JPH06163234A - 表面処理磁性粉の製造方法及び磁気記録媒体用塗膜 - Google Patents
表面処理磁性粉の製造方法及び磁気記録媒体用塗膜Info
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- JPH06163234A JPH06163234A JP4341501A JP34150192A JPH06163234A JP H06163234 A JPH06163234 A JP H06163234A JP 4341501 A JP4341501 A JP 4341501A JP 34150192 A JP34150192 A JP 34150192A JP H06163234 A JPH06163234 A JP H06163234A
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- Japan
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- magnetic powder
- magnetic
- surface treatment
- powder
- dispersion
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 磁性粉との反応性をもつ官能基を有する有機
化合物を用いて磁性粉の表面処理を行うに際し、篩下9
0%粒子径が1.5μm以下になるように、該磁性粉を
分散媒中で機械的に高分散させる工程を有することを特
徴とする表面処理磁性粉の製造方法、並びに該製造方法
により得られた表面処理磁性粉を含有してなることを特
徴とする磁気記録媒体用塗膜。 【効果】 本発明によると、機械的分散力により磁性粉
の凝集状態を破壊し、表面処理剤で磁性粉表面を均一に
被覆することができ、表面処理磁性粉の磁性塗料中での
分散性を高めることができる。また本発明の磁気記録媒
体用塗膜は、磁性粉個々の独立性が増し、保磁力分布が
良くなっている。同時に磁性粉の充填性が高まることに
より残留磁束密度が大きく、角形比も高くなっている。
化合物を用いて磁性粉の表面処理を行うに際し、篩下9
0%粒子径が1.5μm以下になるように、該磁性粉を
分散媒中で機械的に高分散させる工程を有することを特
徴とする表面処理磁性粉の製造方法、並びに該製造方法
により得られた表面処理磁性粉を含有してなることを特
徴とする磁気記録媒体用塗膜。 【効果】 本発明によると、機械的分散力により磁性粉
の凝集状態を破壊し、表面処理剤で磁性粉表面を均一に
被覆することができ、表面処理磁性粉の磁性塗料中での
分散性を高めることができる。また本発明の磁気記録媒
体用塗膜は、磁性粉個々の独立性が増し、保磁力分布が
良くなっている。同時に磁性粉の充填性が高まることに
より残留磁束密度が大きく、角形比も高くなっている。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は磁気記録に用いられる表
面処理磁性粉の製造方法に関するものであり、また該表
面処理磁性粉を用いた磁気記録媒体用塗膜に関するもの
である。
面処理磁性粉の製造方法に関するものであり、また該表
面処理磁性粉を用いた磁気記録媒体用塗膜に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術・発明が解決しようとする課題】一般に磁
気記録媒体はその表面が平滑であるほどノイズが少なく
なり高いS/N比が得られるので、塗料化時に磁性粉を
高分散することが塗膜表面の平滑性を高めるためには重
要である。また、塗料化時に磁性粉を高分散すれば、磁
性粉個々の独立性が増すために、塗膜内での磁性粉の充
填性が良くなるとともに、磁場により磁性粉の方向が容
易に揃う様になり配向性が改善でき、静磁気特性が向上
することが一般に知られている。ところが、磁性粉は、
微小な粒子が凝集した状態になっており、一般に良く知
られた分散機による塗料化時の公知の分散方法では、十
分な分散状態が得られるとは言いがたい。
気記録媒体はその表面が平滑であるほどノイズが少なく
なり高いS/N比が得られるので、塗料化時に磁性粉を
高分散することが塗膜表面の平滑性を高めるためには重
要である。また、塗料化時に磁性粉を高分散すれば、磁
性粉個々の独立性が増すために、塗膜内での磁性粉の充
填性が良くなるとともに、磁場により磁性粉の方向が容
易に揃う様になり配向性が改善でき、静磁気特性が向上
することが一般に知られている。ところが、磁性粉は、
微小な粒子が凝集した状態になっており、一般に良く知
られた分散機による塗料化時の公知の分散方法では、十
分な分散状態が得られるとは言いがたい。
【0003】そこで、従来、塗料化時に磁性粉を高分散
する方法として、あらかじめ塗料化前に、磁性粉表面
を各種表面処理剤で改質する方法(特開昭54−943
08号公報、同56−49769号公報、同60−22
9306号公報等)磁性粉を不活性分散媒中で高分散
処理する方法(特開昭60−92408号公報)磁性
粉をバインダーと共に混練する方法(粉体工学会誌 Vo
l.29 P676〜681(1992))等が提案されている。しか
し、の方法では、磁性粉の分散が不十分なままで表面
処理されるので、塗料化時の分散において表面処理が不
十分な表面が現れ、表面処理の効果が低下することがあ
る。また、の方法では、磁性粉の強度の凝集はなくな
るが、表面処理がなされていない為に、バインダー溶液
との濡れ性が悪く磁性塗料中で再分散させにくいという
欠点がある。
する方法として、あらかじめ塗料化前に、磁性粉表面
を各種表面処理剤で改質する方法(特開昭54−943
08号公報、同56−49769号公報、同60−22
9306号公報等)磁性粉を不活性分散媒中で高分散
処理する方法(特開昭60−92408号公報)磁性
粉をバインダーと共に混練する方法(粉体工学会誌 Vo
l.29 P676〜681(1992))等が提案されている。しか
し、の方法では、磁性粉の分散が不十分なままで表面
処理されるので、塗料化時の分散において表面処理が不
十分な表面が現れ、表面処理の効果が低下することがあ
る。また、の方法では、磁性粉の強度の凝集はなくな
るが、表面処理がなされていない為に、バインダー溶液
との濡れ性が悪く磁性塗料中で再分散させにくいという
欠点がある。
【0004】これら、の方法における欠点を補う為
に、塗料化時にバインダーと共に分散剤を使用する方法
も考えられるが、これによるとバインダー中に低分子量
成分が増えるために塗膜強度の低下や塗膜表面と磁気ヘ
ッドとの摩擦係数の増大の原因となり、磁気ヘッドの汚
れや塗膜の耐久性の低下を招く恐れがある。また、の
方法は、塗料化時の磁性粉の分散性を高める方法とし
て、最も一般的になりつつある方法であるが、バインダ
ーと磁性粉が直接接触するために、バインダーと磁性粉
表面との間で架橋構造が発生し、磁性塗料の粘弾性が増
し磁場による配向が難しくなるので、強力な磁場配向器
が必要となる。
に、塗料化時にバインダーと共に分散剤を使用する方法
も考えられるが、これによるとバインダー中に低分子量
成分が増えるために塗膜強度の低下や塗膜表面と磁気ヘ
ッドとの摩擦係数の増大の原因となり、磁気ヘッドの汚
れや塗膜の耐久性の低下を招く恐れがある。また、の
方法は、塗料化時の磁性粉の分散性を高める方法とし
て、最も一般的になりつつある方法であるが、バインダ
ーと磁性粉が直接接触するために、バインダーと磁性粉
表面との間で架橋構造が発生し、磁性塗料の粘弾性が増
し磁場による配向が難しくなるので、強力な磁場配向器
が必要となる。
【0005】本発明の目的は、以上の様な従来の問題点
を解決すべく、凝集の少ない分散性に優れた表面処理磁
