JPH06157832A - 安定化されたポリオレフィン系樹脂組成物 - Google Patents
安定化されたポリオレフィン系樹脂組成物Info
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- JPH06157832A JPH06157832A JP31025292A JP31025292A JPH06157832A JP H06157832 A JPH06157832 A JP H06157832A JP 31025292 A JP31025292 A JP 31025292A JP 31025292 A JP31025292 A JP 31025292A JP H06157832 A JPH06157832 A JP H06157832A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 加工安定性および耐候性の優れたポリオレフ
ィン系樹脂組成物を提供する。 【構成】 ポリオレフィン系樹脂に対して、下式(I)
で示されるホスファイト化合物を配合する。 式中、R1 およびR2 はそれぞれ水素またはアルキルで
あり、R3 は水素、ハロゲン、アルキル、または であり、ここにXは−CR4R5−または−S−であり、
R4 およびR5 はそれぞれ水素またはアルキルである。 【効果】 このホスファイト化合物を配合したポリオレ
フィン系樹脂組成物は、加工安定性および耐候性の両面
で優れた性質を有する。
ィン系樹脂組成物を提供する。 【構成】 ポリオレフィン系樹脂に対して、下式(I)
で示されるホスファイト化合物を配合する。 式中、R1 およびR2 はそれぞれ水素またはアルキルで
あり、R3 は水素、ハロゲン、アルキル、または であり、ここにXは−CR4R5−または−S−であり、
R4 およびR5 はそれぞれ水素またはアルキルである。 【効果】 このホスファイト化合物を配合したポリオレ
フィン系樹脂組成物は、加工安定性および耐候性の両面
で優れた性質を有する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、加工安定性および耐候
性の改善されたポリオレフィン系樹脂組成物に関する。
さらに詳しくは、特定のヒンダードピペリジル基含有ホ
スファイト化合物を配合することによって、加工安定性
および耐候性を改善したポリオレフィン系樹脂組成物に
関する。
性の改善されたポリオレフィン系樹脂組成物に関する。
さらに詳しくは、特定のヒンダードピペリジル基含有ホ
スファイト化合物を配合することによって、加工安定性
および耐候性を改善したポリオレフィン系樹脂組成物に
関する。
【0002】
【従来の技術】ポリプロピレンやポリエチレンをはじめ
とする各種ポリオレフィン系樹脂は、優れた物理的、化
学的および電気的物性を有するため、各種の成形品、繊
維、フィルムなどとして広く使用されている。しかしか
かるポリオレフィン系樹脂は、製造時、加工時および使
用時に、熱、酸素、紫外線などの作用により劣化をきた
し、軟化、脆化または変色といった現象を伴い、その物
性が著しく低下して、長期の使用に耐えられなくなるこ
とが知られている。このような劣化に対する安定性を付
与する手段として、従来より各種の安定剤が、単独であ
るいは複数種組み合わせて使用されてきた。
とする各種ポリオレフィン系樹脂は、優れた物理的、化
学的および電気的物性を有するため、各種の成形品、繊
維、フィルムなどとして広く使用されている。しかしか
かるポリオレフィン系樹脂は、製造時、加工時および使
用時に、熱、酸素、紫外線などの作用により劣化をきた
し、軟化、脆化または変色といった現象を伴い、その物
性が著しく低下して、長期の使用に耐えられなくなるこ
とが知られている。このような劣化に対する安定性を付
与する手段として、従来より各種の安定剤が、単独であ
るいは複数種組み合わせて使用されてきた。
【0003】例えば、ポリオレフィン系樹脂を高温で加
工する際の熱劣化を抑制するため、すなわち加工安定性
を付与するためには、フェノール系、ホスファイト系、
ホスフォナイト系、チオエーテル系などの各種酸化防止
剤を添加することが行われてきた。なかでも、ホスファ
イト系やホスフォナイト系のリン系酸化防止剤は、メル
ト・フロー・レイト(MFR)保持や熱変色抑制の点で
優れることもあり、樹脂加工工程の高温化や高シェアー
化に応える加工安定剤として注目されている。
工する際の熱劣化を抑制するため、すなわち加工安定性
を付与するためには、フェノール系、ホスファイト系、
ホスフォナイト系、チオエーテル系などの各種酸化防止
剤を添加することが行われてきた。なかでも、ホスファ
イト系やホスフォナイト系のリン系酸化防止剤は、メル
ト・フロー・レイト(MFR)保持や熱変色抑制の点で
優れることもあり、樹脂加工工程の高温化や高シェアー
化に応える加工安定剤として注目されている。
【0004】また、ポリオレフィン系樹脂でできた成形
加工製品の光劣化による耐用寿命低下を抑制するため、
すなわち耐候性を付与するためには、ベンゾフェノン
系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾエート系などの紫外
線吸収剤や、ニッケル錯化合物などの消光剤、あるいは
2,2,6,6−テトラメチルピペリジン系化合物に代
表されるヒンダードアミン類などの各種安定剤を添加す
ることが行われてきた。なかでもヒンダードアミン類
は、化合物自体が非着色性であることや酸化防止効果を
も有することから、実用上特に注目されてきた。
加工製品の光劣化による耐用寿命低下を抑制するため、
すなわち耐候性を付与するためには、ベンゾフェノン
系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾエート系などの紫外
線吸収剤や、ニッケル錯化合物などの消光剤、あるいは
2,2,6,6−テトラメチルピペリジン系化合物に代
表されるヒンダードアミン類などの各種安定剤を添加す
ることが行われてきた。なかでもヒンダードアミン類
は、化合物自体が非着色性であることや酸化防止効果を
も有することから、実用上特に注目されてきた。
【0005】しかしながら、こうした従来の安定剤の使
用では、安定性が未だ十分満足できるものでなく、さら
に高性能なポリオレフィン系樹脂が要望されていた。
用では、安定性が未だ十分満足できるものでなく、さら
に高性能なポリオレフィン系樹脂が要望されていた。
【0006】特開昭 52-89677 号公報には、2,2,
6,6−テトラメチルピペリジル基含有ホスファイト化
合物が提案されており、この化合物を有機材料に配合し
て安定化をはかることも記載されている。この公報に記
載されたヒンダードピペリジル基含有ホスファイト化合
物は、有機材料の加工時熱劣化を防止し、同時に光劣化
に対する安定化効果も発現する。しかしながら、この公
報で具体的にポリプロピレンの安定化に用いられた化合
物は、加工安定性および光安定性の両面を同時に十分満
足するものとはいいがたく、特に光安定性についてはさ
らなる改善が望まれていた。
