JPH06158512A - 多頭式縫製装置 - Google Patents

多頭式縫製装置

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Publication number
JPH06158512A
JPH06158512A JP4333595A JP33359592A JPH06158512A JP H06158512 A JPH06158512 A JP H06158512A JP 4333595 A JP4333595 A JP 4333595A JP 33359592 A JP33359592 A JP 33359592A JP H06158512 A JPH06158512 A JP H06158512A
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JP
Japan
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balance
sewing
thread
dead center
drive
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Application number
JP4333595A
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English (en)
Inventor
Akira Nishio
章 西尾
Masaaki Yokoe
正明 横江
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Brother Industries Ltd
Original Assignee
Brother Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 多頭式刺繍ミシンにおいて、糸切れした場合
においても刺繍模様の見栄えを損なうことなく、加工布
をステッチバック或いは布送りできる。 【構成】 天秤駆動軸の駆動力は伝達機構により駆動レ
バーに伝達され、天秤はこの駆動レバーの駆動力で上下
に揺動駆動される。そして、糸切れセンサによりいずれ
かのミシンの上糸が糸切れしたことが検出されると(S
21:Yes)、天秤クラッチソレノイドの駆動(S2
5)により伝達機構における駆動力伝達系が分断され、
上死点に揺動している天秤を引っ張りバネにより駆動レ
バーを介して下死点に移動させて保持する。これによ
り、天秤で一旦ひき上げられた上糸は、縫針の目孔付近
で大きく弛むことになり、加工布をステッチバック或い
は布送り(S27)してもそれに必要な上糸量はこの弛
み量で補うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、多頭式縫製装置に関
し、特に糸切れの時やフィード時における加工布の移動
に必要な糸量として天秤で引き上げた上糸を用いるよう
にしたものに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、複数のミシンアーム部を備えた多
頭式縫製装置において、刺繍縫製中に1つのミシンアー
ム部でも刺繍糸の糸切れが発生したときには、糸切れし
たミシンアーム部と糸切れしていないミシンアーム部と
で刺繍縫いを再開するタイミングを変更するようにした
刺繍縫い再開の為の技術が種々提案されている。例え
ば、特公昭63─32909号公報には、刺繍縫製中に
糸切れが発生した場合、ミシンモータの駆動を停止した
後、糸切れした縫い位置まで加工布を手動でステッチバ
ックさせ、糸切れしたミシンアーム部に関してはその糸
切れした縫い位置から刺繍縫いを再開する一方、糸切れ
していないミシンアーム部の夫々に関してはその刺繍縫
い再開位置よりも設定針数Mだけ手前の縫い位置から刺
繍縫いを再開して、糸切れしていないミシンアーム部に
関して、ステッチバック時に加工布の上側に引き出され
た下糸を縫い込むようにした多頭式縫製装置が提案され
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記特
公昭63─32909号公報に記載の多頭式縫製装置に
おいては、糸切れしていないミシンアーム部に関して、
ステッチバック時に加工布の上側に引き出された下糸を
縫い込むように、設定針数Mだけ手前の縫い位置から刺
繍縫いを再開するようにしているので、ステッチバック
時に刺繍糸を引っ張ることにより加工布が縮んで波打っ
たり、下糸を縫い込んだ刺繍部分だけが上側に膨らむこ
とになり、刺繍縫いの見栄えが悪くなるという問題があ
る。また、加工布が波打つので設定針数Mの重ね縫い位
置が微妙に異なり、加工布の上側に引き出された下糸を
確実に縫い込めない場合があるという問題がある。更
に、次の刺繍模様の縫製開始位置まで加工布をフィード
させる場合には、前記と同様に、刺繍糸が引っ張られて
最終の2〜3針分の縫目における下糸が加工布の上側に
引き出された状態になり、同様に刺繍縫いの見栄えが悪
くなるという問題がある。そしてまた、特公昭63−3
2909号公報に記載の多頭式縫製装置は、その縫製動
作時においては、上糸が引っ張られた状態で加工布を移
動させるため、押え足の糸穴部の上糸の屈曲による動抵
抗が逆に作動してしまい、更に加工布側に縫目を釣り上
げるという問題がある。
【0004】本発明は前記問題点を解決す1為になされ
たものであり、その目的は、刺繍模様の見栄えを損なう
ことなく加工布をステッチバック或いはフィードし得る
ような多頭式縫製装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、請求項1に係る多頭式縫製装置は、上死点と下死点
とに亙って上下に揺動駆動され、上糸を案内する天秤を
