JPH06164029A - 狭帯域レーザ装置 - Google Patents

狭帯域レーザ装置

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JPH06164029A
JPH06164029A JP33242192A JP33242192A JPH06164029A JP H06164029 A JPH06164029 A JP H06164029A JP 33242192 A JP33242192 A JP 33242192A JP 33242192 A JP33242192 A JP 33242192A JP H06164029 A JPH06164029 A JP H06164029A
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理 若林
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雅彦 小若
Yukio Kobayashi
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本考案は、狭帯域レーザ装置に係わり、特に
は、半導体露光装置の光源として使用されるエキシマレ
ーザ装置のスペクトル純度を向上させることに関する。 【構成】 少なくともプリズムとグレーティングを配置
したレーザ装置において、各光学素子間に寄生発振とな
る光を遮断する手段を備えている。また、各光学素子間
に寄生発振となる光を遮断する手段として、寄生発振と
なる光を吸収または反射するプレートまたはスリットを
配置している。さらに、少なくともプリズムとグレーテ
ィングを配置したレーザ装置において、プリズムまたは
グレーティングからの反射光(または回折光)を吸収ま
たは反射させる手段を備えている。これによれば、自然
発振や多波長発振のような寄生発振は起こらなくなり、
スペクトル波形がよくなり、また、スペクトル線幅の変
化もなくなる。さらに、寄生発振のないスペクトル純度
の良い出力レーザが得られ、また、プリズムを非常にコ
ンパクトにできる

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は狭帯域レーザ装置に係わ
り、特には、半導体露光装置の光源として使用されるエ
キシマレーザ装置の光学系を高精度にできる狭帯域レー
ザ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】レーザ光の狭帯域化には用途に応じて種
々の方法があり、その中で比較的高出力が得られる方法
の一例として特開平2−121380号に、図7に示す
方法が記述されている。図7は、レーザの発振器70で
あり、レーザの発振器70には図示しないレーザ媒質と
このレーザ媒質の励起手段とを収納しているレーザ発振
部71を有している。このレーザ発振部71の両端には
それぞれスリット72が形成された規制部材73が配置
されている。一方の規制部材73には出力鏡74が離間
対向して配置され、他方の規制部材73には拡大光学系
75を介して上記出力鏡74とで共振器を構成する回折
格子76が配設されている。上記規制部材73のスリッ
ト72は、レーザ発振部71から出力されるレーザ光L
の図7にXで示す方向に拡がり角を小さく規制するよう
そのX方向と直交する方向に細長く形成されている。上
記拡大光学系75は複数のプリズム77から形成されて
いて、上記スリット72によって拡がり角が規制された
レーザ光Lをその規制方向と同方向に拡大して回折格子
76に入射させる。それによって、レーザ光Lが照射す
る回折格子76の溝数が増大するから、この回折格子7
6による分解能を高めることができるようになってい
る。上記回折格子76はレーザ光Lの入射角と回折光
(0次以外のもの)の反射角とが等しくなるように、つ
まり、入射光路と反射光路とが等しくなるように角度調
節されている。したがって、レーザ発振部71から出力
されたレーザ光Lは出力鏡74と回折格子76との間の
同一光路を往復することによって狭帯域化され、上記出
力鏡74から発振されるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
図7の場合のようにフロントミラーとフロント側ウイン
ドウおよびリア側ウインドウとプリズムの間にプリズム
のエキスパンド方向に対して発振を制限するスリットを
