JPH06166990A - キャスト塗被紙の製造方法 - Google Patents

キャスト塗被紙の製造方法

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JPH06166990A
JPH06166990A JP31831692A JP31831692A JPH06166990A JP H06166990 A JPH06166990 A JP H06166990A JP 31831692 A JP31831692 A JP 31831692A JP 31831692 A JP31831692 A JP 31831692A JP H06166990 A JPH06166990 A JP H06166990A
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Junichi Miyake
潤一 三宅
Kazuhiro Nojima
一博 野島
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Abstract

(57)【要約】 【目的】キャスト塗被紙用水性組成物中に特定の接着剤
と特定の塩を使用することにより、従来より汎用されて
きたカゼインや大豆蛋白等の蛋白質接着剤を皆無にし、
且つ白紙面の光沢に優れ、ピンホールや光沢むらのない
印刷適性に極めて優れたキャスト塗被紙の製造方法を提
供する。 【構成】原紙上に、顔料および接着剤を主成分とするキ
ャスト塗被紙用水性組成物を塗被、乾燥してなる塗被層
を設けた後、乾燥塗被層に再湿潤液を付与して湿潤可塑
化後、加熱された鏡面ドラムに圧接し、強光沢仕上げす
るキャスト塗被紙の製造方法であって、特に前記水性組
成物中に接着剤として水性ウレタン樹脂を含有せしめ、
且つ助剤として亜鉛、アルミニウム、マグネシウムの塩
から選ばれる少なくとも一種を含有せしめたキャスト塗
被紙の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はキャスト塗被紙の製造方
法に関し、特にキャスト塗被紙用水性組成物の接着剤と
して合成樹脂系接着剤および特定の塩とを併用すること
によって、従来より汎用されてきたカゼインや大豆蛋白
等の天然系接着剤の使用を皆無にし、且つ白紙面が強光
沢を有し、ピンホールや光沢むらのない、印刷適性に極
めて優れたキャスト塗被紙の製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】キャスト塗被紙は表面光沢が非常に高
く、また優れた平滑性を有し、且つ印刷適性に優れるた
め、高級印刷用紙として広く利用されている。キャスト
塗被紙の製造方法としては湿潤状態にある塗被層を鏡面
仕上げした加熱ドラムの表面に圧接,乾燥させて光沢仕
上げするウェットキャスト法、そして湿潤状態の塗被層
を一旦乾燥させた後、再湿潤液によりその塗被層表面を
湿潤可塑化させて加熱ドラム面に圧接して仕上げるリウ
ェットキャスト法、さらに湿潤状態の塗被層をゲル化状
態にして加熱ドラム面に圧接して光沢仕上げするゲル化
キャスト法等が一般に知られている。これらのキャスト
仕上げ方法は、いずれも湿潤可塑化された塗被層表面を
加熱ドラム面に圧接,乾燥し、加熱ドラム表面より離型
させて鏡面を写しとる点で共通している。
【0003】しかしながら、キャスト塗被紙の製造方法
は、塗被層を加熱した鏡面ドラム面に圧接して乾燥させ
るため、塗被層中の水分はすべて紙層中を通過して非キ
ャスト面側から蒸発することになる。従って、キャスト
塗被紙は両面から乾燥が可能な一般の塗工紙製造と比較
し極めて低速での操業を余儀なくされている。上記キャ
スト仕上げ方法のうち、ゲル化キャスト法、およびリウ
ェットキャスト法は、キャスト塗被層が加熱された鏡面