有するミシンを複数設けており、複数ミシンの上糸の糸
切れを検出する糸切れ検出手段と、その糸切れ検出手段
により上糸の糸切れが検出されたとき、縫製作業を停止
させる停止手段と、縫製作業の停止後、糸切れしていな
いミシンに対して加工布の移動に必要な上糸を確保する
上糸確保手段とを備えたものである。
【0006】請求項2に係る多頭式縫製装置は、上死点
と下死点とに亙って上下に揺動駆動される天秤と、この
天秤を揺動駆動する駆動体と、駆動体を揺動駆動する天
秤駆動軸とを備えたミシンを複数設けており、各ミシン
に夫々設けられ、天秤駆動軸の駆動力を駆動体に伝達す
る伝達機構と、各伝達機構における天秤駆動軸から駆動
体への駆動力伝達系を分断可能なクラッチ手段と、各ミ
シンの天秤が下死点に回動する方向に駆動体を回動させ
る回動手段と、各ミシンの上糸の糸切れを検出する糸切
れ検出手段と、複数の糸切れ検出手段からの出力を受
け、何れかのミシンの上糸が糸切れしたときには、糸切
れしていないミシンのクラッチ手段を分断作動させるよ
うに複数のクラッチ手段を制御する制御手段とを備えた
ものである。
【0007】請求項3に係る多頭式縫製装置は、上死点
と下死点とに亙って上下に揺動駆動される天秤と、この
天秤を揺動駆動する駆動体と、駆動体を揺動駆動する天
秤駆動軸とを備えたミシンを複数設けており、各ミシン
に夫々設けられ、天秤駆動軸の駆動力を駆動体に伝達す
る伝達機構と、各伝達機構における天秤駆動軸から駆動
体への駆動力伝達系を分断可能なクラッチ手段と、各ミ
シンの天秤が下死点に回動する方向に駆動体を回動させ
る回動手段と、加工布を送るフィード信号の入力に応動
して、複数のクラッチ手段の全てを分断作動させるよう
に制御する制御手段とを備えたものである。
【0008】請求項4に係る多頭式縫製装置は、上死点
と下死点とに亙って上下に揺動駆動される天秤と、この
天秤を揺動駆動する天秤駆動軸とを備えたミシンを複数
設けており、各ミシンに夫々設けられ、天秤駆動軸の駆
動力を天秤に伝達する伝達機構と、各伝達機構における
天秤駆動軸から天秤への駆動力伝達系を分断可能なクラ
ッチ手段と、各ミシンの天秤を下死点に回動する方向に
回動させる回動手段と、各ミシンの上糸の糸切れを検出
する糸切れ検出手段と、複数の糸切れ検出手段からの出
力を受け、何れかのミシンの上糸が糸切れしたときに
は、糸切れしていないミシンのクラッチ手段を分断作動
させるように複数のクラッチ手段を制御する制御手段と
を備えたものである。
【0009】請求項5に係る多頭式縫製装置は、上死点
と下死点とに亙って上下に揺動駆動される天秤と、この
天秤を揺動駆動する天秤駆動軸とを備えたミシンを複数
設けており、各ミシンに夫々設けられ、天秤駆動軸の駆
動力を天秤に伝達する伝達機構と、各伝達機構における
天秤駆動軸から天秤への駆動力伝達系を分断可能なクラ
ッチ手段と、各ミシンの天秤を下死点に回動する方向に
回動させる回動手段と、加工布を送るフィード信号の入
力に応動して、複数のクラッチ手段の全てを分断作動さ
せるように制御する制御手段とを備えたものである。
【0010】
【作用】前記構成を有する請求項1に係る多頭式縫製装
置においては、停止手段は、糸切れ検出手段により何れ
かのミシンの上糸の糸切れが検出されたとき、縫製作業
を停止させる。そして、その縫製作業の停止後、上糸確
保手段は、糸切れしていないミシンに対して加工布の移
動に必要な上糸を確保する。従って、このとき、例え
ば、ステッチバックなどにより加工布が移動されても、
移動に必要な上糸としてこの確保された上糸が用いら
れ、糸切れが発生した場合でも、糸切れしていないミシ
ンにおいて、加工布が波打ったり、刺繍模様が部分的に
膨らむこともなく、見栄え良く刺繍縫いすることができ
る。また、下糸が加工布の上側に引き出されることもな
い。
【0011】請求項2に係る多頭式縫製装置において
は、天秤駆動軸の駆動力は伝達機構により駆動体に伝達
され、天秤はこの駆動体の駆動力で上下に揺動駆動され
る。しかし、制御手段は、複数の糸切れ検出手段からの
出力を受けて、何れかのミシンの上糸が糸切れしたとき
には、糸切れしていないミシンのクラッチ手段を分断作
動させるように複数のクラッチ手段を制御する。その結
果、クラッチ手段の分断作動を介して伝達機構における
駆動力伝達系が分断され、駆動体は回動手段により天秤
が下死点に回動するので、天秤により引き上げられた上
糸が弛むことになる。従って、このとき、例えば、ステ
ッチバックなどにより加工布が移動された場合でも、前
記請求項1と同様に作用する。
【0012】請求項3に係る多頭式縫製装置において
は、前記請求項2と略同様に作用するが、次の点で異な
る。即ち、制御手段は、フィード信号の入力に応動し
て、複数のクラッチ手段の全てを分断作動させるように
制御する。その結果、クラッチ手段の分断作動を介して
伝達機構における駆動力伝達系が分断され、駆動体は回
動手段により天秤が下死点に回動するので、天秤により
引き上げられた上糸が弛むことになる。従って、加工布
のフィードに必要な上糸としてこの弛んだ上糸が用いら
れ、加工布が縮んで波打ったり、最終の2〜3針分の縫
目における下糸が加工布の上側に引き出されることがな
く、見栄え良く刺繍縫いできる。
【0013】請求項4に係る多頭式縫製装置において
は、天秤駆動軸の駆動力は伝達機構により天秤に伝達さ
れ、天秤はこの駆動力で上下に揺動駆動される。しか
し、制御手段は、複数の糸切れ検出手段からの出力を受
けて、何れかのミシンの上糸が糸切れしたときには、糸
切れしていないミシンのクラッチ手段を分断作動させる
ように複数のクラッチ手段を制御する。その結果、クラ
ッチ手段の分断作動を介して伝達機構における駆動力伝
達系が分断され、天秤は回動手段により下死点に回動す
るので、天秤により引き上げられた上糸が弛むことにな
