JPH06162856A - 熱硬化性樹脂成形材料、成形品、及び熱可塑性ノルボルネン系樹脂粒子 - Google Patents

熱硬化性樹脂成形材料、成形品、及び熱可塑性ノルボルネン系樹脂粒子

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JPH06162856A
JPH06162856A JP33378992A JP33378992A JPH06162856A JP H06162856 A JPH06162856 A JP H06162856A JP 33378992 A JP33378992 A JP 33378992A JP 33378992 A JP33378992 A JP 33378992A JP H06162856 A JPH06162856 A JP H06162856A
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享 保坂
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禎二 小原
Yoshio Natsuume
伊男 夏梅
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 線膨張係数、誘電率、誘電正接が低く、絶縁
抵抗が大きい樹脂からなる回路基板を得る。 【構成】 エポキシ系熱硬化性樹脂原料などの熱硬化性
樹脂原料に、粒径1mm以下の熱可塑性ノルボルネン系
樹脂粒子を配合した熱硬化性樹脂成形材料を用いたプリ
プレグやシート、さらに必要に応じて回路となる銅箔を
積層して加熱圧縮成形することにより、積層板を得る。
この積層板は、通常、吸水率が0.05%以下、1MH
zの誘電率と誘電正接がそれぞれ3.2以下、0.00
1以下と電気特性に優れ、さらに線膨張率が50×10
-6/℃以下とシリコンチップやアルミナチップなどとの
接続部のクラックや剥離などが起こりにくいことから、
回路基板として好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電気機器、電子機器等
に用いられる絶縁抵抗、低誘電率、低誘電正接などの電
気特性に優れた回路基板の材料として有用な熱硬化性樹
脂成形材料、それを硬化して成る成形品、及び熱可塑性
ノルボルネン系樹脂粒子に関する。
【0002】
【従来の技術】電子計算機、通信機などの精密機器等の
回路は、技術の進歩に伴い、演算処理の高速化や高信頼
化、高密度化などの要求が高まり、回路基板の多層化、
高精度化、微細化など、高性能化が進んでいる。
【0003】従来、このような回路基板としては、フェ
ノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、フッ素樹
脂、あるいはポリブタジエン樹脂などが用いられてお
り、技術の進歩に応じて改良されつつある(特開昭60
−84317号、特開昭60−258233号、特開昭
60−202130号、特開平3−37256号、特開
平3−55237号、特開平3−166256号、特開
平3−275760号など)。
【0004】しかし、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、
ポリイミド樹脂などの熱硬化性樹脂は腺膨張係数が小さ
いが、通常、誘電率が4.0以上、誘電正接が0.01
以上と高いため、演算処理の高速化や高信頼化が困難で
あった。一方、フッ素樹脂、ポリブタジエン樹脂などの
熱可塑性樹脂を用いたプリプレグの積層板は、プリプレ
グの基材としてガラス布を用いた場合に線膨張係数が5
0×10-6〜70×10ー6/℃程度と大きく、基板上に
接続する線膨張係数が3×10-6〜4×10ー6 /℃程度
のシリコンチップや6×10-6〜7×10ー6/℃程度の