6,6−テトラメチルピペリジル基含有ホスファイト化
合物が提案されており、この化合物を有機材料に配合し
て安定化をはかることも記載されている。この公報に記
載されたヒンダードピペリジル基含有ホスファイト化合
物は、有機材料の加工時熱劣化を防止し、同時に光劣化
に対する安定化効果も発現する。しかしながら、この公
報で具体的にポリプロピレンの安定化に用いられた化合
物は、加工安定性および光安定性の両面を同時に十分満
足するものとはいいがたく、特に光安定性についてはさ
らなる改善が望まれていた。
【0007】またドイツ(旧東独)特許 DD 290 906 号
公報(1991年6月13日発行)には、ホスファイトおよび
ホスフォナイトを含む2,2,6,6−テトラメチルピ
ペリジル基含有リン化合物を用いて、ポリオレフィン系
樹脂を安定化することが記載されている。この公報に記
載されるヒンダードピペリジル基含有リン化合物も、ポ
リオレフィン系樹脂の加工時熱劣化を防止する安定剤と
して有効であり、同時に光劣化に対する安定化効果をも
発現する点に特徴を有する。そしてこの公報には、2,
2,6,6−テトラメチルピペリジル基の1−位(N−
位)が無置換でもまた置換されていてもよい旨記載され
ているが、具体的にはもっぱら1−位が無置換の化合物
のみが合成され、評価されている。
公報(1991年6月13日発行)には、ホスファイトおよび
ホスフォナイトを含む2,2,6,6−テトラメチルピ
ペリジル基含有リン化合物を用いて、ポリオレフィン系
樹脂を安定化することが記載されている。この公報に記
載されるヒンダードピペリジル基含有リン化合物も、ポ
リオレフィン系樹脂の加工時熱劣化を防止する安定剤と
して有効であり、同時に光劣化に対する安定化効果をも
発現する点に特徴を有する。そしてこの公報には、2,
2,6,6−テトラメチルピペリジル基の1−位(N−
位)が無置換でもまた置換されていてもよい旨記載され
ているが、具体的にはもっぱら1−位が無置換の化合物
のみが合成され、評価されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ポリ
オレフィン系樹脂に対して加工安定性を付与するととも
に、特により一層優れた耐候性を付与しうる安定剤を提
供することにある。本発明の別の目的は、かかる安定剤
を用いてポリオレフィン系樹脂を安定化することにあ
る。
オレフィン系樹脂に対して加工安定性を付与するととも
に、特により一層優れた耐候性を付与しうる安定剤を提
供することにある。本発明の別の目的は、かかる安定剤
を用いてポリオレフィン系樹脂を安定化することにあ
る。
【0009】本発明者らは、ポリオレフィン系樹脂の加
工時および使用時における熱および光の作用による劣化
に対して優れた安定性を付与すべく研究を続けてきた。
その結果、特定の1,2,2,6,6−ペンタメチルピ
ペリジル基含有ホスファイト化合物、すなわち2,2,
6,6−テトラメチルピペリジル基含有ホスファイト化
合物のN−メチル体を用いることにより、ポリオレフィ
ン系樹脂に対して優れた加工安定性を付与できるととも
に、特に対応するN−無置換−2,2,6,6−テトラ
メチルピペリジル基含有ホスファイト化合物を用いた場
合に比べ、より一層優れた耐候性を付与できることを見
出し、本発明を完成するに至った。
工時および使用時における熱および光の作用による劣化
に対して優れた安定性を付与すべく研究を続けてきた。
その結果、特定の1,2,2,6,6−ペンタメチルピ
ペリジル基含有ホスファイト化合物、すなわち2,2,
6,6−テトラメチルピペリジル基含有ホスファイト化
合物のN−メチル体を用いることにより、ポリオレフィ
ン系樹脂に対して優れた加工安定性を付与できるととも
に、特に対応するN−無置換−2,2,6,6−テトラ
メチルピペリジル基含有ホスファイト化合物を用いた場
合に比べ、より一層優れた耐候性を付与できることを見
出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、ポリ
オレフィン系樹脂に、下記一般式(I)で示されるホス
ファイト化合物を含有してなるポリオレフィン系樹脂組
成物を提供するものである。
オレフィン系樹脂に、下記一般式(I)で示されるホス
ファイト化合物を含有してなるポリオレフィン系樹脂組
成物を提供するものである。
【0011】
【化4】
【0012】式中、R1 およびR2 はそれぞれ独立に水
素または炭素数1から9のアルキルを表し、R3 は水
素、ハロゲン、炭素数1から9のアルキル、
素または炭素数1から9のアルキルを表し、R3 は水
素、ハロゲン、炭素数1から9のアルキル、
【0013】
【化5】
【0014】または
【0015】
【化6】
【0016】を表し、ここにR1 およびR2 は先に定義
したとおりであり、R4 およびR5 はそれぞれ独立に水
素または炭素数1から3のアルキルを表す。
したとおりであり、R4 およびR5 はそれぞれ独立に水
素または炭素数1から3のアルキルを表す。
【0017】一般式(I)で示されるホスファイト化合
物のうち、R3 が水素、ハロゲンまたはアルキルである
ものは、特開昭 52-89677 号公報に記載の方法に準じて
製造することができる。例えば、対応するフェニル ジ
ハロホスファイトを4−ヒドロキシ−1,2,2,6,
6−ペンタメチルピペリジンと反応させることによっ
て、製造できる。また、R3 が式(II)または式(III)
の基であるジホスファイトは例えば、対応する4,4′
−連結−ジフェニル テトラハロホスファイトを4−ヒ
ドロキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジ
ンと反応させることによって、製造することができる。
いずれの反応も一般に、塩基性物質の存在下、無極性溶
媒中で実施するのが有利である。塩基性物質としては例
えば、トリエチルアミン、N,N−ジエチルアニリン、
ピリジンなどの有機第三級アミンが適当であり、また無
極性溶媒としては例えば、トルエン、キシレン、リグロ
インなどが適当である。
物のうち、R3 が水素、ハロゲンまたはアルキルである
ものは、特開昭 52-89677 号公報に記載の方法に準じて
製造することができる。例えば、対応するフェニル ジ
ハロホスファイトを4−ヒドロキシ−1,2,2,6,
6−ペンタメチルピペリジンと反応させることによっ
て、製造できる。また、R3 が式(II)または式(III)
の基であるジホスファイトは例えば、対応する4,4′
−連結−ジフェニル テトラハロホスファイトを4−ヒ
ドロキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジ
ンと反応させることによって、製造することができる。
いずれの反応も一般に、塩基性物質の存在下、無極性溶
媒中で実施するのが有利である。塩基性物質としては例
えば、トリエチルアミン、N,N−ジエチルアニリン、
ピリジンなどの有機第三級アミンが適当であり、また無
極性溶媒としては例えば、トルエン、キシレン、リグロ
インなどが適当である。
【0018】前記一般式(I)において、R1 、R2 お
