JPH0616833A - 再生ポリグルカン薄膜の製造方法 - Google Patents

再生ポリグルカン薄膜の製造方法

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JPH0616833A
JPH0616833A JP6563893A JP6563893A JPH0616833A JP H0616833 A JPH0616833 A JP H0616833A JP 6563893 A JP6563893 A JP 6563893A JP 6563893 A JP6563893 A JP 6563893A JP H0616833 A JPH0616833 A JP H0616833A
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thin film
cellulose
substrate
film
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JP6563893A
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Gerhard Wegner
ゲールハルト、ヴェーグナー
Gerhard Dr Wenz
ゲールハルト、ヴェンツ
Matthias Schaub
マティアス、シャウプ
Armin Dr Stein
アルミン、シュタイン
Dieter Klemm
ディーター、クレム
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BASF SE
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    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08JWORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
    • C08J5/00Manufacture of articles or shaped materials containing macromolecular substances
    • C08J5/18Manufacture of films or sheets
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08BPOLYSACCHARIDES; DERIVATIVES THEREOF
    • C08B16/00Regeneration of cellulose
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08JWORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ポリグルカンをシリレート化剤と反応させ、
フィルムを形成し、脱シリレート処理することにより再
生ポリグルカンの均斉な薄膜を製造する方法において、
極めて簡単な態様で均斉な薄膜を再現可能に製造し、シ
リレート化剤を直接的に回収すること。 【構成】 フィルム形成をラングミュア/ブロジェット
法あるいはスピンコーティング法で行い、脱シリレート
処理を気状鉱酸もしくは有機酸で行うことを特徴とする
方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明はポリグルカンをシリレート化剤と
反応させ、フィルム形成し、脱シリレート処理すること
により再生ポリグルカン薄膜を製造する方法において、
フィルム形成をラングミュア/ブロジェット法あるいは
スピンコーティング法で行い、脱シリレート処理を気状
鉱酸もしくは有機酸で行うことを特徴とする方法に関す
るものである。
【0002】
【従来技術】セルロースのシリル誘導体および再生セル
ロースから繊維とフィルムを製造する方法は、「パピー
ル」35(1981)547−554頁におけるG.グ
レーベルおよびO.パシンゲルの論稿のみならず、西独
特許出願公開3104529号公報からも公知である。
この場合、セルロースはトリメチルクロロシランでシリ
レート化され、有機溶媒中のシリレートセルロースが成
形品に転化される。同時にあるいは後続処理において、
この成形品を少なくとも化学量論的量の水、好ましくは
