JPH0616823U - オイルレベルゲージ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】オイルパン内のエンジンオイル量を正確に測定
できるオイルレベルゲージを提供すること。 【構成】オイルパン２に連通して設けられたゲージガイ
ド２に空気抜き穴５及び凸部４ｂを形成し、ゲージガイ
ド２に挿通されるレベルゲージ６にＯリング８を装着し
た。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、オイルパン内のエンジンオイル量を確認する際に使用されるオイル レベルゲージに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、エンジン内部にはシリンダとピストン、クランクシャフトとベアリング 等の金属同士が接触する摺動部が多数存在している。これら金属同士の接触によ る摩擦抵抗を減少し、動力の損失やそれらの摩耗を防止するため、エンジン内部 の各摺動部に潤滑油（エンジンオイル）を供給して摺動部を円滑に運動させる潤 滑装置が設けられている。この潤滑装置はオイルパン、オイルストレーナ、オイ ルポンプ、オイルフィルタ等により構成されている。

【０００３】 図３に示すように、オイルパン３１はシリンダブロック３２の下部と連結して おり、その内部にはエンジンオイル３３が貯溜されている。そして、図示しない オイルポンプにより各摺動部にエンジンオイルが供給されて各摺動部の潤滑が行 われるようになっている。

【０００４】 前記オイルパン３１に貯溜されるエンジンオイル量は予め規定されており、こ の規定量よりもエンジンオイル３３が少ない場合には、摺動部に供給される潤滑 油量が少なくなり、十分に摺動部の潤滑を行うことができなくなる。

【０００５】 また、オイルパン３１内のエンジンオイル量が規定量よりも多い場合には、摺 動部の潤滑を十分に行うことはできるが、ブローバイガス通路３４からブローバ イガスとともにエンジンオイル３３が吸気側に吹き出すおそれがある。この場合 、そのエンジンオイルが燃焼室内に供給され、燃焼室内に供給されたエンジンオ イルが燃焼する。その結果、燃料供給を絞ってエンジン出力を抑えるようにして いるにもかかわらず、エンジン出力が出すぎてエンジンがオーバランするおそれ がある。

【０００６】 従って、随時オイルパン３１には規定量のエンジンオイル３３が貯溜されてい なければならない。 前記エンジンオイル量の確認はオイルレベルゲージ３５により行う。前記オイ ルレベルゲージ３５はオイルパン３１と連通するゲージガイド３８及び同ゲージ ガイド３８に挿通される測定バー３６、同測定バー３６の上部に装着されたスト ッパ３７より形成されている。

【０００７】 そして、オイル量の測定は前記ゲージガイド３８に対してストッパ３７が固定 されるまで測定バー３６をゲージガイド３８に差し込む。次に測定バー３８をゲ ージガイド３８から抜き取って、測定バー３８に付着したエンジンオイルの付着 位置を確認する。すなわち、オイルパン３１内のエンジンオイル面とゲージガイ ド３８内のエンジンオイル面とは同位であるため、測定バー３６に付着するエン ジンオイルの付着位置により、オイルパン３１内のエンジンオイル量を測定でき る。

【０００８】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、前記ゲージガイド３８に測定バー３６及びストッパ３７を差し 込んだ際、ストッパ３７とエンジンオイル３３間の空気が圧縮され、その空気に よりゲージガイド３８内のエンジンオイル３３がオイルパン３１側に移動する。 その結果、オイルパン３１内のエンジンオイル面が上昇する。

【０００９】 すなわち、オイルパン３１内には規定量でエンジンオイル３３が貯溜されてい るにもかかわらず、ゲージガイド３８に測定バー３６及びストッパ３７を差し込 んだ際に、ストッパ３７とエンジンオイル３３間の圧縮空気によりゲージガイド ３８内のエンジンオイル面が押し下げられて規定量よりも低くなる。