性粉の製造方法を提供するとともに、これを用いた磁気
特性に優れる磁気記録媒体用塗膜を提供することにあ
る。
を解決すべく、凝集の少ない分散性に優れた表面処理磁
性粉の製造方法を提供するとともに、これを用いた磁気
特性に優れる磁気記録媒体用塗膜を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、以上の課
題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、本発明を完
成するに至った。すなわち本発明の要旨は、(1)磁性
粉との反応性をもつ官能基を有する有機化合物を用いて
磁性粉の表面処理を行うに際し、篩下90%粒子径が
1.5μm以下になるように、該磁性粉を分散媒中で機
械的に高分散させる工程を有することを特徴とする表面
処理磁性粉の製造方法、(2)高分散が媒体攪拌型ミ
ル、高圧ホモジナイザー及び混練機よりなる群から選ば
れる一種以上を用いて行われることを特徴とする前記
(1)記載の製造方法、(3)磁性粉が鉄メタル粉であ
る前記(1)又は(2)記載の製造方法、並びに(4)
前記(1)〜(3)いずれか記載の製造方法により得ら
れた表面処理磁性粉を含有してなることを特徴とする磁
気記録媒体用塗膜に関する。
題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、本発明を完
成するに至った。すなわち本発明の要旨は、(1)磁性
粉との反応性をもつ官能基を有する有機化合物を用いて
磁性粉の表面処理を行うに際し、篩下90%粒子径が
1.5μm以下になるように、該磁性粉を分散媒中で機
械的に高分散させる工程を有することを特徴とする表面
処理磁性粉の製造方法、(2)高分散が媒体攪拌型ミ
ル、高圧ホモジナイザー及び混練機よりなる群から選ば
れる一種以上を用いて行われることを特徴とする前記
(1)記載の製造方法、(3)磁性粉が鉄メタル粉であ
る前記(1)又は(2)記載の製造方法、並びに(4)
前記(1)〜(3)いずれか記載の製造方法により得ら
れた表面処理磁性粉を含有してなることを特徴とする磁
気記録媒体用塗膜に関する。
【0007】以下、本発明を詳細に説明する。本発明で
用いられる磁性粉との反応性をもつ官能基を有する有機
化合物(以下、「表面処理剤」という)としては、磁性
粉表面の鉄原子と直接反応して鉄化合物を形成するか、
あるいは磁性粉表面の吸着水と反応して加水分解するこ
とにより磁性粉との結合子を形成する機能等、何らかの
結合子を磁性粉表面との間で形成できる機能を有するも
のであれば特に限定されるものではないが、例えばリン
酸エステル、有機ケイ素化合物、有機チタン化合物、有
機アルミニューム化合物等が挙げられる。リン酸エステ
ル類としては、例えばリン酸と炭素数2〜28の炭化水
素基を有するヒドロキシ化合物またはそのエチレンオキ
サイド付加物あるいはプロピレンオキサイド付加物とか
ら誘導される化合物、有機ケイ素化合物としては、例え
ば分子中に加水分解性アルコキシシラン基を有する化合
物、有機チタン化合物としては、例えば加水分解性アル
コキシチタン基を有する化合物、有機アルミニューム化
合物としては、例えば加水分解性アルコキシアルミニュ
ーム基を有する化合物等が挙げられ、これらは単独また
は組み合わせて使用できる。
用いられる磁性粉との反応性をもつ官能基を有する有機
化合物(以下、「表面処理剤」という)としては、磁性
粉表面の鉄原子と直接反応して鉄化合物を形成するか、
あるいは磁性粉表面の吸着水と反応して加水分解するこ
とにより磁性粉との結合子を形成する機能等、何らかの
結合子を磁性粉表面との間で形成できる機能を有するも
のであれば特に限定されるものではないが、例えばリン
酸エステル、有機ケイ素化合物、有機チタン化合物、有
機アルミニューム化合物等が挙げられる。リン酸エステ
ル類としては、例えばリン酸と炭素数2〜28の炭化水
素基を有するヒドロキシ化合物またはそのエチレンオキ
サイド付加物あるいはプロピレンオキサイド付加物とか
ら誘導される化合物、有機ケイ素化合物としては、例え
ば分子中に加水分解性アルコキシシラン基を有する化合
物、有機チタン化合物としては、例えば加水分解性アル
コキシチタン基を有する化合物、有機アルミニューム化
合物としては、例えば加水分解性アルコキシアルミニュ
ーム基を有する化合物等が挙げられ、これらは単独また
は組み合わせて使用できる。
【0008】リン酸エステルの具体例としてはモノ、
(ジ、セスキ)ドデシルフォスフェート、モノ、(ジ、
セスキ)オクチルフォスフェート、モノ、(ジ、セス
キ)プロピルフォスフェート、モノ、(ジ、セスキ)ド
デシルポリオキシエチレン(酸化エチレン付加モル数n
=3〜15)フォスフェート、モノ、(ジ、セスキ)ノ
ニルフェニルポリオキシエチレン(n=3〜15)フォ
スフェート、モノ、(ジ、セスキ)ドデシルポリオキシ
プロピレン(酸化プロピレン付加モル数m=3〜15)
フォスフェート、モノ、(ジ、セスキ)ノニルフェニル
ポリオキシプロピレン(m=3〜15)フォスフェート
等が挙げられる。
(ジ、セスキ)ドデシルフォスフェート、モノ、(ジ、
セスキ)オクチルフォスフェート、モノ、(ジ、セス
キ)プロピルフォスフェート、モノ、(ジ、セスキ)ド
デシルポリオキシエチレン(酸化エチレン付加モル数n
=3〜15)フォスフェート、モノ、(ジ、セスキ)ノ
ニルフェニルポリオキシエチレン(n=3〜15)フォ
スフェート、モノ、(ジ、セスキ)ドデシルポリオキシ
プロピレン(酸化プロピレン付加モル数m=3〜15)
フォスフェート、モノ、(ジ、セスキ)ノニルフェニル
ポリオキシプロピレン(m=3〜15)フォスフェート
等が挙げられる。
【0009】また、有機ケイ素化合物としては、
【0010】
【化1】
【0011】フェニルまたはアルキルトリアルコキシシ
ラン1モルと長鎖脂肪酸1〜2モルとの反応生成物等を
挙げることができる。
ラン1モルと長鎖脂肪酸1〜2モルとの反応生成物等を
挙げることができる。
【0012】また、有機チタン化合物としては、
【0013】
【化2】
【0014】等を挙げることができる。
【0015】また、有機アルミニューム化合物として
は、
は、
【0016】
【化3】
【0017】等を挙げることができる。
【0018】本発明における表面処理剤の使用量は、磁
性粉表面に全て吸着して、分散媒中に極微量しか残らな
いように決定することが重要である。使用する表面処理
剤の種類にもよるが、磁性粉に対して通常0.5〜15
重量%、好ましくは2〜10重量%である。0.5重量
%未満では本発明の効果である分散性の向上が十分には
得られない。また15重量%を越えると、余剰な表面処
理剤を除去する工程が必要になり、工程が煩雑になるの
で得策ではない。
性粉表面に全て吸着して、分散媒中に極微量しか残らな
いように決定することが重要である。使用する表面処理
剤の種類にもよるが、磁性粉に対して通常0.5〜15
重量%、好ましくは2〜10重量%である。0.5重量
%未満では本発明の効果である分散性の向上が十分には
得られない。また15重量%を越えると、余剰な表面処
理剤を除去する工程が必要になり、工程が煩雑になるの
で得策ではない。
【0019】本発明に用いられる磁性粉としては、針状
形の微細な金属酸化物(例えば、γ−Fe2 O3 ,Fe
3 O4 ,CrO2 ,Co被着γ−Fe2 O3 、Coドー
プγ−Fe2 O3 等)、鉄メタル粉、微小板状のバリウ
ムフェライトおよびそのFe原子の一部がTi,Co,
Zn,V,Nb等の1種または2種以上で置換された磁
性粉、金属または合金の超微粉(例えば、Co,Fe−
Co,Fe−Ni等の超微粉)などが挙げられる。これ
らのうち鉄メタル粉は特に化学的安定性が悪いので、こ
の改良のためNi,Co,Ti,Si,Alなどを金属
