JPH06157441A - 光重合性ジアセチレン化合物 - Google Patents

光重合性ジアセチレン化合物

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JPH06157441A
JPH06157441A JP32006892A JP32006892A JPH06157441A JP H06157441 A JPH06157441 A JP H06157441A JP 32006892 A JP32006892 A JP 32006892A JP 32006892 A JP32006892 A JP 32006892A JP H06157441 A JPH06157441 A JP H06157441A
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JP
Japan
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reaction
chloride
formula
compound
temperature
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Application number
JP32006892A
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English (en)
Inventor
Kazuo Tsuchiyama
和夫 土山
Takeshi Ogawa
孟 小川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 温和な反応条件で容易に光重合し、構造が一
定に制御されているポリジアセチレン化合物となる得る
光重合性ジアセチレン化合物を提供すること。 【構成】 一般式(1)で表されるブタンジイニレン−
N,N’−ジアルキルベンズアミド化合物。 【効果】 温和な反応条件で容易に光重合し、第三次非
線形光学材料として有望なポリジアセチレン化合物とな
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ジアセチレン化合物に
関し、詳しくは、太陽光線、紫外線又はγ線等の照射に
より容易に固相重合してポリジアセチレン化合物とな
る、新規な光重合性ジアセチレン化合物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、重合してポリジアセチレン化
合物となるジアセチレン化合物が提案されている。
【0003】Izv. Akad. Nauk. SSSR., Ser. Khim.
(7), 1501(1969). において、温度150℃でラジカル
反応により重合し、分子量2000程度のポリマーとな
るジフェニルジアセチレンが提案されている。
【0004】J. Applied Polym. Sci., Sym. Ser. in P
ress (1992).において、光に対して安定で、融点以上の
温度で熱重合して着色ポリマーとなる、一般式(2)で
表されるジアセチレン基を有する安息香酸化合物が提案
されている。
【0005】
【化2】
【0006】Mol. Cryst. Liq. Cryst., 110, 263 (198
4). において、光や熱に対して安定で顕著な重合性を示
さない、一般式(3)で表される長鎖脂肪族の p, p'−
ジフェニルジアセチレン化合物が提案されている。
【0007】
【化3】
【0008】高分子論文集、Vol.47,No.1,57(1990). に
おいて、温度100℃、圧力5000Kg/cm2で18時間
重合反応して黒色の不溶性ポリマーとなる、1,6−ジ
クロロ−2,4−ヘキサジインが提案されている。
【0009】上述のように、従来のジアセチレン化合物
を重合させ、構造が一定に制御されているポリマーを得
るためには、高温、高圧等の厳しい反応条件が必要であ
