JPH06161012A - ハロゲン化銀写真感光材料 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料

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JPH06161012A
JPH06161012A JP30536292A JP30536292A JPH06161012A JP H06161012 A JPH06161012 A JP H06161012A JP 30536292 A JP30536292 A JP 30536292A JP 30536292 A JP30536292 A JP 30536292A JP H06161012 A JPH06161012 A JP H06161012A
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JP30536292A
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English (en)
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Tatsuya Ishizaka
達也 石坂
Hiroyuki Asanuma
浩之 浅沼
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】迅速処理してもローラーマークが発生しないハ
ロゲン化銀写真感光材料を提供する。 【構成】化学増感前にハロゲン化銀粒子表面にハロゲン
化銀に対して0.8×10-3モル以上吸着させた増感色
素を吸着剤で処理して脱着させハロゲン化銀に対する増
感色素の総量が0.75×10-3モル以下としたハロゲ
ン化銀乳剤からなるハロゲン化銀写真感光材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高速処理可能なハロゲ
ン化銀写真感光材料に関する。特に、超迅速処理に供し
た場合でも、高感度でしかもローラーマークの発生が少
ないハロゲン化銀写真感光材料に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、写真感光材料の処理時間は大幅に
短縮化されてきており、短い処理時間で十分な感度を与
える現像液、現像進行性に優れ、短時間で十分な黒化度
を与える感材、そして、水洗後短時間で乾燥する特性が
必要である。感材の乾燥性を改良する方法として一般的
によく用いられる方法としては、感材の塗布工程で予め
十分な量の硬膜剤を添加しておき、現像−定着−水洗工
程での乳剤層や親水性コロイド層の膨潤量を小さくする
ことで乾燥開始前の感材中の含水量を減少させる方法が
ある。この方法は硬膜剤を多量に使用すればそれだけ乾
燥時間を短縮できるが、膨潤量が小さくなる事により現
像が遅れ低感化や軟調化したり、カバーリングパワーが
低下することになる。また仮に、現像進行性が改良でき
たとしても高硬膜による定着速度の遅れは残留銀や残留
ハイポ、増感色素の残色などの問題を引き起こし処理時
間短縮の障害となっていた。一方、処理液の活性を高め
る方法も知られており、現像液中の主薬や補助現像主薬
の量を増したり、現像液のpHを高めたり、処理温度を
上げたりする方法が有効である。しかしこれらの方法は
いずれも処理液の経時安定性を損なったり、軟調化やカ
ブリの増加を伴うといった欠点があった。
【0003】以上述べてきたような観点を改良する目的
で、平板状粒子を利用する技術が米国特許第4,43
9,520、第4,425,425等に記載されてい
る。また、特開昭63−305343、特開平1−77
047には(111)面をもつハロゲン化銀粒子の現像
開始点を粒子の頂点および/または陵とその近傍に制御
することにより現像進行性と感度/カブリ比を改良する
技術が開示されている。さらに特開昭58−11193
3には平板状粒子を用いて親水性コロイド層の膨潤を20
0%以下にすることで高いカバーリングパワーを有し、処
理時に硬膜を追加する必要のないラジオグラフィー用写
真要素が開示されている。これらの公知の技術は感材の
現像進行性を改良する上でそれぞれに優れた技術であり
利用価値の高いものである。しかし、現像−定着−水洗
の各工程の処理時間を短縮していくと写真感度の低下の
他に、定着性の悪化から残留銀や残留ハイポ量の増加が
起こってくる。また、増感色素による分光増感が施され
た感材では残色という問題が表面化する。これらの写真
性以外の問題はハロゲン化銀粒子の改質による改良には
限度があり、最終的には膜質の問題に帰着してしまう。
すなわち親水性コロイド層の厚みが定着や残色を律して
しまう状態になり迅速処理化の障害になってしまう。
【0004】この点に関して、特開昭64−7333
3、特開昭64−86133、特開平1−10524
4、特開平1−158435、特開平1−158436
などにはハロゲン化銀乳剤層を含む親水性コロイド層を
有する側のゼラチン量を2.00〜3.50g/m2の範
囲に調製し、他の技術要素と組み合わせることで全処理
時間が20秒以上60秒未満の超迅速処理を達成する手
段が開示されている。また、特開平2−68537には
乳剤層に塗設された感光性ハロゲン化銀の銀とゼラチン
の重量比(銀/ゼラチン)を1.5 以上に調整することで
超迅速処理を達成する手段が開示されている。さらに、
特開昭63−221341には乳剤層中のハロゲン化銀
粒子が主に粒子系が粒子厚みの5倍以上である平板状粒
子からなり、ゼラチン量を2.00〜3.20g/m2
しメルティングタイムを8分以上45分以下にすることで
全処理時間が20秒以上60秒未満の超迅速処理を達成する
手段が開示されている。
【0005】このように全処理時間を60秒以下、特に40
秒以下に設定した場合に、現像−定着−水洗工程の適性
時間配分をおこなった結果、ゼラチン塗布量は2.5g
/m2以下でないと自動現像機の設置環境が高湿度だった
りした場合に乾燥性に支障があった。このように、ゼラ
チン量を2.5g/m2以下まで減していくとローラーマ
ークが悪化していき、ついには耐えられないレベルにな
ってしまう。ローラーマークとは感材を自動現像機処理
したさいに搬送ローラー表面の微細な凹凸により感材に
圧力が加わり結果的に黒斑点状の濃度ムラを生じる現象
をいう。
【0006】本発明者は、乳剤に含有される沃化銀によ
って悪化するローラーマークを改良するためにハロゲン
化銀粒子の個々のハロゲン組成のヨード含量の平均が0.