【００１０】 その結果、エンジンオイル量の点検時において、点検者は測定バー３６に付着 したエンジンオイルの付着位置が低い位置であることから、オイルパン１内のエ ンジンオイルが不足していると判断し、その不足分だけエンジンオイルを補充す ることとなる。従って、オイルパン３１内のエンジンオイル量は規定量よりも多 くなってしまう。その結果、前述したような問題点が発生する。

【００１１】 本考案は上記問題点を解消するためになされたものであって、その目的はオイ ルパン内のエンジンオイル量を正確に測定できるオイルレベルゲージを提供する ことにある。

【００１２】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、本考案では、オイルパンに連通して設けられた 筒状のゲージガイドと、前記ゲージガイドに挿通固定されるレベルゲージと、前 記ゲージガイドに設けられた空気抜き穴と、エンジン運転中における前記空気抜 き穴からのエンジンオイルの漏出を防止するオイル漏れ防止手段とを備えたこと をその要旨とする。

【００１３】

【作用】

オイルパン内のエンジンオイル量を確認する際は、ゲージガイドに挿通されて いる測定バーをゲージガイドから抜き取る。このとき、測定バーに付着したエン ジンオイルの付着位置に基づいてオイルパン内のエンジンオイル量を確認する。

【００１４】 そして、エンジンオイル量の確認が終わった場合には、測定バーをゲージガイ ドに差し込む。 このとき、ゲージガイド内で圧縮された空気はゲージガイドに形成された空気 抜き穴から抜け出る。従って、圧縮空気によりゲージガイド内のエンジンオイル はオイルパン側に移動されない。

【００１５】 また、エンジン運転中においては、オイル漏れ防止手段によって空気抜き穴か らのエンジンオイルの漏出が防止される。

【００１６】

【実施例】

以下、本考案を具体化した一実施例を図１及び図２に基づいて説明する。 図１に示すように、エンジンオイル１が貯溜されたオイルパン２には筒状のゲ ージガイド３が上方に突出するように連結されている。このゲージガイド３の略 中央周縁には、オイル漏れ防止手段としてのくぼみ４ａが形成されている。すな わち、ゲージガイド３の略中央内周は凸部４ｂが突出形成されている。また、ゲ ージガイド３の上部には空気抜き穴５が形成されている。

【００１７】 このゲージガイド３には測定バー６及びその上部に固定されたストッパ７が差 し込まれている。前記測定バー６はその外周にオイル漏れ防止手段としてのＯリ ング８が装着されている。また、ストッパ７はゴム材から形成され、ゲージガイ ド３の内周と接する差込部９と、前記ゲージガイド３の外周に接する固定部１０ とから形成されている。そして、差込部９及び固定部１０とにより前記ゲージガ イド３の上部を挟持して、測定バー６をゲージガイド３に対して固定していると ともに、ゲージガイド３の上部開口からエンジンオイルの漏出を防止している。

【００１８】 前記Ｏリング８は、エンジンの駆動時においてゲージガイド３に測定バー６及 びストッパ７が差し込まれた状態で、前記ゲージガイド３の凸部４ｂと当接（図 ２の実線の状態）する位置となるように測定バー６の外周に装着されている。す なわち、前記Ｏリング８の外形は前記凸部４ｂの内径よりも大径に形成され、か つ、ゲージガイド３の内径よりも小径に形成されている。

【００１９】 次に、オイルパン２に貯溜されているエンジンオイル量の測定時について説明 する。 まず、ゲージガイド３に差し込まれている測定バー６及びストッパ７を抜き取 り、測定バー６に付着しているエンジンオイルをウエス等で拭き取る。次にエン ジンオイルが拭き取られた測定バー６及びストッパ７を再度ゲージガイド３に差 し込む。そして、Ｏリング８がゲージガイド３の凸部４ｂに到達した際、ストッ パ７の上方から強い力を加えることにより、Ｏリング８が収縮して（図２の二点 鎖線の状態）ゲージガイド３の凸部４ｂを乗り越る。従って、測定バー６をさら に差し込むことができる。