る。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の欠点
に鑑み、温和な反応条件で、太陽光線、紫外線、γ線等
の照射により容易に固相重合し、構造が一定に制御され
ているポリジアセチレン化合物となる光重合性ジアセチ
レン化合物を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の光重合性ジアセ
チレン化合物は、一般式(1)で表される。
【0012】
【化4】
【0013】式中、R1 −NH−CO−及びR2 −NH
−CO−の置換位置は、メタ又はパラ位であればどちら
でもよく、両者の置換位置が同一であってもよいし、異
なっていてもよい。また、R1 及びR2 はアルキル基を
表し、任意のアルキル基が使用可能であり、好ましく
は、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペン
チル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル
基、ラウリル基、ステアリル基等である。なお、R1
びR2 のアルキル基は、同一であってもよいし、異なっ
ていてもよい。
【0014】本発明の光重合性ジアセチレン化合物の合
成方法としては、任意の方法が採用され得るが、例え
ば、合成方法1〜3に記載の方法等が挙げられる。
【0015】合成方法1 冷却装置、攪拌装置及び滴下ロート付2口フラスコに、
塩化チオニル又は塩化オキサリルとエチニル安息香酸と
を所定量供給し、所定温度にて攪拌して塩素化反応させ
た後過剰の塩化チオニル又は塩化オキサリルを留去し、
エチニル安息香酸クロリドを得る。得られたエチニル安
息香酸クロリドに氷冷下所定量のアルキルアミンを加え
て昇温し、攪拌してアミド化反応させた後過剰の溶媒を
留去し、残渣に水を加えた後有機溶媒にて抽出する。抽
出層を乾燥剤にて乾燥させた後、有機溶媒を留去してエ
チニル安息香酸アミドを得る。得られたエチニル安息香
酸アミドを有機溶媒に溶解し、触媒存在下酸素を吹き込
みながら攪拌して酸化カップリング反応させた後有機溶
媒を留去し、水洗後有機溶媒にて再結晶し、乾燥剤にて
乾燥した後有機溶媒を留去してジアセチレン化合物を得
る。この反応を反応式(4)に示す。
【0016】
【化5】
【0017】合成方法2 冷却装置、攪拌装置及び滴下ロート付2口フラスコに、
次亜臭素酸ナトリウムを供給し、窒素雰囲気下所定量の
エチニル安息香酸及び水酸化ナトリウムが溶解した水溶
液を滴下ロートにて滴下しながらフラスコ内の水溶液を
攪拌し、昇温後更に攪拌を続けて臭素化反応させた後、
水溶液を酸性にして固形分を濾取し、水洗後減圧乾燥し
て臭化エチニル安息香酸を得る。得られた臭化エチニル
安息香酸に、所定量の塩化チオニル又は塩化オキサリル
を添加し、所定温度にて攪拌して塩素化反応させた後、
過剰の塩化チオニル又は塩化オキサリルを留去して臭化
エチニル安息香酸クロリドを得る。
【0018】得られた臭化エチニル安息香酸クロリド
に、有機溶媒に溶解したアルキルアミンを氷冷下添加し
て昇温し、攪拌してアミド化反応させた後、過剰の有機
溶媒を留去し、所定量の水を加えた後有機溶媒にて抽出
し、抽出層を乾燥剤にて乾燥後、有機溶媒を留去して臭
化エチニル安息香酸アミドを得る。得られた臭化エチニ
ル安息香酸アミドに、所定量の触媒、アミン水溶液及び
ヒドロキシルアミン塩酸塩を加え、窒素雰囲気下攪拌し
てカップリング反応させた後、有機溶媒にて再結晶し、
この有機溶媒を留去してジアセチレン化合物を得る。こ
の反応を反応式(5)に示す。
【0019】
【化6】
【0020】合成方法3 冷却装置、攪拌装置及び滴下ロート付2口フラスコに、
所定量のエチニル安息香酸及び触媒を供給し、酸素を吹
き込みながら所定温度にて攪拌して酸化カップリング反
応させた後、酸性溶液にて洗浄し、水洗、乾燥を経てブ
タンジイニレンジ安息香酸を得る。得られたブタンジイ
ニレンジ安息香酸を用い、上記合成方法1と同様にして