る。従って、例えば、ステッチバックなどにより加工布
が移動された場合でも、前記請求項2と同様に作用す
る。
【0014】請求項5に係る多頭式縫製装置において
は、前記請求項4と略同様に作用するが、次の点で異な
る。即ち、制御手段は、フィード信号の入力に応動し
て、複数のクラッチ手段の全てを分断作動させるように
制御する。その結果、クラッチ手段の分断作動を介して
伝達機構における駆動力伝達系が分断され、天秤は回動
手段により下死点に回動するので、天秤により引き上げ
られた上糸が弛むことになる。従って、加工布のフィー
ドに必要な上糸としてこの弛んだ上糸が用いられ、前記
請求項3と同様に作用する。
【0015】
【実施例】以下、本発明を具体化した一実施例について
図面に基いて説明する。本実施例は、3台の刺繍ミシン
を備えた多頭式縫製装置に本発明を適用した場合のもの
である。この多頭式縫製装置Mについて説明すると、図
1に示すように、左右方向に延びるベースフレーム1の
上面の後部側には、左右方向に所定長さを有する平面視
略矩形状のミシン支持板2が配設され、このミシン支持
板2上に3台の多針式刺繍ミシンMH1〜MH3が所定
間隔毎に左右方向に並設されている。これら刺繍ミシン
MH1〜MH3のアーム部3の前端部には、左右方向に
1列状に配列された12本の針棒12を上下動可能に支
持するとともに、12個の天秤9を揺動可能に支持する
針棒ケース7が水平に左右方向移動可能に夫々支持され
ている。
【0016】一方、アーム部3に連なる脚柱部4の下端
部のベッド本体部5はミシン支持板2上に取付けられ、
このベッド本体部5の前端部からシリンダベッド6が前
方に延び、このシリンダベッド6の先端部には糸輪捕捉
器(図示略)が設けられ、選択された針棒12に取付け
られた縫針8との協働により所望の色の刺繍糸で加工布
Wに縫目が形成されるようになっている。ここで、前記
針棒12や天秤9を上下動させる上軸18(図3参照)
及び糸輪捕捉器を回転させる下軸(図示略)は、ミシン
モータ51(図5参照)に連結されたVベルト10によ
り回転駆動される駆動軸11により駆動される。
【0017】また、前記ミシン支持板2の前側でシリン
ダベッド6の上面と同一高さになるように、作業用テー
ブル13が配設され、この作業用テーブル13を含み、
この作業用テーブル13の左右両側に設けられた1対の
補助テーブル14・15に亙って、左右方向に延びる平
面視矩形枠状の可動枠16が載置されている。そして、
この可動枠16の右端部の駆動枠部16aがX軸駆動機
構(図示略)によりX軸方向(左右方向)に移動駆動さ
れるとともに、その左端部の駆動枠部16bとこの駆動
枠部16aとがY軸駆動機構(図示略)により同時にY
軸方向(前後方向)に移動駆動される。従って、可動枠
16は、これらX軸駆動モータ52(図5参照)で駆動
されるX軸駆動機構とY軸駆動モータ53(図5参照)
で駆動されるY軸駆動機構とによりXY平面上を移動可
能になっている。前記補助テーブル14の後側には、刺
繍縫製に関する種々の指令をする為の操作パネルOPが
設けられている。
【0018】ここで、前記12個の天秤9の夫々は、針
棒ケース7に設けられた水平な枢支軸21で図2に実線
で示す上死点と2点鎖線で示す下死点とに亙って上下揺
動可能になっており、次にこれら天秤9のうち、図2に
示す針棒切換え機構19により針棒ケース7が水平に移
動され、選択された1つの天秤9に上下揺動駆動力を伝
達する伝達機構20について、図2〜図4に基いて刺繍
ミシンMH2について説明する。但し、他の刺繍ミシン
MH1・MH3に設けられた伝達機構20についても同
様の構成である。前記アーム部3の前端部の上端部に
は、左右方向向きの天秤駆動軸22が機枠Fに回動自在
に枢支され、この天秤駆動軸22はミシンモータ51で
駆動される図示外の駆動機構により回動駆動される。
【0019】この天秤駆動軸22には、環状の係合溝2
3aが形成された円形のクラッチ板23が挿通され、天
秤駆動軸22と一体回転可能且つ軸方向移動可能に連結
されるとともに、そのクラッチ板23の直ぐ右側には、
本発明の駆動体としての駆動レバー24の基端部が回動
可能且つ軸方向移動不可能に枢支されている。この駆動
レバー24の先端部は、天秤9の基端部の切欠き部9a
に連結されている。そして、クラッチ板23には、図3
及び図4に示すように、駆動レバー24に形成した係合
孔24aに係合可能な係合ピン25が固着されている。
更に、クラッチ板23の左側の天秤駆動軸22を挿通さ
せた正面視略L字状のバネ受け部材26は、その下端部
で機枠Fにビス止めされ、このバネ受け部材26とクラ
ッチ板23との間の天秤駆動軸22には、圧縮バネ27
が外嵌されている。
【0020】更に、前記駆動レバー24と機枠Fとに亙
って引っ張りバネ28が張架されており、この引っ張り
バネ28により駆動レバー24が図4において時計回転
方向、つまり天秤9が下死点に回動する方向に弾性付勢
されている。一方、前記係合溝23aには、側面視略C
字状の板材からなる駆動板29が係合され、この駆動板
29の下端部には、機枠Fに左向きに取付けた天秤クラ
ッチソレノイド30bのプランジャー31が固着されて
いる。ここで、天秤クラッチソレノイド30b、駆動板
29、係合溝23a、係合ピン25、係合孔24aなど
からクラッチ機構CMが構成されている。
【0021】次に、伝達機構20の作用について、図2
〜図4に基いて説明する。天秤クラッチソレノイド30
bが駆動されないときには、図3に示すように、プラン
ジャー31は実線で示す復帰位置にあるので、係合ピン
25が係合孔24aに係合された状態で駆動板29が右
方に弾性付勢されている。従って、天秤駆動軸22の回
動駆動力が駆動板29に伝達され、駆動板29の揺動駆
動力が係合ピン25と係合孔24aとの係合を介して駆