アルミナチップなどとの線膨張の大きさの差により接続
部のクラックや剥離が生じることがあり、寸法安定性も
悪く、多層化が困難であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者ら
は、線膨張係数が小さく、誘電率や誘電正接の低い樹脂
からなる回路基板の開発を目的に鋭意研究の結果、熱硬
化性樹脂成形材料に熱可塑性ノルボルネン系樹脂粒子を
配合して硬化させることにより、目的の性能を有する樹
脂を得ることができることを見いだし、本発明を完成さ
せるに到った。
【0006】
【課題を解決するための手段】かくして、本発明によれ
ば、熱硬化性樹脂原料に熱可塑性ノルボルネン系樹脂粒
子を配合して成る熱硬化性樹脂成形材料、それを硬化さ
せてなる成形品、及び粒径1mm以下の熱可塑性ノルボ
ルネン系樹脂粒子が提供される。
【0007】(熱硬化性樹脂原料)本発明で用いられる
熱硬化性樹脂原料は、特に限定されず、一般に用いられ
ている熱硬化性樹脂原料でよい。例えば、エポキシ系熱
硬化性樹脂原料、フェノール系熱硬化性樹脂原料、不飽
和ポリエステル系硬化性樹脂原料、イミド系熱硬化性樹
脂原料、キシレン系熱硬化性樹脂原料、ジアリルフタレ
ート系熱硬化性樹脂原料、エポキシ系熱硬化性樹脂原
料、アクリル系熱硬化性樹脂原料、フラン系熱硬化性樹
脂原料、アニリン系熱硬化性樹脂原料、ポリウレタン系
熱硬化性樹脂原料、ポリブタジエン系熱硬化性樹脂原
料、メラミンフェノール系熱硬化性樹脂原料、シリコン
系熱硬化性樹脂原料やこれらの混合物等が例示される。
【0008】例えば、エポキシ系熱硬化性樹脂原料は、
特開昭61−188411号などで公知のものであっ
て、基本的には、熱硬化性エポキシ化合物、硬化剤から
なり、必要に応じて、または目的に応じて硬化促進剤、
充填剤、難燃剤、難燃助剤、着色剤、表面カップリング
剤などを添加したものである。
【0009】この場合、熱硬化性エポキシ化合物は、特
に限定されず、公知のエポキシ化合物を用いればよい。
硬化剤は、フェノール系などの公知のエポキシ樹脂用硬
化剤の他に、イソシアネート類、その2量体、3量体、
マレイミド類、マレイミド類とポリアミンの付加物など
も用いることができる。硬化促進剤も公知のものでよ
く、例えばフェノール系の硬化剤を用いる場合は、含窒
素ヘテロ環化合物を用いればよい。また、充填剤も特に
限定されないが、炭酸カルシウム、シリカ、ケイ酸ジル
コニウム、ケイ酸カルシウム、タルク、クレー、マイ
カ、ガラスファイバー、ガラスビーズなどの無機充填剤
を用いることが好ましい。それぞれの量比も特に限定さ
れず、一般に用いられている量比でよい。
【0010】(熱可塑性ノルボルネン系樹脂)本発明に
用いる熱可塑性ノルボルネン系樹脂は、特開平3−14
882号や特開平3−122137号、特開平4−63
807号などで公知の樹脂であり、具体的には、ノルボ
ルネン系単量体の開環重合体、その水素添加物、ノルボ
ルネン系単量体の付加型重合体、ノルボルネン系単量体
とオレフィンの付加型重合体などが挙げられる。
【0011】ノルボルネン系単量体も、上記公報や特開
平2−227424号、特開平2−276842号など
で公知の単量体であって、例えば、ノルボルネン、その
アルキル、アルキリデン、芳香族置換誘導体およびこれ
ら置換または非置換のオレフィンのハロゲン、水酸基、
エステル基、アルコキシ基、シアノ基、アミド基、イミ
ド基、シリル基等の極性基置換体、例えば、2−ノルボ
ルネン、5−メチル−2−ノルボルネン、5,5−ジメ
チル−2−ノルボルネン、5−エチル−2−ノルボルネ
ン、5−ブチル−2−ノルボルネン、5−エチリデン−
2−ノルボルネン、5−メトキシカルボニル−2−ノル
ボルネン、5−シアノ−2−ノルボルネン、5−メチル
−5−メトキシカルボニル−2−ノルボルネン、5−フ
ェニル−2−ノルボルネン、5−フェニル−5−メチル
