JPH06157654A - α−オレフィンの低重合方法 - Google Patents

α−オレフィンの低重合方法

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JPH06157654A
JPH06157654A JP4313647A JP31364792A JPH06157654A JP H06157654 A JPH06157654 A JP H06157654A JP 4313647 A JP4313647 A JP 4313647A JP 31364792 A JP31364792 A JP 31364792A JP H06157654 A JPH06157654 A JP H06157654A
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JP
Japan
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chromium
compound
solvent
olefin
reaction
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Application number
JP4313647A
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English (en)
Inventor
Eiji Tanaka
栄司 田中
Hisao Urata
尚男 浦田
Toshiyuki Oshiki
俊之 押木
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Mitsubishi Kasei Corp
Original Assignee
Mitsubishi Kasei Corp
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Publication date
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Priority to SG200303891A priority patent/SG112883A1/en
Priority to SG1996001159A priority patent/SG52241A1/en
Priority to GB9606307A priority patent/GB2298864B/en
Priority to SG200303856A priority patent/SG112881A1/en
Priority to NL9301583A priority patent/NL9301583A/nl
Priority to US08/121,864 priority patent/US5491272A/en
Publication of JPH06157654A publication Critical patent/JPH06157654A/ja
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    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
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    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

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  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
  • Transition And Organic Metals Composition Catalysts For Addition Polymerization (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 クロム化合物とアルキルアルミニウム化合物
の組み合わせからなる触媒系で、α−オレフィンを低重
合する方法において、触媒の活性を保持したまま、高分
子量重合体の生成量を抑制する新規なα−オレフィンの
低重合方法を提供する。 【構成】 クロム−ピロリル結合を含むクロム化合物と
アルキルアルミニウム化合物からなる触媒の存在下、α
−オレフィンを溶媒中で低重合する方法において、クロ
ム化合物の濃度を、溶媒1l当たり150mg以下とす
ることを特徴とするα−オレフィンの低重合方法。 【効果】 本発明方法によれば、α−オレフィン、特に
エチレンを低重合させて、選択的に三量体を主体とした
生成物を高収率で得ることができ、かつ、高分子量重合
体の生成を抑制することができるため、多大な工業的利
益を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、クロム−ピロリル結合
を含むクロム化合物とアルキルアルミニウム化合物から