6 モル%未満で作成したハロゲン化銀乳剤をゼラチンの
総塗布量2.5g/m2以下で塗布した場合、ハロゲン化
銀乳剤に吸着している増感色素の量に依存して乳剤膜の
弾性率が低下し、ローラーマークが悪化する現象を見出
した。
【0007】一般的に増感色素はハロゲン化銀粒子の感
度を長波長側へ広げるために主に用いられる。ところ
が、ハロゲン化銀粒子形成工程において、所望の晶相を
得るため、あるいは意図的に結晶中に欠陥を導入するた
めに色素を晶相制御剤として粒子形成中に添加する方法
がある。この方法は、特開昭61−205929号等を
参考にすることができる。
【0008】また化学増感工程においても、化学増感核
を制御し高照度不軌の改善及び固有減感を抑制すること
を目的として、色素を化学増感補助剤として添加させる
ことがある。この方法に関しては、例えば特開昭58−
113926号、同58−113927号、同58−1
13928号、米国特許第4,439,520号、同
4,435,501号、Research Disclosure ,Item.1
7643、Section III、特開昭62−6251号、同
58−126526号、同62−56949号、同62
−43644号、同58−113928号、特願昭62
−203635号、同62−219982号、同62−
197741号、同62−219983号、同62−2
19984号、同62−231373号、同62−25
1377号の記載を参考にすることができる。
【0009】他方、化学増感後不要になった化学増感剤
や化学増感補助剤をイオン交換樹脂や無機イオン交換体
といった吸着担体で取り除くことが、特開昭61−21
9948号、同61−219949号、同62−230
35号、同62−240951号で知られている。本発
明者らは、これらの先行技術を検討した結果、分光増感
感度を落とす事なく増感色素量を減らす事によってロー
ラーマークが改良できる事を見出した。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、超迅
速処理に供した場合でも高感度であり、乾燥性、定着
性、残色性の諸性能にまったく支障がなく、かつローラ
ーマークが十分実用レベルに改良された感材を提供する
ことにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の前記目的は以下
の方法により達成された。 (1) 化学増感前にハロゲン化銀粒子表面にハロゲン化銀
に対して0.8×10-3モル以上吸着させた増感色素を
吸着剤で処理して吸着した増感色素を脱着させ、ハロゲ
ン化銀に対する増感色素の総量が0.75×10-3モル
以下としたハロゲン化銀写真乳剤からなるハロゲン化銀
感材。 (2) 前記(1) において0.8×10-3モル以上吸着させ
た増感色素を吸着剤で一部あるいは全部脱着させたの
ち、改めて増感色素をハロゲン化銀に対する総量が0.
10×10-3モル以上0.75×10-3モル以下となる
ようにハロゲン化銀粒子表面に吸着させる事を特徴とす
るハロゲン化銀写真感材。 (3) ハロゲン化銀粒子の個々のハロゲン組成のヨード含
量の平均が0.6モル%未満であるハロゲン化銀写真乳
剤を上記(1) あるいは(2) 記載の方法で処理した後支持
体上に片面のゼラチンの総塗布量1.7g/m2以上2.
5g/m2以下で塗布する事を特徴とするハロゲン化銀写
真感光材料。 以下本発明を詳細に説明する。
【0012】本発明においては、ハロゲン化銀乳剤を製
造する工程において、化学増感される前、あるいは化学
増感と同時に増感色素をハロゲン化銀粒子表面に吸着さ
せる。吸着させた色素の量はハロゲン化銀に対して0.
8×10-3モル以上好ましくは1.0×10-3モル%以
上2.0×10-3モル未満であることが望ましい。化学
増感時にはハロゲン化銀粒子表面に0.8 モル以上の増感
色素が吸着していることが必要である。本発明でいう増
感色素としては、シアニン色素、メロシアニン色素、コ
ンプレックスシアニン色素、コンプレックスメロシアニ
ン色素、ホロポーラーシアニン色素、スチリル色素、ヘ
ミシアニン色素、オキソノール色素、ヘミオキソノール
色素等を用いることができる。
【0013】本発明に使用される有用な増感色素は例え
ば米国特許3,522,052号、同3,619,19
7号、同3,713,828号、同3,615,643
号、同3,615,632号、同3,617,293
号、同3,628,964号、同3,703,377
号、同3,666,480号、同3,667,960
号、同3,679,428号、同3,672,897
号、同3,769,026号、同3,556,800
号、同3,615,613号、同3,615,638
号、同3,615,635号、同3,705,809
号、同3,632,349号、同3,677,765
号、同3,770,449号、同3,770,440
号、同3,769,025号、同3,745,014
号、同3,713,828号、同3,567,458
号、同3,625,698号、同2,526,632
号、同2,503,776号、特開昭48−76525
号、ベルギー特許第691,807号などに記載されて
いる。増感色素の添加量はハロゲン化銀1モルに対して
0.8×10-3モル以上、好ましくは1.0×10-3
ル以上2.0×10-3モル以下がよい。これらの増感色
素のうち、好ましくはシアニン色素、メロシアニン色素
より好ましくはシアニン色素が用いられる。以下にその
例を示す。
【0014】
【化1】
【0015】R0 はH、CH3 又はC2 5 を表わし、
1 、R2 は各々スルホ基を有するアルキル基を表わ
し、X1 、X2 は相方共にハロゲンか、あるいはX1
ハロゲンでX2 がフェニル基を表わす。
【0016】本発明では、ハロゲン化銀乳剤が化学増感
される前、あるいは化学増感と同時にハロゲン化銀粒子
表面に吸着させた増感色素を化学増感後に吸着剤で一部
又は全部脱着させる。吸着剤は主に固形吸着担体を用い
るのが望ましい。
【0017】本発明でいう固形吸着担体とは、水に対し
て不溶性の無機あるいは有機固体である。具体的には、
活性炭、イオン交換樹脂、多孔性樹脂、イオン
交換基を持たない多孔性の有機合成樹脂、無機吸着担
体、等である。本発明でいう活性炭は、具体的にはヤシ
ガラ活性炭などであり、炭素材科学会編「活性炭」(講
談社、1978)に記載されているものすべてが使用で
きる。より具体的には本発明でいうイオン交換樹脂は、
【0018】陽イオン交換樹脂 例えば、商品名アンバーライト(ロームアンド・ハース
社製)IR−120;ダイヤイオン(三菱化成社製)S
K−1B、SK−102、SK−104、SK−10
6、SK−110、SK−112、SK−116、PK
