なお、図1には支持部材2の直径を見やす
くするために誇張して示してあるが、実際のものは相当
に細い棒材を使用している。
【0006】従来の縦型ボートは、全ての支持部材2が
同一断面形状の棒材であった。例えば、断面形状は円形
や正方形であった。このような断面形状の棒材に形成さ
れた溝2aは、ウエハ1に接触する面積が小さく、溝2
aの支持面のウエハ外周方向の幅が小さかった。一方、
ウエハを安定させるために、ウエハの挿入方向と90度
の位置に支持部材を配置しているが、ウエハの挿入始端
側に位置する支持部材の前方端は、ウエハの中心とウエ
ハの挿入方向とのなす角度が90度を僅かに(例えば数
度)越すだけであった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ボートは、支持部材2
によってウエハ1を支持した状態で熱処理時に高温にさ
らされる。すると、特にウエハ1が大きな寸法のもので
ある場合、ウエハ1の重量で撓み現象を生じやすい。そ
の時、ウエハ1をボートの所定位置に積載した状態で、
ウエハ1の挿入始端側に位置する支持部材2の前方端
は、ウエハ1の中心とウエハ1の挿入方向とのなす角度
が図1の例のように90度を僅かに(例えば数度)越す
ものであると、ウエハ1の重心がウエハ1の挿入始端側
に位置する対向する2つの支持部材2の前方端間にごく
近くに位置し、ウエハの挿入始端側に位置する指示部材
に荷重負担は偏ってしまう。例えば、ウエハの挿入始端
側に位置する1対の支持部材に70〜90パーセントの
荷重応力が負荷される。ウエハが大型であると、荷重応
力によりウエハ1がスリップを起こす危険が生じる。こ
こでいうスリップとは、偏荷重により支持部に接触する
ウエハ部分内に結晶欠陥(転位)を生じることである。
一方、大型のウエハの荷重応力を緩和させるための手段
として実開昭62−128633号には円弧状板を支持
棒に固定した形状が提案されているが、面精度を出すの
が困難で高価になる。
【0008】この発明は、このような従来技術の欠点を
解消して、大きな寸法のウエハを積載して熱処理をして
もウエハに欠陥が発生し難い縦型ボートを提供すること
を目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明は、複数の支持
部材を縦方向に配列して、それらの支持部材に所定の間
隔で形成された複数の溝にそれぞれ複数の半導体ウエハ
を積載するためのウエハ用縦型ボートにおいて、ウエハ
の挿入始端側に位置する支持部材の形状が断面アーク状
であり、かつ該支持部材の前方端は、ウエハの中心とウ
エハの挿入方向とのなす角度(A、B)を100度以上
にしてウエハの外周方向に増大させたことを特徴とする
縦型ボートを要旨としている。
【0010】
【発明の効果】この発明によれば、半導体ウエハをボー
トの所定位置に積載した状態で、ウエハの挿入始端側に
位置する支持部材の前方端と、ウエハの中心と、ウエハ
の挿入方向とのなす角度が100度以上であるので、ウ
エハの重心がウエハの挿入始端側に位置する対向する2
つの支持部材の前方端間から相当に奥に入ったところに
位置する。その結果、ウエハの挿入始端側に位置する支
持部材への荷重負担が軽減され、ウエハに欠陥を生じる
危険が回避される。たとえばスリップ(ウエハ単結晶中
の結晶格子に乱れを生じること)が回避できる。
【0011】角度を100度以上としたのは、実験を重
ねることにより100度以上(さらに好ましくは115
度以上)にすればウエハの偏荷重現象を回避できること
が判明したからである。
【0012】
【実施例】図2は、この発明の第一実施例を示してい
る。同一の断面アーク状の支持部材3を縦方向に互いに
平行に配置している。これらの支持部材3の上方端部と
下方端部にはそれぞれ従来と同様に固定手段が設けられ
ているが、図示を省略している。支持部材3には所定の
間隔で複数の溝3aが形成されている。4本の支持部材
3の断面形状は全て同一であるが、溝3aの形は、全て
が同じではない。ウエハ1の挿入始端側に位置する2つ
の対向する支持部材3は、溝3aの底がウエハ1の挿入
方向Xと平行になるように形成してある。換言すると、
ウエハ1の外周円の接線方向に溝3aの底が沿ってい
る。ウエハ1の挿入後端側に位置する2つの支持部材3
は、溝3aの底がウエハ1の外周縁に対応したアーク形
状になっている。ウエハ1をボートの所定位置に積載し
た状態で、ウエハ1の挿入始端側に位置する支持部材3
aの前方端3bと、ウエハ1の中心1aと、ウエハ1の
挿入方向Xとのなす角度A、Bが約118度である。
【0013】図2の実施例で使用されている支持部材3
は、4本ともウエハ1の外周方向に延びた断面アーク形
状の板材料であり、図2の状態でウエハ1の中心1aか
ら支持部材3の両側になす角度は約30〜40度になっ
ており、溝3aの深さは、3mm〜7mmである。ま
た、支持部材3の4本は溝3aを含めてウエハ1の挿入
方向Xに対して線対称に配置されている。