動レバー24に伝達され、この駆動レバー24の揺動力
が天秤9に伝達され、天秤9が上死点と下死点とに亙っ
て上下に揺動駆動される。
【0022】次に、クラッチ機構CMの作用について説
明する。天秤クラッチソレノイド30bが駆動される
と、プランジャー31が圧縮バネ27のバネ力に抗して
2点鎖線で示す駆動位置まで突出するので、駆動板29
の左方への移動によりクラッチ板23も左方に移動さ
れ、係合ピン25と係合孔24aとの係合が解除され、
伝達機構20における駆動力伝達系が分断される。これ
と同時に引っ張りバネ28による駆動レバー24の揺動
を介して天秤9が下死点まで回動する。このとき、天秤
9により引き上げられた上糸NSが弛むことになる。と
ころで、天秤クラッチソレノイド30bの駆動が停止さ
れたときには、駆動板29は圧縮バネ27のバネ力によ
り右方に弾性付勢され、係合ピン25の先端が駆動レバ
ー24の左端面に左方から押圧された状態である。そし
て、天秤駆動軸22が天秤下死点に対応する位相まで回
動されたときに、係合ピン25が係合孔24aに再度係
合され、駆動レバー24の揺動を介して天秤9が再度上
下に揺動駆動される。
【0023】ここで、針棒12を上下駆動する為の針棒
上下駆動機構40について、図2に基いて簡単に説明す
るものとする。アーム部3の前端部には、上下方向に延
びる基針棒41が配設され、この基針棒41はその上端
部及び下端部において機枠Fに支持されている。この基
針棒41には、筒状の上下動部材42が上下動及び回転
可能に外嵌され、この上下動部材42の下端部に連結さ
れた針棒抱き43には針棒クランク44の一端部が回転
可能に枢支されている。一方、アーム部3内に前後方向
向きに配設された上軸18の前端部には天秤クランク4
5が固着され、この天秤クランク45に針棒クランク4
4の他端部が回転可能に枢支されている。ところで、前
記12本の針棒12の各々には、その高さ方向中段部に
連結ピン46が夫々固着されており、上下動部材42に
対向する針棒12の連結ピン46が上下動部材42に形
成された上下1対の突出部42aの間に選択的に係合さ
れるようになっている。従って、上軸18の回転により
天秤クランク45と針棒クランク44とを介して上下動
部材42が上下動するのに伴って、針棒抱き43及び連
結ピン46を介して針棒12が上下に往復駆動される。
【0024】ここで、前記上下動部材42の側面には、
図2に示すように、傾斜状に外方に突出した傾斜カム4
2bが形成されている。また、前記上下動部材42の上
死点の近傍位置には、針棒クラッチソレノイド47b
(図5参照)が設けられ、このソレノイド47bが駆動
されたときには、ソレノイド47bのプランジャー(図
示略)が上昇してきた傾斜カム42bに当接するので、
傾斜カム42bを介して上下動部材42が所定角度だけ
回動することになり、突出部42aと連結ピン46との
係合が解除され、針棒12の上下駆動が停止される。こ
のとき、針棒12に外嵌されたバネ48により、針棒1
2はその最上位置に保持される。即ち、針棒クラッチソ
レノイド47bが駆動されている間、針棒12の上下駆
動がその最上位置で停止される。尚、上下動部材42は
図示外の巻きバネにより常に回動を復帰させる方向に弾
性付勢されている。また、針棒クラッチソレノイド47
aは刺繍ミシンMH1の針棒上下駆動機構40に設けら
れ、針棒クラッチソレノイド47cは刺繍ミシンMH3
の針棒上下駆動機構40に設けられている。
【0025】次に、多頭式縫製装置Mの制御系は、図5
のブロック図に示すように構成されている。操作パネル
OPに設けられた複数のスイッチパネルSPと、液晶デ
ィスプレイ(LCD)50に表示データを表示する為の
ディスプレイコントローラ(DC)55と、ミシンモー
タ51の為の駆動回路56と、X軸送りモータ52の為
の駆動回路57と、Y軸駆動モータ53の為の駆動回路
58と、針棒変更モータ54の為の駆動回路59と、位
相信号発生器60と、3つの糸切れセンサ61a〜61
cとが制御装置Cの入出力インターフェース70に夫々
接続されている。更に、入出力インターフェース70に
は、天秤クラッチソレノイド30a〜30cの為の3つ
の駆動回路62〜64と、針棒クラッチソレノイド47
a〜47cの為の3つの駆動回路65〜67とが夫々接
続されている。
【0026】前記スイッチパネルSPには、電源を投入
する為の電源キー、刺繍縫製を開始する為のスタートキ
ー、刺繍縫いを手動で1針毎に戻す1針戻しキー、加工
布Wをフィード送りする為のフィードキー、刺繍縫製を
途中で中止する為の停止キー・・・など刺繍縫製に必要
な複数のキーが設けられている。前記位相信号発生器6
0は、刺繍ミンシMH1〜MH3の何れかの上軸18に
設けられ、少なくとも針棒12の最上位置や最下位置な
どの複数種類の位相信号を出力する。前記糸切れセンサ
61aは、刺繍ミシンMH1の上糸経路に設けられた小
型のスイッチなどから構成され、上糸NSの糸切れを検
出したときに「L」レベルの糸切れ信号を出力する。ま
た、糸切れセンサ61bは、刺繍ミシンMH2の上糸経
路に設けられた小型のスイッチなどから構成され、糸切
れセンサ61cは、刺繍ミシンMH2の上糸経路に設け
られた小型のスイッチなどから構成されている。
【0027】制御装置Cは、CPU72と、このCPU
72にデータバスなどのバス71を介して接続された入
出力インターフェース70、ROM73、RAM74と
から構成されている。ROM73には、複数の刺繍模様
の夫々について縫目データが刺繍模様の種類毎に分類し
て刺繍模様コード番号と対応づけて格納されている。更
に、ROM73には、選択設定された各刺繍模様の縫目
データを順次読出して縫製する後述の刺繍縫製制御の制
御プログラムなどが格納されている。RAM74には、
CPU72で演算した結果を一時的に格納するメモリや