よびR3 で表されるアルキルは、直鎖状のもののほか、
炭素数が3以上の場合は分枝状であっても、また環状で
あってもよい。具体的にはメチル、エチル、プロピル、
イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチ
ル、tert−ペンチル、 シクロヘキシル、イソオクチ
ル、tert−オクチル、ノニルなどが挙げられる。R2 が
アルキルである場合、ベンゼン環のいずれの位置に結合
してもよいが、ホスファイト結合している位置を1−
位、R1 が結合している位置を2−位として、5−位ま
たは6−位、特に6−位に結合するのが好ましい。また
R3 で表されるハロゲンとしては、例えば塩素、臭素な
どが挙げられる。R4 およびR5 で表されるアルキル
は、通常は直鎖状または分枝状のものであり、具体的に
はメチル、エチル、プロピルおよびイソプロピルが挙げ
られる。
よびR3 で表されるアルキルは、直鎖状のもののほか、
炭素数が3以上の場合は分枝状であっても、また環状で
あってもよい。具体的にはメチル、エチル、プロピル、
イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチ
ル、tert−ペンチル、 シクロヘキシル、イソオクチ
ル、tert−オクチル、ノニルなどが挙げられる。R2 が
アルキルである場合、ベンゼン環のいずれの位置に結合
してもよいが、ホスファイト結合している位置を1−
位、R1 が結合している位置を2−位として、5−位ま
たは6−位、特に6−位に結合するのが好ましい。また
R3 で表されるハロゲンとしては、例えば塩素、臭素な
どが挙げられる。R4 およびR5 で表されるアルキル
は、通常は直鎖状または分枝状のものであり、具体的に
はメチル、エチル、プロピルおよびイソプロピルが挙げ
られる。
【0019】これらの一般式(I)で示されるホスファ
イト化合物のなかでは、R1 がアルキルであるもの、そ
れもtert−ブチルやtert−ペンチルのような分岐アルキ
ル、なかでも第四級炭素を介してベンゼン環に結合する
アルキルであるものが好ましい。またR4 およびR
5 は、それぞれ水素またはアルキルでありうるが、一般
にはそのうちの少なくとも一方または両方が水素のもの
で十分である。
イト化合物のなかでは、R1 がアルキルであるもの、そ
れもtert−ブチルやtert−ペンチルのような分岐アルキ
ル、なかでも第四級炭素を介してベンゼン環に結合する
アルキルであるものが好ましい。またR4 およびR
5 は、それぞれ水素またはアルキルでありうるが、一般
にはそのうちの少なくとも一方または両方が水素のもの
で十分である。
【0020】本発明で用いることができる一般式(I)
のホスファイト化合物の代表例を以下に示す。
のホスファイト化合物の代表例を以下に示す。
【0021】
【化7】
【0022】一般式(I)で示されるホスファイト化合
物は、1種のみならず、2種以上を組み合わせて用いる
こともできる。
物は、1種のみならず、2種以上を組み合わせて用いる
こともできる。
【0023】本発明において安定化の対象となるポリオ
レフィン系樹脂は、エチレン、プロピレン、ブテン−
1、イソブテン、ヘキセン−1、4−メチルペンテン−
1、デセン−1などのα−オレフィンの単独重合体、お
よびこれらα−オレフィンの1種または2種以上を主成
分とするランダムまたはブロック共重合体である。例え
ば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン−1、
ポリイソブテン、ポリ−4−メチルペンテン−1、エチ
レン/プロピレン共重合体、エチレン/ブテン−1共重
合体、プロピレン/4−メチルペンテン−1共重合体、
プロピレン/ブテン−1共重合体、デセン−1/4−メ
チルペンテン−1共重合体、エチレン/プロピレン/ブ
テン−1共重合体などが挙げられる。また共重合体の場
合は、α−オレフィンの1種または2種以上とともに、
共役ジエンや非共役ジエンのような多不飽和化合物、あ
るいはアクリル酸、メタクリル酸、酢酸ビニルなどの他
のモノ不飽和化合物を共重合成分とするものも包含され
る。これらの重合体は、酸変性されたもの、例えばα,
β−不飽和脂肪酸、脂環式カルボン酸、またはこれらの
誘導体でグラフト変性されたものであってもよく、さら
には、ゴム状、脂肪状またはワックス状の重合体も包含
する。
レフィン系樹脂は、エチレン、プロピレン、ブテン−
1、イソブテン、ヘキセン−1、4−メチルペンテン−
1、デセン−1などのα−オレフィンの単独重合体、お
よびこれらα−オレフィンの1種または2種以上を主成
分とするランダムまたはブロック共重合体である。例え
ば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン−1、
ポリイソブテン、ポリ−4−メチルペンテン−1、エチ
レン/プロピレン共重合体、エチレン/ブテン−1共重
合体、プロピレン/4−メチルペンテン−1共重合体、
プロピレン/ブテン−1共重合体、デセン−1/4−メ
チルペンテン−1共重合体、エチレン/プロピレン/ブ
テン−1共重合体などが挙げられる。また共重合体の場
合は、α−オレフィンの1種または2種以上とともに、
共役ジエンや非共役ジエンのような多不飽和化合物、あ
るいはアクリル酸、メタクリル酸、酢酸ビニルなどの他
のモノ不飽和化合物を共重合成分とするものも包含され
る。これらの重合体は、酸変性されたもの、例えばα,
β−不飽和脂肪酸、脂環式カルボン酸、またはこれらの
誘導体でグラフト変性されたものであってもよく、さら
には、ゴム状、脂肪状またはワックス状の重合体も包含
する。
【0024】さらに本発明においては、用途に応じて、
これらポリオレフィン系樹脂に合成ゴムを添加した混合
物を用いることもできる。ここで用いる合成ゴムに特別
な制限はないが、特にエチレン/α−オレフィン共重合
体ゴムが好ましい。エチレン/α−オレフィン共重合体
ゴムとしては、エチレンと他のα−オレフィン、例えば
プロピレン、ブテン−1、ヘキセン−1などとの共重合
体ゴム、エチレン/プロピレンの系に、第三成分として
非共役ジエン類、例えばエチリデンノルボルネン、シク
ロペンタジエンなどを存在させて共重合させた三元共重
合体ゴム(以下「EPDM」と略す)などが挙げられ
る。これらのなかでは、エチレン/プロピレン共重合体
ゴムおよびEPDMが好ましい。
これらポリオレフィン系樹脂に合成ゴムを添加した混合
物を用いることもできる。ここで用いる合成ゴムに特別
な制限はないが、特にエチレン/α−オレフィン共重合
体ゴムが好ましい。エチレン/α−オレフィン共重合体
ゴムとしては、エチレンと他のα−オレフィン、例えば
プロピレン、ブテン−1、ヘキセン−1などとの共重合
体ゴム、エチレン/プロピレンの系に、第三成分として
非共役ジエン類、例えばエチリデンノルボルネン、シク
ロペンタジエンなどを存在させて共重合させた三元共重
合体ゴム(以下「EPDM」と略す)などが挙げられ
る。これらのなかでは、エチレン/プロピレン共重合体
ゴムおよびEPDMが好ましい。
【0025】このようなポリオレフィン系樹脂またはポ