ドラムに圧接される前に、ゲル化又は乾燥されているた
め表面温度が90℃以上の比較的高温の鏡面ドラム表面
に圧接してキャスト仕上げが可能である。そのために、
これらのキャスト製造方法はウエットキャスト法と比較
して乾燥能力に優れるので、その分生産性を上げること
のできる製造方法である。
【0004】ところで、キャスト塗被紙の製造におい
て、キャスト塗被紙用水性組成物の接着剤として一般塗
被紙用に使用されている合成接着剤(ラテックス)を使
用すると乾燥に必要な塗被層の通気性が十分に得られ
ず、水分の蒸発が効率よく行われないために、行き所を
失った水分が蒸発して急激な体積膨張を引き起こし、そ
の結果、キャスト塗被層にピンホールを発生させキャス
ト塗被紙の品質を著しく低下させる。この傾向は水分の
蒸発スピードが高いリウェットキャスト法において特に
強い。さらには、ドラム表面を写し取った塗被層が、加
熱鏡面ドラムから離型するときに、スムーズに行われ
ず、塗被層の一部が鏡面ドラム表面に残留する、所謂ド
ラムピックという現象や紙切れ等が発生し、満足なキャ
スト操業が行なわれないといった難点を抱えている。
【0005】上記の如き実状から、キャスト塗被紙用水
性組成物の接着剤としては、合成樹脂接着剤(共重合体
ラテックス)等と比較し通気性と離型性に優れたカゼイ
ンや大豆蛋白等の天然系蛋白質接着剤が必要不可欠とさ
れてきた。蛋白質接着剤をキャスト塗被紙用の接着剤と
して用いた場合に通気性や離型性が優れる理由について
は、必ずしも定かではないが、次のように推察される。
【0006】即ち、蛋白質接着剤はアミノ酸を基本単位
にした高次元構造をもった高分子化合物であり、疎水性
のアミノ酸側鎖が分子の内側に集まり、外側に親水性基
が多く存在する構造を有している。このような構造特性
が通気性を向上させるため、キャスト塗被紙用の接着剤
として蛋白質接着剤を用いたとき、塗被層の通気性を阻
害しないと考えられる。一方、この構造の外側に存在す
る親水性基とドラムとが密着することによって、塗被層
が十分にドラムに貼り付く。そして、乾燥が進行するに
したがって、その構造が熱によって壊され、分子内部に
ある疎水性基が表面に現れてくると、この疎水性基の作
用によって、ドラム表面から塗被層の剥離が円滑に起こ
ると考えられる。
【0007】一方、キャスト塗被紙用水性組成物におい
て、必要不可欠とされている蛋白質にも次のような欠点
がある。即ち、天然品をベースにしているため、生産の
ロットによって品質のバラツキがあること,さらにその
溶解のため、多量のエネルギーと時間を要すること,溶
解に際し一般にアンモニア水が用いられるために作業環
境が悪くなること,また、水性塗料の調成にあたっては
しばしば凝集物の生成、所謂カゼインショックという現
象が起きること,また、高濃度での溶解が難しく、調成
できる塗料の濃度はせいぜい50重量%前後が限界であ
り、高濃度塗料の調成が困難である等である。そのため
に、塗被層の乾燥に時間がかかり、生産性を抑制する等
の難点を抱えている。さらには、カゼイン等の天然蛋白
質接着剤は価格と供給の点で変動が激しいのも欠点の一
つである。そこで、これらの問題点を解決するために、
従来から幾つかの提案がなされてきた。
【0008】例えば、特開昭48−81924号,特開
昭51−102111号等にはキャスト塗被紙用接着剤
として合成高分子共重合体を用いることが提案されてい
る。しかし、上記で提案されているような接着剤をキャ
スト塗被紙用水性組成物の接着剤として利用した場合で
も、離型性の点では依然として前述した蛋白質接着剤よ
りは劣っており、さらにキャスト塗被層の通気性の点で
も劣っている。そのために、依然としてキャスト塗被層
面にピンホールの発生や一部塗被層のドラム表面への残
留付着等が有り、従来のカゼイン等の蛋白質接着剤より
