JPH06157963A - 平版用インキあるいは水なし平版用インキおよびその印刷物 - Google Patents

平版用インキあるいは水なし平版用インキおよびその印刷物

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JPH06157963A
JPH06157963A JP31337392A JP31337392A JPH06157963A JP H06157963 A JPH06157963 A JP H06157963A JP 31337392 A JP31337392 A JP 31337392A JP 31337392 A JP31337392 A JP 31337392A JP H06157963 A JPH06157963 A JP H06157963A
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ink
printing
lithographic
lithographic printing
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JP31337392A
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English (en)
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Hitoshi Fujii
均 藤井
Shoji Aoyanagi
祥二 青柳
Yoshiaki Takigawa
敬朗 滝川
Toshimichi Matsui
利通 松井
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Showa Ink Kogyosho KK
New Oji Paper Co Ltd
Original Assignee
Showa Ink Kogyosho KK
New Oji Paper Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】PS版を利用する平版インキあるいはシリコー
ン樹脂のインキ反発性を利用した水なし平版印刷に用い
るインキを改良して、印刷中の静電気の発生を抑制し、
印刷汚れ問題や印刷基材の蛇行問題を解決する。 【構成】紫外線硬化型樹脂および帯電防止剤を含有する
平版用インキあるいは水なし平版用インキ、および、そ
の平版用インキあるいは水なし平版用インキを用いて、
印刷基材に水なし平版印刷で印刷し、紫外線を照射して
インキを硬化させて得られる印刷物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、PS版を利用する平版
印刷用インキあるいは水なし平版印刷用インキ、およ
び、その印刷用インキを用いて印刷基材にそれぞれの印
刷をして得られる印刷物に関する。
【0002】
【従来の技術】オフセット印刷は高画質、低コストで、
小ロットから大ロットに至る印刷が自在にできるなどの
特徴を生かし、その利用範囲がますます広がっている。
中でも版形式を平版方式にして行う印刷方法が主流であ
り、一般にオフセット印刷といえば平版印刷のことをさ
すことはよく知られている。
【0003】平版印刷に使用される平版インキの一般的
な組成は、色料として有機顔料、無機顔料、カーボンブ
ラックなどの顔料、および、ビヒクルとしてアマニ油ワ
ニス、フェノール樹脂ワニスなどを主剤とし、これに粘
度調整剤、乾燥調整剤などの助剤を添加したものであ
る。
【0004】このような平版印刷方式の刷版は一般的
に、画線部と非画線部がほとんど同一平面上にあり、画
線部は感脂性で、水をはじきインキを付着するような材
料で構成されている。実際に印刷する場合は、まず版面
全体に水をローラーで与えると、画線部は水をはじき、
非画線部のみに水が着く。次にインキローラーで全面に
インキを与えると、水が付着している非画線部はインキ
が水ではじかれ画線部のみにインキが着く。このインキ
を一旦ブランケットと呼ばれるゴム表面に転移させ、さ
らにそれから紙に再転移させて印刷をする。
【0005】この時使用する水を湿し水と呼ぶ。このよ
うな印刷方式では、湿し水の供給量が変化するとインキ
の印刷基材への転移量が変化する。従って、安定な印刷
画像を得るためには、湿し水とインキの供給量が、適切
にバランスするようにコントロールする必要がある。こ
のため印刷機は複雑、高価なものとなり、また、印刷機
の調整のために多くの時間と印刷基材やインクが消費さ
れてしまう。さらに、印刷機を運転するには品質のバラ
ツキを抑えるために熟練した技術が要求されるなどの問
題がある。