原子、塩および酸化物の形で少量加えたり、表面処理し
てもよい。鉄メタル粉は、またその安定化の為、弱い酸
化性雰囲気の中で表面に薄い酸化被膜を形成させること
があるが、このように処理された鉄メタル粉を用いるこ
ともできる。本発明は特に粒子が小さく凝集しやすい磁
性粉の分散性向上に有用であることから鉄メタル粉に好
適に用いられる。本発明の製造方法は、上記以外にも平
均粒子径100A〜700Aの球状メタル粉や球状合金
粉(超微粉)にも適用できる。
形の微細な金属酸化物(例えば、γ−Fe2 O3 ,Fe
3 O4 ,CrO2 ,Co被着γ−Fe2 O3 、Coドー
プγ−Fe2 O3 等)、鉄メタル粉、微小板状のバリウ
ムフェライトおよびそのFe原子の一部がTi,Co,
Zn,V,Nb等の1種または2種以上で置換された磁
性粉、金属または合金の超微粉(例えば、Co,Fe−
Co,Fe−Ni等の超微粉)などが挙げられる。これ
らのうち鉄メタル粉は特に化学的安定性が悪いので、こ
の改良のためNi,Co,Ti,Si,Alなどを金属
原子、塩および酸化物の形で少量加えたり、表面処理し
てもよい。鉄メタル粉は、またその安定化の為、弱い酸
化性雰囲気の中で表面に薄い酸化被膜を形成させること
があるが、このように処理された鉄メタル粉を用いるこ
ともできる。本発明は特に粒子が小さく凝集しやすい磁
性粉の分散性向上に有用であることから鉄メタル粉に好
適に用いられる。本発明の製造方法は、上記以外にも平
均粒子径100A〜700Aの球状メタル粉や球状合金
粉(超微粉)にも適用できる。
【0020】本発明に用いられる分散媒は、前記の磁性
粉および表面処理剤のいずれとも反応しない不活性な分
散媒であればいずれのものも使用可能であり、例えば、
シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、メチルイソブ
チルケトンなどのケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチ
ルなどのエステル系溶剤、ベンゼン、トルエン、キシレ
ンなどの芳香族系溶剤、ジメチルスルホキシド、ジエチ
ルスルホキシドなどのスルホキシド系溶剤、テトラヒド
ロフラン、ジオキサンなどのエーテル系溶剤などの有機
溶剤を単独または二種以上混合して使用することができ
る。また、水、四塩化炭素等の無機液体を使用すること
もできる。ここで、用いる分散媒が磁性塗料の溶剤とし
て利用できる組み合わせと量であれば、分散媒の乾燥工
程の必要が無く好ましい。特に磁性粉の分散に混練機を
用いる場合は、塗料化時に更に希釈が必要なため、表面
処理の分散媒と磁性塗料の溶剤とが同一であることが好
ましい。本発明で、分散媒の適正な使用量は、各種分散
機が運転できる範囲であれば特に制限されないが、一般
的に分散機として後述の媒体攪拌型ミルまたは高圧ホモ
ジナイザーを用いる場合、磁性粉100重量部に対して
70〜400重量部であり、混練機を用いる場合、5〜
50重量部である。これらの範囲より分散媒の使用量が
少ないと各種分散機の混合攪拌特性による均一分散性が
不十分となり、またこれらの範囲を越えると媒体攪拌型
ミル又は高圧ホモジナイザーを用いる場合は生産性が低
下して好ましくなく、混練機を用いる場合は粘度が低く
なり充分な分散力が得られない状態となり好ましくな
い。
粉および表面処理剤のいずれとも反応しない不活性な分
散媒であればいずれのものも使用可能であり、例えば、
シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、メチルイソブ
チルケトンなどのケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチ
ルなどのエステル系溶剤、ベンゼン、トルエン、キシレ
ンなどの芳香族系溶剤、ジメチルスルホキシド、ジエチ
ルスルホキシドなどのスルホキシド系溶剤、テトラヒド
ロフラン、ジオキサンなどのエーテル系溶剤などの有機
溶剤を単独または二種以上混合して使用することができ
る。また、水、四塩化炭素等の無機液体を使用すること
もできる。ここで、用いる分散媒が磁性塗料の溶剤とし
て利用できる組み合わせと量であれば、分散媒の乾燥工
程の必要が無く好ましい。特に磁性粉の分散に混練機を
用いる場合は、塗料化時に更に希釈が必要なため、表面
処理の分散媒と磁性塗料の溶剤とが同一であることが好
ましい。本発明で、分散媒の適正な使用量は、各種分散
機が運転できる範囲であれば特に制限されないが、一般
的に分散機として後述の媒体攪拌型ミルまたは高圧ホモ
ジナイザーを用いる場合、磁性粉100重量部に対して
70〜400重量部であり、混練機を用いる場合、5〜
50重量部である。これらの範囲より分散媒の使用量が
少ないと各種分散機の混合攪拌特性による均一分散性が
不十分となり、またこれらの範囲を越えると媒体攪拌型
ミル又は高圧ホモジナイザーを用いる場合は生産性が低
下して好ましくなく、混練機を用いる場合は粘度が低く
なり充分な分散力が得られない状態となり好ましくな
い。
【0021】本発明の製造方法は、以上の表面処理剤、
磁性粉、分散媒を用いて行うものであり、表面処理剤を
用いて磁性粉の表面処理を行うに際し、篩下90%粒子
径が1.5μm以下になるように、該磁性粉を分散媒中
で機械的に高分散させる工程を有することを特徴とする
ものである。具体的な操作手順としては、磁性粉に対し
て不活性な前記の分散媒中に所定量の磁性粉を入れて分
散機にかけ、磁性粉の篩下90%粒子径が1.5μm以
下になるまで高分散するものである。1.0μm以下に
なるまで高分散するとさらに好ましい。この篩下90%
粒子径が1.5μmよりも大きいと、本発明の効果であ
る塗料化時の高分散性が十分に発現されないので好まし
くない。ここで篩下90%粒子径とは、粉体の90重量
%が通過出来る大きさであり、粒子径は光散乱式粒度分
布測定装置(堀場製作所(株)製 LA−700)を用
いて、展開分散媒としてヘプタデシルヒドロキシエチル
イミダゾリンの2重量%エタノール溶液を使用して測定
したものである。表面処理は表面処理剤の一部または全
部を分散媒中に予め入れておき分散と同時に表面処理を
行う方法により通常行われるが、全量を分散後に加えて
から表面処理を行ってもよい。
磁性粉、分散媒を用いて行うものであり、表面処理剤を
用いて磁性粉の表面処理を行うに際し、篩下90%粒子
径が1.5μm以下になるように、該磁性粉を分散媒中
で機械的に高分散させる工程を有することを特徴とする
ものである。具体的な操作手順としては、磁性粉に対し
て不活性な前記の分散媒中に所定量の磁性粉を入れて分
散機にかけ、磁性粉の篩下90%粒子径が1.5μm以
下になるまで高分散するものである。1.0μm以下に
なるまで高分散するとさらに好ましい。この篩下90%
粒子径が1.5μmよりも大きいと、本発明の効果であ
る塗料化時の高分散性が十分に発現されないので好まし
くない。ここで篩下90%粒子径とは、粉体の90重量
%が通過出来る大きさであり、粒子径は光散乱式粒度分
布測定装置(堀場製作所(株)製 LA−700)を用
いて、展開分散媒としてヘプタデシルヒドロキシエチル
イミダゾリンの2重量%エタノール溶液を使用して測定
したものである。表面処理は表面処理剤の一部または全
部を分散媒中に予め入れておき分散と同時に表面処理を
行う方法により通常行われるが、全量を分散後に加えて
から表面処理を行ってもよい。
【0022】高分散に用いられる分散機は十分な分散力
があれば特に限定されないが、媒体攪拌型ミル、高圧ホ
モジナイザー及び混練機よりなる群から選ばれる一種以
上を用いることが好ましい。ここで、媒体攪拌型ミルと
は、容器内部にガラスビーズや特殊な砂などの粉砕媒体
をいれ、これを攪拌することで粉砕媒体に運動エネルギ