優れるものが未だに見出されていないのが実状である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記の如き実状より、
本発明者等は、従来から使用されてきた蛋白質接着剤を
使用しないキャスト塗被紙(特に、リウェットキャスト
法)の製造方法について鋭意研究を重ねてきた。その結
果、従来から使用されてきた天然系の蛋白質接着剤の代
わりに、特定の水性高分子接着剤と特定の塩とを組合わ
せて用いることにより、本発明が所望とする天然系蛋白
質接着剤の使用を皆無とし、且つ極めて優れた白紙光沢
を有し、さらに印刷適性の優れたキャスト塗被紙が効率
よく得られることを見出したのである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、原紙上に、顔
料および接着剤を主成分とするキャスト塗被紙用水性組
成物を塗被、乾燥してなる塗被層を設けた後、乾燥塗被
層に再湿潤液を付与して湿潤可塑化後、加熱された鏡面
ドラムに圧接し、強光沢仕上げするキャスト塗被紙の製
造方法において、該水性組成物中に接着剤として水性ウ
レタン樹脂,および助剤として亜鉛,アルミニウム,マ
グネシウムの塩から選ばれる少なくとも一種を含有せし
めたことを特徴とするキャスト塗被紙の製造方法であ
る。
【0011】
【作用】前述の如く、本発明者等はリウェットキャスト
塗被紙用水性組成物の接着剤として、蛋白質接着剤の代
わりに特定の水性高分子を用い、且つ、助剤として特定
の塩を併用することによって、従来のキャスト塗被紙用
水性組成物の抱える問題点を解消し、操業性を低下させ
ることなくピンホール等の発生しない、優れた白紙光沢
と印刷適性を有するキャスト塗被紙が得られることを見
出し本発明を完成するに至った。
【0012】即ち、本発明は、前述した如く原紙上に接
着剤と顔料を主成分とするキャスト塗被紙用水性組成物
を塗被,乾燥して塗被層を設け、次いで塗被層に再湿潤
液を付与して再湿潤可塑化後、加熱された鏡面ドラムに
圧接し強光沢仕上げするリウェットキャスト塗被紙の製
造方法において、水性組成物の接着剤として水性ウレタ
ン樹脂、さらに助剤として亜鉛、アルミニウム、マグネ
シウムの塩の少なくとも一種を含有せしめたことを特徴
とするキャスト塗被紙の製造方法である。
【0013】而して、上記の水性高分子と助剤の組合せ
が、本発明が所望とする作用、効果を示す理由について
は必ずしも明かではないが、以下のように推定される。
水性ウレタン樹脂はその構造が極めてタンパク質と似て
おり、塗被層中の水分が多い乾燥初期には、塗被層の親
水性基と鏡面ドラムとの間に、水分子が介在することに
より、塗被層がドラム表面に密着されるが、乾燥が進む
につれて水分子が逸散し、ドラム表面と塗被層との密着
力が弱くなると疎水性基部分の作用により、鏡面ドラム
表面から塗被層が円滑に剥離するようになる。このよう
な水性ウレタン樹脂の作用により、円滑な離型が進行す
るものと推察される。
【0014】ところで、水性ウレタン樹脂の作用により
キャスト塗被紙の白紙光沢と離型性は改良されるもの
の、他方、水性ウレタン樹脂だけを使用した場合は塗被
層の透気性が不十分なために、キャスト塗被層表面にピ
ンホールが発生し易いといった難点が生じた。さらに、
キャスト塗被紙の表面の成膜性が強いために印刷時のイ
ンキセット性に問題を残すことになった。
【0015】そこで、本発明者等は上記の問題点を解決
するべく、さらに検討,実験を重ねた。その結果、上記
の水性組成物(塗料)に助剤として、少なくとも亜鉛,
アルミニウム,マグネシウムの塩の一種を併用すること
によってこれらの問題点がことごとく解消されることが
分かった。この理由は、助剤として添加した亜鉛,アル
ミニウム,マグネシウム等の金属イオンが、水性ウレタ
ン樹脂の官能基に作用し、塗被層が乾燥される過程で、
増粘,凝固作用が起り、結果として塗被層が極めてポー