配置しただけではレーザの寄生発振を抑えることができ
ない。図8に示すように出力されるスペクトル波形は正
常の発振と多数の寄生発振(A、B、C、D)のスペク
トル波形が合成されたものとなる。さらに、多数の寄生
発振が競合しているために、レーザの放電の状態や光学
素子の熱的変化によって各寄生発振の強度比が変化し、
出力レーザ光のスペクトル波形が経時変化する。この寄
生発振しているレーザ光はスペクトル純度が著しく低下
しているため、露光装置の解像力を非常に悪くしてい
た。以下に、この理由を図8、図9および図10により
説明する。図9は寄生発振の原理図であり、図10はプ
リズム12の拡大図である。まず、プリズムの透過面以
外の部分、たとえば、プリズム12の低面(S)が砂目
の場合の例を示す。所定の角度でグレーティング14に
入射した光は回折され、その回折光はあらゆる方向に回
折する。グレーティング14を回折した回折光(点線部
A、1点鎖線B、2点鎖線C)はプリスム12に入射し
て砂目の低面(S)に照射された光は散乱されてあらゆ
る方向に反射される。そして、点線部(D)の角度で散
乱した光は、プリズム11、スリット6、レーザチャン
バ1、スリット4、およびフロントミラー5を透過して
寄生発振する。ここで、回折光A、B、Cに対応する寄
生発振のスペクトルが図8のスペクトル波形のA、B、
Cに対応している。さらに、寄生発振Eはプリズム11
の斜面の反射光が、例えばプレート7等により再びプリ
ズム11の斜面に戻される場合、再びプリズム11の斜
面に対して入反射して、スリット6、レーザチャンバ
1、スリット4、およびフロントミラー5を透過して自
然発振の寄生発振として出力される。このようにして出
力レーザ光は図8に示すような多波長およびブロードな
寄生発振がおこり、スペクトル純度を落とす原因となっ
ている。そこで、プリズム12の低面(S)の部分を光
学研磨面にすることにより、グレーティングによる回折
光BおよびCの反射光は入射角に対応した角度で反射す
る。回折光BおよびCの反射角は小さいため、スリット
およびスリットにより遮光され寄生発振は起こらない
(図3にて詳しく説明する)。しかし、回折光Aについ
ては入反射角が大きくプリズム11、スリット6、レー
ザチャンバ1、スリット4、およびフロントミラー5を
透過して寄生発振として出力される。そこで、プリズム
の低面(S)を光路に対して離す必要があり、プリズム
が大きくなり、さらには出力が小さいという問題があ
る。本発明は上記問題に鑑みたもので、狭帯域レーザ装
置に係わり、特には、半導体露光装置の光源として使用
されるエキシマレーザ装置のスペクトル純度を向上させ
ることを目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】そのために本発明の第1
発明では、少なくともプリズムとグレーティングを配置
したレーザ装置において、各光学素子間に寄生発振とな
る光を遮断する手段を備えている。
【0005】さらに、第1発明主体とする第2の発明で
は、各光学素子間に寄生発振となる光を遮断する手段と
して、寄生発振となる光を吸収または反射するプレート
またはスリットを配置している。
【0006】第3発明では、少なくともプリズムとグレ
ーティングを配置したレーザ装置において、プリズムま
たはグレーティングからの反射光(または回折光)を吸
収または反射させる手段を備えている。
【0007】第3の発明を主体とする第4の発明では、
吸収または反射させるための手段として、反射光または
回折光の光路に吸収または反射プレートを配置してい
る。
【0008】第5の発明では、少なくともプリズムとグ
レーティングを配置したレーザ装置において、プリズム
の入射および出射面以外の少なくとも一面を光学研磨面
としている。
【0009】第5の発明を主体とする第6の発明では、
プリズムの入射光軸と屈折透過光軸を含む面または屈折
透過光軸と出射光軸を含む面に対して略垂直な面を光学
研磨面としている。
【0010】
【作用】上記の構成によれば、少なくともプリズムとグ
レーティングを配置した狭帯域レーザ装置において、各
光学素子管に寄生発振を制限するプレートまたはスリッ
トを配置したり、プリズムまたはグレーティングからの
反射光(または回折光)を吸収または反射させることに
より寄生発振がなくなり、スペクトル波形がよくなる。
また、スペクトル線幅の変化もなくなる。また、寄生発