リオレフィン系樹脂と合成ゴムとの混合物に、一般式
(I)のホスファイト化合物を配合するにあたっては、
ポリマー100重量部に対して、すなわちポリマーがポ
リオレフィン系樹脂だけである場合はその樹脂100重
量部に対して、またポリマーがポリオレフィン系樹脂と
合成ゴムの混合物である場合は両者の合計100重量部
に対して、通常0.01から5重量部の範囲で一般式
(I)のホスファイト化合物を用いるのが好ましい。
0.01重量部より少なくても、ある程度の効果は発揮さ
れるが、必ずしも十分でなく、また5重量部を越えて添
加することも可能であるが、添加量の増加に見合う効果
の向上が期待できないため、経済的に不利となる。さら
に効果と経済性のバランスを考慮すれば、ポリマー10
0重量部に対して0.01から3重量部の範囲で一般式
(I)のホスファイト化合物を配合するのがより好まし
い。
リオレフィン系樹脂と合成ゴムとの混合物に、一般式
(I)のホスファイト化合物を配合するにあたっては、
ポリマー100重量部に対して、すなわちポリマーがポ
リオレフィン系樹脂だけである場合はその樹脂100重
量部に対して、またポリマーがポリオレフィン系樹脂と
合成ゴムの混合物である場合は両者の合計100重量部
に対して、通常0.01から5重量部の範囲で一般式
(I)のホスファイト化合物を用いるのが好ましい。
0.01重量部より少なくても、ある程度の効果は発揮さ
れるが、必ずしも十分でなく、また5重量部を越えて添
加することも可能であるが、添加量の増加に見合う効果
の向上が期待できないため、経済的に不利となる。さら
に効果と経済性のバランスを考慮すれば、ポリマー10
0重量部に対して0.01から3重量部の範囲で一般式
(I)のホスファイト化合物を配合するのがより好まし
い。
【0026】本発明により一般式(I)のホスファイト
化合物を含有したポリオレフィン系樹脂組成物は、必要
に応じてさらに他の添加剤として、安定剤、例えばフェ
ノール系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤、リン系酸化
防止剤、紫外線吸収剤やヒンダードアミン系安定剤のよ
うな光安定剤を含有することもできる。これら任意に用
いることができる安定剤の具体例を以下に示す。
化合物を含有したポリオレフィン系樹脂組成物は、必要
に応じてさらに他の添加剤として、安定剤、例えばフェ
ノール系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤、リン系酸化
防止剤、紫外線吸収剤やヒンダードアミン系安定剤のよ
うな光安定剤を含有することもできる。これら任意に用
いることができる安定剤の具体例を以下に示す。
【0027】フェノール系酸化防止剤としては、例えば
次のようなものが挙げられる。
次のようなものが挙げられる。
【0028】2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェ
ノール、オクタデシル 3−(3,5−ジ−tert−ブチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,
2′−メチレンビス(6−tert−ブチル−4−メチルフ
ェノール)、2−tert−ブチル−6−(3−tert−ブチ
ル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチ
ルフェニル アクリレート、2−〔1−(2−ヒドロキ
シ−3,5−ジ−tert−ペンチルフェニル)エチル〕−
4,6−ジ−tert−ペンチルフェニル アクリレート、
4,4′−ブチリデンビス(6−tert−ブチル−3−メ
チルフェノール)、4,4′−チオビス(6−tert−ブ
チル−3−メチルフェノール)、3,9−ビス〔2−
{3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチ
ルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエ
チル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5・
5〕ウンデカン、2−(3,5−ジ−tert−ブチル−4
−ヒドロキシアニリノ)−4,6−ビス(n−オクチル
チオ)−1,3,5−トリアジン、2,2′−エチリデ
ンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,
2′−エチリデンビス(4−sec−ブチル−6−tert−ブ
チルフェノール)、1,1,3−トリス(5−tert−ブチ
ル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン、
ノール、オクタデシル 3−(3,5−ジ−tert−ブチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,
2′−メチレンビス(6−tert−ブチル−4−メチルフ
ェノール)、2−tert−ブチル−6−(3−tert−ブチ
ル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチ
ルフェニル アクリレート、2−〔1−(2−ヒドロキ
シ−3,5−ジ−tert−ペンチルフェニル)エチル〕−
4,6−ジ−tert−ペンチルフェニル アクリレート、
4,4′−ブチリデンビス(6−tert−ブチル−3−メ
チルフェノール)、4,4′−チオビス(6−tert−ブ
チル−3−メチルフェノール)、3,9−ビス〔2−
{3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチ
ルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエ
チル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5・
5〕ウンデカン、2−(3,5−ジ−tert−ブチル−4
−ヒドロキシアニリノ)−4,6−ビス(n−オクチル
チオ)−1,3,5−トリアジン、2,2′−エチリデ
ンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,
2′−エチリデンビス(4−sec−ブチル−6−tert−ブ
チルフェノール)、1,1,3−トリス(5−tert−ブチ
ル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ブタン、
【0029】ビス〔2−tert−ブチル−4−メチル−6
−(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベ
ンジル)フェニル〕 テレフタレート、テトラキス〔メ
チレン−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロ
キシフェニル)プロピオネート〕メタン、2,2′−チ
オジエチレンビス〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−