フラグメモリやカウンタなどの各種メモリが設けられて
いる。
【0028】次に、多頭式縫製装置Mの制御装置Cで行
なわれる刺繍縫製制御のルーチンについて、図6〜図1
0のフローチャートに基いて説明する。尚、図中符号S
i(i=10、11、12・・・・は各ステップであ
る。この多頭式縫製装置Mに電源が投入されると、先ず
図示外の初期設定が実行された後、刺繍縫製制御が開始
される。この制御が開始され、スタートキーが操作され
たときには(S10・S11:Yes)、縫製処理(図
7参照)が実行される(S12)。この制御が開始され
ると、先ずミシンモータ51が駆動されて刺繍縫いが開
始される(S20)。そして、何れの糸切れセンサ61
a〜61cからも糸切れ信号が出力されていないときに
は(S21:No)、縫目データから読出したX軸,Y
軸の各送りデータに基いて両モータ52・53が駆動さ
れ(S22)、刺繍縫製が終了でなければ(S23:N
o)、S21〜S23が繰り返される。そして、全ての
縫目データについて刺繍縫製が終了したときには(S2
3:Yes)、この制御を終了して図6の刺繍縫製制御
のS10にリターンする。
【0029】しかし、刺繍縫製の実行中に、何れかの糸
切れセンサ61a〜61cから糸切れ信号が出力された
ときには(S21:Yes)、針棒12が最上位置のタ
イミングでミシンモータ51の駆動が停止されるととも
に、両モータ52・53の駆動が停止される(S2
4)。更に、糸切れ信号が入力された入出力インターフ
ェース70の入力ポートのポート番号に基いて、糸切れ
していない刺繍ミシンMH1〜MH3の天秤クラッチソ
レノイド30a〜30c及び針棒クラッチソレノイド4
7a〜47cが駆動され(S25)、ステッチバックす
る縫目数をカウントする為のステッチバックカウンタの
カウント値Iに初期値「0」がセットされる(S2
6)。
【0030】従って、糸切れしていない刺繍ミシンMH
1〜MH3においては、前述したように、天秤クラッチ
ソレノイド30a〜30cの駆動により伝達機構20に
おける駆動力伝達系が分断されるので、上死点に揺動し
ている天秤9が引っ張りバネ28により駆動レバー24
を介して図2に2点鎖線で示す下死点に移動されるとと
もに、針棒クラッチソレノイド47a〜47cの駆動に
より針棒12は上下動部材42からの駆動力が分断され
た状態でその最上位置で保持される。その結果、図11
に示すように、天秤9で引き上げられた上糸NSは、縫
針8の目孔8a付近で大きく弛むことになる。ここで、
糸切れが検出されたときからミシンモータ51が実際に
停止するまでには、加工布Wは約5〜6針分先の刺繍縫
目の位置まで移動している。
【0031】次に、この約5〜6針分先の縫目位置まで
移動した加工布Wを糸切れ位置までステッチバックさせ
る為に、加工布移動・部分縫い処理制御(図8参照)が
実行される(S27)。ところで、この制御を開始する
に際して、オペレータは、糸切れが発生した刺繍ミシン
MH1〜MH3について、縫針8の目孔8aに上糸NS
を通して縫製開始の為の準備をする。そして、針落ち位
置が糸切れ位置となるように1針戻しキーを操作したと
き(S30・S31:Yes)、ステッチバックカウン
ト値Iが1つインクリメントされ(S32)、1針分前
の縫目データに基いて両モータ52・53を夫々駆動す
る加工布戻し処理が実行され(S33)、S30に戻
る。このとき、図11に示すように、例えば、加工布W
が矢印B方向にステッチバックされる場合、最終の縫目
から延びる上糸NSは加工布Wの移動に伴って余分に必
要になるが、その必要糸量は目孔8a付近に弛んだ上糸
NSから供給されることになり、最終の縫目が吊れた
り、下糸BSが加工布Wの上側に出ることがない。この
とき、下糸BSは、針板33の針孔33aを介してボビ
ン34から必要な糸量だけ容易に繰出される。
【0032】そして、前記S30〜S33が繰り返され
て順次ステッチバックされ、針落ち位置が糸切れ位置に
合致した際に、刺繍縫製を再開させる為にスタートキー
が操作されたときには(S34:Yes)、糸切れ区間
縫製処理制御(図9参照)が実行される(S35)。
尚、1針戻しキーやスタートキー以外のキーが操作され
たときには(S30:Yes、S31・S34:N
o)、S30に戻る。この制御が開始されると、先ずミ
シンモータ51が駆動される(S40)。次に、糸切れ
した刺繍ミシンMH1〜MH3の針棒12だけが1サイ
クル分上下動する間に次の縫目データに基いて両モータ
52・53が夫々駆動される1針縫い処理が実行され
(S41)、ステッチバックカウント値Iが1つデクリ
メントされ(S42)、このカウント値Iが「0」でな
いときには(S43:No)、S40〜S43が繰り返
される。
【0033】そして、カウント値Iが「0」になり、現
在の縫製位置が糸切れしていない他の刺繍ミシンMH1
〜MH3における刺繍縫い再開位置まで進行したときに
は(S43:Yes)、天秤9が下死点となるタイミン
グまでに、分断作動中のクラッチ機構CMの全ての天秤
クラッチソレノイド30a〜30cの駆動が停止される
とともに、針棒12が最上位置となるタイミングで分断
作動中の全ての針棒クラッチソレノイド47a〜47c
の駆動が停止され(S44)、この制御及び加工布移動
・部分縫い制御を終了して図7の縫製処理制御のS21
にリターンする。即ち、前述したように、天秤クラッチ
ソレノイド30a〜30cの駆動が停止されるので、天
秤9の下死点のタイミングで駆動板29が復帰移動して
係合ピン25と係合孔24aとが再度係合され、駆動レ
バー24が揺動駆動されると同時に天秤9も上下に揺動
駆動されるとともに、針棒12の上下動も再開され、糸
切れしていない全ての刺繍ミシンMH1〜MH3につい
て、刺繍縫いが継続して再開される。そして、全ての縫