【0006】最近では、このような問題に対処するため
に、湿し水のトラブルを解消した湿し水不要のオフセッ
ト印刷として、水なし平版と呼ばれる新しい平版印刷シ
ステムが展開されている。
【0007】一方、印刷インキについては、省エネルギ
ーや省資源、さらに、環境保全という面から、溶剤を使
用しないクリーンなインキとして紫外線硬化型や電子線
硬化型のものが注目を集めている。特に、紫外線硬化型
の印刷方式は、電子線硬化型に比べ、硬化装置が安価で
あり、低エネルギーで安全性が高いなどの利点から一般
に普及してきているのが現状である。
【0008】このような、PS版あるいは水なし平版を
用いて、インキを紫外線で硬化する印刷方式は、画像品
質、印刷効率、作業性、設置条件、製造コスト、安全
性、公害防止などの点で極めて優れているが、以下のよ
うな問題がある。
【0009】一般に、水なし平版では非画線部にシリコ
ーン樹脂などのインキ反発性の疎水性樹脂層を使用して
いるため静電気を誘発しやすい。また、紫外線硬化型の
インキ自体もアルコールやエステル、ケトンなどの極性
溶剤を使用しないため帯電しやすいインキになってい
る。そのため印刷基材にゴミが付着しやすく、印刷不良
が生じやすい。とくに印刷基材としてプラスチックフィ
ルムを使用した場合には、印刷基材の帯電が激しくな
り、印刷基材が搬送中に蛇行するなど静電気に起因する
トラブルが発生している。同様に、PS版を使用する平
版印刷の場合も、紫外線硬化型のインキと印刷基材とし
てプラスチックフィルムを使用すると印刷基材の帯電が
激しくなりトラブルが発生しやすい。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、平版
印刷あるいは水なし平版印刷において、特定の印刷イン
キを用いることによって印刷中の静電気の発生を抑制
し、印刷汚れの問題や印刷基材が蛇行する問題を解決し
ようとすることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、PS版を利用
する平版印刷用インキあるいはシリコーン樹脂のインキ
反発性を利用する水なし平版印刷用インキにおいて、イ
ンキが紫外線硬化型樹脂および帯電防止剤を含有するこ
とを特徴とする平版用インキあるいは水なし平版用イン
キ、および、そのそれぞれのインキを用いて印刷基材に
平版印刷あるいは水なし平版印刷で印刷し、紫外線を照
射してインキを硬化させて得られることを特徴とする印
刷物である。
【0012】
【作用】本発明の平版印刷用インキあるいは水なし平版
印刷用インキの構成物質は、必須成分として紫外線硬化
型樹脂と帯電防止剤を含有し、必要に応じて色料、ビヒ
クル、増感剤、その他の添加剤を含有する。そして、本
発明で使用する紫外線硬化型樹脂は、光重合性モノマ
ー、光重合性プレポリマー、および、光重合開始剤を適
宜組み合わせて構成される。
【0013】光重合性モノマーは紫外線により重合しう
るモノマーであり、公知の材料を使用してよいが、たと
えば、アクリル酸、メチルアクリレート、エチルアクリ
レート、n−ブチルアクリレート、フェノキシエチルア
クリレート、イソデシルアクリレート、n−ヘキシルア
クリレート、ステアリルアクリレート、ラウリルアクリ
レート、エトキシエチルアクリレート、メトキシエチル
アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルアクリレ
ート、N,N−ジメチルアミノアクリレート、グリシジ
ルアクリレート、アリルアクリレート、2−ヒドロキシ
エチルアクリレート、ベンジルアクリレート、シクロヘ
キシルアクリレートなどのモノアクリレート、1,3−
ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオ
ールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリ
レート、ジエチレングリコールジアクリレート、ネオペ
ンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロ
パンジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸エステルネ
オペンチルグリコールジアクリレートなどのジアクリレ
ート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペン
タエリストールトリアクリレート、ジペンタエリストー
ルヘキサヘキサアクリレートなどの3官能以上のアクリ
レート、メタクリル酸、メチルメタクリレート、エチル
メタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブ
チルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、ラウ
リルメタクリレート、2−ヒドロキシメタクリレート、
ヒドロキシプロピルメタクリレート、グリシジルメタク
リレートなどのメタクリレート、マレイン酸、イタコン
酸、アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、
ジアセトンアクリルアミド、スチレン、ビニルトルエ
ン、酢酸ビニル、アクリロニトリル、ジアリルフタレー
ト等が挙げられる。
【0014】光重合性プレポリマーは紫外線により重合
しうるポリマーやオリゴマーであり、公知の材料を使用
してよいが、たとえば、ポリエステルアクリレート、ウ
レタンアクリレート、エポキシアクリレート、シリコー
ンアクリレート、ポリエーテルアクリレート、ポリブタ
ジエンアクリレート、ポリエンとポリチオ−ルの組み合
わせなどが挙げられる。
【0015】ポリエステルアクリレートは、2−ヒドロ
キシエチルアクリレートや2−ヒドロキシプロピルアク
リレートのような水酸基をもったアクリレートとフタル
酸、アジピン酸、マレイン酸、トリメリット酸、イタコ
ン酸、コハク酸、アルケニルコハク酸などの多塩基酸の
エステル化合物、または、アクリル酸、メタクリル酸と
エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6
−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、トリメチ
ロールプロパン、ジプロピレングリコール、ポリエチレ
ングリコール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリス
リトールなどの多価アルコールや前記した多塩基酸によ
るエステル化合物などが挙げられる。
【0016】ウレタンアクリレートとしては、トリレン
ジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、キシリ
レンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジ
イソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネー
ト、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイ
ソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネー
ト、テトラメチルキシレンジイソシアネート、リジンエ
ステルトリイソシアネートなどのイソシアネート基を含
有する化合物と2−ヒドロキシエチルアクリレート、2
−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプ
ロピルアクリレート、グリシドールメタクリレート、ペ
ンタエリスリトールトリアクリレートなどのヒドロキシ
アクリレートとのウレタン化合物が挙げられる。
【0017】エポキシアクリレートとしては、ビスフェ
ノールAとエピクロールヒドリンの重合物やフェノール
ノボラックとエピクロールヒドリンの重合物とアクリル
酸やメタクリル酸との反応生成物が挙げられる。
【0018】シリコーンアクリレートとしては、メタア
クリロキシプロピルメチルジメトキシシシランやアクリ
ロキシプロピルメチルジメトキシシランなどのアクリル
シランやメタクリルシラン、アクリロキシプロピルジメ
チルポリシロキサンやメタクリロキシプロピルフェニル
メチルポリシロキサンなどが挙げられる。
【0019】ポリエーテルアクリレートとしては、エチ
レンオキサイドの開環重合物とアクリル酸やメタクリル
酸との反応生成物が挙げられる。
【0020】ポリブタジエンアクリレートとしては、液
状ポリブタジエンと水酸基を有するアクリレートとイソ
シアネート化合物のウレタン化合物、マレイン化ポリブ
タジエンと水酸基を有するアクリレートのエステル化合
物、カルボキル基を有する液状ポリブタジエンとアクリ
ル酸グリシジルとのエポキシエステル化合物、エポキシ
化ポリブタジエンとアクリル酸のエステル化合物などが
挙げられる。
【0021】ポリエンとチオールについては、たとえ
ば、ジアリリデンペンタエリスリット、アリルアルコー
ルとエチレングリコールやトリメチロールプロパンなど
の多価アルコールと2,6−トリレンジイソシアネート
のような多価イソシアネートの反応生成物などのポリエ
ンとポリエチレンジサルファイドやポリエチルエーテル
ジサルファイドのようなチオールの組み合わせが挙げら
れる。