ーを与え、それら粉砕媒体粒子間に働く衝突、せん断、
摩擦作用を利用して、被分散物を分散する装置であり、
攪拌機の種類により、スクリュータイプ、ディスクタイ
プ、アームタイプのものがある。本発明には、特にディ
スクタイプの物が効果が高く、これらの分散機は一般的
にサンドミル、サンドグラインダー等と呼ばれている。
これらの装置の具体例としては、パールミル(アシザワ
(株))、ダイノーミル(シンマルエンタープライゼ
ス)、コボールミル(神鋼パンテック(株))等が挙げ
られる。
があれば特に限定されないが、媒体攪拌型ミル、高圧ホ
モジナイザー及び混練機よりなる群から選ばれる一種以
上を用いることが好ましい。ここで、媒体攪拌型ミルと
は、容器内部にガラスビーズや特殊な砂などの粉砕媒体
をいれ、これを攪拌することで粉砕媒体に運動エネルギ
ーを与え、それら粉砕媒体粒子間に働く衝突、せん断、
摩擦作用を利用して、被分散物を分散する装置であり、
攪拌機の種類により、スクリュータイプ、ディスクタイ
プ、アームタイプのものがある。本発明には、特にディ
スクタイプの物が効果が高く、これらの分散機は一般的
にサンドミル、サンドグラインダー等と呼ばれている。
これらの装置の具体例としては、パールミル(アシザワ
(株))、ダイノーミル(シンマルエンタープライゼ
ス)、コボールミル(神鋼パンテック(株))等が挙げ
られる。
【0023】また、高圧ホモジナイザーとは、フランス
人アウグスト・ガウリンが1900年に優れた乳化ある
いは分散物を容易に生産できる高エネルギー機械を発明
し、これを説明するために「ホモジナイザー」と言う語
を新造した事に由来してできた言葉である。その装置の
特長は、被分散物を含む流体を加圧し、狭い隙間から放
出させる事により、高速ジェット流を発生させ、この高
速ジェット流内での被分散物同士あるいは装置内壁との
衝突、せん断、摩擦作用を利用して、被分散物を分散さ
せることである。現在ガウリン社、三丸機械製作所等で
製造されているタイプが最も一般的である。従って、こ
れらのメーカーが製造しているタイプのものを本発明に
利用できるが、これらの装置は運転圧力が最高700kg
f/cm2 程度なので、さらに、本発明の効果を高めるため
には、より高圧で運転できる装置が望ましく、具体的に
は、ナノマイザー(ナノマイザー(株))やマイクロフ
ルイダイザー(マイクロフルイディックス社)の使用が
より優れた効果を発揮する。また、高圧ホモジナイザー
と超音波分散機の併用型であるミクロマイザー(特殊機
化工業(株))も同等の効果を発揮する。
人アウグスト・ガウリンが1900年に優れた乳化ある
いは分散物を容易に生産できる高エネルギー機械を発明
し、これを説明するために「ホモジナイザー」と言う語
を新造した事に由来してできた言葉である。その装置の
特長は、被分散物を含む流体を加圧し、狭い隙間から放
出させる事により、高速ジェット流を発生させ、この高
速ジェット流内での被分散物同士あるいは装置内壁との
衝突、せん断、摩擦作用を利用して、被分散物を分散さ
せることである。現在ガウリン社、三丸機械製作所等で
製造されているタイプが最も一般的である。従って、こ
れらのメーカーが製造しているタイプのものを本発明に
利用できるが、これらの装置は運転圧力が最高700kg
f/cm2 程度なので、さらに、本発明の効果を高めるため
には、より高圧で運転できる装置が望ましく、具体的に
は、ナノマイザー(ナノマイザー(株))やマイクロフ
ルイダイザー(マイクロフルイディックス社)の使用が
より優れた効果を発揮する。また、高圧ホモジナイザー
と超音波分散機の併用型であるミクロマイザー(特殊機
化工業(株))も同等の効果を発揮する。
【0024】さらに、混練機とは、同じ容器の中で1種
あるいはそれ以上の粉体を混ぜながら、同時に液体や微
粉の結合剤や添加剤を練りながら、粉体のまわりに結合
剤などのコーティング層を作る装置である。本発明に利
用できる具体的機種としては、ニーダー、連続ニーダ
ー、機械加圧ニーダー、ヘリカルロータ、スクリュー押
出機(エクストルーダ)、インターナルミキサー、コン
ティニュアスニーダー、バンバリーミキサー、ギヤーコ
ンパウンダー等があり、特にスクリュー押出機(エクス
トルーダ)、インターナルミキサー、コンティニュアス
ニーダー等の2軸タイプが優れた効果を発揮する。
あるいはそれ以上の粉体を混ぜながら、同時に液体や微
粉の結合剤や添加剤を練りながら、粉体のまわりに結合
剤などのコーティング層を作る装置である。本発明に利
用できる具体的機種としては、ニーダー、連続ニーダ
ー、機械加圧ニーダー、ヘリカルロータ、スクリュー押
出機(エクストルーダ)、インターナルミキサー、コン
ティニュアスニーダー、バンバリーミキサー、ギヤーコ
ンパウンダー等があり、特にスクリュー押出機(エクス
トルーダ)、インターナルミキサー、コンティニュアス
ニーダー等の2軸タイプが優れた効果を発揮する。
【0025】本発明では、必要に応じて分散後において
表面処理剤と磁性粉表面との反応を完結させ結合を強め
るために加熱処理してもかまわない。加熱処理をする場
合は、反応速度の点から60℃以上が望ましい。最後に
分散媒を乾燥して、表面処理磁性粉を得るが、この乾燥
工程と加熱処理を同時に行う事も可能である。乾燥、加
熱は、通常公知の方法により行われる。また、分散媒が
塗料化工程で用いる溶剤と同じであれば、前記のように
乾燥工程を省略してもかまわない。
表面処理剤と磁性粉表面との反応を完結させ結合を強め
るために加熱処理してもかまわない。加熱処理をする場
合は、反応速度の点から60℃以上が望ましい。最後に
分散媒を乾燥して、表面処理磁性粉を得るが、この乾燥
工程と加熱処理を同時に行う事も可能である。乾燥、加
熱は、通常公知の方法により行われる。また、分散媒が
塗料化工程で用いる溶剤と同じであれば、前記のように
乾燥工程を省略してもかまわない。
【0026】以上のような本発明の製造方法は、機械的
分散力により磁性粉の凝集状態を破壊し、表面処理剤で
磁性粉表面を均一に被覆することで、表面処理磁性粉の
磁性塗料中での分散性を高めることを達成している。ま
た、磁性粉の凝集状態を機械的に解消しているので、磁
性粉個々の独立性が増すため、得られる磁気記録用塗膜
の保磁力分布を向上させることができる。更に、磁性粉
同士の立体的障害を減少させて、磁性粉の充填性を高
め、磁気記録用塗膜の残留磁化を大きくするとともに角
形比も高くできる。
分散力により磁性粉の凝集状態を破壊し、表面処理剤で
磁性粉表面を均一に被覆することで、表面処理磁性粉の
磁性塗料中での分散性を高めることを達成している。ま
た、磁性粉の凝集状態を機械的に解消しているので、磁
性粉個々の独立性が増すため、得られる磁気記録用塗膜
の保磁力分布を向上させることができる。更に、磁性粉
同士の立体的障害を減少させて、磁性粉の充填性を高
め、磁気記録用塗膜の残留磁化を大きくするとともに角
形比も高くできる。
【0027】上述のようにして得られる表面処理磁性粉
を含有する本発明の磁気記録媒体用塗膜の製造は、常法
に準じて行なうことができる。例えば、この表面処理磁
性粉を、結合剤樹脂、有機溶剤およびその他の必要成分
とともに分散混合して磁性塗料を調製し、この磁性塗料
をポリエステルフィルムなどの基体上に、ドクターブレ
ード法、グラビア、リバース法、ロール塗りなど任意の
手段で塗布し、必要により磁場をかけて磁場配向後、乾
燥するなどの方法で行なう。
を含有する本発明の磁気記録媒体用塗膜の製造は、常法
に準じて行なうことができる。例えば、この表面処理磁
性粉を、結合剤樹脂、有機溶剤およびその他の必要成分
とともに分散混合して磁性塗料を調製し、この磁性塗料
をポリエステルフィルムなどの基体上に、ドクターブレ
ード法、グラビア、リバース法、ロール塗りなど任意の