−206、PK−212、PK−216、PK−22
0、PK−228、WK−10、WK−11、WK−2
0;パウデックス(粉末樹脂)PCHなとである。 陰イオン交換樹脂 例えば、商品名(ダウケミカル社製)ダウエックス1×
8;ダイヤイオン(三菱化成社製)SA−10A、SA
−11A、SA−12A、SA−20A、SA−21
A、PA−306、PA−308、PA−312、PA
−316、PA−318、PA−416、PA−40
8、PA−412、PA−416、PA−418、WA
−10、WA−11、WA−20、WA−21、WA−
30;パウデックス(粉末樹脂)PAOなどである。 キレート樹脂 例えば、商品名ダイヤイオン(三菱化成社製)CR−1
0、CR−20等である。これらのイオン交換樹脂は、
多種類市販されており、目的に応じたものを容易に入手
することができる。また市販されていない樹脂は、北條
舒正著「キレート樹脂・イオン交換樹脂」に記載されて
いる方法にしたがって合成することができ、これを固形
吸着剤として使用することもできる。
【0019】本発明でいう多孔性樹脂とは、平均細孔径
が500nm 以下のマクロポアーを有している有機合成樹脂
を示す。本発明でいうイオン交換基をもたない多孔性の
有機合成樹脂とは、 1) 平均細孔径が500nm 以下のマクロポアーを有し、 2) 四級アミン基、カルボキシル基、スルホン酸基とい
った、それ自身が正と負のイオンに解離するような官能
基を持たない有機合成樹脂を示す。具体的には、スチレ
ン−ジビニルベンゼン共重合体、クロロメチルスチレン
−ジビニルベンゼン共重合体、メトキシメチロール−ジ
ビニルベンゼン共重合体、エチレン−ジビニルベンゼン
共重合体、メチルメタクリレート−ジビニルベンゼン共
重合体、メチルアクリレート−ジビニルベンゼン共重合
体、等である。その具体的な構造を下記に示す。
【0020】
【化2】
【0021】多孔質の樹脂の合成法は、北條舒正著「キ
レート樹脂・イオン交換樹脂」第2章(p. 127〜)
に記載されているように線状重合物添加法、沈澱剤添加
法などが知られているが、いかなる方法で合成してもか
まわない。また上記多孔質樹脂の一部は市販されてお
り、目的用途に応じて容易に入手することができる。市
販樹脂の具体例を下記の表に示す。 三菱化成社製 樹脂母体 比表面積 細孔容量 最頻半径 m2/g-HP ml/g-HP (オングストローム) HP10 スチレン系 500 0.9 100〜700 20 スチレン系 720 1.1 100〜1300 30 スチレン系 570 1.0 100〜900 40 スチレン系 700 0.7 100〜600 50 スチレン系 600 0.9 900 銘 柄 粒 径 比表面積 細孔容量 (μ) (m2/g) (ml/g) MCI GEL CHP20P 37 〜 75 500 〜700 >1 〃 75 〜150 500 〜700 >1 〃 150 〜300 500 〜700 >1 比表面積 細孔容量 最頻半径 m2/g-HP ml/g-HP (オングストローム) XAD 1 スチレン系 100 − 205 2 スチレン系 300 0.6 90 4 スチレン系 784 1.1 50 7 スチレン系 450 0.8 90 8 スチレン系 140 0.5 235 9 スルホキシド系 69 − 366 11 アミド系 69 − 352 12 N−O極性値 22 1300
【0022】本発明でいう無機吸着担体は、具体的に
は、ゼオライト、ケイソウ土、MgO ・nH2O,MgO・XAl2O3
・nH2O(X=0〜0.25)(クニミネ工業社製無機系吸着剤
M−511)、スメクタイト、モンモリロナイト等である。
ゼオライトは、市販されているものでは、合成ゼオライ
トA−3、合成ゼオライトA−4、合成ゼオライトF−
9(以上、和光純薬工業株式会社製)等があるが、これ
に限らず、例えば、原伸宜、高橋浩 編「ゼオライト−
基礎と応用」(講談社、1975) に記載されているすべて
のゼオライトを固形吸着剤として使用することができ
る。スメクタイト、モンモリロナイトとしては、スメク
トン、クニピア等(クニミネ工業社製)が使用できる。
【0023】以上列挙した固形吸着剤の中で、好ましい
のは活性炭、イオン交換樹脂、多孔性樹脂、イオン交換
基を持たない有機合成樹脂であり、特に好ましいのは活
性炭、多孔性樹脂、イオン交換基を持たない多孔性の有
機合成樹脂である。さらに最も好ましいのは、イオン交
換基をもたない多孔性の有機合成樹脂である。以上列挙
した固形吸着剤は、粒状、粉末状、膜状等さまざまな形
態のものがあるが粒状、粉状、膜状のものが望ましい。
また大きさはハロゲン化銀乳剤に用いるハロゲン化銀粒
子よりも大きいのが好ましい。というのは、ハロゲン化
銀乳剤を本発明の吸着担体で処理した後、乳剤中にこれ
らの残留することが多く、残留しても弊害のないものも
あるが、一般には濾過するなどして固形吸着剤を乳剤か
ら除去するのが好ましいからである。
【0024】本発明でいう、ハロゲン化銀乳剤からの本
発明の固形吸着担体による色素の脱着とは、ハロゲン化
銀乳剤に固形吸着剤をバッチ式に添加し攪拌混合した
後、固形吸着剤を濾過して除去する工程、あるいは、固
形吸着剤を連続式に吸着床や吸着筒に充填しておいて、
そこにハロゲン化銀乳剤を通過させる工程などをさし、
本発明ではいずれの工程をも用いることができる。固形
吸着剤の使用量は、吸着剤の性能(例えば、イオン交換
容量、総吸着容量、細孔容量)や形状(粒度、有効表面
積)と、対象とするハロゲン化銀乳剤の内容(例えば、
化学増感補助剤、色素の種類)により適宜選択すること
ができる。例えば、バッチ式の場合にはハロゲン化銀乳
剤1kg当たり0.1 gないし1000gの添加量の範囲で用い
ることができ、連続式の場合には通過するハロゲン化銀
乳剤の総量に対する固形吸着剤の量と考えればバッチ式
と同様の範囲で用いることができる。また、処理温度は
ハロゲン化銀乳剤が液化する温度(約30℃) から担体の
耐用温度までの間の温度範囲とすればよく、処理時間
は、バッチ式、連続式とも1分以上の適当な時間とすれ
ばよい。
【0025】以上の如くハロゲン化銀乳剤を製造する工
程で化学増感される前、あるいは化学増感と同時にハロ
ゲン化銀粒子表面に吸着させた増感色素を化学増感後、
上記の固形吸着剤を用いてその一部または全部を脱着さ
せるが、脱着させた後該乳剤を塗布工程までの間に最終
的に塗布される増感色素の量がハロゲン化銀に対して
0.10×10-3モル以上0.75×10-3モル以下と
なるように、好ましくは0.3×10-3モル以上0.6
×10-3モル以下の増感色素をハロゲン化銀粒子に吸着
させる事ができる。この時使用できる増感色素は前記増
