JPH0615889Y2 - スポイト付き液体収納容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は化粧液、薬液、修正液をはじめドレッシング
など各種の液体に使用可能なケース内蔵型のスポイト付
き液体収納容器に関するものである。

従来の技術とその課題 従来のこの種容器、例えば美容液を収納する容器として
は、液体収納容器本体の口部にキャップをねじ嵌合し、
このねじ嵌合によって液体収納容器本体内の気密をたも
つものが一般的であり、このような容器が使用に際して
複数個（例えば２個）用いられていた。

したがって、使用時にキャップを外したうえ、スポイト
管で液体を吸い上げて手の中に滴下するが、１個目の容
器はよいとして、２個目の容器の液体を滴下するのに、
１個目の容器の液体を一方の手の中に滴下した状態で他
方の手を使用して滴下しなければならず、キャップの取
外し作業など使用に不便であるとともに、液体をこぼし
易いという問題点があった。

また、従来の容器はそれぞれがばらばらになっており、
組み合わせられて収容されていないため、取り扱いにく
いものであった。

そこで、この考案は前記のような従来の問題点を解決
し、片手での使用ができて使い勝手がよく、操作性に優
れているとともに、ねじによるキャップの嵌合をなくす
ることができ、しかも複数個の液体収納容器本体をまと
めて収容できて取り扱い易いスポイト付き液体収納容器
を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段 前記目的を達成するため、この考案は、上端が開口した
ケースと、このケース内に口部が上向きとなるように複
数個設置されたスポイト付き液体収納容器本体と、これ
ら液体収納容器本体を包被して前記ケースの後端部に後
端部が枢支され、前記ケースの上端開口を開閉するケー
スカバーとを具えている。

各液体収納容器本体の口部には内キャップが嵌合されて
いる。内キャップにはスポイト管が口部から液体収納容
器本体内に垂下して設けられ、このスポイト管の上部に
はスポイト管による吸い上げ用の中空弾性体がケースカ
バーの閉鎖によって圧縮され、かつケースカバーの開放
によって弾性復元されるように内キャップより上方に突
出して設けられている。

また、ケースカバーの前端部には係止部が設けられ、こ
の係止部とケースカバーの閉鎖時に係止する係止部を有
するフック部材がケースの前端部に偏倚可能に設けられ
ている。

作用 前記の構成により、フック部材を偏倚させてフック部材
の係止部をケースカバーの係止部から外し、ケースカバ
ーによりケースの上端開口を開放すると、スポイト管の
中空弾性体が圧縮から弾性復元し、スポイト管には液体
収納容器本体内の液体が吸い上げられる。そして、吸い
上げられた液体は内キャップの嵌合を外し、スポイト管
を液体収納容器本体の口部から取り出したうえ、中空弾
性体を手で押圧して圧縮することにより、手の中に滴下
される。

前記のようなケースの上端開口の開放により、複数個の
液体収納容器本体に設けたスポイト管が液体を吸い上げ
る状態となるため、使用者は単にスポイト管を液体収納
容器本体の口部から取り出して吸い上げた液体を滴下す
るだけでよく、片手でも容易に使用できる。

実施例 この実施例は美容液など変液のため予め混合して収納で
きない少なくとも２つの異なる性質の液体を手の中に滴
下して混合し、使用するのに適するケース内蔵型のスポ
イト付き容器に適用したものである。

第１〜３図において１はケース内蔵型のスポイト付き液
体収納容器本体で、ケース２、複数個（図面では２個）
のスポイト付き液体収納容器本体３，４、ケースカバー
５、フック部材６などからなっている。

ケース２は上下端が開口した略四角筒形のケース本体７
を有し、このケース本体７の下端部はケース底蓋８上に
周設されたリブ10と保持筒11の周壁とによってその内外
面が挾持されて一体的に固着されている。第４図にも示
すようにケース本体７の上端開口は後端から前端にかけ
て保持筒11の上壁位置付近まで下向き傾斜に形成されて
いる。ケース本体７の後端上部には枢支部13が設けら
れ、この枢支部13にはケースカバー５の後端上部に設け
られた枢支部14がピン15によって枢支されている。第６
図にも示すようにケースカバー５は下端が開口し、該下
端開口は後端から前端付近まで下向き傾斜に形成されて
おり、その端面は閉鎖時にケース本体７の上端開口の端
面に当接するようになっている。

