JPH0616400Y2 - 電子線照射装置 - Google Patents

電子線照射装置

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JPH0616400Y2
JPH0616400Y2 JP650488U JP650488U JPH0616400Y2 JP H0616400 Y2 JPH0616400 Y2 JP H0616400Y2 JP 650488 U JP650488 U JP 650488U JP 650488 U JP650488 U JP 650488U JP H0616400 Y2 JPH0616400 Y2 JP H0616400Y2
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electron beam
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window
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JP650488U
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敏朗 錦見
弘道 江尻
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日新ハイボルテージ株式会社
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Description

【考案の詳細な説明】 (ア)技術分野 この考案は電子線照射装置の照射窓グリツドの改良に関
する。
電子線照射装置は、加速された電子線を、大気中の被処
理物に当てて化学反応を起こさせる装置である。
電線被覆、熱収縮チューブ、ゴムタイヤなどの架橋反応
などに用いられる。
また、印刷、フイルム、紙、金属板などへのコーテイン
グ、磁気テープなどの分野で用いられる。
電子線照射装置には、走査型のものと、非走査型のもの
がある。
(イ)従来技術 第1図によつて、一例として非走査型電子線照射装置の
概略の構造を説明する。
カソードフイラメント1は真空中にあつて、加熱されて
熱電子を発生する。これは、下に開口を有し円筒形状で
あるカソードシールド2によつて囲まれている。さら
に、加速チヤンバ3により、これらが囲まれている。加
速チヤンバ3の中は円筒形状になつているが、下が照射
窓4となつている。
カソードフイラメント1が発生した熱電子は、フイラメ
ント1と照射窓4の間で加速される。加速電圧は300kv
以下である。
加速された電子は、照射窓4を通つて大気中に出て、被
処理物15に照射される。
これらは、横方向に長い箱体5の上に設置されている。
箱体5は密封された空間になつており、被処理物15に
電子線を照射した時に発生する二次X線を防ぐようにな
つている。
箱体5の中には、被処理物15の搬送コンベア7が設け
られている。この上に、被処理物15が載かれて搬送さ
れる。箱体5の中には、いくつかのX線遮蔽体6があつ
て、散乱X線も外部へ出ないようになつている。
搬送コンベア7は、空気を運ぶので、これは望ましくな
い。そこでガス入口11から窒素ガスを導入し、ガス出
口12から排出される。
照射窓4には、多数の開口を有するグリツド8という金
属の板がある。
第2図は照射窓4の部分の拡大断面図である。
グリツド8には開口14があり、この下面には窓箔9が
張つてある。窓箔9の外周は窓箔押え10によつて押え
られている。
電子線20の大部分は、窓箔9を通つて外部に取りださ
れる。しかし、一部分は、加速チヤンバ3の内壁に当つ
たり、グリツド8の非開口部に当たる。特に電子線20
は下向きに出るが、グリツド8の上面に当たる確率は大
きい。
従来は、グリツド8はニツケル製であつた。ニツケルは
竪牢であるし、耐久性もある。
ところが、ニツケルは、熱伝導度があまりよくない。グ
リツド8には電子線20が激しく当るので、電子線によ
つて加熱される。
このままではグリツド8が融けてしまうので、これを冷
却する。冷却水を内部に通して冷却しようとすると、当
然、熱伝導率の高いものが望ましい。
熱伝導率が高ければ、グリツド内部、外部での冷却機構
が簡素化される。
そこで、グリツドの材質を銅Cuにしようと、本考案者等
は考えた。
銅の方がニツケルよりも熱伝導率が高い。
ところが、銅製のグリツドを使つてみると、放電を開始
