JPH06167719A - 積層型液晶表示装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 位置合わせマーカーの視認性を向上し、液晶
セルのずれを容易に検出できるようにする。 【構成】 透明電極で構成されており、且つ作動用の電
圧を個別に印加できる位置合わせマーカー３を各液晶セ
ル１ａ，１ｂ，１ｃの同じ位置にそれぞれ形成した。 【効果】 ２個の液晶セルの位置合わせマーカーに電圧
を印加してそれらのマーカーを作動状態とすることによ
り、２個のマーカーの重なり具合からセル間のずれの有
無やずれの大きさを容易に検出できる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、積層型の液晶表示装
置において各液晶セルの位置合わせを容易にするための
改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】積層型の液晶表示装置は２枚の透明基板
の間に液晶を封入した構造の複数個の液晶セルを２層以
上重ねたものであって、同一の表示パターンを持つ各液
晶セル相互間にずれが生じないように正確に位置合わせ
して積層する必要がある。このため、従来は透明電極膜
で位置合わせマーカーを形成し、これを直接目視して位
置を合わせながら積層する方法、液晶セルの外形を一致
させて位置合わせする方法、透明電極膜ではなく金属膜
によって形成したマーカーで位置合わせする方法、点灯
状態で各液晶セルの画素を目視確認して位置合わせする
方法等が実施されている。

【０００３】しかしながら、透明電極膜は文字通りほぼ
透明であるため視認性が悪く、外形で合わせる場合には
寸法公差のために正確な位置合わせが困難である。また
金属膜によるものでは、液晶セルがＣＯＧ方式でない場
合にはわざわざ金属膜を成膜する必要があり、ＣＯＧ方
式であれば金属膜自体の成膜は容易であっても同一形状
のマーカーではどの液晶セルがどの程度ずれているかの
判断が困難であり、判断を容易にするためには異形状と
すればよいが、その場合には各液晶セルごとにフォトマ
スクが必要となってコスト高になるなど、いずれの方法
にも多くの問題点がある。また位置合わせを容易にする
ためには、視認性がよいだけでなく、どの液晶セル間で
どの程度のずれが生じているかが的確に判断できる必要
があるが、従来の方法ではこの要求に十分応えることが
できなかった。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】この発明はこの点に着
目し、位置合わせマーカーの視認性を向上し、しかもど
のセル間でどの程度のずれが生じているかを容易に検出
できるようにすることを課題としてなされたものであ
る。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するた
めに、この発明では、透明電極で構成され、且つ作動用
の電圧を個別に印加できる位置合わせマーカーを積層さ
れる各液晶セルの同じ位置にそれぞれ形成している。

【０００６】

【作用】ずれの状態を確認しようとする２個の液晶セル
の位置合わせマーカーに電圧を印加してそれらのマーカ
ーを作動状態とすることにより、２個のマーカーの重な
り具合から対象としているセル間のずれの有無やずれの
大きさが判明するので、マーカーを作動状態とする液晶
セルの組合せを順次変えることにより、積層されている
すべての液晶セルのずれを確認して位置合わせすること
ができ、ずれの補正も容易となる。

【０００７】

【実施例】次に、図示の一実施例について説明する。図
１において、１は同一の表示パターンを持つ液晶セル１
ａ，１ｂ，１ｃを積層して構成された液晶表示装置、２
はその有効表示面、３は位置合わせマーカーである。各
液晶セル１ａ，１ｂ，１ｃは２枚のガラス基板の間に液
晶を封入した周知の構造のものであって、図２に示すよ
うに有効表示面２を構成する無数の画素４を備えてお
り、更に例えば円形の表示電極３ａと環状の表示電極３
ｂ，３ｃを液晶セルの一方のガラス基板に同心状に形成
し、この表示電極３ａ〜３ｃに対応して他方のガラス基
板に共通電極３ｄを形成することによって位置合わせマ
ーカー３が構成されている。この位置合わせマーカー３
は例えば有効表示面２より外側のコーナ部の４箇所また
は２箇所に設けられる。なお、各画素４と表示電極３ａ
〜３ｃは断面ではないが斜線を付けて示してある。

