JPH0615845U - 二重筒式リベット用の打ち込みビット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】鍔付きの外筒に内筒を嵌合し、内筒を打ち込ん
で外筒を半径外向きに押し広げることにより、二つの部
材を締結するようにした二重筒式リベットを、動力式ハ
ンマー工具にて確実に打ち込みできるようにする。 【構成】動力式ハンマー工具５に取付けるようにした打
ち込みビット６の端面に、二重筒式リベット１における
内筒３に嵌まる突起７等の係合部を形成する。突起７の
周囲に形成した環状押圧部９にて、外筒２の鍔２ａを押
圧し、突起７の先端面に形成した補助押圧部７ａにて、
被締結部材Ａにおける柱状部Ａ２を半径外向きに広げ変
形させる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、鍔を備えた外筒とこれに嵌る内筒とで構成された二重筒式リベット 用の打ち込みビットに関するものである。

【０００２】

【従来の技術・考案が解決しようとする課題】

例えば、中高層建築物における横梁の上面に床構築用のデッキプレートを固着 する場合のように、厚肉の被締結部材に薄肉の締結部材を固着するための締結具 として、図７及び図８に示すように、一端に鍔２ａを備えた外筒２と、この外筒 ２にその一端方向から嵌まる内筒３とから成る二重筒式リベット１が考案されて いる。

【０００３】 すなわち、この二重筒式リベット１は、外筒２の内周面と内筒３の外周面とを 、外筒２の他端に向けて直径が縮小するテーパ状に形成する等して、内筒３の打 ち込みにて外筒２が半径外向きに広がり変形するようにしたもので、この二重筒 式リベット１を、筒状のドリルＣにて締結部材Ｂ及び被締結部材Ａに穿設した下 孔Ｂ１，Ａ１に嵌め込み、その状態で内筒３を外筒２に打ち込んで、外筒２と内 筒３とを被締結部材Ａから抜け不能に保持することにより、締結部材Ｂを被締結 部材Ａに固着するようにしたものであった。

【０００４】 そして従来は、柄の一端に頭を備えた手持ち式のハンマーにて内筒３を激打す ることにより、内筒３を外筒２に打ち込むようにしていた。 しかし、このように手持ち式のハンマーにて内筒３を打ち込む手段では、内筒 ３の打ち込みに大きな力を必要とするため、作業者に多大の負担がかかるばかり か、ハンマーの頭を内筒３の端面に正確に当てることが困難であるため、打ち込 み途中で内筒３が不自然に潰れ変形してしまって、打ち込みが不完全になりやす いと言う問題があった。

【０００５】 本考案は、この二重筒式リベットの打ち込み作業に、動力式ハンマー工具を使 用できるようにした打ち込みビットを提供することを目的とするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

この目的を達成するため本考案は、一端に鍔を備えた外筒と、該外筒にその一 端方向から嵌合した内筒とを、内筒の打ち込みにて外筒が半径外向きに押し広げ られるように構成して成る二重筒式リベットに対する打ち込みビットであって、 この打ち込みビットの一端部に、当該打ち込みビットを軸方向に振動させるよう にした動力式ハンマー工具に対する取付け部を設け、打ち込みビットの他端面に 、前記内筒に嵌合する係合部を形成する構成にした。

【０００７】

【考案の作用・効果】

このように構成すると、打ち込みビットを電動式等の動力式ハンマー工具に取 付けて、打ち込みビットにおける他端面の係合部を二重筒式リベットにの内筒に 嵌合し、その状態で、動力式ハンマー工具を駆動して内筒を外筒に対して打ち込 むことにより、二重筒式リベットによる部材の締結を行うことができる。

【０００８】 この場合、打ち込みビットの他端面の係合部が内筒に嵌まっているから、打ち 込みビットが内筒の端面から外れることを防止して、動力式ハンマー工具による 打ち込みを確実に行うことができるのであり、また、動力式ハンマー工具は一定 の姿勢に保持したままで駆動すれば良いから、内筒を正確な姿勢で打ち込むこと も容易に行える。