手段で塗布し、必要により磁場をかけて磁場配向後、乾
燥するなどの方法で行なう。
【0028】ここで、結合剤樹脂としては、ポリ塩化ビ
ニル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体、繊維
素系樹脂、ブチラール系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポ
リエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエーテル系樹
脂、イソシアネート化合物など従来から汎用されている
結合樹脂がいずれも用いられる。また、有機溶剤として
は、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、メチルイ
ソブチルケトンなどのケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸
ブチルなどのエステル系溶剤、ベンゼン、トルエン、キ
シレンなどの芳香族系溶剤、ジメチルスルホキシド、ジ
エチルスルホキシドなどのスルホキシド系溶剤、テトラ
ヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル系溶剤など、
使用する結合剤樹脂を溶解するのに適した溶剤が、特に
制限されることなく単独または二種以上混合して使用さ
れる。なお、磁性塗料中には通常使用されている各種添
加剤、例えば、潤滑油、研磨剤、帯電防止剤などを適宜
添加してもよい。このようにして形成された磁気記録媒
体用塗膜は、用途に応じてテープ状あるいはディスク状
にカットし、組み上げることにより、信頼性の高い高性
能磁気記録媒体として使用し得るものである。
ニル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体、繊維
素系樹脂、ブチラール系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポ
リエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエーテル系樹
脂、イソシアネート化合物など従来から汎用されている
結合樹脂がいずれも用いられる。また、有機溶剤として
は、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、メチルイ
ソブチルケトンなどのケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸
ブチルなどのエステル系溶剤、ベンゼン、トルエン、キ
シレンなどの芳香族系溶剤、ジメチルスルホキシド、ジ
エチルスルホキシドなどのスルホキシド系溶剤、テトラ
ヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル系溶剤など、
使用する結合剤樹脂を溶解するのに適した溶剤が、特に
制限されることなく単独または二種以上混合して使用さ
れる。なお、磁性塗料中には通常使用されている各種添
加剤、例えば、潤滑油、研磨剤、帯電防止剤などを適宜
添加してもよい。このようにして形成された磁気記録媒
体用塗膜は、用途に応じてテープ状あるいはディスク状
にカットし、組み上げることにより、信頼性の高い高性
能磁気記録媒体として使用し得るものである。
【0029】
【実施例】以下、実施例および比較例により本発明をさ
らに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例等によ
りなんら限定されるものではない。
らに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例等によ
りなんら限定されるものではない。
【0030】実施例1 内部に分散媒体として平均粒径1mmのジルコニアビー
ズを仕込んだ内容積1リットルのバッチ式の媒体攪拌型
ミル(五十嵐機械製造(株)製 TSG−6H型)に以
下の原料を仕込み、2000rpmで1時間分散させつ
つ表面処理を行った。この時、光散乱式粒度分布測定装
置(堀場製作所(株)製 LA−700)、展開溶媒と
してヘプタデシルヒドロキシエチルイミダゾリンの2重
量%エタノール溶液を用い、Co被着γ−Fe2 O3 の
粒度分布を測定したところ篩下90%粒子径が0.85
μmであった。その後ジルコニアビーズを除去して乾燥
し、表面処理磁性粉を得た。 Co被着γ−Fe2 O3 (長軸350nm、軸比10) :100重量部 トルエン :250重量部 有機シラン化合物 (東芝シリコーン(株)製 XC95−644) :1.6重量部 リン酸エステル (東邦化学工業(株)製 フォスファノールRE−610): 4重量部
ズを仕込んだ内容積1リットルのバッチ式の媒体攪拌型
ミル(五十嵐機械製造(株)製 TSG−6H型)に以
下の原料を仕込み、2000rpmで1時間分散させつ
つ表面処理を行った。この時、光散乱式粒度分布測定装
置(堀場製作所(株)製 LA−700)、展開溶媒と
してヘプタデシルヒドロキシエチルイミダゾリンの2重
量%エタノール溶液を用い、Co被着γ−Fe2 O3 の
粒度分布を測定したところ篩下90%粒子径が0.85
μmであった。その後ジルコニアビーズを除去して乾燥
し、表面処理磁性粉を得た。 Co被着γ−Fe2 O3 (長軸350nm、軸比10) :100重量部 トルエン :250重量部 有機シラン化合物 (東芝シリコーン(株)製 XC95−644) :1.6重量部 リン酸エステル (東邦化学工業(株)製 フォスファノールRE−610): 4重量部
【0031】ついで、得られた表面処理磁性粉を下記の
塗料配合で、上記バッチ式の媒体攪拌型ミルに仕込み、
2000rpmで2時間分散した後、硬化剤としてコロ
ネートL(日本ポリウレタン工業(株)製)2.5重量
部を添加し、さらに15分間混合を行なった後、濾過し
てジルコニアビーズを分離し、磁性塗料を調製した。こ
の塗料を10μm厚のPETフィルム上に乾燥膜厚が3
μmになるように塗布し、磁場配向処理後乾燥してPE
Tフィルム上に磁性層を形成した。次いで、カレンダー
処理により鏡面加工して磁気記録用塗膜1を得た。得ら
れた磁気記録用塗膜の残留磁化Br、角形比Sq、保磁
力分布SFD等の静磁気特性を他の例とともに表1に示
す。またここで用いた原料となる磁性粉の飽和磁化σ
s、角形比Rs、保磁力分布SFD等の静磁気特性を、
表2に示す。尚、磁気記録用塗膜及び磁性粉の静磁気特
性は、東英工業(株)のVSM(P10−15−AUT
O型)で外部磁場10KOeで測定した。また、磁気記
録用塗膜のグロス(光沢度)は、日本電色工業(株)の
光沢計(VG−2PD型)で測定した。
塗料配合で、上記バッチ式の媒体攪拌型ミルに仕込み、
2000rpmで2時間分散した後、硬化剤としてコロ
ネートL(日本ポリウレタン工業(株)製)2.5重量
部を添加し、さらに15分間混合を行なった後、濾過し
てジルコニアビーズを分離し、磁性塗料を調製した。こ
の塗料を10μm厚のPETフィルム上に乾燥膜厚が3
μmになるように塗布し、磁場配向処理後乾燥してPE
Tフィルム上に磁性層を形成した。次いで、カレンダー
処理により鏡面加工して磁気記録用塗膜1を得た。得ら
れた磁気記録用塗膜の残留磁化Br、角形比Sq、保磁
力分布SFD等の静磁気特性を他の例とともに表1に示
す。またここで用いた原料となる磁性粉の飽和磁化σ
s、角形比Rs、保磁力分布SFD等の静磁気特性を、
表2に示す。尚、磁気記録用塗膜及び磁性粉の静磁気特
性は、東英工業(株)のVSM(P10−15−AUT
O型)で外部磁場10KOeで測定した。また、磁気記
録用塗膜のグロス(光沢度)は、日本電色工業(株)の
光沢計(VG−2PD型)で測定した。