4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチ
レングリコール ビス〔3−(3−tert−ブチル−4−
ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート〕、
1,6−ヘキサンジオール ビス〔3−(3,5−ジ−
tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト〕、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル
−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,
3,5−トリス〔2−{3−(3,5−ジ−tert−ブチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ}エ
チル〕 イソシアヌレート、1,3,5−トリス(4−
tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベン
ジル) イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3,
5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−
2,4,6−トリメチルベンゼン。
−(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベ
ンジル)フェニル〕 テレフタレート、テトラキス〔メ
チレン−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロ
キシフェニル)プロピオネート〕メタン、2,2′−チ
オジエチレンビス〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−
4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチ
レングリコール ビス〔3−(3−tert−ブチル−4−
ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート〕、
1,6−ヘキサンジオール ビス〔3−(3,5−ジ−
tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト〕、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル
−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,
3,5−トリス〔2−{3−(3,5−ジ−tert−ブチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ}エ
チル〕 イソシアヌレート、1,3,5−トリス(4−
tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベン
ジル) イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3,
5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−
2,4,6−トリメチルベンゼン。
【0030】イオウ系酸化防止剤としては、例えば次の
ようなものが挙げられる。
ようなものが挙げられる。
【0031】ジドデシル 3,3′−チオジプロピオネ
ート、ジテトラデシル 3,3′−チオジプロピオネー
ト、ジオクタデシル 3,3′−チオジプロピオネー
ト、テトラキス〔メチレン−3−(ドデシルチオ)プロ
ピオネート〕メタン。
ート、ジテトラデシル 3,3′−チオジプロピオネー
ト、ジオクタデシル 3,3′−チオジプロピオネー
ト、テトラキス〔メチレン−3−(ドデシルチオ)プロ
ピオネート〕メタン。
【0032】リン系酸化防止剤としては、例えば次のよ
うなものが挙げられる。
うなものが挙げられる。
【0033】トリス(ノニルフェニル) ホスファイ
ト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル) ホ
スファイト、ジオクタデシル ペンタエリスリトール
ジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェ
ニル) ペンタエリスリトール ジホスファイト、ビス
(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)
ペンタエリスリトール ジホスファイト、2,2′−メ
チレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル) オ
クチルホスファイト、2,2′−メチレンビス(4,6
−ジ−tert−ブチルフェニル) オクタデシル ホスフ
ァイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニ
ル) 4,4′−ビフェニレンジホスフォナイト、2,
2′−エチリデンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェ
ニル) フルオロホスフォナイト。
ト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル) ホ
スファイト、ジオクタデシル ペンタエリスリトール
ジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェ
ニル) ペンタエリスリトール ジホスファイト、ビス
(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)
ペンタエリスリトール ジホスファイト、2,2′−メ
チレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル) オ
クチルホスファイト、2,2′−メチレンビス(4,6
−ジ−tert−ブチルフェニル) オクタデシル ホスフ
ァイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニ
ル) 4,4′−ビフェニレンジホスフォナイト、2,
2′−エチリデンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェ
ニル) フルオロホスフォナイト。
【0034】光安定剤としては、例えば次のようなもの
が挙げられる。
が挙げられる。
【0035】2,4−ジ−tert−ブチルフェニル 3,
5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、
4−tert−オクチルフェニル 3,5−ジ−tert−ブチ
ル−4−ヒドロキシベンゾエート、2−ヒドロキシ−4
−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オク
チルオキシベンゾフェノン、2,2′,4,4′−テト