【0022】光重合開始剤は、一般に波長200nm〜
450nmにわたる紫外線を吸収し重合反応を開始させ
る物質で、公知の材料を使用してよいが、たとえば、ア
セトフェノンやp−tert−ブチルトリクロロアセト
フェノン、p−tert−ブチルジクロロアセトフェノ
ン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメ
トキシ−2−フェニルアセトフェノンなどのアセトフェ
ノン類、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンジル、
ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテルやベンゾインエ
チルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、ベンゾイン
イソプロピルエーテルなどのベンゾインアルキルエーテ
ル、ベンジルジメチルケタール、ベンゾイルベンゾエー
ト、テトラメチルチウラムモノサルファイドやチオ安息
香酸S−フェニル、チオキサンソン、2−クロロチオキ
サンソン、2−メチルチオキサンソンなどのイオウ化合
物、ベンジル、9,10−アントラキノンやカンフアキ
ノンのようなキノン誘導体、3−ケトクマリン、アリー
ルジアゾニウム塩、アリールヨードニウム塩、アリール
スルホニウム塩、スルホニルアセトフェノン、ビスイミ
ダゾールなどが挙げられる。
【0023】本発明で使用する帯電防止剤は、一般に絶
縁性の物質に添加したときに、その内部あるいは表面の
導電性を改良するもので、印刷中に発生してトラブルと
なるインキや印刷基材の帯電を抑制する作用を有するも
ので、導電性付与剤やイオン性界面活性剤などが好まし
く用いられる。
【0024】導電性付与剤としては、たとえば、アルミ
ニウムや銅などの金属、酸化亜鉛や酸化スズなどの金属
酸化物、カーボンブラック、天然黒鉛や人工黒鉛などの
黒鉛、ニッケルやアルミニウムなどの導電性物質を雲母
やガラスなどにコーティングした導電性粉体あるいは導
電性ファイバーなどが挙げられる。これらの材料の形
状、粒径、色はインキの用途によって適宜選択される。
【0025】イオン性界面活性剤としては、たとえば、
ラウリルトリメチルアンモニウムクロライドやジステア
リルジメチルアンモニウムクロライド、アシロイルアミ
ドアルキルトリメチルアンモニウムクロライド、ラウリ
ルアミンアセテートなどの第4級アンモニウム塩、オレ
イルピリジウムブロマイドなどのアルキルピリジウム塩
類のような陽イオン性界面活性剤、ステアリン酸ソーダ
やオレイン酸ソーダなどの脂肪酸塩類、ラウリル硫酸ナ
トリウムなどの高級アルコール硫酸エルテル塩類、ドデ
シルベンゼンスルフォン酸ナトリウムやアルキルナフタ
レンスルフォン酸ナトリウムなどのアルキルアリルスル
ホン酸塩類、ラウリル硫酸トリエタノールアミンなどの
脂肪族アミンの硫酸塩類、ラウリルアルコールリン酸ジ
エステルソーダなどの脂肪族アルコールリン酸エステル
塩類、ジラウリルスルホコハク酸ナトリウムなどの二塩
基性脂肪酸エステルのスルホン塩類、ステアリルアミド
スルホン酸ナトリウムなどの脂肪酸アミドスルホン酸塩
類などの陰イオン性界面活性剤、ラウリルジメチルアミ
ノ酢酸ベタインやヤシ油プロピルベタインなどのアルキ
ルベタイン類、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタインな
どのアルキルアミドベタイン類、2−アルキル−N−カ
ルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウ
ムベタインや2−アルキル−N−カルボキメチル−N−
ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリル
ヒドロキシエチルイミダゾリンなどのイミダゾリン誘導
体、ポリオクチルポリアミノエチルグリシンなどのグリ
シン類のような両性界面活性剤などが挙げられる。
【0026】本発明では、この他に助剤として、色料、
ビヒクル、増感剤、その他の添加剤が必要に応じ使用さ
れる。
【0027】色料は、インキに色を与えるために使用さ
れ、たとえば、二酸化チタンや炭酸カルシウム、硫酸バ
リウム、紺青、べんがらなどの無機顔料、レーキッドC
やブリリアントカーミン6B、ブリリアントブルー6
B、フタロシアニンブルーなどの有機顔料、カーボンブ
ラックなどが挙げられる。
【0028】ビヒクルはインキに適切な粘度や流動性を
付与し、印刷基材へ転移したあとは基材へ定着させるた
めに必要なものであり、従来使用されている植物油や鉱
物油および樹脂類に代わり、紫外線硬化性を有する光重
合性モノマーと光重合性プレポリマーおよび光重合開始
