JPH0616368U - 階段昇降体の安全装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】この考案は、一般家庭、オフィス、工場等の建
物の階段部に設置され、人、荷物等を搬送する階段装置
において、昇降体を円滑に走行し事故を未然に防止し得
る安全装置に関するものである。 【構成】ガイドレールに沿って走行可能に昇降体を取付
け、該昇降体と平行状態を保持し得る感知レバーを板バ
ネ等の弾性変形部材によって連結すると共に、感知レバ
ーと接離可能な駆動制御用スイッチを昇降体に取付け、
上記弾性変形部材の撓みで可動する感知レバーでスイッ
チを開閉して昇降体を停止させるものである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、一般家庭、オフィス、工場等の建物の階段部に設置され、人、荷 物等を搬送する階段装置において、昇降体を円滑に走行し事故を未然に防止し得 る安全装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、この種の階段昇降体の安全装置としては、感知レバーに剛性部材よりな るパラレルリンク若くはスイングアーム等を取付けて昇降体に連結すると共に、 この剛性部材をリターンスプリングによって常時付勢して所定位置に保持し、妨 害干渉物が感知レバーに接触して押圧すると、リターンスプリングの張力に抗し て該感知レバーが変位することによって電源が切れ昇降体が停止するように構成 した安全装置が知られている。またこれとは別に昇降体に非接触型のセンサーを 配設して妨害干渉物をセンサーの一定作動範囲内で検出すると、昇降体が停止す るように構成した安全装置も知られている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記従来技術の前者のものは、感知レバーと、これを昇降体に 連結するパラレルリンク若くはスイングアーム等の剛性部材、さらにこの剛性部 材を常時所定位置に保持するように付勢するために別部材のリターンスプリング を必要とするものであるから、部品点数が多くなり、その取付け作業が煩瑣とな って、コスト高となる上、使用の際、屑片、ごみ等が部材に付着し易く、これに よってパラレルリンク若くはスイングアーム等の剛性部材と、感知レバーおよび 昇降体との連結枢着部分、リターンスプリングの円滑性が損なわれて作動が不確 実となる虞がある。 また後者のものは、部品コストが高価である上、妨害干渉物以外の物、例えば 昇降体に搭乗する人や荷物等の一部が不用意にセンサーの一定作動範囲内を遮る のみでもセンサーは妨害干渉物として検出し昇降体を停止する虞れがあり、これ を防止するためには複雑で高価な検出物判断装置が必要となって安価な安全装置 を取付けることができないものである。 そこで、この考案は、上記した従来技術の問題点に鑑み、これを解決したもの であって、部品点数が少なく、組立てが簡単であって、誤作動を起こすことなく 確実に昇降体を停止して事故、故障を未然に防止することができる安価な安全装 置を得ることを目的としたものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

これを達成する手段として、この考案は、ガイドレールに沿って走行可能に昇 降体を取付け、該昇降体と平行状態を保持し得る感知レバーを板バネ等の弾性変 形部材によって連結すると共に、感知レバーと接離可能な駆動制御用のスイッチ を昇降体に取付け、上記弾性変形部材の撓みで可動する感知レバーでスイッチを 開閉して昇降体を停止させるものである。

【０００５】

【実施例】

この考案の構成を図面に示す実施例について以下詳細に説明する。 １はカイドレールであって、設置される階段の形状に応じて適宜傾斜状態、湾 曲状態、水平状態に形成され、これに沿ってラックギア２が配設されている。 ３は昇降体であって、その本体内にはモーターによって駆動するピニオンギア が上記ラックギア２と噛合し、昇降体３をガイドレール１に沿って上下に昇降自 在に走行するように構成されている。 ５は安全装置であって、感知レバー６と板バネ７と駆動制御用スイッチ８とよ り構成されており、昇降体３に取付けられている本体のフットレスト４の下面に モーター駆動制御用スイッチ８を配設し、その前後方向には間隔をおいて夫々弾 性変形部材である板バネ７、７を固定金具９、９によってその一端を固定すると 共に、各板バネ７、７はフットレスト４に対して一方方向に同一角度に傾けて突 出させ、その先端部分に夫々固定金具１０、１０を取付けて感知レバー６をフッ トレスト４に対して平行状態を保持し得るように固定するが、その取付けに際し ては、この両固定金具９、１０で板バネ７、感知レバー６の取付角度が妄りに回 動変化しないように強固に固定する。さらに、感知レバー６には作動ロッド１１ をフットレスト４に向かって突設して、上記駆動制御用スイッチ８の開閉端子１ ２に接離可能に当接し、常時は開閉端子１２を圧接してモーター回路をＯＮ状態 に保持する。そして、この感知レバー６は一端が湾曲され、本体の上記コ字形状 に形成されているフットレスト４の左右両側部から夫々前面側に亘って配設され ている。