酸性媒体の中で定量的に脱シリレートする。この公知文
献は、またo−トリメチルシリル−セルロースの溶液を
乾式紡糸により溶媒を蒸散させながら繊維とし、酸性試
薬で脱シリレートとし、あるいは凝固浴中に湿式紡糸す
る繊維製造方法にも言及している。乾式紡糸法における
酸性試薬による脱シレリレート処理は、未だ紡糸段階に
在る間に酸性媒体により、あるいは継続段階において種
々の温度、延伸率で酸性水浴中において行われる。
【0003】Makromol.Chem.191(1
990)2985−2991頁におけるD.クレム、
M.シュナーベルラオホおよびA.シュタインの論稿に
おいて、櫛状構造を有する光反応性セルロース誘導体が
開示されている。ここでは、o−トリアルキルシリルセ
ルロースが桂皮酸によりエステル化される。
【0004】種々の連鎖長、種々の置換度を有する両親
媒性セルロースエステル、例えばセルローストリオクタ
ネート、トリデカノエート、トリラウレート、ジラウレ
ートおよびトリパルミテートのラングミュア/ブロジェ
ット単一層もしくは多重層は、「ジャーナル、オブ、コ
ロイド、アンド、インターフェイス、サイエンス」10
(1985)290−293頁から公知である。
【0005】さらに「スィン、ソリッド、フィルムス」
133(1985)29−38頁において、T.カワグ
チ、N.ナカハラおよびK.フクダは、種々の異なるア
ルキル鎖を有するセルロースエステルの単分子膜および
多重分子膜について報告している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記のような公知技術
の存在下に、本発明の目的とするところは、ポリグルカ
ンをシリレート化剤と反応させ、フィルムを形成し、脱
シリレート処理することにより再生ポリグルカンの均斉
な薄膜を製造する方法において、極めて簡単な態様で均
斉な薄膜を再現可能に製造し、シリレート化剤を直接的
に回収することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】しかるに上述の目的は、
フィルム形成をラングミュア/ブロジェット法あるいは
スピンコーティング法で行い、脱シリレート処理を気状
鉱酸もしくは有機酸で行うことを特徴とする方法により
達成され得ることが本発明者らにより見出された。
【0008】すなわち本発明により、ポリグルカンをシ
リレート化剤と反応させ、フィルム形成し、脱シリレー
ト処理することにより再生ポリグルカン薄膜を製造する
方法においてフィルム形成をラングミュア/ブロジェッ
ト法あるいはスピンコーティング法で行い、脱シリレー
ト処理を気状鉱酸もしくは有機酸で行うことを特徴とす
る方法が提供される。
【0009】本発明方法における適当なシリレート化
剤、ないしシリルエステル化剤は、一般式(I)あるい
は(II)で表わされる化合物である。
【0010】
【化1】 式中、Halは塩素、臭素あるいは沃素をR1 ,R2
互いに同じでも異なっていてもよく、それぞれ炭素原子
数1から4のアルキルを、R3 は炭素原子数1から18
のアルキル、フェニル、トルイルあるいはベンジル、あ
るいはヘキサメチルジシラザンのようなヘキサアルキル
ジシラザンを意味する。
【0011】また好ましい気状鉱酸はHClおよびHB
rであり、好ましい気状有機酸は炭素原子数1から3の
モノカルボン酸である。
【0012】本発明方法において使用されるべきポリグ
ルカンは、シリル化ポリグルカンもしくはセルロースの
重合度DPが30から3000、置換度が1から3のセ
ルロースであるのが好ましい。
【0013】薄膜形成は種々の基板、例えば金属、ガラ
ス、シリコンあるいはプラスチックり表面上で行われる
が、薄膜は脱シリレート処理前にこの表面から除去され
る。
【0014】本発明はまた本発明方法により製造された
再生ポリグルカン薄膜は分離法あるいはセンサーシステ
ムのための膜として使用する方法を提供する。
【0015】酸水溶液を使用するセルロース繊維再生の
不利な点、すなわち紡糸浴から紡糸に使用した溶媒を回
収するのが困難であること、紡糸における外的条件(例
えば温度、紡糸速度)を変更し得る範囲が狭いこと、シ
リレート化剤の直接回収のための水を使用しない方法が
不可能であることなどが、本発明方法においてすべて克
服される。本発明における再生は気状の酸を使用して行
われる。
【0016】本発明方法は上述した一般式(I)のシレ