塩素化、アミド化し、ジアセチレン化合物を得る。この
反応を反応式(6)に示す。
【0021】
【化7】
【0022】上記の各反応において使用される、触媒、
ヒドロキシルアミン塩酸塩、アミン水溶液及び有機溶媒
と、その反応条件等については以下の通りである。
【0023】触媒 触媒としては、各種の1価の銅化合物が使用されるが、
中でも塩化第1銅が好ましく、その使用量は、アセチレ
ン化合物の0.5〜60モル%の範囲が好ましい。
【0024】ヒドロキシルアミン塩酸塩 ヒドロキシルアミン塩酸塩は、上記触媒である銅化合物
の活性を保持するために用いられるものであり、反応中
に反応溶液が2価の銅イオンの色である青色に着色して
来たら、随時添加するのが好ましい。
【0025】アミン水溶液 アミン水溶液は、反応を補助するために使用され、例え
ば、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン等の
水溶液が好適に用いられる。なお、使用量としては、通
常反応基質に対して過剰に用いられる。
【0026】有機溶媒 反応基質の溶解を助けるため極性の有機溶媒が用いら
れ、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール等
のアルコール溶媒、ジクロロメタン、ジクロロエタン、
テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルホルムアミ
ド等の非プロトン性極性溶媒等が使用される。
【0027】反応条件 反応温度は、0〜60℃であることが好ましく、反応溶
液の滴下は、反応系の温度が急激に上昇しないように調
節しながら10分〜20時間の範囲内で行うことが好ま
しい。また、反応溶液の滴下終了後1〜72時間攪拌を
続けて反応させることが好ましい。
【0028】反応終了後の処理 反応終了後の処理としては、反応混合物から溶媒を留去
して得られた残渣をエーテル、クロロホルム、ベンゼン
等の有機溶媒にて抽出し、この抽出液を無水硫酸マグネ
シウム等の脱水剤で乾燥した後、溶媒を留去してジアセ
チレン化合物を得る方法等が挙げられる。
【0029】精製 反応生成物は、上記有機溶媒で再結晶することにより精
製される。
【0030】なお、得られたジアセチレン化合物は、光
又は熱等により容易に重合するため、遮光して冷暗所に
保管するのが好ましい。
【0031】
【実施例】次に、本発明の実施例を説明する。なお、以
下の実施例において、質量分析及び赤外線吸収スペクト
ル分析により、得られた化合物の同定を行った。
【0032】実施例1 冷却装置、攪拌装置及び滴下ロート付200ml2口フ
ラスコに塩化オキサリル50mlを供給し、温度50℃
で攪拌しながらm−エチニル安息香酸14.6gを30
分で添加した。温度を50℃に保持しながら、更に2時
間攪拌した後、過剰の塩化オキサリルを減圧留去してm
−エチニル安息香酸クロリドを得た。得られたm−エチ
ニル安息香酸クロリドに、ブチルアミン15gがジクロ
ロメタン100mlに溶解してなる溶液を氷冷下加えた
後、温度20℃に昇温して1時間攪拌した。攪拌終了
後、過剰のジクロロメタンを減圧留去し、残渣に水30
0mlを加え、エーテル200mlにて抽出した。得ら
れたエーテル層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥した
後、エーテルを減圧留去してm−エチニル安息香酸ブチ
ルアミドを得た。
【0033】得られたm−エチニル安息香酸ブチルアミ
ドをメタノール100mlに溶解し、塩化アンモニウム
3g及び塩化第1銅2gを加え、この溶液に酸素ボンベ
にて酸素を吹き込みながら15時間攪拌した。攪拌終了
後メタノールを減圧留去し、残渣に水300mlを加え
た後固形分を濾取した。濾取した固形分を5%アンモニ
ア水100mlで洗浄して固形分に付着している銅を取
り除いた後、エーテル50mlで洗浄して未反応のモノ
アミドを取り除いた。得られた固形分をメタノールにて