【０００９】 このように本考案によると、二重筒式リベットの打ち込みを、動力式ハンマー 工具にて行うことができるから、二重筒式リベットを使用した締結作業に際して 作業者の負担を大幅に軽減することができるのであり、また、内筒を正確な姿勢 で打ち込むことを容易に行えるから、外筒を円周方向に沿って均等に押し広げる ことができて、締結強度を向上できると言う効果を有する。

【００１０】 また、請求項２の構成にすると、打ち込みビットによる内筒の打ち込みに際し て、外筒における鍔が打ち込みビットの環状押圧部にて激打されることにより、 外筒の鍔が締結部材の表面に密着した状態となるから、上記の効果に併せて、締 結強度をより一層向上することができると共に、締結部材と外筒の鍔との間のシ ール性も格段に向上できる効果を有する。

【００１１】 更に、請求項３の構成にすると、打ち込みビットにおける突起の先端に形成し た補助押圧部により、被締結部材のうち内筒にて囲われた部位が半径外向きに押 し広げられるから、外筒及び内筒と被締結部材との間の摩擦抵抗を増大して締結 強度をより一層向上できると共に、内筒と被締結部材との間のシール性を格段に 向上することができると言う効果を有する。

【００１２】

【実施例】

次に、本考案の実施例を図面（図１〜図６）に基づいて説明する。 図１〜図４は第１の実施例を示しており、これらの図において符号５は、動力 式ハンマー工具の一例としての電動ハンマーを、符号６は本考案に係る打ち込み ビットを各々示す。

【００１３】 前記打ち込みビット６は断面六角形に形成されており、その一端部に、前記電 動ハンマー５のヘッド５ａに着脱自在に取付く取付け部６ａを形成し、打ち込み ビット６の他端面６ｂに、二重筒式リベット１における内筒３に嵌まる係合部の 一例として突起７を形成する。 このとき、打ち込みビット６における他端面６ｂのうち突起７の周囲の部位に 適宜深さの環状溝８を形成して、この環状溝８におけるテーパ状の内周面を、内 筒３の打ち込み終了よりも若干以前において外筒２における鍔２ａの外周縁に接 当するようにした環状押圧部９に形成する。また、前記突起７の先端面に、内筒 ３の打ち込み終了よりも若干以前において被締結部材Ａにおける柱状部Ａ２の表 面に接当するようにした断面山形の補助押圧部７ａを環状に形成する。

【００１４】 なお、前記内筒３はその下端のみがテーパ状に形成されており、この内筒３の 下端テーパ面にて外筒２における下端の厚肉部２ｂを押し広げることにより、二 重筒式リベット１が被締結部材Ａに抜け不能となるようにしている。 以上の構成において、打ち込みビット６を電動ハンマー５に取付ける一方、二 重筒式リベット１を締結部材Ｂ及び被締結部材Ａの下孔Ｂ１，Ａ１に嵌め込み、 打ち込みビット６の突起７を内筒３に嵌めた状態で電動ハンマー５を駆動し、打 ち込みビット６をその軸方向に激しく振動させつつ、打ち込みビット６にて内筒 ３を押圧すると、内筒３が外筒２に打ち込まれて、外筒２の厚肉部２ｂが内筒３ にて押し広げられて、被締結部材Ａに対する締結部材Ｂの締結が行われる。

【００１５】 そして、内筒３の打ち込みと共に、打ち込みビット６の環状押圧部９によって 外筒２における鍔２ａの外周縁が押圧されるため、図４に示すように、鍔２ａの 外周部は押し潰されつつ締結部材Ｂに若干食い込んだ状態になり、これにより、 外筒２の鍔２ａが締結部材Ｂに密着して締結強度が向上すると共に、締結部材Ｂ と外筒２における鍔２ａとのシール性が格段に向上する。