−2−ノルボルネン、5−ヘキシル−2−ノルボルネ
ン、5−オクチル−2−ノルボルネン、5−オクタデシ
ル2−ノルボルネン等; ノルボルネンに一つ以上のシ
クロペンタジエンが付加した単量体、その上記と同様の
誘導体や置換体、例えば、1,4:5,8−ジメタノ−
1,2,3,4,4a,5,8,8a−2,3−シクロ
ペンタジエノナフタレン、6−メチル−1,4:5,8
−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オ
クタヒドロナフタレン、1,4:5,10:6,9−ト
リメタノ−1,2,3,4,4a,5,5a,6,9,
9a,10,10a−ドデカヒドロ−2,3−シクロペ
ンタジエノアントラセン等; シクロペンタジエンの多
量体である多環構造の単量体、その上記と同様の誘導体
や置換体、例えば、ジシクロペンタジエン、2,3−ジ
ヒドロジシクロペンタジエン等; シクロペンタジエン
とテトラヒドロインデン等との付加物、その上記と同様
の誘導体や置換体、例えば、1,4−メタノ−1,4,
4a,4b,5,8,8a,9a−オクタヒドロフルオ
レン、5,8−メタノ−1,2,3,4,4a,5,
8,8a−オクタヒドロ−2,3−シクロペンタジエノ
ナフタレン等; 等が挙げられる。
【0012】なお、本発明においてはノルボルネン系単
量体を重合させる場合には、本発明の効果を実質的に妨
げない範囲において重合可能な他のシクロオレフィン類
等を併用して、共重合体とすることができる。開環重合
の場合の共重合可能なシクロオレフィンの具体例として
は、例えば、シクロペンテン、シクロオクテン、5,6
−ジヒドロジシクロペンタジエンなどのごとき反応性の
二重結合を1個以上有する化合物が例示される。
【0013】ノルボルネン系単量体の重合は公知の方法
でよく、また、必要に応じて、公知の方法で、水素添加
することにより、熱可塑性ノルボルネン系水素添加樹脂
として用いてもよい。
【0014】また、本発明で用いる熱可塑性ノルボルネ
ン系樹脂はガラス転移温度が好ましくは100℃以上、
より好ましくは120℃以上、特に好ましくは130℃
以上のものである。数平均分子量は、トルエン溶媒によ
るGPC(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフ
ィ)法で測定したポリスチレン換算値で、10,000
〜200,000、好ましくは20,000〜100,
000、より好ましくは25,000〜50,000で
ある。数平均分子量が小さすぎると機械的強度が劣り、
大きすぎると成形性が悪くなる。
【0015】なお、熱可塑性ノルボルネン系樹脂を水素
添加する場合、水素添加率は耐熱劣化性の観点から、9
0%以上、好ましくは95%以上、より好ましくは、9
9%以上とする。
【0016】(熱可塑性ノルボルネン系樹脂粒子)本発
明の熱可塑性ノルボルネン系樹脂粒子は、粒径が1mm
以下、好ましくは500μm以下、より好ましくは20
0μm以下のものである。球形であることが好ましい
が、直径1mmの球形内に納まることができるものであ
れば使用できる。
【0017】熱可塑性ノルボルネン系樹脂粒子の製造方
法は特に限定されず、例えば、スクリーンミル、軸流型
ミル、回転盤型ミル、振動ボールミル、ローラミルなど
を用いて熱可塑性ノルボルネン系樹脂の塊、板、ペレッ
トなどを粉砕して粉状にし、さらに、ふるいを用いて、
一定以下の粒径の粒子を選択すればよい。
【0018】(熱硬化性樹脂成形材料)本発明の熱硬化
性樹脂成形材料は、熱硬化性樹脂原料100重量部に粒
径1mm以下の熱可塑性ノルボルネン系樹脂粒子5〜2
000重量部、好ましくは10〜250重量部、より好
ましくは25〜100重量部を分散して成る。粒子の量
が多すぎると熱硬化が困難になり、粒子の量が少なすぎ
ると本発明の効果が得られない。使用方法に応じて、ま