【0032】塗料配合 表面処理磁性粉 100重量部 レシチン 2 〃 カーボンブラック 3 〃 γ−アルミナ 5 〃 VAGH*1 15 〃 ニッポラン2304*2 10 〃 メチルエチルケトン 150 〃 トルエン 50 〃 シクロヘキサノン 75 〃 (註)*1:ユニオンカーバイド社製塩化ビニル/酢酸
ビニル/ポリビニルアルコール共重合体 *2:日本ポリウレタン工業(株)製のポリウレタン樹
脂
ビニル/ポリビニルアルコール共重合体 *2:日本ポリウレタン工業(株)製のポリウレタン樹
脂
【0033】実施例2 実施例1と同じ組成の混合物を、高速回転型分散機(特
殊機化工業(株)製TKホモミクサー)で30分間予備
分散したのち、高圧ホモジナイザー(マイクロフルイデ
ィックス社(USA)製 マイクロフルイダイザー)を
用い1000kg/cm2で6パスし、篩下90%粒子径が
0.90μmの磁性粉分散液を得た。このとき表面処理
は分散と同時に行われた。ついで、これを乾燥して表面
処理磁性粉を得た。次に、この表面処理磁性粉を用い
て、実施例1と同じ条件で塗料化、塗工し、磁気記録用
塗膜2を得た。得られた磁気記録用塗膜の静磁気特性を
他の例とともに表1に示す。
殊機化工業(株)製TKホモミクサー)で30分間予備
分散したのち、高圧ホモジナイザー(マイクロフルイデ
ィックス社(USA)製 マイクロフルイダイザー)を
用い1000kg/cm2で6パスし、篩下90%粒子径が
0.90μmの磁性粉分散液を得た。このとき表面処理
は分散と同時に行われた。ついで、これを乾燥して表面
処理磁性粉を得た。次に、この表面処理磁性粉を用い
て、実施例1と同じ条件で塗料化、塗工し、磁気記録用
塗膜2を得た。得られた磁気記録用塗膜の静磁気特性を
他の例とともに表1に示す。
【0034】実施例3 トルエン量を250重量部から20重量部に減らした以
外は、実施例1と同様の原料を、ハイスピードミキサー
(深江工業(株)製)で予備混合したのち、2軸エクス
トルーダー(スクリュー径40φ,L/D=40(株)
栗本鐡工所製)に6kg/Hrで供給し、200rpmで
混練りし、篩下90%粒子径が1.1μmである磁性粉
分散物を得た。このとき表面処理は分散と同時に行われ
た。ついで、これを乾燥して表面処理磁性粉を得た。次
に、この表面処理磁性粉を用いて、実施例1と同じ条件
で塗料化、塗工し、磁気記録用塗膜3を得た。得られた
磁気記録用塗膜の静磁気特性を他の例とともに表1に示
す。
外は、実施例1と同様の原料を、ハイスピードミキサー
(深江工業(株)製)で予備混合したのち、2軸エクス
トルーダー(スクリュー径40φ,L/D=40(株)
栗本鐡工所製)に6kg/Hrで供給し、200rpmで
混練りし、篩下90%粒子径が1.1μmである磁性粉
分散物を得た。このとき表面処理は分散と同時に行われ
た。ついで、これを乾燥して表面処理磁性粉を得た。次
に、この表面処理磁性粉を用いて、実施例1と同じ条件
で塗料化、塗工し、磁気記録用塗膜3を得た。得られた
磁気記録用塗膜の静磁気特性を他の例とともに表1に示
す。
【0035】実施例4 内部に粉砕媒体として平均粒径1mmのジルコニアビー
ズを仕込んだ内容積1リットルのバッチ式の媒体攪拌型
ミル(五十嵐機械製造(株)製 TSG−6H型)に以
下の原料を仕込み、2000rpmで1時間分散させつ
つ表面処理を行った。この時、鉄メタル粉の粒度分布を
測定したところ篩下90%粒子径が0.8μmであっ
た。その後ジルコニアビーズを除去して乾燥し表面処理
磁性粉を得た。
ズを仕込んだ内容積1リットルのバッチ式の媒体攪拌型
ミル(五十嵐機械製造(株)製 TSG−6H型)に以
下の原料を仕込み、2000rpmで1時間分散させつ
つ表面処理を行った。この時、鉄メタル粉の粒度分布を
測定したところ篩下90%粒子径が0.8μmであっ
た。その後ジルコニアビーズを除去して乾燥し表面処理
磁性粉を得た。
【0036】 鉄メタル粉(長軸200nm、軸比10、表面酸化品) :100重量部 トルエン :300重量部 有機シラン化合物 (東芝シリコーン(株)製 XC95−644) : 2重量部 リン酸エステル (東邦化学工業(株)製 フォスファノールRE−610): 5重量部 次に、この表面処理磁性粉を用いて、実施例1と同じ条
件で塗料化、塗工し、磁気記録用塗膜4を得た。得られ
た磁気記録用塗膜の静磁気特性を他の例とともに表1に
示す。また用いた磁性粉の静磁気特性を、表2に示す。
件で塗料化、塗工し、磁気記録用塗膜4を得た。得られ
た磁気記録用塗膜の静磁気特性を他の例とともに表1に
示す。また用いた磁性粉の静磁気特性を、表2に示す。
【0037】実施例5 実施例4と同じ組成の混合物を、高速回転型分散機(特
殊機化工業(株)製TKホモミクサー)で30分間予備
分散したのち、高圧ホモジナイザー(マイクロフルイデ
ィックス社(USA)製 マイクロフルイダイザー)を
用い1000kg/cm2で8パスし、篩下90%粒子径が
0.85μmである磁性粉分散液を得た。このとき表面
処理は分散と同時に行われた。ついで、これを乾燥して
表面処理磁性粉を得た。次に、この表面処理磁性粉を用
いて、実施例1と同じ条件で塗料化、塗工し、磁気記録
用塗膜5を得た。得られた磁気記録用塗膜の静磁気特性
を他の例とともに表1に示す。
殊機化工業(株)製TKホモミクサー)で30分間予備
分散したのち、高圧ホモジナイザー(マイクロフルイデ
ィックス社(USA)製 マイクロフルイダイザー)を
用い1000kg/cm2で8パスし、篩下90%粒子径が
0.85μmである磁性粉分散液を得た。このとき表面
処理は分散と同時に行われた。ついで、これを乾燥して
表面処理磁性粉を得た。次に、この表面処理磁性粉を用
いて、実施例1と同じ条件で塗料化、塗工し、磁気記録
用塗膜5を得た。得られた磁気記録用塗膜の静磁気特性
を他の例とともに表1に示す。
【0038】実施例6 トルエン量を300重量部から20重量部に減らした以
外は、実施例4と同様の原料を、ハイスピードミキサー
(深江工業(株)製)で予備混合したのち、2軸エクス
トルーダー(スクリュー径40φ,L/D=40栗本鐡
工所(株)製)に4kg/Hrで供給し、250rpmで
混練りし、篩下90%粒子径が0.9μmである磁性粉
分散物を得た。このとき表面処理は分散と同時に行われ
た。ついで、これを乾燥して表面処理磁性粉を得た。次
に、この表面処理磁性粉を用いて、実施例1と同じ条件
で塗料化、塗工し、磁気記録用塗膜6を得た。得られた
磁気記録用塗膜の静磁気特性を他の例とともに表1に示
す。
外は、実施例4と同様の原料を、ハイスピードミキサー
(深江工業(株)製)で予備混合したのち、2軸エクス
トルーダー(スクリュー径40φ,L/D=40栗本鐡
工所(株)製)に4kg/Hrで供給し、250rpmで
混練りし、篩下90%粒子径が0.9μmである磁性粉
分散物を得た。このとき表面処理は分散と同時に行われ
た。ついで、これを乾燥して表面処理磁性粉を得た。次
に、この表面処理磁性粉を用いて、実施例1と同じ条件
で塗料化、塗工し、磁気記録用塗膜6を得た。得られた
磁気記録用塗膜の静磁気特性を他の例とともに表1に示
す。
【0039】比較例1 実施例1と同じ組成の混合物を、高速回転型分散機(特
殊機化工業(株)製TKホモミクサー)で60分間分散
し、篩下90%粒子径を測定したところ2.0μmであ
り、さらに30分間分散して篩下90%粒子径が2.0
μmで変化しないことを確認後、乾燥して表面処理磁性
粉を得た。このとき表面処理は分散と同時に行われた。
次に、この表面処理磁性粉を用いて、実施例1と同じ条
件で塗料化、塗工し、磁気記録用塗膜7を得た。得られ
た磁気記録用塗膜の静磁気特性を他の例とともに表1に
示す。
殊機化工業(株)製TKホモミクサー)で60分間分散
し、篩下90%粒子径を測定したところ2.0μmであ