再結晶し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後エーテル
を減圧留去し、m,m’−ブタンジイニレン−N,N’
−ジブチルベンズアミドの結晶を得た。得られたm,
m’−ブタンジイニレン−N,N’−ジブチルベンズア
ミドの収率は30%であった。
【0034】このときの反応を、反応式(7)に示し
た。
【0035】
【化8】
【0036】得られたm,m’−ブタンジイニレン−
N,N’−ジブチルベンズアミド(C 26282 2
は、無色微鱗片状結晶で、融点は236〜237℃であ
り、温度25℃で太陽光線その他全ての放射線の照射に
より容易に重合して紫色に変色した。
【0037】また、質量分析した実測値と理論値とは下
記の通りであり、両者は良く整合していた。 (1)実測値 ・炭素;77.30重量% ・水素; 7.25重量% ・窒素; 6.51重量% (2)理論値 ・炭素;78.00重量% ・水素; 7.00重量% ・窒素; 7.00重量%
【0038】更に、赤外線吸収スペクトル分析によるピ
ーク値は下記の通りであった。なお、図1に、m,m’
−ブタンジイニレン−N,N’−ジブチルベンズアミド
の赤外線吸収スペクトル図を表した。 ピーク値 ・3307cm-1;−NH− ・2373cm-1;−C≡C−C≡C− ・1634cm-1;−CO─
【0039】実施例2 冷却装置、攪拌装置及び滴下ロート付300ml2口フ
ラスコに、水酸化ナトリウム20g及び水100mlを
供給して溶解し、この水溶液に氷冷下臭素35gを加え
た。この水溶液を温度5℃に昇温し、窒素雰囲気下攪拌
しながら、水酸化ナトリウム10g及びm−エチニル安
息香酸10gが溶解してなる水溶液100mlを滴下ロ
ートにて1時間で滴下した。滴下終了後、温度20℃に
昇温して14時間攪拌した。攪拌終了後、不溶物を濾別
し、濾液に5%希塩酸100mlを加えて濾液を酸性に
し、沈殿した固形物を濾取して水洗した後、温度20℃
で真空ポンプにて減圧して乾燥し、m−臭化エチニル安
息香酸の結晶を得た。
【0040】次に、冷却装置、攪拌装置及び滴下ロート
付200ml2口フラスコに、塩化オキサリル30ml
を供給し、温度50℃で攪拌しながら上記で得られたm
−臭化エチニル安息香酸10gを30分で添加した。添
加後、温度を50℃に保持しながら、更に3時間攪拌し
た後、過剰の塩化オキサリルを減圧留去し、m−臭化エ
チニル安息香酸クロリドを得た。得られたm−臭化エチ
ニル安息香酸クロリドに、プロピルアミン8gがジクロ
ロメタン100mlに溶解してなる溶液を氷冷下加えた
後、温度20℃に昇温して1時間攪拌した。攪拌終了
後、過剰のジクロロメタンを減圧留去し、残渣に水30
0mlを加えてエーテル200mlにて抽出した。得ら
れたエーテル層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥した
後、エーテルを減圧留去してm−臭化エチニル安息香酸
プロピルアミドを得た。得られたm−臭化エチニル安息
香酸プロピルアミドの収率は60〜70%であった。
【0041】得られたm−臭化エチニル安息香酸プロピ
ルアミド10gを、70%エチルアミン水溶液10m
l、塩化第1銅1g及びヒドロキシルアミン塩酸塩2g
が溶解してなるメタノール溶液150mlに溶解し、窒
素雰囲気下20時間攪拌した。攪拌終了後、メタノール
を減圧留去し、残渣に水300mlを加えた後固形分を
濾取した。濾取した固形分を5%アンモニア水100m
lで洗浄して固形分に付着している銅を取り除いた後、
エーテル50mlにて洗浄して未反応のモノアミドを取
り除いた。得られた固形分をメタノールで再結晶し、無
水硫酸マグネシウムで乾燥した後エーテルを減圧留去
し、m,m’−ブタンジイニレン−N,N’−ジプロピ
ルベンズアミドの結晶を得た。得られたm,m’−ブタ
ンジイニレン−N,N’−ジプロピルベンズアミドの収
率は20%であった。
【0042】このときの反応を、反応式(8)に示し
た。
【0043】
【化9】