【0014】図3は、この発明の第2実施例を示してい
る。
【0015】2対の断面アーク状の支持部材3、4を縦
方向に互いに平行に配置している。4本の支持部材3、
4はすべて同一の厚みを有する。支持部材3、4の外周
と内周はウエハ1の外周円とほぼ同心になっている。こ
れらの支持部材3、4の上方端部と下方端部にはそれぞ
れ従来と同様に固定手段が設けられているが、一方の固
定手段5だけを示し、他方の固定手段は図示を省略して
いる。ウエハ1の挿入始端側に位置する2本の対向する
支持部材3には所定の間隔で複数の溝3aが形成されて
いる。これらの2本の対向する支持部材3の断面形状は
同一であり、ウエハ1の外周方向における幅が広く設定
してある。このようにウエハ1の挿入始端側に位置する
2つの対向する支持部材3は、溝3aの底がウエハ1の
挿入方向Xと平行になるように(つまりウエハの接線方
向に)形成してある。ウエハ1の挿入後端側に位置する
2つの支持部材4は、ウエハ1の挿入始端側に位置する
2本の対向する支持部材3よりも狭い幅の板形状であっ
て、軽量化が図られている。溝4aの底はウエハ1の外
周縁に対応したアーク形状になっている。ウエハ1をボ
ートの所定位置に積載した状態で、ウエハ1の挿入始端
側に位置する支持部材3の前方端3bと、ウエハ1の中
心1aと、ウエハ1の挿入方向Xとのなす角度A、Bは
約120度である。
【0016】図3の実施例においてウエハ1の挿入始端
側で使用されている支持部材3は、2本とも幅が64m
mの断面アーク形状の板材料であり、図3の状態でウエ
ハ1の中心1aから支持部材3の両側端になす角度Cは
約36度になっている。溝3aの深さは、3mm〜10
mmである。他方のウエハの挿入後端側の支持部材4
は、2本とも幅が30mmの断面アーク形状の板材料で
あり、図3の状態でウエハ1の中心1aからウエハ1の
挿入始端側までの角度A、Bは、約120度になってい
る。溝4aの深さは、3mm〜10mmである。
【0017】また、支持部材3及び4の4本は溝3a、
4aを含めてウエハ1の挿入方向Xに対して線対称に配
置されている。
【0018】なお、図3において、角度Dは約90度、
Eは30度、Fは33度、Gは17度、Hは約3度であ
る。
【0019】前述の支持部材3、4はウエハ1の直径よ
りも大きな外径とウエハ1の直径よりも小さな内径を有
する円菅を所定形状に切断して作ることができる。その
後、それらの支持部材3、4に積載すべきウエハの枚数
分だけスリットを形成して溝3a、4aを作り、しかる
後、それらの支持部材3、4に上下の固定手段(板)を
固定する。
【0020】この発明は前述の実施例に限定されるもの
ではない。例えば、支持部材4は1本の場合もあり、丸
棒でもよい。また、角度Aと角度Bを相違させてもよ
い。
【0021】一方、図2及び3の実施例ではウエハ1の
挿入始端側に位置する2つの対向する支持部材3は溝3
aの底がウエハ1の挿入方向Xと平行になるように(つ
まりウエハの外周円の接線方向に)形成してあったが、
それよりもさらに外側に開くように形成することもでき
る。
【0022】表1に示すウエハの応力や変位量は、発生
する変位量および応力の各最大値であり、計算機による
シミュレーションで求めたものである。従来の対応する
タイプのボートに比較して、本発明品の応力や変位量が
大幅に少ないことが分かる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の縦型ボートの概略を示す図。
【図2】この発明の第1実施例による縦型ボートの概略
を示す図。
【図3】この発明の第2実施例による縦型ボートの概略
を示す図。
【符号の説明】
1 ウエハ 1a ウエハの中心 2 支持部材 3 支持部材 3a 溝 4 支持部材 4a 溝 ◆
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 21/68 T 8418−4M (72)発明者 沢登 伸治 東京都新宿区西新宿1―26―2 東芝セラ ミックス株式会社内 (72)発明者 金 富雄 神奈川県秦野市曽屋30番地 東芝セラミッ クス株式会社開発研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の支持部材を縦方向に配列して、そ
    れらの支持部材に所定の間隔で形成された複数の溝にそ
    れぞれ複数の半導体ウエハを積載するためのウエハ用縦
    型ボートにおいて、ウエハの挿入始端側に位置する支持
    部材の形状が断面アーク状であり、かつ該支持部材の前
    方端は、ウエハの中心とウエハの挿入方向とのなす角度
    を100度以上にしてウエハの外周方向に増大させたこ
    とを特徴とする縦型ボート。
JP34102092A 1992-11-30 1992-11-30 縦型ボート Ceased JP3280438B2 (ja)

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