ラスになり、透気性が改善されるためと推測される。以
下に、本発明における成分,構成等について詳述する。
【0016】本発明で用いる水性ウレタン樹脂として
は、例えば4、4’−ジフェニルメタンジイソシアネー
ト,4、4’−ジフェニルジメチルメタンジイソシアネ
ート,1、5−ナフテンジイソシアネート,1、6−ヘ
キサンジイソシアネート,1、4−ブチレンジイソシア
ネート,トルエンジイソシアネート,キシレンジイソシ
アネート等のジイソシアネート類と1、3ブタンジオー
ル,1、4ブタンジオール,1、6ヘキサンジオール,
ポリエチレングリコール,ポリプロピレングリコール,
ポリエステルポリオール,ポリカーボネートポリオール
などのポリオール類とを反応させて得るノニオン型、N
−メチルジエタノールアミン,N−エチルジエタノール
アミン,N−オレイルジエタノールアミン等の第三級窒
素を有するアルカノールアミン類を用いて得られるカチ
オン型、ジメチロールプロピオン酸,エチレングリコー
ル,ジエチレングリコール等を用いて得られるアニオン
型が挙げられる。また、トリエチルアミン,ジメチルエ
タノールアミン等のアミン類で高分子化されたものや、
メチル化メラミン樹脂等の水溶性アミノ樹脂,エポキシ
樹脂等を使用して架橋したものを使用してもよい。
【0017】また、水性ウレタン樹脂の形態としては、
エマルジョン,コロイダルディスパージョン,水溶液の
いずれの形態でもよい。なお、キャスト塗被紙用水性組
成物中への水性ウレタン樹脂の配合量は、顔料100重
量部に対し1〜20重量部程度で調節するのが好まし
い。因みに、1重量部未満の場合には、キャストドラム
からの離型性に乏しく、白紙光沢も低下する傾向にあ
る。一方20重量部を越えるとピンホールが発生し易く
なり、好ましくない。
【0018】次に、助剤として使用する亜鉛、アルミニ
ウム、マグネシウムの塩としては、硫酸塩、硝酸塩、酢
酸塩又は蟻酸塩が本発明での所望の効果を得る上で優れ
ており、特に硫酸塩はその効果が顕著であるため、最も
好ましく用いられる。なお、水性組成物中への添加量と
しては顔料100重量部に対して0.3〜7重量部程度
で調節される。因みに、0.3重量部未満の場合にはピ
ンホールの解消やインキセット性に対する改善効果を期
待し難く、他方7重量部を越えると水性組成物(塗被
液)の粘度上昇を起こす恐れがあるので好ましくない。
【0019】なお、水性組成物の成分の1つである顔料
としては、キャスト塗被紙製造分野で使用されている、
所謂従来から公知公用の顔料、例えばカオリン,水酸化
アルミニウム,サチンホワイト,硫酸バリウム,重質炭
酸カルシウム,軽質炭酸カルシウム,タルク,プラスチ
ックピグメント,焼成クレー,二酸化チタン等から選ば
れる少なくとも1種以上が適宜使用される。
【0020】接着剤としては、既述した水性ウレタン樹
脂以外に、例えばスチレン・ブタジエン共重合体,メチ
ルメタクリレート・ブタジエン共重合体の共役ジエン系
重合体ラテックス,アクリル系重合体ラテックス,エチ
レン・酢酸ビニル共重合体等のビニル系重合体等のビニ
ル系重合体ラテックス、或はこれらの各種重合体をカル
ボキシル基等の官能基含有単量体により、官能基変性し
たアルカリ溶解性或はアルカリ非溶解性の重合体ラテッ
クス、ポリビニルアルコール,オレフィン・無水マレイ
ン酸樹脂,メラミン樹脂等の合成樹脂系接着剤、陽性化
澱粉,酸化澱粉,エステル化澱粉等の澱粉類、カルボキ
シメチルセルロース,ヒドロキシメチルセルロース等の
セルロース誘導体等、一般の塗被紙用として知られる接
着剤を必要に応じて併用することができる。なお、接着
剤の使用量としては水性ウレタン樹脂と合わせて、顔料
100重量部に対し5〜50重量部、一般的には10〜
30重量部の範囲で調節される。
【0021】また、助剤についても、前述の如く本発明