リート化剤の直接回収により、そのままあるいは基体上
に装着して広い範囲の用途、例えば分離用膜、センサ材
料などに使用される均斉で、薄い、緻密な再生ポリグル
カンないしセルロース薄膜を製造する方法を提供する。
【0017】以下において本発明方法をさらに具体的に
説明する。
【0018】まず本発明に適当なポリグルカンは、例え
ばセルロース、キチン、スターチであって、セルロース
は木綿リンターのみならず、木材パルプを設けられてお
り、含む。ポリグルカンは30から3000、ことに1
00から1500の重合度を有する。
【0019】シリレート化セルロースの製造方法は、公
知であって、例えばJ.Polym.Sci、A−1部
(1969)、7(7)、1947−58頁および「マ
クロモル、ヘミー」(1968)120、87−95頁
に記載されている。
【0020】ポリグルカンあるいはセルロースは、シリ
レート化剤、例えば上述したように一般式(I)あるい
は(II)で表わされる化合物と反応せしめられる。
【0021】
【化2】 上述したように、式中、Halは塩素、臭素、沃素を、
1 、R2 は互いに同じでも異なっていてもよく、それ
ぞれ炭素原子数1から4のアルキルを、R3 は炭素原子
数1から18のアルキル、フェニル、トルイルあるいは
ベンジルを意味する。
【0022】好ましくは、HalがCl、R1 、R2
それぞれCH3 もしくはC25 、R3 がCH3 、(C
32 CH−C(CH32 (=thexyl)もし
くはC817を意味する場合の式(I)の化合物および
式(II)の化合物、例えばヘキサメチルジシラザンで
ある。
【0023】セルロースのこのシリレート化は、一般的
に塩基、例えば1級もしくは2級アミン、ピリジンある
いはアンモニアの存在下に、不均一相もしくは均一相で
行われ得る。
【0024】ポリグルカン/セルロースとの反応で、ハ
ロゲン化水素(HHal)をもたらす、一般式(I)の
シリレート化剤の代りに、HHalをもたらさないシリ
レート化剤、例えばヘキサメチルジシラザンのようなジ
シラザンを使用することもできる。
【0025】本発明に使用されるべきセルロースのシリ
レート化度は、基R1 からR3 の炭素鎖長さの関数とし
て、広い範囲で変わり得る。
【0026】置換基R1 からR3 がそれぞれメチルであ
る場合のシリレート化ポリグルカンないしセルロース
は、1から3の置換度(DS)を有し、従って1から3
個のOH基がシリレート化され得るが、この場合の置換
度は2.3から2.8が好ましい。置換基R1 からR3
における炭素鎖長さが比較的長い場合、1から2.5の
置換度で、充分にシリレート化ポリグルカンを非極性、
水と非混合性の有機溶媒に可溶性にならしめ、従ってま
たラングミュア/ブロジェット法あるいはスピンコーテ
ィング法によるその後の処理を可能ならしめる。
【0027】シリレート化ポリグルカンを溶解させ得
る、この非極性、水と非混合性の有機溶媒としては、易
揮発性の脂肪族もしくは芳香族炭化水素、例えばヘキサ
ン、ベンゼン、シクロヘキサン、あるいはハロゲン炭化
水素、例えばクロロホルム、メチレンクロライド、ある
いはエステル、例えばエチルアセテートが適当である。
ラングミュア/ブロジェット法、これを実施する適当な
装置、そのために必要な前提条件などは、例えば196
6年インターサイエンスパプリッシャーズ刊、G.L.
ゲインズの「インソリュブル、モノレヤーズ、アット、
リクイド/ギャス、インターフェース」から周知であ
る。さらに他の多くの文献が、ラングミュア/ブロジェ
ット薄膜に関する3回の学会に関して刊行された「スィ
ン、ソリッド、フィルムズ」の160巻(1988
年)、159巻(1988年)、132−134巻(1
985年)、99号(1983年)から得られる。
【0028】シリレート化ポリグルカンは、揮発性溶
媒、例えばメチレンクロライド、クロロホルム、ベンゼ
ン、ヘキセン、エチルアセテートに、例えば0.01か
ら1重量%の濃度で溶解されるのが好ましく、その溶液
は、ラングミュアの水槽中の水表面上に拡散され、溶媒
が蒸散して残存するシリレート化ポリグルカンの単分子
層が、前述した固体材料基板上に転移される前に、慣用
の態様で予備圧縮される。これは一般に5から50℃、
ことに5から30℃の温度で行われる。
【0029】転移は、慣用の態様で、適当な清浄基板を
シリレート化ポリグルカン薄膜で覆われている水面下に