剤を組合わせて使用される。
【0029】増感剤は、光重合開始剤と共用するときに
紫外線硬化を促進させるものであり、たとえば、n−ブ
チルアミンやジ−n−ブチルアミン、トリ−n−ブチル
ホスフィン、、トリエチルアミン、ジエチルアミノエチ
ルメタクリレート、4,4−ビス(ジエチルアミノ)ベ
ンゾフェノン、4−ジメチルアミノアセトフェノンなど
のアミン類、o−トリルチオ尿素などの尿素類、ナトリ
ウムジエチルジチオホスフェートやs−ベンジル−イソ
−チウロニウム−p−トルエンスルフィネートなどのイ
オウ化合物、N,N−ジメチル−p−アミノベンゾニト
リルなどのニトリル系化合物、トリ−n−ブチルホスフ
ィンやナトリウムジエチルジチオホスフェートなどのリ
ン化合物、ミヒラーケトンなどが挙げられる。
【0030】その他の添加剤としては、分散剤、湿潤
剤、色わかれ防止剤、皮張り防止剤、酸化防止剤、レベ
リング剤、脱臭剤、滑り防止剤、滑剤、アンチブロッキ
ング剤などが挙げられる。
【0031】本発明の平版インキあるいは水なし平版イ
ンキ中の各成分の配合量は、通常インキ100重量部中
に、紫外線硬化型樹脂20〜99.5重量部、帯電防止
剤0.5〜50重量部、助剤0〜80重量部となるよう
な範囲で使用される。
【0032】帯電防止剤の使用量はインキ組成、印刷基
材にもよるが印刷シートの表面抵抗値が、104 〜10
14Ω/□、好ましくは104 〜1013Ω/□、さらに好
ましくは104 〜1012Ω/□、の範囲内となるように
使用される。配合量が多すぎると印刷したインキの皮膜
強度に難点が生じ、少なすぎると十分な帯電防止効果が
得られない。
【0033】紫外線硬化型樹脂中の各成分の配合量は、
紫外線硬化型樹脂100重量部中に、光重合性モノマー
5〜80重量部、光重合性プレポリマー20〜90重量
部、光重合開始剤2〜30重量部となるような範囲で使
用することが望ましい。
【0034】光重合性モノマーは、光重合性プレポリマ
ーの粘度が高すぎる場合や硬化皮膜の硬度を調整したり
硬化速度を調整する必要がある場合に使用されるが、モ
ノマーの量が多すぎるとインキの粘度が下がり、顔料な
どが分離しやすくなったり印刷物の濃度や光沢が低下し
たりするので好ましくない。
【0035】光重合性プレポリマーは樹脂骨格の基本成
分であり、プレポリマーの配合量が少すぎると硬化皮膜
の強度が低下し印刷物の耐薬品性が劣化したりする。逆
に、プレポリマーの配合量が多すぎるとインキ粘度が高
くなり印刷時のインキ転移不良が生じたり、作業性が悪
くなったりするので好ましくない。
【0036】光重合開始剤については、配合量が少ない
と硬化反応が迅速に進行せず印刷時の地汚れやブロッキ
ングが生じる。逆に、配合量が多すぎるとインキの貯蔵
安定性が悪くなったり、硬化皮膜の強度が低下したりす
るので好ましくない。
【0037】インキの製造方法については、とくに限定
されないが、一般に紫外線硬化型樹脂、帯電防止剤、さ
らにその他の添加剤を加え、バタフライミキサー、プラ
ネタリーミキサー、ポニーミキサー、ディゾルバー、タ
ンクミキサーなどのミキサー類、ニーダー、ロールミ
ル、アトライター、サンドミルなどの分散機や混練機を
使用して攪拌混合混練することにより製造される。この
とき、仕上がりインキの粘度は、光重合性モノマーと光
重合性プレポリマーの配合量や配合比率などにより調整
されるが、通常25℃で1000〜300000cP
(センチポイズ)程度の範囲に調整される。
【0038】本発明で使用される印刷基材は、印刷可能
な形状、材質のものであればとくに限定されないが、た
とえば、アート紙やコート紙などの紙、ポリプロピレン
やポリ塩化ビニルなどから作られる合成紙、ポリエチレ
ンテレフタレートやポリエチレンナフタレート、ポリエ
チレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネ
ート、ポリエチレンイミンなどを使ったプラスチックフ
ィルムなどが挙げられる。とくに、プラスチックフィル
ムを使用刷る場合には静電気トラブルが発生しやすいた
め、本発明インキの最も好ましい適用例である。
【0039】プラスチックを使用した基材については、
延伸、発砲、顔料練り込み、貼り合わせなどの加工処理
を施したものも使用でき、インキの印刷基材への固着が
不十分なときには、必要に応じて、基材表面にコロナ放
電処理やグロー放電処理などの放電処理を行ったり、火
炎処理やオゾン処理、クロム酸カリウムなどの薬品で処
理を行って、基材表面のインキに対する濡れ性を改良す
るなどの方法がとられる。また、サンドブラスト処理な
どで基材表面を粗面化したり、インキと密着性のある樹
脂などのプライマー層を基材表面に設けたりしてインキ