では特定の塩が用いられるが、その他に、例えば消泡
剤,着色剤,離型剤,流動変性剤,耐水化剤,防腐剤等
を適宜用いることができる。
【0022】キャスト塗被紙用原紙としては、特に限定
されるものではなく、一般に塗被紙分野で使用される酸
性紙、あるいは中性紙が適用される。なお、原紙の片面
又は両面には必要に応じて、一般の顔料塗被組成物をあ
らかじめ予備塗工しておいても良く、その場合の塗工量
は片面当り乾燥重量で5〜30g/m2 程度が望まし
い。さらに必要であれば、この予備塗工した紙を予めス
ーパーキャレンダー、ブラシ掛け、キャスト仕上げ等に
より平滑化処理を施しておくのもよい。
【0023】上記材料をもって構成される、キャスト塗
被紙用塗料(水性組成物)は、一般に固形分濃度が45
〜65重量%程度に調製され、固形分塗被量が約5〜3
0g/m2 程度になるように、一般に公知公用の塗布装
置、例えばブレードコーター,エアーナイフコーター,
ロールコーター,ブラシコーター,チャンプレックスコ
ーター,バーコーター,グラビアコーター等を用いて塗
被されることになる。
【0024】かくして、原紙上にキャスト塗被紙用水性
組成物を塗被、乾燥した後、通常のリウェットキャスト
法に準じて塗被層を再湿潤し、加熱された鏡面ドラムに
圧接して強光沢仕上げされる。なお、再湿潤液について
は、特に限定されるものではなく、例えばポリエチレン
エマルジョン,脂肪酸石鹸,ステアリン酸カルシウム,
マイクロクリスタリンワックス,界面活性剤,ロート油
等の離型剤を0.01〜3重量%程度含有した水溶液、
あるいはエマルジョン等通常の再湿潤液が用いられる。
さらに、アルカリやヘキサメタリン酸ソーダ等のリン酸
塩、尿素、有機酸等を乾燥塗被層の湿潤可塑化を促進さ
せるために併用することも勿論可能である。また、塗被
層を再湿潤する前にスーパーキャレンダー、ブラシ掛け
等の平滑化処理も適宜施される。
【0025】
【実施例】以下に実施例を挙げて、本発明を具体的に説
明するが、勿論これらに限定されるものではない。ま
た、例中の部および%は特に断らない限り、それぞれ重
量部及び重量%を示す。
【0026】実施例1〜8、比較例1〜7 カオリン60部,炭酸カルシウム40部,ポリアクリル
酸ナトリウム0.5部をコーレス分散機を用いて水中に
分散し、固形分濃度65%の顔料スラリーを調製した。
このスラリーに消泡剤として、トリブチルフォスフェー
ト0.5部、離型剤としてステアリン酸アンモニウム
1.0部、接着剤として形態がコロイダルディスパージ
ョンであるアニオン型水性ウレタン樹脂(商品名:バリ
アスターXUD2120/三井東圧化学製)、および表
1に示したような共重合体ラテックス、塩をそれぞれ添
加し、アンモニアでpH8に調整して仕上がり固形分濃
度45%のキャスト塗被紙用水性組成物(塗被液)を調
製した。このようにして得た塗被液を、米坪64g/m
2 の上質原紙上にエアーナイフコーターを用いて乾燥重
量で20g/m2 となるように塗被後、エアーフローテ
ィングドライヤーで乾燥した。次に、この塗被紙をプレ
スロールと加熱キャストドラムで形成されるプレスニッ
プに通紙し、このニップ部にノズルから供給されたポリ
エチレンエマルジョンからなる再湿潤液(1.0%濃
度)によって塗被層表面を再湿潤した後、表面温度10
5℃のキャストドラムにプレス圧200Kg/cmで圧
接、乾燥した後ドラムから剥離することによってキャス
ト塗被紙を得た。
【0027】比較例8 水性ウレタン樹脂の代わりにアンモニアで溶解したカゼ
インを用いた以外は実施例1と同様にしてキャスト塗被
紙を得た。
【0028】このようにして得られたキャスト塗被紙の
品質、即ち白紙光沢,ピンホール,インキセット性、お
よびキャストドラムからの離型性(操業性)を表2に示
した。なお、上記品質、および離型性の評価方法は下記