り、さらに30分間分散して篩下90%粒子径が2.0
μmで変化しないことを確認後、乾燥して表面処理磁性
粉を得た。このとき表面処理は分散と同時に行われた。
次に、この表面処理磁性粉を用いて、実施例1と同じ条
件で塗料化、塗工し、磁気記録用塗膜7を得た。得られ
た磁気記録用塗膜の静磁気特性を他の例とともに表1に
示す。
【0040】比較例2 実施例4と同じ組成の混合物を、高速回転型分散機(特
殊機化工業(株)製TKホモミクサー)で60分間分散
し、篩下90%粒子径を測定したところ1.8μmであ
り、さらに30分間分散して篩下90%粒子径が1.8
μmで変化しないことを確認後、乾燥して表面処理磁性
粉を得た。このとき表面処理は分散と同時に行われた。
次に、この表面処理磁性粉を用いて、実施例1と同じ条
件で塗料化、塗工し、磁気記録用塗膜8を得た。得られ
た磁気記録用塗膜の静磁気特性を他の例とともに表1に
示す。
殊機化工業(株)製TKホモミクサー)で60分間分散
し、篩下90%粒子径を測定したところ1.8μmであ
り、さらに30分間分散して篩下90%粒子径が1.8
μmで変化しないことを確認後、乾燥して表面処理磁性
粉を得た。このとき表面処理は分散と同時に行われた。
次に、この表面処理磁性粉を用いて、実施例1と同じ条
件で塗料化、塗工し、磁気記録用塗膜8を得た。得られ
た磁気記録用塗膜の静磁気特性を他の例とともに表1に
示す。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】同一磁性粉では全ての実施例において、比
較例に比べてグロスは大きくなっており、これは磁性粉
の凝集がほぐれて、良く分散していることを示唆してい
る。また、残留磁化が全て大きくなっているのは、凝集
が少なくなった為に、立体的な障害が減って、磁性粉粒
子が塗膜中に密に充填された為であり、この立体障害が
減った効果は、角形比の向上にも現れている。さらに、
SFDの向上(値が小さい方が良い)は、磁性粉粒子の
分散が進んで粒子の独立性が増したことに起因すると考
えられる。
較例に比べてグロスは大きくなっており、これは磁性粉
の凝集がほぐれて、良く分散していることを示唆してい
る。また、残留磁化が全て大きくなっているのは、凝集
が少なくなった為に、立体的な障害が減って、磁性粉粒
子が塗膜中に密に充填された為であり、この立体障害が
減った効果は、角形比の向上にも現れている。さらに、
SFDの向上(値が小さい方が良い)は、磁性粉粒子の
分散が進んで粒子の独立性が増したことに起因すると考
えられる。
【0044】
【発明の効果】本発明の製造方法によると、機械的分散
力により磁性粉の凝集状態を破壊し、表面処理剤で磁性
粉表面を均一に被覆することができ、表面処理磁性粉の
磁性塗料中での分散性を高めることができる。また本発
明の磁気記録媒体用塗膜は、磁性粉の凝集状態を機械的
に解消しているため、磁性粉個々の独立性が増し、保磁
力分布が良くなっている。また、同時に磁性粉同士の立
体的障害が減少して、磁性粉の充填性が高まることによ
り、残留磁化が大きくなるとともに角形比も高くなって
いる。
力により磁性粉の凝集状態を破壊し、表面処理剤で磁性
粉表面を均一に被覆することができ、表面処理磁性粉の
磁性塗料中での分散性を高めることができる。また本発
明の磁気記録媒体用塗膜は、磁性粉の凝集状態を機械的
に解消しているため、磁性粉個々の独立性が増し、保磁
力分布が良くなっている。また、同時に磁性粉同士の立
体的障害が減少して、磁性粉の充填性が高まることによ
り、残留磁化が大きくなるとともに角形比も高くなって
いる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年2月22日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正内容】
【0013】
【化2】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正内容】
【0026】 以上のような本発明の製造方法は、機械
的分散力により磁性粉の凝集状態を破壊し、表面処理剤
で磁性粉表面を均一に被覆することで、表面処理磁性粉
の磁性塗料中での分散性を高めることを達成している。
また、磁性粉の凝集状態を機械的に解消しているので、
磁性粉個々の独立性が増すため、得られる磁気記録用塗
膜の保磁力分布を向上させることができる。更に、磁性
粉同士の立体的障害を減少させて、磁性粉の充填性を高
め磁気記録用塗膜の残留磁束密度を大きくするととも
に、角形比も高くできる。
的分散力により磁性粉の凝集状態を破壊し、表面処理剤
で磁性粉表面を均一に被覆することで、表面処理磁性粉
の磁性塗料中での分散性を高めることを達成している。
また、磁性粉の凝集状態を機械的に解消しているので、
磁性粉個々の独立性が増すため、得られる磁気記録用塗
膜の保磁力分布を向上させることができる。更に、磁性
粉同士の立体的障害を減少させて、磁性粉の充填性を高
め磁気記録用塗膜の残留磁束密度を大きくするととも
に、角形比も高くできる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正内容】
【0027】 上述のようにして得られる表面処理磁性
粉を含有する本発明の磁気記録媒体用塗膜の製造は、常
法に準じて行なうことができる。例えば、この表面処理
磁性粉を、結合剤樹脂、有機溶剤およびその他の必要成
分とともに分散混合して磁性塗料を調製し、この磁性塗
料をポリエステルフィルムなどの基体上に、ドクターブ
レード法、グラビア法、リバース法、ロール塗りなど任
意の手段で塗布し、必要により磁場をかけて磁場配向
後、乾燥するなどの方法で行なう。
粉を含有する本発明の磁気記録媒体用塗膜の製造は、常
法に準じて行なうことができる。例えば、この表面処理
磁性粉を、結合剤樹脂、有機溶剤およびその他の必要成
分とともに分散混合して磁性塗料を調製し、この磁性塗
料をポリエステルフィルムなどの基体上に、ドクターブ
レード法、グラビア法、リバース法、ロール塗りなど任
意の手段で塗布し、必要により磁場をかけて磁場配向
後、乾燥するなどの方法で行なう。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0031
【補正方法】変更
【補正内容】
【0031】 ついで、得られた表面処理磁性粉を下記
の塗料配合で、上記バッチ式の媒体攪拌型ミルに仕込
み、2000rpmで2時間分散した後、硬化剤として
コロネートL(日本ポリウレタン工業(株)製)2.5
重量部を添加し、さらに15分間混合を行なった後、濾
過してジルコニアビーズを分離し、磁性塗料を調製し
た。この塗料を10μm厚のPETフィルム上に乾燥膜
厚が3μmになるように塗布し、磁場配向処理後乾燥し
てPETフィルム上に磁性層を形成した。次いで、カレ
ンダー処理により鏡面加工して磁気記録用塗膜1を得
た。得られた磁気記録用塗膜の残留磁束密度Br、角形
比Sq、保磁力分布SFD等の静磁気特性を他の例とと
もに表1に示す。またここで用いた原料となる磁性粉の
飽和磁化σs、角形比Rs、保磁力分布SFD等の静磁
気特性を、表2に示す。尚、磁気記録用塗膜及び磁性粉
の静磁気特性は、東英工業(株)のVSM(P10−1
5−AUTO型)で外部磁場10KOeで測定した。ま
た、磁気記録用塗膜のグロス(光沢度)は、日本電色工
業(株)の光沢計(VG−2PD型)で測定した。
の塗料配合で、上記バッチ式の媒体攪拌型ミルに仕込
み、2000rpmで2時間分散した後、硬化剤として
コロネートL(日本ポリウレタン工業(株)製)2.5
重量部を添加し、さらに15分間混合を行なった後、濾
過してジルコニアビーズを分離し、磁性塗料を調製し
た。この塗料を10μm厚のPETフィルム上に乾燥膜