してから、放電電流が安定するまでの時間が長くかかり
すぎるという欠点が表われた。
場合によつては、電流電圧が安定するまで、丸一日かか
る事もあつた。
(ウ)考案が解決すべき問題点 放電電流、電圧が安定してから、被処理物の処理ができ
るようになるのであるから、このような待ち時間が増え
るという事は、処理能率を著しく下げる。
この原因は、グリツド表面での放電である事が分つた。
放電が起こると、これが減衰するまで、電流、電圧が変
動する。放電がかなりの頻度で起こると電流、電圧のゆ
らぎが持続する。
グリツド表面にはガス分子が吸着しており、真空排気し
てもなかなか取れない。電子線が当る事による衝撃、加
熱により、少しずつガスが取れて排気される。この時
に、放電が励起されるものと推測される。
NiでもCuでも同じようにガス分子が付着しているはずで
あるが、Cuの方が、電流電圧が安定するまでの時間が長
い。
(エ)構成 放電がおこりにくいようにすればよいのである。
真空中で放電が起りやすいとか、起りにくいとかいうの
は、材料や形状により複雑である。放電の起りやすさを
与える適当な尺度はない。
しかし、真空中で、1mmのギヤツプ間に高電圧を加え、
放電が始まる電圧を測定する事により、放電の起りやす
さを評価する手法がある。
これによると、銅の放電開始電圧は、60〜80kV/1mmgap
である。Alの放電開始電圧は30kV/1mmgapである。
つまり、CuよりもAlの方が放電が起りやすいという事で
ある。
これに反して、クロムCrの放電開始電圧は150kV/1mmgap
である。
そこで、本考案者は、Cu製のグリツドの表面にクロムメ
ツキを施す事にした。
第3図、第4図によつて本考案のグリツドの例を示す。
第3図はグリツド8に、長方形状の開口14、14、…
を穿つたものである。このような開口14は電子線を通
すためのものである。非開口部16が横方向に存在す
る。これは、窓箔9を支持して、張力を緩和するための
ものである。
グリツド8の縦方向には、冷却水通し穴13、13が貫
通している。
このようなグリツドの構造は公知である。本考案に於て
は、グリツド8の上面の電子線の当たる部分にクロムメ
ツキ層17を設けている。クロムが表層にあるから、放
電が起こりにくい。
これが特長である。
グリツド8は下面に窓箔9を支持しており、しかも、電
子線をできるだけ効率よく通さなければならない。
そこで、多くの開口を持たなければならない。開口率は
70%〜80に達する。第3図のような大きい開口である
と、窓箔の張力を十分に緩和できないことがある。
この場合は、第4図に示すように、丸穴の多数の開口1
4′、…を穿つことにする。これはチドリ状に多数穿た
れる。この場合も、電子線の当る部分にクロムメツキ層
17が設けてある。
グリツド8の大きさは装置によつて多様である。長手方
向の電子線が照射される幅を照射幅というがこれは150m
m〜1200mmのものがある。
一例を述べる。第3図に示すグリツドで、外形が200mm
×100mm×25mmとする。開口14の寸法が4.5mm×80mm、
開口のピツチが6mmである。非開口部16のひとつの幅
が1.5mmである。非開口部は細いが、電子線が当るので
放電が起るのである。そこで、非開口部での放電を抑え
るためにクロムをメツキする。もちろん、グリツドの上
面全体にクロムメツキをしてもよい。メツキの厚みは1
0μm程度がよいが、5μm〜50μm程度でもよい。
グリツドの寸法や開口の形状、配列は任意である。本考
案は、電子線の当るグリツドの上面にクロムメツキ層を
形成したという事が重要なのである。
(オ)作用 電子線を被処理物に当ててこれを処理する。電子線の大
部分は開口14、14′を通り、窓箔9を通過して大気
中に置かれた被処理物15に入射する。しかし、残りは
非開口部16に当り、これを加熱する。冷却水がグリツ
ドの内部に通つているので、グリツドの昇温が抑制され
る。しかも、材質がNiではなく銅Cuであるので、冷却効
果が高い。
また、表面に於ける放電発生の頻度がクロムメツキのた
めに、著しく低くなる。
1mmのギヤツプの間に放電が始まる時の放電開始電圧
と、グリツドに電子線を当てて放電が起る頻度とは、直
接の関係がない。
これはもちろんである。電子線照射装置に於ては、グリ
ツド、カソード間に150kV以上の電圧がかかつている。
しかし、グリツド、カソード間の距離は、1mmというよ
うな狭いものではない。
しかし、平均の電場がグリツド、カソード間に均一に生