【０００６】 このように構成されているので、昇降体３の感知レバー６は板バネ７によって 、その作動ロッド１１で駆動制御用スイッチ８の開閉端子１２を圧接しモーター 回路をＯＮ状態に保持している。この状態でメインスイッチをＯＮとすると、モ ーターは駆動してピニオンギアはラックギア２上を噛合回転する。これによって 、昇降体３はガイドレール１に沿って走行し昇降するが、昇降体３の走行移動中 、妨害干渉物が感知レバー６に接触してこれを押圧すると、この押圧力によって 板バネ７はその弾性に抗して撓み、感知レバー６を図２の鎖線に示すようにフッ トレスト４に近づくように平行状態を保ちつつ横方向にスライドするため、感知 レバー６に取付けられている作動ロッド１１は駆動制御用スイッチ８の開閉端子 １２より離脱する。これにより該駆動制御用スイッチ８はＯＦＦとなるので、モ ーター回路はＯＦＦとなって昇降体３を確実に停止させることができる。 そこで、メインスイッチをＯＦＦにして電源を切り、妨害干渉物を取除けば、 板バネ７の弾性によって感知レバー６は旧位置に復帰し、作動ロッド１１は駆動 制御用スイッチ８の開閉端子１２を圧接しモーター回路を再びＯＮ状態とするこ とができ、メインスイッチを入れて電源回路をＯＮとすれば、昇降体３は再び走 行しガイドレール１に沿って昇降することができる。

【０００７】 なお、上記実施例における板バネに代わって弾性ゴム等の弾性変形部材であっ ても良い。 また、感知レバーはフットレストに配設するものに限らず、昇降体本体の感知 必要部分に配設し得るものであることは勿論である。

【０００８】

【考案の効果】

以上、実施例について詳述したように、この考案の安全装置は、感知レバーを 弾性変形部材で取付けた構成であるため、妨害干渉物が感知レバーに接触すると 弾性変形部材は容易に順応して撓み変形し、感知レバーを確実に作動させること ができて駆動制御用スイッチを開閉して昇降体を確実に停止させ事故、故障を未 然に防止することができるものである上、この安全装置の組立て、取付け作業は 部品点数が少ないこと、特別な調整作業が必要でないことから、作業能率を向上 することができ、コストダウンを計ることができると共に、バラツキのない堅牢 な製品を提供することができる等の優れた効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の一部省略せる全体の斜視図

【図２】同じくこの考案の要部の裏面図

【図３】同じくこの考案の感知レバーの駆動制御用のス
イッチ部分の縦断側面図

【図４】同じくこの考案の感知レバーの板バネ取付け部
分の縦断側面図

【符号の説明】

１ カイドレール ２ ラックギア ３ 昇降体 ４ フットレスト ５ 安全装置 ６ 感知レバー ７ 板バネ ８ 駆動制御用スイッチ ９ 固定金具 １０ 固定金具 １１ 作動ロッド １２ 開閉端子

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ガイドレールに沿って走行可能に昇降体
   を取付け、該昇降体と平行状態を保持し得る感知レバー
   を板バネ等の弾性変形部材によって連結すると共に、感
   知レバーと接離可能な駆動制御用スイッチを昇降体に取
   付け、上記弾性変形部材の撓みで可動する感知レバーで
   スイッチを開閉して昇降体を停止させることを特徴とす
   る階段昇降体の安全装置。