厚が3μmになるように塗布し、磁場配向処理後乾燥し
てPETフィルム上に磁性層を形成した。次いで、カレ
ンダー処理により鏡面加工して磁気記録用塗膜1を得
た。得られた磁気記録用塗膜の残留磁束密度Br、角形
比Sq、保磁力分布SFD等の静磁気特性を他の例とと
もに表1に示す。またここで用いた原料となる磁性粉の
飽和磁化σs、角形比Rs、保磁力分布SFD等の静磁
気特性を、表2に示す。尚、磁気記録用塗膜及び磁性粉
の静磁気特性は、東英工業(株)のVSM(P10−1
5−AUTO型)で外部磁場10KOeで測定した。ま
た、磁気記録用塗膜のグロス(光沢度)は、日本電色工
業(株)の光沢計(VG−2PD型)で測定した。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0041
【補正方法】変更
【補正内容】
【0041】
【表1】
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0044
【補正方法】変更
【補正内容】
【0044】
【発明の効果】本発明の製造方法によると、機械的分散
力により磁性粉の凝集状態を破壊し、表面処理剤で磁性
粉表面を均一に被覆することができ、表面処理磁性粉の
磁性塗料中での分散性を高めることができる。また本発
明の磁気記録媒体用塗膜は、磁性粉の凝集状態を機械的
に解消しているため、磁性粉個々の独立性が増し、保磁
力分布が良くなっている。また、同時に磁性粉同士の立
体的障害が減少して、磁性粉の充填性が高まることによ
り残留磁束密度が大きくなるとともに、角形比も高くな
っている。
力により磁性粉の凝集状態を破壊し、表面処理剤で磁性
粉表面を均一に被覆することができ、表面処理磁性粉の
磁性塗料中での分散性を高めることができる。また本発
明の磁気記録媒体用塗膜は、磁性粉の凝集状態を機械的
に解消しているため、磁性粉個々の独立性が増し、保磁
力分布が良くなっている。また、同時に磁性粉同士の立
体的障害が減少して、磁性粉の充填性が高まることによ
り残留磁束密度が大きくなるとともに、角形比も高くな
っている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01F 1/06
Claims (4)
- 【請求項1】 磁性粉との反応性をもつ官能基を有する
有機化合物を用いて磁性粉の表面処理を行うに際し、篩
下90%粒子径が1.5μm以下になるように、該磁性
粉を分散媒中で機械的に高分散させる工程を有すること
を特徴とする表面処理磁性粉の製造方法。 - 【請求項2】 高分散が媒体攪拌型ミル、高圧ホモジナ
イザー及び混練機よりなる群から選ばれる一種以上を用
いて行われることを特徴とする請求項1記載の製造方
法。 - 【請求項3】 磁性粉が鉄メタル粉である請求項1又は
2記載の製造方法。 - 【請求項4】 請求項1〜3いずれか記載の製造方法に
より得られた表面処理磁性粉を含有してなることを特徴
とする磁気記録媒体用塗膜。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4341501A JPH06163234A (ja) | 1992-11-26 | 1992-11-26 | 表面処理磁性粉の製造方法及び磁気記録媒体用塗膜 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4341501A JPH06163234A (ja) | 1992-11-26 | 1992-11-26 | 表面処理磁性粉の製造方法及び磁気記録媒体用塗膜 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06163234A true JPH06163234A (ja) | 1994-06-10 |
Family
ID=18346552
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4341501A Pending JPH06163234A (ja) | 1992-11-26 | 1992-11-26 | 表面処理磁性粉の製造方法及び磁気記録媒体用塗膜 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06163234A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2004100189A1 (ja) * | 2003-05-08 | 2004-11-18 | Dowa Mining Co., Ltd. | 磁性粉末およびそれを用いた磁気記録媒体並びに磁性粉末の表面処理法 |
JP2006107627A (ja) * | 2004-10-05 | 2006-04-20 | Hitachi Maxell Ltd | 磁気記録媒体 |
WO2009090748A1 (ja) * | 2008-01-17 | 2009-07-23 | Applied Nanoparticle Laboratory Corporation | 複合銀ナノ粒子、その製法及び製造装置 |
JP2009200186A (ja) * | 2008-02-20 | 2009-09-03 | Tdk Corp | 焼結磁石の製造方法 |
JP2011009759A (ja) * | 2003-08-28 | 2011-01-13 | Dowa Holdings Co Ltd | 磁性粉末およびその製法 |
JP2015026790A (ja) * | 2013-07-29 | 2015-02-05 | Dowaエレクトロニクス株式会社 | 六方晶フェライト磁性粉用の磁性体原料の製造方法および六方晶フェライト磁性粉用の磁性体原料の成形体の製造方法並びに六方晶フェライト磁性粉の製造方法 |
-
1992
- 1992-11-26 JP JP4341501A patent/JPH06163234A/ja active Pending
Cited By (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JP2004335744A (ja) * | 2003-05-08 | 2004-11-25 | Dowa Mining Co Ltd | 磁性粉末およびそれを用いた磁気記録媒体並びに磁性粉末の表面処理法 |
US7407705B2 (en) | 2003-05-08 | 2008-08-05 | Dowa Electronics Materials Co., Ltd. | Magnetic powder, a magnetic recording medium using the magnetic powder, and a method of surface treating a magnetic powder |
JP4547527B2 (ja) * | 2003-05-08 | 2010-09-22 | Dowaエレクトロニクス株式会社 | 磁性粉末およびそれを用いた磁気記録媒体並びに磁性粉末の表面処理法 |
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JP4716051B2 (ja) * | 2008-02-20 | 2011-07-06 | Tdk株式会社 | 焼結磁石の製造方法 |
JP2015026790A (ja) * | 2013-07-29 | 2015-02-05 | Dowaエレクトロニクス株式会社 | 六方晶フェライト磁性粉用の磁性体原料の製造方法および六方晶フェライト磁性粉用の磁性体原料の成形体の製造方法並びに六方晶フェライト磁性粉の製造方法 |
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