JPH06166573A - 高熱伝導性窒化アルミニウム焼結体 - Google Patents

高熱伝導性窒化アルミニウム焼結体

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JPH06166573A
JPH06166573A JP32A JP23709291A JPH06166573A JP H06166573 A JPH06166573 A JP H06166573A JP 32 A JP32 A JP 32A JP 23709291 A JP23709291 A JP 23709291A JP H06166573 A JPH06166573 A JP H06166573A
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aln
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aluminum nitride
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Akiyasu Okuno
晃康 奥野
Shoichi Watanabe
正一 渡辺
Kazuhiko Ikoma
和彦 生駒
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Niterra Co Ltd
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NGK Spark Plug Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】窒化アルミニウムを100重量部と、周期律表
の4a、5a、6a族元素の硼化物及び周期律表の4
a、5a族元素の窒化物から選ばれた1種又は2種以上
の化合物を、金属元素に換算して総量で0.1〜5重量
部とからなることを特徴とする高熱伝導性窒化アルミニ
ウム焼結体。 【効果】熱伝導率0.18〜0.24cal/cm.se
c.℃、ピール強度1.5kg/mm2 以上

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、絶縁基板、ヒートシン
ク等に使用される高熱伝導性窒化アルミニウム焼結体に
関するものであり、特に、メタライズの容易な高熱伝導
性窒化アルミニウム焼結体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器の小形化や機能向上に対
する要求は極めて大きくなっており、それに伴って半導
体は集積密度の向上、多機能化、高速化、高出力化、高
信頼化の方向に急速に進展している。これらに対応して
半導体から発生する熱量はますます増加しており、従来
のAl2 3 基板にかわる放熱能力の大きい基板が要求
されるようになっている。この放熱能力の大きい基板材
料、即ち熱伝導性の高い材料としては、ダイヤモンド、
立方晶BN(窒化硼素)、SiC(炭化硅素)、BeO
(ベリリア)、AlN(窒化アルミニウム)、Si等を
あげることができる。しかし、ダイヤモンド、立方晶B
Nは基板として利用できる大きさを製造することが困難
であり、又、非常に高価である。SiCは半導体である
ために電気絶縁性、誘電率等の電気特性がAl2 3
り劣り、Al2 3 基板のかわりとして使用できない。
BeOは電気特性が非常に優れているが、成形時、研削
加工時等に発生する粉末が毒性をもつために国内で生産
されず、海外から求める必要があるために供給が不安定
となる恐れがある。Siは電気特性が悪く、又、機械的
強度も小さいので、基板材料としての使用は限られる。
AlNは高絶縁性、高絶縁耐圧、低誘電率などの優れた
電気特性に加えて、常圧焼結が適用できるが、所要面に
金属層が形成出来ず、未だ高出力用の多層基板は開発さ
れていないのが実情である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この様に、AlNは、
金属との濡れ性が悪いために、メタライズできず基板と
しての使用は困難であった。又、例えば、特開昭50−
75208や特開昭59−40404のように、AlN
基板表面を酸化させてからメタライズしたり、特開昭5
3−102310のように、先ず、AlN基板表面に金
属酸化物を設け、その後にメタライズする等の技術が知
られているが、いずれも焼結体表面にメタライズするこ
とが出来ても、多層化を目的とする同時焼成法には適用
することが出来ず、又メタライズされた金属層とAlN
基板との間に比較的熱伝導率の低い層が介在することに
なるため熱伝導率の低下はさけられないといった欠点を
有していた。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は上記問題点を解
決するために次の手段を採用した。請求項1の発明の高
熱伝導性窒化アルミニウム焼結体は、窒化アルミニウム
を100重量部と、周期律表の4a、5a、6a族元素
の硼化物及び周期律表の4a、5a族元素の窒化物から
選ばれた1種又は2種以上の化合物を、金属元素に換算
して総量で0.1〜5重量部とからなることを特徴とす
る。
【0005】周期律表の4a族元素は、Ti、Zr、H