たは熱硬化性樹脂原料が高粘度で混合が困難である場合
には、さらに熱可塑性ノルボルネン系樹脂を溶解しない
アセトン、メチルエチルケトン、メチルセルソルブなど
の溶媒を含んでいてもよい。溶媒を含む場合、溶媒の量
は特に限定されないが、固形分濃度が20重量%以上、
特に40重量%以上になる溶媒量が好ましい。溶媒が多
すぎると使用しにくく、また、溶媒除去が困難である。
【0019】本発明の熱硬化性樹脂成形材料を得る方法
は特に限定されず、熱硬化性樹脂原料に熱可塑性ノルボ
ルネン系樹脂粒子を分散させればよい。例えば、攪拌槽
や混合機を用いて混合、分散させればよい。前述のよう
に熱硬化性樹脂原料が高粘度で混合が困難である場合な
どには、溶媒中にアセトン、メチルエチルケトン、メチ
ルセルソルブなどの溶媒中に熱硬化性樹脂原料と熱可塑
性ノルボルネン系樹脂粒子を分散させればよく、必要で
あれば、減圧加熱などの方法により、乾燥して溶媒を除
去すればよい。
【0020】溶媒を含まない熱硬化性樹脂成形材料、ま
たは、溶媒を除去した熱硬化性樹脂成形材料は、用いる
熱硬化性樹脂原料に応じて決まる一定温度以上に加熱す
ると、熱可塑性ノルボルネン系樹脂が分散したまま、熱
硬化性樹脂原料が架橋して樹脂となる。また、加熱の条
件を制御することにより、熱可塑性ノルボルネン系樹脂
が分散したまま、架橋が不完全な、いわゆる半硬化した
樹脂にすることもできる。半硬化した樹脂は、さらに加
熱することにより、さらに架橋を進行させることができ
る。
【0021】(成形品)本発明の熱硬化性樹脂成形材料
を加熱して架橋させ、硬化させることにより、本発明の
成形品となる。本発明の成形品としては、プリプレグ、
シート、積層板、回路基板などがある。
【0022】(プリプレグ)本発明の成形品であるプリ
プレグの基材は、特に限定されず、一般にプリプレグの
基材として用いられているガラスクロス、アラミドクロ
ス、ポリエステルクロス、ナイロンクロス等のクロス状
基材、これらと同じ材質のマット状基材、不織布、クラ
フト紙、リンター紙などを用いることができる。
【0023】本発明の熱硬化性樹脂成形材料を基材に含
浸させてプリプレグを製造する方法も特に限定されず、
熱硬化性樹脂原料を用いたプリプレグの製造における常
法に従えばよく、例えば、熱硬化性樹脂成形材料をアセ
トン、メチルエチルケトン、メチルセルソルブなどの溶
剤中に固形分濃度50〜70重量%程度に分散させ、そ
の分散液中に基材を浸漬し、分散液を含浸させた後、乾
燥させて、溶剤を除去すればよく、用いた熱硬化性樹脂
原料に応じた温度に加熱して、半硬化させることが好ま
しい。
【0024】プリプレグ中の本発明の熱硬化性樹脂成形
材料の量は熱融着により積層板が得られる限り、特に限
定されず、通常は、10〜90重量%、好ましくは30
〜70重量%であり、また、一般にプリプレグは50〜
500μm程度の厚さになるようにすることが好まし
い。
【0025】(シート)本発明の成形品であるシートを
製造する方法は、特に限定されない。一般には、キャス
ティング法が用いられ、さらに、用いた熱硬化性樹脂原
料に応じた温度に加熱して、半硬化させることが好まし
い。例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルセ
ルソルブなどの溶剤中に本発明の熱硬化性樹脂成形材料
を固形分濃度50〜70重量%程度に分散させ、平滑面
上に流延または塗布し、乾燥等により溶剤を除去し、平
滑面から剥離し、加熱して半硬化させてシートを得る。
乾燥により溶剤を除去する場合は、急速な乾燥により発
泡したりしないように方法を選択する。平滑面として
は、鏡面処理した金属板や樹脂製のキャリアフィルムな
どを用いればよい。樹脂製のキャリアフィルムを用いる
場合は、素材の耐溶剤性、耐熱性に注意して、用いる溶
剤や乾燥条件を決めなければならない。キャスティング