により行なった。
【0029】〔白紙光沢〕JIS P8142に準じて
測定した。
【0030】〔ピンホール〕キャスト塗被紙表面のピン
ホールを実体顕微鏡で観察し、以下の基準に従って判定
した。 ◎:1cm2 中にピンホールが10ケ未満 ○:1cm2 中にピンホールが10〜20ケ未満 △:1cm2 中にピンホールが20〜50ケ未満 ×:1cm2 中にピンホールが50ケ以上
【0031】〔インキセット性〕RI型印刷試験機(明
製作所製)を用いて、シートオフセット用インキ(商品
名:Graf−G墨/大日本インキ化学工業製)0.6
ccを用いてキャスト塗被紙表面に印刷し、印刷直後、
2分後、および5分後に、その印刷面上に上質紙を重ね
合わせて一定の圧力で加圧し、上質紙に転移したインキ
濃度を以下の基準で評価した。 ◎:2分後には、インキが殆ど転移しない。 ○:5分後には、インキが殆ど転移しない。 △:印刷直後のインキ転移濃度に対して5分後の転移濃
度が半分程度である。 ×:印刷直後のインキ転移濃度に対して5分後の転移濃
度がやや薄くなっている。
【0032】〔離型性〕連続生産操業において、ドラム
ピックの有無により離型性を次のように評価した。 ◎:ドラムピックが発生せず12時間以上の連続生産が
可能。 ○:ドラムピックが若干発生するが、12時間以上の連
続生産が可能。 ×:ドラムピックが多発し、2時間の連続生産が不可能
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】
【発明の効果】本発明では従来のタンパク質接着剤を用
いることなく、操業性も問題なしにキャスト塗被紙を製
造することができ、表2から明らかなように実施例によ
り得られたキャスト塗被紙はピンホールが極めて少な
く、且つ白紙光沢、印刷適性の極めて優れたものであっ
た。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】原紙上に、顔料および接着剤を主成分とす
    るキャスト塗被紙用水性組成物を塗被、乾燥してなる塗
    被層を設けた後、乾燥塗被層に再湿潤液を付与して湿潤
    可塑化後、加熱された鏡面ドラムに圧接し、強光沢仕上
    げするキャスト塗被紙の製造方法において、該水性組成
    物中に接着剤として水性ウレタン樹脂,および助剤とし
    て亜鉛,アルミニウム,マグネシウムの塩から選ばれる
    少なくとも一種を含有せしめたことを特徴とするキャス
    ト塗被紙の製造方法。
  2. 【請求項2】亜鉛,アルミニウム,マグネシウムの塩が
    硫酸塩,硝酸塩,酢酸塩またはギ酸塩である請求項1記
    載のキャスト塗被紙の製造方法。
  3. 【請求項3】顔料100重量部に対して、水性ウレタン
    樹脂を1〜20重量部、および亜鉛,アルミニウム,マ
    グネシウムの塩から選ばれる少なくとも1種の塩が0.
    3〜7重量部含有せしめられた請求項1記載のキャスト
    塗被紙の製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003076202A1 (fr) * 2002-03-11 2003-09-18 Nippon Paper Industries Co., Ltd. Moyen d'enregistrement a jet d'encre et son procede de production

Cited By (2)

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CN100336670C (zh) * 2002-03-11 2007-09-12 日本制纸株式会社 喷墨记录介质及其制造方法

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