浸漬して行われ、多重層を必要とする場合にはさらに単
分子層を次々に転移して行われる。
【0030】シリレート化ポリグルカン薄膜のための基
板としては、広汎な各種の材料のいずれでもよいが、寸
法安定性の良好な固体が好ましい。例えば透明もしくは
不透明の、導電性もしくは非導電性の基板が使用され得
る。シリレート化ポリグルカン薄膜が置かれるべき基板
表面は疏水性化され得る。基板は疏水性材料で構成さ
れ、あるいはシリレート化ポリグルカン薄膜の載置前
に、慣用の態様で事前処理することにより疏水性化して
もよい。疏水性基板表面は、薄い層、ことに単分子層も
しくは多重分子層の形成を阻害しないようにできる限り
において清浄にされるべきである。例えば基板表面に表
面活性物質が存在する場合に、良好な単分子層ないし多
重分子層の形成が阻害される。しかしながら、シリレー
ト化ポリグルカン薄膜の載置前に、基板表面上に中間
層、例えばシリレート化ポリグルカン薄膜と基板表面と
の間に強い接着力をもたらすための層を形成することが
できる。
【0031】適当な基板材料は、例えば金、白金、ニッ
ケル、パラジウム、アルミニウム、クロム、ニオブ、タ
ンタル、チタン、スチールなどの金属である。さらにプ
ラスチック、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリ
ブチレンテレフタレートのようなポリエスチル、ポリビ
ニルクロライド、、ポリビニリデンクロライド、ポリテ
トラフルオロエチレンも適当である。
【0032】同様にしてシリコン、ガラス、二酸化シリ
コン、セラミックなども基板材料として使用され得る。
ガラス基板表面は、必要であれば、公知の態様で、例え
ばアルキルシランとの反応により疏水性化され得る。基
板材料の選定は主として本発明方法により形成されるべ
き薄膜の用途に応じてなされる。光学的素子のために
は、一般的に透明基板が選択される。本発明方法により
形成されるべき薄膜が、電気工学的用途にあるいは電気
化学的方法に使用される場合には、使用される基板は、
金属のような導電性材料あるいは金属性表面を有する材
料、例えば金属被覆したプラスチックフィルムである。
【0033】基礎材料として使用される基板、基体は、
用途に応じて種々の形態、例えばフィルムシート、タイ
ル、テープあるいはさらに円筒状体もしくはその他の形
状をとることができる。一般的には扁平、平坦な基板、
例えばフィルム、シート、箔、テープ、パネル等であっ
て、本発明薄膜で被覆されるべき表面は平滑であるのが
好ましい。フィルム、シート、テープなどの扁平、平坦
基板は、その一方の面あるいは両面に本発明による薄膜
を有する。これはラングミュア/ブロジェット法によ
り、疏水性基板に数千の分子層を転移することができ
る。
【0034】水表面から単分子薄膜を転移した直後に、
本発明により形成されたこの層を50から300℃、こ
とに100から200℃の範囲の温度に加熱することが
できる。本発明による層形成後のこの加熱は、層の特性
を安定させあるいは種々に改変することができる。
【0035】シリレート化ポリグルカンもしくはセルロ
ース薄膜の形成は、またスピンコーティング法で行われ
得る。スピンコーティング法自体は周知であって、例え
ばA.ワイルの「ザ、スピン、コーティング、プロセ
ス、メカニズム」、M.J.ケリーの「ザ、フィジック
ス、アンド、ファブリケーション、オブ、マイクロスト
ラクチャーズ、アンド、マイクロ、デバイセス」、19
86年、「フィジックス」13巻の「スプリンガー、プ
ロスィーディングズ」に記載されている。
【0036】使用されるべき溶媒および被覆されるべき
基板については、上述したラングミュア/ブロジェット
法の場合の説明が準用され得る。スピンコーティング用
のシリレート化ポリグルカンの溶液は、一般に0.5か
ら25重量%の濃度である。溶液の濃度および回転速度
(一般に500から4000rpm、ことに1000か
ら2500rpm)に応じて、厚さ0.1から10μm
の層が形成される。
【0037】ラングミュア/ブロジェット法もしくはス
ピンコーティング法により、厚さ0.1から10μm、
ことに0.3から4μmに形成されたシリレート化ポリ
グルカンの均斉な薄膜を脱シリレート処理するため、こ
の薄膜は被覆された基板上に在るままで、あるいは基板
から除去された後に行われる。
【0038】本発明において脱シリレート化は、気相鉱