ラヒドロキシベンゾフェノン、2−(3−tert−ブチル
−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−5−クロロ
ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−tert−ブチル
−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリア
ゾール、2−〔2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−
ジメチルベンジル)フェニル〕ベンゾトリアゾール、
2,2′−メチレンビス〔6−(ベンゾトリアゾール−
2−イル)−4−tert−オクチルフェノール〕、3−
〔3−(ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−tert−
ブチル−4−ヒドロキシフェニル〕プロピオン酸と ポ
リエチレングリコールとのエステル体、
5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、
4−tert−オクチルフェニル 3,5−ジ−tert−ブチ
ル−4−ヒドロキシベンゾエート、2−ヒドロキシ−4
−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オク
チルオキシベンゾフェノン、2,2′,4,4′−テト
ラヒドロキシベンゾフェノン、2−(3−tert−ブチル
−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−5−クロロ
ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−tert−ブチル
−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリア
ゾール、2−〔2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−
ジメチルベンジル)フェニル〕ベンゾトリアゾール、
2,2′−メチレンビス〔6−(ベンゾトリアゾール−
2−イル)−4−tert−オクチルフェノール〕、3−
〔3−(ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−tert−
ブチル−4−ヒドロキシフェニル〕プロピオン酸と ポ
リエチレングリコールとのエステル体、
【0036】ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4
−ピペリジル) セバケート、ビス(1,2,2,6,
6−ペンタメチル−4−ピペリジル) セバケート、ビ
ス(N−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−
4−ピペリジル)セバケート、ポリ〔{6−(1,1,
3,3−テトラメチルブチル)イミノ−1,3,5−ト
リアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テト
ラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン
{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)
イミノ}〕、コハク酸ジメチルと 1−(2−ヒドロキ
シエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラ
メチルピペリジンとの重縮合物、N,N′,4,7−テ
トラキス〔4,6−ビス{N−ブチル−N−(1,2,
2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ}
−1,3,5−トリアジン−2−イル〕−4,7−ジア
ザデカン−1,10−ジアミン、ニッケル ビス(3,
5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル) 2
−n−ブチルマロネート、〔2,2′−チオビス(4−
tert−オクチルフェノラート)〕−n−ブチルアミン
ニッケル(II)。
−ピペリジル) セバケート、ビス(1,2,2,6,
6−ペンタメチル−4−ピペリジル) セバケート、ビ
ス(N−オクチルオキシ−2,2,6,6−テトラメチル−
4−ピペリジル)セバケート、ポリ〔{6−(1,1,
3,3−テトラメチルブチル)イミノ−1,3,5−ト
リアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テト
ラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン
{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)
イミノ}〕、コハク酸ジメチルと 1−(2−ヒドロキ
シエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラ
メチルピペリジンとの重縮合物、N,N′,4,7−テ
トラキス〔4,6−ビス{N−ブチル−N−(1,2,
2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ}
−1,3,5−トリアジン−2−イル〕−4,7−ジア
ザデカン−1,10−ジアミン、ニッケル ビス(3,
5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル) 2
−n−ブチルマロネート、〔2,2′−チオビス(4−
tert−オクチルフェノラート)〕−n−ブチルアミン
ニッケル(II)。
【0037】また本発明の組成物は、必要によりさらに
上記安定剤以外の添加剤、例えばプロセス油、可塑剤、
潤滑油、中和剤、重金属不活性化剤、滑剤、造核剤、帯
電防止剤、離型剤、難燃剤、顔料、無機充填剤などを含
有することもできる。
上記安定剤以外の添加剤、例えばプロセス油、可塑剤、
潤滑油、中和剤、重金属不活性化剤、滑剤、造核剤、帯
電防止剤、離型剤、難燃剤、顔料、無機充填剤などを含
有することもできる。
【0038】これらの添加剤を配合する場合は、一般式
(I)のホスファイト化合物と同時にポリオレフィン系
樹脂に配合することもできるし、また別の段階で配合す
ることもできる。
(I)のホスファイト化合物と同時にポリオレフィン系
樹脂に配合することもできるし、また別の段階で配合す
ることもできる。
【0039】一般式(I)のホスファイト化合物、ある
いは任意に使用されるその他の添加剤をポリオレフィン
系樹脂に配合するにあたっては、均質な混合物を得るた
めの公知のあらゆる方法および装置を用いることができ
る。例えば、これらの添加剤をポリオレフィン系樹脂に
直接ブレンドすることもできるし、またこれらの添加剤
をマスターバッチの形でポリオレフィン系樹脂に配合す
ることもできる。さらには、ポリオレフィン系樹脂を製
造する際の重合途中あるいは重合直後のポリマー溶液