なる触媒を用いて、α−オレフィン、特にエチレンを低
重合させ、選択的に三量体を主体とした生成物を高収率
で得る方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、特定のクロム化合物と特定の
有機アルミニウム化合物の組み合わせからなる触媒を用
い、エチレン等のα−オレフィンを低重合することは知
られている。例えば、公告特許公報昭43−18707
では、一般式MXn で表されるCrを含むVIA族の遷移
金属化合物とポリヒドロカルビルアルミニウムオキシド
からなる触媒系により、エチレンから1−ヘキセンとポ
リエチレンを得る方法が記載されており、また、公開特
許公報平3−128904ではクロム塩、金属アミド及
び電子対供与性溶媒の混合物から得られるクロム含有化
合物と、金属アルキル又はルイス酸との組み合わせによ
り得られた触媒を用いて、α−オレフィンを三量化する
方法が記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
うち、前者では、1−ヘキセンと同時に生成するポリエ
チレンの量が多く、ポリエチレンの量を少なくしようと
すると、全体の活性が低下するという問題があり、一
方、後者では、高分子量重合体の生成量は少ないが、触
媒活性が低いという問題がある。
【0004】本発明は、上記のような従来方法の持つ問
題を解決し得る、新規なα−オレフィンの低重合方法を
提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、少なくとも一
つのクロム−ピロリル結合を持つクロム化合物とアルキ
ルアルミニウム化合物からなる触媒の存在下、α−オレ
フィンを溶媒中で低重合する方法において、クロム化合
物の濃度を、溶媒1l当たり150mg以下とすること
を特徴とするα−オレフィンの低重合方法に関するもの
である。
【0006】本発明において使用されるクロム−ピロリ
ル結合を含むクロム化合物とは、少なくとも一つのクロ
ム−ピロリル結合を持つ化合物であり、他の有機基、無
機基を有していて良く、更に、他の金属を含んでいても
よい。また、本発明においては、以下に述べるようなク
ロム−ピロリル結合を持つクロム化合物を製造する方法
により、IA族、IIA族、 IIIB族、及びIVB族の金属
の化合物との混合物としてクロム化合物が得られる場合
があるが、本発明においてはこのような混合物も含めて
クロム化合物と総称する。
【0007】クロム−ピロリル結合を含むクロム化合物
は、例えば、クロム塩及び金属ピロリドを電子供与性溶
媒中で反応させることにより得られる。ここで、クロム
塩は一般式CrXn (式中、Xは同一、又は、相互に異
なる任意の有機又は無機の基であり、nは1ないし6の
整数である。)で表される。nの数としては2,3が好
ましい。有機基としては、炭化水素基、アルコキシ基、
カルボキシル基、β−ジケトナート基及びアミド基等が
挙げられる。有機基の炭素数は通常1〜30であり、炭
化水素基としては、アルキル基、シクロアルキル基、ア
リール基、アルキルアリール基、アラルキル基等が挙げ
られる。無機基としては、ハロゲン、硝酸基、硫酸基、
または酸素が挙げられる。好ましくは、クロム塩はハロ
ゲン化物であり、塩化第一クロム、塩化第二クロム、臭
化第一クロム、臭化第二クロム、ヨウ化第一クロム、ヨ
ウ化第二クロム、フッ化第一クロム、フッ化第二クロム
等が挙げられ、特に塩化第一クロム、塩化第二クロムが
好ましい。また、これらのクロム塩と後述の電子供与体
からなる錯体も用いることができる。
【0008】金属ピロリドはピロール、及びピロールの
誘導体から誘導されるものを指し、ピロール誘導体とし
ては2,5−ジメチルピロール、3,4−ジメチルピロ
ール、3,4−ジクロロピロール、2,3,4,5−テ
トラクロロピロール、2−アシルピロール等が挙げら
れ、金属としては水素を含むIA族、IIA族、IIIB
族、及びIVB族から選択される。好ましい金属ピロリド
としては、リチウムピロリド、ナトリウムピロリド、カ
リウムピロリド、セシウムピロリド等が挙げられる。ま
た、金属ピロリドの代わりに、ピロール、およびピロー
ル誘導体そのものを用いてもよい。
【0009】電子供与性溶媒としては、窒素、酸素、リ
ン、及び硫黄含有化合物の中から選択される。窒素含有
化合物としては、ニトリル、アミン、アミドが挙げら
れ、具体的には、アセトニトリル、ピリジン、ジメチル
ピリジン、ジメチルホルムアミド、N−メチルホルムア
ミド、アニリン、ニトロベンゼン、テトラメチルジアミ
ノメタン、ヘキサメチルジシラザン、ピロリドン等が挙
げられる。酸素含有化合物としては、エステル、エーテ
ル、ケトン、アルコール、アルデヒド等が挙げられ、具
体的にはエチルアセテート、メチルアセテート、テトラ
ヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル、ジメト
キシエタン、ジグライム、トリグライム、アセトン、メ
チルエチルケトン、メタノール、エタノール、アセトア
ルデヒド等が挙げられる。リン化合物としては、ヘキサ