酸、例えば10−22%濃度の、あるいは濃縮塩酸、臭
化水素、あるいは気相有機酸、例えば蟻酸、醋酸、プロ
ピオン酸のような揮発性カルボン酸で行われる。
【0039】シリレート化ポリグルカンの脱シリレート
処理は、気相の鉱酸もしくは有機酸を含有する雰囲気中
に薄膜を短時間、例えば10秒から5分置くだけで充分
である。この処理温度は、例えば0から100℃、こと
に5から50℃の比較的広い範囲内で行われ得る。
【0040】使用されたシリレート化剤が式(I)の化
合物であれば脱シリレート剤はハロゲン化水素であり、
この脱シリレート剤は回収され得る。
【0041】再生ポリグルカン薄膜の脱シリレートは、
IRスペクトル計、例えばFTIR(フーリエ、トラン
スフォームIR)により確認され得る。再生ポリグルカ
ン薄膜の層形状に関する情報は、X線回折により得られ
る。
【0042】本発明方法は極性および非極性の水性溶媒
耐性を有し、薄膜およびバイオ適正被覆、例えばバイオ
センサの作製に使用し得る親水性超薄層形成を始めて可
能ならしめる。さらに本発明により形成される再生セル
ロース薄膜の使用可能の用途としては、分離用薄膜、イ
オン選択センサ、ポリマー表面金属化被覆などが挙げら
れる。
【0043】以下の実施例により本発明をさらに具体的
に説明する。ここで使用される部および%は、特に明示
されない限り重量に関するものである。
【0044】
【実施例】実施例1および2 いずれにおいても、溶液は10ミリリットルのクロロホ
ルムもしくはn−ヘキサンに3mgのトリアルキルシリ
ルセルロースを溶解させて調製し、20℃のサブフェー
ズ温度で、膜平衡の水/空気界面に拡散させた。図1は
トリメチルシリルセルロースの圧力域等温線を示し、図
2はテキシルジメチルシリルセルロースの圧力域等温線
を示す。これから単分子層の破壊がいずれの場合にも2
5mN/m以上のみにおいて生起することが認められ
る。
【0045】ラングミュア/ブロジェット(LB)多重
層は、以下の転移パラメータを使用して作製された。
【0046】サブフェーズ温度、20℃ 表面張力、20mN/m 浸漬速度 1−20cm/分 使用した基板は、HMDS(ヘキサメチルジシラザン)
疏水性化した通常の顕微鏡ガラススライドあるいはHM
DSもしくはNH4 Fで疏水性化したシリコンウエーハ
である。基板の浸漬時の転移割合は100±5%とし
た。
【0047】セルロース再生のため、LB層は18%濃
度以上の塩酸気相雰囲気中に10−60秒間保持され
た。IRスペクトル計はトリアルキルシリル側基の定量
的脱落を示した。
【0048】実施例3 スピンコーティング法による薄膜形成のため、7ミリリ
ットルのクロロホルムに200mgのトリメチルシリル
セルロースを溶解させた溶液を、親水性シリコンディス
ク上に滴下した。回転速度2000rpmで3000Å
厚さの層が得られた。
【0049】この薄膜を濃塩酸気相雰囲気中に30秒間
保持した。IRスペクトル計は、トリメチルシリル基の
定量的脱落を示した。
【0050】実施例4 (セルロース再生監視のためのFTIRスペクトル)F
TIRスペクトル計により、トリアルキルシリルセルロ
ースからの側鎖基の脱落を監視することが可能であり、
従ってまたセルロースのLBおよびスピンコート形成薄
膜中における再生が可能である。
【0051】図3および図4は、トリメチルシリルセル
ロースの80層の単分子層から成るLB薄膜(全層厚さ
約712Å)の、基板浸漬方向にそれぞれ平衡および垂
直に照射偏向して記録されたFTIRスペクトルを示
す。1000cm-1と1200cm-1間のバンドの二色
性は、浸漬方向に平行なポリマー連鎖の好ましい配向を
示す。
【0052】試料を気相HClで処理した後、これは図
5および図6におけるFTIRスペクトルを示した。シ
リル側鎖基バンド(1250cm-1および898cm-1
におけるSi−C振動)は消失している。2900から
3000cm-1のC−H振動バンドの強度は低減してい
るが、OHバンドの強度は急激に増大している。従って
脱シリレート化は、浸漬方向に平行なポリマー連鎖の好
ましい配向を保持しているセルロースのFTIRスペク
トルを残す。
【0053】厚さ3000Åのスピンコートされたセル
ロースは、類似する態様で再生された。図7および図8
は、それぞれ脱シリレート化処理する前と後のFTIR
スペクトル(非偏光)を示す。セルロースの再生は、対
応するLB薄膜におけるFTIRと同様の特徴的変化を