目データについて刺繍縫製が終了したときには(S2
3:Yes)、この制御を終了して図6の刺繍縫製制御
のS10にリターンする。
【0034】ところで、刺繍縫製制御において、次の刺
繍縫い位置まで加工布Wを手動で移動させる為にフィー
ドキーが操作されたときには(S10:Yes、S1
1:No、S13:Yes)、加工布フィード処理(図
10参照)が実行される(S14)。この制御が開始さ
れると、全ての天秤クラッチソレノイド30a〜30c
が駆動される(S50)。従って、前述したように、各
クラッチ機構CMが夫々分断作動されるので、図11に
示すように、各天秤9がその上死点から下死点に回動さ
れ、天秤9で引き上げられた上糸NSが弛むことにな
る。
【0035】次に、加工布Wを移動させるフィードデー
タに基いて加工布Wが移動される(S51)。その結
果、加工布Wのフィードに必要な上糸NSとしてこの弛
んだ上糸NSが用いられ、加工布Wが縮んで波打った
り、最終の2〜3針分の縫目における下糸BSが加工布
Wの上側に引き出されることなく、見栄えよく刺繍縫い
ができる。その後、分断作動中の全ての天秤クラッチソ
レノイド30a〜30cの駆動が停止され(S52)、
この制御を終了して図6の刺繍縫製制御のS10にリタ
ーンする。従って、その後スタートキー操作でS12の
縫製処理が実行されたときに、天秤9の下死点のタイミ
ングで係合ピン25と係合孔24aとが再度係合され、
最初の縫目データから刺繍縫いが開始される。ここで、
針棒12が下降する最初の縫い動作において、図2に示
す押え足17で加工布Wを針板33に押圧されるので、
最初の縫い動作に必要な上糸NSは、上糸NSに作用す
る抵抗が小さい糸駒(図示略)から繰出されることにな
る。
【0036】尚、これらの縫い動作時に、上糸NSがス
ムーズに流れるように、天秤クラッチソレノイド及び針
棒クラッチソレノイドの駆動停止のタイミングに適当な
遅れを設定するようにしても良い。即ち、天秤クラッチ
ソレノイドを先に駆動停止し、天秤9を縫い動作状態と
した後、針棒クラッチソレノイドを駆動停止し、針棒1
2が縫い動作を行う状態となるようにする。この場合、
押え足17は針棒12と同期して上下動する方式であっ
て、上糸NSは加工布Wから押え足17の糸穴を介して
縫針8に継がっているので、天秤9で上糸NSが引き上
げられた時、この押え足17の糸穴での上糸NSの屈曲
による動抵抗が作動し、加工布側からではなく、糸駒側
から上糸NSが引き出され、加工布側に縫目を釣り上げ
ることはない。一方、スタートキーやフィードキー以外
のキーが操作されたときには(S10:Yes、S11
・S13:No)、操作されたキーに対応する処理が実
行され(S15)、S10に戻る。
【0037】ところで、針棒12Aを1本だけ備えた通
常のミシンMAを複数設けてなる多頭式縫製装置に本発
明を適用することも可能であり、このミシンMAに伝達
機構20A及びクラッチ機構CMAを設けてもよい。
尚、この伝達機構20A及びクラッチ機構CMAは、前
記実施例における伝達機構20及びクラッチ機構CMと
略同様の構成なので簡単に説明する。即ち、図12及び
図13に示すように、ミシンMAのアーム部3Aの前端
部の上端近傍部には、左右方向向きの天秤駆動軸22A
が設けられ、この天秤駆動軸22Aは図示外の駆動機構
により往復回動駆動される。この天秤駆動軸22Aには
クラッチ板23Aが挿通され、天秤駆動軸22Aと一体
回転可能且つ軸方向移動可能に連結されるとともに、天
秤9Aの基端部が回動可能且つ軸方向移動不可能に枢支
されている。そして、クラッチ板23Aには、天秤9A
に形成した係合孔9aに係合可能な係合ピン25Aが固
着されている。また、バネ受け部材26Aは、その下端
部で機枠Fにビス止めされ、このバネ受け部材26Aと
クラッチ板23Aとの間の天秤駆動軸22Aには、圧縮
バネ27Aが外嵌されている。
【0038】更に、前記天秤9Aと機枠Fとに亙って引
っ張りバネ28Aが張架されており、この引っ張りバネ
28Aにより天秤9Aが図12において反時計回転方
向、つまり下死点に回動する方向に弾性付勢されてい
る。一方、前記クラッチ板23Aに形成した環状の係合
溝23aには、側面視略C字状の板材からなる駆動板2
9Aが係合され、この駆動板29Aの下端部には、機枠
Fに左向きに取付けた天秤クラッチソレノイド30Aの
プランジャー31Aが固着されている。ここで、天秤ク
ラッチソレノイド30A、駆動板29A、係合溝23
a、係合ピン25A、係合孔9aなどからクラッチ機構
CMA(本発明のクラッチ手段)が構成されている。
尚、図示を省略しているが、このミシンMAの針棒上下
駆動機構40Aには前記実施例と同様に、針棒12Aの
上下動を分断する為に針棒クラッチソレノイド47Aが
設けられている。
【0039】次に、伝達機構20Aの作用について、図
12〜図13に基いて説明する。天秤クラッチソレノイ
ド30Aが駆動されないときには、プランジャー31A
は実線で示す復帰位置にあるので、係合ピン25Aが係
合孔9aに係合された状態で駆動板29Aが右方に弾性
付勢されている。従って、天秤駆動軸22Aの回動駆動
力が駆動板29Aに伝達され、駆動板29Aの揺動駆動
力が係合ピン25Aと係合孔9aとの係合を介して天秤
9Aに伝達され、天秤9Aが上死点と下死点とに亙って
上下に揺動駆動される。
【0040】次に、クラッチ機構CMAの作用について
説明する。天秤クラッチソレノイド30Aが駆動される
と、プランジャー31Aが圧縮バネ27Aのバネ力に抗
して2点鎖線で示す駆動位置まで突出するので、駆動板
29Aの左方への移動によりクラッチ板23Aも左方に
移動され、係合ピン25Aと係合孔9aとの係合が解除
され、伝達機構20Aにおける駆動力伝達系が分断され
る。これと同時に引っ張りバネ28Aにより天秤9Aが