感色素のうちいずれでもよいが好ましくはシアニン色素
が良い。増感色素の添加温度は、ハロゲン化銀乳剤が溶
解される温度であればいずれでもよいが、好ましくは30
℃以上60℃以下、より好ましくは35℃以上50℃以下がよ
い。ローラーマークは、ハロゲン化銀乳剤の塗布時にハ
ロゲン化銀粒子に吸着している増感色素量に依存して悪
化するため、分光増感感度を損わない限り、できるだけ
少量に抑える事が望ましい。
【0026】ハロゲン化銀粒子に含有される沃化銀の量
としては、ローラーマークを悪化させないために、ハロ
ゲン組成のヨード含量の平均が1.0モル%以下好まし
くは0.6モル%以下がよい。ハロゲン化銀乳剤粒子の
ハロゲン組成の測定方法としては、例えば特開昭56−
110926号に記載されているような粉末X 線回析法
を用いればよい。本発明のハロゲン化銀粒子の表面沃臭
化銀相の形成方法としては、硝酸銀水溶液と沃化カリ水
溶液を同時に添加する方法、硝酸銀水溶液と沃化カリと
臭化カリの混合水溶液を同時に添加する方法、沃化銀微
粒子乳剤あるいは沃臭化銀微粒子乳剤を添加する方法な
どが知られており、これらの方法を適宜組み合わせて使
用し得る。このうち特に沃化銀微粒子を添加する方法が
本発明にとって好ましく、微粒子乳剤のおおきさは0.00
1 μm以上0.2 μm未満のものが良い。ハロゲン化銀粒
子の表面沃臭化銀相の形成に際してはハロゲン化銀溶剤
を併用することが好ましく、特にKSCNの使用が望まし
い。また、特開昭63−220187に記載されるよう
な沃度を含有する有機化合物を反応容器内のバルク液に
添加してもよい。代表的化合物としては以下のものがあ
げられるが、これに限定されるものではない。 ・ICH2 CH2 COOH ・ICH2 COOH ・ICH2 CN
【0027】本発明の感材においては、感光性ハロゲン
化銀乳剤層が支持体の一方の側に少なくとも1層設けら
れるのでもよく、支持体の両方の側に少なくとも1層ず
つ設けられるのでもよい。本発明の感材は必要に応じて
感光性ハロゲン化銀乳剤層以外にも親水性コロイド層を
有することができ、例えば好ましくは表面保護層が設け
られる。本発明の感材は、感光性ハロゲン化銀乳剤層を
含む親水性コロイド層を有する側のゼラチン量が、好ま
しくは1.70〜2.50g/m2の範囲にある。感光性乳剤層が
支持体の一方の側にのみ存在すれば、その側のゼラチン
量が上記範囲にあることが好ましく、感光性乳剤層が支
持体の両側にあれば、双方の側のゼラチン量がそれぞれ
上記範囲にあることが好ましい。感光性乳剤層以外に親
水性コロイド層をもたない場合には、感光性乳剤層のゼ
ラチン量が上記の範囲にあることになる。ゼラチン量は
より好ましくは1.80〜2.40g/m2の範囲、特に1.90〜2.
30g/m2の範囲が好ましい。
【0028】本発明の感材のメルティングタイムは8分
以上45分以下に設定されていることが好ましい。本明
細書でいうメルティングタイムとは、1cm×2cmに切断
した感材を50℃の水酸化ナトリウム1.5重量%水溶
液中に浸漬したとき、該感材を構成する少なくとも一層
のハロゲン化銀乳剤層が融解しはじめるまでの時間をい
う。
【0029】次ぎに本発明で用いる乳剤粒子について説
明する。乳剤粒子と同一体積の球の直径(以下、球相当
平均粒子サイズと記す)は0.4 μm以上2.0 μm未満で
あることが好ましく、特に0.5 以上1.5 μm未満である
ことが好ましい。粒子サイズ分布は狭いほうがよい。乳
剤中のハロゲン化銀粒子は立方体、8面体、14面体のよ
うな規則的な結晶形を有するものでもよく、また球状、
板状、じゃがいも状などのような不規則な結晶形を有す
るものでもよい。種々の結晶形の粒子の混合から成って
もよい。ハロゲン化銀の組成としては高感度であるとい
う理由で実質的に沃臭塩化銀もしくは沃臭化銀、あるい
は純臭化銀も用いる事ができる。本発明の実施に際して
乳剤として単分散性乳剤をもちいる場合、該単分散性乳
剤の調製にあたってはハロゲン化銀粒子の成長にともな
って硝酸銀水溶液と水溶性ハロゲン化物の添加速度を速
めることができる。添加速度を速めることによって、よ
り粒子径分布を単分散化しうるし、また添加時間が短縮
され工業生産に有利である。さらにハロゲン化銀粒子内
部に構造欠陥の形成される機会が減少するという点でも
好ましい。
【0030】この添加速度を速める方法としては、特公
昭48−36890号、同52−16364号、特開昭
55−142329号の各公報に記載の如く、銀塩水溶
液及びハロゲン化物水溶液の添加速度を連続的に、或い
は段階的に増加させてもよい。上記添加速度の上限は新
しい該粒子が発生する寸前の流速でよく、その値は、温
度、pH、pAg、攪拌の程度、ハロゲン化銀粒子の組
成、溶解度、粒径、粒子間距離、或いは保護コロイドの
種類と濃度等によって変化する。単分散乳剤の製法は公
知であり、例えばJ.Phot.Sci.12,242〜251(19
63)、特公昭48−36890号、同52−1636
4号、特開昭55−142329号公報に記載されてお
り、また特開昭57−179835号に記載されている
技術を採用することもできる。本発明に用いられるハロ
ゲン化銀乳剤はコア・シェル型単分散性乳剤であっても
よく、これらコア・シェル乳剤は特開昭54−4852
1号等によって公知である。本発明の実施に際して乳剤
として多分散乳剤を用いる場合、該多分散乳剤の製法は
公知の方法を用いることができる。例えば T.H. James
著“The Theory ofthe Photographic Process " 第4
版,Macmillan 社刊(1977)38〜104頁等の文
献に記載されている中性法、酸性法、アンモニア法、順
混合、逆混合、ダブルジェット法、コントロールド・ダ
ブルジェット法、コンヴァージョン法、コア/シェル法
などの方法を適用して製造することができる。
【0031】また粒子が粒子厚みの5倍以上の平板状粒
子は、本発明に対し好ましく用いられる(詳しくは、RE
SEARCH DISCLOSURE 225巻 Item 22534 P.20
〜P.58、1月号、1983年、及び特開昭58−1
27921号、同58−113926号公報に記載され
ている) 。平板状ハロゲン化銀粒子の製法としては当業
界で知られた方法を適宜、組合せることにより成し得
る。平板状ハロゲン化銀乳剤は、クナック(Cugnac)およ
びシャトー(Chateau) 「物理的熟成時の臭化銀結晶の形
態学の進展(イボルーション・オブ・ザ・モルフォルジ
ー・オブ・シルバー・プロマイド・クリスタルズ・デュ
アリング・フィジカル・ライプニング)」サイエンス・
エ・インダストリエ・フォトグラフィー、33巻、No.
