JPH0616729B2 - 厨房設備 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、シンクや調理器具等を備えた厨房設備に関す
る。

〔従来の技術〕

従来の厨房設備は、建屋の状況に応じて流し台や調理器
具等の配置を決め、調理のみでなく食事空間としても最
適に利用できるようにすることに開発の基盤が置かれて
いた。そして、近来になって、システムキッチンが我が
国でも一般家庭に受け入れられるようになり、調理作業
の効率化は無論のこと快適なダイニングルームの演出も
図られるようになった。

システムキッチンの基本は、フロアキャビネットやウォ
ールキャビネットを主体とし、これらに調理に必要な各
種の機器を最適レイアウトすることにある。このため、
収納キャビネットの容量やその位置，シンクと調理器具
との距離の関係等にそれぞれの工夫が凝らされ、作業動
線の改良及び使い勝手の向上を図っている。

〔発明が解決しようとする課題〕

ところで、厨房は一般に外部の人に覗かれたくない場所
の一つであり、これは旧来の台所を想像してみれば明ら
かである。この点から観ると、台所のみを分離した旧来
のものから、集合住宅等の増大の影響も受けてダイニン
グキッチンタイプへ移行し、更にシステムキッチンへと
変遷しつつあることは、台所をあえて外部に曝け出すと
いう全く逆の様相を呈していることになる。

このような厨房の変遷に対し、食器や食品材料などが雑
多に置かれた台所を覗かれることは、主婦にとってはや
はり避けたいことであり、このことは一種の普遍性を持
つものと言える。また、近来の住宅事情においては、ワ
ンルームマンション等のように居住空間と厨房空間とが
同居したようなレイアウトが余儀なくされる。しかし、
いくらスペースが狭いからといって、厨房が丸見えでは
或る種の耐え難い気持ちを誘い、快適な居住空間には程
遠いものとなってしまう。

そこで本発明は、比較的簡単な装置で厨房設備の一部ま
たは全体を隠し、しかも隠蔽された厨房空間での調理作
業を可能にすることを目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

本発明は、上記目的を達成するために、フロアキャビネ
ットに設けたカウンターを調理作業空間として備えた厨
房設備において、前記フロアキャビネットの側部にシャ
ッタキャビネットを設け、該シャッタキャビネットに、
複数のパネルを屈曲自在に連接し前記調理作業空間の全
体又は一部を隠すシャッタを出し入れ可能に備え、更に
前記シャッタの下部にシャッタ支持用の脚部を備えたこ
とを特徴とする。

〔実施例〕

以下、図面に示す実施例により本発明の特徴を具体的に
説明する。

第１図は本発明の一実施例を示す厨房設備の斜視図であ
り、本例では容易に組立及び運搬が可能なユニットタイ
プとなっている。

図示のように、背部及び底部にはＬ字状のフレーム１が
複数配置され、これを利用してフロアキャビネット２が
載せられている。フロアキャビネット２の上にはカウン
ター３が固定され、左側には調理器具４を設け、そのク
ックトップ4aをカウンター３に含ませている。また、フ
ロアキャビネット２は、複数の収納キャビネットを配列
したものであり、全て引き出し式の収納部として利用可
能になっている。

カウンター３は、通常の深さのシンク3aに加えてクック
トップ4aとの間に浅い第２のシンク3bを設けている。そ
して、これらのシンク3a，3bにはそれぞれ水栓5a，5bを
設け、第２のシンク3bに設けた段部3cを利用することに
よって、まな板Ａをスライド可能としている。この第２
のシンク3bは食品材料の水洗いのほか、ワークトップと
しての作業面等として多伎に利用できる。

カウンター３の上方には、クックトップ4aに対応して換
気用のフード６が配置され、またフレーム１には棚板７
及び網棚８が適宜の高さに設けられている。

更に、フロアキャビネット２の右端には上端の網棚８ま
での高さに等しいシャッタキャビネット９を設けてい
る。このシャッタキャビネット９は間口を比較的小さく
したもので、フレーム１に固定するか又は別体として付
属することができる。

シャッタキャビネット９には、第２図に示すように４枚
のアコーデオン式のシャッタ10ａ〜10ｄが出し入れ自在
に収納されている。なお、第２図においては、フード６
及び棚板７の形状を第１図とは異なるものとして示して
いる。

シャッタ10ａ〜10ｄは、薄肉の軽量パネルを利用したも
のであり、それぞれを蝶番11によって屈曲自在に連接し
ている。そして、それぞれのシャッタ10ａ〜10ｄの下端
には１本ずつの脚12を設けている。なお、この脚12に代
えて、球体軸受によって回転方向を自在に変えることが
できるキャスタを設けてもよい。

第３図はシャッタ10ａ〜10ｄの収納及び開閉を示す概略
図である。

シャッタキャビネット９の右側の側板には、上下の２個
所にスライドガイド13が配置され、これによってシャッ
タ10ａ〜10ｄを前後に移動可能に支持する。スライドガ
イド13は、第４図(a)に示すように凹状断面を持ち、こ
れにシャッタ10ａの一端に設けたローラ14ａ付きの支持
具14を走行可能に組み込んでいる。支持具14は、第４図
(b)のように、Ｌ字状の平面形状を持ち、接続金具15を
枢着することによって第４図(c)のようにシャッタ10ａ
を旋回可能とすることができる。