メチルフォスフォルアミド、ヘキサメチルフォスフォラ
ストリアミド、トリエチルフォスファイト、トリブチル
フォスフィンオキシド、トリエチルフォスフィン等が例
示される。硫黄含有化合物としては、二硫化炭素、ジメ
チルスルフォキシド、テトラメチレンスルフォン、チオ
フェン、ジメチルスルフィド等が例示される。以上の電
子供与性溶媒のなかでは、エーテル類が好ましく、中で
も、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジメトキ
シエタンが好ましい。
【0010】クロム塩と金属ピロリドを電子供与性溶媒
の中で反応させる方法としては、所望の比率でクロム塩
と金属ピロリドを混合し、好ましくは酸素分子の不存在
下、通常は常圧で反応させる。反応温度は任意の温度で
よいが、溶媒の還流下で反応させることが好ましい。反
応時間は、通常は30分から48時間の間である。反応
終了後、ろ過により副生成物を除去した後、過剰の電子
供与性溶媒を除去することが好ましい。電子供与性溶媒
を除去する方法としては、高温または常温下、減圧また
は不活性ガスの流通により留去する方法、あるいはクロ
ム化合物が不溶な電子供与性溶媒以外の溶媒を添加した
後、生成したクロム化合物沈澱をろ別し、更に添加した
溶媒で洗浄して電子供与性溶媒を除去する方法等が挙げ
られる。電子供与性溶媒以外の溶媒としては、ペンタ
ン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等の直鎖状ま
たは脂環式の飽和炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシ
レン等の芳香族炭化水素、クロロホルム、塩化メチレ
ン、ジクロロエタン、テトラクロロエタン等の鎖状塩素
化炭化水素、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の塩
素化芳香族炭化水素等が挙げられるが、直鎖状または脂
環式の飽和炭化水素を用いることが好ましい。
【0011】本発明において使用される少なくとも一つ
のクロム−ピロリル結合を含むクロム化合物を得る他の
方法は、電子供与性溶媒以外の溶媒に可溶のクロム化合
物と金属ピロリドを反応させる方法である。電子供与性
溶媒以外の溶媒としては、例えば上記で電子供与性溶媒
を除去するのに用いられた溶媒が用いられる。電子供与
性溶媒以外の溶媒に可溶のクロム化合物としては、上述
のハロゲン化クロムと電子供与体の錯体、例えば、ハロ
ゲン化クロムのエーテル錯体、エステル錯体、ケトン錯
体、アルデヒド錯体、アルコール錯体、アミン錯体、ニ
トリル錯体、フォスフィン錯体、チオエーテル錯体等が
挙げられ、具体的にはCrCl 3・3THF,CrCl3
・3dioxane,CrCl3 ・(CH3CO2 n−
49 ),CrCl3 ・(CH3COC25 ),Cr
Cl3・3(i−C37OH),CrCl3 ・3[CH3
(CH23 CH(C25 )CH2OH],CrCl3
・3Pyridine,CrCl3・2(i−C37
2 ),[CrCl 3・3MeCN]・MeCN(Me
CN=アセトニトリル),CrCl3・3PPh3 (P
Ph3 =トリフェニルフォスフィン),CrCl2・2
THF,CrCl 2 ・2Pyridine,CrCl2
・2[(C252NH ],CrCl2 ・2MeCN
(MeCN=アセトニトリル),CrCl2・2[P
(CH3)2Ph](Ph=フェニル基)等が挙げられ、
また、クロムのβ−ジケトナート塩、クロムのカルボン
酸塩、クロムのカルボニル錯体、クロムの各種シクロペ
ンタジエニル錯体、アルキル錯体、フェニル錯体、具体
的には、Cr[CH3 COCH=C(O−)CH3
3 ,Cr[CH3 (CH23CH(C25 )CO2
3 ,Cr(CO)6 ,CpCrCl2 (Cp=シクロペ
ンタジエニル基),(Cp* CrClCH32 (Cp
* =ペンタメチルシクロペンタジエニル基),(C
32 CrCl,CrPhCl2 ・THF3 等が挙げ
られる。
【0012】クロム化合物と金属ピロリドを電子供与性
溶媒以外の溶媒中で反応させる方法としては、所望の比
率でクロム化合物と金属ピロリドを混合し、好ましくは
酸素分子の不存在下、通常は常圧で反応させる。反応温
度はクロム化合物と金属ピロリドの種類に応じて、−1
00℃から溶媒の沸点までの温度を用いることができ
る。反応時間は、通常は30分から48時間の間であ
る。
【0013】反応終了後、副生成物を、ろ過により除去
してもよいが、除去せずに反応生成物をそのままα−オ
レフィンの低重合反応に供することができる。また、溶
媒も除去せずに、反応生成物をそのままα−オレフィン
の低重合反応に供することができる。反応溶媒を除去す
る場合は、高温または常温下、減圧または不活性ガスの
流通により留去するか、あるいは、生成したクロム化合
物が不溶の溶媒を添加した後、クロム化合物を含む沈澱
をろ別し、更に添加した溶媒で洗浄することにより、反
応溶媒を除去することができる。
【0014】本発明においては、クロム−ピロリル結合
を持つクロム化合物は、高活性化のために無機酸化物等