(1962)pp. 121−125、ダフィン(Duffin)著
「フォトグラフィク・エマルジョン・ケミストリー(Pho
tographic emulsion Chemistry) 」フォーカル・プレス
(FocalPress)、ニューヨーク、1966年、p−66〜
p.72、A.P.H.トリベリ(Trivelli)、W.F.スミス(Smi
th) フォトグラフィク ジャーナル(Photographic Jour
nal)、80巻、285頁(1940年) 等に記載されて
いるが特開昭58−127,921、特開昭58−11
3,927、特開昭58−113,928、米国特許第
4439520号に記載された方法を参照すれば容易に
調製できる。本発明の平板状乳剤の投影面積直径は0.3
〜2.0 μm、特に0.5 〜1.2 μmであることが好まし
い。また平行平面間距離(粒子の厚み)としては0.05μ
m〜0.3 μm、特に0.1 〜0.25μmのものが好ましく、
アスペクト比としては、3以上、20未満、特に4以上8
未満のものが好ましい。本発明の平板状ハロゲン化銀乳
剤中には、アスペクト比が2以上のハロゲン化銀粒子が
全粒子の50%(投影面積)以上、特に70%以上存在し、
その平板粒子の平均アスペクト比が3以上、特に4〜8
であることが好ましい。平板状ハロゲン化銀粒子の中で
も単分散六角平板粒子はとりわけ有用な粒子である。本
発明でいう単分散六角平板粒子の構造および製造法の詳
細は特開昭63−151618の記載に従う。
【0032】本発明のハロゲン化銀乳剤は硫黄増感、金
増感、セレン増感及び還元増感を単独又は組合せて用い
る事が好ましい。特に硫黄増感と金増感とセレン増感を
組合せて用いる事が好ましい。セレン増感剤としては、
特開平4−25832号及び同4−109240号に記
載の化合物が好ましい。本発明の写真感光材料に用いら
れる各種添加剤等については特に制限はなく例えば、以
下の該当箇所に記載のものを用いる事ができる。 項目 該当箇所 1)ハロゲン化銀乳剤と 特開平2−68539号公報第8頁右下欄下から6 その製法 行目から同第10頁右上欄12行目、同3−245 37号公報第2頁右下欄10行目ないし第6頁右上 欄1行目、同第10頁左上欄16行目ないし第11 頁左下欄19行目、特願平2−225637号。 2)化学増感方法 特開平2−68539号公報第10頁右上欄13行 目から同左上欄16行目、特願平3−105035 号。 3)カブリ防止剤、安定剤 特開平2−68539号公報第10頁左下欄17行 目から同第11頁左上欄7行目及び同第3頁左下欄 2行目から同第4頁左下欄。 4)色調改良剤 特開昭62−276539号公報第2頁左下欄7行 目から同第10頁左下欄20行目、特開平3−94 249号公報第6頁左下欄15行目から第11頁右 上欄19行目。 5)界面活性剤 特開平2−68539号公報第11頁左上欄14行 帯電防止剤 目から同第12頁左上欄9行目。 6)マット剤、滑り剤 特開平2−68539号公報第12頁左上欄10行 可塑剤 目から同右上欄10行目、同第14頁左下欄10行 目から同右下欄1行目。 7)親水性コロイド 特開平2−68539号公報第12頁右上欄11行 目から同左下欄16行目。 8)硬膜剤 特開平2−68539号公報第12頁左下欄17行 目から同第13頁右上欄6行目。 9)支持体 特開平2−68539号公報第13頁右上欄7行目 から20行目。 10)クロスオーバー 特開平2−264944号公報第4頁右上欄20行 カット法 目から同第14頁右上欄。 11)染料、媒染剤 特開平2−68539号公報第13頁左下欄1行目 から同第14頁左下欄9行目。同3−24537号 公報第14頁左下欄から同第16頁右下欄。 12)ポリヒドロキシベン 特開平3−39948号公報第11頁左上欄から同 ゼン類 第12頁左下欄、EP特許第452772A号公報 。 13)層構成 特開平3−198041号公報。 14)現像処理方法 特開平2−103037号公報第16頁右上欄7行 115837号公報第3頁右下欄5行目から同第6 頁右上欄10行目。 以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。
なお例中で用いた色素I−1〜I−2の構造式は次の通
りである。
【0033】
【化3】
【0034】
【実施例】
実施例1 (乳剤A−1〜3の調製)水1リットル中に臭化カリウ
ム4.5g、ゼラチン20.6g、チオエーテルHO(C
H2)2S(CH2)2S(CH2)2OHの5%水溶液2.5ccを添加し6
0℃に保った容器中へ攪拌しながら硝酸銀水溶液37cc
(硝酸銀3.43g)と臭化カリウム2.97gと沃化
カリウム0.363gを含む水溶液33ccをダブルジェ
ット法により37秒間で添加した。つぎに臭化カリウム
0.9gの水溶液を添加した後70℃に昇温して硝酸銀
水溶液53cc(硝酸銀4.90g)を13分間かけて添
加した。ここで25%のアンモニア水溶液15ccを添
加、そのままの温度で20分間物理熟成したのち100
%酢酸溶液を14cc添加した。引き続いて硝酸銀13
3.3gの水溶液と臭化カリウムの水溶液をpAg8.