【0044】得られたm,m’−ブタンジイニレン−
N,N’−ジプロピルベンズアミド(C2424
2 2 )は、白色結晶で、融点は250℃であり、温度
20℃で紫外線の照射により容易に重合して濃い紫色に
変色した。また、同温で室内光にて徐々に紫色に変色し
た。
【0045】また、質量分析の実測値と理論値とは下記
の通りであり、両者は良く整合していた。 (1)実測値 ・炭素;77.10重量% ・水素; 6.80重量% ・窒素; 7.20重量% (2)理論値 ・炭素;77.42重量% ・水素; 6.45重量% ・窒素; 7.53重量%
【0046】更に、赤外線吸収スペクトル分析のピーク
値は下記の通りであった。なお、図2に、m,m’−ブ
タンジイニレン−N,N’−ジプロピルベンズアミドの
赤外線吸収スペクトル図を表した。 ピーク値 ・3300cm-1;−NH− ・2370cm-1;−C≡C−C≡C− ・1630cm-1;−CO─
【0047】実施例3 冷却装置、攪拌装置及び滴下ロート付300ml2口フ
ラスコに、m−エチニル安息香酸14.6g及び塩化ア
ンモニウムの飽和メタノール溶液150mlを供給して
溶解し、この溶液に塩化第1銅1gを添加し、酸素ボン
ベにて酸素を吹き込みながら温度20℃で10時間攪拌
した。攪拌終了後、得られた固形分を濾取し、5%希塩
酸100mlにて洗浄し、水洗、風乾した後、デシケー
ターにて充分乾燥し、m,m’−ブタンジイニレンジ安
息香酸を得た。
【0048】次に、冷却装置、攪拌装置及び滴下ロート
付300ml2口フラスコに、塩化オキサリル10ml
及びジクロロエタン100mlを供給し、温度50℃で
攪拌しながら上記で得られたm,m’−ブタンジイニレ
ンジ安息香酸5gを30分で添加し、温度を50℃に保
持しながら更に5時間攪拌した。攪拌終了後、ジクロロ
エタン及び過剰の塩化オキサリルを減圧留去し、m,
m’−ブタンジイニレンジ安息香酸クロリドを得た。
【0049】得られたm,m’−ブタンジイニレンジ安
息香酸クロリドに、ヘキシルアミン10gがジクロロエ
タン100mlに溶解してなる溶液を氷冷下徐々に添加
し、温度20℃に昇温して1時間攪拌した。攪拌終了
後、過剰のジクロロエタンを減圧留去し、残渣を充分に
水洗した後メタノールにて再結晶を繰り返し、無水硫酸
マグネシウムで乾燥した後メタノールを減圧留去し、
m,m’−ブタンジイニレン−N,N’−ジヘキシルベ
ンズアミドの結晶を得た。得られたm,m’−ブタンジ
イニレン−N,N’−ジヘキシルベンズアミドの収率は
20%であった。
【0050】このときの反応を、反応式(9)に示し
た。
【0051】
【化10】
【0052】得られたm,m’−ブタンジイニレン−
N,N’−ジヘキシルベンズアミド(C3036
2 2 )は、無色鱗片状結晶で、融点は219℃であ
り、温度20℃で室内光又は紫外線の照射等により容易
に重合し、紫色に変色した。
【0053】また、質量分析の実測値と理論値とは下記
の通りであり、両者は良く整合していた。なお、分析結
果は図3に示す通りであった。 (1)実測値 ・炭素;78.23重量% ・水素; 7.35重量% ・窒素; 6.51重量% (2)理論値 ・炭素;78.95重量% ・水素; 7.89重量% ・窒素; 6.14重量%
【0054】更に、赤外線吸収スペクトル分析のピーク
値は下記の通りであった。なお、図3に、m,m’−ブ
タンジイニレン−N,N’−ジヘキシルベンズアミドの
赤外線吸収スペクトル図を表した。 ピーク値 ・3302cm-1;−NH− ・2374cm-1;−C≡C−C≡C− ・1634cm-1;−CO─
【0055】実施例4 冷却装置、攪拌装置及び滴下ロート付300ml2口フ
ラスコに、m−エチニル安息香酸14.6g及びピリジ
ン100mlを供給して溶解し、この溶液に塩化第1銅
1gを添加し、酸素ボンベにて酸素を吹き込みながら、
温度25℃で12時間攪拌した。攪拌終了後、生成した
固形分を濾取し、5%希塩酸100mlにて洗浄し、水
洗後、この固形分を20%アンモニア水溶液50mlに