下死点まで回動する。このとき、天秤9Aにより引き上
げられた上糸NSが弛むことになる。従って、刺繍縫製
制御が実行され、糸切れ時に加工布Wを移動する場合、
或いはフィード信号により加工布Wを移動する場合にお
いても、移動に必要な上糸NSの糸量は天秤9Aの下降
により供給することができ、最終の縫目が吊れたり、下
糸BSが加工布Wの上側に出ることがない。
【0041】ここで、特許請求項の範囲(請求項1)に
記載した各手段と、上記実施例中の構成との対応関係に
ついて説明すると、糸切れ検出手段に相当するものは、
糸切れセンサなどであり、停止手段に相当するものは、
縫製処理制御におけるS21、S24及び制御装置Cな
どである。また、上糸確保手段に相当するものは、引っ
張りバネ28、クラッチ機構CM及び縫製処理制御にお
けるS25及び制御装置Cなどである。また、特許請求
の範囲(請求項2)に記載した各手段と、上記実施例中
の構成との対応関係について説明すると、クラッチ手段
に相当するものは、天秤クラッチソレノイド30、駆動
板29、クラッチ板23、係合溝23a、係合ピン2
5、係合孔24aなどからなるクラッチ機構CMであ
り、回動手段に相当するものは、引っ張りバネ28であ
り、糸切れ検出手段に相当するものは、糸切れセンサ6
1a〜61cやROM73に格納された検出制御の制御
プログラムなどである。また、制御手段に相当するもの
は、縫製処理制御の制御プログラム及び制御装置Cなど
である。更に、特許請求の範囲(請求項3)に記載した
各手段と、上記実施例中の構成との対応関係について説
明すると、クラッチ手段及び回動手段は請求項2と同様
であり、制御手段に相当するものは、加工布フィード処
理制御の制御プログラム及び制御装置Cなどである。そ
して、特許請求の範囲(請求項4)に記載した各手段
と、上記実施例中の構成との対応関係について説明する
と、クラッチ手段に相当するものは、天秤クラッチソレ
ノイド30、駆動板29A、クラッチ板23A、係合溝
23a、係合ピン25A、係合孔9aなどからなるクラ
ッチ機構CMAであり、回動手段に相当するものは、引
っ張りバネ28Aである。また、糸切れ検出手段及び制
御手段は請求項2と同様である。また、特許請求の範囲
(請求項5)に記載した各手段と、上記実施例中の構成
との対応関係について説明すると、クラッチ手段及び回
動手段は請求項4と同様であり、制御手段は請求項3と
同様である。
【0042】尚、前記クラッチ機構CMは、一例を示し
たものに過ぎず、各種の部材を組み合わせて構成するこ
とも可能である。尚、下糸BSの糸切れを検出するよう
にし、下糸BSが糸切れしたときに縫製処理制御を実行
するようにしてもよい。また、前記実施例においては、
駆動体とて駆動レバーを使用しているが、ギヤなどを使
用しても良いことは言うまでもない。更に、前記実施例
においては、上糸の糸切れが発生した場合、自動的に刺
繍作業を停止させるようにしているが、警報ランプ等を
点灯してそれを作業者に報知し、作業者が停止ボタンを
操作して刺繍作業を停止するようにしても良い。
【0043】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1に係る多
頭式縫製装置によれば、糸切れ検出手段と、停止手段
と、上糸確保手段とを設け、上糸の糸切れが発生したと
きには、糸切れしていないミシンに対して加工布の移動
に必要な上糸が確保されるので、加工布をステッチバッ
クさせる場合などにおいて、この確保した上糸が用いら
れ、糸切れしていないミシンにおいて、加工布が波打っ
たり、刺繍模様が部分的に膨らむこともなく、見栄え良
く刺繍縫いすることができる。また、下糸が加工布の上
側に引き出されることもない。
【0044】請求項2に係る多頭式縫製装置によれば、
伝達機構と、クラッチ手段と、回動手段と、糸切れ検出
手段と、制御手段とを設け、上糸の糸切れが発生したと
きには、糸切れしていないミシンのクラッチ手段を分断
作動させるように複数のクラッチ手段を制御するので、
加工布をステッチバックさせる場合などにおいて、クラ
ッチ手段の分断作動を介して天秤が下死点に回動して弛
んだ上糸が用いられ、前記請求項1と同様の効果が得ら
れる。
【0045】請求項3に係る多頭式縫製装置によれば、
伝達機構と、クラッチ手段と、回動手段と、制御手段と
を設け、加工布をフィードさせるときには、複数のクラ
ッチ手段の全てを分断作動させるように制御するので、
クラッチ手段の分断作動を介して天秤が下死点に回動し
て弛んだ上糸が用いられ、加工布が波打ったり、最終の
2〜3針分の縫目における下糸が加工布の上側に引き出
されることがなく、見栄え良く刺繍縫いできる。
【0046】請求項4に係る多頭式縫製装置によれば、
伝達機構と、クラッチ手段と、回動手段と、糸切れ検出
手段と、制御手段とを設け、上糸の糸切れが発生したと
きには、糸切れしていないミシンのクラッチ手段を分断
作動させるように複数のクラッチ手段を制御するので、
加工布をステッチバックさせる場合などにおいて、クラ
ッチ手段の分断作動を介して天秤が下死点に回動して弛
んだ上糸が用いられ、前記請求項2と同様の効果を得る
ことができる。
【0047】請求項5に係る多頭式縫製装置によれば、
伝達機構と、クラッチ手段と、回動手段と、制御手段と
を設け、加工布をフィードさせるときには、複数のクラ
ッチ手段の全てを分断作動させるように制御するので、
クラッチ手段の分断作動を介して天秤が下死点に回動し
て弛んだ上糸が用いられ、前記請求項3と同様の効果を
得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】多頭式縫製装置の概略斜視図である。
【図2】刺繍ミシンの概略部分側面図である。
【図3】伝達機構の概略正面図である。
【図4】図3A─A線縦断側面図である。