と基材の接着性を高めることを行ってもよい。
【0040】本発明で使用される基材の厚みは、4〜5
000μm程度が好ましく、とくに25〜2000μm
のものが好ましい。印刷基材の厚みが薄すぎるとしわに
よる印刷不良が生じたり、基材が切断されやすくなる。
逆に、厚すぎると印刷機の搬送性が悪くなり、ロール詰
まりなどのトラブルが生じやすくなる。
【0041】本発明の、平版印刷に使用される刷版はP
S版材たとえば、富士フィルム、サクラ製、で通常のオ
フセット印刷機が用いられる。また、水なし平版印刷方
式に使用される刷版は、たとえば、東レ株式会社製の水
なし平版材のように、アルミニウムなどの基板上にイン
キ受容性の層を設け、その層が露出しているところを画
線部とし、さらにその上にシリコーン樹脂のインキ反発
性の層を設けたところを非画線部としたもので、一般の
平版オフセット印刷に使用される湿し水を必要としない
ものが用いられる。このような水なし平版印刷用刷版を
通常の平版印刷機に取り付けて印刷を行うことができ、
その際は湿し水供給装置は不要である。もっとも最近で
は専用印刷機もできているので、このような印刷機で印
刷することはより望ましい。
【0042】本発明の印刷物は紫外線硬化装置によりイ
ンキ硬化の処理が行われる。装置の紫外線発生源として
は、たとえば、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、メタ
ルハライドランプ、フラッシュランプなどが使用され
る。これらのランプは発生する紫外線の波長分布やエネ
ルギー分布が異なるので、光重合開始剤や色料の光吸収
性に合わせて適宜選択して使用される。
【0043】本発明で使用されるインキは、印刷機のイ
ンキ装置から供給されるが、練りロールやつけロールな
どの各種のロール、版胴、印刷基材などにインキが転移
して行く間で静電気の発生が抑えられ、また、印刷基材
上に転移したあともプラスチックフィルムなどの帯電を
抑える作用をもっている。
【0044】以下に、本発明をより具体的に説明するた
めの実施例を記載するが、もちろんこれらに限定される
ものではない。また、文中の「部」および「%」は、と
くにことわらない限り、それぞれ有効成分に換算した
「重量部」および「重量%」を表すものとする。
【0045】実施例1 「平版インキ」配合1に記された材料をプラネタリーミ
キサーを用いて混合したあと、さらに3本ロールミルを
用いて混練した。3本ロールミルによる分散度は、グラ
インドゲージで7.5μm以下が好ましい。 〔配合1〕色料;カルシウムアゾレーキレッド(東洋イ
ンキ社製、カーミン6BS)16部、体質顔料;軽質炭
酸カルシウム(白石工業社製、白艶華T−DD)4部、
光重合性プレポリマー;エポキシアクリレート(ダイセ
ル・ユーシービー社製、Ebecryl−600)30
部、光重合性モノマー;ジアリルフタレート(ダイソー
社製、DAPモノマー)15部、光重合性モノマー;D
PHA(日本化薬社製、KAYARAD DPHA)2
1部、光重合性モノマー;MANDA(日本化薬社製、
KAYARAD MANDA)10部、光重合開始剤;
2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニール]−
2−モノホリノプロパノン−1(チバガイギー社製、イ
ルガキュアー907)5部、その他;ワックス(ヘキス
ト社製、ヘキストワックスS)1部、帯電防止剤;ヤシ
油アルキルベタイン(東邦化学工業社製、オバゾリンB
C)1部、 「平版印刷」上記のようにして作ったインキを用いて、
刷版としてPS版を使用したオフセット印刷機(小森コ
ーポレーション社製、LITHRONE20)によりポ
リエチレンテレフタレートフィルム(帝人社製、テトロ
ンフィルム、厚み250μm)上にベタ印刷を行い紫外
線硬化した印刷物を得た。なお、紫外線硬化は、アイグ
ラフィックス社製紫外線硬化用マルチメタルランプM0
75−L31(使用電力22.5kW)を用いて行っ
た。
【0046】比較例1 実施例1の配合1から帯電防止剤を除いた以外は実施例
1と同様にして印刷物を得た。
【0047】比較例2 実施例1の配合1から光重合開始剤を除いた以外は実施
例1と同様にして印刷物を得た。
【0048】実施例2 「水なし平版インキ」配合2に記されたインキ組成物を
実施例1と同様にしてインキを得た。 〔配合2〕色料;カルシウムアゾレーキレッド(東洋イ
ンキ社製、カーミン6BS)16部、体質顔料;軽質炭
酸カルシウム(白石工業社製、白艶華T−DD)4部、
光重合性プレポリマー;ロジン変性エポキシアクリレー
ト(ハリマ化成社製、バンビーム22C)15部、光重
合性プレポリマー;高分子アクリレート(リバソン社