に、添加剤の溶液または分散液を添加することもでき
る。
いは任意に使用されるその他の添加剤をポリオレフィン
系樹脂に配合するにあたっては、均質な混合物を得るた
めの公知のあらゆる方法および装置を用いることができ
る。例えば、これらの添加剤をポリオレフィン系樹脂に
直接ブレンドすることもできるし、またこれらの添加剤
をマスターバッチの形でポリオレフィン系樹脂に配合す
ることもできる。さらには、ポリオレフィン系樹脂を製
造する際の重合途中あるいは重合直後のポリマー溶液
に、添加剤の溶液または分散液を添加することもでき
る。
【0040】本発明に従い一般式(I)のホスファイト
化合物を含有してなるポリオレフィン系樹脂組成物は、
加工安定性と耐候性の両面で優れた性質を有する。
化合物を含有してなるポリオレフィン系樹脂組成物は、
加工安定性と耐候性の両面で優れた性質を有する。
【0041】
【実施例】以下に実施例を示して、本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明はこれらによって限定されるもの
ではない。なお例中にある%および部は、特にことわら
ないかぎり重量基準である。
に説明するが、本発明はこれらによって限定されるもの
ではない。なお例中にある%および部は、特にことわら
ないかぎり重量基準である。
【0042】合成例
【0043】2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフ
ェニル ジクロロホスファイト5.6gを溶かしたトルエ
ン溶液50mlに、4−ヒドロキシ−1,2,2,6,6
−ペンタメチルピペリジン6.0gとトリエチルアミン
3.9gを添加し、40℃、窒素雰囲気下にて6時間加熱
し、その後還流下でさらに18時間加熱した。冷却後ト
リエチルアミンの塩酸塩を濾別し、トルエンを留去した
あとの固体を、ヘキサンにより再結晶し、2,6−ジ−
tert−ブチル−4−メチルフェニル ビス(1,2,
2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル) ホスフ
ァイト 5.1gを得た。
ェニル ジクロロホスファイト5.6gを溶かしたトルエ
ン溶液50mlに、4−ヒドロキシ−1,2,2,6,6
−ペンタメチルピペリジン6.0gとトリエチルアミン
3.9gを添加し、40℃、窒素雰囲気下にて6時間加熱
し、その後還流下でさらに18時間加熱した。冷却後ト
リエチルアミンの塩酸塩を濾別し、トルエンを留去した
あとの固体を、ヘキサンにより再結晶し、2,6−ジ−
tert−ブチル−4−メチルフェニル ビス(1,2,
2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル) ホスフ
ァイト 5.1gを得た。
【0044】融点: 83.5〜86℃31 P−NMR δ ppm: 147.1 元素分析値 C35H63N2PO3: 計算値 C 71.2 % 、H 10.8 % 、N 4.7 % 実測値 C 70.6 % 、H 10.6 % 、N 4.7 %
【0045】以下の評価例では、次の化合物を用いた。
【0046】化合物A: ビス(2,2,6,6−テト
ラメチル−4−ピペリジル) セバケート 化合物B: 2,4−ジ−tert−ブチルフェニル ビス
(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)
ホスファイト 化合物C(先に代表例として掲げた No.3の化合物):
2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル ビ
ス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジ
ル) ホスファイト 化合物D(先に代表例として掲げた No.5の化合物):
4,4′−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチル
フェニル) テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタ
メチル−4−ピペリジル) ジホスファイト 化合物E: トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニ
ル) ホスファイト AO−1: テトラキス〔メチレン−3−(3,5−ジ
−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネ
ート〕メタン
ラメチル−4−ピペリジル) セバケート 化合物B: 2,4−ジ−tert−ブチルフェニル ビス
(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)
ホスファイト 化合物C(先に代表例として掲げた No.3の化合物):
2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル ビ
ス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジ
ル) ホスファイト 化合物D(先に代表例として掲げた No.5の化合物):
4,4′−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチル
フェニル) テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタ
メチル−4−ピペリジル) ジホスファイト 化合物E: トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニ
ル) ホスファイト AO−1: テトラキス〔メチレン−3−(3,5−ジ
−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネ
ート〕メタン
【0047】評価例1
【0048】〔配 合〕 未安定化ポリプロピレン 100 部 ステアリン酸カルシウム 0.05部 供試安定剤 0.2 部
【0049】上記配合物を30mmφ単軸押出機により2
30℃で溶融混練して、ペレット化した。得られたペレ
ットを射出成形機により230℃で成形加工し、1mm厚
の試験片とした。
30℃で溶融混練して、ペレット化した。得られたペレ
ットを射出成形機により230℃で成形加工し、1mm厚
の試験片とした。
【0050】この試験片をサンシャインウェザーオーメ
ーター(スガ試験機(株)製、光源:カーボンアーク)
中に入れ、ブラックパネル温度63℃、降雨スプレーサ
イクル12分/60分の条件で光照射した。そして、試
験片の光照射面に亀裂が発生するまでの時間で、耐候性
を評価した。亀裂が発生するまでの時間が長いほど、耐
候性に優れることを意味する。この試験結果を表1に示
す。
ーター(スガ試験機(株)製、光源:カーボンアーク)
中に入れ、ブラックパネル温度63℃、降雨スプレーサ
イクル12分/60分の条件で光照射した。そして、試
験片の光照射面に亀裂が発生するまでの時間で、耐候性
を評価した。亀裂が発生するまでの時間が長いほど、耐
候性に優れることを意味する。この試験結果を表1に示