示す。この測定結果は、比較的厚い薄膜でも気相HCl
処理により極めて短時間で定量的に脱シリレート化され
得ることを示している。
【0054】実施例5 (層パラメータを決定するためのX線反射測定)LB薄
膜におけるX線反射は、層厚さ、周期律性および表面特
性に関する情報をもたらす(J.Physique 4
8(1987)、679におけるF.リュートード、
J.J.ベナター、L.ボシオ、P.ロビン、C.ブロ
ート、R.ド、クーチコフスキーの論稿参照)。
【0055】図9はトリメチルシリルセルロース単分子
層の50層から成るLB薄膜のX線反射曲線を示す。曲
線の検討により以下の層ないし膜のパラメータが示され
る。 周規性 17.8Å 表面粗さ 7Å 全層厚さ 445Å この反射曲線は、平滑な表面を有する均斉な膜構造と、
トリメチルシリルセルロース層の周規的配列を示す。気
相HClによるセルロース再生は、図10の反射曲線を
もたらした。これは以下のパラメータを示す。
【0056】表面粗さ 7Å 全層厚さ 198Å 脱シリレート処理は、50%以上の膜厚さの低減をもた
らし、表面粗さを僅かに増大させた。周期的層構造はも
はや認められなかったが、反射曲線は依然として基板の
均斉な被覆を示す。すなわち、本発明によるセルロース
再生処理は、LB薄膜に重大な非均斉性ないし欠陥をも
たらさないことは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【図1】20℃のサブフェーズ温度におけるトリメチル
シリルセルロース(DS=2.8、DP=150)の圧
力域等温線である。
【図2】20℃のサブフェーズ温度におけるテキシルジ
メチルシリルセルロース(DS=1.6、DP=20
0)の圧力域等温線である。
【図3】シリコン基板上に実施例3に示されるようにし
てLB薄膜を形成し、IR放射の電界ベクトルを基板浸
漬方向に平行に配向して得られた、80層のトリメチル
シリルセルロース(DS=2.8、DP=150)LB
薄膜のFTIRスペクトルである。
【図4】シリコン基板上に実施例3に示されるようにし
てLB薄膜を形成し、IR放射の電界ベクトルを基板浸
漬方向に直角に配向して得られた、80層のトリメチル
シリルセルロース(DS=2.8、DP=150)LB
薄膜のFTIRスペクトルである。
【図5】電界ベクトルを基板浸漬方向に平行にして偏光
した、再生セルロース(実施例2により形成)超薄膜の
FTIRスペクトルである。
【図6】電界ベクトルを基板浸漬方向に直角にして偏光
した、再生セルロース(実施例2により形成)超薄膜の
FTIRスペクトルである。
【図7】実施例3により形成したトリメチルシリルセル
ロース(DS=2.8、DP=150)スピンコート薄
膜のFTIRスペクトルである。
【図8】実施例3により形成した再生セルロース薄膜の
FTIRスペクトルである。
【図9】実施例2により形成したトリメチルシリルセル
ロース(DS=2.8、DP=150)50層から成る
LB薄膜のX線反射曲線である。
【図10】実施例2により形成した再生セルロース超薄
膜のX線反射曲線である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 マティアス、シャウプ ドイツ連邦共和国、6500、マインツ、ア ム、ローゼンガルテン、27 (72)発明者 アルミン、シュタイン ドイツ連邦共和国、6908、イェーナ、ヘル マン−ピストル−シュトラーセ、17 (72)発明者 ディーター、クレム ドイツ連邦共和国、5300、ヴァイマル、ア ム、ヴァルトシュレスヒェン、7

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリグルカンをシリレート化剤と反応さ
    せ、フィルム形成し、脱シリレート処理することにより
    再生ポリグルカン薄膜を製造する方法において、フィル
    ム形成をラングミュア/ブロジェット法あるいはスピン
    コーティング法で行い、脱シリレート処理を気状鉱酸も
    しくは有機酸で行うことを特徴とする方法。
JP6563893A 1992-03-25 1993-03-24 再生ポリグルカン薄膜の製造方法 Withdrawn JPH0616833A (ja)

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