製、UV−No.7)15部、光重合性モノマー;ジア
リルフタレート(ダイソー社製、DAPモノマー)10
部、光重合性モノマー;エポキシアクリレート(共栄社
油脂社製、BP−4EA)14部、光重合性モノマー;
ステアリルアクリレート(共栄社油脂社製、S−A)2
0部、光重合開始剤;2−メチル−1−[4−(メチル
チオ)フェニール]−2−モノホリノプロパノン−1
(チバガイギー社製、イルガキュアー907)5部、そ
の他;ワックス(ヘキスト社製、ヘキストワックスS)
1部、帯電防止剤;導電性カーボン(三菱化成社製、#
3150)11部、 「水なし平版印刷」上記のようにして作ったインキを用
いて、刷版として東レ水なし平版材を使用し湿し水を用
いず、印刷基材としてポリエチレンテレフタレートフィ
ルム(ダイヤホイル社製、ダイヤホイル、厚み188μ
m)を使用た以外は実施例1と同様にして、ベタ印刷を
行い紫外線硬化した印刷物を得た。
【0049】比較例3 実施例2の配合2の内、帯電防止剤を汎用カーボンブラ
ック[三菱化成社製、#5B]に置き換えた以外は実施
例2と同様にして印刷物を得た。
【0050】実施例3 「水なし平版インキ」配合3に記されたインキ組成物を
実施例2と同様にしてインキを得た。 〔配合3〕配合2において帯電防止剤を 帯電防止剤;ラウリルヒドロキシエチルイミゾリン(伊
藤製油社製、SURFRIC#512)0.7部、に代
えた以外は配合2と同様にした。 「水なし平版印刷」上記のようにして作ったインキを用
いて、印刷基材として合成紙(王子油化合成紙社製、ユ
ポSGG#60、厚み60μm)を使用した以外は実施
例2と同様にして、ベタ印刷を行い紫外線硬化した印刷
物を得た。
【0051】比較例4 実施例3の配合3より帯電防止剤を除いた以外は実施例
3と同様にして印刷物を得た。
【0052】以上のようにして作成した7種類のフィル
ムの印刷を施した面の表面電気抵抗値を、表面電気抵抗
測定器(三菱油化社製、ハイレスタHT−210)を用
いて測定を行い、その結果を表1に記した。なお、表面
電気抵抗測定器の測定電圧は500Vで、リング電極を
使用した。また、印刷後紫外線硬化装置を印刷物が通過
した直後に、印刷面を指でこすってインキが脱落するか
どうかを調べた。表1では、インキがまったく脱落しな
かったものを○、インキの脱落が目視で認められたもの
を×とした。
【0053】
【表1】
【0054】
【発明の効果】表1の結果から明らかなように、本発明
で得られた印刷インキは、表面電気抵抗値が低い値を示
しており、帯電防止効果に優れていた。また、紫外線硬
化性において異常は認められなかった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 滝川 敬朗 兵庫県尼崎市常光寺4丁目3番1号 神崎 製紙株式会社神崎工場内 (72)発明者 松井 利通 京都市伏見区下鳥羽城ノ越町135 株式会 社昭和インク工業所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】PS版を利用する平版印刷用インキあるい
    はシリコーン樹脂のインキ反発性を利用する水なし平版
    印刷用インキにおいて、インキが紫外線硬化型樹脂と帯
    電防止剤を含有することを特徴とする平版用インキある
    いは水なし平版用インキ。
  2. 【請求項2】インキ100重量部中に紫外線硬化型樹脂
    20〜99.5重量部、帯電防止剤0.5〜50重量部
    を含有する請求項1記載の平版用インキあるいは水なし
    平版用インキ。
  3. 【請求項3】紫外線硬化型樹脂が、光重合性モノマーと
    光重合性プレポリマーおよび光重合開始剤から構成され
    る請求項1〜2記載の平版用インキあるいは水なし平版
    用インキ。
  4. 【請求項4】紫外線硬化型樹脂100重量部中に光重合
    性モノマー5〜80重量部、光重合性プレポリマー20
    〜90重量部、光重合開始剤2〜30重量部を含有する
    請求項3記載の平版用インキあるいは水なし平版用イン
    キ。
  5. 【請求項5】請求項1〜4記載のインキを用いて印刷基
    材にそれぞれ平版印刷あるいは水なし平版印刷で印刷
    し、紫外線を照射してインキを硬化させて得られること
    を特徴とする印刷物。
  6. 【請求項6】印刷基材が厚み4〜5000μmのプラス
    チックフィルムである請求項5記載の印刷物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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