振を防ぐためにプリズムの反射光、別の次数の回折光お
よびプリズムの低面の散乱光を吸収または反射させるこ
とにより、寄生発振のないスペクトル純度の良い出力レ
ーザが得られる。各光学素子間(プリズムおよびグレー
ティング)に寄生発振防止のためのプレートまたはスリ
ットを配置することによりプリズムを非常にコンパクト
にできる。プリズムの低面部を光学研磨面にすることに
より、さらに、プリズムを非常にコンパクトにできる。
【0011】
【実施例】以下に、本発明に係わる狭帯域レーザ装置の
実施例につき、図面を参照して詳細に説明する。図1は
本発明に係わる狭帯域レーザ装置の第1実施例を示す概
略図であり、図2は図1の一部拡大図である。なお、図
1は作動原理を示す図10とほぼ同一であるが再度説明
する。
【0012】図1、図2において、レーザチャンバ1に
は図示しないレーザ媒質とこのレーザ媒質の励起手段と
により発振したレーザ光を出力するウインドウ2、3
が、また、レーザチャンバ1の前側(図示の左側)には
スリット4とフロントミラー5が、後側には、スリット
6と狭帯域化ユニット10が設けられ、出力するレーザ
光を狭帯域化して出力している。狭帯域化ユニット10
は、プリズムビームエキスパンダの第1のプリズム11
および第2のプリズム12と、スリット13と、グレー
ティング14とから構成され、スリット13は第2のプ
リズム12とグレーティング14との間で、第2のプリ
ズム12の近傍に配設されている。
【0013】上記構成において作動について説明する。
ウインドウ3からスリット6、第1のプリズム11およ
び第2のプリズム12を経たレーザ光はグレーティング
14により狭帯域化され、第2のプリズム12および第
1のプリズム11に戻るが、このとき、グレーティング
14から第2のプリズム12に入る回折光の内、前記の
回折光Aはスリット13により遮蔽され第2のプリズム
12に入らない。従って、寄生発振となる回折光Aは出
力されることが無く、スペクトル波形がよくなるととも
に、スペクトル線幅の変化もなくなる。
【0014】さらに、反射させる場合には反射光がレー
ザ共振器中に戻らないように角度をつけて配置するのが
良い。また、レーザ光が照射されても粉塵またはアウト
ガスが発生しないものが良い。また、プリスムの低面と
正常発振との光路との距離を所定量だけ離すと効果を増
すことができる。
【0015】図3は本発明に係わる狭帯域レーザ装置の
第2実施例の一部拡大図である。なお、第1実施例の狭
帯域化ユニット10とは、狭帯域化ユニット20の第2
プリズム21が異なり、他は第1実施例と同一であり、
同一部品には同一符号を付して説明を省略する。図3に
おいて、後側の狭帯域化ユニット20は、プリズムビー
ムエキスパンダの第1のプリズム11および第2のプリ
ズム21と、グレーティング14とから構成され、第2
のプリズム21にはプリズムの一面(W面)の周囲に反
射光(または回折光)を吸収または反射させる手段1
5、例えば、図4に示すようにコーティングが設けられ
ている。このとき、吸収または反射させる手段はレーザ
光が照射されても粉塵またはアウトガスが発生しないも
のが良い。なお、作動については、第1実施例と同様の
ため説明は省略する。
【0016】図4には、本発明に係わる狭帯域レーザ装
置の第3実施例も図示されている。第2実施例に対し
て、第2のプリズム21が31に替わり、第2のプリズ
ム31(図示では21と同じ)では、入射および出射面
以外の少なくとも一面(低面V)が光学研磨をなされて
いる。
【0017】上記構成において作動について説明する。
グレーティング14から第2のプリズム12に入る回折
光の内、前記の回折光BおよごCは第2のプリズム31
の光学研磨面Vで一方向に回折されるために第1のプリ
ズム11に入らない。従って、寄生発振となる回折光B
およびCは出力されることが無く、さらにスペクトル波
形がよくなるとともに、スペクトル線幅の変化もなくな
る。プリズムの低面部を光学研磨面にすることにより、
寸法(M)を小さくできてプリズムを非常にコンパクト
にできる。
【0018】図5は本発明に係わる狭帯域レーザ装置の
第4実施例を示す図である。 図5において、後側には
狭帯域化ユニット40は、プリズムビームエキスパンダ
の第1のプリズム11および第2のプリズム12と、グ
レーティング14と、グレーティング14からの回折光
を吸収する第1の吸収プレート41と、第2のプリズム
12からの回折光を吸収する第2の吸収プレート42
