JPS6121531Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、飛沫潤滑方式の内燃機関において、
オイル油面を検出することによりオイル不足を生
じた場合に警告を発生させるオイル油面検出装置
に関するものである。

〔従来の技術〕

従来一般にこの種のオイル油面検出は、作業者
により機関停止時オイルレベルゲージを抜き差し
て人為的に行われているが、これを怠ることによ
りオイル不足を看過して機関各部に焼付きを生じ
ることが度々生ずる不都合があつた。

もつとも、このような不都合を解消する先行技
術例として、実開昭56−45111号公報に示された
ものがあるが、これによれば、クランクケース
に、その中のオイルが所定のレベル以下になると
開口する１本の圧力検出パイプを挿通し、該検出
パイプのクランクケース外方の端部には、該ケー
ス内の脈動圧により作動されるスイツチ部を、電
源、表示灯、点滅用リレーなどから成る点滅表示
回路の一箇所に組み込むようにして構成されてい
る。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかしながら、この先行技術例のものでは、ク
ランクケース内のオイルのレベルが所定値以上で
あるか所定値以下であるかしか分らず、従つて、
オイル補給後のオイルの残量、消費経過などを知
るには、オイルレベルゲージをクランクケースに
対し着脱してて使用しなければならず、その操作
が面倒であるうえ、前記脈動圧により作動するス
イツチ機構、および電源、点滅リレーなどを有す
る前記点滅表示回路を必要とするため、構造が複
雑となり、しかも、エンジンの振動により表示灯
の線が切れてオイルレベルが所定値以下になつて
も表示灯が点滅せず、これによりエンジンが焼付
く恐れがあるなどの問題がある。

本考案は、このような問題のない内燃機関のオ
イル油面検出装置を提供することを目的とするも
のである。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は、前記の目的を達成するため、次のよ
うな構成を有している。すなわちクランクケース
には、その内部のオイルの最高レベルと最低レベ
ルとの間に所定の高さの差を設けて複数の圧力検
出パイプを挿通すると共に、各圧力検出パイプの
クランクケース外方の端部には、警告手段を設
け、該警告手段は、前記各圧力検出パイプと連通
する室と、該室内に、圧力検出パイプ側より順次
配設されて遊挿される逆止弁を兼ねるボール、警
告表示板と、該室の警告表示板側に位置するよう
に設けられクランクケース内の脈動圧が作用する
と移動する前記警告表示板が検知できる表示窓と
より構成したことを特徴とするものである。

〔実施例〕

以下、図面を参照して本考案の一実施例を具体
的に説明する。第１図において、符号１はクラン
クケースであり、このクランクケース１内の底部
に潤滑用のオイルが所定量溜つている。また、ク
ランクケース１には、その内部のオイル油面の最
高レベルＡと最低レベルＢの間に複数本の圧力検
出パイプ２ａ，２ｂ…が所定の高さの差を設けて
挿通して取付けられている。

ところで、クランクケース１内のオイル油中で
は圧力は、第３図ａで示すような負圧になつてお
り、その上部空間では、同図ｂのように正負に周
期的に変化する脈動圧になつていることから、上
記圧力検出パイプ２ａ，２ｂ…により、それらの
位置とオイル油面との関係で第３図ａ，ｂのいず
れか一方の圧力が取出されることになる。そし
て、これらのパイプ２ａ，２ｂ…の、クランクケ
ース１の外方に位置する端部には、警告手段３が
設けられている。

警告手段３は、第２図に詳記するように、圧力
検出パイプ２ａと連通する室４ａに、逆止弁を兼
ねたボール５ａとこのボール５ａの上に位置する
赤等の色を施した警告表示板６ａとが遊挿され、
更にその上に表示窓７ａが配置されて形成され、
他のパイプ２ｂ…にもこれと全く同様に形成され
た警告手段が設けられて構成されている。

本考案は、このように構成されることで、オイ
ル油面が、最高レベルＡから若干減つて例えば第
１図に示すように圧力検出パイプ２ａと２ｂの間
に位置すると、そのオイル油面の上方に出ている
圧力検出パイプ２ａからは第３図ｂで示すような
脈動圧が取出されるため、その正圧で警告手段３
においてボール５ａ、表示板６ａなどが室４ａ内
で押上げられるので、表示板６ａが表示窓７ａか
ら検知することができる。

一方、オイル油中の圧力検出パイプ２ｂからは
第３図ａのような負圧が取出され、これによりこ
の警告手段３では、表示板６ａは、表示窓７ａに
現われることなく室４ｂの下部においてボール５
ｂの上に乗つてる。従つて、クランクケース１内
のオイルの量の減少に伴い、圧力検出パイプ２
ａ，２ｂ…を介して室４ａ，４ｂ…に作用するク
ランクケース１内の脈動圧がボール５ａ，５ｂ…
警告表示板６ａ，６ｂ…に順次作用してこれらを
上昇するから、これらの表示板６ａ，６ｂ…が表
示窓７ａ，７ｂ…により順次検知することができ
るから、結局表示窓７ａ，７ｂ…から検知される
表示板６ａ，６ｂ…の数によりオイルの現在時の
残量の表示が行われることになり、かつ、このこ
とからオイルの不足を警告することができる。

〔考案の効果〕

以上の説明から明かなように本考案によると、
クランクケース１内のオイルの油中とその上部空
間の脈動圧を利用することで、現在時のクランク
ケースのオイル残量、オイルの消費経過などを知
ることができ、従つて、オイルの不足が警告され
ることになり、一方オイルゲージを設ける必要が
なく、かつ、警告手段は、クランクケース内の圧
力が直接にボール、警告表示板に作用してこれら
を作動するものであるから、構造が簡単になり、
しかも、故障が少なく信頼性も高く、従つて、実
用的価値が高いオイル油面検出装置を提供するこ
とができる。なお、警告手段３の設置場所は、パ
イプ配管により自由に選択することができ、機関
が防音箱内に収容されるような場合に特に有効で
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による装置の一実施例を示す全
体の構成図、第２図は要部の断面図、第３図ａ，
ｂはオイル油中とその外の圧力を示す図、第４図
は他の実施例の断面図である。 １……クランクケース、２ａ，２ｂ……圧力検
出パイプ、３……警告手段、４ａ，４ｂ……室、
５ａ，５ｂ……ボール、６ａ，６ｂ……警告表示
板、７ａ，７ｂ……表示窓。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. クランクケースには、その内部のオイルの最高
   レベルと最低レベルとの間に所定の高さの差を設
   けて複数の圧力検出パイプを挿通すると共に、各
   圧力検出パイプのクランクケース外方の端部に
   は、警告手段を設け、該警告手段は、前記各圧力
   検出パイプと連通する室と、該室内に、圧力検出
   パイプ側より順次配設されて遊挿される逆止弁を
   兼ねるボール、警告表示板と、該室の警告表示板
   側に位置するように設けられクランクケース内の
   脈動圧が作用すると移動すると前記警告表示板が
   検知できる表示窓とより構成したことを特徴とす
   る内燃機関のオイル油面検出装置。