保持筒11の上壁には所定位置に容器本体３，４を位置決
め載置する凹部18が形成されている。凹部18の内周面に
は容器本体３，４の設置に際し、容器本体の下部外周面
に形成したおねじ19と螺号するめねじ20が形成されてい
る。したがって、容器本体３，４は両ねじ19,20を介し
て保持筒11に対し着脱可能となっている。なお、着脱可
能とする前記ねじはあくまでも好ましい一例であって、
これ以外の手段でもよい。又、前記のような着脱可能で
なく、容器本体３，４を接着剤や両面テープ等を介して
保持筒11に固定的に設置してもよい。

容器本体３，４の構造は同様であるため、ここではその
一方である容器本体３のみを説明することとする。

容器本体３の口部23には頂壁にスポイト管取付け用孔26
が形成された内キャップ25が嵌合されている。内キャッ
プ25の取付孔26には口部23から容器本体３内に垂下さ
れ、その下端が容器本体３の底壁近くまで延びた透明ス
ポイト管27の上端部が固着されている。30はスポイト管
27に装着された水密パッキン、31は口部23に装着された
しごき栓である。また、内キャップ25の頂壁より上方に
はゴム製で弾性圧縮および弾性復元可能な中空円筒状の
蛇腹体33がスポイト管27の上端開口と連通し、かつ内装
したばね35によって常時、弾性復元した状態で設けられ
ている。

蛇腹体33の上部には下端に外向きフランジ37を有するト
ップボタン36が被着されている。トップボタン36はケー
スカバー５によって押圧されると、フランジ37が内キャ
ップ25に被着された外キャップ38の内向き折り曲げ端部
40から内キャップ25の上部内周に形成した段部41までの
ストロークぶんばね35に抗して下動され、この下動によ
って蛇腹体33が圧縮される。

ケースカバー５の前端下部には係止突起41が設けられ、
この係止突起41にはフック部材６の起立壁42に設けられ
た係止突起43が離脱可能に係止されている。フック部材
６は第７図に示すように押圧部45と枢支部46が前後に連
接され、かつ該両部の境に前記起立壁が設けられて構成
されている。枢支部46はケース本体７の前端壁に形成さ
れた穴47、および保持筒11の前端壁に形成された穴48を
経て保持筒11内にまで延びて配置され、かつその先端に
外向きに突設されたピン50が保持筒11の図示しない内仕
切壁に設けた枢支孔に押圧部45側が上下に揺動可能に枢
支されている。このとき、押圧部45はケース底蓋８の前
端に突出して形成された突出部51の上方に位置した状態
となる。押圧部45とケース底蓋８の間には、押圧部45を
係止突起41と係止突起43が係止する上方に付勢するコイ
ルスプリング52が介装されている。

53はフック部材６の下方にあたる突出部51の下面に前後
に摺動可能に装着されたロック部材で、第３図に示すロ
ック状態ではその前端上面にフック部材６の前端下面が
当接している。ロック部材53の後端上面にはロック状態
で突出部51の下面に形成した凹所55の系合凸部56と離脱
可能に系合する系合凸部57が設けられ、両系合凸部56,5
7の系合によってロック部材53を、フック部材６の前端
下面がロック部材53の前端上面に当接したロック状態を
保つようになっている。

次に、前記実施例の作用を説明する。

第１〜３図の不使用状態から、容器本体３，４内に収納
した液体を取り出すには、まず、ロック状態にあるロッ
ク部材53を前方に引き出す。この引き出しにより系合凸
部57が系合凸部56を乗り越えて、ロック部材53の前端上
面にフック部材６の前端下面が当接しない非ロック状態
となる。このようにロックが解除され、非ロック状態と
なった後、フック部材６の押圧部45をコイルスプリング
52に抗して押圧する。この押圧により、第８図に示すよ
うに系止突起43がケースカバー５の係止突起41から外れ
る。この結果、それまでケースカバー５によって押圧さ
れ、圧縮されていた容器本体３，４の蛇腹体33がばね35
の付勢を受けてトップボタン36とともに、フランジ37が
外キャップ38の端部40に当接するまで弾性復元して上動
し、この蛇腹体33の弾性復元によって容器本体３，４内
の液体がスポイト管27によって所定量、吸い上げられ
る。