法により得られるシートは、一般に10μm〜1mm程
度の厚みを有する。
【0026】(積層板)本発明の成形品である積層板
は、本発明の成形品であるプリプレグおよび/またはシ
ートを積み重ね、加熱圧縮成形して硬化させることによ
り、必要な厚さにしたものである。積層板を回路基板と
して用いる場合には、例えば、金属箔などから成る回路
を配線用導電層を積層したり、表面のエッチング処理な
どにより回路を形成する。配線用導電層は完成品である
積層板の外部表面に積層する必要はなく、目的などによ
っては、積層板の内部に積層されていてもよい。エッチ
ング処理などの二次加工時のそり防止のためには、上下
対称に組み合わせて積層することが好ましい。加熱圧縮
成形する方法は特に限定されず、常法に従えばよい。例
えば、重ねたプリプレグおよび/またはシートの表面
を、用いた熱硬化性樹脂原料に応じた熱融着する温度以
上、通常160〜300℃程度に加熱し、30〜80k
gf/cm2程度に加圧して、各層の間を熱融着させて
積層板を得る。
【0027】本発明の成形品は熱可塑性ノルボルネン系
樹脂粒子を含有しない従来の熱硬化性樹脂製成形品に比
べて、耐水性、電気特性が優れ、さらに高温下での絶縁
抵抗の減少が小さい。本発明の成形品は、通常、吸水率
が0.02〜0.05%、絶縁抵抗が1015〜10
16Ω、1MHzの誘電率と誘電正接がそれぞれ2.8〜
3.2、0.001〜0.006である。一方、耐熱性
は熱可塑性ノルボルネン系樹脂粒子を含有しない従来の
熱硬化性樹脂製成形品と同等であり、銅箔を積層した積
層板に260℃のハンダを30秒接触させても、銅箔の
剥離やフクレの発生などの異常は認められない。これら
のことから、本発明の成形品である積層板は回路基板と
して好ましいものである。
【0028】また、本発明の成形品の線膨張率は20×
10-6〜50×10-6/℃とフッ素樹脂やポリブタジエ
ン樹脂に比べて小さく、温度変化による膨張収縮が原因
の破断などが起こり難い。このことからも、本発明の成
形品である積層板は回路基板として好ましいものであ
る。
【0029】
【実施例】以下に参考例、実施例、比較例をあげて、本
発明をさらに具体的に説明する。なお、絶縁抵抗、誘電
率、誘電正接、吸水率はJIS C 6481により、
線膨張率はJIS K 6911により測定した。
【0030】実施例1 熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂(ZEONEX 28
0、日本ゼオン株式会社製、ガラス転移温度140℃、
数平均分子量約28,000)をスクリーンミルにより
粉砕し、145メッシュのふるいにかけ、粒径105μ
m以下の粒子を得た。
【0031】実施例2 高粘度の液状のエポキシ系熱硬化性樹脂原料(硬化性エ
ポキシ系化合物として油化シェル社製のエピコート50
46 100重量部に、硬化剤としてジシアンジアミド
4重量部、ベンジルジメチルアミン0.2重量部、ジメ
チルホルムアミド14重量部の三種を添加したもの)7
0重量部と参考例1で得た熱可塑性飽和ノルボルネン系
樹脂粒子30重量部をメチルエチルケトン100重量部
中に分散させ、十分に攪拌しながら、1torr以下の
減圧下で60℃に加熱、12時間乾燥して、メチルエチ
ルケトンを除去し、高粘度の液状の熱硬化性樹脂成形材
料を得た。
【0032】実施例3 実施例2で得た熱硬化性樹脂成形材料168.2重量部
をメチルエチルケトン150重量部中に分散させ、十分
に攪拌し、塗工機を用いて、PETフィルム上に厚さ3
00μmとなるように塗布した。60℃で約10分間乾
燥後、塗膜をPETフィルムから剥して150℃で10
分間放置した。得られたシートの厚さは約150μmで
あった。
【0033】この8枚のシートを積層し、さらに両面に
35μmの銅箔を積層して、プレス温度180℃、プレ