5に保ちながらコントロールダブルジェット法で35分
間かけて添加した。次に2Nのチオシアン酸カリウム溶
液10ccを添加した。5分間そのままの温度で物理熟成
したのち35℃に温度を下げた。こうしてトータル沃化
銀含量0.26モル%、平均投影面積直径1.10μ
m、厚み0.165μm、直径の変動係数18.5%の
単分散平板状粒子をえた。
【0035】この後、沈降法により可溶性塩類を除去し
た。再び40℃に昇温してゼラチン30gとフェノキシ
エタノール2.35gおよび増粘剤としてポリスチレン
スルホン酸ナトリウム0.8gを添加し、苛性ソーダと
硝酸銀溶液でpH5.90、pAg8.25に調整し
た。この乳剤を攪拌しながら56℃に保った状態で化学
増感を施した。まず二酸化チオ尿素0.043mgを添加
し22分間そのまま保持して還元増感を施した。つぎに
4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テト
ラザインデン20mgと、増感色素I−1を300mg添加
した。引き続きチオ硫酸ナトリウム3.3mgと塩化金酸
2.6mgおよびチオシアン酸カリウム90mgを添加し、
40分後に40℃に冷却した。こうして乳剤A−1を調
製完了した。乳剤A−2、A−3は、乳剤A−1で増感
色素I−1をそれぞれ500mg、750mgに変え、他は
まったく同様に調整した。以上の如く調整した乳剤A−
1〜3を40℃にて溶解し、増感色素の脱着を行った。
脱着に使用した固形吸着剤はイオン交換基をもたない多
孔性の有機合成樹脂である三菱化成社製の MCI GEL CHP
20Pで粒径75〜150μmであり、乳剤1kgに対して
200g添加し、攪拌した。1時間攪拌したのち、ミク
ロフィルターを用いて濾過し、乳剤から固形吸着剤を分
離した。この濾液である乳剤を日立社製307型カラー
アナライザーで吸収スペクトルを測定し、増感色素I−
1が完全に脱着されていることを確認した。
【0036】(塗布試料の調製)A−1〜A−3のハロ
ゲン化銀1モルあたり下記の薬品を添加して塗布液とし
た。 ・2,6−ビス(ヒドロキシアミノ)−4−ジエチルアミノ −1,3,5−トリアジン 72mg ・増感色素I−2 総添加量が表−1の値となる量を 添加 ・ゼラチン 後述の表面保護層と下塗層で使用 したゼラチンとの合計塗布量が2. 4g/m2の値となる量を添加 ・トリメチロールプロパン 9g ・デキストラン(平均分子量3.9万) 18.5g ・ポリスチレンスルホン酸ナトリウム(平均分子量60万) 1.8g ・硬膜剤 1,2−ビス(ビニルスルホニルアセトアミド)エタン 1.6g
【0037】
【化4】
【0038】表面保護層塗布液の調製 表面保護層は各成分が下記の塗布量となるように調製準
備した。 表面保護層の内容 塗布量 ・ゼラチン 0.966g/m2 ・ポリアクリル酸ナトリウム(平均分子量40万) 0.023 ・4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7− テトラザインデン 0.015
【0039】
【化5】
【0040】 ・ポリメチルメタクリレート(平均粒径3.7μm) 0.087g/m2 ・プロキセル 0.0005g/m2 (NaOHでpH7.4に調整) 支持体の調製 (1) 下塗層用染料D−1の調製 下記の染料を特開昭63−197943号に記載の方法
でボールミル処理した。
【0041】
【化6】
【0042】水434mlおよび Triton X−200界面
活性剤(TX−200)の6.7%水溶液791mlとを
2リットルのボールミルに入れた。染料20gをこの溶
液に添加した。酸化ジルコニウム(ZrO)のビーズ4
00ml(2mm径) を添加し内容物を4日間粉砕した。こ
の後、12.5%ゼラチン160gを添加した。脱泡し
たのち、濾過によりZrOビーズを除去した。得られた
染料分散物を観察したところ、粉砕された染料の粒径は
直径0.05〜1.15μmにかけての広い分野を有し
ていて、平均粒径は0.37μmであった。さらに、遠
心分離操作をおこなうことで0.9μm以上の大きさの
染料粒子を除去した。こうして染料分散物D−1を得
た。 (2) 支持体の調製 二軸延伸された厚さ183μmのポリエチレンテレフタ
レートフィルム上にコロナ放電処理をおこない、下記の
組成より成る第1下塗液を塗布量が5.1cc/m2となる
ようにワイヤーバーコーターにより塗布し、175℃に
て1分間乾燥した。使用したポリエチレンテレフタレー
トには下記構造の染料が0.04wt%含有されている
ものを用いた。
【0043】
【化7】
【0044】 ブタジエン−スチレン共重合体ラテックス溶液 (固型分40%ブタジエン/スチレン重量比=31/69) 79cc 2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジン ナトリウム塩4%溶液 20.5cc 蒸留水 900.5cc *ラテックス溶液中には、乳化分散剤として下記の化合
物をラテックス固形分に対し0.4wt%含有した。
【0045】
【化8】
【0046】上記の片面の第1下塗層上に下記の組成か
らなる第2の下塗層を塗布量が下記に記載の量となるよ
うに片面にワイヤー・バーコーター方式により150℃
で塗布・乾燥した。 ・ゼラチン 160mg/m2 ・染料分散物D−1(染料固形分として26mg/m2
【0047】
【化9】
【0048】 ・マット剤 平均粒径2.5μmのポリメチルメタクリレート 2.5mg/m2