このとき、ケースカバー５の下端開口の端面は、前記ば
ね35の力により第８図に示す位置まで持ち上げられる。

次に、ケースカバー５を手でさらに開放してケースカバ
ーによる容器本体３，４との包被を完全に解いた後、ま
ず、いずれか一方の容器本体、例えば容器本体３の口部
23に嵌合された外キャップ38を手でもって口部23から取
り外し、液体を吸い上げたスポイト管27とも取り出す。
そして、スポイト管27の下端を他方の手の中に位置させ
るとともに、トップボタン36を手で押圧して蛇腹体33を
圧縮し、前記吸い上げた液体を滴下する。

そして、容器本体３内の液体の滴下を終えたら、今度は
容器本体４内の液体の滴下を行ない、先の液体と混合す
るが、この容器本体４の液体の滴下は前記のように説明
した容器本体３のそれと全く同様である。

前記のようにケースカバー５を開放した後、片手で簡単
に２つの容器本体３，４内の液体を手の中に滴下し、か
つ混合することができる。

容器本体３，４内の液体がなくなったときは、容器本体
３，４のおねじ19と保持筒11の凹部18のめねじ20の螺合
を解いて取り外し、新しい容器本体と交換する。

尚、前記実施例は好ましい一例を示したにすぎず、この
考案は要旨を変えない範囲で種手の設計変更が可能であ
る。

考案の効果 この考案は前記のような構成からなるので、従来のもの
に比べ、片手での使用ができて使い易く、しかも液体を
こぼすようなことも少なくなる。また、従来のもののよ
うにキャップがねじ嵌合となっていないため、キャップ
の取り外しなどが容易となり、スピーデイな作業を期待
できて、操作性に優れているのに加え、容器本体の口部
とキャップへのねじの加工が不要となるので、これらの
構成も簡素となる。また、容器本体もまとめて複数個、
ケース内に収容されるので、持ち運びや保管も便利とな
り、取り扱いが非常に容易となるという優れた効果があ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を示す略右半部破断の正面
図、第２図は同上の横断平面図、第３図は同上の縦断側
面図、第４図はケース本体で、(A)は一部破断の正面
図、(B)は右側面図、第５図はケース底蓋の正断面図、
第６図はケースカバーで、(A)は一部破断の正面図、(B)
は右側面図、第７図はフック部材で、(A)は平面図、(B)
は(A)のB-B線に沿う側面図、第８図は作用説明用の第３
図と対応する縦断側面図である。 １……スポイト付き液体収納容器、２……ケース ３，４……容器本体、５……ケースカバー ６……フック部材、７……ケース本体 ８……ケース底蓋、10……リブ、11……保持筒 23……口部、25……内キャップ、27……スポイト管 33……蛇腹体（中空弾性体）36……トップボタン 38……外キャップ、41,43……係止突起 53……ロック部材、55……凹所 56,57……係合凸部

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 桜井 喜文 静岡県静岡市弥生町648番地 ポーラ化成 工業株式会社内 (72)考案者 小川 建二 静岡県静岡市弥生町648番地 ポーラ化成 工業株式会社内 (72)考案者 五十嵐 孝二 神奈川県横浜市緑区長津田２―17―６

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】上端が開口したケースと、このケース内に
   口部が上向きとなるように複数個設置されたスポイト付
   き液体収納容器本体と、これら液体収納容器本体を包被
   して前記ケースの後端部に後端部が枢支され、前記ケー
   スの上端開口を開閉するケースカバーとを具え、前記各
   液体収納容器本体の口部に内キャップが嵌合され、この
   内キャップにスポイト管が口部から液体収納容器本体内
   に垂下して設けられ、このスポイト管の上部にスポイト
   管による吸い上げ用の中空弾性体がケースカバーの閉鎖
   によって圧縮され、かつケースカバーの開放によって弾
   性復元されるように内キャップより上方に突出して設け
   られ、前記ケースカバーの前端部に係止部が設けられ、
   この係止部とケースカバーの閉鎖時に係止する係止部を
   有するフック部材が前記ケースの前端部に偏倚可能に設
   けられていることを特徴とするスポイト付き液体収納容
   器。