fのことであり、5a族元素は、V、Nb、Taのこと
であり、6a族元素はCr、Mo、Wのことである。こ
の周期律表の4a、5a、6a族元素の硼化物及び周期
律表の4a、5a族元素の窒化物から選ばれた1種又は
2種以上の化合物が、金属元素に換算して総量でAlN
100重量部とに対し、0.1重量部以上10重量部以
下であるのは、この範囲より少ないとAlN焼結体の金
属との濡れ性が改善されないためであり、逆にこの範囲
より多いとAlN焼結体の高熱伝導性が劣化し、又、焼
結性が劣化するためである。
【0006】本発明は上記成分のみでも十分であるが、
必要に応じてY2 3 やCaO等の焼結助剤をAlN1
00重量部に対して5重量部を超えない範囲で含んでも
よい。又、この焼結体の相対密度(理論密度に対する密
度%)が90%以上であるとAlNの持つ高熱伝導性の
効果が大きく、又、メタライズの接着強度が大きい。
【0007】請求項2の発明の高熱伝導性窒化アルミニ
ウム焼結体は、第1の発明に周期律表の4a、5a、6
a族元素の炭化物を加えたものであり、その要旨は、窒
化アルミニウム100重量部と、周期律表の4a、5
a、6a族元素の硼化物及び周期律表の4a、5a族元
素の窒化物から選ばれた1種又は2種以上の化合物と周
期律表の4a、5a、6a族元素の炭化物から選ばれた
1種又は2種以上の化合物との両化合物を、金属元素に
換算して総量で0.1〜5重量部とからなることを特徴
とする。
【0008】前述の硼化物、窒化物及び炭化物の総量が
AlN100重量部に対して、0.1〜10重量部であ
るのは、請求項1の発明と同様に、この範囲より少ない
と、AlN焼結体の金属との濡れ性が改善されず、逆に
この範囲より多いと、AlN焼結体の高熱伝導性が劣化
し、又、焼結性が劣化するためである。又、AlNは本
発明においても請求項1の発明と同様にY2 3 やCa
Oを5重量部以下含んでもよい。
【0009】請求項1及び請求項2の発明は、AlN粉
末、前述の硼化物粉末、窒化物粉末、又はそれに加えて
炭化物粉末に必要に応じて焼結助剤粉末を加えて金型等
により成形し、通常のN2 、Ar、NH3 分解ガス、H
2 等の非酸化性雰囲気下で焼結したり、最終的に硼化
物、窒化物、炭化物になる化合物を用いてN、B、C等
の存在下で焼結することによって得ることができる。
【0010】
【作用】周期律表の4a、5a、6a族元素の硼化物及
び/又は周期律表の4a、5a族元素の窒化物、第2の
発明の場合はそれに加えて周期律表の4a、5a、6a
族元素の炭化物はAlN粒子中に固溶することなく、A
lN粒子間、即ち、粒界に存在して、金属と結合するた
めに、本発明は、AlNの金属との濡れ性を改善すると
思われる。又、通常、粒界に添加物が存在すると熱伝導
性は悪化するが、本発明は、前述の硼化物、窒化物又は
それに加えて炭化物がAlNの粒界に存在するにもかか
わらず、AlNの高熱伝導性を損なわないことを見出し
たものである。この理由は、添加した化合物がAlNと
反応して、他の化合物を生成することがなく、又、Al
Nの粒子全体を覆う様な存在をしない為に、AlN粒子
同志の結合は損なわれず、AlN本来の特性を維持しな
がら、AlNの金属との濡れ性を改善できるものと思わ
れる。
【0011】
【発明の効果】本発明の高熱伝導性窒化アルミニウム焼
結体は、窒化アルミニウムに周期律表の4a、5a、6
a族元素の硼化物及び/又は周期律表の4a、5a族元
素の窒化物あるいはそれに加えて周期律表の4a、5
a、6a族元素の炭化物を含有することによって窒化ア
ルミニウムの優れた熱伝導性を損なうことなく、金属と
の濡れ性を改善できた。本発明はメタライズ時に基板表
面に酸化物等の層を設けないために、メタライズした金
属層とAlN基板とが直接結合するため、接合強度、熱
伝導性において優れた性質をもつ。又、本発明をIC等
の基板に利用することにより、放熱性に優れた電子部品
を得ることができるが、従来のように、基板表面の処理
等を必要とせず、又同時焼成による多層基板を容易に得
ることができる。
【0012】
【実施例】本発明の一実施例について説明する。本実施
例は、平均粒径1.0μmのAlN粒末100重量部に
対して硼化物、窒化物、炭化物を表1に示す金属換算の
所定量加えて混合し、エタノール中で4時間、湿式混合
して原料粉末をつくり、その後、密度及び熱伝導率測定
用の試料と、金属との濡れ性測定用の試料とを得た。密
度及び熱伝導率の測定は、原料粉末を直径11mm厚さ3
mmに成形圧力1.5ton/cm2 で成形した後、170
0℃の窒素雰囲気中で1時間常圧焼結を行って得た試料
について行った。密度は相対密度(理論密度に対する見
掛け比重比%)として測定し、又、熱伝導率は、試料の
厚みを2mmに平研加工した後にレーザーフラッシュ法を
用いて測定した。
【0013】金属との濡れ性は、メタライズの接着強度
として測定した。メタライズの接着強度は、原料粉末を
30×10×5mmに成形圧力1.5ton/cm2 で成形
した後に、通常メタライズに用いられるW粉末(平均粒
径1.0μm)を含むペーストを該成形体表面に2×2
mm、厚さ約20μmに塗布し、乾燥して、1700℃窒
素雰囲下で1時間常圧焼結し、次いで、該焼結体表面に
電解NiメッキによってNi層を2〜5μm形成し、8