【００２０】 前記Ｏリング８がゲージガイド３の凸部４ｂを乗り越えた際、Ｏリング８とエ ンジンオイルとの間に存在していた空気は下側、すなわちエンジンオイル側に圧 縮される。従って、その空気によりゲージガイド３内のエンジンオイルはオイル パン２側に移動し、オイルパン２内のエンジンオイル面は上昇する。なお、この とき既にストッパ７はゲージガイド３の上端に接している。

【００２１】 その後、さらにストッパ７の上方から力を加え、測定バー６を所定量よりもゲ ージガイド３に差し込んで、凸部４ｂからＯリング８を離間させる（図２の一点 鎖線の状態）。凸部４ｂからＯリング８が離間することによりＯリング８と凸部 ４ｂとの間に隙間ができ、前記圧縮されていた空気はその隙間から上方に移動し 、空気抜き穴５から外に抜け出る。

【００２２】 その結果、前記圧縮空気によって上昇した分だけオイルパン２内のエンジンオ イルがゲージガイド３側に戻り、オイルパン２内のエンジンオイル面の高さはゲ ージガイド３内のエンジンオイル面の高さと同一となる。

【００２３】 そして、前記圧縮空気が空気抜き穴５から抜け出た後、ストッパ７の上方に加 えていた力を抜いて測定バー６の差込量を通常の位置に復帰させる。従って、前 記Ｏリング８は凸部４ｂに再度接触する。

【００２４】 この状態で、再度ゲージガイド３から測定バー６を抜き取ることで、測定バー ６にはオイルパン２内のエンジンオイル面の高さに対応する位置でエンジンオイ ルが付着する。すなわち、正確なオイルパン２内のエンジンオイル量を測定する ことができる。

【００２５】 上記のように、本実施例ではエンジンオイル量を正確に測定できるので、エン ジン内の各摺動部に適量のエンジンオイルを供給することができるとともに、燃 焼室内にはエンジンオイルが供給されることがなくなる。その結果、より信頼性 あるエンジンを提供することができる。

【００２６】 なお、本考案は上記実施例に限定されるものではなく、考案の趣旨を逸脱しな い範囲で例えば、測定バー６には何も装着しないとともに、ゲージガイド３にも 凸部４ｂを形成しないで、空気抜き穴５に気体は通過可能で、かつ液体は通過不 可能なオイル漏れ防止手段を構成するフィルタを装着して、空気抜き穴５からエ ンジンオイルの漏出を防止するようにしてもよい。

【００２７】

【考案の効果】

以上詳述したように、本考案によれば、オイルパン内のエンジンオイル量を正 確に測定できるので、オイルパン内にエンジンオイルを過剰に注入することがな い。従って、ブローバイガスとともにエンジンオイルが燃焼室に吹き出すことが なくなり、エンジンオイルの燃焼によるエンジンのオーバランを確実に防止する ことができるという優れた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本実施例を具体化した一実施例のオイルレベル
ゲージを示す部分断面図である。

【図２】図１におけるＡ部拡大図である。

【図３】従来のオイルレベルゲージを示すエンジンの断
面図である。

【符号の説明】

１…エンジンオイル、２…オイルパン、３…ゲージガイ
ド、４ｂ…オイル漏れ防止手段としての凸部、５…空気
抜き穴、６…測定バー、７…ストッパ、８…オイル漏れ
防止手段としてのＯリング

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 オイルパンに連通して設けられた筒状の
   ゲージガイドと、 前記ゲージガイドに挿通固定される測定バーと、 前記ゲージガイドに設けられた空気抜き穴と、 エンジン運転中における前記空気抜き穴からのエンジン
   オイルの漏出を防止するオイル漏れ防止手段とを備えた
   オイルレベルゲージ。