【図5】多頭式縫製装置の制御系のブロック図である。
【図6】刺繍縫製制御のルーチンの概略フローチャート
である。
【図7】縫製処理制御のルーチンの概略フローチャート
である。
【図8】加工布移動・部分縫い処理制御のルーチンの概
略フローチャートである。
【図9】糸切れ区間縫製処理制御のルーチンの概略フロ
ーチャートである。
【図10】加工布フィード処理制御のルーチンの概略フ
ローチャートである。
【図11】加工布を移動するときのシリンダベッド及び
天秤の部分側面図である。
【図12】変形例に係り針棒を1本備えた通常のミシン
の図2相当図である。
【図13】変形例に係り通常のミシンに設けられた伝達
機構の正面図である。
【符号の説明】
M 多頭式縫製装置 9 天秤 9A 天秤 20 伝達機構 20A 伝達機構 24 駆動レバー 24A 駆動レバー 22 天秤駆動軸 22A 天秤駆動軸 CM クラッチ機構 CMA クラッチ機構 28 引っ張りバネ 28A 引っ張りバネ 30a 天秤クラッチソレノイド 30b 天秤クラッチソレノイド 30c 天秤クラッチソレノイド 61a 糸切れセンサ 61b 糸切れセンサ 61c 糸切れセンサ
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年1月12日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正内容】

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上死点と下死点とに亙って上下に揺動駆
    動され、上糸を案内する天秤を有するミシンを複数設け
    てなる多頭式縫製装置において、 前記複数のシンの上糸の糸切れを検出する糸切れ検出手
    段と、 その糸切れ検出手段により上糸の糸切れが検出されたと
    き、縫製作業を停止させる停止手段と、 縫製作業の停止後、糸切れしていないミシンに対して加
    工布の移動に必要な上糸を確保する上糸確保手段とを備
    えたことを特徴とする多頭式縫製装置。
  2. 【請求項2】 上死点と下死点とに亙って上下に揺動駆
    動される天秤と、この天秤を揺動駆動する駆動体と、前
    記駆動体を揺動駆動する天秤駆動軸とを備えたミシンを
    複数設けてなる多頭式縫製装置において、 前記各ミシンに夫々設けられ、前記天秤駆動軸の駆動力
    を駆動体に伝達する伝達機構と、 前記各伝達機構における前記天秤駆動軸から駆動体への
    駆動力伝達系を分断可能なクラッチ手段と、 前記各ミシンの前記天秤が下死点に回動する方向に駆動
    体を回動させる回動手段と、 前記各ミシンの上糸の糸切れを検出する糸切れ検出手段
    と、 前記複数の糸切れ検出手段からの出力を受け、何れかの
    ミシンの上糸が糸切れしたときには、糸切れしていない
    ミシンのクラッチ手段を分断作動させるように複数のク
    ラッチ手段を制御する制御手段と、 を備えたことを特徴とする多頭式縫製装置。
  3. 【請求項3】 上死点と下死点とに亙って上下に揺動駆
    動される天秤と、この天秤を揺動駆動する駆動体と、前
    記駆動体を揺動駆動する天秤駆動軸とを備えたミシンを
    複数設けてなる多頭式縫製装置において、 前記各ミシンに夫々設けられ、前記天秤駆動軸の駆動力
    を駆動体に伝達する伝達機構と、 前記各伝達機構における前記天秤駆動軸から駆動体への
    駆動力伝達系を分断可能なクラッチ手段と、 前記各ミシンの前記天秤が下死点に回動する方向に駆動
    体を回動させる回動手段と、 加工布を送るフィード信号の入力に応動して、前記複数
    のクラッチ手段の全てを分断作動させるように制御する
    制御手段と、 を備えたことを特徴とする多頭式縫製装置。
  4. 【請求項4】 上死点と下死点とに亙って上下に揺動駆
    動される天秤と、この天秤を揺動駆動する天秤駆動軸と
    を備えたミシンを複数設けてなる多頭式縫製装置におい
    て、 前記各ミシンに夫々設けられ、前記天秤駆動軸の駆動力
    を天秤に伝達する伝達機構と、 前記各伝達機構における前記天秤駆動軸から天秤への駆
    動力伝達系を分断可能なクラッチ手段と、 前記各ミシンの前記天秤を下死点に回動する方向に回動
    させる回動手段と、 前記各ミシンの上糸の糸切れを検出する糸切れ検出手段
    と、 前記複数の糸切れ検出手段からの出力を受け、何れかの
    ミシンの上糸が糸切れしたときには、糸切れしていない
    ミシンのクラッチ手段を分断作動させるように複数のク
    ラッチ手段を制御する制御手段と、 を備えたことを特徴とする多頭式縫製装置。
  5. 【請求項5】 上死点と下死点とに亙って上下に揺動駆
    動される天秤と、この天秤を揺動駆動する天秤駆動軸と
    を備えたミシンを複数設けてなる多頭式縫製装置におい
    て、 前記各ミシンに夫々設けられ、前記天秤駆動軸の駆動力
    を天秤に伝達する伝達機構と、 前記各伝達機構における前記天秤駆動軸から天秤への駆
    動力伝達系を分断可能なクラッチ手段と、 前記各ミシンの前記天秤を下死点に回動する方向に回動
    させる回動手段と、 加工布を送るフィード信号の入力に応動して、前記複数
    のクラッチ手段の全てを分断作動させるように制御する
    制御手段と、 を備えたことを特徴とする多頭式縫製装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100810544B1 (ko) * 2001-12-10 2008-03-18 (주) 인브로 자동자수기용 실채기장치

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