【００１６】 また、内筒３の打ち込みと共に、打ち込みビット６における突起７の補助押圧 部７ａが、被締結部材Ａにおける柱状部Ａ２に食い込んで、この被締結部材Ａに おける柱状部Ａ２が半径外向きに押し広げられるため、被締結部材Ａに対する外 筒２及び内筒３の摩擦抵抗が増大して、締結強度をより一層向上することができ ると共に、内筒３と被締結部材Ａの柱状部Ａ２との間のシール性を格段に向上す ることができる。

【００１７】 図５に示すのは第２の実施例であり、この実施例では、打ち込みビット６の他 端面６ｂの環状押圧部９を、打ち込みビット６の他端面６ｂから突出したリング 状の状態に形成し、また、突起７の先端の補助押圧部７ａを、緩い角度で尖った 円錐状又は角錐状に形成し、この補助押圧部７ａを、内筒３の打ち込みに際して 、被締結部材Ａの柱状部Ａ２に食い込ませるようにしたものである。

【００１８】 なお、打ち込みビット６の強度と被締結部材Ａにおける柱状部Ａ２の潰れ変形 の容易性との関係からは、内筒３の内径が小さい場合は、この第２の実施例のよ うに、補助押圧部７ａを円錐状又は角錐状に形成するのが望ましく、内筒３の内 径がある程度大きい場合には、第１の実施例のように補助押圧部７ａを環状に形 成するのが望ましい。

【００１９】 図６に示すのは第３の実施例であり、この実施例では、打ち込みビット６の他 端面に、内筒３に対する係合部として、内筒３の露出部に被嵌する環状係合溝１ ０を形成し、該環状係合溝１０の半径外側の部位に、外筒２における鍔２ａの外 周縁を押圧するようにしたテーパ状の環状押圧部９に形成したものである。 上記の実施例は動力式ハンマー工具として電動ハンマーを使用した場合であっ たが、本考案における打ち込みビットはエアー式等の他の形式の動力式ハンマー 工具にも適用できることは言うまでもない。

【図面の簡単な説明】

【図１】第１の実施例を示し、（Ａ）は電動ハンマーに
取付けた状態の図、（Ｂ）は打ち込みビットの斜視図で
ある。

【図２】二重筒式リベットと打ち込みビットとの関係を
示す斜視図である。

【図３】打ち込みの手順を示す断面図である。

【図４】打ち込み終了状態での断面図である。

【図５】第２の実施例を示す要部断面図である。

【図６】第３の実施例を示す要部断面図である。

【図７】二重筒式リベットの使用方法を示す斜視図であ
る。

【図８】従来の打ち込み手段を示す図である。

【符号の説明】

１ 二重筒式リベット ２ 外筒 ２ａ 鍔 ３ 内筒 ５ 電動ハンマー ６ 打ち込みビット ７ 係合部の一例としての突起 ７ａ 補助押圧部 ９ 環状押圧部 １０ 係合部の一例としての環状係合溝

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】一端に鍔を備えた外筒と、該外筒にその一
   端方向から嵌合した内筒とを、内筒の打ち込みにて外筒
   が半径外向きに押し広げられるように構成して成る二重
   筒式リベットに対する打ち込みビットであって、この打
   ち込みビットの一端部に、当該打ち込みビットを軸方向
   に振動させるようにした動力式ハンマー工具に対する取
   付け部を設け、打ち込みビットの他端面に、前記内筒に
   嵌合する係合部を形成したことを特徴とする二重筒式リ
   ベット用の打ち込みビット。
2. 【請求項２】「請求項１」において、前記打ち込みビッ
   トの他端面に、内筒の打ち込みに際して外筒における鍔
   の表面を押圧するようにした環状押圧部を形成したこと
   を特徴とする二重筒式リベット用の打ち込みビット。
3. 【請求項３】「請求項１」又は「請求項２」において、
   前記係合部を突起に形成し、該突起の先端に、内筒の打
   ち込みに際して被締結部材のうち内筒で囲われた部位を
   半径外向きに広げ変形させるようにした補助押圧部を形
   成したことを特徴とする二重筒式リベット用の打ち込み
   ビット。