じているわけではない。電場のゆらぎがある。荷電粒子
が飛行しているのであるし、二次電子が発生したり、ガ
ス分子がイオン化したりするので、電場ゆらぎがかなら
ず生ずる。
局所的に生じた電場によつて放電が誘起される。したが
つて、放電開始電圧が高いものは、やはり放電が起こり
にくいと考えられる。
そして、実際に、Crメツキをする事により、放電が抑制
されたのである。
(カ)効果 銅の地肌が露出したグリツドの場合、電子線の照射を始
めた後、電流電圧が安定して、被処理物の処理を開始す
るまでに長い時間が必要であつた。これは、グリツド表
面で放電が高い頻度で起こり、これが減衰すると、間を
置かず、次の放電が起こるからである、と推測される。
本考案にように、Crメツキをすると、放電発生の頻度が
激減する。したがつて、電子線電流電圧が速く安定す
る。1時間程度で安定する。したがつて、処理を開始す
るまでの待ち時間が少ない。有効に電子線照射装置を利
用する事ができる。
また、従来のように、グリツドをNiとせず銅Cuとするの
で、熱伝導度に優れる。Cuの熱伝導度は0.9cal/cm・S℃
である。Niのそれは0.2cal/cm・S℃である。このため、
冷却水の系統を単純化できる。熱伝導の悪い材料の場
合、グリツドの上面、下面或は両面に冷却水パイプを多
数設けなければならなかつた。Cuの場合は、単純な冷却
水通し穴を縦方向に穿つだけで十分である。
【図面の簡単な説明】
第1図は非走査型電子線照射装置の略断面図。 第2図は照射窓の部分の拡大断面図。 第3図は本考案の実施例を示すグリツドの斜視図。 第4図は本考案の他の実施例を示すグリツドの斜視図。 1……カソードフイラメント 2……カソードシールド 3……加速チヤンバ 4……照射窓 5……箱体 6……X線遮蔽体 7……搬送コンベア 8……グリツド 9……窓箔 10……窓箔押え 11……ガス入口 12……ガス出口 13……冷却水通し穴 14,14′……開口 15……被処理物 16……非開口部 17……クロムメツキ層 20……電子線 21〜26……ローラ

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】加速チヤンバによつて囲まれた真空中にお
    いて電子線を発生し加速し照射窓4の窓箔9を通して電
    子線を大気中へとり出し被処理物15に照射する事とし
    た電子線照射装置において、照射窓4を構成する多数の
    開口14、14′を有するグリツド8が銅で作られてお
    り、少なくとも電子線の当たる方の面にクロムメツキ層
    17が設けられている事を特徴とする電子線照射装置。
JP650488U 1988-01-20 1988-01-20 電子線照射装置 Expired - Lifetime JPH0616400Y2 (ja)

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JP650488U JPH0616400Y2 (ja) 1988-01-20 1988-01-20 電子線照射装置

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JP650488U JPH0616400Y2 (ja) 1988-01-20 1988-01-20 電子線照射装置

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Publication Number Publication Date
JPH01110400U JPH01110400U (ja) 1989-07-25
JPH0616400Y2 true JPH0616400Y2 (ja) 1994-04-27

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ID=31210740

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JP650488U Expired - Lifetime JPH0616400Y2 (ja) 1988-01-20 1988-01-20 電子線照射装置

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JPH01110400U (ja) 1989-07-25

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