第３図(a)はシャッタ10ａ〜10ｄを全てシャッタキャビ
ネット９に収納したときを示し、前面には目隠しのため
の扉9aを設ける。この扉9aは、図示のように開閉式のも
のとするほか、上部側に巻取可能なシャッタ式とするこ
とができる。この収納状態では、シャッタ10ａ〜10ｄは
それぞれの蝶番11によって折り畳まれ、支持具14は最も
奥に位置している。

シャッタ10ａ〜10ｄを第２図のようにセットするには、
扉9aを開いてシャッタ10ａ〜10ｄの全体を第３図(b)の
ように手前に引き出す。この操作はシャッタ10ａが支持
具14及び接続金具15によってスライドガイド13に連接さ
れているので、ローラ14ａの回転によって軽い力で行う
ことができる。そして、第４図(c)のようにローラ14ａ
がスライドガイド13のストッパ13ａに係合すると定位置
に停止する。

次いで、第３図(c)のように、シャッタ10ｄ側から順に
開いてゆくことによって、シャッタ10ａ〜10ｄを第２図
のようにセットすることができる。また、第３図(d)の
ように、シャッタ10ａも含めて開きフロアキャビネット
２に沿わせるようにすることもできる。この場合、第４
図(a)，(b)に示すように接続金具15が支持金具14との枢
着点周りで回転可能なので、シャッタ10ａは容易にその
姿勢を変えることができる。

なお、第２図はスライドガイド13をシャッタキャビネッ
ト９の左側の側板に設けた例であり、シャッタ10ａ〜10
ｄを開いたときには、シャッタキャビネット９の内部が
露出する。このため、扉9aを第３図の場合とは異なって
右側に配置するようにし、内部を隠すようにすればよ
い。

第５図は、シャッタ10ａ〜10ｄによって、設備の前面を
全て隠したものである。そして、この例では脚12を設け
ずに、フロアキャビネット２等と一体感を持たせるよう
にする。また、閉じた状態を維持するため、フロアキャ
ビネット２の左端部にはロック装置等を付属し、シャッ
タ10ａ〜10ｄが緩むことのないようにすることが好まし
い。

以上のように、シャッタ10ａ〜10ｄを引き出して適切に
セットすることにより、第２図のように部分的に又は第
５図のように厨房設備の全体をカバーすることができ
る。このため、第２図のようなセッティングでは、調理
作業を覗かれることなく作業を進めることができ、不意
の来客等にも都合がよい。また、厨房をダイニングルー
ムとして利用するときには、食卓から見えないようにシ
ャッタ10ａ〜10ｄで隠すようにすれば、厨房の雰囲気を
損なうことなく食事を楽しむこともできる。

更に、第５図の場合では、厨房設備の全体を覆うので、
特に居住空間と同一の部屋に設置していても、雑然とし
た印象を与えることのない快適な環境造りが可能とな
る。また、カウンター３等を全て外界から遮断するの
で、衛生的にシンク3a等を保つことができ、長期の不在
等のときでも埃が積もるようなこともない。したがっ
て、中身を隠すという機能に留まらず、衛生的な環境の
保全も図れることになり、厨房設備として有効に利用で
きる。

〔発明の効果〕

以上に説明したように、本発明の厨房設備においては、
カウンターやシンク及び収納棚等を含むキッチンにシャ
ッタを付属し、このシャッタによって全体を隠したり又
は調理空間が外部から見えないようにしている。このた
め、調理を終えて食事するときには、シャッタを閉じて
厨房の環境を整理されたものに変えることができ、調理
空間及びダイニングとしての両面に亘って便利である。
また、不意の来客に対しても、雑然としたキッチンを覗
かれることもなく、また狭い間取りのときに居住空間に
含ませるような設備としても、シャッタによる仕切りに
よって快適な居住性を確保することができる。さらに、
シャッタの下部に、脚、キャスタ等のシャッタ支持用の
脚部を設けたので、シャッタを任意の位置で自立させる
ことが可能となり、シャッタとカンターとの間に調理作
業が可能な隙間を持たせた状態でセットすることもでき
る。したがって、厨房設備を隠蔽した状態での調理作業
が可能となり、不意の来客にも充分に対応することがで
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す厨房設備の斜視図、第
２図はシャッタをセットしたときの斜視図、第３図はシ
ャッタの収納及び開閉を示す概略平面図、第４図はシャ
ッタとスライドガイドの連接を示し、第５図はシャッタ
によって厨房設備の前面全体を覆ったときの斜視図であ
る。 １：フレーム、２：フロアキャビネット ３：カウンター、４：調理器具 4a：クックトップ、5a，5b：水栓 ６：フード、７：棚板 ８：網棚、９：シャッタキャビネット 9a：扉、10ａ〜10ｄ：シャッタ 11：蝶番、12：脚 13：スライドガイド 14：支持具、14ａ：ローラ 15：接続金具

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 昭51−46656（ＪＰ，Ｕ)

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】フロアキャビネットに設けたカウンターを
   調理作業空間として備えた厨房設備において、前記フロ
   アキャビネットの側部にシャッタキャビネットを設け、
   該シャッタキャビネットに、複数のパネルを屈曲自在に
   連接し前記調理作業空間の全体又は一部を隠すシャッタ
   を出し入れ可能に備え、更に前記シャッタの下部にシャ
   ッタ支持用の脚部を備えたことを特徴とする厨房設備。