【0049】写真材料の調整 準備した支持体上に先の乳剤層と表面保護層を同時押し
出し法により両面に塗布した。片面当りの塗布銀量は
1.75g/m2とした。塗布ゼラチン量と液体窒素法に
よる凍結乾燥法によりもとめる膨潤率は乳剤層に添加す
るゼラチンと硬膜剤量とで調整し、200%〜280%
の間におさまるようにした。本発明における水中での膨
潤率とは凍結乾燥法により測定される。即ち、写真材料
を25℃60%RH条件下で7日経時した時点で親水性
コロイド層の膨潤率を測定する。乾燥厚(a)は切片の
走査型電子顕微鏡により求める。膨潤膜厚(b)は、写
真材料を21℃の蒸留水に3分間浸漬した状態を液体窒
素により凍結乾燥したのち走査型電子顕微鏡で観察する
ことで求める。膨潤率は{(b)−(a)}の値を
(a)で除して100倍した値(%)である。写真性能
とローラーマーク評価用の写真材料1〜15を調整し
た。
【0050】写真性能の評価 写真材料1〜15の各試料を富士写真フイルム(株)社
製のXレイオルソスクリーンHR−4を使用して両側か
ら0.05秒の露光を与え、感度の評価をおこなった。
露光後、以下の処理をおこなった。感度は写真材料5を
100とし濃度1.0を与える露光量の比の逆数でしめ
した。
【0051】〔処理〕 自動現像機・・富士フイルム(株)社製CEPROSを
改造して搬送スピードを速めた。 濃縮液の調製 <現像液> パーツ剤A 水酸化カリウム 330g 亜硫酸カリウム 630g 亜硫酸ナトリウム 255g 炭酸カリウム 90g ホウ酸 45g ジエチルグリコール 180g ジエチレントリアミン五酢酸 30g 1−(N,N−ジエチルアミン)エチル−5−メルカプト テトラゾール 0.75g ハイドロキノン 450g 4−ヒドロキシメチル−4−メチル−1−フェニル−3− ピラゾリドン 60g 水を加えて 4125ml
【0052】 パーツ剤B ジエチレングリコール 525g 3,3′−ジチオビスヒドロ桂皮酸 3g 氷酢酸 102.6g 2−ニトロインダゾール 3.75g 1−フェニル−3−ピラゾリドン 34.5g 水を加えて 750ml
【0053】 パーツ剤C グルタールアルデヒド(50wt/wt%) 150g 臭化カリウム 15g メタ重亜硫酸カリウム 105g 水を加えて 750ml
【0054】 <定着液> チオ硫酸アンモニウム(70wt/vol%) 3000ml エチレンジアミン四酢酸・二ナトリウム・二水塩 0.45g 亜硫酸ナトリウム 225g ホウ酸 60g 1−(N,N−ジエチルアミン)−エチル−5−メルカプト テトラゾール 15g 酒石酸 48g 氷酢酸 675g 水酸化ナトリウム 225g 硫酸(36N) 58.5g 硫酸アルミニウム 150g 水を加えて 6000ml pH 4.68
【0055】処理液の調製 上記現像液濃度液を下記の容器に各パーツ剤毎に充填し
た。この容器はパーツ剤A、B、Cの各部分容器が容器
自身によって一つに連結されているものである。また、
上記定着液濃度も同種の容器に充填した。まず、現像槽
内にスターターとして、酢酸54gと臭化カリウム5
5.5gを含む水溶液300mlを添加した。上記処理剤
入容器を逆さにして自現機の側面に装着されている処理
液ストックタンクの穿孔刃にさしこんで、キャップの封
止膜を破り、容器内の各処理剤をストックタンクに充填
した。これらの各処理剤を下記の割合で自現機の現像
槽、定着槽に、それぞれ自現機に設置されてるポンプを
作動して満たした。また、感材が四切サイズ換算で8枚
処理される毎にも、この割合で、処理剤原液と水とを混
合して自現機の処理槽に補充した。
【0056】 現像液 パーツ液A 55ml パーツ液B 10ml パーツ液C 10ml 水 125ml pH 10.50 定着液 濃縮度 80ml 水 120ml pH 4.62 水洗槽には水道水を満たした。
【0057】また、水あか防止剤として、放線菌を平均
粒径100μm、平均孔径3μmのパーライトに担持さ
せたもの0.4gをポリエチレン製のピン(ピン開口部
を300メッシュのナイロン布で覆い、この布より水お
よび菌の流通が可能)に充填したものを3個用意し、そ
のうちの2個を水洗槽の底部に、1個を水洗水のストッ
クタンク(液量0.2リットル)の底部にそれぞれ沈め
た。 処理スピード及び処理温度 現 像 35℃ 8.8秒 定 着 32℃ 7.7 水 洗 17℃ 3.8 スクイズ 4.4 乾 燥 58℃ 5.3 トータル 30 補充量 現像液 25ml/10×12インチ 定着液 25ml/10×12インチ
【0058】(ローラーマークの評価)写真材料1〜1
5を30.5cm×25.4cmに裁断し、色温度5400
°Kの光源で片側から露光をおこなった。このとき、露
光時間を増減することでローラーマーク評価処理におけ
る濃度がペース濃度を含めて一様に1.0となるように
調整した。こうして処理した感材に観察される黒斑点状
のローラーマークを評価した。評価基準は以下の官能評
価によった。 ◎ … ほとんどローラーマークの発生がない ○ … 微かにローラーマークが発生しているが気にな
らない △ … ローラーマークが発生しているが実用的に許容
される × … ローラーマークが多発、濃度ムラも大きく不可 以上の結果を表1にまとめた。
【0059】
【表1】
【0060】表1より、化学増感前、あるいは化学増感
時に添加される増感色素の量がハロゲン化銀に対し0.