と、第1のプリズム11からの回折光を反射した後に吸
収する第3の吸収プレート43および第1の反射プレー
ト44とから構成され、これらの構成部品は筺体45内
に配設されている。
【0019】上記構成において作動について説明する。
プリズム11、12からの反射光は非常に強いレーザ光
であり、このレーザ光共振器中に返されると自然発振が
寄生発振となって生き残る。また、グレーティング14
の次数の異なる回折光も共振器中に戻されると多波長発
振することになる。これらの寄生発振は露光装置の解像
力を非常に悪くする。第4実施例では、これらプリズム
11、12の反射光およびグレーティング14からの別
の回折光を吸収プレート42、43または反射プレート
44により受けて、自然発振させて共振器中にこれらの
光が戻らないようにしている。上記例では、スリットあ
るいは研磨は省略されているが、実施しても良いことは
いうまでもない。
【0020】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、図
6のスペクトル波形が示すように、自然発振や多波長発
振のような寄生発振は起こらなくなり、スペクトル波形
がよくなり、また、スペクトル線幅の変化もなくなる。
さらに、寄生発振のないスペクトル純度の良い出力レー
ザが得られ、また、プリズムを非常にコンパクトにでき
る。さらに、レーザ出力のアップ向上が計れるという優
れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる狭帯域レーザ装置の第1実施例
を示す概略図である。
【図2】本発明の図1の一部拡大図である。
【図3】本発明に係わる狭帯域レーザ装置の第2実施例
および第3実施例を示す一部拡大図である。
【図4】本発明に係わる第2実施例の一例を示すプリズ
ムーザの斜視図である。
【図5】本発明に係わる狭帯域レーザ装置の第4実施例
を示す概略図である。
【図6】本発明に係わる狭帯域レーザ装置からのスペク
トル波形を示す図である。
【図7】従来の狭帯域レーザ装置の実施例を示す概略図
である。
【図8】従来の狭帯域レーザ装置からのスペクトル波形
を示す図である。
【図9】従来の狭帯域レーザ装置の他の実施例の概略図
で回折光を説明する図である。
【図10】従来の狭帯域レーザ装置の実施例の一部拡大
図で回折光を説明する図である。
【符号の説明】
1 レーザチャンバ 2、3 ウインド 4、6 スリット 5 フロントミラー 11 第1のプリズム 12、21、31 第2のプリズム 13 スリット 14 グレーティング 15 反射光(または回折光)を吸収または反射さ
せる手段 41 第1の吸収プレート 42 第2の吸収プレート 43 第3の吸収プレート 44 第1の反射プレート 45 筺体

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくともプリズムとグレーティングを
    配置したレーザ装置において、各光学素子間に寄生発振
    となる光を遮断する手段を備えたことを特徴とする狭帯
    域レーザ装置。
  2. 【請求項2】 各光学素子間に寄生発振となる光を遮断
    する手段として、寄生発振となる光を吸収または反射す
    るプレートまたはスリットを配置した請求項1記載の狭
    帯域レーザ装置。
  3. 【請求項3】 少なくともプリズムとグレーティングを
    配置したレーザ装置において、プリズムまたはグレーテ
    ィングからの反射光(または回折光)を吸収または反射
    させる手段を備えたことを特徴とする狭帯域レーザ装
    置。
  4. 【請求項4】 吸収または反射させるための手段とし
    て、反射光または回折光の光路に吸収または反射プレー
    トを配置した請求項3の狭帯域レーザ装置。
  5. 【請求項5】 少なくともプリズムとグレーティングを
    配置したレーザ装置おいて、プリズムの入射および出射
    面以外の少なくとも一面を光学研磨面としたことを特徴
    とする狭帯域レーザ装置。
  6. 【請求項6】 プリズムの入射光軸と屈折透過光軸を含
    む面または屈折透過光軸と出射光軸を含む面に対して略
    垂直な面を光学研磨面とした請求項5の狭帯域レーザ装
    置。
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