ス圧力40kgf/cm2で、厚さ1mmになるように
90分プレスして熱融着させて積層板を得た。
【0034】この積層板は、260℃のハンダを30秒
接触させても、銅箔の剥離やフクレなどの異常は認めら
れず、吸水率は0.03%、絶縁抵抗は25℃で9×1
15 Ω、100℃で4×1015Ω、150℃で1×10
15Ω、誘電率は2.9、誘電正接は0.0019であっ
た。
【0035】また、銅箔を積層しない以外は同様に積層
板を作製し、線膨張係数を測定したところ40×10ー6
/℃であった。
【0036】実施例4 実施例2で得た熱硬化性樹脂成形材料168.2重量部
をメチルエチルケトン150重量部中に分散させた。充
分に攪拌しながら、厚さ0.1mmのガラスクロス基材
を浸漬した。熱硬化性樹脂成形材料を含浸させたガラス
クロス基材を60℃で10分乾燥した後、150℃で1
0分間放置して、プリプレグを8枚得た。このプリプレ
グの50重量%は半硬化した本発明の熱硬化性樹脂成形
材料であり、厚さは約130μmであった。
【0037】この8枚のプリプレグを積層し、さらに両
面に35μmの銅箔を積層して、プレス温度170℃、
プレス圧力40kgf/cm2で、厚さ1mmになるよ
うに90分プレスして熱融着させて積層板を得た。
【0038】この積層板は、260℃のハンダを30秒
接触させても、銅箔の剥離やフクレなどの異常は認めら
れず、吸水率は0.03%、絶縁抵抗は25℃で1×1
16 Ω、100℃で5×1015Ω、150℃で1×10
15Ω、誘電率は3.1、誘電正接は0.0025であっ
た。
【0039】また、銅箔を積層しない以外は同様に積層
板を作製し、線膨張係数を測定したところ20×10ー6
/℃であった。
【0040】比較例1 熱可塑性ノルボルネン系樹脂粒子を添加しない以外は実
施例1と同様に厚さ約0.13mmのプリプレグを作製
し、厚さ1mmの積層板を得た。
【0041】この積層板は、260℃のハンダを30秒
接触させても、銅箔の剥離やフクレなどの異常は認めら
れず、吸水率は0.15%、絶縁抵抗は25℃で1×1
15 Ω、100℃で5×1013Ω、150℃で1×10
13Ω、誘電率は4.8、誘電正接は0.022であっ
た。
【0042】
【発明の効果】本発明の熱硬化性樹脂原料を硬化した成
形品である積層板は、耐熱性、耐湿性、耐水性に優れ、
さらに電気特性に優れており、回路基板として有用であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 夏梅 伊男 神奈川県川崎市川崎区夜光1−2−1 日 本ゼオン株式会社研究開発センター内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱硬化性樹脂原料に熱可塑性ノルボルネ
    ン系樹脂粒子を配合して成る熱硬化性樹脂成形材料。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の熱硬化性樹脂成形材料を
    硬化させてなる成形品。
  3. 【請求項3】 シート、プリプレグ、積層板、または回
    路基板である請求項2記載の成形品。
  4. 【請求項4】 吸水率が0.05%以下、1MHzの誘
    電率と誘電正接がそれぞれ3.2以下、0.001以
    下、線膨張率が50×10-6/℃以下である請求項2、
    または3記載の成形品。
  5. 【請求項5】 粒径1mm以下の熱可塑性ノルボルネン
    系樹脂粒子。
JP33378992A 1992-11-20 1992-11-20 熱硬化性樹脂成形材料、成形品、及び熱可塑性ノルボルネン系樹脂粒子 Expired - Fee Related JP3498750B2 (ja)

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