溶解し、不溶物を濾別し、濾液を5%希塩酸100ml
にて中和して固形分を再結晶させた。得られた再結晶を
風乾した後、デシケーターにて充分乾燥し、m,m’−
ブタンジイニレンジ安息香酸の結晶を得た。
【0056】次に、冷却装置、攪拌装置及び滴下ロート
付300ml2口フラスコに、塩化オキサリル10ml
及びジクロロエタン100mlを供給し、温度50℃で
攪拌しながら上記で得られたm,m’−ブタンジイニレ
ンジ安息香酸5gを30分で添加し、温度を50℃に保
持しながら更に5時間攪拌した。攪拌終了後、ジクロロ
エタン及び過剰の塩化オキサリルを減圧留去し、m,
m’−ブタンジイニレンジ安息香酸クロリドを得た。
【0057】得られたm,m’−ブタンジイニレンジ安
息香酸クロリドに、ヘプチルアミン10gがジクロロエ
タン100mlに溶解してなる溶液を氷冷下徐々に添加
し、温度20℃に昇温して1時間攪拌した。攪拌終了
後、過剰のジクロロエタンを減圧留去し、残渣を充分に
水洗した後メタノールにて再結晶を繰り返し、無水硫酸
マグネシウムで乾燥した後メタノールを減圧留去し、
m,m’−ブタンジイニレン−N,N’−ジヘプチルベ
ンズアミドの結晶を得た。得られたm,m’−ブタンジ
イニレン−N,N’−ジヘプチルベンズアミドの収率は
60%であった。
【0058】このときの反応を、反応式(10)に示し
た。
【0059】
【化11】
【0060】得られたm,m’−ブタンジイニレン−
N,N’−ジヘプチルベンズアミド(C3240
2 2 )は、無色結晶で、融点は210℃であり、温度
25℃で室内光又は紫外線の照射等により容易に重合し
て紫色に変色した。
【0061】また、質量分析の実測値と理論値とは下記
の通りであり、両者は良く整合していた。なお、赤外線
吸収スペクトル分析結果は図4に示す通りであった。 (1)分析値 ・炭素;78.84重量% ・水素; 8.12重量% ・窒素; 5.30重量% (2)計算値 ・炭素;79.34重量% ・水素; 8.26重量% ・窒素; 5.78重量%
【0062】更に、赤外線吸収スペクトル分析のピーク
値は下記の通りであった。なお、図4に、m,m’−ブ
タンジイニレン−N,N’−ジヘプチルベンズアミドの
赤外線吸収スペクトル図を表した。 ピーク値 ・3300cm-1;−NH− ・2370cm-1;−C≡C−C≡C− ・1630cm-1;−CO─
【0063】
【発明の効果】本発明の光重合性ジアセチレン化合物で
あるブタンジイニレン−N,N’−ジアルキルベンズア
ミド化合物の構成は上述の通りであるので、温和な反応
条件で太陽光線、紫外線、γ線等の照射により容易に固
相重合し、構造が一定に制御されている、第三次非線形
光学材料として有望なポリジアセチレン化合物となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】m,m’−ブタンジイニレン−N,N’−ジブ
チルベンズアミドの赤外線吸収スペクトル図である。
【図2】m,m’−ブタンジイニレン−N,N’−ジプ
ロピルベンズアミドの赤外線吸収スペクトル図である。
【図3】m,m’−ブタンジイニレン−N,N’−ジヘ
キシルベンズアミドの赤外線吸収スペクトル図である。
【図4】m,m’−ブタンジイニレン−N,N’−ジヘ
プチルベンズアミドの赤外線吸収スペクトル図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1)で表される光重合性ジアセ
    チレン化合物。 【化1】
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006063045A (ja) * 2004-08-30 2006-03-09 National Institute Of Advanced Industrial & Technology ジアセチレンジアミド化合物

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