の担体に担持して用いることもできるが、その場合、ポ
リマーの生成量が増大する傾向にあるため、好ましく
は、クロム化合物を担体に担持せずに、単にアルキルア
ルミニウム化合物と組み合わせるだけで用いるのがよ
い。即ち、本発明方法によれば、担体への担持という複
雑な手法を用いなくとも、高い触媒活性が得られ、ま
た、担体の使用による総触媒使用量(担体とクロム触
媒、アルキルアルミニウムの合計量)の増大という問題
も生じることがない。
【0015】本発明においては、クロム化合物の上記溶
媒中の濃度を150mg/l溶媒以下、好ましくは10
0mg/l溶媒以下とする。クロム化合物濃度をこの範
囲とすることにより、触媒活性(gオレフィン/gクロ
ム・hr)及び触媒効率(gオレフィン/gクロム化合
物)が大幅に増大する。クロム化合物濃度の下限は特に
ないが、あまり低濃度とする事は反応器あたりの生成物
収量が低下するので好ましくなく、通常は20mg/l
溶媒以上である。活性増大の機構については未だ推定の
域を出ないが、クロム化合物の濃度低下により同化合物
の溶解度上昇、あるいは会合度低下等が起こり有効活性
点の増大につながっているものと思われる。本発明にお
いては、以上のようにして得られた、少なくとも一つの
クロム−ピロリル結合を含むクロム化合物をアルキルア
ルミニウム化合物と組み合わせることにより、α−オレ
フィンの低重合を行う。アルキルアルミニウム化合物と
しては、下記一般式
【0016】
【化1】 R1 m Al(OR2npq …(1) (式中、R1 及びR2 は、互いに同一であっても異なっ
ていてもよく、炭素数が通常1〜15、好ましくは1〜
8の炭化水素基を表し、Xはハロゲン原子を表し、0<
m≦3,0≦n<3,0≦p<3,0≦q<3,m+n
+p+q=3である。)で示されるアルキルアルミニウ
ム化合物が好ましく、例えば下記一般式(2)〜(7)
で示されるアルキルアルミニウム化合物が挙げられる。
【0017】
【化2】 R1 3 Al …(2) (式中、R1 は前記と同じ。)で示されるトリアルキル
アルミニウム化合物、
【0018】
【化3】 R1 m AlX3-m …(3) (式中、R1 は前記と同じ。Xはハロゲン原子を表し、
1.5≦m<3である。)で示されるハロゲン化アルキ
ルアルミニウム化合物、
【0019】
【化4】 R1 m Al(OR23-m …(4) (式中、R1 及びR2 は前記と同じ。0<m<3、好ま
しくは1.5≦m<3である。)で示されるアルコキシ
アルキルアルミニウム化合物、
【0020】
【化5】 R1 m AlH3-m …(5) (式中、R1 は前記と同じ。0<m<3、好ましくは
1.5≦m<3である。)で示される水素化アルキルア
ルミニウム化合物、
【0021】
【化6】 R1 2 Al(OAl)m OAlR1 2 または …(6)
【0022】
【化7】 (式(6),(7)中、R1 は前記と同じ。mは0〜3
0の整数であり特に10以上のものが好ましい。)で示
されるアルミノキサン、具体的には、トリエチルアルミ
ニウム、トリイソブチルアルミニウム、ジエチルアルミ
ニウムモノクロリド、ジエチルアルミニウムエトキシ
ド、ジエチルアルミニウムヒドリド、メチルアルミノキ
サン、イソブチルアルミノキサン等が挙げられ、中でも
トリアルキルアルミニウムが最も好ましい。
【0023】本発明においては、溶媒を用いて低重合反
応が実施され、溶媒としては、ブタン、ペンタン、ヘキ
サン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、メチルシ
クロヘキサン、デカリン等の直鎖状または脂環式の飽和
炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベン
ゼン、テトラリン等の芳香族炭化水素、クロロホルム、
塩化メチレン、ジクロロエタン、トリクロロエタン、テ
トラクロロエタン等の鎖状塩素化炭化水素、及びクロロ
ベンゼン、ジクロロベンゼン等の塩素化芳香族炭化水素
等が使用される。これらの溶媒のうち、ブタン、ペンタ
ン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の鎖状の飽和炭化
水素を用いるのが好ましい。
【0024】本発明において用いられる原料のα−オレ
フィンは、置換または非置換の2〜30の炭素原子を有
するものである。具体例としては、エチレン、プロピレ
ン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オ
クテン、3−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−ペ
ンテン等が挙げられる。特に、本発明はエチレンの低重
合に好適であり、選択的にヘキセンを高収率で得ること
ができる。
【0025】低重合反応の温度は通常0〜250℃、好
ましくは0〜150℃であり、圧力は常圧乃至250k
g/cm2 であるが、100kg/cm2 以下で十分で
ある。反応は回分式、連続式いずれでも実施できる。滞
留時間は、1分〜20時間の範囲であるが、好ましく