す。
【0051】
【表1】
【0052】評価例2
【0053】 〔配 合〕 未安定化プロピレン/エチレンブロック共重合体 100 部 (エチレン含量7.3%) ステアリン酸カルシウム 0.05部 フェノール系酸化防止剤(AO−1) 0.1 部 供試安定剤 表2記載
【0054】上記配合物を30mmφ単軸押出機により2
30℃で溶融混練して、ペレット化した。このペレット
を用いて、メルトインデクサーによりメルト・フロー・
レイト(MFR)を測定し、熱安定性の評価を行った。
ここでは、 JIS K 7210 に準じた方法により、270℃
で10分間滞留後の流動性(g/10分)を測定し、M
FRとした。ポリプロピレンは熱によって分子鎖の切断
を起こし、流動性が増すので、メルトインデクサー内で
高温滞留したあとのMFRが小さいほど、熱安定性(加
工安定性)に優れることを意味する。この試験結果を表
2に示す。
30℃で溶融混練して、ペレット化した。このペレット
を用いて、メルトインデクサーによりメルト・フロー・
レイト(MFR)を測定し、熱安定性の評価を行った。
ここでは、 JIS K 7210 に準じた方法により、270℃
で10分間滞留後の流動性(g/10分)を測定し、M
FRとした。ポリプロピレンは熱によって分子鎖の切断
を起こし、流動性が増すので、メルトインデクサー内で
高温滞留したあとのMFRが小さいほど、熱安定性(加
工安定性)に優れることを意味する。この試験結果を表
2に示す。
【0055】
【表2】
【0056】評価例3
【0057】 〔配 合〕 未安定化プロピレン/エチレンブロック共重合体 100 部 (エチレン含量7.3%) ステアリン酸カルシウム 0.05部 フェノール系酸化防止剤(AO−1) 0.1 部 供試安定剤 表3記載
【0058】上記配合物を30mmφ単軸押出機により2
30℃で溶融混練して、ペレット化した。このペレット
を用い、射出成形機により230℃で成形加工して1mm
厚のシートを得、このシートの色相を黄色度(b値)と
して測定した。b値の小さいものほど、加工時の熱劣化
による色相悪化が小さく、加工安定性に優れることを意
味する。この試験結果を表3に示す。
30℃で溶融混練して、ペレット化した。このペレット
を用い、射出成形機により230℃で成形加工して1mm
厚のシートを得、このシートの色相を黄色度(b値)と
して測定した。b値の小さいものほど、加工時の熱劣化
による色相悪化が小さく、加工安定性に優れることを意
味する。この試験結果を表3に示す。
【0059】
【表3】
【0060】
【発明の効果】本発明のポリオレフィン系樹脂組成物
は、加工安定性および耐候性の両面で優れた性質を有す
る。特に、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリ
ジル基のN−位にメチルを導入した化合物を安定剤とし
て採用したことにより、N−位が無置換の化合物を用い
た場合に比べ、耐候性が一層改善される。したがって、
この樹脂組成物を用いた成形加工品は、加工時の熱劣化
による物性低下や色相悪化が少なく、さらには使用時の
光劣化に対しても安定であることから、高品質の製品と
なる。
は、加工安定性および耐候性の両面で優れた性質を有す
る。特に、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリ
ジル基のN−位にメチルを導入した化合物を安定剤とし
て採用したことにより、N−位が無置換の化合物を用い
た場合に比べ、耐候性が一層改善される。したがって、
この樹脂組成物を用いた成形加工品は、加工時の熱劣化
による物性低下や色相悪化が少なく、さらには使用時の
光劣化に対しても安定であることから、高品質の製品と
なる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山口 哲夫 大阪市此花区春日出中3丁目1番98号 住 友化学工業株式会社内 (72)発明者 本田 幸宏 大阪市此花区春日出中3丁目1番98号 住 友化学工業株式会社内 (72)発明者 ヴォルフ・ディーター・ハビハー ドイツ連邦共和国 O−8020 ドレスデン ペスティツァー・ヴェク 3/1004
Claims (1)
- 【請求項1】ポリオレフィン系樹脂に、下記一般式
(I) 【化1】 (式中、R1 およびR2 はそれぞれ独立に水素または炭
素数1から9のアルキルを表し、R3 は水素、ハロゲ
ン、炭素数1から9のアルキル、 【化2】 または 【化3】 を表し、ここにR1 およびR2 は先に定義したとおりで
あり、R4 およびR5 はそれぞれ独立に水素または炭素
数1から3のアルキルを表す)で示されるホスファイト
化合物を含有してなることを特徴とするポリオレフィン
系樹脂組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31025292A JPH06157832A (ja) | 1992-11-19 | 1992-11-19 | 安定化されたポリオレフィン系樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31025292A JPH06157832A (ja) | 1992-11-19 | 1992-11-19 | 安定化されたポリオレフィン系樹脂組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06157832A true JPH06157832A (ja) | 1994-06-07 |
Family
ID=18003013
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP31025292A Pending JPH06157832A (ja) | 1992-11-19 | 1992-11-19 | 安定化されたポリオレフィン系樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06157832A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
GB2288398A (en) * | 1994-04-13 | 1995-10-18 | Ciba Geigy Ag | Monomeric and oligomeric bisphenyl-HALS phosphites as stabilizers |
-
1992
- 1992-11-19 JP JP31025292A patent/JPH06157832A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
GB2288398A (en) * | 1994-04-13 | 1995-10-18 | Ciba Geigy Ag | Monomeric and oligomeric bisphenyl-HALS phosphites as stabilizers |
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