【０００８】図３は位置合わせマーカー３の各電極への
電圧供給回路の構成の一例を示したものである。すなわ
ち、有効表示面２の画素４用として一方のガラス基板に
形成された帯状の走査側電極５のうち、最も外側の電極
５ａ〜５ｃをそれぞれ表示電極３ａ〜３ｃに接続してあ
り、また他方のガラス基板に画素４用として形成された
帯状の信号側電極６のうち、最も外側の電極６ｄを共通
電極３ｄに接続してある。なお、各表示電極３ａ〜３ｃ
は各液晶セルについて全く同じ位置に同じ形状で形成さ
れている。

【０００９】実施例の液晶表示装置１は上述のような構
成であり、各液晶セルの位置合わせは次のようにして行
われる。例えばまず液晶セル１ａの電極５ａと６ｄ間に
電圧を印加してその表示電極３ａを表示させ、液晶セル
１ｂは電極５ｂと６ｄ間に電圧を印加してその表示電極
３ｂを表示させる。これにより、本来同心状となるべき
円形の表示電極３ａと環状の表示電極３ｂが表示される
ので、両者の位置関係から液晶セル１ａ，１ｂ間のずれ
の状態を目視確認することができ、位置の修正を行うこ
とができる。同様な手順により液晶セル１ｃの電極５ｃ
と６ｄ間に電圧を印加してその表示電極３ｃを表示させ
ることにより、他の液晶セル１ａあるいは１ｂとのずれ
を目視確認し、位置を修正することができるのである。
なお、各液晶セルの位置が完全に一致した場合には、各
液晶セルのすべての表示電極３ａ〜３ｃを表示状態とし
た時に全部が重なって１個の液晶セルの表示電極３ａ〜
３ｃを表示状態にした場合と同じ状態となる。

【００１０】図３は走査側電極５と信号側電極６の一部
を位置合わせマーカー３の電圧印加用に流用したもので
あるが、位置合わせマーカー３用として別に電極を設け
てもよい。図４はその一例を示したものであり、給電専
用電極７ａ〜７ｄを設けてこれを表示電極３ａ〜３ｄに
それぞれ接続してある。

【００１１】また、上記の例は形状の異なる３種類の表
示電極３ａ〜３ｃで位置合わせマーカー３を構成し、形
状の異なる電極を選択的に表示状態にして位置ずれを検
出するようにしており、相互の位置の確認が容易となる
利点がある。しかし、位置合わせマーカー３は必ずしも
形状の異なる表示電極の組合せとする必要はなく、同じ
形状の１個の表示電極のみとしてその重なり具合で位置
ずれを検出するようにしてもよい。例えば、減法混色に
よる積層型カラー液晶表示装置では、イエロー、マゼン
ダ、シアンのカラー偏光板をそれぞれの液晶セルの両面
に貼り付けた構成であり、３色が重なった部分が黒、位
置ずれの部分はカラー偏光板の色となるので、位置合わ
せマーカーの形状が同一であっても位置ずれしている液
晶セルとそのずれの程度を明確に検出することが可能で
ある。

【００１２】

【発明の効果】上述の実施例から明らかなように、この
発明は、同一の表示パターンを持つ液晶セルを２層以上
重ねた積層型の液晶表示装置において、作動用の電圧を
個別に印加できる位置合わせマーカーを各液晶セルの同
じ位置にそれぞれ形成したものである。従って、積層さ
れた２個の液晶セルの位置合わせマーカーに電圧を印加
してそれらのマーカーを作動状態とすることにより、２
個のマーカーの重なり具合からセル間のずれの有無やず
れの大きさを検出し、どの液晶セルがどの程度ずれてい
るかを良好な視認性のもとで容易に判断するとが可能と
なり、またそのずれを迅速に補正することも容易となる
のである。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の一実施例の斜視図である。

【図２】同実施例における液晶セルの要部の平面図であ
る。

【図３】同実施例における電極パターンを示す平面図で
ある。

【図４】同実施例における他の電極パターンを示す平面
図である。

【符号の説明】

１ 液晶表示装置 １ａ，１ｂ，１ｃ 液晶セル ３ 位置合わせマーカー ３ａ，３ｂ，３ｃ 表示電極 ３ｄ 共通電極 ５，５ａ，５ｂ，５ｃ 走査側電極 ６，６ｄ 信号側電極 ７ａ，７ｂ，７ｃ，７ｄ 給電専用電極

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 同一の表示パターンを持つ液晶セルを２
   層以上重ねた積層型の液晶表示装置において、透明電極
   で構成され、且つ作動用の電圧を個別に印加できる位置
   合わせマーカーを各液晶セルの同じ位置にそれぞれ形成
   したことを特徴とする積層型液晶表示装置。