は、0.5〜6時間である。本発明においては、クロム
化合物、α−オレフィンおよびアルキルアルミニウム化
合物の三者の接触方法は、クロム化合物をα−オレフィ
ンおよびアルキルアルミニウム化合物のいずれとも前も
って接触させることなく、α−オレフィンをクロム化合
物およびアルキルアルミニウム化合物と接触させるか、
及び/または、クロム化合物1gに対してアルキルアル
ミニウム化合物の使用量を20mmol以上とすること
が好ましい。上記の条件をいずれも満足させた場合に最
も大きな効果が得られる。
【0026】前者の接触方法を用いる場合、前記のアル
キルアルミニウム化合物のクロム化合物に対する使用量
は5mmol/クロム化合物g以上であればよい。具体
的な接触方法としては、回分型の反応形式の場合では、
溶媒中にアルキルアルミニウム化合物を存在させてお
き、ここにクロム化合物をα−オレフィンと同時に圧入
する方法、あるいは初めにα−オレフィンとアルキルア
ルミニウム化合物を接触させ、これにクロム化合物を圧
入する方法が挙げられ、連続型の反応形式の場合では、
各々の成分を反応槽へ直接独立に供給する方法等が挙げ
られる。本発明の条件下では、アルキルアルミニウム化
合物とα−オレフィンの間の相互作用が小であるので、
以上述べた接触方法は実質的には同一の方法ということ
ができる。
【0027】アルキルアルミニウム化合物の使用量の上
限については特に制限はないが、不必要に多量のアルキ
ルアルミニウム化合物を用いても、アルキルアルミニウ
ム化合物あたりの生成物の収量が低下するのみである。
好ましくはアルキルアルミニウム化合物の使用量の上限
は1,000mmol/クロム化合物g、更に好ましく
は500mmol/クロム化合物gである。
【0028】また、本発明のα−オレフィンの低重合に
おいては、反応時に水素を共存させることにより、活
性、三量体選択性の向上が認められる。本発明における
高分子重合体(常温で炭化水素溶媒に不溶のもの)の生
成は、全生成物の25重量%以下であり、本発明の好ま
しい方法によれば、15重量%以下となり、更に適切な
方法を用いることで、5重量%以下とすることができ
る。
【0029】
【実施例】以下に、実施例により本発明を更に具体的に
説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り以下の
実施例に限定されるものではない。
【0030】触媒製造例1(Cr化合物ー1の製造) NaH0.79g(16.5mmol)にTHF15m
lを加えTHF5mlに溶解したピロール1.0ml
(15mmol)を滴下した。室温で1時間攪拌した
後、この溶液をTHF25mlに懸濁したCrCl3
0.79g(5mmol)に滴下した。滴下後、20時
間加熱還流した。沈澱を濾別した後、溶媒を留去し、黒
色の粉末1.65gを得た。この粉末の各元素含有量は
以下の通りであった。 Cr:6.5%,C:58.0%,H:6.6%,N:
10.5%。
【0031】触媒製造例2(Cr化合物−2の製造) ピロール(10.1mmol)のTHF溶液15mlに
MeLi(1.4MEt2O溶液7.5ml,10.5
mmol)をー78℃で加えた。滴下後、室温で30分
間攪拌した。この様にして得られたリチウムピロリドに
CrCl2(THF)2(1.33g,4.82mmol)
をTHF5mlに溶解した溶液を室温で加え、そのまま
3時間攪拌したところ反応液は黒色に変化した。G3フ
ィルターでろ過し、ろ液を濃縮して黒色粉末を得た。ト
ルエン10mlとピリジン3mlを加えオイルバスで加
熱し、熱いうちにG3フィルターでろ過し、得られたろ
液をゆっくり室温まで冷却した。析出した針状結晶の上
澄み液を除去し、結晶をトルエンで洗浄し茶色の針状結
晶593.6mgを得た。得られた結晶を粉砕し低重合
反応に供した。この針状結晶の各元素含有量は以下の通
りであった。 Cr:10.0%,C:69.2%,H:6.06%
N:13.7%。 触媒製造例3(Cr化合物ー3) Na(pyrroride)のTHF溶液(0.5M)
12mlにCrCl3・3pyridine(0.79
g,2mmol)のTHF懸濁液(8ml)を室温で滴
下した。そのまま1時間攪拌した後5時間還流した。室
温まで冷却した後、THF10mlを加えて上澄み液を
注射器で移した。この操作を2回繰り返し、得られた茶
色の溶液を濃縮して茶色粉末340mgを得た。
【0032】実施例1 150℃の乾燥機で加熱乾燥した300ccのオートク
レーブを熱時に組立て、真空窒素置換した。このオート
クレーブには、破裂板を備えた触媒フィード管を取り付
けておいた。ヘプタン150cc、及び、トリエチルア
ルミニウム0.2mmolをオートクレーブ胴側に仕込
み、一方触媒フィード管に、ヘプタン1ccにスラリー
化したクロム化合物−1 10mgを仕込んだ。
【0033】オートクレーブを90℃に加熱し、90℃
でエチレンを触媒フィード管より導入した。エチレン圧
により破裂板が破裂し、エチレン、クロム触媒、トリエ
チルアルミニウムが同時に接触しエチレンの低重合が開
始された。エチレンを全圧が35kg/cm2 まで導入