6×10-3モルであると、固形吸着剤での処理有無にか
かわらず分光感度が低く実用的でない。化学増感前、あ
るいは化学増感時に添加される増感色素量1.0×10
-3モルと1.5×10-3モルの乳剤に吸着した増感色素
を脱着した後、塗布前までに添加した増感色素がハロゲ
ン化銀に対して0.5×10-3モル〜0.75×10-3
モルのとき、分光感度が高く、ローラーマークが許容レ
ヴェルとなっており、本発明の効果は明らかである。
【0061】実施例2 (純臭化銀平板状粒子(粒子2)の調製)水1リットル
中に臭化カリウム6g、ゼラチン7gを添加し、55℃
に保った容器中へ攪拌しながら硝酸銀水溶液37cc(硝
酸銀4.00g)と臭化カリウム5.7gを含む水溶液
38ccをダブルジェット法により37秒間で添加した。
次に、ゼラチン18.6gを添加した後、70℃に昇温
して硝酸銀水溶液89cc(硝酸銀9.8g)を22分間
かけて添加した。ここで25%のアンモニア水溶液7cc
を添加し、そのままの温度で10分間物理熟成した後、
100%酢酸溶液を6.5cc添加した。引き続いて硝酸
銀153.0gを含む水溶液と臭化カリウムの水溶液を
pAg8.5に保ちながらコントロールダブルジェット
法で35分かけて添加した。次に硝酸銀水溶液を用い
て、pBrを2.8に調整してから、2Nのチオシアン
酸カリウム溶液15ccを添加した。5分間そのままの温
度で物理熟成した後、35℃に温度を下げた。こうして
トータル沃化銀含有量0.2mol%、平均投影面積直
径1.11μm、厚み0.164μm、直径の変動係数
18.0%の単分散純臭化銀平板状粒子を得た。この
後、沈降法により、可溶性塩類を除去した。再び40℃
に昇温してゼラチン30gとフェノキシエタノール2.
35g及び増粘剤としてポリスチレンスルホン酸ナトリ
ウム0.8gを添加し、苛性ソーダと硝酸銀溶液でpH
5.90、pAg8.25に調製した。
【0062】(乳剤T−1〜3の調製)以上の如く調製
した粒子2に対して攪拌しながら54℃に保った状態で
化学増感を施した。まずチオスルフォン酸ナトリウム
7.2mgと直径0.07μmの沃化銀微粒子を全銀量に
対して0.20mol%添加した。次に4−ヒドロキシ
−6−メチル−1,3,3a,7−テトラアザインデン
20mgと増感色素I−2をそれぞれ300mg(T−
1)、400mg(T−2)、500mg(T−3)添加し
た。さらに塩化カルシウムを水溶液状態で0.83g添
加した。引き続きチオ硫酸ナトリウム1.3mgとセレン
化合物−1を3.5mgと塩化金酸2.6mg及びチオシア
ン酸カリウム90mgを添加し、40分後に35℃に冷却
して化学増感を終了した。
【0063】
【化10】
【0064】以上より調整した乳剤T−1〜3を40℃
にて溶解し、三菱化成社製 MCI GELCHP 20P 粒径75〜
150μmを乳剤1kgに対して200g、メタノールを
100cc添加し、2時間攪拌した。その後、ミクロフィ
ルターを用いて濾過し、濾過した乳剤の吸収スペクトル
を日立社製307型カラーアナライザーで測定し、脱着
が終了していることを確認した。塗布試料は実施例−1
と同様に調製し、写真性能とローラーマーク評価用の写
真材料16〜29を調製した。写真性能とローラーマー
クの評価は実施例−1と同様に行った。感度は塗布試料
21を100として示した。結果を表2にまとめた。
【0065】
【表2】
【0066】表2の結果より、化学増感時に存在する増
感色素量がハロゲン化銀に対して0.8×10-3モル以
上である乳剤から色素を脱着させ、その後添加する増感
色素量がハロゲン化銀に対して0.75×10-3モル以
下である試料は分光感度が高く、ローラーマークが改良
されており、本発明の効果は明らかである。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年12月22日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0061
【補正方法】変更
【補正内容】
【0061】実施例2 (純臭化銀平板状粒子(粒子2)の調製)水1リットル
中に臭化カリウム6g、ゼラチン7gを添加し、55℃
に保った容器中へ攪拌しながら硝酸銀水溶液37cc(硝
酸銀4.00g)と臭化カリウム5.7gを含む水溶液
38ccをダブルジェット法により37秒間で添加した。
次に、ゼラチン18.6gを添加した後、70℃に昇温
して硝酸銀水溶液89cc(硝酸銀9.8g)を22分間
かけて添加した。ここで25%のアンモニア水溶液7cc
を添加し、そのままの温度で10分間物理熟成した後、
100%酢酸溶液を6.5cc添加した。引き続いて硝酸
銀153.0gを含む水溶液と臭化カリウムの水溶液を
pAg8.5に保ちながらコントロールダブルジェット
法で35分かけて添加した。次に硝酸銀水溶液を用い
て、pBrを2.8に調整してから、2Nのチオシアン
酸カリウム溶液15ccを添加した。5分間そのままの温
度で物理熟成した後、35℃に温度を下げた。こうして
平均投影面積直径1.11μm、厚み0.164μm、
直径の変動係数18.0%の単分散純臭化銀平板状粒子
を得た。この後、沈降法により、可溶性塩類を除去し
た。再び40℃に昇温してゼラチン30gとフェノキシ
エタノール2.35g及び増粘剤としてポリスチレンス
ルホン酸ナトリウム0.8gを添加し、苛性ソーダと硝
酸銀溶液でpH5.90、pAg8.25に調製した。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 化学増感前にハロゲン化銀粒子表面にハ
    ロゲン化銀に対して0.8×10-3モル以上吸着させた
    増感色素を吸着剤で処理して吸着した増感色素を脱着さ
    せ、ハロゲン化銀に対する増感色素の総量が0.75×
    10-3モル以下としたハロゲン化銀写真乳剤からなるハ
    ロゲン化銀写真感光材料。
  2. 【請求項2】 0.8×10-3モル以上吸着させた増感
    色素を化学増感後吸着剤で一部あるいは全部脱着させた
    のち、改めて増感色素をハロゲン化銀に対する総量が
    0.10×10-3モル以上0.75×10-3モル以下と
    なるようにハロゲン化銀粒子表面に吸着させる事を特徴
    とする請求項1のハロゲン化銀写真感光材料。
  3. 【請求項3】 ハロゲン化銀粒子の個々のハロゲン組成
    のヨード含量の平均が0.6 モル%未満であり支持体上の
    片面当りのゼラチンの総塗布量が1.7 g/m2以上2.5 g
    /m2以下である事を特徴とする請求項1又は2のハロゲ
    ン化銀写真感光材料。
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