50℃、10分間シンターした後に、共晶銀ローを用い
て1×1mmのコバール(コバルトと鉄を含むニッケル合
金)板を930℃、5分間でロー付し、その接着強度を
ピール強度として測定した。このピール強度は上記コバ
ール板に接合されたリード線を接着面に対して垂直方向
に向って0.5mm/secの速度で引張り、上記コバー
ル板が焼結体から剥離したときの強度である。
【0014】表1に相対密度、熱伝導率、ピール強度の
測定結果を示す。表1において、熱伝導率の単位は〔c
al/cm.sec.℃〕で、ピール強度の単位は〔kg/
mm2〕である。尚、試料No.1a〜6aは第1発明の
実施例及び範囲外例であり、No.1b、2bは第2発
明の実施例及び範囲外例である。又、表1に示された組
成以外は全てAlNであり、組成の含有量の単位はAl
N100重量部に対する金属換算の重量部である。
【表1】 本実施例より、表1に示す如く、AlNに周期律表の4
a、5a、6a族元素の硼化物、窒化物から選ばれた1
種又は2種以上の化合物、あるいはそれに加えて炭化物
を、金属に換算して0.1〜5重量部含有させることに
より、熱伝導率が高く、ピール強度の高い、即ち、金属
との濡れ性の良好な焼結体が得られることが分かった。
尚、表1に示した以外の周期律表の4a、5a、6a族
元素の窒化物及び周期律表の4a、5a族元素の窒化
物、あるいはそれに加えて周期律表の4a、5a、6a
族元素の炭化物を用いた試料も表1に示した試料と同様
に、上記化合物をAlNに対して金属に換算して0.1
〜5重量部含有することにより、熱伝導率が高く金属と
の濡れ性の良好な焼結体が得られた。
【0015】尚、従来のAlN焼結体(相対密度99
%)の熱伝導率は0.14〜0.24cal/cm.se
c.℃、ピール強度は0.5kg/mm2 より小さい。又、
Al23 (相対密度99%)の熱伝導率は0.04〜
0.07cal/cm.sec.℃で、ピール強度は2〜
5kg/mm2 である。AlN粉末(平均粒子1.0μm)
100重量部にMoに換算して3重量部のMo2 B(平
均粒子2.0μm)を加えた混合物に、焼結助剤として
CaOを添加して、相対密度、熱伝導率、ピール強度を
測定した。その結果を表2に示す。
【表2】 表2から分るように、CaOの添加量が5重量部まで
は、焼結性、熱伝導率、ピール強度共に、CaOを添加
しないものと同程度であったが、10重量部のCaOを
添加した場合は、焼成後のメタライズ表面に、焼成中に
発生するCa3 Al2 6 等の液相が原因と思われる析
出物の発生が激しくなり、ピール強度の測定は不可能と
なることがわかった。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 窒化アルミニウムを100重量部と、周
    期律表の4a、5a、6a族元素の硼化物及び周期律表
    の4a、5a族元素の窒化物から選ばれた1種又は2種
    以上の化合物を、金属元素に換算して総量で0.1〜5
    重量部とからなることを特徴とする高熱伝導性窒化アル
    ミニウム焼結体。
  2. 【請求項2】 窒化アルミニウムを100重量部と、周
    期律表の4a、5a、6a族元素の硼化物及び周期律表
    の4a、5a族元素の窒化物から選ばれた1種又は2種
    以上の化合物と周期律表の4a、5a、6a族元素の炭
    化物から選ばれた1種又は2種以上の化合物との両化合
    物を、金属元素に換算して総量で0.1〜5重量部とか
    らなることを特徴とする高熱伝導性窒化アルミニウム焼
    結体。
JP3237092A 1991-08-22 1991-08-22 高熱伝導性窒化アルミニウム焼結体 Expired - Lifetime JPH08731B2 (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8181726B2 (en) 2008-08-04 2012-05-22 Dr. Ing. H.C.F. Porsche Aktiengesellschaft Vehicle having at least one electric machine which can be operated as a generator

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6139918A (ja) * 1984-07-31 1986-02-26 Hitachi Ltd 薄膜磁気ヘツド用スライダ

Patent Citations (1)

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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US8181726B2 (en) 2008-08-04 2012-05-22 Dr. Ing. H.C.F. Porsche Aktiengesellschaft Vehicle having at least one electric machine which can be operated as a generator

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