し、以後全圧35kg/cm2 を維持して1時間エチレ
ンの低重合を行った。重合熱によりオートクレーブ内温
は100℃となったので、以後反応温度は100℃を維
持した。1時間後、エタノール圧入により反応を停止
し、生成物をガスクロマトグラフで定量した。結果を表
−2に示す。
【0034】実施例2 実施例1で用いたものと同様のオートクレーブに、触媒
製造例2で得られたクロム化合物ー2 10mg、ヘプ
タン150cc、トリエチルアルミニウム0.4mmo
lを仕込んだ。水素を3.5kg/cm2 導入し、オー
トクレーブを90℃に加熱した。次いで、90℃でエチ
レンを触媒フィード管より導入した。エチレン圧により
破裂板が破裂し、エチレン、クロム化合物、トリエチル
アルミニウムが同時に接触し、エチレンの重合が開始さ
れた。エチレンを全圧が40kg/cm2 まで導入し、
以後全圧40kg/cm2 を維持して1.0時間エチレ
ンの重合を行った。重合熱によりオートクレーブ内温は
110℃となったが冷却し、以後反応温度は100℃を
維持した。1.0時間後、エタノール圧入により反応を
停止し、生成物をガスクロマトグラフで定量した。結果
を表−2に示す。
【0035】実施例3、4 クロム化合物として、触媒製造例3で得られたクロム化
合物−3を用い反応条件を表−1に記載したように変更
したこと以外は実施例1と同様に反応を行なっ。結果を
表−2に示す。
【0036】比較例1 ヘプタンの量を50mlに変更したこと以外は実施例1
と同様に反応を行った。結果を表−2に示す。
【0037】比較例2 ヘプタンの量を50ml、触媒量を30mg、トリエチ
ルアルミニウム量を1.2mmolとし、水素を用い
ず、全圧を35kg/cm2 としたこと以外は実施例2と同
様に反応を行った。結果を表ー2に示す。
【0038】比較例3 クロム化合物を触媒製造例3で得られたクロム化合物−
3に変えたこと以外は比較例2と同様に反応を行った。
結果を表−2に示す。
【0039】比較例4 ヘプタンの量を150mlとしたこと以外は比較例3と
同様に反応を行った。結果を表−2に示す。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】
【発明の効果】本発明方法によれば、α−オレフィン、
特にエチレンを低重合させて、選択的に三量体を主体と
した生成物を高収率で得ることができ、かつ、高分子量
重合体の生成を抑制することができるため、多大な工業
的利益を提供する。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クロム−ピロリル結合を含むクロム化合
    物とアルキルアルミニウム化合物からなる触媒の存在
    下、α−オレフィンを溶媒中で低重合する方法におい
    て、クロム化合物の濃度を、溶媒1l当たり150mg
    以下とすることを特徴とするα−オレフィンの低重合方
    法。
  2. 【請求項2】 低重合反応を鎖状飽和炭化水素溶媒中で
    行うことを特徴とする請求項1に記載のα−オレフィン
    の低重合方法。
  3. 【請求項3】 αーオレフィンがエチレンであり、主生
    成物がヘキセンである請求項1または請求項2に記載の
    α−オレフィンの低重合方法。
JP4313647A 1992-09-17 1992-11-24 α−オレフィンの低重合方法 Pending JPH06157654A (ja)

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GB9606307A GB2298864B (en) 1992-09-17 1993-09-13 Method for oligomerizing an alpha-olefin
SG9703690A SG99843A1 (en) 1992-09-17 1993-09-13 Method for oligomerizing an alpha-olefin
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SG200303856A SG112881A1 (en) 1992-09-17 1993-09-13 Method for oligomerizing an alpha-olefin
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US08/121,864 US5491272A (en) 1992-09-17 1993-09-17 Method for oligomerizing an alpha-olefin
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018501267A (ja) * 2014-12-23 2018-01-18 パブリック・ジョイント・ストック・カンパニー・“シブール・ホールディング” オレフィンのオリゴマーを調製する方法

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